(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記注出部の前記氷通路部は、前記氷通路部の通路断面積を互いに対向する部位で減少させる絞り通路部と、減少させた通路断面積で前記絞り通路部の下方に連通する筒状通路部とを有する請求項1または2に記載の氷ディスペンサ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
以下の実施の形態における氷ディスペンサは、飲料としての水とチップ状の氷とを一緒に利用者に提供する氷水ディスペンサとし、さらに、水平な面上に設置されているものとする。
【0011】
図1を参照すると、この発明の実施の形態1に係る氷ディスペンサ1は、製氷装置14(
図2参照)及び氷を貯留するためのストッカ10(
図2参照)を内部に含むディスペンサ本体2を有し、利用者が飲料の提供を受ける側であるディスペンサ本体2の前面2aには、水及び氷を注出する機構を含むフロントパネル3が取り付けられている。さらに、フロントパネル3には、利用者が操作することで水及び氷の提供を受けることができる操作盤4が設けられている。
ここで、ディスペンサ本体2及びフロントパネル3は、氷ディスペンサ1の本体を構成している。
【0012】
また、
図2に示すように、ディスペンサ本体2の内部には、フロントパネル3の背部にストッカ10が配置され、ストッカ10の下方に製氷装置14が設けられている。そして、ストッカ10は、フロントパネル3の内側に、内部の氷の外部への放出を制御する開閉扉11と、開閉扉11に対してその開閉動作のための駆動力を与えるアクチュエータ13と、アクチュエータ13の駆動力を開閉扉11に伝達するリンク機構12とを有している。
【0013】
図1に戻り、ディスペンサ本体2の前面2aには、フロントパネル3の下方に、注出された水及び氷を受け取るための窪んだ注出空間2a1が形成され、注出空間2a1の底部には、こぼれた水及び氷を回収するための回収桶であるドレンパン5が差し込まれている。また、ドレンパン5のフロントパネル3側となる上部には、利用者がコップ等を置くことができるように簀子5aが設けられている。また、注出空間2a1には、ディスペンサ本体2から注出レバー6が垂下している。利用者は、コップ等を注出レバー6に当接させディスペンサ本体2に向かって押し込むことによっても、水及び氷の提供を受けることができる。
【0014】
ここで、説明の便宜上、氷ディスペンサ1において、フロントパネル3からドレンパン5に向かう方向を下方、ドレンパン5からフロントパネル3に向かう方向を上方、ディスペンサ本体2からフロントパネル3に向かう方向を前方、フロントパネル3からディスペンサ本体2に向かう方向を後方と呼ぶ。
【0015】
また、フロントパネル3には、ディスペンサ本体2に向かって窪んだ凹部3aが形成されている。そして、凹部3aには、水と氷とを別系統で注出することができ且つ樹脂で形成された注出スパウト100が着脱可能に取り付けられている。そして、注出スパウト100には、ディスペンサ本体2の内部から延出する水ホース21が接続されている。
さらに、利用者が氷ディスペンサ1を使用する通常の使用状態では、フロントパネル3の凹部3aは、破線で示す着脱可能なカバー7によって、注出スパウト100と共に覆われている。
ここで、注出スパウト100は、注出部を構成している。
【0016】
また、
図4及び
図5をあわせて参照すると、注出スパウト100の詳細な構造が示されている。
注出スパウト100は、内部に氷を通過させるための氷通路部110と、内部に水を通過させるための水通路部である水パイプ120とを一体に有している。
氷通路部110は、注出スパウト100がフロントパネル3の凹部3a(
図1参照)に取り付けられた際に下側に位置する略矩形断面をした筒状の注出筒部111と、このときに注出筒部111の上側に位置する略コ字状断面をしたカバー部112とを一体に有している。
【0017】
注出筒部111は、互いに対向する側部111c及び111dと、側部111c及び111dにほぼ垂直で互いに対向する側部111e及び111fとによって筒を形成し、注出スパウト100がフロントパネル3の凹部3aに取り付けられた際に下端となる下端部111aの氷注出口111a1と、下端部111aと反対側の上端部111bとで開口している。
