(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
〈第1実施形態〉
[主要構成]
この第1実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。
図1は、この第1実施形態に係るパチンコ機を正面から見た説明図である。
【0017】
図1に示すように、この第1実施形態に係るパチンコ機1には、外殻を構成する前枠2が設けられており、その前枠2にはガラス枠3が開閉可能に取付けられている。ガラス枠3の内側には遊技盤5(
図2も参照)が設けられており、前枠2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル4が取付けられている。遊技盤5の下方には、払出された賞球や貸球を収容する上受け皿6が設けられており、上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球を収容する下受け皿7が設けられている。
【0018】
[遊技盤の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成について図を参照して説明する。
図2は、遊技盤5の構成を示す説明図であり、(a)は遊技盤の全体の説明図、(b)は(a)においてAで示す領域を拡大して示す説明図、(c)は普通電動役物を拡大して示す説明図である。
【0019】
遊技盤5の盤面には、多数の遊技釘50が打ち込まれており、遊技釘50によって遊技球の流下経路が形成されている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット71が設けられている。レールセット71の終端であって、遊技領域の右上角部には、矢印F2で示す起動で飛んできた遊技球を跳ね返すための返しゴム63が設けられている。
【0020】
遊技盤5の中央には、センター飾り51が設けられている。このセンター飾り51は、大仏を模した飾りであり、盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央においてかなりの面積を占めている。センター飾り51自身の下部には、演出表示装置52が設けられている。この第1実施形態では、演出表示装置52は、複数のLEDを縦横に配置したドットマトリクスにより構成されている。センター飾り51自身の左端には、遊技球が通過可能な左通過口58が開口形成されている。盤面の左側には、レールセット71の内周に沿って左サイド飾り68が設けられている。左サイド飾り68とセンター飾り51との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。
【0021】
その左遊技領域には、風車69が回転自在に設けられている。また、
図2(b)に示すように、左サイド飾り68には、普通図柄表示装置54と、普通図柄保留数表示装置54aと、第1特別図柄表示装置55と、第2特別図柄表示装置56とが設けられている。普通図柄表示装置54、第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56は、それぞれLEDにより構成されている。普通図柄表示装置54は、1個のLEDにより構成されており、そのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの色が普通図柄を構成する。
【0022】
また、普通図柄表示装置54がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときにLEDが点灯している状態が、普通図柄の当りを示す。普通図柄保留数表示装置54aは、4個のLEDにより構成されており、その点灯数により、普通図柄に関するデータの保留数を最大4個表示する。
【0023】
第1特別図柄表示装置55は4個のLEDにより構成されており、第2特別図柄表示装置56は2個のLEDにより構成されている。第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56において、LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの色が特別図柄を構成する。また、LEDを点滅させている状態が、特別図柄が変動表示している状態である。第1特別図柄表示装置55は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときの点灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。
【0024】
たとえば、4個のLEDが点滅を繰り返した後、4個のLEDが総て点灯した状態になった場合は、最大14ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が確変に変化する大当りが発生し、2個のLEDが点灯した状態になった場合は、最大2ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が確変に変化する大当りが発生する。ここで、確変とは、特別図柄および普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間(以下、変動時間という)が短縮され(時短)、かつ、普通電動役物60の開閉翼片60aの開放時間が通常時よりも長くなることにより、単位時間当りに大当りの発生する確率が通常時よりも高い遊技状態のことをいう。
【0025】
また、第2特別図柄表示装置56は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに少なくとも1個のLEDが点灯しているときの大当りが発生し、点灯しているLEDの数によって大当りの種類が異なる。たとえば、2個のLEDが点滅を繰り返した後、2個のLEDが総て点灯した状態になった場合は、最大14ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が時短に変化する大当りが発生し、1個のLEDが点灯した状態になった場合は、最大2ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、時短に変化する大当りが発生する。
【0026】
第1特別図柄表示装置55または第2特別図柄表示装置56が特別図柄を変動表示している間、演出表示装置52が演出図柄を変動表示する。たとえば、演出表示装置52は、連続した複数の数字(たとえば、0〜9)を示す演出図柄を横方向の3箇所において上下方向に変動表示する。また、演出表示装置52は、大当り発生を祝福する演出画像や大当り遊技期間中の演出画像などを表示する。
【0027】
演出表示装置52の左側には、大当り判定に関する保留データの数(保留数)を表示する第1保留数表示装置55aが設けられており、右側には、大当り判定に関する保留データの数(保留数)を表示する第2保留数表示装置56aが設けられている。第1保留数表示装置55aおよび第2保留数表示装置56aは、それぞれ4個のLEDにより構成されており、その点灯数により、大当り判定に関する保留データの数(保留数)を最大4個ずつの計8個表示する。なお、本実施形態では、例えば、第2保留数表示装置56aの保留が第1保留数表示装置55aの保留よりも優先するようになっており、後述する第1保留テーブル14aおよび第2保留テーブル14bのそれぞれに保留データが存在する場合には、第2保留テーブル14bの保留データから先に消化されるようになっている。
本実施形態では、第1保留数表示装置55a及び第2保留数表示装置56aは「保留数表示手段」の一例に相当する。
【0028】
また、左サイド飾り68には、左袖上入賞口64と、左袖入賞口65と、左下入賞口66とが設けられている。センター飾り51の直下には、第1始動口53が設けられている。この第1始動口53に遊技球が入賞すると、演出表示装置52が演出図柄を変動表示し、これに対応して例えば第1特別図柄表示装置55が特別図柄を変動表示する。また、このように演出表示装置52が演出図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口53に入賞したときは、その入賞による演出表示装置52の変動表示は保留され、その保留数(即ち、演出図柄を変動表示させるために保留された保留データの数)は第1保留数表示装置55aにより表示される。なお、本実施形態では、第1始動口53、第2始動口59が「始動口」の一例に相当する。
