(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ピン(207)の集合の中心から前記基板(209)の中心までの距離に対する前記ピン(207)の集合の中心から前記締結部材(235A)までの距離の比が1.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【背景技術】
【0002】
近年のエレクトロニクスの発展に伴い、メモリや集積回路といった半導体の需要が急激に増大している。
これらの半導体は、極めて純度の高い半導体基板に不純物をドープして電気的性質を与えたり、エッチングにより半導体基板上に微細な回路を形成したりなどして製造される。
【0003】
そして、これらの作業は空気中の塵等による影響を避けるため高真空状態のチャンバ内で行われる必要がある。このチャンバの排気には、一般に真空ポンプが用いられているが、特に残留ガスが少なく、保守が容易等の点から真空ポンプの中の一つであるターボ分子ポンプが多用されている。
【0004】
また、半導体の製造工程では、さまざまなプロセスガスを半導体の基板に作用させる工程が数多くあり、ターボ分子ポンプはチャンバ内を真空にするのみならず、これらのプロセスガスをチャンバ内から排気するのにも使用される。
【0005】
このターボ分子ポンプは、ポンプ本体とそのポンプ本体を制御する制御装置とからなる。このポンプ本体と制御装置の接続コネクタプラグのピン数を減らし、基板配線を簡略化する方法として、特許文献1のようなモータ及び磁気軸受の制御基板を真空側に配置する方法が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の場合、電子素子搭載の基板とコネクタとの間はケーブルで結ばれている。そこで、このケーブルを省略して基板とコネクタとを直接ハンダで接続することで配線構造を一層簡素化することが望まれる。
【0008】
しかしながら、このように基板とコネクタとを直接ハンダで接続した場合、ポンプ本体の中は真空なので熱伝導による放熱がされ難く、加温され易い状況にある。このため、加温に伴うコネクタピンの線膨張が大きく、ハンダ付けされた部分にクラックが発生し易くなる恐れがある。
また、かかるコネクタピンの線膨張により基板上に搭載された電子素子が損傷されることのないように対策を施す必要がある。
【0009】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、熱によるコネクタピンの膨張の影響を低減させることで、ハンダ付け部分のクラックを防止し、かつ、電子素子の損傷を防止した真空ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため本発明(請求項1)は、電子素子の搭載された基板と、該基板に対しハンダ付けされ、該基板の中心から外れた一端側に配設された複数本のピンと、該ピンを有するプレートと、前記基板を前記プレートと締結する締結部材とを備え、該締結部材が前記基板の中心から外れた他端側縁部付近に配設されたことを特徴とする。
【0011】
ピンは端子の胴部を介してプレートに挿入されることでこのプレートに保持されるようにしてもよいが、ピンをプレートに対し直接貫通固定することでプレートに保持されるようにしてもよい。ピンをプレートに対し直接貫通固定する場合には、ピンがプレートと接する部分はプレートの材質如何によっては絶縁の施されることが望ましい。
ピンを基板の中心から外れた一端側に配設する。ピンは複数本で一つの集合体に構成されコネクタとして機能する。ネジ等の締結部材を基板の中心から外れた前記一端に対する基板の中心をまたいだ他端側の縁部付近に配設する。
【0012】
このように、締結部材を他端側にのみ配設し、基板の一端側は締結部材で締結することなく開放したことで、熱に伴うピンの膨張があった場合でも基板のたわみ角を小さく抑えることができ、ハンダ接続部分にかかる応力を低減できる。このため、ハンダ接続部分がクラックする恐れは極めて小さくなる。基板の変形圧力が小さくなった分、電子素子に与える影響も小さくできる。
【0013】
また、本発明(請求項2)は、前記ピンの集合の中心から前記基板の中心までの距離に対する前記ピンの集合の中心から前記締結部材までの距離の比が1.5以上であることを特徴とする。
このことにより、請求項1と同様の効果を得ることが出来る。
【0014】
更に、本発明(請求項3)は、電子素子の搭載された基板と、該基板に対しハンダ付けされ、該基板の中心から外れた一端側に配設された複数本のピンと、該ピンを有するプレートと、前記基板を前記プレートと締結する締結部材と、前記電子素子を前記基板上にモールドするモールド材とを備え、該モールド材の硬度がショアD硬度50未満であることを特徴とする。
【0015】
電子素子は基板上に樹脂等のモールド材によりモールドされている。基板がたわむとき、モールド材の硬度が高いと基板変形による影響を受けてモールドも変形する。このとき、電子素子の取り付け部等にモールドの圧力がかかる。モールド材の硬度が高い場合には電子素子の反力は変形圧力に抗することができず、電子素子は破壊される恐れがある。
【0016】
