(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5743927
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】封筒搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/06 20060101AFI20150611BHJP
B65H 1/14 20060101ALI20150611BHJP
【FI】
B65H3/06 A
B65H1/14 322Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-47164(P2012-47164)
(22)【出願日】2012年3月2日
(65)【公開番号】特開2012-184111(P2012-184111A)
(43)【公開日】2012年9月27日
【審査請求日】2015年2月25日
(31)【優先権主張番号】13/041,719
(32)【優先日】2011年3月7日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ソク・ジェイ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イアン・ジェイ・フランク
【審査官】
西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−035175(JP,A)
【文献】
特開2005−320084(JP,A)
【文献】
特開平07−002379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 − 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体下部と、前記本体下部の反対側に配置された本体上部と、前記本体下部と前記本体上部との間に配置された本体側面とを有し、前記本体上部が封筒スタックを支持する平面を有する、本体と、
少なくとも2つの前記本体側面と接するスライダ側面を含む、スライダとを含み、
前記スライダは、前記本体に関連して移動でき、
前記スライダが前記本体に関連して移動すると、前記スライダ側面は前記本体側面と同じ方向に動き、
前記スライダは、前記スライダ側面の中の対向しあう前記スライダ側面に接続された少なくとも1つのローラを含み、
前記ローラは、前記本体上部に隣接して位置付けられており、
前記ローラは、前記スライダが前記本体に関連して移動すると、前記本体上部の前記平面に対して垂直方向に動き、
前記ローラは、前記封筒スタックが前記本体上部の前記平面に位置するとき、前記封筒スタックに接しており、
前記ローラは、前記本体上部の前記平面の方へ前記垂直方向に、前記封筒スタックに圧力を加え、
前記スライダ側面は、前記本体上部の前記平面に位置付けられた前記封筒スタックと位置合わせし、
前記少なくとも二つの本体側面は、本体側面誘導部を含み、
前記本体側面誘導部は、前記スライダの動きを前記本体側面と同じ方向内の単一経路に限定する、
封筒搬送装置。
【請求項2】
プラットフォーム下部と、前記プラットフォーム下部の反対側に配置されたプラットフォーム上部と、前記プラットフォーム下部と前記プラットフォーム上部との間に配置されたプラットフォーム側面とを備え、前記プラットフォーム上部は、媒体シートを支持する平面を有する、プラットフォームと、
少なくとも2つの前記プラットフォーム側面と接する被覆部側面を含む被覆部とを含み、
前記被覆部は、前記プラットフォームに関連して移動でき、
前記被覆部側面は、前記被覆部が前記プラットフォームに関連して移動すると、前記プラットフォーム側面と同じ方向に動き、
前記被覆部は、前記被覆部側面のうちの対向しあう被覆部側面に接続された少なくとも1つの横材を含み、
前記横材は、前記プラットフォーム上部に隣接して位置付けられており、
前記横材は、前記被覆部が前記プラットフォームに関連して移動すると、前記プラットフォーム上部の前記平面に対して垂直方向に動き、
前記横材は、前記媒体シートが前記プラットフォーム上部の前記平面に位置しているとき、前記媒体シートに接しており、
前記横材は、前記プラットフォーム上部の前記平面の方へ前記垂直方向に、前記媒体シートに圧力を加え、
前記被覆部側面は、前記プラットフォーム上部の前記平面に位置付けられた前記媒体シートに位置合わせし、
前記被覆部側面は、シート出口を提供する形状を有し、前記媒体シートは、前記媒体シートが前記媒体シートの上部から個別に離れるとき、前記シート出口を通過する、
装置。
【請求項3】
