(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744174
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】ポリアミドをベースとするポリマー粉末、成形法での使用および該粉末から製造された成形体
(51)【国際特許分類】
C08J 3/14 20060101AFI20150611BHJP
C08L 77/02 20060101ALI20150611BHJP
C08L 77/06 20060101ALI20150611BHJP
C08J 5/00 20060101ALI20150611BHJP
B29C 67/00 20060101ALI20150611BHJP
【FI】
C08J3/14CFG
C08L77/02
C08L77/06
C08J5/00
B29C67/00
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-503091(P2013-503091)
(86)(22)【出願日】2011年4月6日
(65)【公表番号】特表2013-527269(P2013-527269A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】EP2011055316
(87)【国際公開番号】WO2011124588
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2014年2月19日
(31)【優先権主張番号】102010062347.4
(32)【優先日】2010年12月2日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102010014443.6
(32)【優先日】2010年4月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501073862
【氏名又は名称】エボニック デグサ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】フランツ−エーリッヒ バウマン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ディークマン
(72)【発明者】
【氏名】ベアトリス キューティング
(72)【発明者】
【氏名】ハイケ シュテマー
(72)【発明者】
【氏名】マイク グレーベ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアーネ ヴァーンケ
(72)【発明者】
【氏名】ズィルヴィア モンスハイマー
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ヘーガー
【審査官】
柳本 航佑
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−226952(JP,A)
【文献】
特表2010−537025(JP,A)
【文献】
特表2007−534818(JP,A)
【文献】
米国特許第08066933(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/00− 3/28
B29C 67/00− 67/24
C08J 5/00− 5/24
C08L 1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有するラクタムを重合させることによって、またはモノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有する相応するω−アミノカルボン酸を重縮合させることによって製造された、ABタイプの少なくとも1つのポリアミドおよび
モノマー単位中にそれぞれ10〜14個の炭素原子を有するジアミンおよびジカルボン酸を重縮合させることによって製造された、AABBタイプの少なくとも1つのポリアミドを含有する、選択的にそれぞれの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入によって溶融する、積層法で作業する方法に使用するためのポリマー粉末であって、
この場合ABタイプのポリアミドは、AABBコモノマー単位を20モル%まで含有することができ、およびAABBタイプのポリアミドは、ABモノマー単位を20モル%まで含有することができ、
前記粉末は、ABタイプの少なくとも1つのポリアミドおよびAABBタイプの少なくとも1つのポリアミドを一緒に沈殿させることによって得られる、上記ポリマー粉末。
【請求項2】
前記粉末は、少なくともポリアミド11またはポリアミド12およびPA 1010、PA 1012、PA 1212またはPA 1013をベースとする少なくとも1つのホモポリアミドを含有する、請求項1記載のポリマー粉末。
【請求項3】
ABタイプのポリアミドは、AABBコモノマー単位を10モル%まで含有することができ、およびAABBタイプのポリアミドは、ABモノマー単位を10モル%まで含有することができる、請求項1記載のポリマー粉末。
【請求項4】
前記粉末は、ABタイプのポリアミドおよびAABBタイプのポリアミドを質量比98:2〜2:98で含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のポリマー粉末。
【請求項5】
前記粉末は、ISO 307によりm−クレゾール中の0.5質量%の溶液中で測定された相対溶液粘度1.4〜2.1を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のポリマー粉末。
【請求項6】
前記粉末は、平均粒度10〜250μmを有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載のポリマー粉末。
【請求項7】
前記粉末は、流動助剤および金属石鹸から選択された助剤、および/またはガラス粒子、金属粒子および有機顔料および/または無機顔料から選択された充填剤を含有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載のポリマー粉末。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載のポリマー粉末の製造法であって、それぞれのポリアミド成分は、1〜3個の炭素原子を有するアルコール中で一緒に加熱することにより溶液にされ、温度は、1つ以上の工程で混合ポリアミドが沈殿する温度に低下され、この混合ポリアミドは、溶剤と分離されおよび/または乾燥され、および場合により助剤または充填剤は、粉末中に混入される、請求項1から7までのいずれか1項に記載のポリマー粉末の製造法。
【請求項9】
ポリアミド成分は、130℃〜180℃の温度で自然発生的圧力下で溶液にされ、引続き温度は、1つ以上の工程で90℃〜128℃に低下される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
溶解後に温度は、10分間ないし3時間、110℃〜128℃に維持され、引続き温度は、1つ以上のさらなる工程で90℃〜118℃に低下される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
選択的にそれぞれのポリマー粉末層の領域を電磁エネルギーの導入によって溶融する、積層法で作業する方法によって成形体を製造する方法であって、請求項1から7までのいずれか1項に記載のポリマー粉末が使用される、積層法で作業する方法によって成形体を製造する上記方法。
【請求項12】
選択性は、サセプタ、抑制剤、吸収剤の塗布によって、マスク処理によって、またはレーザービームの焦点調節によって達成される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項1から7までのいずれか1項に記載のポリマー粉末から、直接造形法によって得られた成形体。
【請求項14】