また、側部111e及び111fは互いに平行である。側部111c及び側部111dは、下端部111aに向かって、注出筒部111の内部断面積を減少させる、つまり注出筒部111を先細にするテーパーを形成して互いに接近するように傾斜している。なお、注出筒部111では、注出スパウト100がフロントパネル3の凹部3aに取り付けられる際、側部111fがディスペンサ本体2(
図1参照)側となる。
【0018】
また、カバー部112は、注出筒部111の上端部111bから連続して一体に形成されている。カバー部112は、注出筒部111の側部111eから同一の面を形成するようにして延びる側部112eと、注出筒部111の側部111c及び111dのそれぞれから傾きを変えて延びる側部112c及び112dとを有し、側部112c及び112dは互いに平行になっている。そして、カバー部112は、注出スパウト100がフロントパネル3の凹部3a(
図1参照)に取り付けられた際に上端となる上端部112bで開口すると共に、側部112eと対向する側部で開口して開口部112f0を形成している。
【0019】
さらに、側部112c及び112dはそれぞれ、側部112eと反対側に位置する端部が側部112c及び112dに対して垂直な方向に折り曲げられた返し部112c1及び112d1を有している。返し部112c1は、側部112dと反対側に延び、返し部112d1は、側部112cと反対側に延びている。
【0020】
また、カバー部112の側部112c及び112dはそれぞれ、注出筒部111の側部111c及び111dより側部111eから側部111fに向かう方向に突出して延在している。そして、カバー部112は、注出筒部111の側部111fの上端部111bから延びて開口部112f0の下部で側部112c、112e及び112dと共に筒部分を形成するテーパー側部112fを有している。テーパー側部112fは、側部111fから側部112c及び112dの突出方向に折れるように傾いて延びており、側部112c、112e及び112d並びにテーパー側部112fで囲む筒部分の内部断面積を注出筒部111に向かって減少させるように傾斜している。
これによって、氷通路部110の内側では、開口部112f0を氷注出口111a1に連通する氷通路110pが形成される。
【0021】
また、注出スパウト100では、直管状の水通路120pを内部に形成する水パイプ120が、楔状の連結部115を介して氷通路部110の注出筒部111の側部111eに一体に設けられている。水パイプ120は、注出筒部111の下端部111a側において水注出口120aで開口し且つ上端部111b側において水注入口120bで開口するように、注出筒部111の軸方向に沿ってその側部111eの中央に設けられている。さらに、水パイプ120は、注出筒部111の下端部111aに向かうに従いその側部111eに接近するように、側部111eに対して傾斜させて設けられている。また、水パイプ120の水注入口120bの近傍には、帯状に突出する環状のストッパ120cが形成されている。ストッパ120cは、水注入口120b側で水パイプ120に取り付けた水ホース21(
図1参照)を固定するホースバンドの抜け止めとして機能する。
ここで、水パイプ120は飲料通路部を構成し、水注出口120aは飲料注出口を構成している。
【0022】
また、注出スパウト100は、氷通路部110の注出筒部111の側部111c及び111dのそれぞれから一体に延びる板状の固定アーム113及び114を有している。固定アーム113及び114はそれぞれ、板状形状の平坦な幅広の面を側部111c及び111dに対向させ、注出筒部111の側部111eから側部111fに向かう方向に突出して延びている。さらに、固定アーム113及び114は、それぞれの先端部に、先端部に沿って帯状に延在し且つ外方に突出した係止爪113a及び114aを有している。このため、樹脂製の固定アーム113及び114は、側部111cから側部111dに向かう方向及びその反対方向に可撓性及び弾性を有し、穴に挿入されるとその穴に対して弾性を利用して係止爪113a及び114aを係合させ、注出スパウト100を固定することができる。
ここで、固定アーム113及び114は、固定部材を構成している。