プラットフォーム下部と、前記プラットフォーム下部の反対側に配置されたプラットフォーム上部と、前記プラットフォーム下部と前記プラットフォーム上部との間に配置されたプラットフォーム側面とを備え、前記プラットフォーム上部は、媒体シートを支持する平面を有する、プラットフォームと、
少なくとも2つの前記プラットフォーム側面と接する被覆部側面を含む被覆部とを含み、
前記被覆部は、前記プラットフォームに関連して移動でき、
前記被覆部側面は、前記被覆部が前記プラットフォームに関連して移動すると、前記プラットフォーム側面と同じ方向に動き、
前記被覆部は、前記被覆部側面のうちの対向しあう被覆部側面に接続された少なくとも2つのローラを含み、
前記ローラは、互いに平行に位置しており、前記プラットフォーム上部に隣接して位置付けられており、
前記ローラは、前記被覆部が前記プラットフォームに関連して移動すると、前記プラットフォーム上部の前記平面に対して垂直方向に動き、
前記ローラは、前記媒体シートが前記プラットフォーム上部の前記平面に位置しているとき、前記媒体シートの一番上のシートに接しており、
前記一番上のシートは、前記媒体シートのうちの1つを含み、前記プラットフォーム上部の前記平面から最も離れて位置付けられており、
前記ローラは、前記プラットフォーム上部の前記平面の方へ前記垂直方向に、前記媒体シートに圧力を加え、
前記被覆部側面は、前記プラットフォーム上部の前記平面に位置付けられた前記媒体シートに位置合わせする、装置。
【請求項4】
プラットフォーム下部と、前記プラットフォーム下部の反対側に配置されたプラットフォーム上部と、前記プラットフォーム下部と前記プラットフォーム上部との間に配置されたプラットフォーム側面とを備え、前記プラットフォーム上部は、媒体シートを支持する平面を有する、プラットフォームと、
少なくとも2つの前記プラットフォーム側面と接する被覆部側面を含む被覆部とを含み、
前記被覆部は、前記プラットフォームに関連して移動でき、
前記プラットフォーム下部は、印刷機の媒体トレイに接続する接続部を含み、
前記被覆部側面は、前記被覆部が前記プラットフォームに関連して移動すると、前記プラットフォーム側面と同じ方向に動き、
前記被覆部は、前記被覆部側面のうちの対向しあう被覆部側面に接続された少なくとも2つのローラを含み、
前記ローラは、互いに平行に位置しており、前記プラットフォーム上部に隣接して位置付けられており、
前記ローラは、前記被覆部が前記プラットフォームに関連して移動すると、前記プラットフォーム上部の前記平面に対して垂直方向に動き、
前記ローラは、前記媒体シートが前記プラットフォーム上部の前記平面に位置しているとき、前記媒体シートの一番上のシートに接しており、
前記一番上のシートは、前記媒体シートのうちの1つを含み、前記プラットフォーム上部の前記平面から最も離れて位置付けられており、
前記ローラは、前記プラットフォーム上部の前記平面の方へ前記垂直方向に、前記媒体シートに圧力を加え、
前記被覆部側面は、前記プラットフォーム上部の前記平面に位置付けられた前記媒体シートに位置合わせして、前記媒体シートの一番上のシートの向きを、前記プラットフォーム上部の前記平面に対して平行な位置まで変え、
前記被覆部側面は、前記プラットフォーム上部の前記平面に位置付けられた前記媒体シートを位置合わせし、
前記ローラの第1ローラは、前記プラットフォーム上部の第1端部に隣接して位置付けられており、
前記ローラの第2ローラは、前記プラットフォーム上部の中央に隣接して位置付けられており、
前記一番上のシートは、前記プラットフォーム上部の第2端部において、前記印刷機よって前記プラットフォーム上部から移動し、
前記プラットフォーム上部の前記中央は、前記第1端部と前記第2端部との間に定められている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に、封筒といった媒体シートの搬送機器に関し、特に、大きいシートスタックの一番上の封筒または折り畳まれたシートを、横材および/またはローラを用いることによって平らに保持する、トップフィード封筒供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平坦な媒体シートのスタックは、一般的に、印刷機器の用紙トレイ内においてほぼ水平な状態であるが、用紙トレイ内のシートが折り畳まれる(例えば、未完成の書籍、配布資料、または、封筒に折り畳まれる)場合、シートの片側はもう一方の側よりも厚く、これによりスタックが傾く。この傾きは、スタックの高さが高くなると、増加する。このような折り畳まれたシートが、スタックの下部から引き出されるとき、傾きは大した問題にはならないが、このようなシートがスタックの上部から引き出されるとき、この傾きのゆえに、搬送ローラは、折り畳まれたシートと適切に接触できなくなる。