そこで、モールド材の硬度をショアD硬度50未満に低く選定する。このことにより、モールド材は基板の変形に対して柔軟に追従し電子素子にかかる負荷が軽減されるため、電子素子の反力はモールド材の変形圧力に抗することができる。従って、電子素子は破壊され難くできる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、締結部材が基板の中心から外れた他端側縁部付近に配設されるように構成したので、熱に伴うピンの膨張があった場合でも基板のたわみ角を小さく抑えることができ、ハンダ接続部分にかかる応力を低減できる。このため、ハンダ接続部分がクラックする恐れは極めて小さくなる。基板の変形圧力が小さくなった分、電子素子に与える影響も小さくできる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態の構成図を
図1に示す。
図1において、ターボ分子ポンプ10は、ポンプ本体100と制御ユニット200とが一枚のアルミ製のプレート201を挟んで一体化されている。
このプレート201は、ポンプ本体100の底面と制御ユニット200の上面とを兼ねている。但し、プレート201は2枚で構成等されることも可能である。
【0020】
ポンプ本体100の円筒状の外筒127の上端には吸気口101が形成されている。外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードによる複数の回転翼102a、102b、102c・・・を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103を備える。
【0021】
この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば、いわゆる5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。
【0022】
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石が、ロータ軸113の径方向の座標軸であって互いに直交するX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104に近接かつ対応されて4個の電磁石からなる上側径方向センサ107が備えられている。この上側径方向センサ107は回転体103の径方向変位を検出し、後述する制御装置300に送るように構成されている。
【0023】
制御装置300においては、上側径方向センサ107が検出した変位信号に基づき、PID調節機能を有する補償回路を介して上側径方向電磁石104の励磁を制御し、ロータ軸113の上側の径方向位置を調整する。
【0024】
ロータ軸113は、高透磁率材(鉄など)などにより形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。
【0025】
また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置を上側の径方向位置と同様に調整している。
【0026】
更に、軸方向電磁石106A、106Bが、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄などの高透磁率材で構成されている。ロータ軸113の軸方向変位を検出するために軸方向センサ109が備えられ、その軸方向変位信号が制御装置300に送られるように構成されている。
【0027】
そして、軸方向電磁石106A、106Bは、この軸方向変位信号に基づき制御装置300のPID調節機能を有する補償回路を介して励磁制御されるようになっている。軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bは、磁力により金属ディスク111をそれぞれ上方と下方とに吸引する。
【0028】
このように、制御装置300は、この軸方向電磁石106A、106Bが金属ディスク111に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ軸113を軸方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持するようになっている。
【0029】
モータ121は、ロータ軸113を取り囲むように周状に配置された複数の磁極を備えている。各磁極は、ロータ軸113との間に作用する電磁力を介してロータ軸113を回転駆動するように、制御装置300によって制御されている。
【0030】
回転翼102a、102b、102c・・・とわずかの空隙を隔てて複数枚の固定翼123a、123b、123c・・・が配設されている。回転翼102a、102b、102c・・・は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。
【0031】
また、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。
そして、固定翼123の一端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125a、125b、125c・・・の間に嵌挿された状態で支持されている。
【0032】
固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。
【0033】
固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設され、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間にはネジ付きスペーサ131が配設されている。そして、ベース部129中のネジ付きスペーサ131の下部には排気口133が形成され、外部に連通されている。
【0034】