成形体は、選択的にそれぞれの粉末層の領域が電磁エネルギーの導入により溶融される、積層法で作業する方法によって製造され、および選択性は、サセプタ、抑制剤、吸収剤の塗布、またはマスク処理、またはレーザービームの焦点調節によって達成される、請求項13記載の成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プロトタイプ(Prototype)の遅滞のない供給が、最近ではしばしば課せられる課題である。特に適するのは、粉末状の原材料をベースとして作業する方法であり、この方法では、積層法で選択的な溶融および硬化により所望の構造体が製造される。オーバーハングおよびアンダーカットでの支持構造は、その際断念されてよく、それというのも、この溶融領域を取り囲む粉末床は、十分な支持作用を提供するからである。同様に、支持体を取り除くという後作業は、取り止めになる。前記方法は、小規模生産(Kleinserien)の製造にも適する。この最後の小規模生産の製造の場合には、燒結部材の機械的性質は射出成形部材の機械的性質にできるだけ近くあるべきであるという新規の要件がますます課され、殊に、公知技術水準による粉末から成る燒結部材の靭性は、未だ満足のいくものではない。また、熱変形安定性については、常に比較的高度な要件が課される。ドイツ連邦共和国特許第102004020453号明細書の記載によれば、入手できる、ABBBポリアミドをベースとする粉末は、比較的高度な熱変形安定性の成形部材の製造を可能にするが、しかし、該成形部材の靭性は、未だ完全には満足のいくものではない。
【0002】
本発明は、ジアミンをジカルボン酸と重縮合することによって製造された、AABB型のポリアミドと、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸をベースとして製造された、AB型のポリアミドとをベースとする共沈されたポリマー粉末、成形法における前記粉末の使用、ならびに前記粉末を使用して選択的に粉末層の領域を電磁エネルギーの導入によって溶融する、積層法で作業する方法によって製造された成形体に関する。予め層毎に溶融させた領域の冷却および硬化の後に、前記成形体は、前記粉末床から取り出されてよい。
【0003】
この場合、積層法で作業する方法の選択は、例えばサセプタ、抑制剤、マスクを介して、または例えばレーザービームによる焦点調節されたエネルギー導入を介して、またはガラス繊維を介して行なうことができる。前記エネルギー導入は、電磁線を介して達成される。
【0004】
次に、本発明による粉末から本発明による成形部材を製造することができる若干の方法が記載されるが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0005】
ラピッドプロトタイピングの目的に特に好適である方法は、選択的レーザー焼結である。この方法では、プラスチック粉末がチャンバ内で選択的に短時間、レーザー線で照射され、それによって、レーザー線により衝突される粉末粒子が溶融する。この溶融した粒子は、互いに合体し合って、かつ迅速に凝固して、再び固体材料を形成する。常に新しく設けられた層に繰り返し照射することにより、この方法を用いると、三次元の物体を簡単かつ迅速に製造することができる。
【0006】
粉末状のポリマーから成形体を製出するためのレーザー焼結(ラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping))の方法は、米国特許第6136948号明細書およびWO 96/06881(両者共にDTM Corporation)に詳細に記載されている。複数のポリマーおよびコポリマー、例えばポリアセテート、ポリプロピレン、ポリエチレン、イオノマーおよびポリアミドは、この適用のために特許保護が請求されている。
【0007】
別の好適な方法は、例えばWO 01/38061に記載されたSIV方法、または欧州特許第1015214号明細書に記載された方法である。両者の方法は、粉末の溶融のために平面式赤外線加熱を用いて作業する。溶融の選択性は、第一の方法の場合に抑制剤の施与により達成され、第二の方法の場合にはマスクにより達成される。もう1つの方法は、ドイツ連邦共和国特許第10356193号明細書中に記載されている。この方法の場合、溶融のために必要なエネルギーは、マイクロ波発生器により導入され、および選択性は、サセプタの施与により達成される。
【0008】
前記のラピッドプロトタイピング方法またはラピッドマニュファクチャリング方法(RP方法またはRM方法)のためには、粉末状の基材、特にポリマー、特にポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−(N−メチルメタクリルイミド)(PMMI)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、イオノマー、ポリアミド、またはこれらの混合物から選択されたポリマーが使用されてよい。
【0009】
WO 96/30195には、レーザー焼結に適したポリマー粉末が記載され、前記ポリマー粉末は、10〜20℃/分の走査速度での示差走査熱量測定による溶融挙動の測定の際に、溶融ピークおよび再結晶ピークの重なりを示さず、同様にDSCにより測定された結晶化度(Kristallinitaetsgrad)10〜90%を有し、数平均分子量Mn30000〜500000を有し、およびこの商M
w/M
nは、1〜5の範囲内にある。
【0010】
ドイツ連邦共和国特許第19747309号明細書には、高められた溶融ピークおよび高められた溶融エンタルピーを有するポリアミド−12−粉末の使用が記載され、前記粉末は、前もってのラウリンラクタムの開環および引続く重縮合により製造されるポリアミドの再沈殿(Umfaellung)により得られる。これは、ABタイプのポリアミドである。しかし、その中から燒結法によって形成された成形部材の熱成形安定性は、PA12−射出成形部材の熱成形安定性を本質的に凌駕しない。ドイツ連邦共和国特許第102004020453号明細書の記載により得られた、ABBBポリアミドをベースとする粉末は、比較的高い熱成形安定性の成形部材の製造を可能にし、ABポリアミドからなる沈殿粉末をベースとする、別に製造された粉末との混合物での前記粉末の使用は、一般に問題に突き当たる。それというのも、前記粉末の異なる溶融温度は、燒結部材の不均一な組織をまねき、したがってこの燒結部材の靭性は、必ずしも満足なものではないからである。
【0011】
従って、本発明の課題は、高められた熱成形安定性を有するできるだけ強靱な成形体の製造を可能にし、この成形体を積層法で作業する全ての加工方法に使用することができる、ポリマー粉末を提供することであった。
【0012】
ところで、意外なことに、前記問題を回避し、かつ公知技術水準、例えばドイツ連邦共和国特許第19747309号明細書またはドイツ連邦共和国特許第102004020453号明細書によるポリマー粉末と同様の機械的特性値を有するポリマー粉末を、沈殿結晶化による適当に選択されたポリアミドの共沈によって製造しうることが見い出された。モノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有するABポリアミドと、それぞれのモノマー単位中にそれぞれ10〜14個の炭素原子を有するジアミンおよびジカルボン酸をベースとするAABBポリアミドとの共沈により、単一の溶融粉末を製造することに成功し、この場合この溶融粉末は、高められた熱成形安定性を有する衝撃靭性の成形体に加工されうる。
【0013】
その上、共沈によって製造された粉末は、公知技術水準の粉末と比較して比較的良好な流動能または施与可能性を有する。これによって、必要量の流動助剤を減少させることができるか、またはこの流動助剤を全く不要とすることができる。これは、殊にレーザー燒結の場合には、加工のために好ましい。いわゆる「カール」への傾向は、あまり顕著ではない。
【0014】
PA11とPA1010、PA11とPA1012、PA12とPA1012、PA12とPA1212およびPA12とPA1013の共沈は、特に好適である。
【0015】
従って、本発明の対象は、
モノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有するラクタムを重合させることによって、またはモノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有する相応するω−アミノカルボン酸を重縮合させることによって製造された、ABタイプの少なくとも1つのポリアミドおよびモノマー単位中にそれぞれ10〜14個の炭素原子を有するジアミンおよびジカルボン酸を重縮合させることによって製造された、AABBタイプの少なくとも1つのポリアミドを含有する、選択的にそれぞれの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入によって溶融する、積層法で作業する方法に使用するためのポリマー粉末であり、この場合ABタイプのポリアミドは、AABBコモノマー単位を20モル%まで含有することができ、およびAABBタイプのポリアミドは、ABモノマー単位を20モル%まで含有することができる。
【0016】
好ましくは、ABポリアミドとしてPA11またはPA12が使用され、好ましいAABBポリアミドとしてPA1010、PA1012、PA1212およびPA1013のグループからの1つが使用される。特に有利には、PA11とPA1010との共沈、PA11とPA1012との共沈、PA12とPA1012との共沈、PA12とPA1212との共沈、およびPA12とPA1013との共沈が行なわれる。この場合、AABBポリアミドの割合は、2〜98質量%、有利に10〜90質量%、特に有利に30〜70質量%である。この場合、本発明による共沈されたポリマー粉末は、少なくとも175℃のDSCにより算出された溶融温度、有利に少なくとも180℃の溶融温度ならびに特に有利に少なくとも185℃の溶融温度を有する。
【0017】
更に、共沈のためには、モル当量のジアミンとジカルボン酸20モル%までがラクタムまたは10〜12個のC原子を有するω−アミノカルボン酸によって置換された、AABBタイプのコポリアミド、ならびにラクタムまたは10〜12個のC原子を有するω−アミノカルボン酸20モル%までがモル当量のジアミンおよび10〜14個のC原子を有するジカルボン酸によって置換された、ABタイプのコポリアミドが適している。共沈物を含有する前記コポリアミドの使用は、例えば、僅かな収縮を有する部材を組み立てるべき場合には、好ましい。特に、1つまたは2つの共沈すべきポリアミド中のそれぞれのコモノマーの割合は、比較的高い熱変形安定性に関連して10モル%に制限され、特に有利には、コモノマーの割合は、最大5モル%である。
【0018】
本発明により使用すべきポリアミドは、粉末が少なくとも1つのAABBポリアミドおよび少なくとも1つのABポリアミドを有することを示す。これらは、それぞれ一般式:−(NH−(CH
2)
x−NH−CO−(CH
2)
y−CO)
n/2−および
−(NH−(CH
2)−NH−CO)
n−
を有するホモポリマー
ならびにそれぞれ別のタイプのモノマーをそれぞれ20モル%まで有するコポリアミドである。
【0019】
この場合、AB成分ならびにAABB成分は、全体的に直鎖状に形成されていてよいか、または僅かに分枝鎖状であってよく、アミノ末端基に対して過剰の酸末端基、同数の酸末端基または不足した酸末端基が存在していてよい。そのために、重縮合の場合には、特に公知技術水準による調節剤が添加されてよい。特に有利には、酸末端基とアミノ末端基との調整された割合であり、殊に有利には、1.2:1〜5:1のアミンに対する酸の比を有する酸過剰量である。もう1つの優先範囲は、1.2:1〜5:1の酸に対するアミンの比を有するアミノ末端基の過剰量である。
【0020】
ポリアミドの専門用語は、ISO 1874−1に規定されている。殊に、補遺Aには、脂肪族の直鎖状ポリアミドの定義および特徴が記載されている。その使用が本発明によるタイプXYのポリアミドは、ジアミンをジカルボン酸と重縮合させることにより得られる。xは、ジアミン中のC原子の数を意味し、yは、ジカルボン酸中のC原子の数を意味する。好ましい粉末は、ジアミンならびに脂肪族(直鎖状)の性質のジカルボン酸が指摘される。この場合、例えばモノマー単位として次のグループのジアミンが使用される:デカンジアミン、ウンデカンジアミン、1,12−ジアミノドデカン。ジカルボン酸のためのモノマーは、例えばセバシン酸(デカン二酸、b=8)、ドデカン二酸(b=10)、ブラシル酸(b=11)、テトラデカン二酸(b=12)である。
【0021】
ABタイプの適したモノマーは、例えばω−アミノウンデカン酸、ω−アミノドデカン酸またはω−ラウリンラクタムである。
【0022】
同様に、本発明の対象は、本発明によるポリマー粉末の製造法であり、この場合それぞれのポリアミド成分は、1〜3個の炭素原子を有するアルコール中で一緒に加熱することにより溶液にされ、温度は、1つ以上の工程で混合ポリアミドが沈殿する温度に低下され、この混合ポリアミドは、溶剤と分離されおよび/または乾燥され、および場合により助剤または充填剤は、粉末中に混入される。
【0023】
1つの実施態様において、ポリアミド成分は、130℃〜180℃の温度で自然発生的圧力下で溶液にされ、引続き温度は、1つ以上の工程で90℃〜128℃に低下される。
【0024】
本発明による粉末は、特にABポリアミドとAABBポリアミドの一緒の再沈殿によってアルコール溶液から圧力下で、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3510689号明細書の記載により製造される。好ましくは、エタノールは、溶剤として使用される。溶解温度は、135〜175℃、特に140〜165℃の範囲内に維持され、冷却速度は、0.1〜2.0K/分の範囲内、特に0.4〜1.0K/分の範囲内に維持される。沈殿温度は、90〜130℃の範囲内、特に105〜125℃の範囲内にある。溶解後、温度は、特に10分ないし3時間、110℃〜128℃で維持され、引続き温度は、1つ以上の他の工程で90℃〜118℃に低下される。
【0025】
具体的な個々の場合には、それぞれのポリアミド混合物に対して有利な溶解条件および沈殿条件は、暫定的な試験により見出されうる。選択すべきポリアミド濃度は、使用される全てのポリアミドの総和に対して5〜30質量%、有利に10〜25質量%、特に有利に13〜22質量%である。目視的に澄明なポリアミド溶液の達成に必要とされる溶解温度は、予備試験により見出すことができ、この場合には、ポリアミドもそれぞれ最大の溶融温度で完全に溶液にされなければならない。
【0026】
狭い粒子分布を有するポリアミド粉末を取得するために、固有の沈殿にドイツ連邦共和国特許第19708946号明細書に記載の核形成段階を予め接続することは、可能であり、この場合PA溶液は、目視的に澄明のままであり、および発熱する結晶化は、観察されない。このために、アルコール溶液は、後の沈殿温度を2K〜20K、特に5K〜15K上廻り等温的に前記時間を超えて攪拌され、さらに、温度は、上記冷却速度でできるだけ一定に維持すべき沈殿温度に低下される。
【0027】
適した装置は、攪拌釜であり、特に櫂形攪拌機が使用されるが、しかし、沈殿を別の耐圧装置中で実施しおよび/または別の攪拌機構を使用することは、容易に可能である。場合によっては、支障のある残留モノマーまたはオリゴマーの後の加工の際の除去のために、1つ以上の再沈殿すべきポリアミドは、予め抽出に供することができる。
【0028】
更に、本発明の対象は、モノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有するABポリアミドとそれぞれ10〜14個の炭素原子を有するジアミンおよびジカルボン酸をベースとするAABBポリアミドとからなる共沈された粉末ならびにそれぞれ別のタイプのコモノマーを20モル%まで含有する、1つ以上のコポリアミドをベースとする、前記の共沈された、均一に溶融する共沈物であり、前記粉末および前記共沈物は、高められた熱変形安定性を有する耐衝撃性の成形体に加工することができる。
【0029】
PA11とPA1010、PA11とPA1012、PA12とPA1012、PA12とPA1212およびPA12とPA1013の共沈は、特に好適である。
【0030】
更に、本発明の対象は、それぞれの層の選択的領域を電磁エネルギーの導入によって溶融する、積層法により作業する方法によって製造された成形体であり、この成形体は、前記粉末がモノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有するABポリアミドとそれぞれ10〜14個の炭素原子を有するジアミンおよびジカルボン酸をベースとするAABBポリアミドとの共沈物ならびにそれぞれ別のタイプのコモノマーを20モル%まで含有する、1つ以上のコポリアミドをベースとする、前記の共沈された、均一に溶融する共沈物を意味することによって特徴付けられる。PA11とPA1010、PA11とPA1012、PA12とPA1012、PA12とPA1212およびPA12とPA1013の共沈物をベースとする成形体は、特に好適である。