【0003】
例えば、従来のトップフィード印刷機器には、10〜15を超える封筒を一度に操作できないものもある。このことは、大量の封筒を使用する利用者にとって、重大な生産性の問題である。これらの利用者は、より大きな処理能力を有する封筒フィーダから恩恵を受けるであろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、上側の封筒スタック面を負荷ローラによって平らにする、価格が低く、処理能力の高い封筒フィーダキットを提示し、いくつかの実装においてスタックの上部全域で横方向に配置され、折り返し部分において弛みを圧縮し、封筒がローラに対して水平位置をとるようにし、これによって、抜き取りプロセスが著しく効果的になる。フィーダキットは、封筒スタック上に設置され、封筒を搬送するときにスタックの上部との関係を維持するようになっている。
【0005】
本発明の例示的な一封筒搬送装置は、下部と、(下部の反対側に配置された)上部と、(下部と上部との間に配置された)側面とを有する本体を含む。本体上部には、例えば封筒スタックを支持する平面がある。封筒搬送装置はまた、本体側面のうちの少なくとも2つと接する側面を含むスライダを備えている。
【0006】
スライダが本体に関連して移動すると、スライダの側面は本体の側面と同じ方向に移動する。スライダは、対向しあうスライダ側面に接続された少なくとも1つのローラを備えている。ローラは、本体上部に隣接して位置付けられている。ローラは、スライダが本体に関連して移動すると、本体上部の平面に対して垂直方向に移動する。ローラは、封筒スタックが本体上部の平面上にあるとき、封筒スタックと接し、本体上部の平面の方へ垂直方向に、封筒スタックに圧力を加える。スライダ側面は、本体上部の平面に位置付けられる封筒スタックを位置合わせし、ローラは、封筒スタックの上部を本体の平面に対してほぼ平行に保持する。これは、封筒スタックの上部からプリンタの吸い込み搬送ローラへの封筒の搬送を補助するものである。
【0007】
もう1つの例示的な装置は、プラットフォームを含み、プラットフォームを覆っている。プラットフォームには、プラットフォーム下部と、プラットフォーム下部の反対側に配置されたプラットフォーム上部と、プラットフォーム下部とプラットフォーム上部との間に配置されたプラットフォーム側面とがある。プラットフォーム上部には、媒体シートを支持する平面がある。被覆部は、プラットフォーム側面のうちの少なくとも2つに接する被覆部側面を含んでいる。プラットフォーム下部は、印刷機の媒体トレイに接続した接続部を含むことができる。
【0008】
被覆部は、プラットフォームに関連して動くことができる。被覆部がプラットフォームに関連して移動すると、被覆部の側面はプラットフォーム側面と同じ方向に移動する。被覆部は、1つ以上の横材を備え、横材は、対向しあう被覆部側面に接続されたローラを含んでいてもよい。ローラ/横材は、互いに平行であり、プラットフォーム上部に隣接して位置付けられている。ローラのうちの1つは、プラットフォーム上部の平面の第1末端部に隣接して位置付けられており、第2ローラは、プラットフォーム上部の中央に隣接して位置付けられている。媒体の一番上のシートは、第2近接端部において(プラットフォーム上部の中央は、第1端部と第2端部との間に定められ、プラットフォームの第2近接端部は、プリンタの搬送ローラの隣に(搬送ローラに近接して)ある)、印刷機によってプラットフォーム上部から移動する。
【0009】
ローラは、被覆部がプラットフォームに関連して移動すると、プラットフォーム上部の平面に対して垂直方向に移動する。媒体シートがプラットフォーム上部の平面上にあるとき、ローラは、媒体シートの一番上のシートと接し、それを下に押圧する。ローラは、媒体シートのスタックが有している場合がある任意の傾きを低減または排除するために、垂直方向に(プラットフォーム上部の平面の方へ)媒体シートに圧力を加える。この圧力を被覆部の重さなどによって生み出すことができる。あるいは、片寄り接続部(ばね、弾力性のあるベルト、バイアスピストン)を、プラットフォームおよび被覆部に接続できる。片寄り接続部は、ローラをプラットフォーム上部の方へ引き付けることができる。したがって、ローラは、媒体シートの一番上のシートの向きを、プラットフォーム上部の平面に対して平行な位置まで変える。
【0010】
さらに、被覆部の側面は、媒体シートを位置合わせして、媒体のスタックを垂直に保持する。さらに、突出部が、プラットフォーム上部の平面の末端部から伸びることができ、突出部はさらに、プラットフォーム上部の平面に位置付けられた媒体シートを位置合わせして、媒体のスタックシートを垂直に保持する。
