(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744181
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】機械式スイッチ接点
(51)【国際特許分類】
H01H 19/12 20060101AFI20150611BHJP
H01F 29/02 20060101ALI20150611BHJP
【FI】
H01H19/12
H01F29/02 C
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-504142(P2013-504142)
(86)(22)【出願日】2011年2月23日
(65)【公表番号】特表2013-527565(P2013-527565A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】EP2011000854
(87)【国際公開番号】WO2011128012
(87)【国際公開日】20111020
【審査請求日】2014年2月21日
(31)【優先権主張番号】102010015051.7
(32)【優先日】2010年4月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100157440
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ヘプフル・クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴレーデ・ジルケ
【審査官】
塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06008456(US,A)
【文献】
特公昭41−019374(JP,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0057074(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/12
H01F 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タップ付変成器の負荷タップ切換器用の機械式スイッチ接点(10)であって、
それぞれ二つの終端位置の間を旋回可能である、通電されている形で相互接続された少なくとも二つの接点フィンガー又は接点フィンガー集合体(12,14)が配備され、それらが、それぞれ複式レバー継手(16)を介して、回転可能な切換シャフト(18)と連動する形で接続されており、その切換シャフトは、複式レバー継手(16)を操作するとともに、それと連動して接点フィンガー又は接点フィンガー集合体(12,14)の位置をずらすための巡回する案内ジブ(24)を備えている機械式スイッチ接点において、
接点フィンガー又は接点フィンガー集合体(12,14)が、切換シャフト(18)の回転方向に関係無く操作可能であり、この切換シャフトが、繰り返し回転運動した場合に、それぞれ両方の旋回可能な接点フィンガー又は接点フィンガー集合体(12,14)の同じ形態の旋回運動を引き起こすことと、
両方の旋回可能な接点フィンガー又は接点フィンガー集合体(12,14)が、通電されている共通のシャフト(20)に軸支されていることと、
両方の旋回可能な接点フィンガー又は接点フィンガー集合体(12,14)の各々には、それぞれ切り換えるべき終端位置を構成する別個の機械式の通電されているストッパー(26,28)が対応していることと、
この共通のシャフト(20)が、回転可能な切換シャフト(18)に対して平行に配置されていることと、
を特徴とする機械式スイッチ接点。
【請求項2】
機械式スイッチ接点(10)の第一の終端位置では、第一の接点フィンガー又は第一の接点フィンガー集合体(12)が、それに対応する通電されている機械式ストッパー(26)に当接して、通電されている共通のシャフト(20)とストッパー(26)の間の通電接続を形成する一方、第二の接点フィンガー又は第二の接点フィンガー集合体(14)が、それに対応する通電されている機械式ストッパー(28)から引き離されていることを特徴とする請求項1に記載の機械式スイッチ接点。
【請求項3】
機械式スイッチ接点(10)の第二の終端位置では、第一の接点フィンガー又は第一の接点フィンガー集合体(12)が、それに対応する通電されている機械式ストッパー(26)から引き離されている一方、第二の接点フィンガー又は第二の接点フィンガー集合体(14)が、それに対応する通電されている機械式ストッパー(28)に当接して、通電された共通のシャフト(20)とストッパー(26)の間の通電接続を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の機械式スイッチ接点。
