(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の荷電粒子ビームレットは複数の群に分割され、荷電粒子ビームレットの各群はアレイに配列され、前記一つの群の荷電粒子ビームレットは重ならず、それにより前記荷電粒子ビームレットのアレイは、前記仮想グリッド中の個所のアレイに対応している、請求項10または11に記載の方法。
前記荷電粒子ビームレットのアレイは、単一パターンド荷電粒子ビームレットを形成し、前記単一パターンド荷電粒子ビームレットは、グリッドセルが所定の寸法を有するラスターグリッドにしたがってパターン化されている、請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
前記複数の荷電粒子ビームレット内の同じ荷電粒子ビームレットによって露光される隣り合う走査線の間の距離は、前記第一の方向の前記アレイの投影サイズよりも小さい、請求項18〜20のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
前記ビームレットパターン発生器(1,4,5,6,8;1,4A,4B,5A,5B,6,8;1,4C,4D,5,6,8)は、前記ターゲットの一面に仮想グリッドを規定することによって露光パターンを供給するように準備されており、前記仮想グリッドは、それぞれの荷電粒子ビームレットによって前記ターゲットを露光するまたは露光しない位置、各個荷電粒子ビームレットの無効化または非無効化に依存する露光または非露光を提供する、請求項18〜26のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
前記荷電粒子ビームレットのアレイは多数の行と多数の列を備え、前記行と列の少なくとも一つは、前記第一の方向と前記第二の方向に対して90°に等しくない角度に配置されている、請求項23〜32のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
前記複数の荷電粒子ビームレットは、単一パターンド荷電粒子ビームレットを形成し、前記単一パターンド荷電粒子ビームレットは、グリッドセル(31;32)が所定の寸法を有するラスターグリッドにしたがってパターン化されている、請求項18〜35のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下は、単なる例として図面を参照して与えられる発明のさまざまな実施形態の説明である。
【0030】
図1は、電子ビームレットすべての共通クロスオーバーのない電子ビーム光学系に基づく荷電粒子マルチビームレットリソグラフィシステムの実施形態の簡易概略図を示している。そのようなリソグラフィシステムは、たとえば米国特許第6,897,458号と第6,958,804号と第7,019,908号と第7,084,414号と第7,129,502号と、米国特許出願公開2007/0064213号と2008/073588と、共同係属中米国特許出願シリアル番号61/031,573と61/045,243と61/055,839に説明されており、それらはすべて本発明の所有者に譲渡されており、参照によってすべてここにそのまま組み込まれる。
図1に示された実施形態では、リソグラフィシステムは、一様拡大電子ビーム20を生成するための電子ソース1を備えている。ビームエネルギーは好ましくは、約1ないし10keVの範囲内に比較的低く維持される。
【0031】
電子ソース1からの電子ビーム20は、コリメータレンズ3を通過してコリメート電子ビーム21を生成し、それは開口アレイ4に入射し、それはビームの一部を遮断し、複数のビームレット22が開口アレイ4を通過することを可能にする。システムは、大きな数のビームレット22、たとえば約10,000ないし1,000,000ビームレットを生成する。
【0032】
複数の電子ビームレット22は、ビームレットブランカーアレイ6の平面中に電子ビームレット22のおのおのを合焦させるコンデンサーレンズアレイ5を通過する。このビームレットブランカーアレイ6は、一つ以上の電子ビームレット22をそれぞれ偏向することが可能である複数のブランカーを備えている。
【0033】
続いて、電子ビームレット22は端部モジュール7に入射する。端部モジュール7は好ましくは、さまざまなコンポーネントを備えている挿入可能・交換可能ユニットとして構成される。この実施形態では、端部モジュールは、ビームストップアレイ8とビーム偏向器アレイ9と投影レンズ設備10を備えている。端部モジュール7は、機能に加えて、約25ないし500倍の範囲内の縮小率を提供する。加えて、端部モジュールは、ビームレット22を偏向するように配列されていてもよい。端部モジュール7を去った後、ビームレット22は、ターゲット面に配置されているターゲット11の表面に入射する。リソグラフィ適用にとって、ターゲットは通常、荷電粒子感応層またはレジスト層が設けられたウェーハで構成される。
【0034】
モジュール7中において、電子ビームレット22はまず、ビームストップアレイ8を通過する。このビームストップアレイ8は主として、ビームレットの開口角を決定する。ある実施形態では、ビームストップアレイ8の開口は円形であり、一般に均一な開口角度をビームレットにもたらす。
【0035】
ビームストップアレイ8の通路は、ビームレットブランカーアレイ6の素子と整列されてもよい。ビームレットブランカーアレイ6とビームストップアレイ8はそれから、下記のように一緒に動作してビームレット22を遮断または通過させる。ビームレットブランカーアレイ6がビームレットを偏向すると、それはビームストップアレイ8中の対応開口を通過しない。代りに、それはビームストップアレイ8の基板によって遮断される。しかしながら、ビームレットブランカーアレイ6がビームレットを偏向しないならば、それはビームストップアレイ8中の対応開口を通過し、それからターゲット11の表面にスポットとして投影される。このように、個々のビームレット22のオン・オフが有効に切り替えられ得る。
【0036】
次に、ビームレット22は、非偏向ビームレット22の方向に実質的に垂直である方向の各ビームレット21の偏向を提供するビーム偏向器アレイ9を通過する。次に、ビームレット22は投影レンズ設備10を通過し、ターゲット面に配置された一般にウェーハである露光されるべきターゲット11上に投影される。
【0037】
図2は、端部モジュール7の実施形態をより詳細に示し、ビームストップアレイ8と偏向アレイ9と投影レンズ設備10を示し、ターゲット11に電子ビームレットを投影している。ビームレット22はターゲット11に投影され、好ましくは直径が約10ないし30ナノメートルの幾何学的スポットサイズをもたらす。そのような設計の投影レンズ設備10は、約100ないし500倍の縮小率を提供し得る。
図2の実施形態では、ビームレット21の中央部はまず、(ビームレットブランカーアレイ6によって偏向されていないと仮定して)ビームストップアレイ8を通過する。それから、ビームレットは、ビーム偏向器アレイ9の一つの偏向器または偏向システムを形成する順序で配列された一組の偏向器を通過する。ビームレット21は、続いて投影レンズ設備10の電気光学システムを通過す、最後にターゲット面中のターゲット11に入射する。
【0038】
投影レンズ設備10は、
図2に示された端部モジュールの実施形態では、順に配列された三枚のプレート12と13と14を有し、静電レンズのアレイを形成するために使用される。プレート12と13と14は好ましくは、それらに開口が形成されたプレートまたは基板を備えている。開口は、好ましくはプレートを貫通する丸穴として形成されるけれども、他の形が使用されることも可能である。一実施形態では、プレートは、半導体チップ産業でよく知られているプロセスステップを使用して処理されたシリコンまたは他の半導体で作られる。開口は、この分野で知られているリソグラフィおよびエッチング技術を使用してプレート中に便利に形成され得る。
【0039】
プレートは、電極を形成する電気的導電性コーティングで被覆される。たとえば、この分野で周知の技術を使用してプレート上に堆積される、モリブデンなどの電極に、導電性天然酸化物を備えた金属が使用されてもよい。各開口の個所に形成される静電レンズを形状を制御するために各電極に電圧が印加される。各電極は、完全なアレイに対して単一制御電圧によって制御される。したがって、三つの電極レンズを備えた
図2に示される実施形態では、レンズすべてに対して三つの電圧だけがある。
【0040】
三つの制御電圧V1とV2とV3は、非常に多数の電子ビームレット22を合焦させて縮小する均一な静電レンズのアレイを作り出す。静電レンズの特性は三つの制御電圧によって制御され、その結果、すべてのビームレットの合焦と縮小の量は、これらの三つの電圧を制御することによって制御され得る。このように、非常に大きな数の電子ビームレットを縮小し合焦させるための静電レンズのアレイ全体を制御するために単一の共通制御信号が使用され得る。共通制御信号は、各プレートに、または二つ以上のプレート間の電圧差として供給され得る。異なる投影レンズ設備に使用されるプレートの数は異なっていてもよく、共通制御信号の数も異なっていてもよい。
【0041】
電圧V1とV2とV3は、第二と第三のプレート(13と14)の間の電圧の差が第一と第二のプレート(12と13)の間の電圧の差よりも大きくなるように設定され得る。これは、レンズ開口中のプレート13と14の間の湾曲破線によって
図2に示されるように、各投影レンズ系の有効レンズ平面がプレート13と14の間に配置されるように、より強いレンズがプレート13と14の間に形成されることをもたらす。これは、有効レンズ平面をターゲットの近くに置き、投影レンズ系がより短い焦点距離を有することを可能にする。単純さのために、
図2のビームレットは偏向器9から合焦されるように示されているが、ビームレット21の合焦のより正確な表現は、たとえばトレース光線例証のように、レンズ系10の実際のレンズ平面はプレート13と14の間にあることを示すであろうことにさらに注意されたい。
【0042】
図2はまた、偏向アレイ9によるY方向のビームレット21の偏向を示しており、左から右へのビームレットの偏向としての
図2に示されている。
図2の実施形態では、偏向アレイ9中の開口は、一つ以上のビームレットが通過するように示されており、電極は開口の両側に設けられ、電極には電圧−Vと+Vが印加される。電極を横切って電位差を印加することは、開口を通過する一つまたは複数のビームレットの偏向を引き起こす。電圧(または電圧の符号)を動的に変化させることは、一つ(または複数)のビームレットが走査流方法に掃引されることを可能にする。同様に、偏向はまた、ビームレットの伝搬の方向に垂直な異なる方向に、たとえば紙面に出入りする方向におこなわれ得る。
【0043】
リソグラフィシステムの特定のスループットすなわち時間あたりに露光される特定の数のウェーハを達成するために必要とされるビームレットの合計流れは、必要ドーズとウェーハの面積とオーバーヘッド時間すなわち新規ウェーハを露光のための位置に移動させる時間に依存する。特に、これらのショットノイズ制限システムにおける必要ドーズは、必要形態サイズおよび均一さと、ビームエネルギーに依存する。
【0044】
電子ビームリソグラフィーを使用してレジスト中にある形態サイズすなわち臨界寸法(CD)を得るために、ある解像度が必要とされる。この解像度は、ビームサイズと、電子のレジスト散乱と、酸拡散と結合される二次電子平均自由行程の三つの寄与によって決まる。これらの三つの寄与は、合計スポットサイズすなわち露光されるべきターゲットに投影されたビームサイズを二次の関係で決定する。これらの三つの寄与のうち、ビームサイズと散乱は加速電圧に依存する。レジスト中の形態を解像するために、合計スポットサイズは、CDと同じオーダーの大きさであるべきである。CDだけでなくCD均一さも実際の適用にとって重要である。
【0045】
電子ビームシステムについては、最大単一ビーム流れはスポットサイズによって決定される。良いCD均一さを得るために、必要スポットサイズは、単一ビーム流れを、高スループットを得るために必要とされる流れよりもはるかに少なく制限する。したがって、大きな数のビームレットが必要とされる(時間あたり10ウェーハのスループットに対して一般に10,000以上)。電子ビームシステムについては、一つのレンズを通る合計流れは、電子間のクーロン相互作用によって制限され、その結果、制限された数のビームレットは、一つのレンズおよび/または一つのクロスオーバー点を通って送られることが可能である。したがってこれは、高スループットシステム中のレンズの数がまた大きい必要があることを意味する。
【0046】