【0011】
誘導部を用いて、プラットフォームと被覆部とを位置合わせして保持できる。したがって、プラットフォーム側面は、プラットフォーム側面凹部および/またはプラットフォーム側面突出部(プラットフォーム誘導部)を含むことができる。同様に、被覆部側面は、被覆部側面凹部および/または被覆部側面突出部(被覆部誘導部)を含むことができる。プラットフォーム側面凹部および/またはプラットフォーム側面突出部は、プラットフォームと被覆部側面との間の平行方向の範囲内の単一の経路に被覆部の移動を制限するために、被覆部側面凹部および/または被覆部側面突出部と接する。
【0012】
さらに、被覆部の側面は、プラットフォームの近接端部においてシートの出口を提供するための形状を有している。媒体シートは、シートが印刷機によって媒体シートのスタックの上部から移動するとき、シートの出口を通過する。
【0013】
これらの特徴および他の特徴を以下の詳細な説明において説明し、または、明らかにする。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上述したように、封筒スタックなどの折り畳まれたシートのスタックは、片側に対して、位置ずれした折り返しの厚さが片寄っているゆえに、非常に傾斜するようになる。少ないスタックは、生じる角度がわずかなので容認されるが、このことは、スタックが多くなると悪化する。なぜなら、スタックが多い場合、上部はまったく平らではなく、これにより、シート送りが非常に困難になり、失敗が多くなるからである。例えば、100枚の封筒の通常のスタックの側面同士の高さの差は、41mm(正面は84mm、裏面は43mm)である。この高さの差によって、このような大きい角度が生じ、これは、抜き取りローラにとって十分な表面接触領域がない状態である。
【0016】
図1に示したように、例示的な一実施形態は、本体108と、本体108の側面を取り囲むスライダ104と、スライダ104の側面と遅延パッド110との間に接続された長手方向のローラ106とを含む。
図1はまた、空いている媒体センサ穴部114を示す。センサ(図示せず)は、スタック中の媒体全てが搬送されたときを見通し、したがって、スタックが空であることを示す。
図1はまた、任意の遅延パッド110およびストッパ102を示す。
【0017】
本体108は所定の用途に適した形状をしていてもよいが、
図1に示した例では、直方体のプラットフォーム108として示されている。しかし、当業者によって理解されるように、プラットフォーム108は、曲線的な特性をしていても、あるいは、円形、または、立方体状、または、特定の用途に適した任意の他の形状であってもよい。図示したように、プラットフォーム108には、下部120と、(下部120の反対側に配置された)上部124と、プラットフォーム下部120とプラットフォーム上部124との間に配置された4つの側面122とがある。プラットフォーム上部124には、媒体シート154(
図4参照)を支持する平面がある。
【0018】
さらに、
図1に示したように、スライダ(多くの場合、プラットフォーム108の一部を覆っているので、ここでは「被覆部」104と呼ぶ)の寸法は、被覆部104がプラットフォーム108に適合できる寸法である。被覆部104は、プラットフォーム108に関連して移動できる(被覆部104は、プラットフォーム108に沿って上下に滑るように動く)。被覆部104は、(直接、または、誘導部116を用いて)プラットフォーム側面122のうちの少なくとも2つと接する被覆部側面130を含む。被覆部104の側面130は、被覆部104がプラットフォーム108に関連して移動すると、プラットフォーム側面122と同じ方向に移動する。
【0019】
被覆部104は、対向しあう被覆部側面130間に接続された1つ以上の横材106を備えている。横材106は、(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)といった任意の他のよく知られている摩擦の少ない材料を用いた)摩擦の少ない表面を有するために形成されることができるか、あるいは、ロールの配置に寄与するロール誘導部118に備え付けられた自由回転ロール(ここではローラと呼ぶ場合がある)を含むことができる。
【0020】
図1および
図2に示したように、プラットフォーム108と被覆部104との位置を保つために、様々な誘導部116を用いることができる。したがって、