【請求項4】
両方の旋回可能な接点フィンガー又は接点フィンガー集合体(12,14)が、機械的に相互接続されており、僅かに互いに遅れて操作可能又は旋回可能であり、それにより切換可能であることを特徴とする請求項3に記載の機械式スイッチ接点。
【請求項5】
案内ジブ(24)が、それぞれ切換シャフト(18)と回転ずれしない形で接続された円板カム(22a,22b,22c)に配置されており、それぞれ各複式レバー継手(16)を操作するためのボルト(36)を案内して、その位置をずらすことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の機械式スイッチ接点。
【請求項6】
各複式レバー継手(16)の片側をフレーム又は筐体に固定されている形で軸支された第一のレバー(32)が、案内ジブ(24)に沿ってスライドするボルト(36)を備えるとともに、その自由端(38)が、接点フィンガー又は接点フィンガー集合体(12,14)に旋回可能な形で係合された第二のレバー(34)と連結されていることを特徴とする請求項5に記載の機械式スイッチ接点。
【請求項7】
当該のボルト(36)が、第一のレバー(32)のフレーム又は筐体に固定された軸受け(40)と自由端(38)の間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の機械式スイッチ接点。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、独立請求項の特徴を有するタップ切換器の負荷開閉器における電気接点の転換切換、遮断切換又は開閉切換用の機械式スイッチ接点に関する。
【背景技術】
【0002】
制御変成器のタップ切換器用の周知の負荷転換スイッチは、大抵所謂抵抗式高速転換切換部を備えており、そのスイッチ接点のシャフトは、円板カム式伝動機構によって制御され、その伝動機構は、更にエネルギー蓄積部によって駆動されている。その場合、円板カムは、二つの終端位置の間を往復運動する形で、詳しくは、セレクタのその時々の運動方向と関係無く動いている。それは、円板カムの第一の回転方向に対して最初に閉じられる接点が逆方向の動きに対して最初に開かれることを意味する。円板カムの同じ回転方向に対して最初に開かれた接点は、逆方向の動きに対して最後に閉じられている。
【0003】
特許文献1は、タップ切換器用の二極遮断のための機械式スイッチ接点を開示している。そのスイッチ接点は、球形の接点領域として構成された固定接点が配置された絶縁支柱を備えている。更に、その絶縁支柱には、所定の角度だけ旋回可能なスイングアームと接続された接点支柱が回転可能な形で軸支されている。そのスイングアームの自由端には、接点部材が固定されており、その接点部材側では、両端に接点ローラが配備されている。それらの接点ローラによって、固定接点を選択的に切り換えることが可能である。スイングアームの位置に応じて、接点ローラが、それぞれ対向して配置された固定接点の球形の表面と当接し、そのようにして、それぞれ電気接点の接続部を形成している。
【0004】
負荷タップ切換器における転換切換用の別の機械式スイッチ接点が特許文献2により周知である。その機械式スイッチ接点も、切換可能な固定接点が配置された絶縁支柱を備えている。更に、その絶縁支柱には、スイッチレバーが回転可能な形で軸支されており、そのスイッチレバーの二つの自由端の中の一方には、スイングアームが配備され、他方の自由端には、操作用カムが設けられている。そのスイッチレバーは、操作用カムに力が加わった場合に、それぞれ二つの静止状態の中の一方から他方の静止状態に飛躍的に旋回可能である。更に、その絶縁支柱には、別の軸受けの回りを旋回可能な接点筐体が軸支されており、その接点筐体は、それぞれ切り換えるべき固定接点の両側を取り巻く電気的に相互接続された平行な二つの接点フィンガーを支持している。その接点筐体は、スイッチレバーと機械的に連結されており、それによって操作可能である。更に、そのスイッチレバーは、接点筐体の留め具用開口部に嵌まり込んで形状結合する留め具を備えることができる。両方の固定接点の中の一方は、任意選択により接点バーとして構成することができ、接点筐体が動いた場合に、接点フィンガーが、その接点バー上をスライドする。
【0005】
これらの負荷タップ切換器における転換切換用の周知の機械式スイッチ接点に関する操作メカニズムは、二つの終端位置の間で転換切換が行なわれ、そのため、往復する切換運動を必要とすることが共通している。
【0006】