そのため好ましくは、低エネルギーの大きな数のビームレットの非常に濃厚な配列が達成され、その結果、一般的ウェーハ露光フィールドのサイズにサイズで比較可能なエリアに多数のビームレットが詰め込まれることが可能である。
【0047】
したがって、投影レンズのプレート12と13と14中の開口のピッチは、小さいエリア中にできる限り多くの静電レンズを作り出すようにできる限り小さい。しかしながら、開口の所与のボアサイズに対するピッチの低減は、開口の間の小さい距離のためにプレートがあまりにも脆弱になるときに引き起こされる生産と構造問題によって、また、近隣のレンズのフリンジフィールドによって引き起こされるレンズ中の可能な収差によって制限される。
【0048】
システム中の流れを増大させることによって、ターゲット上の合計流れも増大されてショットノイズの発達を制限する。しかしながら、同時に、性能を維持するために、臨界寸法平方あたりに、すなわちCD二乗の面積の単位あたりにターゲット表面に入射する電子の数は一定に維持されるべきである。この点において、実際のスポットサイズは、「点像分布関数」の代わりに使用されるテキストの残りの中に、用語を想像するのにより容易なものとして、相当することに注意されたい。
【0049】
低減スポットサイズだけでなく、増大流れにおいて十分な露光許容範囲を維持するためにビームレットの低減点像分布関数も必要とされる。十分な露光許容範囲は、近隣のビームレットの周囲ガウス部分によって通常引き起こされるような露光の基礎または背景レベルと比較して、ビームレットからターゲット上のピーク露光レベルの比較的高い比率を必要とする。しかしながら、より小さい点像分布関数を有するビームレットを生成するシステムを設計することは、各ビームレットによってターゲットに適用され得る荷電粒子流れを相当に低減する。使用される荷電粒子ソースの輝度にかかわりなく、低減スポットサイズと増大流れと低減点像分布関数の前述の要請は、同じウェーハスループットにおける臨界寸法の低減に比較して、システム中のビームレットの数の線形の増大よりも相当に大きいことを暗示する。
【0050】
前述したように、投影光学系すなわち
図1の端部モジュール7が実際的な設計で占め得る比較的小さいエリア内に物理的に実現され得るレンズの数には制限がある。達成すべき低減CDにおいて、既知の技術を使用してこれらの寸法内に構成され得るレンズの数は、所望のウェーハスループットを達成するのに必要ビームレットの数よりも相当に少ない。
【0051】
低減CDにおいて合理的なスループットを達成する前述の問題に対する解決策を提供するリソグラフィシステムは、米国特許出願61/045,243で論じられている。この出願に示されたリソグラフィシステムの実施形態が
図4に概略的に示されている。前述の適用で示されたリソグラフィシステムの実施形態は、システム中のビームレットの数の不釣り合いな増大を可能にしながらシステムの収差を最小にする。一つの投影レンズあたりに複数ビームレットを使用するこの主要な解決策は、端部モジュール7中の偏向器アレイ9の偏向動作で、偏向ビームレットの仮想の始まりの仮想点が作られ、その結果、仮想ビームレットが結像されたという事実の認識後に見つかった。
【0052】
図3Aと3Bは、端部モジュール7中のビームレットの経路の概略図であり、一つの投影レンズあたりに複数ビームレットを使用する基礎となる前述の見識を示している。
【0053】
図3Aは、一つの投影レンズ系あたりに単一ビームレットを有するシステムを示している。単一ビームレット22は、ビームストップアレイ8中の開口を通過し、偏向器アレイ9によって偏向され、投影レンズ設備10によって合焦される。偏向ビームレットは、実際のビームレット22とは異なる起点からある傾斜角度で到着する別々の「仮想」ビームレットと見なすことが可能である。たとえば、ビームレット22が左に偏向されるとき、ビームレット22の実際の起点の右の個所から生じる仮想ビームレット22Vと見なすことが可能であり、同様にビームレット22が右に偏向されるとき、ビームレット22の実際の起点の左の個所から生じる仮想ビームレット22Vと見なすことが可能である。
【0054】
図3Bは、一つの投影レンズ系あたりに三つのビームレット有するシステムを示し、各ビームレットは別々の点から生じ、異なる角度での投影レンズ系を通過する。したがって、本発明の見識によると、
図3A中の仮想ビームレット22Vは、実際のビームレット23によって置き換えられた。単一の投影レンズ系を介した複数の実際のビームレットの適用は、収差の量を妨害することなく可能であるように見える。これは特に、リソグラフィシステム中に存在するビームレットすべてが多数の投影レンズ系に分配される場合である。
【0055】
単一偏向ビームレットを使用する
図3Aと比較して、
図3Bのシステムでは投影レンズを通る流れが三倍大きいことを除いては、正味の効果は同じである。偏向器アレイ9の上方の開口プレート4は、描かれるように多数の開口23を備えていてもよく、すなわち、ビームストップアレイ8中の開口に関連する単一レンズ系に対応する複数ビームレット22を収容するパターン開口部を有していてもよい。実際の設計では、ビーム角度は、
図3Aと3Bに示されたよりもはるかに小さいことに注意されたい。
図3Aと3Bに示された比較的大きいビーム角度は発明を明確にするためだけに存在する。
【0056】
各投影レンズ系へ方向付けられた複数のビームレットの一部またはすべては動作中に任意の時点において無効化され得るので、前述の原理を包含するシステムは、この説明では、パターンドビームレットシステムと呼ばれ得る。そのようなパターンドビームレットシステムはまた、並べて配列された多数の小型結像系と見なされ得る。
【0057】
図4は、複数の群化ビームレットを有する荷電粒子マルチビームレットリソグラフィシステムの実施形態を示している。この実施形態は、システムの増大された数のビームレットを収容することが可能であり、ウェーハにおける増大された流れおよび/または低減されたスポットサイズを許可する。
【0058】
図4に示される実施形態は一般に、複数ビームレットが単一投影レンズ系によって合焦され得るようにビームレットが複数の群に配列されていることを除いては、
図1のシステムについて説明されたように構成される。この実施形態では、開口アレイ4Aは、一つのコリメートビーム21から複数のビームレット22を生成する。ビームレット22は、第二の開口アレイ4Bの平面中のコンデンサーレンズアレイ5Aによって合焦される。第二の開口アレイ4Bは、ビームレットブランカーアレイ6から分離されていても、またはそれと結合されていてもよい。
【0059】
複数のビームレット22は複数の群として配列され、第二のコンデンサーレンズアレイ5Bは、ビームレットの各群をビームストップアレイ8中の対応開口に向けて合焦させる。ビームレットブランカーアレイ6は、第二の開口アレイ4Bと一体化されていてもよく、または別々に構成されていてもよく、ビームレットブランカーアレイ6中の各開口の個所に形成された電極を備えたアレーブランカー素子を備えている。各ブランカー素子は、ビームレットの一つの群中の一つのビームレット22を偏向するように動作する。
【0060】
一つの投影レンズ系あたりに三つのビームレットが
図4に示されているけれども、一つの投影レンズ系あたりに他の数のビームレットが使用されてもよく、100までまたはそれ以上のビームレットの複数の群が各投影レンズ系によって方向付けされ得る。ある好適な実施形態では、7かける7のアレイ中の49のビームレットの複数の群が各投影レンズ系によって偏向される。
【0061】
ビームストップアレイ8中の開口は、ビームレット開口角度を定義し、まるでそれらが単一ビームレットだけを制限するかのように、比較的小さくてもよい。大きい開口ほど、より大きい偏向経路を必要とし、無効化ビームレットの部分的無効化のみによって引き起こされる「テイル」効果により敏感になり、ビームレットを無効化するためのビームストップアレイ8に許される制限された空間をさらに低減するであろう。
【0062】
原理的に、ビームレットの各群は収束され、すなわち単一の点すなわちスポットに方向付けられ得、そこで、それらは、ビームストップアレイ8の適切な開口において、または適切な投影レンズ系の有効レンズ平面において交わり交差する。実際には、ビームレットをビームストップアレイに収束させることはレンズ異常を作り出し、いっぽうビームレットを投影レンズの有効レンズ平面に収束させることはドーズ異常を引き起こすであろうから、収束は、(さらに図面に描かれていないけれども)これらの二つの点の間のどこかにある。
【0063】
荷電粒子マルチビームレットリソグラフィシステムのこの実施形態では、複数ビームレットは各投影レンズ系を通過する。荷電粒子光学スリットは、複数のビームレットの規則的アレイからなるのではなく、ビームレットの複数の群の規則的アレイからなる。米国特許出願61/045,243で論じられるように、いつ何時でも、一つの群中のビームのいくつかはビームストップアレイ8の対応開口によって方向付けられてターゲット上に投影され得る一方、他のビームレットはビームレットブランカーアレイ6によって追加量偏向される。この追加の偏向は、これらのビームレットがビームストップアレイ8の開口を外れるようにし、それらがターゲットに到達することから遮断され、それによって前に説明されたように無効化または「オフに切り替えられる」。したがって、ビームレットの各群は、ビームブランカーアレイ6によって決定されたパターンを露光し、各群は、単一パターンドビームレットと見なされ得る。
【0064】
図5は、サブビームから形成されるビームレットを有する荷電粒子マルチビームレットリソグラフィシステムの実施形態の単純化概略概観を示している。
図4のシステムは、一つの投影レンズ系あたりに複数ビームレットを提供する一方、二組のコンデンサーレンズアレイ5Aと5Bを必要とするより複雑なシステムをもたらす。さらに、比較的小さい開口をかなり小さいピッチで備えるように集光レンズアレイ5Aを製造することは困難である。
図5のリソグラフィシステムはそれほど複雑でなく、コンポーネントの数の低減の結果、
図4に示されたリソグラフィシステムと比較して、低減されたカラム長さを有している。減少されたカラム長さのため、より小さい真空チャンバーが使用され得る。そのような真空チャンバーは、それほど高価でないだけでなく、より短い期間に排気され得る、すなわち、その排気時間が短い。さらに、ビームレットの路程が減少され、ビームレットドリフトによるミスアライメントの減少をもたらす。
【0065】
図5のシステムは、より大きいサブビーム25を生成する開口アレイ4Cを有している。サブビームは、ほぼビームストップアレイ8の平面中で、ビームストップアレイ8の対応開口に向けてサブビームを合焦させるコンデンサーレンズアレイ5を通過する。原理的に、各サブビームは、ビームストップアレイ8の対応開口に、または対応投影レンズ系の有効レンズ平面のいずれかに合焦され得る。実際には、これらの二つの点の間のどこかにサブビームを合焦させることが好ましい。これは、開口アレイ4Cがターゲット11上に結像されることをもたらす。電子光学の分野の熟練者に知られるであろうとともに、(実施形態のいずれかの)集光レンズアレイは、単一の集光レンズアレイまたは一組の集光レンズアレイを備え得ることに注意されるべきである。
【0066】
サブビーム25は、各サブビームの経路中に多数の開口を有する開口アレイ4Dによって遮られ、各サブビーム25からビームレット23の一つの群を生成する。一つのサブビームからビームレットの複数の群が形成され、それらはまた、ほぼビームストップアレイ8の平面中に合焦され、ビームレットの各群は、ビームストップアレイ8中の対応開口に向けて方向付けられる。
【0067】
それから、これらのビームレット23はビームレットブランカーアレイ6を通過する。無効化ビームレットはビームストップアレイ8によって遮断される一方、各群中の非無効化ビームレットは、ビームストップアレイ8中の対応開口を通過し、つづいて投影レンズ設備10によってターゲット11上に投影される。
図5に示された例では、開口アレイ4Dは、各サブビーム25から三つのビームレット23の群を生成する。ビームレットの一つの群は、ビームブランカーアレイ6によって非偏向されているならば、三つのビームレットが投影レンズ系10によってターゲット上に投影されるようにビームストップアレイ8に対応開口に入射する。実際には、各投影レンズ系10に対してとても大きな数のビームレットが生成され得る。実際のある実施形態では、50ものビームレットが単一の投影レンズ系によって方向付けられもよく、これは200以上に増大されてもよい。
【0068】
図5に示されるように、ビームレットブランカーアレイ6は、ビームレットの一つの群中の個々のビームレット23を無効化するためにある時刻にそれらを偏向し得る。これは、