【0029】
第1始動口53の下方には、大当りが発生したときに、大当り遊技期間に実行される最大のラウンド数を演出により表示するための演出判定表示装置72が設けられている。センター飾り51と盤面の右端との間には、遊技球が流下する右寄り遊技領域が形成されている。その右寄り遊技領域には、右肩入賞口62が設けられており、その下方には、ゲート61が設けられている。
【0030】
このゲート61を遊技球が通過すると、普通図柄表示装置54が普通図柄を変動表示する。また、普通図柄表示装置54が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート61を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留数(普通図柄を変動表示させるために保留されたデータの数)は普通図柄保留数表示装置54aにより表示される。
【0031】
ゲート61の下方には、普通電動役物60が設けられている。普通電動役物60は、
図2(c)に示すように、一対の開閉翼片60aを備えている。各開閉翼片60aは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方へ開いたり内方へ閉じたりする。
図2(c)は、各開閉翼片60aが開いた状態である。普通電動役物60の直上には、遊技釘が存在するため、各開閉翼片60aが閉じた状態では、第2始動口59は遊技球が入賞できない大きさになり、各開閉翼片60aが開くと、第2始動口59が拡張され、遊技球が容易に入賞できる大きさになる。
【0032】
この第2始動口59に遊技球が入賞すると、演出表示装置52が演出図柄を変動表示し、これに対応して例えば第2特別図柄表示装置56が特別図柄を変動表示する。また、このように演出表示装置52が演出図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口59に入賞したときは、その入賞による演出表示装置52の変動表示は保留され、その保留数(即ち、演出図柄を変動表示させるために保留された保留データの数)は第2保留数表示装置56aにより表示される。
【0033】
普通電動役物60の下方には、右サイド飾り70が設けられており、その右サイド飾り70には、開閉部材を有する変動入賞装置57が設けられている。変動入賞装置57は、大当りが発生したときに開閉部材を作動させることにより、大入賞口57aを開口し、所定時間経過後に大入賞口57aを閉口する。遊技盤5自身の下部には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口67が開口形成されている。
【0034】
なお、本実施形態では、変動入賞装置57が「入賞装置」の一例に相当し、遊技領域を流下する遊技球が進入し得る大入賞口57a(入賞口)を備え、大入賞口57a(入賞口)を所定の抑制状態と当該抑制状態よりも遊技球が進入し易い開放状態とに切り替え可能に構成されている。また、このような変動入賞装置57を制御する主制御基板10が「開放制御手段」の一例に相当し、変動入賞装置57(入賞装置)を制御するように構成され、後述の「大当り判定手段」によって大当りと判定された場合に、変動入賞装置57を開放状態に変化させるラウンドを複数回行うように機能する。
【0035】
また、遊技盤5は、左寄り遊技領域を流下する遊技球が第1始動口53に入賞し易いように構成されている。このため、遊技者は、通常、遊技球が左寄り遊技領域を流下するように矢印F1で示す領域を狙って遊技球を発射する。また、確変になると、普通電動役物60の開閉翼片60aが開放している時間が通常よりも長くなり、遊技球が第2始動口59に入賞し易くなるため、遊技者は、遊技球が右寄り遊技領域を流下するように矢印F2で示す領域を狙って遊技球を発射する。いわゆる右打ちをする。
【0036】
[主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す
図3を参照して説明する。
【0037】
パチンコ機1には、主制御基板10が設けられており、その主制御基板10には、主制御用MPU11が搭載されている。主制御用MPU11は、主制御用CPU12と、主制御用ROM13と、主制御用RAM14とを備える。主制御用CPU12は、大当りか否か(ハズレか)の判定(以下、大当り判定という)、大当り図柄の抽選、抽選した大当り図柄が確変図柄(遊技状態が確変になることが約束された大当り図柄)か否かの判定(以下、確変大当り判定という)、特別図柄および普通図柄の変動時間の抽選、入賞の検出、賞球の払出命令など、遊技における重要な処理を実行する。
【0038】
主制御用ROM13には、主制御用CPU12が上記の処理を実行するためのコンピュータプログラム、各制御基板へ送信する制御コマンド、大当りか否かの判定を行う際に参照する大当り値などが読出し可能に格納されている。主制御用RAM14は、主制御用CPU12が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
【0039】
主制御基板10には、払出制御基板30が電気的に接続されている。払出制御基板30には、遊技球の払出しを制御する払出制御用MPU31が搭載されており、その払出制御用MPU31は、払出制御用CPU32と、払出制御用ROM33と、払出制御用RAM34とを備える。
払出制御用ROM33には、払出制御用CPU32が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に格納されている。払出制御用RAM34は、払出制御用CPU32が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび上書き可能に格納する。
【0040】
払出制御基板30には、遊技球を払出す部材を駆動するための払出モータ83と、この払出モータ83によって払出された遊技球を検出するための払出センサ85と、払出す遊技球がなくなった状態を検出するための球切れスイッチ86と、下皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ(下皿満杯SW)84と、ガラス枠3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ(扉開放SW)90と、遊技球を発射するロータリソレノイドなどの発射装置87とが電気的に接続されている。発射装置87には、発射ハンドル4の回動量に応じて発射装置の発射強度を調節するための発射ボリューム88と、遊技者が発射ハンドル4に触れたことを検出して発射装置87を駆動させるためのタッチセンサ89とが接続されている。
【0041】
主制御基板10には、盤面中継端子板80が電気的に接続されており、その盤面中継端子板80には、変動入賞装置57を作動させるための大入賞口ソレノイド57bと、普通電動役物60の開閉翼片60aを開閉動作させるための普通電動役物ソレノイド60bと、大入賞口57aに入賞した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ(大入賞口SW)57cと、第1始動口53に入賞した遊技球を検出するための第1始動口スイッチ(第1始動口SW)53aと、第2始動口59に入賞した遊技球を検出するための第2始動口スイッチ(第2始動口SW)59aと、ゲート61を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(ゲートSW)61aと、左袖上入賞口64に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)64aと、左袖入賞口65に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)65aと、左下入賞口66に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)66aと、普通図柄保留数表示装置54aと、第1保留数表示装置55aと、第2保留数表示装置56aとが電気的に接続されている。
【0042】