【0031】
本発明によるポリマー粉末は、該粉末から選択的にそれぞれの層の領域を溶融する、積層法で作業する方法によって、従来のポリアミド粉末からなる成形体と比較して高められた熱成形安定性、比較的高い粘性値、比較的良好な成形の正確さおよび比較的良好な表面品質を有する成形体が得られるという利点を有する。
【0032】
この場合、本発明による粉末から製造された成形体は、従来の粉末から製造された成形体と同様に良好な機械的性質を有する。また、本発明による粉末の加工能は、従来のポリアミド粉末と比較可能である。
【0033】
次に、本発明によるポリマー粉末を説明するが、但し、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
本発明による粉末は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公告第2906647号明細書B1の記載に準拠する方法によって得られるかまたはドイツ連邦共和国特許第19708946号明細書の記載によって得られ、この場合には、ABタイプのポリアミドが出発材料として使用される。AABBポリアミドとABポリアミドとからなるポリアミド混合物は、エタノール中に溶解され、特定の条件下で晶出される。場合によっては、保護スクリーニングおよびさらなる分級または冷間粉砕が接続される。当業者は、指針を決める予備試験によって簡単に条件を見出すことができる。
【0035】
この場合、本発明による共沈されたポリマー粉末は、少なくとも175℃のDSCにより算出された溶融温度、有利に少なくとも180℃の溶融温度ならびに特に有利に少なくとも185℃の溶融温度を有する。
【0036】
また、本発明による粉末は、良好な流動能または良好な塗装可能性を示す。使用すべき流動助剤の量は、減少させることができるか、または流動助剤を完全に省略することができる。
【0037】
ISO 307による0.5%のm−クレゾール溶液中の溶液粘度は、本発明によるポリアミド粉末の場合に有利に1.4〜2.1、特に有利に1.5〜1.9、殊に有利に1.6〜1.7である。
【0038】
本発明によるポリマー粉末は、10〜250μm、特に45〜150μm、特に有利に50〜125μmの平均粒度を有する、特にABタイプならびにAABBタイプのポリアミド粉末を有する。
【0039】
AABBポリアミド対ABポリアミドの量比は、本発明によれば、それぞれのポリアミドにおいて1:99〜99:1質量部、有利に10:90〜90:10質量部、殊に有利に30:70〜70:30質量部である。コポリアミドを使用する場合には、個々のAABBまたはABをベースとするコポリアミドのための記載された量比は、全てのものがこれに該当するが、この場合、別のモノマータイプのそれぞれの同一の割合は、多大なものではない。
【0040】
本発明によるポリマー粉末は、特にDIN53468により測定された嵩密度300〜700g/l、有利に400〜600g/lを有する。
【0041】
更に、本発明によるポリマー粉末は、特にDIN ISO 9277:2003−05(容量分析法)により窒素ガスで測定されたBET表面積1〜15m
2/g、特に有利に2〜10m
2/g、殊に有利に2.5〜7m
2/gを有する。
【0042】
本発明による粉末に加工するための出発粒質物は、商業的に例えば、Evonik−Degussa社、Marl在、ドイツ連邦共和国(ポリアミド12、商品名VESTAMID Lシリーズ、ポリアミド1010、VESTAMID Terra DSシリーズ、ポリアミド1012、VESTAMID Terra DDシリーズ)またはARKEMA社、Serquigny在、フランス(RILSAN、ポリアミド11、RILSAN A、ポリアミド12)によって販売されている。
【0043】
更に、本発明によるポリマー粉末は、助剤および/または充填剤および/またはさらなる有機または無機の顔料を有してよい。係る助剤は、例えば流動助剤、例えば沈降珪酸および/または熱分解法珪酸であってよい。熱分解法珪酸は、例えば製品名Aerosil(登録商標)で、様々な仕様でもってEvonik−Degussa GmbH社から購入される。
【0044】
特に、本発明によるポリマー粉末は、存在するポリマーの総和に対して係る助剤を3質量%未満、有利に0.001〜2質量%、特に有利に0.05〜1質量%有する。充填剤は、例えばガラス粒子、金属粒子またはセラミック粒子、例えばガラス球、鋼球、または金属粒、または異質顔料(Fremdpigment)、例えば遷移金属酸化物であってよい。前記顔料は、例えばルチル型またはアナターゼ型をベースとする二酸化チタン粒子、またはカーボンブラック粒子であってよい。
【0045】
この場合、前記充填剤粒子は、特に前記ポリアミドの粒子と比べて、より小さな、またはほぼ同じ大きさの平均粒度を有する。特に、前記充填剤の平均粒度d
50は、前記ポリアミドの平均粒度d
50を、20%以下、特に15%以下、特に有利には5%以下だけ上廻る。前記粒径は、殊に、ラピッドプロトタイピング/ラピッドマニュファクチャリング−装置中で許容される構造高さ(Bauhoehe)または層密度によって制限されている。
【0046】
特に、本発明によるポリマー粉末は、上記ポリアミドの総和に対して係る充填剤を75質量%未満、有利に0.001〜70質量%、特に有利に0.05〜50質量%、とりわけ有利には0.5〜25質量%有する。
【0047】
助剤および/または充填剤のための記載された上限を上廻る場合には、使用した充填剤または助剤に応じて、係るポリマー粉末を用いて製造された成形体の機械的性質の明らかな劣化をまねく可能性がある。
【0048】
従来のポリマー粉末を本発明によるポリマー粉末と混合することも同様に可能である。こうして、表面特性の更なる組み合わせを有するポリマー粉末が製造される。前記混合物の製造方法は、例えばドイツ連邦共和国特許第3441708号明細書から引用されうる。
【0049】
成形体を製造する際に溶融液の流展を改善するために、流展剤、例えば金属石鹸、有利に基礎となるアルカンモノカルボン酸または二量体酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、沈殿したポリアミド粉末に添加されてよい。金属石鹸粒子は、ポリマー粒子中に混入されてよいが、しかし、微粒状の金属石鹸粒子とポリマー粒子との混合物が存在してもよい。
【0050】
金属石鹸は、粉末中に存在するポリアミドの総和に対して0.01〜30質量%、特に0.5〜15質量%の量で使用される。好ましくは、金属石鹸として、基礎となるアルカンモノカルボン酸または二量体酸のナトリウム塩またはカルシウム塩が使用された。商業的に使用可能な製品の例は、Clariant社のLocomont NaV 101またはLicomont CaV 102である。
【0051】
加工能を改善するため、またはポリマー粉末のさらなる変性のために、このポリマー粉末には、無機異質顔料、例えば遷移金属酸化物、安定剤、例えばフェノール、殊に立体障害フェノール、流れ調整助剤(Verlaufsmittel)および流動助剤(Rieselhilfsmittel)、例えば熱分解法珪酸、ならびに充填剤粒子が添加されてよい。特に、ポリマー粉末中のポリマーの全質量に対して、本発明によるポリマー粉末について記載された、充填剤および/または助剤の濃度が維持される程度に、前記物質はポリマーに添加される。
【0052】
また、本発明の対象は、モノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有するラクタムを重合させること、またはモノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有するω−アミノカルボン酸を重縮合させることによって製造された、ABタイプの少なくとも1つのポリアミドとモノマー単位中にそれぞれ10〜14個の炭素原子を有するジアミンおよびジカルボン酸を重縮合させることによって製造された、AABBタイプの少なくとも1つのポリアミドとを一緒に共沈させることによって得られた本発明によるポリマー粉末が使用される、電磁エネルギーの導入によって選択的に領域が溶融される、積層法で作業する方法によって成形体を製造するための方法である。