特許文献3は、タップ切換器の負荷開閉器用のバネスプリング式駆動部を開示しており、そのエネルギー蓄積バネは、駆動部によって付勢することが可能であり、その駆動部のシャフトは、時計方向又は反時計方向に回転可能であり、転換切換プロセス時にエネルギー蓄積バネによって駆動される、接点を動かすための部材は回転運動を行う。その接点を動かすための部材は、例えば、カム円板又はジブ式制御部とすることができる。これらのエネルギー蓄積バネと駆動される部材は、駆動部の回転方向と関係無く一方向にのみ回転可能な連結部材と接続されている。この周知のバネスプリング式駆動部は、接点をシーケンス制御する役割を果たすとともに、特に、サイリスタ式負荷開閉器に適している。
特許文献4は、それぞれ接点支柱を介して二連式レバーと可動可能な形に接続された可動式接点部材を備えた負荷開閉器を記載している。その二連式レバーには、カムローラーが固定されている。そのローラーは、円板カム上のスロット形状のカムと係合している。その円板カムと接続されたシャフトが回転することによって、カムローラーがカムの上を動き、それが、二連式レバーの位置のずれとそれによる接点部材の開閉を引き起こしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ特許第10050821号明細書
【特許文献2】国際特許公開第2007/042088号明細書
【特許文献3】国際特許公開第89/08924号明細書
【特許文献4】ドイツ特許公開第1613646号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、操作シャフトの回転方向に関係無く、二つの終端位置の間における信頼できる機械的かつ電気的な接点動作を実行する、確実な動作の機械式スイッチ接点を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題は、独立請求項に記載された内容によって実現される。本発明の有利な改善構成の特徴は、従属請求項から得られる。本発明は、本課題を実現するために、特に、タップ付変成器の負荷タップ切換器に使用することができる、接点の遮断、接点の開閉又は接点の転換のための機械式スイッチ接点を提案する。この機械式スイッチ接点は、互いに独立して動く、それぞれ二つの終端位置の間を旋回可能である、電気を通す形で相互接続された少なくとも二つの接点、接点構造群又は接点フィンガー集合体を備えており、それらは、それぞれ複式レバー継手を介して、回転可能な切換シャフトと連動する形で接続されており、そのシャフトは、巡回する案内ジブによって、複式レバー継手を操作して、それと連動して接点又は接点構造群の位置をずらず役割を果たす。
【0010】
そのような本発明による機械式スイッチ接点は、遮断スイッチ又は転換スイッチとして構成されており、例えば、タップ付変成器において、大きな負荷を加えることが可能である信頼できる機械的かつ電気的な転換切換を実行するように動作する。この場合、有利には、両方の旋回可能な接点又は接点フィンガー集合体は、回転可能な切換シャフトに対して平行に配置された通電されている共通のシャフトに軸支されている。しかし、任意選択により、接点又は接点フィンガー集合体は、それと異なる形で、例えば、前記の軸に対して垂直に軸支することもできる。更に、両方の旋回可能な接点又は接点フィンガー集合体の各々には、接点として構成された通電されている別個の機械式のストッパーが対応しており、そのストッパーは、遮断スイッチ、開閉スイッチ又は転換スイッチをそれぞれ切り換えるべき終端位置を構成する。
【0011】
本発明による機械式スイッチ接点は、確実な動作の電気開閉スイッチ又は転換スイッチを提供し、その切換フィンガーは、回転する湾曲ジブ又は円板カムによって強制的に駆動され、そのため非常に正確かつ確実に制御することができる、詳しくは、湾曲ジブ又は円板カムの回転方向に関係無く、その湾曲した構造に応じて制御することができる。多くの用途において、例えば、高圧電力領域における周知のタップ切換器又は負荷開閉器等の場合と同様に、往復運動による駆動部ではなく、開閉スイッチ又は転換スイッチの回転する、場合によっては、方向に関係の無い操作動作を活用できることが特に有利である。
【0012】
更に、機械式スイッチ接点の第一の終端位置では、第一の接点構造群又は第一の接点フィンガー集合体が、それに対応する通電されている機械式ストッパーに当接して、通電されている共通のシャフトとそのストッパーの間の通電接続を形成する一方、第二の接点構造群又は第二の接点フィンガー集合体は、それに対応する通電されている機械式ストッパーから引き離されるものと規定することができる。そのような両方の接点フィンガー集合体が独立して旋回することによって、両方の切換端子を同時に接触させない転換動作を実現できることを保証することができる。即ち、機械式スイッチ接点の第二の終端位置では、第一の接点フィンガー集合体は、それに対応する通電されている機械式ストッパーから引き離される一方、第二の接点フィンガー集合体は、それに対応する通電されている機械式ストッパーに当接して、通電されている共通のシャフトとそのストッパーの間の通電接続を形成する。