主制御基板10には、演出制御基板20が電気的に接続されている。演出制御基板20には、演出制御用MPU21が搭載されており、その演出制御用MPU21は、演出制御用CPU22と、演出制御用ROM23と、演出制御用RAM24とを備える。演出制御基板20には、第1特別図柄表示装置55と、第2特別図柄表示装置56と、普通図柄表示装置54と、演出判定表示装置72と、演出表示装置52と、パチンコ機1に設けられた装飾用LEDの点灯を制御するランプ制御基板81と、遊技中に効果音を出力する音声出力装置(図示せず)を制御する音声制御基板82とが電気的に接続されている。
【0043】
[保留発生時の格納内容]
次に、保留が発生したときに主制御用RAM14に格納される内容について図を参照して説明する。
図4は、主制御用RAM14に格納される内容を示す説明図である。なお、以下の説明では、大当り図柄とは、大当たり判定の結果が大当りのときに、特別図柄の変動表示が終了したときに表示される大当り図柄のことであり、ハズレ図柄とは、大当たり判定の結果がハズレのときに、特別図柄の変動表示が終了したときに表示されるハズレ図柄のことである。また、確定図柄とは、大当り図柄およびハズレ図柄の両方を指す。さらに、演出大当り図柄とは、大当たり判定の結果が大当りのときに、演出表示装置52が演出図柄の変動表示を終了したときに表示する演出用の大当り図柄のことであり、演出ハズレ図柄とは、大当たり判定の結果がハズレのときに、演出表示装置52が演出図柄の変動表示を終了したときに表示する演出用のハズレ図柄のことである。また、確定演出図柄とは、演出大当り図柄および演出ハズレ図柄の両方を指す。
【0044】
第1保留テーブル14aおよび第2保留テーブル14bは、主制御用RAM14に設定されている。第1保留テーブル14aは、遊技球が第1始動口53に入賞したときに発生したデータを格納し、第2保留テーブル14bは、遊技球が第2始動口59に入賞したときに発生したデータを格納する。図中、「保留順位」は、保留が発生した順番(保留データの格納の順番)である。また、「判定結果」は、遊技球が始動口に入賞したときに主制御用CPU12が行った大当りかハズレの判定の結果である。
【0045】
「確定図柄」は、遊技球が始動口に入賞したときに主制御用CPU12が抽選により決定した確定図柄である。「変動時間」は、遊技球が始動口に入賞したときに主制御用CPU12が抽選により決定した変動時間である。また、図示しないが、第1保留テーブル14aには、第1特別図柄表示装置55の確定特別図柄(点灯するLEDの組合せ)が各保留順位と対応付けて格納されており、第2保留テーブル14bには、第2特別図柄表示装置56の確定特別図柄(点灯するLEDの組合せ)が各保留順位と対応付けて格納されている。
【0046】
図示の例では、第1保留テーブル14aの保留順位4番目(※)には、「確変大当り」の判定結果と、「777」の確定図柄と、「60秒」の変動時間とが格納されている。また、第1保留テーブル14aおよび第2保留テーブル14bは、それぞれ保留順位1〜4まで総てデータが格納されているため、第1保留数U1および第2保留数U2は、それぞれ上限の4になっている。
【0047】
本実施形態では、主制御用RAM14が「保留手段」の一例に相当し、演出表示装置52(図柄表示装置)による図柄の確定表示が終了する前にスイッチ(第1始動口スイッチ53a、第2始動口スイッチ59a)によって遊技球が検出された場合に、その検出毎に、数値取得手段で取得された数値に基づく大当り判定結果を、保留データとして順次保持するように機能する。
【0048】
[主な遊技の流れ]
次に、主な遊技の流れについて図を参照して説明する。
(始動口処理)
図5は、主制御用CPU12が実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、第1始動口53に入賞したときの始動口処理を代表に説明する。
主制御用CPU12は、第1始動口スイッチ53aがオンしたか否か、つまり遊技球が第1始動口53に入賞したか否かを判定する(ステップ(以下、Sと略す)1)。ここで、肯定判定すると(S1:Yes)、第1保留テーブル14aの第1保留数U1を参照し(S2)、第1保留数U1が上限の4未満であるか否かを判定する(S3)。
【0049】
ここで、肯定判定すると(S3:Yes)、このとき大当り抽選カウンタがカウントした大当り抽選カウンタ値を取得する(S4)。ここで、大当り抽選カウンタとは、主制御用CPU12が大当り判定を行う基準となる大当り抽選カウンタ値をカウントするものであり、複数の数値(たとえば、0〜3490の計3491個の数値)をカウントするリングカウンタである。
【0050】
なお、本実施形態では、第1始動口スイッチ53aが「スイッチ」の一例に相当し、遊技盤5を流下する遊技球が第1始動口53(始動口)を通過したことを検出するように機能する。また、第2始動口スイッチ59aも「スイッチ」の一例に相当し、遊技盤5を流下する遊技球が第2始動口59(始動口)を通過したことを検出するように機能する。また、上記大当り抽選カウンタ及びS4の処理を実行する主制御基板10が、「数値取得手段」の一例に相当し、数値を所定の変動範囲で変動させると共に、スイッチ(第1始動口スイッチ53a、第2始動口スイッチ59a)が遊技球の通過を検出した場合に前記変動範囲のいずれかの数値を取得するように機能する。
【0051】
続いて、主制御用CPU12は、大当り値を参照し、通常大当りか否かを判定する(S5)。ここで、大当り値とは、通常大当り値(たとえば、3、7、77、333および777)および確変大当り値(たとえば、1111および2222)により構成されている。つまり、先のS4において大当り抽選カウンタから取得した大当り抽選カウンタ値が通常大当り値のいずれかと同一である場合は通常大当りと判定する。ここで、通常大当りと判定した場合は(S5:Yes)、通常大当りの発生を示す通常大当りフラグをオンし(S6)、通常大当り図柄を抽選により決定する(S7)。
【0052】
なお、本実施形態では、主制御基板10が「大当り判定手段」の一例に相当し、上記「数値取得手段」によって取得された数値に基づいて大当りが発生したか否かを判定するように機能する。
【0053】
通常大当り図柄とは、通常大当り時の大当り図柄および演出大当り図柄を意味する。また、主制御用CPU12は、通常大当りではないと判定した場合は(S5:No)、確変大当りか否かを判定する(S8)。つまり、先のS4において大当り抽選カウンタから取得した大当り抽選カウンタ値が確変大当り値のいずれかと同一である場合は確変大当りと判定する。ここで、確変大当りと判定した場合は(S8:Yes)、確変大当りの発生を示す確変大当りフラグをオンし(S9)、確変大当り図柄を抽選により決定する(S10)。確変大当り図柄とは、確変大当り時の大当り図柄および演出大当り図柄を意味する。
【0054】
通常大当り図柄および確変大当り図柄は、大当り図柄抽選カウンタを用いて決定する。大当り図柄抽選カウンタは、演出大当り図柄の種類の数と対応する複数の数値(例えば、0〜9の計10個の数値)をカウントするリングカウンタである。主制御用ROM13には、大当り図柄抽選カウンタの各カウンタ値と演出大当り図柄(例えば、000、111〜999の計10種類の大当り図柄)とを対応付けた大当り図柄テーブルが格納されており、主制御用CPU12は、大当り図柄抽選カウンタから取得したカウンタ値と対応付けられている演出大当り図柄を選択する。また、各演出大当り図柄には、大当り図柄も対応付けられており、大当り図柄は演出大当り図柄と共に決定される。
【0055】
また、演出大当り図柄には、確変演出大当り図柄(たとえば、111、222、333、555、666、777、999)と、通常演出大当り図柄(例えば、000、444、888)とが設定されており、確変大当り判定されているときに通常演出大当り図柄を選択した場合は、いずれかの確変演出大当り図柄を選択するまで演出大当り図柄の選択を繰り返し、通常大当りと判定されているときに確変演出大当り図柄を選択した場合は、いずれかの通常演出大当り図柄を選択するまで演出大当り図柄の選択を繰り返す。たとえば、確変大当りと判定されているときに大当り図柄抽選カウンタから取得したカウンタ値が7であった場合は、確変演出大当り図柄777と、この確変演出大当り図柄と対応付けられている確変大当り図柄とを選択する。
【0056】