【0053】
更に、本発明の対象は、モル当量のジアミンとジカルボン酸20モル%までがラクタムまたは10〜12個のC原子を有するω−アミノカルボン酸によって置換された、AABBタイプのコポリアミドならびにラクタムまたは10〜12個のC原子を有するω−アミノカルボン酸20モル%までがモル当量のジアミンおよび10〜14個のC原子を有するジカルボン酸によって置換された、ABタイプのコポリアミドが使用される、積層法で作業する方法によって成形体を製造するための方法である。共沈物を含有する前記コポリアミドの使用は、例えば僅かな収縮を有する部材を組み立てる場合には、好ましい。特に、1つまたは2つの共沈すべきポリアミド中のそれぞれのコモノマーの割合は、比較的高い熱変形安定性に関連して10モル%に制限され、特に有利には、コモノマーの割合は、最大5モル%に制限される。
【0054】
好ましくは、積層法で作業する方法において、PA11またはPA12とAABBポリアミドとしてPA1010、PA1012、PA1212およびPA1013のグループからの1つとからなる共沈物が使用される。特に有利には、共沈によって得られた、PA11とPA1010、PA11とPA1012、PA12とPA1012、PA12とPA1212およびPA12とPA1013からなる粉末は、積層法で作業する成形法のために使用される。この場合、AABBポリアミドの割合は、2〜98質量%、有利に10〜90質量%、特に有利に30〜70質量%である。この場合、本発明による共沈されたポリマー粉末は、少なくとも175℃のDSCにより算出された溶融温度、有利に少なくとも180℃の溶融温度ならびに特に有利に少なくとも185℃の溶融温度を有する。
【0055】
エネルギーは、電磁線によって導入され、選択性は、例えばマスク処理、抑制剤、吸収剤、サセプタの塗布によって導入されるかまたはビームの焦点合わせによって導入される。全ての層の冷却後、本発明による成形体は、取り出されてよい。
【0056】
係る方法のための次の実施例は、説明に用いられるが、本発明はそれに制限されるものではない。
【0057】
レーザー焼結方法は、十分に公知であり、かつポリマー粒子の選択的な焼結に基づくものであり、その際ポリマー粒子の層は、短時間レーザー光に暴露され、こうして前記レーザー光に暴露したポリマー粒子は、相互に結合される。ポリマー粒子の層を連続的に焼結させることにより、三次元の物体が製造される。
【0058】
選択的レーザー焼結の方法のための詳細は、例えば米国特許第6136948号明細書およびWO 96/06881から引用できる。
【0059】
別の好適な方法は、例えばWO 01/38061に記載されたSIV方法、または欧州特許第1015214号明細書に記載された方法である。双方の方法は、粉末の溶融のために平面式赤外線加熱を用いて作業する。溶融の選択性は、第一の方法の場合には抑制剤の施与により、第二の方法の場合にはマスク処理により達成される。更なる方法は、ドイツ連邦共和国特許第10311438号明細書に記載されている。この方法の場合、溶融に必要とされたエネルギーは、マイクロ波発生器によって導入され、および選択性は、サセプタの施与によって達成される。
【0060】
選択的に領域が溶融される、積層法で作業する方法によって製造される、本発明による成形体は、この成形体がジアミンおよびジカルボン酸の重縮合によって製造された、ABタイプのポリアミド、有利にモノマー単位中に10〜12個の炭素原子を有するABポリアミドからなるグループからのABタイプのポリアミドおよびジアミンとそれぞれのモノマー単位中にそれぞれ10〜14個の炭素原子を有するジカルボン酸とをベースとするAABBポリアミドのグループからの少なくとも1つのポリアミドを有することを示す。特に好ましいのは、PA1010との混合物中のPA11、PA1012との混合物中のPA11、PA1012との混合物中のPA12、PA1212との混合物中のPA12およびPA1013との混合物中のPA12の成形体である。
【0061】
特に有利には、本発明による成形体は、AABBタイプのポリアミドとしてPA1010、PA1012、PA1013およびPA1212を有する。
【0062】
更に、前記成形体は、充填剤および/または助剤、例えば熱安定剤、例えば立体障害フェノール誘導体を有していてよい。充填剤、例えばガラス粒子、セラミック粒子、および金属粒子は、例えばアルミニウム粉、鉄球、または相応する中空球であってよい。有利には、本発明による成形体は、ガラス粒子、特に有利にはガラス球を有する。特に、本発明による成形体は、存在するポリマーの総和に対して、係る助剤を3質量%未満、特に0.001〜2質量%、特に有利に0.05〜1質量%有する。同様に有利には、本発明による成形体は、存在するポリマーの総和に対して、係る充填剤を75質量%未満、有利に0.001〜70質量%、特に有利に0.05〜50質量%、殊に有利には0.5〜25質量%有する。
【0063】
次の実施例は、本発明によるポリマー粉末ならびにその使用を、本発明をこれらの実施例に制限することなく説明するものである。
【実施例】
【0064】
例:
次の方法は、測定寸法を規定するために使用されたが、この場合この測定方法は、使用すべき反応体に対して、ならびにそれぞれの生成物に対して使用されてよい。
【0065】
粒度測定
平均粒度および粒度分布は、レーザー回折により測定される。この測定は、Malvern Mastersizer 2000で実施される。これは乾式測定である。測定のためには、それぞれ粉末20〜40gがシロッコ(Scirocco)乾燥分散機により供給される。振動フィーダーは、70%の供給速度で運転される。分散空気圧は、3バールである。それぞれの測定において、背景読取りを行なった(10秒/10000回の個別測定)。試料の測定時間は、5秒である(5000回の個別測定)。屈折率、ならびに青色光の値は、1.52であることが確定された。評価のために、ミー理論(Mie−Theorie)が利用された。
【0066】
相対溶液粘度は、0.5質量%のm−クレゾール溶液中でISO 307により得られる。
【0067】
BET法による比表面積の測定のために、BET表面積を、DIN ISO 9277:2003−05による窒素のガス吸着(容量分析による、連続的ガス供給)によりMicromeritics社のガス吸着装置 TriStar 3000(ソフトウェアWin 3000,V6.03)で測定する。窒素は、99.996体積%の純度を有する。そのために、約0.05〜約0.20の相対圧力p/p
0での複数(7つ)の測定点を定める。
【0068】
死体積は、He(純度少なくとも99.996%)を用いて較正される。試料は、それぞれ25℃で1時間および80℃で16時間、真空下で脱ガスされる。比表面積は、脱ガスされた試料に関連するものである。評価は、DIN ISO 9277:2003−05、第7.2章の記載により、マルチポイント測定により行なわれる。
【0069】
嵩密度は、DIN 53468の記載により測定される。
【0070】
微結晶融点T
mおよび溶融エンタルピーは、DSC(Perkin Elmer Diamond,加熱速度毎分20K)を用いて、ISO 11357およびDIN 53765に準拠して測定される。
【0071】
流動能は、DIN EN ISO 6186、方法Aに準拠して測定される。流動能は、流動時間によって特性決定される。それについては、規定された寸法を有するホッパを通る、定義された量の粉末の流出時間t
Rであると理解すべきである。
【0072】
試験のために、次の機器が利用される:500mlのビーカー、±0.5gの精度を有する天秤、10mm、15mm、25mmのノズルを有するDIN EN ISO 6186による試験漏斗、0.1秒まで読み取り可能なストップウォッチ。
【0073】