また、上述のようにして構成された注出スパウト100は、注出筒部111、カバー部112、水パイプ120、連結部115、並びに、固定アーム113及び114が射出成形等の樹脂成形法によって一体成形されて、一つの部品を形成している。
【0023】
また、
図6を参照すると、注出スパウト100が取り付けられるフロントパネル3の凹部3aの構成が示されている。
フロントパネル3は、その凹部3aの中央でネジ3fによってディスペンサ本体2の図示しないフレームに固定され、そして、ネジ3fでの固定によってディスペンサ本体2における中央の所定の位置に位置合わせされる。
【0024】
また、フロントパネル3の凹部3aにおけるディスペンサ本体2側となる背部3a1では、その上部に氷放出口3cが形成されている。さらに、凹部3aにおいて、氷放出口3cの下方におけるネジ3fの両側には、注出スパウト100の固定アーム113及び114をそれぞれ挿入し係合させるための差込長穴3d及び3eが長手を上下方向にして形成されている。またさらに、凹部3aにおいて、氷放出口3cの側方に水ホース21(
図1参照)を通すためのホース穴3bが形成されている。
氷放出口3cからは、ディスペンサ本体2の内部に設けられたストッカ10(
図2参照)の開閉扉11が臨んでいる。氷放出口3cは、開閉扉11より大きく、開閉扉11に対してその両側に隙間3c1及び3c2を形成している。
【0025】
そして、注出スパウト100は、固定アーム113の係止爪113a及び固定アーム114の係止爪114aをそれぞれ、フロントパネル3の凹部3aの差込長穴3d及び差込長穴3eに挿入することで、固定アーム113及び114の弾性を利用して係止爪113a及び係止爪114aのそれぞれを凹部3aの背部3a1を形成する部材に係合させ、凹部3a内の所定の中央位置に固定される。このとき、注出スパウト100は、その返し部112c1及び112d1とテーパー側部112f(
図4参照)とをフロントパネル3の凹部3aの背部3a1に当接させ、それによって上方を除き開口部112f0(
図4参照)を閉じる。このとき、注出スパウト100は、凹部3aの中央位置に固定されるため、フロントパネル3及びディスペンサ本体2の中央に位置する。そして、開口部112f0の内側に氷放出口3cが位置し、注出スパウト100のカバー部112が氷放出口3cの前方を覆う(
図3参照)。さらに、注出スパウト100の注出筒部111の中心軸線L1(
図2参照)が、ディスペンサ本体2の中心軸と平行となる、つまり、水平面に配置された氷ディスペンサ1では注出筒部111の中心軸線L1の方向が鉛直方向となる。
【0026】
一方、ディスペンサ本体2の内部のストッカ10及び製氷装置14(
図2参照)は、組立誤差等があるため、ディスペンサ本体2への設置時、ストッカ10の開閉扉11をフロントパネル3の氷放出口3cの中央つまりディスペンサ本体2の中央に位置させるように調節することは困難であり時間を要する。しかしながら、開閉扉11がより大きい氷放出口3cの中に収まるように、ストッカ10及び製氷装置14をディスペンサ本体2内に設置しさえすれば、開閉扉11から氷放出口3cを介して放出される氷は、注出スパウト100を通ることでフロントパネル3及びディスペンサ本体2の中央位置に放出される。
【0027】
そして、注出スパウト100をフロントパネル3に取り付けることによって氷注出口111a1及び水注出口120aがフロントパネル3及びディスペンサ本体2の中央に配置される構成であり、注出スパウト100の位置調整が不要であるため、注出スパウト100の注出筒部111及び水パイプ120とフロントパネル3及びカバー7(
図1参照)との間のクリアランスが小さくなるように構成することができる。これにより、注出筒部111及び水パイプ120とフロントパネル3及びカバー7との間からのごみ等の侵入を防ぎ、フロントパネル3の凹部3a内の汚れを低減することができる。
また、清掃等のメンテナンスのために注出スパウト100をフロントパネル3から取り外す際は、人の手で固定アーム113及び固定アーム114を外側から押し縮めるように摘み、引き抜くことによって容易に行うことができる。
【0028】
また、
図3に示すように、フロントパネル3に取り付けられた注出スパウト100では、その水パイプ120が、外部給水源に接続されてディスペンサ本体2の内部からフロントパネル3の内側に延びている給水管20と、フロントパネル3のホース穴3b(