【0013】
この切換シャフト、それと
回転ずれしない形で接続された円板形状の案内ジブ及び接点フィンガー集合体と案内ジブの間に配置された複式レバー継手によって、接点フィンガー集合体は、所望の通り各終端位置の間を旋回する。そのため、両方の接点フィンガー集合体は、選択的に互いに機械的に連結される。円板形状の案内ジブ又はカム円板に配置された運動軌道の湾曲形態に応じて、接点フィンガー集合体は、僅かに互いに遅れて旋回可能であり、それに応じて切換可能であり、そのため、短い切換時間の間に、先ずは一方の接点フィンガー集合体の通電接点を閉じた後、他方の接点フィンガー集合体の通電接点を開いて、一回の切換プロセスは終了する。
【0014】
前述した通り、接点フィンガー集合体又は接点構造群は、切換シャフトの回転方向に関係無く操作可能であり、そのため、繰り返し回転運動した場合に、その切換シャフトは、それぞれ両方の接点フィンガー集合体の同じ、或いは異なる旋回運動を引き起こすことができる。これらの案内ジブは、有利には、それぞれ切換シャフトと
回転ずれしない形で接続された円板に配置されており、それぞれ各複式レバー継手を操作するためのボルトを案内し、円板が切換シャフトと一緒に回転した場合に、相応の形状の操作ジブ又は案内ジブによって、このボルトの位置をずらすことができる。本発明の実施形態では、各複式レバー継手の片側をフレーム又は筐体に固定された形で軸支された第一のレバーが、案内ジブに沿ってスライドするボルトを有し、その自由端を接点フィンガーと旋回可能な形で係合された第二のレバーと連結することができる。このボルトは、有利には、フレーム又は筐体に固定された軸受けと第一のレバーの自由端の間に配置されており、そのため、案内軌道部の変位が小さい場合でも、各接点フィンガー集合体を旋回させるのに足りる充分なレバー動作を実現することができる。
【0015】
前述した通り、両方の接点フィンガー集合体又は接点構造群は、切換シャフトの回転方向を変更すること無く、開閉スイッチ、遮断スイッチ又は転換スイッチとして繰り返し操作することができる。従って、本発明による機械式スイッチ又は転換スイッチは、一つの方向に対して複数回切り換えることができる。この切換シャフトは、例えば、ステップギヤ機構を介して、固定したステージ構成を保証できるように、既存の回転駆動部と連結することができる。
【0016】
更に、湾曲ジブ又は円板カムを好適に実現、構成することによって、接点を開く行程でも、駆動シャフトの回転角に関しても、ほぼ任意の切換角度及び切換傾斜を実現することができる。
【0017】
更に、ここで詳しく説明しなかった変化形態は、同様に実現できる三相構成を規定する。そのような三相構成では、複数の接点フィンガー集合体をそれぞれ共通の連接シャフト上に軸支して、各連接シャフトに配分することができる。
【0018】
以下において、次に説明する図面を用いた実施例に基づき本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による機械式スイッチ接点の実施形態の模式的な斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下で説明する実施例は、本発明を制限するものと解釈せず、本発明による機械式スイッチ接点の機能を説明する役割を果たすものと解釈すべきである。
図1〜4の模式図は、特に、タップ付変成器の負荷タップ切換器において使用できる、転換切換用の機械式スイッチ接点10を図示している。この実施例に図示された機械式スイッチ接点10は、それぞれ二つの終端位置の間を旋回可能である、通電されている形で相互接続された二つの接点フィンガー12と14を備えており、それらの接点フィンガーは、それぞれ複式レバー継手16を介して、回転可能な切換シャフト18と連動する形で接続されている。この切換シャフト18の上方と下方には、通電されている共通のシャフト20に旋回可能な形で軸支された接点フィンガー12と14が配置されており、それらの間には、それぞれ複式レバー継手16を案内し、動かす役割を果たす複数の円板カム22a,22b,22cが配置されている。そのために、円板カム22a,22b,22cは、それぞれ複式レバー継手16を回動自在に連結させた、それと連動して接点フィンガー12と14の位置をずらす役割を果たす、巡回する案内ジブ24を備えている。
【0021】