ビーカー中に粉末150gを正確に秤量する。例えば、存在する団塊を注意深く押しつぶす。清潔にした流出漏斗中への試料の注入の際に、この流出漏斗の開口部を手で覆う。次に、漏斗が震動なしに開放された時間から粉末が完全に流出した瞬間までの時間を測定する。漏斗の壁面上に付着するダストは、考慮しない。一般に、直径15±0.01mmを有する流出ノズルを選択する。しかし、粉末の性状に応じて、直径10±0.01mmを有する流出ノズル1または直径25±0.01mmを有する流出ノズル3を使用してもよい。
【0074】
流出ノズルの直径を指標としてメモする。
【0075】
t
R10、t
R15、t
R25
流動時間t
Rを3回の測定からの平均値の計算により算出する。時間をフル秒で記載する。
【0076】
弾性率および引張強さをDIN/EN/ISO 527により測定し、衝撃強さをISO 179/1eAにより測定する。ビカー温度をISO 306/2008により油中で測定する。
【0077】
実施例1:
PA 1010の製造のために、200 lの撹拌型オートクレーブに次の出発物質を装入した:
【0078】
1,10−デカンジアミン(98.5.5%の水溶液として)34.957kg、
セバシン酸40.902kgならびに次亜リン酸の50%水溶液(0.006質量%に相当)8.6gおよび
脱イオン水25.3kg。
【0079】
出発物質を窒素雰囲気中で溶融させ、撹拌下に密閉オートクレーブ中で約220℃に加熱し、その際、内部圧力を約20バールに調節した。この内部圧力を2時間維持し、その後、溶融物を連続的に標準圧力に放圧しながら更に270℃に加熱し、その後、窒素流中でこの温度で1.5時間維持した。引続き、3時間以内で大気圧に放圧し、トルクによってもはや溶融物粘度のさらなる上昇が示されなくなるまでさらに3時間溶融物に窒素を導通した。その後、溶融物を歯車ポンプを用いて排出し、ストランドとして造粒した。この粒質物を24時間窒素下で80℃で乾燥させた。
【0080】
搬出物:65kg
生成物は以下の特性値を有していた:
微結晶融点T
m:192℃および204℃、
溶融エンタルピー:78J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.76。
【0081】
実施例2:PA1012の製造
実施例1に準拠して、次の出発物質を互いに反応させる。
【0082】
1,10−デカンジアミン(98.7%の)34.689kg、
ドデカン二酸46.289kgならびに次亜リン酸の50%水溶液(0.006質量%に相当)9.2gおよび
脱イオン水20.3kg。
【0083】
生成物−搬出物73.6kgは、以下の特性値を有していた:
微結晶融点T
m:191℃、
溶融エンタルピー:74J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.72。
【0084】
実施例3:PA1013の製造
実施例1に準拠して、次の出発物質を互いに反応させる。
【0085】
1,10−デカンジアミン(98.7%の)33.521kg、
ブラシル酸47.384kgならびに
次亜リン酸の50%水溶液(0.006質量%に相当)9.5gおよび
脱イオン水20.5kg。
【0086】
生成物は、以下の特性値を有していた:
相対溶液粘度η
rel:1.66、
微結晶融点T
m:183℃、
溶融エンタルピー:71J/g。
【0087】
実施例4:PA1212の製造
実施例1に準拠して、次の出発物質を互いに反応させる。
【0088】
1,12−ドデカンジアミン(97.5%の水溶液として)33.366kg、
ドデカン二酸37.807kgならびに
次亜リン酸の50%水溶液(0.006質量%に相当)8.1gおよび
脱イオン水20.5kg。
【0089】
生成物は、以下の特性値を有していた:
微結晶融点T
m:183℃、
溶融エンタルピー:75J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.81。
【0090】
実施例5:CoPA1012/12(92:8)の製造
実施例1に準拠して、次の出発物質を互いに反応させる。
【0091】
1,10−デカンジアミン(99.3%の水溶液として)29.774kg、
ドデカン二酸39.532kg、
ラウリンラクタム5.891kgならびに
次亜リン酸の50%水溶液(0.006質量%に相当)7.9gおよび
脱イオン水25.5kg。
【0092】
生成物は、以下の特性値を有していた:
微結晶融点T
m:186℃、
溶融エンタルピー:75J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.71。
【0093】
実施例6:ポリアミド12(PA 12)の再沈殿(本発明によらない)
加水分解による重合によって製造された、1.62の相対溶液粘度および75ミリモル/kg COOHもしくは69ミリモル/kg NH
2の末端基含量を有する未調整のPA12 40kgを、2−ブタノンおよび1%の含水率で変性されたエタノール2500 lと、2.5時間以内に800 lの攪拌釜中で145℃にもたらし、かつ攪拌下で1時間この温度で放置する。引続き、ジャケット温度を124℃に減少させ、かつエタノールを連続的に留去しながら25K/hの冷却速度で同じ攪拌回転数で室内温度を125℃にもたらす。それから同じ冷却速度でジャケット温度を内部温度より2K〜3K低く保つ。内部温度を同じ冷却速度で117℃にもたらし、次に60分間、一定に保つ。その後、さらに40K/hの冷却速度で留去し、こうして内部温度を111℃にもたらす。この温度で、熱の発生により確認されうる沈殿が開始される。蒸留速度を、内部温度が111.3℃を超えて上昇しない限り上昇させる。25分後、内部温度は低下し、このことは沈殿の終了を示す。ジャケットを介するさらなる留去および冷却によって、懸濁液の温度を45℃にもたらし、かつ懸濁液をその後にブレード型乾燥機中に移送する。エタノールを70℃/400ミリバールで留去し、引続き残分を20ミリバール/86℃で3時間、後乾燥する。
【0094】
55μmの平均粒子直径を有する沈殿したPA 12が得られる。嵩密度は、435g/lであった。
【0095】
実施例7:ポリアミド11(PA 11)の再沈殿(本発明によらない)
実施例6と同様に、商業的なPA 11粒質物(ARKRMA社のRILSAN(登録商標)BMNO TL)40kgを再沈殿させ、次の特性値を有する粉末に変える:
微結晶融点T
m:192℃および200℃、
溶融エンタルピー:128J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.66、
嵩密度391g/l BET:4.80m
2/g、
D(10%)=44μm D(50%)=59μm D(90%)=84μm。
【0096】
実施例8:PA 1010の再沈殿(本発明によらない):
実施例6に準拠して実施例1で得られたPA 1010試料40kgを再沈殿させ、この場合、沈殿条件は、実施例10と比較して次のように変更される:
溶解温度:155℃、核形成温度/時間:128℃/60分、
沈殿温度:120℃、沈殿時間:1時間、攪拌回転数:90rpm、
微結晶融点T
m:192℃および206℃、
溶融エンタルピー:128J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.69、
嵩密度380g/l、BET:6.80m
2/g、
D(10%)=44μm D(50%)=69μm D(90%)=103μm。
【0097】
実施例9:PA 1012の再沈殿(本発明によらない):
実施例6に相応して、実施例2で得られたPA 1012粒質物試料40kgを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、実施例6と比較して次のように変更される:
溶解温度:155℃、核形成温度:141℃、沈殿温度:123℃、沈殿時間:40分、攪拌回転数:110rpm、
微結晶融点T
m:191℃および202℃、
溶融エンタルピー:148J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.69、
嵩密度430g/l、BET:3.90m
2/g、
D(10%)=34μm D(50%)=65μm D(90%)=94μm。
【0098】
実施例10:PA 1212の再沈殿(本発明によらない):
