(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の運行制御部は、それぞれかご床面の複数分割による単位かご床面毎に設けられた複数の検出器により前記現在のかご床占有面積を検出することを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
前記群管理制御部による配車情報、および歩行可能な者に対する非常階段の利用を促すための報知機器を各階床のエレベータホールに設けることを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態に係るエレベータについて、
図1乃至
図6を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
【0009】
図1は本発明の実施の形態に係るエレベータの構成図である。本実施形態に係るエレベータは、複数階床を有する病棟10に入院する患者、ベッド及び避難時に外せない装置や機材といった重症者に付随する付随設備機器にそれぞれ付されたRFIDタグ11(無線媒体)と、各患者が乗降しそれぞれ病棟10内の昇降路を昇降する複数台のかご12と、それぞれかご12の昇降を制御する複数の運行制御部13と、各患者の症状の度合い、避難時にベッドを必要とするかどうか、及び付随設備機器のデータを記憶するデータベース14と、患者及び付随設備機器の各RFIDタグ11からタグID(固有情報)を読取る階床毎に設けられたRFID読取機15(無線読取機)と、監視室16内に設けられた演算部17と、群管理制御部18とを備える。
【0010】
重症者とは、避難時にかご12内にベッド及び治療機器のうち一方あるいは両方の運び込みを必要とする対象者や、避難時にかご12内への添乗者を必要とする対象者を指す。重症者は車椅子で避難する患者も含む。付随設備機器とは、ベッド、車椅子や治療機器を指し、患者に常時装着することが必要な医療装置や使用機材を含む。
【0011】
重症者の例としては、重症度が高い人、手術直後の人、健康体だが骨折等によりベッド上で安静を要する人、自力歩行が可能だが医療機器を付けて吸引など治療を受けている人、点滴台を傍にして点滴等を受けている人、ベッドサイドの透析装置や液体を循環させる管などにより動きをとれない人などが挙げられる。治療機器の例としては、心拍数、呼吸速度、体温及び血圧などのモニタ装置、血液や透析液のカテーテルの輸送回路、ポンプ、ボンベ、医療用カート、注射を揃える台や点滴台等が挙げられる。
【0012】
RFIDタグ11は予めタグIDを記録されたメモリを持つICチップと、アンテナとを有する。ICチップはアンテナが受信した電波から電力を生成し、メモリから読出したタグIDデータにより搬送波を変調してアンテナから無線信号を送信する。RFIDタグ11は各患者のリストバンドなどの携帯物に埋設されている。RFIDタグ11は予め付随設備機器にも付されている。
【0013】
各かご12は通常サイズのかご室の床面積よりも大きい床面積を有する。かご室間口の寸法やかご室奥行きの寸法は、付随設備機器がかご室に運び込まれたときにおいても看護士、検査技士あるいは介添者がかご室内に入れる程度の大きさを有する。各かご12はそれぞれ患者を載せた複数台のベッド、複数台の治療機器、及び複数の人が同時に乗車可能な耐積載荷重を持つ。
【0014】
かご12は、現在のかご床占有面積を検出するための検出器19と、現在の積載重量を検出する荷重検出器20とを備える。検出器19は例えばそれぞれかご床面を複数に分割された単位片の下に埋設される複数枚のシートと、シート内の圧電素子と、これらの圧電素子に加わる圧力の変化を用いて人、ベッド及び治療機器等が占めるかご床の面積を演算するCPU、メモリとを備える。各かご12は信号ケーブル21により、現在のかご床占有面積及び現在の積載重量を運行制御部13へ通知するようにしている。
【0015】
各運行制御部13はかご12毎の現在のかご床占有面積および現在の積載重量を含む運行情報を出力する。これらの運行制御部13は全号機のエレベータ運転を通常運転及び避難運転の間で切替える。