図5に左側のサブビーム25によって示され、中央のビームレット23は、ビームレットが無効化されるように開口の近くだがそこではないビームストップアレイ8上の個所に偏向された。中央のサブビーム25では、右側のビームレット23が偏向されて無効化されており、右側のサブビーム25では、いずれのビームレットも偏向および無効化されない。
【0069】
図4と5に概略的に示されるように、コントロールユニット18は、露光されるべきターゲット11たとえばウェーハを支持するために準備された基板支持部材またはステージ16の移動を動作するように準備されている。この移動は、この説明の中では、第一の方向またはX方向または機械的走査方向の移動とさまざまに呼ばれる。X方向の移動は、さまざまな手法、ターゲットが基板支持部材の機械的移動によって移動する、システムの残りが移動する、ビームレットが偏向される、または上記の技術の任意の組み合わせで達成され得る。
【0070】
図1に関して述べたように、
図4と5に示される荷電粒子マルチビームレットリソグラフィシステムで形成されるパターンドビームレットは偏向器アレイ9によって移動される。ビームレットのこの移動は、静電気偏向器アレイ9による荷電粒子ビームレットの偏向の場合、第二の方向におこなわれ、第二の方向は第一の方向と相違している。この第二の方向は、この説明の中ではたとえばY方向や偏向走査方向のようにさまざまに呼ばれる。発明の一実施形態では、第一の方向は第二の方向に実質的に垂直である。第二の方向のビームレットの移動は一般に反復移動であり、すなわち、ビームレットは、開始位置からある距離にわたって終了位置まで走査され、それから開始位置へ再び移動され戻されることに注意されたい。したがって、第二の方向のビームレットの移動はある周波数でおこなわれ得る。
【0071】
先述したように、リソグラフィ適用にとって、ターゲットは通常、荷電粒子感応層またはレジスト層が設けられたウェーハで構成される。現在の業界標準は300mmウェーハである。ウェーハは一般に、26mm×33mmの最大寸法で固定サイズフィールドに分割される。各フィールドは、複数の集積回路を作製するために処理され得る(すなわち、複数のチップ用のレイアウトが単一のフィールドへ書き込まれ得る)が、ICはフィールド縁を横切らない。26mm×33mmの最大寸法では、単一標準ウェーハ上に63フィールドが入手できる。より小さいフィールドが可能であり、一つのウェーハあたりにより高い数のフィールドをもたらす。
図6は、フィールド27に分割されたウェーハ26と、フィールド28を書き込む方向を示している。たとえば部分的フィールド中にウェーハ境界を横切って全体のフィールドを書き込みことによって、部分的(不完全)フィールドを書き込むことは可能である。
【0072】
リソグラフィ機械のある好適な実施形態では、機械は、13,000のサブビームを生成し、各サブビームは、7×7アレイに配列された49のビームレットに分割され、637,000のビームレット(すなわち13,000×49)をもたらす。この配列が
図5の機械に適用されるとき、開口アレイ4Cは13,000の穴を包含し、開口アレイ4Dとビームレットブランカーアレイ6は637,000の穴を包含し、それは26×26mmのエリア(すなわちウェーハ上に投影されるビームレットの完全なアレイのサイズ)中に電子光学(EO)を形成する。49のビームレットからなる各サブビームは、X方向の各フィールド中に単一のストライプを書き込む。26mm(すなわちEOスリットの幅)の距離にわたって配列された13,000のサブビームは、(機械的走査に実質的に垂直な)Y方向に幅2μmのストライプと、X方向にフィールドと同じ長さのストライプ長さ(たとえば
図6の例では33mm)をもたらす。
【0073】
ウェーハは、たとえば
図6に示されるように、好ましくは後退および前進X方向の両方にリソグラフィ機械によって書き込まれ(露光された)る。(偏向器アレイによる)Y方向の書き込みの方向は通常一方向である。
【0074】
フィールドのサイズ(高さ)が電子光学(EO)スリットのサイズ(すなわちウェーハ上に投影されるビームレットの完全なアレイのサイズ)よりも小さく(たとえば26mmの最大寸法よりも小さく)なるように選択されるとき、それからより多くのフィールドがウェーハ上に配置され得いるが、すべての電子ビームレットがウェーハ上に書き込むために使用されるとは限らない。EOスリットは、フィールドすべてを書き込むためにウェーハをたびたび横切る必要があり、全面的なスループットは減少する。したがって、EOスリットは好ましくは、フィールドのサイズと一致するサイズを有する。
【0075】
機械がパターンをフィールドに書き込んでいるとき、ときどき、ビームレットブランカーアレイは次のフィールドに入り、その中にパターンを書き込み始め、したがって、機械は、二つのフィールドに同時に書き込むことができるべきである。フィールドが十分に小さければ、機械は、3フィールドを同時に書き込むことができるべきである。
【0076】
機械が4×4アレイに配列された16のサブビームを有し、各サブビームが3×3アレイに配列された9つのビームレットを有するものについて、ビームレットブランカーアレイ35の単純化版が
図7Aと7Bに示されている。各サブビームに対して、各ビームレット開口のための関連ブランカー電極を備えた一つの開口群36がある。一つの開口群37の拡張図が図面の右側に示されている。
【0077】
図7Aでは、ブランカー開口の配列は、平行投影書き込み戦略に適して示されており、一方、
図7Bでは、垂直の書き込み戦略に適して、配列が示されている。
図7Aでは、各サブビームのビームレットのためのブランカー開口はより接近して群化されている。
図7Bでは、ビームレットのためのブランカー開口は、ストライプ幅39いっぱいにわたって均等に分配されている、すなわち、各ビームレットは、機械的走査方向に実質的に垂直なY方向に近隣のビームレットから(同じサブビームからも異なるサブビームからも)等距離に配置されている。これは可能であるが、少ない数の開口については、ビームとビームレット流れの間の比率の点からこの配列の効率は非常に低くなる。効率のための尺度はフィルファクタであり、それは、ブランカー開口の全面積と、一つのサブビームのための開口が群化された面積との比である。フィルファクタは、流れ込み(ビーム流れ)と流れ出(ビームレット流れの和)の点から特定のグリッド幾何学の効率を評価するために有用である。一つのビームレット開口群の面積がより小さいとき、フィルファクタはより好ましい値に増大する。
【0078】
少数の開口に対してうまく働く書き込み戦略は「平行投影」書き込み戦略であり、(その最も単純な形式では)個々のビームレットは交互配置され、ストライプ幅いっぱいを書き込む。たとえば、上に論じられたリソグラフィ機械では、平行書き込み戦略が好適な多数の開口は約750,000以下であろう。後でさらに詳しく説明されるように、平行書き込み戦略は、投影ビームレットの順序の方向がウェーハステージの(機械的)走査方向に平行な書き込み戦略をいう。
【0079】
理想的なグリッドがウェーハ上に存在し、電子ビームレットがグリッド座標上に実質的に配置され得ると仮定されている。電子ビームレットが、最小形態サイズ(CD)の1/20番目内に配置され、そしてCDに等しい辺を有する正方形を書き込むときに、容認可能な露光パターンがターゲット上に作り出されると仮定すると、20の走査線としたがって20*20=400のグリッド点が必要である。したがって、CDが45nmに等しいならば、この実施形態では、配置は2.25nmの範囲内で制御可能である。グレー書き込みによる形態の配置に関する、またタイミングによる配置異常に対する修正に関する詳細は、米国特許6,897,458に発見され得る。
【0080】
図8は、一般的に所望な限界寸法(CD)のエリアをおおう仮想グリッドの一部内のターゲット表面上に投影された荷電粒子ビームレットのビームレットサイズ30を示している。
【0081】
ターゲットを露光パターンで露光するために、パターンデータは、ターゲットの表面上の仮想グリッドに対応してラスター化され得る。一般的な設備では、ビームレットがステージ移動に実質的に垂直な方向に走査されながら、ターゲットが移動される。ラスター化パターンデータは、ビームレット偏向とターゲット移動と同期してビームレットが変調されるように時間調節されて、マルチビームレットシステムに供給され、その結果、パターンデータによって表わされるパターンは、ターゲットの表面上に露光パターンとして転写される。仮想グリッドは一般にデカルトのグリッドであるけれども、他のタイプのグリッドも可能である。
【0082】
使用されるグリッドのサイズは、単一の荷電粒子ビームレットの故意的でない変調またはミスアライメントがターゲット上に露光されるべきパターンを妨害しているかどうか考慮することによって決定されてもよい。線または対象幅を設計することにまたはターゲット上に形成されるべき形態の配置を決定することに事実上無限の選択肢を有する望みのために、できる限り小さいグリッドを選ぶ傾向がある。後者は、本発明の基礎となる見識にしたがって、書き込み時の近接効果を修正するための追加の可能性を意味する。他方では、処理されるべき、またシステムに転送されるべきデータの量を限定するために、特に大きな数のビームレットを有するマルチビームシステムでは、できる限り大きいグリッドを有することが望まれる。
【0083】
上に説明した条件間のバランスとして、同時代技術の状態の反映として、マルチビームレットシステムの一実施形態はいわゆる限界寸法セル、一般的にたとえば45nmを識別する。これらのセルは、対応する桁、たとえば30nmのビームサイズを有する荷電粒子ビームレットによって露光され得る。セルは、複数のグリッドセル、たとえば20かける20のグリッドセルに分割されてもよく、したがって、ビームサイズ、たとえば2.25nmに対して小さい寸法を有する。そのような設備では、単一のグリッドセルの偶然の無効化または非無効化は無視してよい影響に過ぎないであろう。複数のグリッドセルは仮想グリッドを形成する。仮想グリッド上の
図8中の投影ビームレットサイズ30の位置はグリッドセル31に対応する。
【0084】
図6のビームレットの投影ビームレットサイズ30は、(ピクセルサイズとも呼ばれる)単一のグリッドセル32、たとえば2.25nmのサイズよりもはるかに大きいので、縁形状は、露光パターンを現像した後ではほとんど目に見えない。さらに、米国特許出願公開2008/073588号に詳細に説明されるように、ラスター化パターン中の陰影のつけられたすなわちギザギザの縁は最終的な形態縁の位置を有効にシフトさせ得る。ぎざぎざの縁の前述の技術を使用する配置の可能な精度は、ビームサイズ30と比較して、ぎざぎざの縁のピクセル長さのサイズに依存する。最適化は、ピクセルサイズの1/10未満の精度をもたらし得る。
【0085】
図9は、ビームレットの一つの群40A,40B,40C,40DをX方向またはY方向の平面上を投影する概念を概略的に示している。ビームレットの一つの群は、露光されるべきターゲット表面に投影されるようにアレイに配列されている。この概念は、発明の実施形態で使用される。
図9では、ビームレットの一つの群40A〜40Dは、2列と2行からなるアレイを備えている。ビームレットの間の距離は、ピッチとも呼ばれ、P
bに等しい。ビームレットは、X方向たとえば機械的走査方向とY方向たとえば偏向走査方向に移動され得る。これらの方向の移動の組み合わせは発明の実施形態で使用され得る。
【0086】
行と列の少なくとも一つは第一の方向と第二の方向に対して90°に等しくない角度に配置されている。
図9に示された例では、ビームレット40A,40Bと40C,40Dによって形成された列は、Y方向に対して角度αで配置されている。
【0087】
ビームレット40A〜40Dは、X方向に平行な平面上にY方向に投影され、X方向に平行な方向に整列された(ハッチング円として示された)ビームレット投影41A〜41Dの順序をもたらす。この投影のピッチ(すなわちX方向に平行な平面上に投影されたときのビームレット間の距離)は、P
proj,Xによって示され、以後、X方向の投影ピッチと呼ばれる。ピッチP
proj,Xは、次式によって計算され得る。
【数2】
【0088】
ビームレットの一つの群についてのグリッド幅W
proj.Xも示されている。
【0089】
同様に、ビームレット40A〜40Dは、Y’方向に平行な平面上にX方向に投影され、Y’方向に平行な方向に整列された(ハッチング円として示された)ビームレット投影41A〜41Dの順序をもたらす。投影のピッチはP
proj,Yによって示され、以後、Y’方向の投影ピッチと呼ばれる。
【0090】