実施例6に相応して、実施例4で得られたPA 1212粒質物試料40kgを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:155℃、核形成温度:123℃、核形成時間:60分、沈殿温度:117℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度392g/l、BET:5.60m
2/g、
D(10%)=33μm D(50%)=75μm D(90%)=114μm、
微結晶融点T
m:187℃および194℃、
溶融エンタルピー:143J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.79。
【0099】
実施例11:PA 1013の再沈殿(本発明によらない):
実施例6に相応して、実施例3で得られたPA 1013粒質物試料40kgを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:145℃、核形成温度:113℃、核形成時間:60分、沈殿温度:102℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度452g/l、BET:4.40m
2/g、
D(10%)=25μm D(50%)=59μm D(90%)=94μm、
微結晶融点T
m:182℃および190℃、
溶融エンタルピー:143J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.62。
【0100】
実施例12:PA 1010およびPA 11の共通の再沈殿(本発明による):
実施例6に相応して、実施例1で得られたPA 1010粒質物試料および実施例6で使用されたRILSAN(登録商標)BMNO TL(ARKEMA)20kgずつを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:145℃、核形成温度:118℃、核形成時間:60分、沈殿温度:112℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度498g/l、BET:1.40m
2/g、
D(10%)=41μm D(50%)=66μm D(90%)=103μm、
微結晶融点T
m:192℃および198℃、
溶融エンタルピー:127J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.72。
【0101】
実施例13:PA 1012およびPA 11の共通の再沈殿(本発明による):
溶解温度:155℃、核形成温度:119℃、核形成時間:60分、沈殿温度:108℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度438g/l、BET:7.40m
2/g、
D(10%)=44μm D(50%)=69μm D(90%)=104μm、
微結晶融点T
m:192℃および198℃、
溶融エンタルピー:127J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.72。
【0102】
実施例14:PA 1012およびPA 12の共通の再沈殿(本発明による):
実施例6に相応して、実施例2で得られたPA 1012粒質物試料および実施例5で使用された未調整のPA 12 20kgずつを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:155℃、核形成温度:118℃、核形成時間:60分、沈殿温度:111℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度425g/l、BET:8.10m
2/g、
D(10%)=34μm D(50%)=62μm D(90%)=114μm、
微結晶融点T
m:198℃、
溶融エンタルピー:137J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.64。
【0103】
実施例15:PA 1013およびPA 12の共通の再沈殿(本発明による):
実施例6に相応して、実施例3で得られたPA 1013粒質物試料および実施例6で使用された未調整のPA 12 20kgずつを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:145℃、核形成温度:114℃、核形成時間:60分、沈殿温度:101℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度425g/l、BET:7.20m
2/g、
D(10%)=23μm D(50%)=46μm D(90%)=78μm、
微結晶融点T
m:183℃、
溶融エンタルピー:117J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.64。
【0104】
実施例16:PA 1212およびPA 12の共通の再沈殿(本発明による):
実施例6に相応して、実施例4で得られたPA 1212粒質物試料および実施例6で使用された未調整のPA 12 20kgずつを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:152℃、核形成温度:118℃、核形成時間:60分、沈殿温度:111℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度408g/l、BET:8.1m
2/g、
D(10%)=60μm D(50%)=85μm D(90%)=110μm、
微結晶融点T
m:186℃、
溶融エンタルピー:137J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.76。
【0105】
実施例17:CoPA 1012/12およびPA 12の共通の再沈殿(本発明による):
実施例6に相応して、実施例5で得られた1012/12粒質物試料および実施例6で使用された未調整のPA 12 20kgずつを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:145℃、核形成温度:112℃、核形成時間:45分、沈殿温度:107℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:120rpm、
嵩密度424g/l、BET:3.2m
2/g、
D(10%)=31μm D(50%)=54μm D(90%)=89μm、
微結晶融点T
m:185℃、
溶融エンタルピー:120J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.65。
【0106】
実施例18:CoPA 1012/12およびPA 12の共通の再沈殿(本発明による):
実施例6に相応して、実施例5で得られたCoPA1012/12粒質物試料および実施例6で使用された未調整のPA 12 20kgずつを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:145℃、核形成温度:112℃、核形成時間:45分、沈殿温度:110℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:120rpm、
嵩密度410g/l、BET:4.8m
2/g、
D(10%)=29μm D(50%)=52μm D(90%)=91μm、
微結晶融点T
m:185℃、
溶融エンタルピー:120J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.64。
【0107】
実施例19:PA 1012およびPA 12の共通の再沈殿(本発明による):
実施例6に相応して、実施例2で得られたPA 1012粒質物試料および実施例5で使用された未調整のPA 12 2kgずつを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:142℃、核形成温度:なし、核形成時間:なし、沈殿温度:107℃、沈殿時間:120分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度426g/l、BET:5.80m
2/g、
D(10%)=40μm D(50%)=62μm D(90%)=96μm、
微結晶融点T
m:184℃、