図2に示したように、プラットフォーム側面122は、プラットフォーム側面凹部144(穴部と呼ばれる場合もある)および/またはプラットフォーム側面突出部146(肋材)を含むことができ、ここではプラットフォーム誘導部と呼ばれる。同様に、被覆部側面130は、被覆部側面凹部116および/または被覆部側面突出部を含むことができる(ここでは被覆部誘導部と呼ばれる)。プラットフォーム誘導部は、プラットフォーム108と被覆部側面130との間の平行な移動方向の範囲内の単一の経路に被覆部104の移動を制限するために、被覆部誘導部と接する。
【0021】
図2の反転透視図および
図3の下部透視図に示したように、プラットフォーム下部120は、印刷機の媒体トレイ150に接続した接続部142を含むことができる。この例では、本体108は、プリンタの持ち上げ基盤150上に本体108を配置するために、3つの備え付けの突起部142を備えている。
【0022】
被覆部130の滑るような移動と同様の移動において、横材ローラ106は、(被覆部104がプラットフォーム108に関連して上下に移動するため)プラットフォーム上部124の平面に対して垂直方向に移動する。横材ローラ106は、媒体シート154がプラットフォーム上部124の平面に位置するとき、媒体シート154の一番上のシートと接し、それを下に押圧する(
図4)。(明確には、「一番上の」シートは、プラットフォーム上部124の平面から最も離れた所に位置する媒体シート154であり、一番下のシートは、媒体シート154のスタックの反対側にあり、プラットフォーム上部124の平面と接している。)横材/ローラ106は、媒体(封筒)を搬送するために係合されている間、封筒スタック154の上面を平坦にし、搬送ローラ164に対するいかなる抗力をも最小化する。
【0023】
図3および
図5に示したように、プラットフォーム108を(位置合わせ突起部142と共に位置合わせされた)持ち上げ基盤150に備え付けることができる。スライダ104を、媒体(例えば、折り畳まれたシート、封筒など)を取り付けるまで持ち上げることができるか、あるいは、媒体154を横材/ローラ106の下に取り付けできる。通常、媒体スタック154を、媒体スタック154がスライダ104の先端部に達するまで、押し進める。次に、スライダ104が封筒スタック154の上面に位置するように、スライダ104を緩めることができる。封筒スタック154の上面がスタック高度センサに達し、小突き部ロール160と接するまで、プラットフォーム108を持ち上げ基盤150によって持ち上げる。
【0024】
図6に示したように、封筒スタック154の上面が小突き部ロール160に達すると、搬送構造162は、スタック154の一番上の封筒を取り出し、封筒を印刷機に搬送し始める。いくつかの封筒を搬送し、スタック高度センサを停止した後、持ち上げ基盤150は、再び取り出し位置に達するまで上昇する。この機械的操作を、封筒スタック154が空になるまで続ける。封筒センサによって封筒が検出されない場合、持ち上げ基盤150はプラットフォーム108を下げ、封筒の次のジョブを読み込めるようにする。
【0025】
図5に示したように、本発明の複数の実施形態はまた、他のレール誘導部158を含むことができる。誘導部は、一番上のスタック面がPFP搬送構造に達するまで、プラットフォーム108が持ち上げ基盤150のレール156の方へ進むようにする。このような誘導部156、158は、スタック154の上端が搬送構造162に達するまで、プラットフォーム120が用紙送りシステムのレールの方へ進むようにする。
【0026】
上述したように、封筒スタックは、スライダ104のロール106の重みを受けてより平坦になる。なぜなら、媒体シート154のスタックが有している場合がある傾きを低減または排除するために、ローラが垂直方向に(プラットフォーム上部124の平面の方へ)媒体シート154に圧力を加えるからである。この圧力を被覆部104の重さによって生み出すことができる。あるいは、片寄り接続部172(ばね、弾力性のあるベルト、バイアスピストンなど)が付属突出部170を介してプラットフォーム108および被覆部104に接続できる。これにより、横材/ローラ106をさらに下方に片寄らせることができる(
図7)。片寄り接続部172は、ローラを、重力のみよりもよりプラットフォーム上部124の方へ引き付けることができる。したがって、ローラは、媒体シート154の一番上のシートの向きを、プラットフォーム上部124の平面に対して平行な位置まで変える。
【0027】
さらに、被覆部104の側面は、媒体シート154を位置合わせすることによって、媒体のスタックを垂直に保持する。さらに、ストッパ突出部102は、プラットフォーム上部124の平面の末端部から伸びることができる。ストッパ突出部102はさらに、プラットフォーム上部124の平面に位置付けられた媒体シート154を位置合わせすることによって、媒体シートのスタックを垂直に保持する。ストッパ102が本体108の裏、表に配置されているので、ストッパ102は、スライダ104の正面側に対して媒体(例えば、積み重なった封筒)を押し上げ、これによって、封筒の先端部をスライダ104の先端面と位置合わせできる。