ネジ付きスペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金などの金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。
ネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向である。
【0035】
回転体103の回転翼102a、102b、102c・・・に続く最下部には回転翼102dが垂下されている。この回転翼102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付きスペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付きスペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。
【0036】
ベース部129は、ターボ分子ポンプ10の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属によって構成されている。
【0037】
ベース部129はターボ分子ポンプ10を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅などの剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
【0038】
かかる構成において、回転翼102がモータ121により駆動されてロータ軸113と共に回転すると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じてチャンバからの排気ガスが吸気される。
【0039】
吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。このとき、排気ガスが回転翼102に接触又は衝突する際に生ずる摩擦熱や、モータ121で発生した熱の伝導や輻射などにより、回転翼102の温度は上昇するが、この熱は、輻射又は排気ガスの気体分子等による伝導により固定翼123側に伝達される。
【0040】
固定翼スペーサ125は、外周部で互いに接合しており、固定翼123が回転翼102から受け取った熱や排気ガスが固定翼123に接触又は衝突する際に生ずる摩擦熱などを外筒127やネジ付きスペーサ131へと伝達する。
ネジ付きスペーサ131に移送されてきた排気ガスは、ネジ溝131aに案内されつつ排気口133へと送られる。
【0041】
また、吸気口101から吸引されたガスがモータ121、下側径方向電磁石105、下側径方向センサ108、上側径方向電磁石104、上側径方向センサ107などで構成される電装部側に侵入することのないよう、電装部は周囲をステータコラム122で覆われ、この電装部内はパージガスにて所定圧に保たれている。
【0042】
次に制御装置300の構成について説明する。制御装置300を構成する電子素子は、プレート201とベース129の間に形成されたポンプ本体100側の底部空間301と制御ユニット200とに分離して格納されている。底部空間301内は真空雰囲気であり、制御ユニット200内は大気雰囲気である。
【0043】
そして、このプレート201の一部には穴が配設されており、この穴には
図2に示すような端子210の胴部205が貫通固定されている。端子210は、略四角形の板状底面部203の上面に円柱状の胴部205が突設されており、この略四角形の板状底面部203及び胴部205を貫通して多数のピン207が取り付けられている。
なお、上述したようにピン207は端子210の胴部205を介してプレート201に挿入されることでこのプレート201に保持されるようにしてもよいが、ピン207をプレート201に対し直接貫通固定することでプレート201に保持されるようにしてもよい。この場合、ピン207がプレート201と接する部分はプレート201の材質如何によっては絶縁の施されることが望ましい。
【0044】
ピン207の上部はプレート201より上側に露出され、AMB制御基板209の小穴212を貫通している。AMB制御基板209に対してピン207の上部はAMB制御基板209の小穴212部分で
図3に示すようにハンダ付けされている。このため、従来のように基板とピンとの間にケーブルは不要である。AMB制御基板209上には磁気軸受を制御する電子素子が搭載されている。
【0045】
そして、このハンダ付けされた箇所を介してピン207とAMB制御基板209上の各電子素子とは電気的に接続されている。
【0046】
一方、ピン207の下部はプレート201より下側に露出され、大気側接続基板211の小穴212を貫通している。大気側接続基板211に対してピン207の下部は大気側接続基板211の小穴212部分で
図3に示すようにハンダ付けされている。大気側接続基板211上には主にモータ121を制御する電子素子が搭載されている。そして、このハンダ付けされた箇所を介してピン207と大気側接続基板211上の各電子素子とは電気的に接続されている。
【0047】
また、大気側接続基板211上のピン207の近くには電解コンデンサ213が素子をプレート201側に向けて配設されている。大気側接続基板211とプレート201の間にはヒートシンク215が配設されている。この結果、AMB制御基板209、プレート201及び大気側接続基板211は一体化された一つの構造体とされている。
【0048】
そして、更に、一部の磁気軸受制御用以外及びモータ制御用以外の電子素子は底部制御基板217、219に搭載されている。但し、用途によって厳格に基板を配置するのではなく、電解コンデンサ213を除く各電子素子を適宜真空中のAMB制御基板209上に搭載する等してもよい。