溶融エンタルピー:119J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.61。
【0108】
実施例20:PA 1012およびPA 12の共通の再沈殿(本発明による):
実施例6に相応して、実施例2で得られたPA 1012粒質物試料および実施例5で使用された未調整のPA 12 2kgずつを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:142℃、核形成温度:なし、核形成時間:なし、沈殿温度:107℃、沈殿時間:120分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度409g/l、BET:7.50m
2/g、
D(10%)=37μm D(50%)=55μm D(90%)=82μm、
微結晶融点T
m:185℃、
溶融エンタルピー:119J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.61。
【0109】
実施例21:PA 1013およびPA 12の共通の再沈殿(本発明による):
実施例6に相応して、実施例3で得られたPA 1013粒質物試料6kgおよび実施例5で使用された未調整のPA 12 34kgを再沈殿させ、この場合沈殿条件は、次のように変更される:
溶解温度:147℃、核形成温度:113℃、核形成時間:30分、沈殿温度:109℃、沈殿時間:120分、攪拌回転数:110rpm、
嵩密度378g/l、BET:8.20m
2/g、
D(10%)=28μm D(50%)=51μm D(90%)=83μm、
微結晶融点T
m:197℃、
溶融エンタルピー:124J/g、
相対溶液粘度η
rel:1.64。
【0110】
また、本発明による粉末は、良好な流動能または良好な塗装可能性を示す。使用すべき流動助剤の量は、減少させることができるか、または流動助剤を完全に省略することができる。次の表は、見い出された結果を有する:
【表1】
【0111】
実施例22〜25:SLS法で成形体への実施例15からの本発明による粉末PA 12/PA 1013の加工。
【0112】
別記しない限り、EOS社、Krailing在のEOSINT P380機械装置上で次の加工試験を実施する:
【0113】
実施例22:
加工条件:
処理室の加熱:165℃、
層厚:0.15mm、
レーザー出力:19W、
露光速度:1100mm/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0114】
引張試験の結果:
弾性率:1800MPa、
引張強さ:46.5MPa、
−30℃でのノッチ付衝撃強さ:5.45KJ/m
2。
【0115】
実施例23:
加工条件:
処理室の加熱:164℃、
層厚:0.15mm、
レーザー出力:19W、
露光速度:1100mm/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0116】
引張試験の結果:
弾性率:1800MPa、
引張強さ:48.6MPa、
−30℃でのノッチ付衝撃強さ:4.14KJ/m
2。
【0117】
実施例24:
加工条件:
処理室の加熱:167℃、
層厚:0.15mm、
レーザー出力:19W、
露光速度:1100mm/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0118】
引張試験の結果:
弾性率:1800MPa、
引張強さ:47.7MPa、
−30℃でのノッチ付衝撃強さ:4.2KJ/m
2。
【0119】
実施例25:
加工条件:
処理室の加熱:175℃、
層厚:0.15mm、
レーザー出力:19W、
露光速度:1100mm/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0120】
引張試験の結果:
弾性率:1800MPa、
引張強さ:51.0MPa、
ビカーA温度:176℃。
【0121】
実施例26〜28:SLS法で成形体への実施例14からの粉末PA 12/PA 1012の加工。
【0122】
別記しない限り、EOS社、Krailing在のEOSINT P380機械装置上で次の加工試験を実施する:
【0123】
実施例26:
加工条件:
処理室の加熱:168℃、
層厚:0.15mm、
レーザー出力:19W、
露光速度:1100mm/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0124】
引張試験の結果:
弾性率:1650MPa、
引張強さ:49MPa。
【0125】
実施例27:
加工条件:
処理室の加熱:169℃、
層厚:0.15mm、
レーザー出力:19W、
露光速度:1100mm/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0126】
引張試験の結果:
弾性率:1600MPa、
引張強さ:48MPa。
【0127】
実施例28:
加工条件:
機械装置HiQ SLSシステム上での加工、
加工温度:169℃、
層厚:0.1mm、
レーザー出力:13W、
露光速度:5m/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0128】
引張試験の結果:
弾性率:1650MPa、
引張強さ:47MPa。
【0129】
実施例29:実施例19からの材料を用いての加工例
3DシステムSPro 60 HDHS上での加工、
加工温度:168℃、
層厚:0.1mm、
レーザー出力:58W、
露光速度:2m/秒、
ハッチングの距離:0.2mm。
【0130】
引張試験の結果:
弾性率:1800MPa、
引張強さ:48MPa。
【0131】
実施例30:実施例20からの材料を用いての加工例
3DシステムSPro 60 HDHS上での加工、
加工温度:169℃、
層厚:0.1mm、
レーザー出力:58W、
露光速度:12m/秒、
ハッチングの距離:0.2mm。
【0132】
引張試験の結果:
弾性率:1850MPa、
引張強さ:48MPa。
【0133】
実施例31:実施例21からの材料を用いての加工例
3DシステムSPro 60 HDHS上での加工、
加工温度:166℃、
層厚:0.1mm、
レーザー出力:58W、
露光速度:12m/秒、
ハッチングの距離:0.2mm。
【0134】
引張試験の結果:
弾性率:1750MPa、
引張強さ:40MPa。
【0135】
実施例32:SLS法で成形体への実施例16からの粉末PA 12/PA 1212の加工は、EOSINT P380上で行なわれた。
【0136】
加工条件:
処理室の加熱:168℃、
層厚:0.15mm、
レーザー出力:19W、
露光速度:1100mm/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0137】
実施例33〜34:成形体への実施例6からの粉末PA 12の加工、比較例、本発明によらない。
【0138】
加工試験をEOS社、Krailing在のEOSINT P380機械装置上で次の加工試験を実施する:
【0139】
実施例33:
引張試験の結果:
弾性率:1750MPa、
引張強さ:50MPa、
−30℃でのノッチ付衝撃強さ:3.09KJ/m
2、
ビカーA温度:165℃。
【0140】
実施例34:
加工条件:
処理室の加熱:179℃、
層厚:0.15mm、
レーザー出力:19W、
露光速度:1100mm/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0141】
引張試験の結果:
弾性率:1750MPa、
引張強さ:48MPa、
−30℃でのノッチ付衝撃強さ:3.09KJ/m
2、
ビカーA温度:165℃。
【0142】
実施例35:成形体への実施例11からの粉末PA 1013の加工、比較例、本発明によらない。
【0143】
加工をEOS社、Krailing在のEOSINT P380機械装置上で実施した:
【0144】
加工条件:
処理室の温度:169℃、
層厚:0.15mm、
レーザー出力:24W、
露光速度:1100mm/秒、
ハッチングの距離:0.3mm。
【0145】
引張試験の結果:
弾性率:1900MPa、
引張強さ:47MPa、
−30℃でのノッチ付衝撃強さ:2.92KJ/m
2。