図6参照)に通された可撓性がある水ホース21を介して、接続される。
【0029】
また、
図2を参照すると、注出スパウト100は、フロントパネル3に取り付けられた状態では、注出スパウト100の水パイプ120の中心軸線L2は、氷通路部110の注出筒部111の下端部111aからドレンパン5の簀子5aの上面5a1までの間において、注出筒部111の中心軸線L1を越えて交差する、つまり水パイプ120の注出方向が注出筒部111の放出方向と交差するように、構成されている。このとき、水パイプ120から注出された水と注出筒部111から放出された氷とは、注出筒部111の下端部111aとドレンパン5の簀子5aの上面5a1との間で合流してそのまま一体となってドレンパン5に流下し、ドレンパン5に落下する際又はドレンパン5の簀子5a上に置かれたコップ等に注がれる際に飛散するのが抑えられる。このため、水と氷とが合流する中心軸線L2と中心軸線L1との交差位置は、注出スパウト100とドレンパン5の簀子5aの上面5a1との間であることが好ましい。
【0030】
また、
図3を参照すると、注出スパウト100は、フロントパネル3(
図1参照)に取り付けられた状態では、氷通路部110の注出筒部111におけるテーパー状になった側部111cの内側面を延長した延長面P1及び側部111dの内側面を延長した延長面P2がいずれも、ドレンパン5の簀子5aの上面5a1において注出筒部111の中心軸線L1と交差するように、構成されている。なお、本実施の形態1では、中心軸線L1に対する延長面P1及び延長面P2のそれぞれの傾斜角度は同一になっている。このとき、氷通路部110の注出筒部111から放出される氷は、注出筒部111の中央からは中心軸線L1の方向に、側部111cからは延長面P1の方向に、側部111dからは延長面P2の方向に放出され、そして、放出された氷は、ドレンパン5の簀子5aで合流し、注出スパウト100とドレンパン5との間で拡散すること及び互い衝突して跳ね返ることで周囲に飛散することが抑えられる。このため、延長面P1及び延長面P2と中心軸線L1との交差位置は、ドレンパン5の簀子5aの上面5a1より下方であることが好ましい。
【0031】
よって、
図2を参照すると、氷ディスペンサの1では、利用者がコップ等を注出レバー6に当接させディスペンサ本体2に向かって押し込む、又は、コップ等をドレンパン5の簀子5aの上に置いた状態でフロントパネル3の操作盤4(
図1参照)を操作することによって、ストッカ10の内部のアジテータが作動すると共にアクチュエータ13が開閉扉11を開放してストッカ10内の氷が注出スパウト100の氷通路部110の内部に放出される。放出された氷は、注出スパウト100のカバー部112及び注出筒部111の内側の氷通路110pを通過して、氷注出口111a1から外部に放出される。同時に、給水管20(
図3参照)から水が供給され、供給された水は、水ホース21及び注出スパウト100の水パイプ120の水通路120pを通過して、その水注出口120aから注出される。
【0032】
注出スパウト100から同時に注出された氷及び水は、注出レバー6に押し当てられているコップにそのまま注がれるか、又は、ドレンパン5の簀子5aの上のコップに、流下途中で合流した状態で注がれる。そして、このとき、注出された氷は、流下途中で拡散することも互いに跳ね返って飛散することなくコップに注がれるか又はドレンパン5に回収される。
【0033】
上述で説明したように、この発明に係る氷ディスペンサ1は、水及び氷を供給する氷ディスペンサであり、その本体としてディスペンサ本体2及びフロントパネル3と、フロントパネル3に着脱可能であり、水及び氷を通過させて下方に向かって注出するための注出スパウト100とを備える。注出スパウト100は、水を通過させて水注出口120aから注出する水パイプ120と、氷を通過させて氷注出口111a1から注出する氷通路部110とを一体に有し、水パイプ120と氷通路部110とは別個になった通路を形成する。
【0034】