また、主制御用CPU12は、確変大当りではないと判定した場合は(S8:No)、通常大当りフラグがオンしているか否かを判定し(S11)、オンしていないと判定した場合は(S11:No)、ハズレ図柄を抽選により決定する(S12)。ハズレ図柄は、ハズレ図柄抽選カウンタを用いて決定する。ハズレ図柄抽選カウンタは、ハズレ図柄の種類の数と対応する複数の数値(たとえば、0〜9の計10個の数値)をカウントするリングカウンタである。主制御用ROM13には、ハズレ図柄抽選カウンタの各カウンタ値とハズレ図柄(たとえば、0〜9の計10種類のハズレ図柄)とを対応付けたハズレ図柄テーブルが格納されており、主制御用CPU12は、ハズレ図柄抽選カウンタから取得したカウンタ値と対応付けられているハズレ図柄を選択する。
【0057】
ハズレ図柄の選択は、演出表示装置52に表示すべきハズレ図柄の数だけ繰り返し行い、選択された各ハズレ図柄が大当り図柄と同一になった場合は、大当り図柄と同一でなくなるまでハズレ図柄の選択を繰り返す。なお、ハズレの場合は、第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56は、総てのLEDを消灯した状態にする。
【0058】
続いて、主制御用CPU12は、特別図柄および演出図柄の変動時間を抽選により決定する(S13)。特別図柄および演出図柄の変動時間は、変動時間抽選カウンタを用いて決定する。変動時間抽選カウンタは、変動時間の種類の数と対応する複数の数値をカウントするリングカウンタである。主制御用ROM13には、変動時間抽選カウンタの各カウンタ値と変動時間とを対応付けた変動時間テーブルが格納されており、主制御用CPU12は、変動時間抽選カウンタから取得したカウンタ値と対応付けられている変動時間を選択する。
【0059】
また、変動時間テーブルには、変動時間の長い大当り用と、変動時間の比較的短いハズレ用とが設定されており、大当りのときは大当り用の変動時間テーブルから、ハズレのときはハズレ用の変動時間テーブルからそれぞれ変動時間を選択する。続いて、主制御用CPU12は、第1保留数U1に1を加算する(S14)。なお、第2始動口59に対する処理は、第2保留テーブル14bを用いて実行され、上記のS1〜S14と同じ流れである。
【0060】
(図柄処理)
図6は、主制御用CPU12が実行する図柄処理の流れを示すフローチャートである。主制御用CPU12は、変動時間がタイムアップしたか否かを判定し(S20)、肯定判定すると(S20:Yes)、第1保留数U1を参照する(S21)。続いて、主制御用CPU12は、第1保留数U1が1以上か否かを判定し(S22)、肯定判定すると(S22:Yes)、第1保留数U1から1を減算し(S23)、第1保留テーブル14aの保留順位1に格納されている判定結果、確定演出図柄および変動時間などの変動内容をコマンドとして演出制御基板20へ送信し(S27)、その送信した変動時間の計測を行うタイマーをスタートさせる(S28)。なお、コマンドとして送信する変動内容には、第1保留テーブル14aに格納されているデータであることを特定するデータが含まれている。
【0061】
また、第1保留数U1が1以上ないと判定した場合は(S22:No)、第2保留数U2を参照し(S24)、第2保留数U2が1以上か否かを判定する(S25)。ここで、肯定判定すると(S25:Yes)、第2保留数U2から1を減算し(S26)、第2保留テーブル14bの保留順位1に格納されている判定結果、確定演出図柄および変動時間などの変動内容をコマンドとして演出制御基板20へ送信し(S27)、その送信した変動時間の計測を行うタイマーをスタートさせる(S28)。なお、コマンドとして送信する変動内容には、第2保留テーブル14bに格納されているデータであることを特定するデータが含まれている。
【0062】
(演出処理)
図7は、演出制御用CPU22が実行する主な処理の流れを示すフローチャートである。演出制御用CPU22は、初期設定を行った後、主制御用CPU12が送信した変動内容を示すコマンドを受信する処理を行い(S101)、その後、演出処理を行う(S102)。このように、演出制御用CPU22では、データ受信と演出処理を繰り返している。
【0063】
演出処理では、
図8のように、S30にて変動内容を受信した後に、大当り遊技中か否かを判定する(S31)。ここで、否定判定すると(S31:No)、特別図柄および演出図柄の変動パターンを抽選する(S32)。ここで、特別図柄の変動パターンとは、特別図柄表示装置を構成するLEDの点滅パターンであり、演出図柄の変動パターンとは、演出図柄の変動表示開始から終了までにおける演出図柄の変動の仕方や変動速度などである。
【0064】
演出図柄の変動パターンには、リーチパターンと、リーチパターンではない通常変動パターンとが含まれる。リーチパターンとは、演出図柄が変動中にリーチの状態になる変動パターンである。ここで、リーチとは、演出図柄を変動表示する複数の表示領域のうち、1つの表示領域以外の表示領域において演出大当り図柄が確定表示されており、残る1つの表示領域で演出図柄が変動表示している状態のことである。
【0065】
変動パターンの抽選は、受信した変動内容に含まれる判定結果および変動時間に基いて行う。演出制御用ROM23には、各変動時間毎に複数種類の変動パターン(特別図柄の変動パターンおよび演出図柄の変動パターン)を対応付けてなる変動パターンテーブルが、大当り用およびハズレ用に分けて格納されており、演出制御用CPU22は、受信した判定結果に対応する変動パターンテーブルを参照し、その変動パターンテーブルの中から変動時間に対応する変動パターンを抽選で選択する。
【0066】
続いて、演出制御用CPU22は、特別図柄および演出図柄が変動表示中か否かを判定し(S33)、否定判定すると(S33:No)、受信した変動内容が第1保留テーブル14aに格納されているデータであった場合は、S32において決定した変動パターンに基いて第1特別図柄表示装置55に特別図柄の変動表示を開始させ、受信した変動内容が第2保留テーブル14bに格納されているデータであった場合は、S32において決定した変動パターンに基いて第2特別図柄表示装置56に特別図柄の変動表示を開始させ(S34)る。続いて、演出制御用CPU22は、S32において決定した変動パターンに基いて演出表示装置52に演出図柄の変動表示を開始させる(S35)。
【0067】
続いて、特別図柄および演出図柄の変動時間を計測するタイマーをスタートさせる(S36)。また、演出制御用CPU22は、特別図柄および演出図柄が変動表示中であると判定した場合は(S33:Yes)、S36においてスタートしたタイマーがタイムアップしたか否かを判定し(S37)、肯定判定すると(S37:Yes)、特別図柄表示装置に特別図柄の変動表示を終了させて確定特別図柄を表示させ(S38)、演出表示装置52に演出図柄の変動表示を終了させて確定演出図柄を表示させる(S39)。
【0068】
続いて、演出判定表示装置72を作動させ、大当り判定結果に対応した演出内容を表示させる(S40)。たとえば、演出判定表示装置72は、大当たり判定結果が大当りであった場合は、大当り遊技において実行可能な最大のラウンド数(たとえば、14ラウンド、2ラウンド)を表示する。また、演出制御用CPU22は、S31において大当り遊技中であると判定した場合は(S31:Yes)、大当り遊技中演出処理を実行する(S41)。
【0069】
本実施形態では、例えば演出表示装置52が「図柄表示装置」の一例に相当する。また、主制御基板10及び演出制御基板20が「表示制御手段」の一例に相当し、スイッチ(第1始動口スイッチ53a、第2始動口スイッチ59a)によって遊技球の通過が検出される毎に図柄を変動させ、その検出毎に上記「大当り判定手段」で行われる判定結果に対応する図柄を確定表示させるように演出表示装置52(図柄表示装置)を制御している。
【0070】
(大当り遊技中演出処理)
図9は、演出制御用CPU22が実行する大当り遊技中演出処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御用CPU22は、大当り演出中フラグがオンしているか否かを判定し(S50)、否定判定すると(S50:No)、大当り演出中フラグをオンし(S51)、ラウンドを示すRの値を初期値(R=1)に設定する(S52)。一方、S50において肯定判定すると(S50:Yes)、Rをインクリメントする(S53)
【0071】