この説明では、複数のビームレットによってターゲットを露光する方法のいくつかの実施形態が開示される。方法は、二つのカテゴリーに分類され得る。第一のカテゴリーは、投影ピッチP
proj,Xが考慮に入れられており、平行タイプの書き込み戦略と呼ばれる。ここにおいて「平行」との表現は、X方向(たとえば機械的走査方向)に対して投影ビームレットの順序の方向をいう。第二のカテゴリーは、投影ピッチP
proj,Yが考慮に入れられており、垂直タイプの書き込み戦略と呼ばれる。
【0091】
前述したように、ターゲットは、第一の方向(たとえば機械的走査方向)と第二の方向(たとえば第二の偏向走査方向の複数のビームレットの偏向)のターゲットに対する複数のビームレットの同時の移動による複数のビームレットによって所望のパターンに露光される。二つの方向は同じではない。便宜上、図面は、二つの方向を垂直であるとして示している。しかしながら、ある好適な実施形態では、二つの方向は実質的に(しかし正確でなく)垂直である。これは、Y’方向への参照によって図面に示されている。Y’方向は、Y方向に対してわずかに傾斜されており、その結果、Y’方向のビームレットの移動は、X方向のビームレットとターゲットの同時の相対移動と調和され、ビームレットの走査線の終わりが、そのビームレットの次の走査線の始まりと、X方向のほぼ同じ位置になることをもたらす。傾斜の量は、X方向の単一の走査線の露光の間のY方向の移動の量に依存する。
【0092】
発明の実施形態の議論は、一つの投影レンズ系あたりに(すなわち一つのサブビームあたりに)2×2のビームレットのアレイについて示されている。一つの投影レンズ系あたりに四つのビームレットが示されているけれども、一つの投影レンズ系あたりに他の数のビームレットが使用されてもよい。100以上のビームレットの複数の群が各投影レンズ系によって方向付けられ得る。さらに、列の数が行の数に等しいアレイが示されているけれども、他のアレイの形状が発明の実施形態に使用されてもよい。したがって、アレイはn行×k列であり、nとkが互いに等しくない正数であってもよい。さらに、正方形のアレイが示されているけれども、三角形や六角形や他のタイプのアレイなど、他の配列が使用されてもよい。
【0093】
ある好適な実施形態では、ビームレットは荷電粒子ビームレットであり、好ましくは電子ビームレットであるが、ターゲットを露光するのに適している他のタイプのビームレットが使用されてもよい。
【0094】
最後に、図面は、X方向とY’方向の寸法間の比率の正確な関係を与えないことに注意されたい。特に、Y’方向の走査線は、明瞭さを増強するために、特に走査線の終わりに生じる影響に関して短くされた。
【0095】
図10は、ビームレットの走査線の概略図を示している。ビーム偏向器アレイは、平行なすべてのビームレットの三角形偏向信号を生成する。偏向信号は、
図10の概略図に示されるように、走査位相(AからBまで)とフライバック位相(BからCまで)を有している。走査位相のあいだ、偏向信号は、(オンに切り替えられたとき)ビームレットをY’方向にゆっくりと移動させ、ビームレットブランカーアレイは、ビームレット制御信号にしたがってビームレットのオン・オフを切り替える。走査位相の後、フライバック位相が始まる。フライバック位相のあいだ、ビームレットはオフに切り替えられ、偏向信号は、次の走査位相が始まる位置へビームレットを素早く移動させる。
【0096】
走査線は、走査位相中のウェーハの表面上のビームレットの経路である。上述したように、ある実施形態では、特別措置なくして、走査線は、ウェーハ上のY方向に沿って正確に書き込まないが、X方向の連続的なステージ移動に対して小さいX方向成分で傾けられる。この異常は、ステージ移動に整合するように小さいX方向成分を偏向フィールドに追加することによって修正され得る。ステージ移動がY方向偏向走査速度と比較して遅いため(一般的なx:y相対速度比は1:1000である)、このX方向成分は一般に小さい。しかしながら、このX方向成分の影響は、パターンドビーム(たとえば各サブビームに対して複数ビームレット)を備えたシステムで大幅に増大される。第一に、偏向速度は、パターンドビーム(サブビーム)あたりのビームレットの数に比例して低減され得る。第二に、(たとえば
図7A,7Bに示されるように)ビームレットのアレイの傾斜のために、ウェーハ上の走査線中の傾きは、異なるビームレットによって作られる走査線の間の距離を変更することをもたらす。十分に大きい傾きは、走査線が重なるか互いに対する位置を変えることをもたらす。
【0097】
走査線(
図10の右側を参照)は、先頭過走査セクションとパターンセクションと末尾過走査セクションの三つのセクションに分割される。ビームレットは、ストライプの幅を横切ってY’方向に沿って偏向される。ビームレットが偏向される距離は一般に、書き込まれるべき実際のストライプよりも広い。過走査は、ビームレットが書き込む位置をシフトさせて倍率変更するためのスペースを供給する、。過走査は片側の余剰である。2μmのストライプ幅と0.5μm(すなわち25%)の過走査の場合、3μmの走査線長さをもたらす。過走査セクションのあいだ、ビームレットは一般にオフに切り替えられる。
【0098】
図10(の左側)では、一つのビームレットだけがストライプを書き込んでいる状況のために一つの走査線が描かれている。偏向周期中のビームレットの経路はA−B−Cである。ABは、走査位相中の走査線移動であり、一方、BCは、ビームレットがオフに切り替えられているあいだのフライバックである。ストライプ縁は、DとEの印がつけられている。
図10の右側では、過走査およびパターンセクションが識別される。走査線にわたってビームレットを切り替えるためのビームレットブランカーアレイによって受信されるビームレット制御信号のビットの全体セットは走査線ビットフレームと呼ばれる。
【0099】
全走査線を通じて、ビームレットはリソグラフィシステムによって制御される。過走査セクションでは、ビームレットはオフに切り替えられる。パターンセクションでは、ビームレットは、ウェーハフィールドに書き込まれる必要のある形態にしたがって切り替えられる。過走査セクションとパターンセクションの両方のための走査線ビットフレーム中のビットは、ビームレットブランカーアレイに転送されるデータを表わす。過走査セクション中のビット/ピクセルは役に立たず、データ経路の帯域幅を消費しているように見える。しかしながら、過走査セクション中のビット/ピクセルは、(パターンシフトやパターン変倍などの)修正のための余地を供給し、アルゴリズムを縫合するための余地を供給し、ビームレットすべてがストライプ幅(平行投影)いっぱいに書き込むところで書き込み戦略が使用されるとき、ビームレットのためのブランカー穴のy位置の差のための余地を供給することが可能である。ビームレットとあるピクセルサイズを制御するビームレット制御信号のための固定ビットレートを仮定すると、走査線は、固定長ビットフレームに移すことが可能であり、走査線ビットフレームと呼ばれる。
【0100】
ある好適な実施形態では、各サブビームは、フィールドの一つのストライプを書き込むための49のビームレットに分割される。ストライプを書き込むための多くの異なる書き込み戦略がある。ビームレット書き込み戦略は、ストライプを書き込むためにビームがどのように配列されるかを定める。方式は、積み重ね、交互配置、オーバーラッピングの組み合わせとすることができる。
図11には、四つのビームレットを使用してストライプを書き込むための可能な交互配置方式としていくつかの例が示されている。一つのストライプの幅は図面の右側に示されている。これらの例は、どのようにビームレットが実時間で書き込むかを示していないが、書き込みが完了したときにどのビームレットがストライプのどの部分を書き込んだかを示している。
【0101】
図11の例Aは、ビームレットを積み重ねることを示している。すべてのビームレットがそれ自身のサブストライプに書き込む。この構成については、各ビームレットが単に、後ろに飛ぶ前に、少数のビットを書き込む。偏向信号の周波数は高く、その振幅は低い。この書き込み戦略は、一つの群中のビームレットが、(投影ピッチP
proj,Xを掛けた一つのサブビーム群中のビームレットの数Nに等しい)群幅GWが(垂直投影)ストライプ幅に等しいように配列されている場合に適している。垂直投影は、書き込み戦略のファミリーである。垂直投影の基本形態については、ビームレットすべてが小さいサブストライプを書き込み、サブストライプの幅はストライプ幅の小片である。ブランカー穴のグリッドのサイズは一般に、ストライプ幅に関係している。
【0102】
例Bでは、ビームレットは、ストライプ幅いっぱいにわたって交互配置される。偏向信号の周波数は低く、その振幅は大きい。交互配置走査線に適合する書き込み戦略は平行投影書き込み戦略である。平行投影は、ビームレットすべてが交互配置方法でストライプ幅いっぱいを書き込む書き込み戦略のファミリーである。ブランカー開口のグリッドがストライプ幅に必ずしも関連しているとは限らないことに注意されたい。
【0103】
特に群中の比較的低い数のビームレットに対して、この戦略は、より小さい群サイズと改善されたフィルレシオを可能にする。少数のビームレットのために、ウェーハ上の群のサイズは、ほどよいフィルファクタのためにストライプよりも著しく小さい。この書き込み戦略(平行投影)については、一つの群中のビームレットの特定の数とあるビームレットピッチに対して実現される一連のピクセルサイズを計算することができる。ピクセルサイズは任意の値ではない。ビームレットブランカー開口とストライプの中心の間の最悪ケースオフセットを補償するために走査線ビットフレーム中の余分なビットが追加され得る。
【0104】
例Cは、交互配置と積み重ねの組み合わせである。例Dについては、連続の交互配置層がレンガ壁のように重なっている。例Cと比較して、この構成は、ビームレット間のより良い平均化を供給する。ストライプ境界には、ストライプ境界を越えて書き込むビームレットがある。
【0105】
図12Aと12Bは、個々の投影レンズ系によっておおわれる全走査幅にわたる各ビームレットの偏向によって露光パターンが達成される複数のビームレットによってターゲットを露光する方法を概略的に示している。たとえば、13,000の投影レンズ系を有するシステムを使用して幅26mmで露光されるてきフィールドに対して、投影レンズ系の配列は、2ミクロンの全走査幅をもたらす。
【0106】
この例では、ターゲットは、平面上にX方向に投影されるアレイのビームレットの投影ピッチすなわちP
proj,Xを考慮した書き込み戦略を使用することによって露光される。隣接走査線の間の距離はX方向の投影ピッチに等しい。
【0107】
図12Aでは、ターゲットの露光エリアの一部が垂直走査線に沿った四つのビームレットによって露光されるものとして示されている。第一のビームレットたとえば
図9のビームレット40Aによって露光されるエリアは、グレーパターンを備えた走査線によって概略的に描かれている。第二のビームレットたとえば
図9のビームレット40Bによって露光されるエリアは、第一のハッチングパターンすなわち左下に傾斜したハッチングを備えた走査線によって概略的に描かれている。第三のビームレットたとえば
図9の中のビームレット40Cによって露光されるエリアは、第二のハッチングパターンすなわち右下に傾斜したハッチングを備えた走査線によって概略的にすなわち描かれている。第四のビームレットたとえば
図9の中のビームレット40Dによって露光されるエリアは、第三のハッチングパターンすなわち交差ハッチングパターンを備えた走査線によって概略的に描かれている。
【0108】
図12Aに示された例では、所望のグリッドセル幅(すなわち所望のビームレット位置決め分解能)はX方向のビームレットの投影ピッチよりも小さい。ビームレットをY’方向にまっすぐに偏向しながらビームレットのアレイをターゲットに対してX方向に移動させることによってターゲットを露光することはターゲットの完全適用範囲を提供しないことが容易に理解され得る。したがって、完全適用範囲を提供するために、異なる書き込み戦略が必要である。
【0109】
図12Bでは、エリアは、平行タイプの書き込み戦略を使用する代替書き込み戦略を使用することによって完全に露光される。この方法では、X方向の相対移動と複数のビームレットのY’方向の移動は、複数のビームレットによって露光される隣接走査線間の距離が
【数3】
【0110】
に等しくなっており、ここで
【数4】
【0111】
である。この式において、P
proj,Xは、X方向に平行な方向のアレイ中の複数のビームレットのビームレット間の投影ピッチであり、F
N−1は、(N−1)の因数であり、ここで、Nは、アレイ中のビームレットの数である。
【0112】