このとき、注出スパウト100は、利用者に氷を直接提供するための氷注出口111a1を有する氷通路部110と、利用者に水を直接提供するための水注出口120aを有する水パイプ120とを一体に備えるため、注出スパウト100をフロントパネル3に取り付けるのみで、氷通路部110及び水パイプ120を所定の位置に対してずれることなく配置し固定することができる。よって、氷ディスペンサ1は、着脱可能な注出スパウト100の取付において氷通路部110及び水パイプ120の位置ずれを防ぎ、フロントパネル3に取り付けた注出スパウト100から水及び氷の零れがない注出を安定して行うことを可能にする。さらに、氷ディスペンサ1は、取付時における氷通路部110及び水パイプ120の位置調整を不要とするため、メンテナンス性を向上させることができる。
【0035】
また、氷通路部110及び水パイプ120を樹脂で一体成形することによって、氷通路部110に対して水パイプ120を正確な位置に強固に設けることができる。さらに、氷通路部110及び水パイプ120を樹脂で一体成形することによって、部品点数を低減することができるため、製造コストを低減することを可能にすると共に、清掃等のメンテナンス性の向上を可能にする。
【0036】
また、氷ディスペンサ1は、注出スパウト100から注出された水及び氷を回収するためのドレンパン5を注出スパウト100の下方に備えている。さらに、注出スパウト100の水パイプ120が水を注出する方向は、注出スパウト100の氷通路部110が氷を注出する方向と、注出スパウト100及びドレンパン5の間で交差する。
このとき、注出スパウト100から注出された水及び氷は、注出スパウト100とドレンパン5との間で合流して一緒にドレンパン5に流下する。よって、ドレンパン5に置いたコップ等に水及び氷を注出する場合でも、コップ等から水及び氷がこぼれることを抑えることができる。さらに、注出スパウト100とドレンパン5との間の距離を大きくしても水及び氷のコップ等からのこぼれを抑えることができる。
【0037】
また、氷ディスペンサ1において、フロントパネル3は、上下方向に長くなった差込長穴3d及び3eを有している。さらに、注出スパウト100は、注出スパウト100から突出して差込長穴3d及び3eにそれぞれ挿入可能であり且つ差込長穴3d及び3eに係合可能な係止爪113a及び114aをそれぞれもつ固定アーム113及び114を一体に有している。そして、固定アーム113及び114はそれぞれ、差込長穴3d及び3eの長手方向に垂直な方向に弾性を有している。
【0038】
このとき、注出スパウト100は、固定アーム113の係止爪113a及び固定アーム114の係止爪114aをそれぞれ、フロントパネル3の差込長穴3d及び3eに挿入するだけで、固定アーム113及び114の弾性力によって係止爪113a及び114aを差込長穴3d及び3eに係合させ、フロントパネル3に固定することができる。また、人の手等で弾性力に抗して固定アーム113及び114を撓ませ、係止爪113a及び114aの係合を解除し差込長穴3d及び3eから引き抜くことによって、フロントパネル3から注出スパウト100を取り外すことができる。よって、注出スパウト100のフロントパネル3への着脱を容易にすることができる。
【0039】
また、氷ディスペンサ1において、注出スパウト100の氷通路部110における注出筒部111は、下方に向かってテーパー状に先細になっている。これによって、氷通路部110から注出した氷に対して、その拡散を抑えて氷通路部110の中央に向かって落下させることができるため、利用者のコップ等から氷がこぼれることを低減することが可能になる。
【0040】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る氷ディスペンサは、実施の形態1の氷ディスペンサ1における注出スパウト100の氷通路部110において、氷通路110pの途中で通路断面を絞るようにしたものである。
なお、以下の実施の形態において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図7を参照すると、実施の形態2に係る氷ディスペンサの注出スパウト200は、氷通路部210と、実施の形態1と同様の水パイプ120とを一体に有している。
氷通路部210は、注出スパウト200がフロントパネル3の凹部3a(
図1参照)に取り付けられた際、下側に位置する略矩形断面をした筒状の注出筒部211と、注出筒部211の上側に位置して互いに内部で連通する絞り筒部216と、絞り筒部216の上側に位置して互いに内部で連通し且つ注出筒部211より幅が広くなった略コ字状断面をしたカバー部212とを一体に有している。