S52又はS53の後には、Rの値に基づき、現在のラウンド(S55の当該処理実行時のラウンド)に対応する演出を開始する。この演出画像は、大当り遊技期間中、遊技者を視覚で楽しませるための静止画および動画により構成されており、たとえば、大当りの発生時は、大当りの発生を祝福するような動画であり、第1ラウンドの開始以降は、ストーリー性のある動画である。
【0072】
更に、この演出中に、現在の保留数(即ち、第1保留テーブル及び第2保留テーブルに格納される保留データの数)が0より大きいか否か(即ち、1以上か否か)を判断し(S55)、肯定判定したときには、第1保留テーブル及び第2保留テーブルに格納される保留データにおいて、報知が未消化の保留データ(即ち、未だ報知を行っていない保留データが存在するか否かを判断する(S56)。そして、S56で肯定判定したときには、現在のラウンドで保留データに関する報知処理が既に行われたか否かを判断する。本実施形態では、保留データに関するS59での報知処理が各ラウンドにおいて最大1回行われるようになっており、S57の判断処理が行われる現在のRラウンドにおいて既にS59の処理が実行済みの場合には、S57でYesに進む。一方、報知が未消化の保留データが存在し、且つ現在のラウンドで保留データに関する報知処理が行われていない場合には、S57でNoに進む。
【0073】
S57でNoに進む場合には、特定遊技条件が成立したか否かの判断処理を行う(S58)。このS58の処理では、報知を行うか否かの抽選処理を行い、報知を行う旨の抽選結果が得られたか否かを判定する。具体的には、例えば、1/2の確率で当りとなり、1/2の確率でハズレとなるような抽選手段(例えば、カウント値が0〜7で変化するようなリングカウンタ、及びそのうちの半分の値(例えば奇数)を当りと判定するような制御回路)を用い、この抽選手段によって「当り」の抽選結果が得られたか否かを判断する。即ち、当該ラウンドにおいて未だS58での抽選が行われていない場合においてS57でNoと判断された場合には、S58の処理において、例えば主制御基板10に設けられたリングカウンタを動作させ、所定タイミングでリングカウンタの値を取得する。そして、取得したリングカウンタの値がメモリ(例えば主制御用ROM13)に記憶される「当りを示す値」に該当するか否かを判断し、取得したリングカウンタの値が「当りを示す値」である場合には、抽選結果を「当り」とし、そうでない場合には「ハズレ」とする。そして、上記抽選手段での抽選により「当り」と判定された場合にはS58にてYesに進み、S59の処理を実行する。また、上記抽選手段での抽選により「ハズレ」と判定された場合には、S58にてNoに進む。なお、S58では、現在のラウンドにおいてS58での抽選処理が既に行われたか否かをも判断しており、当該ラウンドにおいてS58での抽選処理が既に行われている場合にはS58にてNoに進むことになる。この例では、S58の処理が行われる現ラウンドで未だ抽選処理が行われていない場合において上記抽選手段によって「当り」の抽選結果が得られることが「特定遊技条件の成立」に相当する。なお、上述の抽選手段の例はあくまで一例であり、所定の確率で「当り」となるような抽選を行い得る方法であれば公知の他の方法を用いてもよい。
【0074】
なお、上述の例では、主制御基板10が抽選手段の一例に相当する。具体的には、リングカウンタ、当りの値を保持するメモリ(主制御ROM13等)、及び
図9の処理を実行する主制御用CPU12が抽選手段に相当し、大当り判定結果を報知するか否かを抽選に基づいて決定するように機能する。
【0075】
S58でYesに進む場合、即ち、上記抽選手段によって「当り」の抽選結果が得られた場合、報知が未消化の保留データの中で、優先順位の一番高い保留データについての大当り判定結果を報知する(S59)。優先順位の設定方法は様々に考えられるが、本実施形態では、第1保留テーブルの保留データよりも第2保留テーブルの保留データの方が優先順位が高くなっている。また、第2保留テーブルの保留データの中では、保留順位が上であるほど(即ち、順位の数が小さいほど)優先順位が高くなっている。同様に、第1保留テーブルの保留データの中では、保留順位が上であるほど(即ち、順位の数が小さいほど)優先順位が高くなっている。従って、S59の報知処理を行うときに、第2保留テーブルに格納される保留データにおいて大当り判定結果の報知を行っていない保留データが存在する場合には、その保留データの中で保留順位が最も上の保留データについての大当り判定結果を報知することになる。また、S59の報知処理を行うときに、第2保留テーブルに格納される保留データにおいて大当り判定結果の報知を行っていない保留データが存在しない場合には、第1保留テーブルに格納される保留データの中で保留順位が最も上の保留データについての大当り判定結果を報知することになる。
【0076】
また、S59において、対象となる保留データの大当り判定結果を報知する方法としては様々な方法が考えられるが、例えば、S59で報知対象とされた保留データが大当りを示すものであれば、所定の図柄表示部分を大当りに対応する表示に変更する。また、S59で報知対象とされた保留データがハズレを示すものであれば、所定の図柄表示部分をハズレに対応する表示に変更する。本実施形態では、例えば、
図11(a)のように、第1保留数表示装置55aが4つの保留ランプ155a〜155dを備え、第2保留数表示装置56aが4つの保留ランプ156a〜156dを備えた構成をなしている。そして、第1保留テーブルの各順位の保留データに各保留ランプ155a〜155dがそれぞれ対応しており、第1保留テーブルの各順位に保留データが格納されているときに、各保留ランプ155a〜155dがそれぞれ点灯するようになっている。同様に、第2保留テーブルの各順位の保留データに各保留ランプ156a〜156dがそれぞれ対応しており、第2保留テーブルの各順位に保留データが格納されているときに、各保留ランプ156a〜156dがそれぞれ点灯するようになっている。このような構成の場合、報知対象となる保留データについての大当り判定結果を、当該保留データに対応する保留ランプの態様で報知する。
【0077】
具体的には、第1保留テーブル14aにおいて1番目の保留順位(
図4に示す保留順位1)に保留データが格納されている場合には、一番上の保留ランプ155aが点灯し、2番目の保留順位(
図4に示す保留順位2)に保留データが格納されている場合には、上から2番目の保留ランプ155bが点灯し、3番目の保留順位(
図4に示す保留順位3)に保留データが格納されている場合には、上から3番目の保留ランプ155cが点灯し、4番目の保留順位(
図4に示す保留順位4)に保留データが格納されている場合には、一番下の保留ランプ155dが点灯するようになっている。なお、
図11は、第1保留テーブル14aに4つの保留データが格納されている場合の例である。
【0078】
また、第2保留テーブル14bにおいて1番目の保留順位(
図4に示す保留順位1)に保留データが格納されている場合には、一番上の保留ランプ156aが点灯し、2番目の保留順位(
図4に示す保留順位2)に保留データが格納されている場合には、上から2番目の保留ランプ156bが点灯し、3番目の保留順位(
図4に示す保留順位3)に保留データが格納されている場合には、上から3番目の保留ランプ156cが点灯し、4番目の保留順位(
図4に示す保留順位4)に保留データが格納されている場合には、一番下の保留ランプ156dが点灯するようになっている。なお、
図11は、第2保留テーブル14bに保留データが格納されていない場合の例である。
【0079】
図11のような場合、S59において報知を行う場合には、第1保留テーブル14aに格納される保留データの中で未消化の保留データの内の最も優先順位の高い保留データについての大当り判定結果を報知することになる。例えば、S59の処理を行うときに、第1保留テーブル14aに格納される4つの保留データのいずれの保留データについても大当り判定結果の報知が行われていない場合には、第1保留テーブル14aにおける1番目の順位(保留順位1)の保留データに基づく判定結果を1番目の保留ランプ155aで表示することになる。また、例えば、S59の処理を行うときに、第1保留テーブル14aに格納される4つの保留データの中で、保留順位1〜3の保留データについては既に大当り判定結果の報知が行われており、保留順位4の保留データについてのみ大当り判定結果の報知が行われていない場合には、この保留順位4の保留データについての大当り判定結果を4番目の保留ランプ155dで表示することになる。
【0080】