図12Bに概略的に描かれた実施形態では、四つのビームレットが使用される。したがって、ターゲットと複数のビームレットの間の相対移動は、複数のビームレットによって露光される隣接走査線の間の距離がP
proj,Xの1/3に等しくなるようにおこなわれる。アレイ中のビームレットの数が100たとえば10×10のビームレットのアレイである場合、この方法にしたがって複数のビームレットによって露光される隣接走査線の間の距離は、F
N−1が99,33,11,9,3であるのに対して、それぞれ、P
proj,Xの1/99,1/33,1/11,1/9,1/3に等しい。
【0113】
さらに、この実施形態では、ターゲットとビームレットの間の相対移動は段階的手法でおこなわれる。機械的走査方向の移動は、ビームレットが、別のビームレットによって既に露光されがエリアに到着する前に、三つの走査線を露光するようになっている。この移動は、
図12Bの底部の小さい矢印によって第二のビームレットに対して概略的に描かれている。三番目の走査線を終了した後に、ビームレットは、より大きい距離にわたって移送され、第一のビームレットが、第四のビームレットによって露光される最後の走査線直後に配置される。この移送は、大きい矢印によって第二のビームレットに対して概略的に描かれている。移送の後、三つの走査線の新しいシーケンスが始められる。この書き込み戦略の段階的移動は、ビームレットの一定の偏向パターンとX方向のターゲットの移動の速度を変更すること、またはビームレットの偏向パターンを変更することとターゲットの一様の移動、または両方の組み合わせによって実施され得る。
【0114】
図12Aに示されるような露光を得るために使用される書き込み戦略を超える
図12Bに示されるような露光を得るために使用される書き込み戦略の利点はターゲットの全エリアがおおわれるということである。しかしながら、機械的走査方向の移動すなわちターゲットの意図的機械的移動の方向は不規則であり、すなわちシステムの偏向器9が不規則な大きさの幅で既に露光されが走査線を飛び越えることを必要とする。特に大きい距離を越える移動に対しては、偏向器は比較的相当な調整時間を必要とし、そのためにシステムのオーバーヘッド時間を費やすことがある。さらに、そのようなシステムと書き込み方法は位置決め異常に敏感なことがあり、したがって、調整時間を負うおよび/またはいわゆる縫合異常を回避する位置決め制御を実行する必要がある。書き込み戦略の不利益は、隣接走査線のある部分が、同じビームレットによって露光される(走査される)ことである。その結果、個々のビームレット間の輝度または強さの変動が、ターゲット上の露光パターンに不所望な変動をもたらすことがある。
図8Aの書き込み戦略では、隣接走査線がアレイ中のすべてのビームレットによって露光され、それによって達成される平均化効果は、したがって低減される。この不利益は、同じビームレットによって露光される隣接走査線の幅よりもビームレットサイズがはるかに大きい場合に低減され得る。
【0115】
図13A〜13Cは、ターゲットを露光する方法の別の実施形態を概略的に示している。方法は、
図12Aを参照して示された方法の不利益と、
図12Bを参照して示された方法の潜在的な欠点に苦しむことなくターゲットの完全な露光を可能にする。
図13A〜13Cに例証される方法は、平行タイプの書き込み戦略である。
【0116】
この方法では、第一の方向の相対移動と複数のビームレットの第二の方向の移動は、複数のビームレット内の同じビームレットによって露光される連続走査線の間の距離が
【数5】
【0117】
に等しくなるように調和されており、ここで
【数6】
【0119】
図13Aでは、ビームレットの2×2のアレイ中の各ビームレットによる第一の走査線の露光の結果が概略的に示されている。
図13Bでは、各ビームレットが第二の走査線の一部を露光したようにターゲットの露光が進行された。
図13Cでは、露光がさらに進行され、ターゲットの完全適用範囲のエリアが得られた。この方法では、単一の走査線の露光の間にX方向の単一の走査線幅の相対移動を有する代わりに、単一の走査線の露光の間のX方向の相対移動は
【数7】
【0122】
図13A〜13Cでは、この方法を示すために(2×2のアレイ中の)四つのビームレットが使用された。したがって、複数のビームレット内の同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離は、
図13Bと13Cに概略的に示されるように、
【数9】
【0123】
に等しい。アレイ中のビームレットの数が100たとえばビームレットの10×10のアレイである場合、この方法にしたがって複数のビームレット内の同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離は、F
N−1が99,33,11,9,3であるのに対して、それぞれ、
【数10】
【0125】
図13A〜13Cで使用される方法は、L
1に等しいすなわち
図13C中の一点短鎖線間の幅についてX方向に沿って露光されるべきターゲットの完全適用範囲を提供する。エリアL
1の外側のエリアは、マルチビームレットシステム、たとえば
図4または
図5に概略的に描かれた荷電粒子マルチビームレットシステムの一つ以上の他の投影レンズ系によって露光され得る。
図13Cに見られるように、各走査線の一部は、L
2とL
3でラベル付けされた完全適用範囲のエリアの外側に入る。ビームレットが完全適用範囲エリアの外側に偏向される時間のあいだ、それらは一般に使用されず(すなわち無効化または遮断され)、マルチビームレットシステムのそれほど効率的でない利用をもたらす。完全適用範囲長さL
1が「端部エリア」長さL
2とL
3よりもはるかに大きいとき、この影響は減少する。
【0126】
図13Cの書き込み戦略は、前の書き込み戦略の段階的移動を回避する。隣接走査線は異なるビームレットによって露光され、ビームレットサイズが走査線幅よりも大きいときビームレット間の変動を平均化する利点を提供する。図示の例では、四つのビームレットすべてが、四つの隣接走査線上にわたって走査され、4×の平均化効果をもたらす。
【0127】
前述したように、ターゲット上に露光されるべきパターンのパターンデータは一般に仮想グリッドに対してラスター化される。ターゲット上にパターンを露光するために、各ビームレットは、オン・オフが切り替えられるか、そうでなければ複数のビームレットによって露光される走査線のシーケンスがターゲット上に所望のパターンを形成する方法で変調される必要がある。
【0128】
前述の方法に関して、マルチビームシステムの単一の投影レンズ系によって露光されるパターンは、L
1の全幅を超える走査線に分割される。それから、走査線がビームレットに割り当てられる。したがって、使用される書き込み戦略の依存して、異なる走査線は異なるビームレットに割り当てられ得る。
【0129】
図16は、パターンドビームあたりのビームレットの数Nとアレイ傾斜角αと投影ピッチP
proj,XとK因子に依存するピクセルサイズとグリッド幅の表を示している。生成されリソグラフィ機械に送られるために必要とされる制御データの量を減らすために、また機械のスループットを増大させるために大きいピクセルサイズが望まれる。しかしながら、ピクセルのサイズは、所望のCDとレジスト特性によって制限される。
図16では、X方向に3.5nmの最適ピクセルサイズL
pixXが仮定され、左から四番目の列は、投影ピッチと最適ピクセルサイズ(すなわち投影ピッチP
proj,X割る3.5nmのピクセルサイズL
pixX)に基づいたKの計算値を示している。(上に説明されたように)パターンドビームあたりのビームレットの数を容認可能であるKの最も近い値が、左から五番目の列に示されている。六番目と七番目の列は、パターンドビームあたりのビームレットの数とアレイ傾斜角と投影ピッチとK因子の各組み合わせのために生じるピクセルサイズL
pixXとグリッド幅W
projをナノメートルで示している。
【0130】
より高いKは、(ステージ移動に対する)より速いビームレット偏向走査速度を示し、X方向が小さいピクセルをもたらす。ビームレット制御切り替え信号が一定のデータレートでビームレットブランカーアレイに供給されるならば、ビームレット偏向走査速度の相対的増大とともにピクセルはY方向により大きくなり、その結果、ピクセル形状はX方向に減少し、長方形に拡大され、正方形に近いところから長方形に変わる。ピクセルは、ビームレット偏向走査速度を変えることによってY方向には任意のサイズを想定し得るが、上に論じられたようにビームレットの交互配置のためにX方向には特定のサイズだけを想定し得る。
【0131】
リソグラフィ機械のある好適な実施形態では、個々のビームレットを調節するための機能を省略することによって機械は単純化される。ウェーハに与えられる荷電粒子ドーズは、ビームレット偏向走査速度を増大させることによって低下され得る。たとえビームレット流れが不変でも、これはドーズを低下させる。結果として、ピクセルは、Y方向に延長される。同様に、ビームレット偏向走査速度を低減することによってドーズは増大され得る。
【0132】
図17A〜17Cは、複数のビームレットによってターゲットを露光する方法のまた別の実施形態を概略的に示している。この方法は、垂直タイプの書き込み戦略に適任である。この方法では、ビームレットの一つの群をY’方向に偏向しながら、各ビームレットがY’方向の偏向走査長さδ
Y−scanに沿ってターゲットを露光するようなX方向の相対移動によるアレイ中のビームレットの一つの群によってターゲットが露光される。ビームレット間のY’方向の投影ピッチP
proj,Yは、ビームレットの一つの群中の各ビームレットの偏向走査長さδ
Y−scan以下ある。
【0133】
図17Aでは、偏向走査長さδ
Y−scanの第一の走査線が概略的に描かれている。
図17Bでは、各ビームレットが六つの走査線を露光したようにターゲットの露光が進行された。
図17Cでは、露光は、長さI
stripeのエリアの完全適用範囲が位置X
1から始まって得られるようにさらに進行された。容易に理解され得るように、すべてのビームレットが長さI
stripe内のターゲットを露光するために完全に利用される。Y’方向のある長さたとえば
図13CのL
1と
図17CのI
stripeの露光については、ビームレットあたりの偏向長さは、図の方法の
図12A,12Bまたは13A〜13Cの方法よりも
図17Cの方法の方が短い。さらに、ビームレット偏向長さδ
Y−scanは好ましくは、異常などを縫合することを回避するように制御される。
【0134】
図17Cの書き込み戦略は、
図13Cに示された部分的適用範囲L
2とL
3の「端部エリア」を回避し、したがってマルチビームレットシステムの効率を増大させる。しかしながら、
図17Cの書き込み戦略は、同じビームレット平均化効果を達成しない。
【0135】
前述したように、パターンデータは一般に、仮想グリッドに対してラスター化される。ターゲット上に所望のパターンを露光するために、各ビームレットは、オン・オフが切り替えられるか、そうでなければ複数のビームレットによって露光される走査線のシーケンスがターゲット上に所望のパターンを形成する方法で変調される必要がある。
【0136】
図17A〜17Cを参照して説明された方法に関して、マルチビームシステムたとえば
図4と5に概略的に描かれた荷電粒子マルチビームシステムの単一の投影レンズ系によって露光されるべきパターンはδ
Y−scanの長さのブロックに分割される。各ブロック内では、データは走査線に分割され得る。それから、各ブロックはビームレットに割り当てられる。
【0137】
図18は、互いに対する投影レンズアレイとビームレットアレイの特定のオリエンテーション、すなわちビームレットの複数の群のオリエンテーションと、ビームレットの各個群内のビームレットのオリエンテーションの影響を示している略図である。図示の形態は、四つの開口の複数の群で供給された発明によるシステムの開口アレイ素子の一部を実際に表わし、単一レンズ系によって対応数の投影を実現している。表わされている構成では、各開口群は四つのビームレットからなり、複数の群の間すなわち複数の群の開口の間の最小距離は、一つの群内の開口のピッチよりも大きい。この構成では、複数の4×4の開口群が使用され、通過ビームレットの各群は4×4の投影レンズへ向かう。
【0138】
ビームレットと投影レンズのオリエンテーションは、ターゲットに対する機械的走査方向の投影レンズアレイと複数のビームレットの相対移動のあいだ、ターゲットの全表面エリアは、一般に機械的走査方向に実質的に垂直な偏向走査方向のビームレットの偏向によって露光され得る。
【0139】