【0016】
データベース14は、運行制御部13による避難運転の実施中、かご12により避難する重症者本人の面積、体重と、付随設備機器の床面積、重量とを対応付けたデータを記憶する。このデータベース14は、かご12を使って避難する重症者のリストと、各重症者が避難時において必要なベッドや治療機器の床面積及び重量とを記憶する。具体的にはデータベース14は、一人の重症者について、本人が占める床面積及び体重、必要なベッドの床面積及びベッドの重量、および必要な治療機器の床面積及び治療機器の重量を対応付けたデータを保持する。このデータベース14は、病院内に予め設置されている電子カルテデータベースから必要なデータを抽出して生成されるようになっている。データベース14は、歩けるか歩けないかといったその日の患者の症状、治療計画上の進捗状況、計測や検査のために患者から外せないといった治療機器の内容を毎日更新されるようになっている。
【0017】
また、各階床のRFID読取機15は、無線通信によってRFIDタグ11からタグIDを読取って出力するタグリーダである。RFID読取機15は患者、ベッド及び治療機器に付された全てのRFIDタグ11からタグIDを読取る。
【0018】
図2は本実施形態に係るエレベータが設置される病棟の第n階床における間取り図を示す図である。30は昇降路空間を表す。34は報知機器を表す。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。RFID読取機15はエレベータホール22における高い位置に設けられている。第n階床において、全患者のうち、ベッドや治療機器を伴わずに自力歩行可能である患者は、避難時、何れか病室23から通路24を通って非常階段25を利用する。重症者を載せたベッドは、看護士、検査技士あるいは介添者により治療機器を伴ってエレベータホール22に寄せられたときに、RFID読取機15が患者、ベッド及び治療機器のRFIDタグ11からタグIDを読取るようにされている。RFID読取機15は、壁内配線26により、タグIDを含む読取データを演算部17へ送信するようにしている。避難運転時にかご12が停止する他の階床の例は
図2の例と実質同じである。RFID読取機15は各階床に複数台設けられてもよい。
【0019】
図1の演算部17は、各RFID読取機15が出力するタグIDによりデータベース14を検索し、タグIDに対応する重症者の本人面積、ベッド床面積及び機器床面積の総和と、本人体重、ベッド重量及び機器重量の総和とを求め、階床毎にかご12に積載予定の総面積、総重量を含む呼びを登録する。呼びとはメモリ上に保持される処理待ちの待ちデータを指す。
【0020】
この演算部17は一人の重症者について、人体、ベッド及び治療機器の各床面積を合計して一人当たりのかご床占有面積を算出するようにしている。演算部17は同じ重症者について、体重、ベッド重量及び治療機器重量を合計して一人当たりの重量を算出するようにしている。演算部17は一階床の全ての重症者についての床面積及び重量を合計し、一階床当たりの必要な床面積及び必要な重量を求める。演算部17は全ての階床について、必要な床面積及び必要な重量を求める。演算部17は第1のテーブル27を有する。演算部17はこの第1のテーブル27に、算出した総床面積及び総重量を含む呼び(待ちデータ)を登録するようにしている。演算部17は各かご12の床面積及び重量の規定値を予め保持している。規定値とは許容値あるいは定格値を指す。
【0021】
群管理制御部18は演算部17による呼び及び各運行制御部13からの運行情報によって配車割当てを行う。群管理制御部18は第2のテーブル32を有する。第2のテーブル32は全てのかご12の現在のかご床占有面積及び現在の積載重量を保持する。運行情報は、かご12の現在位置、上昇、下降及び停止を示す情報、行き先階を示す情報、現在のかご床占有面積、及び現在の積載重量を含む。群管理制御部18は、全ての運行制御部13からの運行情報から第2のテーブル32を生成するようにしている。群管理制御部18はかご12毎の床面積及び積載重量の規定値を記憶した第3のテーブル33を有する。