保留データの大当り判定結果を表示する方法は様々とすることができ、例えば、保留データの大当り判定結果がハズレの場合には、点滅から通常点灯にするといった態様が考えられる。例えば、
図11(a)のような保留状態のとき(即ち、第2保留テーブル14bに保留データが格納されておらず且つ第1保留テーブル14aに4つの保留データが格納されている状態のとき)において、S59にて第1保留テーブル14aの1番目の保留データの大当り判定結果を報知する場合、この第1保留テーブル14aの1番目の保留データの大当り判定結果がハズレを示す場合には、例えば保留ランプ155aを第1の表示色(例えば緑色)で表示すると共に一旦点滅させ、その後
図11(a)のように第1の表示色による通常点灯に戻すような表示態様とすることができる。
【0081】
また、保留データの大当り判定結果が確変大当りの場合には、点滅から第1の特別表示にするといった態様が考えられる。この第1の特別表示は、例えば点滅状態を維持したり、通常点灯とは異なる色の表示態様に変更するといった方法が考えられる。例えば、
図11(a)のような保留状態のとき(即ち、第2保留テーブル14bに保留データが格納されておらず且つ第1保留テーブル14aに4つの保留データが格納されている状態のとき)において、S59にて第1保留テーブル14aの4番目の保留データの大当り判定結果を報知する場合、例えば保留ランプ155dを第1の表示色(例えば緑色)で表示すると共に一旦点滅させ、その後、
図11(b)のように、通常点灯とは異なる第2の表示色(例えば赤色)の表示に変更するような表示態様とすることができる。これにより、遊技者は4番目の保留で確変大当りが発生することを知ることができる。
【0082】
また、保留データの大当り判定結果が確変大当りではない通常の大当りの場合には、確変大当りのときの上述の報知方法と異なる表示態様(点滅から第2の特別表示にするといった態様)とすることができる。この第2の特別表示は、例えば点滅状態を維持したり、通常点灯や確変大当りのときの報知色とは異なる色の表示態様に変更するといった方法が考えられる。例えば、
図12(a)のような保留状態のとき(即ち、第2保留テーブル14bにおいて2つの保留データが格納されている状態のとき)において、S59にて第2保留テーブル14bの2番目の保留データの大当り判定結果を報知する場合、例えば保留ランプ156bを第1の表示色(例えば緑色)で表示すると共に一旦点滅させ、その後、
図12(b)のように、通常点灯とは異なる第3の表示色(例えば青色)の表示に変更するような表示態様とすることができる。これにより、遊技者は2番目の保留で通常の大当りが発生することを知ることができる。
【0083】
本実施形態では、主制御基板10、第1保留数表示装置55a、第2保留数表示装置56aが「報知手段」の一例に相当し、保留手段に複数の保留データが保持されている場合に、一部の保留データ毎に、当該一部の保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するように機能し、具体的には、遊技中において予め定められた遊技条件が成立した場合に、一部の保留データ毎に大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するように機能する。より具体的には、上述の「抽選手段」によって大当り判定結果を報知すると決定された場合に大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するように機能する。
【0084】
そして、S59の処理の後、又はS55、S56、S58でNoとなった場合、若しくはS57でYesとなった場合には、現在のラウンド(Rラウンド)の演出が終了したか否かを判断し(S60)、否定判定する場合にはS60でNoに進み、S55以降の処理を繰り返す。S60で肯定判定する場合には、Rの値が設定された最大ラウンド数(例えば16)に達したか否かを判断し(S61)、最大ラウンド数に達していない場合には、S61にてNoに進み、S50以降の処理を繰り返す。最大ラウンド数に達した場合には、S61にてYesに進み、大当り演出中フラグをオフにし(S62)、当該処理を終了する。
【0085】
(大当り遊技中の予告例)
図10は、大当り遊技中の予告例を示すタイミングチャートである。図示の例では、時刻t1にて大当りが発生し、演出表示装置52により、大当りの演出が開始されている。そして、時刻t2にて大当り遊技、つまり第1ラウンドが開始されている。そして、大当り遊技期間中の時刻taにて第1始動口53に入賞して第1保留数U1が1になっている。ただし、その入賞時の大当り判定の結果はハズレである。
【0086】
その後、時刻tb,tc,tdにて第1始動口53に入賞し、第1保留数U1が4に増加している。時刻tb,tcにおける入賞時の大当り判定の結果はそれぞれハズレであったが、時刻tdにおける入賞時の大当り判定の結果は確変大当りであった。この構成では、保留順位の上の保留データから順番に、ラウンド毎に大当り判定結果が報知されている。その後、大当り遊技が終了している(時刻t11)。
【0087】
[第1実施形態の効果]
本実施形態に係るパチンコ機1では、保留手段によって複数の保留データが保持されている場合に、一部の保留データ毎に、当該一部の保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。このように保留内容に関する報知を行うことで、直近の大当り判定に関する情報のみならず、既に保留されている内容に基づいて将来的な情報をも示唆することができ、より多様な方法で遊技者の期待感を高めることができる。特に、一部の保留データ毎に大当り判定結果に対応する情報を個別に報知することができるため、演出の自由度が大きくなり、場合によっては蓄積された複数の保留データに基づいて大当り判定結果に対応する情報を複数回提供できるため遊技者の期待感を持続させやすくなる。
【0088】
また、本実施形態では、報知手段により、開放制御手段によってラウンドが行われる毎に、一部の保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。
この構成によれば、大当りに伴うラウンド毎に、当該大当りとは別の大当り判定結果に関する情報を個別に報知することができるため、大当りが発生して一区切りついたラウンド中でも更なる期待感を持たせやすくなる。特に、保留データに関する報知を一回のラウンドだけで終えるのではなく、異なる保留データに関する報知を複数のラウンドで行うことができるため、大当り演出中に遊技者の期待感をより長く持続させることができ、遊技者はラウンド毎に新たな期待を持って演出(特に報知)に注目するようになる。
【0089】
また、本実施形態では、保留手段に複数の保留データが保持されている場合に、各保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。
このように、保留データ毎に、大当り判定結果に対応する情報を個別に報知すれば、蓄積された保留データに基づいて、大当り判定結果に対応する情報をより多く提供できる。従って、演出の自由度が一層大きくなり、遊技者にとって有益となり得る報知をより多くより長期的に行うことができる。
【0090】
また、本実施形態では、保留数表示手段が図柄表示装置によって構成されると共に、保留手段によって保持される保留データの数の特定図柄を表示している。そして、報知手段は、一部の保留データに対応する特定図柄を、当該一部の保留データの大当り判定結果に対応する図柄に変化させるように図柄表示装置での表示内容を制御している。
この構成では、図柄表示装置に保留データの数の特定図柄を表示して保留数を知らしめるだけでなく、一部の保留データに対応する特定図柄の変化態様によって当該当該一部の保留データの大当り判定結果を報知している。従って、特定図柄(保留データ数を表すための図柄)をより意味深いものとすることができ、特定図柄の演出性を格段に増すことができる。また、一部の特定図柄を部分的に変化させて報知を行うことができるため、特定図柄による演出を、より多様に且つより長期的に行いやすくなる。
【0091】
更に、一部の保留データ毎の大当り判定結果に対応する情報を無条件で報知するのではなく、遊技中において予め定められた遊技条件が成立した場合に個別に報知しているため、一部の保留データ毎の個別報知についても遊技性を付加することができ、遊技の面白みを一層高めることができる。