図18では、機械的移動方向に対して投影レンズアレイのオリエンテーションが、ビームレットアレイのオリエンテーションと異なっている。ここに示されたX方向は、ターゲット搬送の移動を示しており、一方、Y方向は、それに垂直であり、偏向器9の偏向移動によって引き起こされるターゲット上のビームレットの走査の有効方向を表わしている。
【0140】
図19は、
図13のターゲットを露光する方法で使用される二次元アレイでのビームレットの配置を決定する計画を概略的に示している。この方法では、対角線の概念は、露光パターンでターゲットの表面積を露光するために使用される。この概念で、第一の方向(たとえば機械的移動の方向)の相対移動と第二の方向(たとえば偏向走査方向)の複数のビームレットの移動は、アレイのビームレットが対角線パターン中の隣接走査線を走査するようになっている。理論上、ビームレットの一つの群は、この書き込み戦略をおこなう対角線として形成されたアレイに配列され得る。実際上、投影レンズ系のサイズは、対角線に沿ったビームレットの配列が可能でないように、隣接走査線の間の所望の距離(すなわちグリッドセルサイズ)よりもはるかに大きいことがある。
【0141】
図19では、そのような書き込み戦略は、対角線に対して働くだけでなく、ビームレットの好適な二次元アレイを使用するときにも適用され得ることが概略的に示されている。四つのビームレットの対角線(
図19の左図)から始まり、機械的走査方向に沿ったビームレットの再配列(
図19の中央図に示される)は、ビームレットの好適な2×2のアレイ(
図19の右図)に導く。
【0142】
対角線は、ビームレットがY’方向に投影ピッチP
proj,Yにあり、X方向に一つの走査線によって分離される(一つ走査線間隔が、ターゲット上の露光される隣接走査線間の距離である)ように整列される。それから、ビームレットの2×2のアレイが、ビームレットの再配列によって構成される。アレイ中の各ビームレットは、対角線中のビームレットとしてY’方向に同じ投影ピッチP
proj,Yで配置される。しかしながら、X方向に平行な方向に、各ビームレットは、総数のビームレット間隔(一つのビームレット間隔は同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離である)だけ対角線からずらされている。X方向のアレイのビームレットのずれは、結果のアレイにおいて、各ビームレットが、少なくとも二つの他のビームレットからほぼ等距離である
ように選択される。結果のビームレットアレイは好ましくは、正方形か六角形か三角形のアレイにできる限り近い。
【0143】
図20A〜20Dは、
図19に示されるように構成された二次元の2×2のアレイを使用して複数のビームレットによってターゲットを露光する方法を概略的に示している。
図20Aでは、ビームレットの2×2のアレイ中の各ビームレットによる第一の走査線の一部の露光の結果が概略的に示されている。
図20Bでは、各ビームレットが、二番目の走査線の一部を露光したようにターゲットの露光が進行され、
図20Cでは、九つの走査線が各ビームレットによって露光された。
図20Dでは、図面の右側に示されるように、ターゲットの完全適用範囲のエリアが得られるように露光がさらに進行された。
図20A〜20Dから、対角線書き込み戦略が適用可能であることが理解され得る。
図20Dに見られ得るように、完全適用範囲のエリアでは、アレイ中のビームレットは、対角線パターン中の隣接走査線を走査する。
【0144】
さらに、この書き込み戦略に関連して以下のことが指摘され得る。走査線の少なくともいくつかが、アレイの一つ以上のビームレットによって走査されることが、その結果、図示の例では、走査線のいくつかが、アレイの第一のビームレットによって走査線距離の第一の部分にわたって、アレイの第二のビームレットによって走査線距離の第二の部分にわたって走査されることが理解され得る。
【0145】
図示の例では、ビームレットは、2行2列のアレイに配列されており、X方向の相対移動とY’方向のビームレットの移動は、アレイ中の各ビームレットが1走査線おきに走査するようになっている。さらに、走査線の一部が二つのビームレットによって走査されており、四つのビームレットすべてがターゲットを露光してターゲットの完全適用範囲を提供した
図13Dの右側に見られ得る。ビームレットのアレイがR行とC列のビームレットからなる場合、X方向とY’方向の移動の間の関係は、アレイ中の各ビームレットがすべてのR番目の走査線を露光し、走査線の(すなわちターゲットの合計適用範囲が達成されるエリア中の)一部がC本のビームレットによって走査されるようになっている。さらに、アレイのビームレットすべてがM本の隣接走査線上で走査される場合、アレイの各ビームレットは各M番目の走査線上で走査される。これは
図20Dの例に見ることができ、四つのビームレットすべてが、ターゲットの合計適用範囲が達成されるエリアでは二つの隣接走査線上で走査され、アレイの各ビームレットは1走査線おきに走査される。
【0146】
図20Dの書き込み戦略はいくつかの利点を有する。
図13Cの書き込み戦略と比較したとき、部分的適用範囲の「端部エリア」が低減される。これらの端部エリアの長さは、
図13Cのようなビームレットの全アレイの投影ピッチの代わりに、Y’方向の二つのビームレット間の投影ピッチP
proj,Yに等しい。さらに、
図20Dの書き込み戦略は、ビームレットの平均化を達成する。
図20Dに示された例では、完全適用範囲のエリアに2×平均化がある(すなわち、二つのビームレットが隣接走査線を交互に露光するために使用される)。3×平均化や4×平均化やそれ以上を達成するために同様の書き込み戦略がビームレットの異なるサイズのアレイと共に使用され得る。
【0147】
前述の方法すなわち
図12Bと13A〜13Cを参照して説明された方法の実施形態では、P
proj,Xは、ターゲットに投影されるビームレットスポットサイズ以下であってもよい。あるいは、ターゲットに投影されるビームレットスポットサイズは、複数のビームレットによって露光される隣接走査線の間の距離よりも大きくてもよい。複数のビームレットを形成するアレイは多数の行と多数の列を備え、行と列の少なくとも一つは、機械的走査方向と偏向走査方向に対して90°に等しくない角度に配置されていてもよい。あるいは、また付加的に、複数のビームレットを形成するアレイは、第一の方向と平行な方向のアレイ中の各対のビームレット間の投影ピッチが等しくなるように第一の方向に対してある角度で配置されていてもよい。行の数は列の数に等しくてもよい。
【0148】
発明の実施形態では、ビームレットは荷電粒子ビームレット、好ましくは電子ビームレットである。
【0149】
コントロールユニットたとえばコントロールユニット18は、前述の方法の実施形態実行を可能にするようにターゲットと複数のビームレットの間の相対移動を調和させるように準備されていてもよい。
【0150】
コントロールユニットたとえばコントロールユニット18が、プロセッサーと、プロセッサーに連結されたメモリーを備えているコンピューター組み立て体の形態で実施されてもよいことが理解されるであろう。メモリーは、記憶素子、たとえば、ハードディスク、ランダムアクセスメモリー(RAM)、読み取り専用メモリー(ROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)ほかを備えていてもよい。プロセッサーは、コンピューター読取可能媒体からデータを読むように準備された読取機構に連結されてもよい。コンピューター読取可能媒体は、プロセッサーによって実行されたときに、荷電粒子マルチビームレットシステムの複数のビームレットによってターゲットを露光する前述の方法の実施形態をおこなうように準備されていてもよい。
【0151】
本発明の追加の側面は、垂直タイプの書き込み戦略に関する。ある実施形態では、複数のビームレットによってターゲットを露光する方法は、
複数のビームレットを供給することを有し、ビームレットはアレイに配列されており、
露光されるべきターゲットを供給する各群の収束の共通点に向けてビームレットの複数の群を収束させることと、
複数のビームレットとターゲットの間に第一の方向に相対移動を作り出すことと、
第一の方向に実質的に垂直な第二の方向にビームレットの各群を偏向して、ビームレットの一つの群内の各ビームレットが第二の方向の偏向走査長さに沿ってターゲットを露光することを有しており、
アレイ中のビームレットの一つの群内のビームレット間の第二の方向の投影ピッチP
proj,Yは、ビームレットの一つの群内の各ビームレットの偏向走査長さ以下である。
【0152】
方法は、続くさらなる特徴の一つ以上を有していてもよい。投影ピッチP
proj,Yは、ターゲットに投影されるビームレットスポットサイズ以下であってもよい。ビームレットのアレイは多数の行と多数の列を備え、行と列の少なくとも一つは、第一の方向と第二の方向に対して90°に等しくない角度に配置されていてもよい。ビームレットの複数のアレイが供給されてもよい。
【0153】
第一の方向は第二の方向に実質的に垂直であってもよい。ビームレットのアレイは単一パターンドビームレットを形成し、単一パターンドビームレットは、グリッドセルが所定の寸法を有するラスターグリッドにしたがってパターン化されている。
【0154】
さらなる側面では、本発明は、プロセッサーによって実行されたときに、垂直タイプの荷電粒子マルチビームレットシステムの複数のビームレットによってターゲットを上に説明したように露光する方法の実施形態をおこなうためのコンピューター読取可能媒体を包含していてもよい。
【0155】
発明はまた、複数のビームレットを使用してターゲットをパターニングするための荷電粒子マルチビームレットシステムを包含しており、システムは、
複数のビームレットによって形成される放射パターンを供給するためのビームレットパターン発生器を備え、複数のビームレットはビームレットの複数の群に配列されており、
ビームレットの複数の群をターゲットの表面上に投影するための投影レンズ系のアレイを備え、各投影レンズ系は、ビームレットの一つの群に対応しており、
第一の方向に実質的に垂直な第二の方向にビームレットの一つの群を偏向するための偏向器アレイを備え、ビームレットの一つの群内の各ビームレットが第二の方向に変調偏向幅に沿ってターゲットを露光し、偏向器アレイは複数の偏向器を備え、各偏向器は、ビームレットの一つの対応群を偏向するように準備されており、
露光されるべきターゲットを支持するための基板支持部材を備えており、
アレイ中のビームレットの一つの群内のビームレット間の第二の方向の投影ピッチP
proj,Yは、ビームレットの一つの群内の各ビームレットの偏向走査幅以下であり、
アレイ中のビームレットの一つの群内のビームレット間の第二の方向の投影ピッチP
proj,Yは、ビームレットの一つの群内の各ビームレットの偏向走査幅以下である。
【0156】
荷電粒子マルチビームレットシステムは、続くさらなる特徴の一つ以上を有していてもよい。投影ピッチP
proj,Yは、ターゲットに投影されるビームレットスポットサイズ以下あってもよい。ビームレットパターン発生器は、
荷電粒子ビームを生成するための少なくとも一つの荷電粒子源と、
生成ビームからの別々のビームレットまたはサブビームを規定する開口アレイと、
ビームレットの複数の群を各群の収束の共通点に向けて収束させるためのビームレットマニピュレーターと、
ビームレットの複数の群中の複数のビームレットを制御可能に無効化するためのビームレットブランカーを備えていてもよい。ビームレットの各群の収束の共通点は投影レンズ系の一つに対応する点であってもよい。ビームレットのアレイは多数の行と多数の列を備え、行と列の少なくとも一つは、第一の方向と第二の方向に対して90°に等しくない角度に配置されていてもよい。複数のビームレットは複数のアレイに配列されていてもよい。第一の方向は第二の方向に実質的に垂直であってもよい。複数のビームレットは単一パターンドビームレットを形成し、単一パターンドビームレットは、グリッドセルが所定の寸法を有するラスターグリッドにしたがってパターン化されていてもよい。
【0157】
本発明の追加の側面は、対角線タイプの書き込み戦略に関する。ある実施形態では、複数のビームレットによってターゲットを露光する方法は、
複数のビームレットを供給することを有し、ビームレットは、N本のビームレットのアレイに配列されており、
露光されるべきターゲットを供給することを有し、
複数のビームレットとターゲットの間に第一の方向に相対移動を作り出すことを有し、
ビームレットがターゲット上の複数の走査線を露光するように複数のビームレットを第二の方向に移動させることすことを有し、
第一の方向の相対移動と複数のビームレットの第二の方向の移動は、アレイ中の複数のビームレットが対角線パターン中の隣接走査線を露光するようになっている。
【0158】