【0022】
群管理制御部18は第1のテーブル27内の総床面積及び総重量にそれぞれ現在のかご床占有面積及び現在の積載重量を加算する。群管理制御部18は加算結果と、規定床面積及び規定重量により何れかのかご12を選択するようになっている。群管理制御部18は例えば空きスペースが大きいかご12を、重症度の大きい患者の入院階に優先的に向かわせる制御を行う。
【0023】
演算部17及び群管理制御部18の機能は、CPU、ROM、RAMによって実行される。これらの演算部17及び群管理制御部18は制御手段28の一機能として実装されている。制御手段28はエレベータ制御盤である。また、監視室16には管理者用の設定器29が設置されている。設定器29は例えば監視盤上のスイッチである。管理者の操作により設定器29が群管理制御部18避難運転の開始を指令するようにしている。群管理制御部18は通常運転時には複数のかご12を呼びに応じて全階床に応答させ、避難運転時にはかご12の選択割当てを行うようになっている。
【0024】
上述の構成の本実施形態に係るエレベータは通常運転を実施する。第n階床のエレベータホール22の呼び登録装置31は上下方向ボタンへの押下操作を受ける。群管理制御部18は第n階床からのホール呼びを入力されると、各かご12内の行き先ボタンによるかご呼びの有無と、昇降路空間30内での各かご12のかご位置とにより、かご割当て評価のための演算を実行する。群管理制御部18は、評価演算により発生したホール呼びを最も短時間で第n階床へ着床可能なエレベータ号機に割付ける演算を行う。群管理制御部18は複数号機のエレベータを同時に就役させる。
【0025】
各階床に設置された1台又は複数台のRFID読取機18はエレベータシステムとは別の予め設置済みの院内システムに対して読取った受信したタグIDを通知している。院内システムは治療計画上、タグIDの監視によって各治療機器が患者及びそのベッドの近くに配置されていることを確認している。院内システムは、病棟10内で患者が倒れたままになることを避け、徘徊等を防止するために患者の移動履歴を記録している。
【0026】
また、通常運転時、院内システムはRFID読取機18が読取ったタグIDと、電子カルテデータベースとにより、患者が何時何分にどの地点を通過したということを確認しており、RFID読取機18を通過ゲートとして機能させている。病院側の端末は電子カルテデータベースから必要なデータを抽出しておき、データベース14を随時更新している。この端末は、データベース14の患者の重症度やベッド上でないと避難できないか否か、及び患者の治療計画(避難時に外せない使用機材)などをデータとして書込んでおく。
【0027】
一例として、午前中の決まった時間に、端末がデータベース14を更新する。前日午前中までセミダブルのサイズのベッドの周りに、複数台のモニタ装置、液体循環装置、気体ボンベ、カート、点滴台等が存在する旨を登録されていた患者が、前日午後には別部屋に移ってシングルサイズのベッドに変わって経過観察状態になったとする。このような患者の症状等の変化は今朝の更新によってデータベース14に反映される。重症者から軽症扱いにされたこと、その逆にされたこと、非常階段25を使って避難できる状態にまで回復したこと、あるいは未だベッドによりエレベータを使って避難することを要するなどの状況をデータベース14は都度更新している。更新の頻度は都度変更可能である。
【0028】
以上は通常運転時の説明である。以下、避難運転時に、患者とともに運ぶ治療機器を選定する処理について述べる。
【0029】
病棟10内において火災検知器が火災を検知する。院内システムは音声放送により火災を報知する。制御手段28は報知機器34に歩行可能な者に対する非常階段の利用を促すための情報を表示させる。軽症者は非常階段25を使って避難階に向かって歩く。RFID読取機15が歩行可能な患者のRFIDタグ11を院内システムへ送り、院内システムはその患者が非常階段25で避難したことを把握する。
【0030】