【0092】
また、大当り判定結果を報知するか否かを抽選に基づいて決定する抽選手段を備え、報知手段は、抽選手段によって大当り判定結果を報知すると決定された場合に大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。
この構成によれば、保留データに基づく情報(大当り判定結果に対応する情報)が無作為に表示されるため、有益となり得る情報を表示する上で変化に富むことになり、遊技性を一層高めることができる。
【0093】
また、抽選手段は、保留手段に保持される保留データ毎に、各保留データの大当り判定結果を報知するか否かの抽選を行い、報知手段は、保留手段に蓄積される各保留データの内、抽選手段によって大当り判定結果を報知すると判断された保留データについて、大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。
このように、保留データ毎に抽選を行う構成とすれば、遊技機側では抽選に関する演出の自由度が大きくなる。また、抽選の機会をより多く確保することができるため、保留データに基づく情報(即ち、大当り判定結果に対応する情報)が提供される回数が多くなりやすく、遊技をより変化に富むものとすることができる。
【0094】
〈第2実施形態〉
次に、第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、保留データの報知を行うか否かを抽選結果に基づいて判断していたが、第2実施形態では、保留データの報知を行うか否かを、数値化された遊技状態に基づいて判断している。
【0095】
具体的には、
図9のS58で行われる判断処理において、「特定遊技条件の成立」として、前回のラウンドにおける大入賞口57への入賞数(即ち、S58の処理が行われているラウンドの一つ前のラウンドの入賞数)が一定数(例えば10)を超えているか否かを判断し、超えている場合にS58でYesに進んで報知処理を行う。逆に超えていない場合には、S58でNoに進み、S59で報知処理を行わずに報知済みとする。
【0096】
この場合、大入賞口スイッチ57c及びこの大入賞口スイッチ57cでの検出回数をカウントする主制御基板10が「数値化手段」の一例に相当し、保留手段に保留データが保持される前又は後の所定時期の遊技状態を数値化するように機能し、具体的には保留手段に各保留データが保持される毎に、各保留データの保持前又は保持後の所定時期の遊技状態を数値化するように機能する。なお、この構成では、各ラウンドでの大入賞口57への入賞数を少なくとも各ラウンドの次のラウンドが終了するまでメモリ(例えば、主制御用RAM14等)に保持しておくようにすればよい。
【0097】
また、遊技状態の数値化の方法はこれに限られない。例えば、S58の判断処理が行われている当該ラウンドが開始された時点(即ち、S54の処理実行時点)から、遊技球が最初に大入賞口スイッチ57cによって検出されるまでの時間を検出するようにし、この時間(即ち、入賞スピード)が所定時間未満の場合にS58にてYesに進み、S59の報知処理を行うようにしてもよい。
【0098】
或いは、S58の判断処理が行われている当該ラウンドの一つ前の前回ラウンドの開始から終了までの時間(具体的には、例えば、前回のラウンドにおいて大入賞口57が開放してから当該大入賞口57に所定個数の遊技球が入賞するまでの時間)を検出するようにし、この時間(即ち、前回のラウンドを消化するまでの時間)が所定時間未満の場合にS58にてYesに進み、S59の報知処理を行うようにしてもよい。
【0099】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、主制御基板10、第1保留数表示装置55a、第2保留数表示装置56aが「報知手段」の一例に相当し、保留手段に複数の保留データが保持されている場合に、一部の保留データ毎に、当該一部の保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するように機能し、具体的には、数値化手段によって数値化された所定時期の遊技状態が一定の基準を超えた場合に一部の保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するように機能する。更に具体的には、保留手段に保留データが保持される毎に、当該保留データの保持に応じて数値化手段によって数値化された所定時期の遊技状態が一定の基準に達するか否かを判断し、達すると判断された場合に、その保持される保留データについて、大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するように機能する。
【0100】
(第2実施形態の主な効果)
本実施形態では、保留手段に保留データが保持される前又は後の所定時期の遊技状態を数値化する数値化手段を備え、報知手段は、数値化手段によって数値化された所定時期の遊技状態が一定の基準を超えた場合に一部の保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。
この構成では、遊技者は遊技状態が一定基準に達するように遊技を行う、或いは遊技状態が一定基準となるように期待感を持って見守る等の楽しみができ、遊技者は保留データに関する情報を取得するために定量的な目標を持って遊技を行うことができる。
【0101】
また、数値化手段は、保留手段に各保留データが保持される毎に、各保留データの保持前又は保持後の所定時期の遊技状態を数値化し、報知手段は、保留手段に保留データが保持される毎に、当該保留データの保持に応じて数値化手段によって数値化された所定時期の遊技状態が一定の基準に達するか否かを判断し、達すると判断された場合に、その保持される保留データについて、大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。
このように、保留データ毎に遊技状態が一定の基準に達するかを判断するようにすれば、保留データに関する報知を受けるために、遊技者により多くのチャンスが与えられることになり、遊技の楽しみを一層増すことができる。
【0102】
〈第3実施形態〉
次に、第3実施形態について説明する。
第1実施形態では、保留データの報知を行うか否かを抽選結果に基づいて判断していたが、第3実施形態では、保留データの報知を行うか否かを、所定時期の遊技状態の結果に基づいて判断している。
【0103】
具体的には、
図9のS58で行われる判断処理において、S58の処理が行われている当該ラウンドにおいて所定遊技結果が得られたか否かを判断している。例えば、S58の処理が行われている当該ラウンドにおいて所定の入賞口(例えば、第1始動口53又は第2始動口59)に入賞があったか否かを判断し、入賞があった場合にS58でYesと判断し、S59で報知処理を行うようにしてもよい。
【0104】
この場合、第1始動口スイッチ53a及び第2始動口スイッチ59aが遊技結果取得手段の一例に相当し、保留手段に保留データが保持される前又は後の所定時期に行われる所定遊技の結果を取得するように機能し、具体的には、保留手段に保持される各保留データ毎に、各保留データの保持前又は保持後に行われる所定遊技の結果を取得している。
【0105】
また、
図9のS58で行われる判断処理において、S58の処理が行われている当該ラウンドにおいて保留数(例えば第1保留テーブル及び第2保留テーブルにおける保留データの総計)が所定数を超えているか否かを判断し、保留数が所定数を超えている場合にS58でYesと判断し、S59の報知処理を行うようにしてもよい。
【0106】
或いは、
図9のS58で行われる判断処理において、S58の処理が行われている当該ラウンドの一つ前のラウンドにおいて、所定の入賞口に入賞があったか否かを判断し、入賞があった場合にS58でYesと判断し、S59で報知処理を行うようにしてもよい。
【0107】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、主制御基板10、第1保留数表示装置55a、第2保留数表示装置56aが「報知手段」の一例に相当し、遊技結果取得手段によって取得された所定遊技の結果が特定の結果である場合に大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するように機能し、具体的には、保留手段に保持される保留データ毎に、遊技結果取得手段によって取得された所定遊技の結果が特定結果であるか否かを判断し、特定結果であると判断された場合に、その保持される保留データについての大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。