方法は、続くさらなる特徴の一つ以上を有していてもよい。各走査線は、走査線距離を超えて第二の方向に走査されてもよく、走査線の少なくともいくつかは、アレイの一つのビームレットよりも多くによって走査される。走査線の少なくともいくつかは、アレイの第一のビームレットによって走査線距離の第一の部分にわたって、アレイの第二のビームレットによって走査線距離の第二の部分にわたって走査されてもよい。アレイのN本のビームレットすべてがM本の隣接走査線上で走査され、アレイの各ビームレットが各M番目の走査線上で走査されてもよい。
【0159】
対角線タイプの書き込み戦略の別の実施形態では、複数のビームレットによってターゲットを露光する方法は、
複数のビームレットを供給することを有し、ビームレットは、ビームレットのR行とC列のアレイに配列されており、
露光されるべきターゲットを供給することを有し、
複数のビームレットとターゲットの間に第一の方向に相対移動を作り出すことを有し、
ビームレットがターゲット上の複数の走査線を露光するように複数のビームレットを第二の方向に移動させることを有し、
第一の方向の相対移動と複数のビームレットの第二の方向の移動は、アレイの各ビームレットがすべてのR番目の走査線を走査し、走査線の一部がC本のビームレットによって走査される。
【0160】
方法は、続くさらなる特徴の一つ以上を有していてもよい。複数のビームレットは、アレイ中のビームレット間の第二の方向の投影ピッチP
proj,Yの少なくともほぼR倍の距離にわたって第二の方向に移動されてもよい。各走査線は、走査線距離にわたって第二の方向に走査されてもよく、アレイ中の各ビームレットは、走査線距離の1/Cにほぼ等しい走査線の一部を走査する。各走査線は、ビームレットのアレイのC本のビームレットによって走査されてもよい。
【0161】
対角線タイプの書き込み戦略のまた別の実施形態では、複数のビームレットによってターゲットを露光する方法は、
複数のビームレットを供給することを有し、ビームレットはアレイに配列されており、
露光されるべきターゲットを供給することを有し、
複数のビームレットとターゲットの間に第一の方向に相対移動を作り出すことを有し、
複数のビームレットがターゲット上の複数の走査線を露光するように複数のビームレットを第二の方向に移動させることを有し、隣接走査線は走査線間隔によって分離されており、いくつかのビームレットによって露光される続く走査線はビームレット間隔によって分離されており、
アレイ中の各ビームレットは、各ビームレットが少なくとも二つの他のビームレットからほぼ等距離にあるように、全体の数のビームレット間隔が対角線から第一の方向に平行な方向に、また第二の方向に投影ピッチP
proj,Yで配置されており、対角線は、第一の方向の一つの走査線間隔によってまた第二の方向の投影ピッチP
proj,Yによって分離された点と整列している。
【0162】
上に説明された対角線タイプの書き込み戦略の実施形態は、続く特徴の一つ以上を有していてもよい。アレイのビームレット間の第一の方向の投影ピッチP
proj,Xは、ターゲットに投影されるビームレットスポットサイズ以下であってもよい。ビームレットのアレイは多数の行と多数の列を備え、行と列の少なくとも一つは、第一の方向と第二の方向に対して90°に等しくない角度に配置されていてもよい。ビームレットの複数のアレイが供給されてもよい。第一の方向は第二の方向に実質的に垂直であってもよい。ビームレットのアレイは単一パターンドビームレットを形成し、単一パターンドビームレットは、グリッドセルが所定の寸法を有するラスターグリッドにしたがってパターン化されていてもよい。
【0163】
さらなる側面では、本発明は、プロセッサーによって実行されたときに、対角線タイプの荷電粒子マルチビームレットシステムの複数のビームレットによってターゲットを上に説明したように露光する方法の実施形態をおこなうためのコンピューター読取可能媒体を包含していてもよい。
【0164】
発明はまた、複数のビームレットを使用してターゲットをパターニングするための荷電粒子マルチビームレットシステムを包含している。荷電粒子マルチビームレットシステムは、
複数のビームレットによって形成された放射パターンを供給するためのビームレットパターン発生器を備え、複数のビームレットはN本のビームレットのアレイに配列されており、
複数のビームレットをターゲットの表面上に投影するための投影レンズ系のアレイを備え、各投影レンズ系は、ビームレットの一つの群に対応しており、
第一の方向に実質的に垂直な第二の方向にビームレットの一つの群を偏向するための偏向器アレイを備え、ビームレットの一つの群内の各ビームレットが第二の方向に変調偏向幅に沿ってターゲットを露光し、偏向器アレイは複数の偏向器を備え、各偏向器は、ビームレットの一つの対応群を偏向するように準備されており、
露光されるべきターゲットを支持するための基板支持部材と、
アレイ中のビームレットが対角線パターン中の隣接走査線を走査するように、基板支持部材と複数のビームレットの間の第一の方向の相対移動とビームレットの一つの群の第二の方向の移動を調和させるように準備されたコントロールユニットを備えている。
【0165】
荷電粒子マルチビームレットシステムは、続くさらなる特徴の一つ以上を有していてもよい。コントロールユニットは、走査線距離にわたって第二の方向の走査を制御し、走査線の少なくともいくつかがアレイの一つのビームレットよりも多くによって走査されるようにさらに準備されていてもよい。コントロールユニットは、走査線の少なくともいくつかが、アレイの第一のビームレットによって走査線距離の第一の部分にわたって、アレイの第二のビームレットによって走査線距離の第二の部分にわたって走査されるようにさらに準備されていてもよい。アレイのN本のビームレットすべてがM本の隣接走査線上で走査され、アレイの各ビームレットが各M番目の走査線上で走査されてもよい。
【0166】
別の実施形態では、複数のビームレットを使用してターゲットをパターニングするための荷電粒子マルチビームレットシステムは、
複数のビームレットによって形成される放射パターンを供給するためのビームレットパターン発生器を備え、複数のビームレットは、ビームレットの複数の群に配列されており、ビームレットの一つの群は、ビームレットのR行とC列のアレイに配列されており、
ビームレットの複数の群をターゲットの表面上に投影するための投影レンズ系のアレイを備え、各投影レンズ系は、ビームレットの一つの群に対応しており、
第一の方向に実質的に垂直な第二の方向にビームレットの一つの群を偏向するための偏向器アレイを備え、ビームレットの一つの群内の各ビームレットが第二の方向に変調偏向幅に沿ってターゲットを露光し、偏向器アレイは複数の偏向器を備え、各偏向器は、ビームレットの一つの対応群を偏向するように準備されており、
露光されるべきターゲットを支持するための基板支持部材と、
アレイ中の各ビームレットがすべてのR番目の走査線を走査し、走査線の一部がC本のビームレットによって走査されるように、基板支持部材と複数のビームレットの間の第一の方向の相対移動とビームレットの一つの群の第二の方向の移動を調和させるように準備されたコントロールユニットを備えている。
【0167】
荷電粒子マルチビームレットシステムは、続くさらなる特徴の一つ以上を有していてもよい。コントロールユニットは、アレイ中のビームレット間の第二の方向の投影ピッチP
proj,Yの少なくともほぼR倍の距離にわたって複数のビームレットを第二の方向に移動させるようにさらに準備されていてもよい。コントロールユニットは、各走査線が走査線距離にわたって第二の方向に走査され、アレイ中の各ビームレットが走査線距離の1/Cにほぼ等しい走査線の一部を走査するように、基板支持部材と複数のビームレットの間の第一の方向の相対移動とビームレットの一つの群の第二の方向の移動を調和させるようにさらに準備されていてもよい。各走査線は、ビームレットのアレイのC本のビームレットによって走査されてもよい。
【0168】
また別の実施形態では、複数のビームレットを使用してターゲットをパターニングするための荷電粒子マルチビームレットシステムは、
荷電粒子ビームを生成するための荷電粒子源と、
生成ビームからビームレットの複数の群を規定するためのビームレット開口アレイと、
ビームレットの一つの群を第二の方向に偏向するための偏向器アレイを備え、偏向器アレイは複数の偏向器を備え、各偏向器はビームレットの一つの対応群を偏向し、
ビームレットの複数の群をターゲットの表面上に投影するための投影レンズ系のアレイを備え、各投影レンズ系はビームレットの一つの群に対応しており、
露光されるべきターゲットを支持するための基板支持体と、
複数のビームレットがターゲット上の複数の走査線を露光するように、基板支持体と複数のビームレットの間の第一の方向の相対移動とビームレットの一つの群の第二の方向の移動を調和させるように準備されたコントロールユニットを備えており、隣接走査線は走査線間隔によって分離されており、同じビームレットによって露光される続く走査線はビームレット間隔によって分離されており、
ターゲット上に投影されるビームレットの各群はアレイに配列されており、アレイ中の各ビームレットは、各ビームレットが少なくとも二つの他のビームレットからほぼ等距離にあるように、全体の数のビームレット間隔が対角線から第一の方向に平行な方向に、また第二の方向に投影ピッチP
proj,Yで配置されており、対角線は、第一の方向の一つの走査線間隔によって、また第二の方向の投影ピッチP
proj,Yによって分離された点と整列している。
【0169】
上に説明された荷電粒子マルチビームレットシステムの実施形態は、続く特徴の一つ以上を有していてもよい。投影ピッチP
proj,Xは、ターゲットに投影されるビームレットスポットサイズ以下あってもよい。ビームレットパターン発生器は、
荷電粒子ビームを生成するための少なくとも一つの荷電粒子源と、
生成ビームから別々のビームレットまたはサブビームを規定する開口アレイと、
ビームレットの複数の群を各群の収束の共通点に向けて収束させるためのビームレットマニピュレーターと、
ビームレットの複数の群中の複数のビームレットを制御可能に無効化するためのビームレットブランカーを備えている。ビームレットの各群の収束の共通点は投影レンズ系の一つに対応する点であってもよい。ビームレットのアレイは多数の行と多数の列を備え、行と列の少なくとも一つは、第一の方向と第二の方向に対して90°に等しくない角度に配置されていてもよい。複数のビームレットは複数のアレイに配列されている。第一の方向は第二の方向に実質的に垂直であってもよい。複数のビームレットは単一パターンドビームレットを形成し、単一パターンドビームレットは、グリッドセルが所定の寸法を有するラスターグリッドにしたがってパターン化されていてもよい。
【0170】
発明は、上に論じられたある実施形態の参照によって説明された。これらの実施形態は、発明の趣旨と要旨から逸脱することなく、この分野の当業者によく知られているさまざまな修正と代替形態が可能であることが認識されるであろう。したがって、特定の実施形態が説明されたが、これらは単なる例であり、発明の要旨を限定するものではなく、それは添付の特許請求の範囲によって規定される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 複数のビームレットによってターゲットを露光する方法であり、
複数のビームレットを供給することを有し、前記ビームレットはアレイに配列されており、
露光されるべきターゲットを供給することを有し、
前記複数のビームレットと前記ターゲットの間に第一の方向に相対移動を作り出すことを有し、
各ビームレットが前記ターゲット上の複数の平行走査線を露光するように前記複数のビームレットを第二の方向に移動させることを有し、
前記第一の方向の前記相対移動と前記複数のビームレットの前記第二の方向の移動は、前記複数のビームレットによって露光される隣接平行走査線の間の距離が、前記アレイ中の前記複数のビームレットのビームレット間の前記第一の方向の投影ピッチPproj,Xよりも小さくなるようになっている、方法。
[2] 前記複数のビームレットによって露光される隣接走査線の間の距離は、前記投影ピッチPproj,XをKで割ったものに等しく、ここで、Kは、1よりも大きい正の整数である、[1]に記載の方法。
[3] Kは、前記アレイ中のビームレットの数ひく1の因数に等しい、[2]に記載の方法。
[4] 前記ビームレットのアレイ内の同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離は、前記第一の方向の前記アレイの投影サイズよりも小さい、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の方法。