ここで、注出筒部211は筒状通路部を構成し、絞り筒部216は絞り通路部を構成している。
注出筒部211は、その通路断面積が一定であり、その側部211cに係止爪213aを有する固定アーム213が設けられ、側部211cに対向する側部211dに係止爪214aを有する固定アーム214が設けられ、側部211c及び211dの間の側部211eに水パイプ120が設けられている。
【0042】
また、絞り筒部216は、注出筒部211に向かって先細になる形状を有している。そして、両側のテーパー状になった側部216c及び216dは、カバー部212において側部212c及び212dの間を幅とする氷通路部210の幅を、注出筒部211では側部211c及び211dの間である幅に急激に減少させ、氷通路部210の通路断面積を減少させている。
なお、水パイプ120側となる絞り筒部216の側部216e、カバー部212の側部212e、及び注出筒部211の側部211eは、同一の平面を形成している。
【0043】
また、絞り筒部216の側部216c及び216dのそれぞれが、注出筒部211の側部211c及び211dに対して傾斜する角度は、側部212c及び212dのそれぞれの内側面を延長すると注出筒部211の内部を横切って反対側の側部211d及び211cに到達するような角度が好ましい。
【0044】
側部216c及び216dが上記のような傾斜角度を有する場合、カバー部212の内部を流下した氷は、絞り筒部216内の中央ではそのまま注出筒部211に流下するが、側部216c及び216dではそれぞれ流下方向が変えられて、注出筒部211における反対側の側部211d及び211cに向かって流れ、一部が側部211d及び211cに衝突して跳ね返る。そして、側部216c及び216dのそれぞれから注出筒部211の側部211d及び211cに向かう氷の流れ、並びに、側部211d及び211cで跳ね返る氷の流れは、注出筒部211を鉛直下方向に流下する氷の流れと干渉し合い、それによって注出筒部211内で一時的な氷の詰まりのような現象を発生させることで、氷の流下方向が注出筒部211に沿った鉛直下方向に矯正されると共に流速が低減される。これによって、注出筒部211の氷注出口211a1から注出される氷は、周囲への飛散が抑えられる。
【0045】
また、この発明の実施の形態2に係る氷ディスペンサのその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
上述で説明したように、実施の形態2における氷ディスペンサは、上記実施の形態1の氷ディスペンサ1と同様な効果が得られる。
また、注出スパウト200の氷通路部210は、氷通路部210の通路断面積を互いに対向する部位である側部216c及び216dで減少させる絞り筒部216と、減少させた通路断面積で絞り筒部216の下方に連通する注出筒部211とを有している。このとき、氷通路部210内の氷は、絞り筒部216で流下方向が変えられ、注出筒部211で流下方向が異なる氷同士が干渉し合い、流れの方向が注出筒部211に沿った方向に矯正される。よって、注出筒部211の氷注出口211a1から注出される氷の飛散を抑えることができる。
【0046】
また、実施の形態1及び2において、注出スパウト100及び200の氷通路部110及び210には、互いに対向する2つの側部がテーパー状になっていたが、これに限定されるものでなく、氷通路部110及び210を取り囲む4つの側部がテーパー状となっていてもよい。
また、実施の形態1及び2において、水パイプ120は、氷通路部110及び210におけるフロントパネル3と反対側の側部111e及び211eに設けられていたが、これに限定されるものでなく、フロントパネル3側の側部に設けられていてもよい。
【0047】
また、実施の形態1及び2において、水パイプ120は直管状で上下方向に延在していたが、これに限定されるものでない。水パイプ120の水注出口120aの近傍が直管状で上下方向に延在していればよく、L字形の全体形状、又は一部に湾曲した形状を有していてもよい。
また、実施の形態1及び2において、注出スパウト100及び200は、水と氷とを注出する氷ディスペンサに設けられていたが、これに限定されるものでなく、茶、ジュース等の飲料と氷とを注出する氷ディスペンサに設けられてもよい。