また、看護士、検査技師あるいは介添者は病室23から重症者をベッドに載せたまま、必要な治療機器とともにエレベータホール22へ運び出す。RFID読取機15が重症者のRFIDタグ11を院内システムへ送り院内システムはその重症者が第n階床のエレベータホール22に待機していることを把握する。
【0031】
図3は重症者と治療機器との結びつけ処理を説明するためのフローチャートである。演算部17が
図3のフローを実行する。
【0032】
ステップA1では、演算部17は、避難運転が実行されるかどうかを設定器29の設定値により判定している。設定値が避難運転を示す値でない間、演算部17はNルートを通り、ステップA2において通常運転を続ける。
【0033】
エレベータ側では、管理者の操作により設定器29が設定値を避難運転へスイッチする。ステップA1において設定値が避難運転を示す値であるとYルートを通り、ステップA3において演算部17はエレベータの避難運転をスタートさせるため処理を始める。運行制御部13はエレベータホール22からの呼びの受付けを止める。
【0034】
図4(a)は演算部17による繰返し演算の範囲を示す図である。演算範囲はRFID読取機15が設置されている階床と実質同じである。ステップA3では、演算部17は、階床を表す繰返しの変数iをj(j=N、N−1…;Nは最上階を表す)に設定し、ステップA4においてjに初期値Nを代入する。ステップA5において、演算部17はRFIDタグ11からのデータ入力が存在するかどうかをメモリ上でリードする。ステップA6において、演算部17はデータが存在するかどうかを判定する。
【0035】
このステップA6では、例えば制御手段28が、第N階のエレベータホール22のRFID読取機15にRFIDタグ11からの無線データが入力されたかどうかを確認する。各階に設置されていたRFID読取機15は、通信距離が大きいRFIDタグ11からの信号を受信するかどうかを監視する。RFID読取機15は無線データを検知すると、入力されたタグIDを制御手段28に送付する。
【0036】
ステップA6において演算部17が無線データ有りと判定すると、Yルートを通り、ステップA7において演算部17は、検出されたタグIDに対応する重症者を示す人データと、ベッドや治療機器を示すベッド・機器データとをRAM上で結びつける処理を行う。
【0037】
図4(b)はデータベース14中の人データ及びベッド・機器データ間の対応付けデータの記憶領域の一例を示す図である。RFID読取機15が患者A、Cの2つのタグIDを受信すると、演算部17は、患者Aとベッドとを結びつける。演算部17は、患者Cと、車椅子及び点滴とを結びつける。
【0038】
引き続きステップA8において、演算部17は各患者A、Cの床占有面積と、重量とを算出する。
【0039】
図4(c)はデータベース14中の基本情報の記憶領域の一例を示す図である。
図4(d)はデータベース14中の基本情報の記憶領域の一例を示す図である。患者A、Cの2つのタグIDに対する処理を処理(1)、(2)とすると、演算部17は具体的には処理(1)、(2)を次のように行う。
【0040】
(1)患者Aとベッドとの紐付けに対して、演算部17は患者Aの体重、患者A本人が床に占める面積を読出し、ベッドの重量、ベッドの占有面積を読出す。演算部17は患者Aの体重、ベッド重量を合計する。演算部17は本人面積及びベッド占有面積を合計する。
【0041】
(2)患者Cと車椅子及び点滴との紐付けに対して、演算部17は患者Cの体重、患者C本人が床に占める面積を読出し、車椅子及び点滴台のそれぞれの重量と、車椅子及び点滴台のそれぞれの占有面積とを読出す。演算部17は患者Cの体重、車椅子及び点滴台の機器重量を合計する。演算部17は本人面積及び車椅子占有面積及び点滴台の占有面積を合計する。
【0042】
図4(e)は第1のテーブル27の一例を示す図である。同図中、(1)、(2)は処理(1)、(2)によって得られた結果が登録される領域を表す。続くステップA9において、演算部17は、第N階床の呼びを第1のテーブル27に書込む。演算部17はこの第1のテーブル27に、患者Aについての総重量、総占有面積を書込む。演算部17は第1のテーブル27に、患者Cについての総重量、総占有面積を書込む。