【0028】
図1に示した例では、ローラのうちの1つが、プラットフォーム上部124の平面の第1末端部126に隣接して位置付けられており、第2ローラは、プラットフォーム上部124の中央に隣接して位置付けられている(矢印124は、プラットフォーム上部のほぼ中央を表す)。プラットフォーム上部124の近接端部を参照符号128によって識別する。なぜなら、近接端部は、末端部126よりも、印刷機の搬送ローラに対してより近く定められているからである。より具体的には、
図6は、小突き部ロール160と、搬送ロール164と、遅延ロール166とを含む、いくつかの一般的な取り出しローラ162を示す。
【0029】
媒体の一番上のシート154は、第2近接端部128において(ここでも、プラットフォーム上部124の中央は、第1端部126と第2端部128との間に定められており、プラットフォーム108の第2近接端部128は、プリンタの搬送ローラ162の隣に(に近接して)位置している)、印刷機によってプラットフォーム上部124から移動する。
【0030】
図1に示した例では、2つのローラ/横材106があり、それらは、互いに平行であり、プラットフォーム上部124に隣接して位置付けられている。中央ロールは、スタックの中央を平坦にし、後部ロールもまた、封筒スタックの後端部を下に押圧する。しかし、当業者によって理解されるように、単一のローラ/横材106があってもよいし、あるいは、
図7に示したように、はるかに多くのローラ/横材106があってもよい。さらに、
図8に示したように、本発明の複数の実施形態はまた、ローラ軸受けなどの摩擦の少ない表面または他の機器を備えた長手方向の部材108を含むことができる。限られた数のこのような構成を図示し、本明細書において説明するが、当業者は、多くの他の構成が可能であり、このような構造全てが特許請求の範囲に記載した構造に含まれることを意図としていることを、理解されたい。
【0031】
図9は、本発明の複数の実施形態によって用いられ、例えば、プリンタ、複写機、多機能装置などを含むことができる、コンピュータ制御された印刷機器200を示す。
図9のシート供給部202は、上述した
図1〜
図8に示した部品を含んでいる。印刷機器200は、制御機器/プロセッサ224と、プロセッサ224に効果的に接続された少なくとも1つのマーキング機器(印刷エンジン)210、212、214と、シート供給部202からマーキング機器210、212、214に媒体シートを供給するために位置付けられた媒体経路216と、プロセッサ224、および、印刷機器の外部コンピュータ制御されたネットワーク、に効果的に接続された通信ポート(入力/出力)226とを含む。印刷エンジンから様々なマーキングを受信した後、媒体シートは、適宜、印刷された様々なシートを折り畳む、綴じる、分類するなどできる仕上げ器208に移動できる。
【0032】
さらに、印刷機器200は、少なくとも1つの付属の機能部品(例えば、スキャナ/文書ハンドラ204、シート供給部202、仕上げ器208など)、および、外部電源228から(電源222を介して)供給された電力で動作するグラフィック・ユーザ・インターフェース・アセンブリ206を含むことができる。
【0033】
入力/出力機器226は、多機能印刷機器200への、および、多機能印刷機器200からの通信に用いられる。プロセッサ224は、印刷機器の様々なアクションを制御する。(光学的な、磁気の、コンデンサに基づいた、などであってもよい)非一時的なコンピュータ記憶媒体機器220は、プロセッサ224によって読取り可能であり、プロセッサ224が実行する命令を記憶して、多機能印刷機器が本明細書において説明したようなその様々な機能を実施できる。
【0034】
したがって、プリンタ本体のハウジング200は、電源222によって交流(AC)228から供給された電力で動作する、1つ以上の機能部品を備えている。電源222は、外部交流電源228に接続し、外部電力を、様々な部品に必要なタイプの電力に変換する。
【0035】
当業者によって理解されるように、
図9に示した印刷機器200は、一例にすぎず、本発明の複数の実施形態は、同様に、より少ない部品またはより多い部品を含む他のタイプの印刷機器にも適用可能である。例えば、限られた数の印刷エンジンおよび用紙搬送路を
図9に示しているが、当業者は、はるかに多くの用紙搬送路および他の印刷エンジンを、本発明の複数の実施形態によって用いられる任意の印刷機器内に含むことができるということを、理解するだろう。