【0049】
プレート201とベース129の間には底部空間301回りにOリング221が埋め込まれ、プレート201と制御ユニット200の筐体を形成する壁225の間にはOリング223が埋め込まれて防滴仕様構造となっている。
【0050】
また、水冷管をベース部129におけるプレート201の近くに配設(
図1中の水冷管149)することで、ベース部129を介してこのプレート201を冷却できる。
【0051】
次に、制御装置300の作用を説明する。
ポンプ本体100側のケーシングの開口を塞ぐようにプレート201を配設し、このプレート201が制御ユニット200側のケーシングをも兼ねる基板ユニット構造とした。プレート201に貫通固定された端子210のピン207に対しAMB制御基板209と大気側接続基板211とを直接ハンダ付けして一体化している。従って、プレート201はポンプ本体100と制御ユニット200との間に一枚の配設で済む。
【0052】
また、ポンプ本体100と制御ユニット200とは一体化したので、従来のようにそれぞれ独立したケーシングとシール構造とするのとは違い、ケーシング部分及びシール構造を簡素に構成できる。
【0053】
そして、水冷管149によるプレート201の冷却を通して、真空側のAMB制御基板209と大気側の大気側接続基板211上にそれぞれ搭載された電子素子を一度に冷却できる。従って、冷却構造を簡素化できる。
【0054】
更に、AMB制御基板209を真空側である底部空間301に配置し、真空中に置くことが難しい電子素子を大気側接続基板211上に設けた。AMB制御基板209、プレート201及び大気側接続基板211はピン207を介して一体化された一つの構造体とされているため、改めて基板同士の間で配線作業を行う必要はない。
【0055】
そして、磁気軸受を制御する電子素子は、真空側である底部空間301に配設したため、電磁石とセンサの配線を外部に出す必要がなくなり、AMB制御基板209と大気側接続基板211間に渡る配線やピン207の本数を極力少なくできる。
【0056】
図4にAMB制御基板209、プレート201及び大気側接続基板211周辺の図を示す。プレート201の上部のピン207集合回りには、AMB制御基板209の形状に合わせて凹部233が形成されている。AMB制御基板209はプレート201に対し締結部材に相当するネジ235A、235B、235Cで複数箇所が止められている。
【0057】
ネジ235A、235B、235Cは、
図4中ピン207の左側にのみ配設されている。そして、ネジ235AはAMB制御基板209の左端縁部付近に、また、ネジ235CはAMB制御基板209のほぼ中央に配置されている。
【0058】
しかしながら、この
図4の構造においては底部空間301内の加温によりピン207は線膨張しネジ235Cを支点に角度θ1だけ急激にたわむ恐れがある。底部空間301内は真空のため、特に加温が進み易い環境にある。このときのピン207集合の中心とネジ235C間の距離をL1とする。
【0059】
ここに、
図5に示すように、ネジ235Aのみを残し、ネジ235B、235Cは省略することでAMB制御基板209のたわみ角を軽減する。ネジ235Aより右方にはネジを有さないことでAMB制御基板209を右側に向けて開放している。
【0060】
このとき、ネジ235Aを支点に角度θ2だけたわむが、このたわみ角は緩やかなのでハンダ接続部分がクラックする恐れは極めて小さくなる。このときのピン207集合の中心とネジ235A間の距離をL2とする。底部空間301内の加温に伴うピン207の線膨張は
図4の場合と
図5の場合と同じである。従って、数1の関係が成立する。
【0062】
ここで、たわみ軽減度αをθ1/θ2で定義する。角度θは微小とするとたわみ軽減度αは数2のようになる。
【0064】
そして、このたわみ軽減度αは、1.5以上であればたわみ軽減の効果は期待できる。より望ましくは1.7以上、更に望ましくは2以上である。
【0065】
また、凹部253は、凹部233よりも広い面積となるよう、凹部233の左縁部よりも左方に拡大している。
凹部253を広範囲に形成したことで、AMB制御基板209がプレート201に対して何らかの堆積物等により付着し、AMB制御基板209がたわみ難くなる等ということはなくなる。
【0066】
次にAMB制御基板209上に搭載された電子素子について上述したたわみの影響を考察する。
電子素子241は、
図6に示すようにAMB制御基板209上に樹脂等のモールド材243によりモールドされている。上述したように、AMB制御基板209がたわむとき、モールド材243の硬度が高い(例えば商品名 Araldite 2012 HUNTSMAN社を用いた場合)と基板変形による影響を受けてモールドも大きく変形する。このとき、電子素子241の取り付け足部等は図中太矢印で示すようにモールドの変形圧力が大きくかかる。モールド材243の硬度が高い場合には電子素子241の反力は変形圧力に抗することができず、電子素子241は破壊される恐れがある。
【0067】
そこで、
図7に示すように、モールド材245の硬度を低く(例えば商品名 DELO DUOPOX CR804 ショアD硬度43)選定する。モールド材245の硬度はショアD硬度50未満が望ましい。
この場合、電子素子241にかかる負荷が図中太矢印で示すように軽減されるため、電子素子241の反力はモールド材245の変形圧力に抗することができる。従って、電子素子241は破壊され難くできる。