【0043】
次にステップA10において、演算部17はjを一つ減らす。ステップA11において、演算部17はjが最下階であるかどうかを判定する。jが最下階に達しない間、Nルートを通り、演算部17はステップA5において第N−1階床についての処理を行う。以降、第N−2階床についての処理を演算部17は行う。その後、再度、ステップA11において、演算部17はjが最下階であるかどうかを判定する。jが最下階であると、Yルートを通り、演算部17は処理を終える。
【0044】
また、ステップA6において演算部17が無線データ無しと判定した場合、Nルートを通り、ステップA12において演算部17は、jを一つ減らす。ステップA13において、演算部17はjが最下階であるかどうかを判定する。ステップA13において、jが最下階に達しない間、Nルートを通り、演算部17はステップA5に進み、一階下の階床のRFID読取機15からのデータ取込みを行う。ステップA13においてjが最下階であると、Yルートを通り、演算部17は処理を終える。
【0045】
図4(e)の例では、第N階床の対象重症者についての総重量、総占有面積が登録された直後の例が示されているが、第N−1階から最下階までの各階床の対象重症者の総重量、総占有面積も、第N階床の処理と同じようにして演算部17は登録する。
【0046】
図5は群管理制御部18による重症者のかご12への乗車の可否を判断する処理を説明するためのフローチャートである。
【0047】
ステップB1において、群管理制御部18は、かご番号を表す繰返しの変数k(k=1、2、…、全号機数L)を初期値1に設定する。
【0048】
図6(a)は第2のテーブル32の一例を示す図である。ステップB2において群管理制御部18はかご番号1のかご12について、現在の積載重量W及び現在の床面積Aから成るかご内運送情報を第2のテーブル32より取得する。
【0049】
ステップB3において、群管理制御部18はかご12に積載予定の重量W
1を
図4(e)の第1のテーブル27から取得する。演算プログラムによって、群管理制御部18が演算を開始後、第1のテーブル27のテーブル先頭からデータをCPUがリードしている。重量W
1として、群管理制御部18は、処理(1)で得られた患者Aについての総重量と、処理(2)で得られた患者Cについての総重量との合計を使う。
【0050】
図6(b)は第3のテーブル33の一例を示す図である。ステップB4において、群管理制御部18は第3のテーブル33から規定重量W
0を取得する。ステップB5において、群管理制御部18は現在の積載重量W及び積載予定の重量W
1の合計と、規定重量W
0とを比較する。
【0051】
この合計が、規定重量W
0以下である場合、Yルートを通り、ステップB6において、群管理制御部18は、かご12に積載する予定の積載物による占有面積A
1を第1のテーブル27から取得する。テーブル先頭からデータをリードすることによって、患者A、Cの入室階である第N階床のデータが取得される。占有面積A
1として、群管理制御部18は患者Aについての総占有面積と、患者Cについての総占有面積との合計を使う。ステップB7において、群管理制御部18は、第3のテーブル33から規定床面積A
0を取得する。ステップB8において、群管理制御部18は現在の床面積A及び積載予定の占有面積A
1の合計と、規定床面積A
0とを比較する。
【0052】
この合計が、規定床面積A
0以下である場合、群管理制御部18はYルートを通り、ステップB9においてかご番号1のかご12に配車割当てを行う。群管理制御部18は、かご番号1のかご12を第N階床に向かわせる。ステップB9では制御手段28は報知機器34にかご番号1の配車を知らせる。かご12が第N階床に着床すると、看護士は患者Aをベッド上に載せたまま、かご12内に運び込む。更に看護士は患者Cを車椅子に載せ、点滴台とともにかご12に運び込む。運行制御部13は患者A、Cを乗せたかご12を避難階へ走行させる。戸開後、避難階の別の看護士は患者A、Cを降ろす。その後、運行制御部13はかご12を次の割当て階へ向けて運転する。
【0053】