[5] 前記ビームレットのアレイ内の同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離は、
【数11】
に等しく、
ここで、FN−1は、1に等しくない(N−1)の因数であり、Nは、前記アレイ中のビームレットの数である、[4]に記載の方法。
[6] 複数のビームレットによってターゲットを露光する方法であり、
複数のビームレットを供給することを有し、前記ビームレットはアレイに配列されており、
露光されるべきターゲットを供給することを有し、
前記複数のビームレットと前記ターゲットの間に第一の方向に相対移動を作り出すことを有し、
各ビームレットが前記ターゲット上の複数の平行走査線を露光するように複数の走査の第二の方向に前記複数のビームレットを移動させることを有し、
前記第一の方向の前記相対移動と前記複数のビームレットの前記第二の方向の移動は、前記ビームレットのアレイ内の同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離が、前記第一の方向のアレイの投影サイズよりも小さく、その結果、第二の走査からの一つ以上のビームレットの走査線が、第一の走査からの一つ以上のビームレットの走査線で交互にはさまれる、方法。
[7] 前記ビームレットのアレイ内の同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離は、
【数12】
に等しく、
ここで、Pproj,Xは、前記アレイのビームレット間の前記第一の方向の投影ピッチであり、FN−1は、1に等しくない(N−1)の因数であり、Nは、前記アレイ中のビームレットの数である、[6]に記載の方法。
[8] 前記第一の方向の前記相対移動は一定速度を有する、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の方法。
[9] 前記第二の方向の移動は、一定周波数を有する反復移動である、[1]〜[8]のいずれか一つに記載の方法。
[11] 前記方法は、前記ターゲットの一面に仮想グリッドを規定することをさらに有し、前記グリッドは、それぞれのビームレットによって前記ターゲットを露光するまたは露光しない位置、各個ビームレットの無効化または非無効化に依存する露光または非露光を提供する、[1]〜[9]のいずれか一つに記載の方法。
[12] 前記仮想グリッドは、前記第一の移動方向に配向された第一の軸と、それを横切って配向された第二の軸を備えている、[11]に記載の方法。
[13] 前記複数のビームレットは複数の群に分割され、ビームレットの各群はアレイに配列され、前記一つの群のビームレットは重ならず、それにより前記ビームレットのアレイは、前記グリッド中の個所のアレイに対応している、[11]または[12]に記載の方法。
[14] 前記アレイのビームレット間の前記第一の方向の投影ピッチPproj,Xは、前記ターゲットに投影されるビームレットスポットサイズ以下である、[1]〜[13]のいずれか一つに記載の方法。
[15] 前記ビームレットのアレイは多数の行と多数の列を備え、前記行と列の少なくとも一つは、前記第一の方向と前記第二の方向に対して90°に等しくない角度に配置されている、[1]〜[14]のいずれか一つに記載の方法。
[16] ビームレットの複数のアレイが提供される、[1]〜[15]のいずれか一つに記載の方法。
[17] 前記第一の方向は前記第二の方向に実質的に垂直である、[1]〜[16]のいずれか一つに記載の方法。
[18] 前記ビームレットのアレイは、単一パターンドビームレットを形成し、前記単一パターンドビームレットは、グリッドセルが所定の寸法を有するラスターグリッドにしたがってパターン化されている、[1]〜[17]のいずれか一つに記載の方法。
[19] プロセッサーによって実行されたときに、先行請求項のいずれか一つによって規定される荷電粒子マルチビームレットシステムの複数のビームレットによってターゲットを露光する前記方法をおこなうためのコンピューター読取可能媒体。
[20] 複数のビームレットを使用してターゲット(11)を露光するための荷電粒子マルチビームレットシステムであり、
複数のビームレット(22)によって形成される露光パターンを供給するためのビームレットパターン発生器(1,4,5,6,8;1,4A,4B,5A,5B,6,8;1,4C,4D,5,6,8)を備え、前記複数のビームレット(22)はビームレット(23)の複数の群に配列されており、
前記ビームレットの複数の群(23)を前記ターゲット(11)の表面上に投影するための投影レンズ系(10)のアレイを備え、各投影レンズ系はビームレット(23)の一つの群に対応しており、
ビームレット(23)の一つの群を第二の方向に偏向するための偏向器アレイ(9)を備え、前記偏向器アレイ(9)は複数の偏向器を備え、各偏向器は、ビームレット(23)の一つの対応群を偏向するように準備されており、
露光されるべき前記ターゲット(11)を支持するための基板支持部材(16)と、
前記複数のビームレットによって露光される隣接走査線の間の距離が、前記アレイ中の前記複数のビームレットのビームレット(22)間の前記第一の方向の投影ピッチPproj,Xよりも小さくなるように、前記基板支持部材(16)と前記複数のビームレットの間の第一の方向の相対移動と前記ビームレット(23)の一つの群の第二の方向の移動を調和させるように準備されたコントロールユニット(18)を備えている、システム。
[21] 前記複数のビームレットによって露光される隣接走査線の間の距離は、前記投影ピッチPproj,XをKで割ったものに等しく、ここで、Kは、1よりも大きい正の整数である、[20]に記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[22] Kは、前記アレイ中のビームレットの数ひく1の因数に等しい、[21]に記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[23] 前記複数のビームレット内の同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離は、前記第一の方向の前記アレイの投影サイズよりも小さい、[20]〜[22]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[24] 前記ビームレットのアレイ内の同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離は、
【数13】
に等しく、
ここで、FN−1は、1に等しくない(N−1)の因数であり、Nは、前記アレイ中のビームレットの数である、[23]に記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[25] 複数のビームレットを使用してターゲット(11)を露光するための荷電粒子マルチビームレットシステムであり、
複数のビームレット(22)によって形成される露光パターンを供給するためのビームレットパターン発生器(1,4,5,6,8;1,4A,4B,5A,5B,6,8;1,4C,4D,5,6,8)を備え、前記複数のビームレット(22)はビームレット(23)の複数の群に配列されており、
前記ビームレット(23)の複数の群を前記ターゲット(11)の表面上に投影するための投影レンズ系のアレイ(10)を備え、各投影レンズ系はビームレット(23)の一つの群に対応しており、
ビームレット(23)の一つの群を第二の方向に偏向するための偏向器アレイ(9)を備え、前記偏向器アレイ(9)は複数の偏向器を備え、各偏向器は、ビームレット(23)の一つの対応群を偏向するように準備されており、
露光されるべき前記ターゲット(11)を支持するための基板支持部材(16)と、
前記ビームレットのアレイ内の同じビームレットによって露光される隣接走査線の間の距離が、前記第一の方向の前記アレイの投影サイズよりも小さくなるように、前記基板支持部材(16)と前記複数のビームレットの間の第一の方向の相対移動と前記ビームレット(23)の一つの群の前記第二の方向の移動を調和させるように準備されたコントロールユニット(18)を備えている、システム。
[26] 前記複数のビームレット内の同じビームレットによって露光される続く走査線の間の距離は、
【数14】
に等しく、
ここで、Pproj,Xは、前記アレイ中の前記複数のビームレットのビームレット間の前記第一の方向の投影ピッチであり、FN−1は、1に等しくない(N−1)の因数であり、Nは、前記アレイ中のビームレットの数である、[25]に記載の荷電粒子マルチビームシステム。
[27] 前記コントロールユニット(18)はさらに、前記相対移動が一定速度を有するように前記第一の方向の前記相対移動を制御するように準備されている、[20]〜[26]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[28] 前記第二の方向の前記移動は反復移動であり、前記コントロールユニット(18)はさらに、前記反復移動が一定周波数を有するように前記反復移動を制御するように準備されている、[20]〜[27]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[29] 前記ビームレットパターン発生器(1,4,5,6,8;1,4A,4B,5A,5B,6,8;1,4C,4D,5,6,8)は、前記ターゲットの一面に仮想グリッドを規定することによって露光パターンを供給するように準備されており、前記グリッドは、それぞれのビームレットによって前記ターゲットを露光するまたは露光しない位置、各個ビームレットの無効化または非無効化に依存する露光または非露光を提供する、[20]〜[28]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[30] 前記仮想グリッドは、前記第一の移動方向に配向された第一の軸と、それを横切って配向された第二の軸を備えている、[29]に記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[31] 各群の前記ビームレットは重ならず、それにより前記ビームレットのアレイは、前記グリッド中の個所の投影アレイに対応している、[29]または[30]に記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[32] 前記投影ピッチPproj,Xは、前記ターゲット(11)に投影されるビームレットスポットサイズ(30)以下である、[20]〜[31]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[33] 前記ビームレットパターン発生器は、
荷電粒子ビーム(20)を生成するための少なくとも一つの荷電粒子源(1)と、
生成ビーム(20)から別々のビームレット(22,23)またはサブビーム(25)を規定する開口アレイ(4;4A,4B;4C,4D)と、
ビームレット(23)の複数の群を各群(23)の収束の共通点に向けて収束させるためのビームレットマニピュレーター(5;5A,5B)と、
前記ビームレットの複数の群(23)中の複数のビームレットを制御可能に無効化するためのビームレットブランカー(6,8)を備えている、[20]〜[32]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[34] ビームレット(23)の各群の収束の前記共通点は前記投影レンズ系の一つに対応する点である、[33]に記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[35] 前記ビームレットのアレイは多数の行と多数の列を備え、前記行と列の少なくとも一つは、前記第一の方向と前記第二の方向に対して90°に等しくない角度に配置されている、[20]〜[34]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[36] 前記複数のビームレットは複数のアレイに配列されている、[20]〜[35]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[37] 前記第一の方向は前記第二の方向に実質的に垂直である、[20]〜[36]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。
[38] 前記複数のビームレットは、単一パターンドビームレットを形成し、前記単一パターンドビームレットは、グリッドセル(31;32)が所定の寸法を有するラスターグリッドにしたがってパターン化されている、[20]〜[37]のいずれか一つに記載の荷電粒子マルチビームレットシステム。