この図示された機械式スイッチ接点10は、転換スイッチ又は遮断スイッチとして構成されており、そのため、両方の旋回可能な接点フィンガー12と14は、通電されてい形で接続されるとともに、共通のシャフト20に軸支されている。このシャフト20は、回転可能な切換シャフト18に対して平行に配置されている。更に、両方の旋回可能な接点フィンガー12と14の各々には、それぞれ切り換えるべき終端位置を構成する通電されている別個の機械式のストッパー26と28が配備されている。即ち、上方の接点フィンガー12は、第一のストッパー26に対応して、第一の切換位置で、そのストッパーに当接して通電し、そのため、シャフト20と第一のストッパー26の間の通電接続を形成する。下方の接点フィンガー14は、第二のストッパー28に対応し、第二の切換位置で、そのストッパーに当接して通電し、そのため、シャフト20と第二のストッパー28の間の通電接続を形成する。
図1〜4に図示された第二の切換位置では、第一の接点フィンガー12は、第一のストッパー26から引き離されている一方、第二の接点フィンガー14は、第二のストッパー28と当接している。それに対して、(ここでは図示されていない)転換切換プロセスの間に、両方の接点フィンガー12と14は、短い時間それに対応する接点ストッパー26又は28と当接し、そのため、この転換スイッチは、短い時間二つの接点を閉じていた。
【0022】
任意の方向への切換シャフト18の回転、それと連動した円板カム22とそこに配置された案内ジブ24の回転、並びにそれによって引き起こされる接点フィンガー12,14と案内ジブ24の間に配置された複式レバー継手16の旋回運動によって、接点フィンガー12と14は、所望の通りそれぞれの終端位置の間を旋回する。両方の接点フィンガー12と14は、案内ジブ24を介して、互いに機械的に連結されている。円板カム22に配置された案内ジブ24及びそれにより形成される運動軌道の湾曲形態に応じて、接点フィンガー12と14は、僅かに互いに遅れて旋回可能であり、それに対応して切換可能であり、そのため、短い切換時間の間に、先ずは一方の接点フィンガー12の通電接点が閉じられた後、他方の接点フィンガー14の通電接点が開かれて、一回の切換プロセスが終了する。
【0023】
図2〜4に図示された固定フレーム30は、シャフト20及びストッパー26と28、並びにそれと接続された、或いはそれに軸支された可動部分を繋止及び軸支する役割を果たている。
図4により、特に、相互接続された複数のレバー32と34から構成される複式レバー継手16の動きが明らかとなる。各複式レバー継手16の片側をフレーム又は筐体に固定された形で軸支された長い方のレバー32は、案内ジブ24に沿ってスライドするボルト36を有し、そのボルトは、レバーの固定フレーム30との旋回可能な繋止部よりもレバーの自由端38の近くに配置されている。長い方のレバー32の自由端38には、シャフト42を介して、短い方のレバー34が軸支されており、そのレバーの他方の端部は、接点フィンガー14と旋回可能な形で係合している。このボルト36は、案内軌道24の位置のずれが小さい場合でも、接点フィンガー14を旋回させるのに足りる充分なレバーの動きを実現できるように、フレーム又は筐体に固定された軸受け40と長い方のレバー32の自由端38の間に配置されている。上方の接点フィンガー12は、相応の手法で同様の構成及び寸法の複式レバー継手16を介して、その継手に対応する案内軌道24と連結されており、そのため、回転方向に対して互いにずれた同様の形態の案内軌道24によって、両方の接点フィンガー12と14の所望のずれた旋回運動を引き起こすことができる。
【0024】
図示された通り、接点フィンガー12と14は、切換シャフト18の回転方向に関係無く操作可能であり、そのため、切換シャフト18は、繰り返し回転運動した場合に、それぞれ両方の接点フィンガー12と14の同じ形態の旋回運動を引き起こす。本発明による機械式スイッチ接点10は、確実な動作の機械式転換スイッチを提供し、その切換フィンガー12,14は、回転するシャフト18と円板カム22によって、強制的に案内され、そのため、非常に正確かつ確実に制御することができる、詳しくは、シャフトの回転方向に関係無く制御することができる。
【0025】
両方の接点フィンガー12と14は、図示されている通り、切換シャフト18の回転方向を変えること無く、繰り返し遮断スイッチ、開閉スイッチ又は転換スイッチとして動作することができる。従って、本発明による機械式転換スイッチは、一つの方向に対して複数回切り換える、或いは開閉することができる。切換シャフト18は、例えば、ステップギヤ機構を介して、固定したステージ構成を保証できるように、既存の回転駆動部と連結することができる。