また、ステップB5の処理において、現在の積載重量W及び積載予定の重量W
1の合計が、規定重量W
0を超えた場合、Nルートを通り、ステップB10において、群管理制御部18は、配車を要求するかご12のかご番号を変更し、ステップB11においてかご番号を表す繰返しの変数kを一つ増やし、ステップB2の処理に進む。かご番号1のかご12が割当てられない場合、かご番号2のかご12についてステップB2からステップB8に至る処理を群管理制御部18は実行する。
【0054】
かご番号2のかご12への割当てが確定すると、ステップB9の処理を群管理制御部18は行う。かご番号2のかご12が割当てられない場合、群管理制御部18はかご番号2のかご12について処理を繰返す。以降、かご番号を表す変数kが全号機数Lに達するまで群管理制御部18は処理を繰返す。何れかのかご番号に割当てが確定すると処理を終える。全てのかご番号について群管理制御部18は確定できない場合、例えば暫く待つ。制御手段28は報知機器34に待機の旨を表示する。
【0055】
本実施形態に係るエレベータによれば、データベース14の対応付けデータによって重症度の高い患者の入院階に向かって優先的にかご12を向かわせることができる。どのかごをどのフロアに割当てるべきかを判定できるようになる。輸送力を上げて輸送の効率化を図ることができる。
【0056】
また、
図5のフローチャートでは、群管理制御部18は、重症者の人数、各重症者の介助者の人数に応じてかご床占有面積や積載重量を算出してもよい。群管理制御部18はかご12に乗車する人数に応じてかご床上の空きスペースを演算する。群管理制御部18はこの演算において、定員オーバが生じると、他の重症者、看護士等の人数を制限する。あるいは群管理制御部18は空きスペースに他の階床から介助者無しの重症者を載せるようにしてもよい。
【0057】
また、人、ベッドや機器以外の物品について、演算部17は床占有面積や積載重量を加算してもよい。演算部17は非常階段25を使った移動ができない患者の数が多い階床により多くの台数のかご12を向かわせる処理あるいは頻度を高める処理を実行してもよい。
【0058】
従来例に係るエレベータでは、単に、避難する全人数の情報や健常者又は身障者といった情報を使って配車を行っているが、本実施形態に係るエレベータでは、演算部17がベッドや治療機器などのデータを使って演算を行っているため、効率よくエレベータ割当てを行える。また、RFIDデータによって受け付けた呼びに対し、エレベータはベッドなどを先に載せるべきかご12に対し、報知機器34にベッド優先の表示や、アナウンスを行わせてもよい。
【0059】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。RFID読取機15はかご12内に設置してもよい。
【0060】
上記実施形態では、予めデータベース14が重症者の間に優先順位を与えておいてもよい。群管理制御部18は優先順位にしたがってかご12を配車する。また、人工心肺装置、呼吸装置等、患者に必須の治療装置に対して優先順位をデータベース14は与えておいてもよい。
【0061】
又、看護士に子機端末を携帯させておき、病棟10内に親局端末を設置し、避難時に誰又はどの階を優先するか等の誘導指示を無線送受信するようにもできる。親局端末はデータベース14の対応付けデータを読出して無線送信する。看護士が持つ子機端末と親局端末が通信することによって、該当階の子機端末に対し、どの患者をどのかご12に乗せるかという情報を送ることができる。更に、各子機端末が親局端末から重症者の部屋情報を受信し重症者に対する誘導指示情報を表示するようにしてもよい。親局端末から受けた誘導指示情報から子機端末がIDデータを抽出する。看護士は子機端末を用いて対象の重症者の血圧、体温、症状の度合いなどの必要情報を親局端末へ送付する。子機端末及び親局端末間の通信によって、歩ける患者に対する情報や、どの非常階段25を使えば良いか、あるいはエレベータホール22へ有用なアナウンスや表示を報知するようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。