【0108】
(第3実施形態の主な効果)
本実施形態では、保留手段に保留データが保持される前又は後の所定時期に行われる所定遊技の結果を取得する遊技結果取得手段を備え、報知手段は、遊技結果取得手段によって取得された所定遊技の結果が特定の結果である場合に大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。
このように、所定時期に行われた所定遊技の結果が特定の結果である場合に大当り判定結果に対応する情報を個別に報知する構成とすれば、遊技者は所定時期に特定の結果が得られるように遊技を行う、或いは特定の結果が得られるように期待感を持って見守る等の
楽しみができる。従って、特に所定時期において具体的な目標を持って遊技を行うことができる。
【0109】
また、遊技結果取得手段は、保留手段に各保留データが保持される毎に、各保留データの保持前又は保持後に行われる所定遊技の結果を取得し、報知手段は、保留手段に保留データが保持される毎に、当該保留データの保持に応じて遊技結果取得手段によって取得された所定遊技の結果が特定結果であるか否かを判断し、特定結果であると判断された場合に、その保持される保留データについての大当り判定結果に対応する情報を個別に報知している。
このように、特定結果が得られるか否かを保留データ毎に判断すれば、期待感を持ち得る「所定遊技」の回数をより多く確保することができ、遊技者には保留データに関する報知を受けるために多くのチャンスが与えられることになる。遊技の楽しみを一層増すことができる。
【0110】
〈他の実施形態〉
上記実施形態では、開放制御手段によって行われる複数のラウンドにおいて、ラウンド毎に保留データに関する報知を1つずつ順番に行っていたが、特定のラウンドのときに、一部の保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するようにしてもよい。例えば、偶数ラウンドにおいて保留データに関する大当り判定結果の報知を順番に行うようにしてもよく、奇数ラウンドにおいて保留データに関する大当り判定結果の報知を順番に行うようにしてもよい。或いは、3の倍数のラウンドにおいて保留データに関する大当り判定結果の報知を順番に行うといった方法などであってもよい。
具体的方法としては、例えば、
図9の処理を一部変更し、S57でNoと進む場合のS58の前段階において、現在のRラウンドが予め定められた特定のラウンドか否かを判断する処理を追加し、特定のラウンドと判断される場合にのみS58の処理を実行し、特定のラウンドと判断されない場合にはS58の処理を実行しないようにすればよい。例えば、特定のラウンドが「偶数ラウンド」である場合、S57でNoと進む場合のS58の前段階において、現在のRラウンドが偶数ラウンドか否かを判断する処理を追加し、偶数ラウンドと判断される場合にのみS58の処理を実行し、偶数ラウンドと判断されない場合にはS58の処理を実行しないようにすればよい。
この構成では、保留データに関する個別報知を全てのラウンドで一律に行うのではなく、特定のラウンドのときに行うことができるため、報知をより分散させて遊技者の期待感をより長く維持することができる。また、ラウンド毎の報知に変化をつけることができるため、遊技性を一層高めることができる。
【0111】
上記実施形態では、保留手段に2以上の保留データが保持されている場合に、各保留データ毎に、各保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知していたが、所定の複数の保留データ毎に、各複数の保留データの大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するようにしてもよい。
この場合、例えば、
図9の処理を一部変更し、S59の処理において、優先順位の高い所定数(例えば2つ)の保留データについての大当り判定結果に対応する情報を個別に報知するようにすればよい。
具体的には、例えば上記所定数を「2」とし、S56において未消化の保留データ(未だ大当り判定結果の報知を行っていない保留データ)が2つ以上存在するか否かを判断するようにすればよい。そして、S59の処理実行時において、未消化の保留データ(未だ大当り判定結果の報知を行っていない保留データ)が2以上存在する場合、それら未消化の保留データの中で優先順位の1番高い保留データと2番目に高い保留データに確変大当りが含まれている場合には、S59では、それら保留データに対応する両保留ランプを第1の表示色(例えば緑色)で表示すると共に一旦点滅させ、その後、通常点灯とは異なる第2の表示色(例えば赤色)の表示に変更するような表示態様とすることができる。また、S59の処理実行時に、未消化の保留データ(未だ大当り判定結果の報知を行っていない保留データ)が2以上存在する場合において、それら未消化の保留データの中で優先順位の1番高い保留データと2番目に高い保留データに確変大当りが含まれず、通常大当りが含まれている場合には、S59では、それら保留データに対応する両保留ランプを第1の表示色(例えば緑色)で表示すると共に一旦点滅させ、その後、通常点灯とは異なる第3の表示色(例えば青色)の表示に変更するような表示態様とすることができる。また、S59の処理実行時に、未消化の保留データ(未だ大当り判定結果の報知を行っていない保留データ)が2以上存在する場合において、それら未消化の保留データの中で優先順位の1番高い保留データと2番目に高い保留データに大当りが含まれていない場合には、S59では、それら保留データに対応する両保留ランプを第1の表示色(例えば緑色)で表示すると共に一旦点滅させ、その後、通常点灯である第1の表示色(例えば緑色)の表示に変更するような表示態様とすることができる。
なお、上述の例では、所定数として2を例示したが、所定数が3以上であってもよい。また、所定数毎に報知を行う方法は、上述の方法に限られることはない。
【0112】
上記実施形態では、第1保留数表示装置55aや第2保留数表示装置56aを用いた例を示したが、保留数の表示方法はこれに限られず、例えば演出表示装置52を液晶表示装置などとして構成し、
図13(a)(b)の下部に示す4つの保留表示部のように、演出表示装置52において保留数を表示するようにしてもよい。
図13(a)(b)の例では、保留データがあったときに保留表示部の色が変化する例を示しており、
図13(b)は保留データが4つ存在する時の例である。このような表示を行う場合でも、保留データに基づく大当り判定結果の報知方法は、上記実施形態と同様であり、例えば、
図9のS59において優先順位が1番目の保留データを表示すべき場合には、
図14(a)のように、1番目の保留表示部を一端点滅状態とし、その後、
図14(b)のように保留判定結果を表示する。
図14(b)の例では、優先順位が1番目の保留データがハズレを示すものであり、1番目の保留表示部の表示をハズレに対応する表示態様とした場合を示している。また、別のラウンドにおける
図9のS59において優先順位が2番目の保留データを表示すべき場合には、
図15(a)のように2番目の保留表示部を一端点滅状態とし、その後、
図15(b)のように保留判定結果を表示する。
図15(b)の例では、2番目の保留データが大当りを示すものであり、2番目の保留表示部の表示を大当りに対応する表示態様とした場合を示している。
【0113】
上記実施形態では、保留手段に相当する主制御用RAM14により、保留データとして大当り判定結果を順次保持していたが、スイッチ(第1始動口スイッチ53a、第2始動口スイッチ59a)によって遊技球が検出される毎に数値取得手段で取得された数値(上述の大当り抽選カウンタ値)を保留データとして保持するようにしてもよい。即ち、上記実施形態では、数値取得手段で取得された数値に基づいて取得直後に大当り判定を行っていたが、この大当り判定をS59において同様に行うようにしてもよい。この場合、S59の処理では、S59で報知対象となる保留データとして保持された数値に基づいて当該保留データについての大当り判定を行った上で、その大当り判定結果を上記実施形態と同様の方法で報知すればよい。