特許第5744247号(P5744247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744247
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/14 20060101AFI20150618BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20150618BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20150618BHJP
   G03G 15/22 20060101ALI20150618BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20150618BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   G03G21/14
   G03G21/00 370
   G03G15/20 505
   G03G21/00 574
   G03G15/22 103Z
   B41J2/01 501
   B41J2/01 305
   G03G15/00 510
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-6290(P2014-6290)
(22)【出願日】2014年1月16日
(62)【分割の表示】特願2010-23458(P2010-23458)の分割
【原出願日】2010年2月4日
(65)【公開番号】特開2014-112244(P2014-112244A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2014年1月16日
(31)【優先権主張番号】61/150,262
(32)【優先日】2009年2月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/150,263
(32)【優先日】2009年2月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/699,286
(32)【優先日】2010年2月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】井口 健
(72)【発明者】
【氏名】田口 浩之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 稔
(72)【発明者】
【氏名】高木 修
(72)【発明者】
【氏名】樺井 隆人
(72)【発明者】
【氏名】兼古 佳明
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−181883(JP,A)
【文献】 特開平06−099644(JP,A)
【文献】 特開2001−302954(JP,A)
【文献】 特開2006−347049(JP,A)
【文献】 特開2009−143231(JP,A)
【文献】 特開平10−123890(JP,A)
【文献】 特開2002−006701(JP,A)
【文献】 特開2010−271555(JP,A)
【文献】 特開2010−100044(JP,A)
【文献】 特開平06−332339(JP,A)
【文献】 特開平07−234624(JP,A)
【文献】 特開平07−239590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/14
B41J 2/01
G03G 15/00
G03G 15/20
G03G 15/22
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱することによりシート上に定着される第1の着色剤を用いてシートに画像を形成する第1の画像形成部と、
所定の消色温度まで加熱することによって消色可能な第2の着色剤を用いてシートに画像を形成する第2の画像形成部と、
前記第1の画像形成部にて画像を形成されたシートを加熱しながら挟持搬送することにより該画像を該シート上に定着させる定着処理を実行するとともに、前記第2の着色剤により画像を形成されたシートを前記所定の消色温度まで加熱することによって該シート上の前記第2の着色剤を消色する消色処理を実行可能な定着器と、
前記定着器にて加熱処理を施されたシートを前記第2の画像形成部まで搬送し、該シートに前記第2の画像形成部による画像形成処理を行わせるシート搬送動作を実行可能なシート搬送部と、
前記定着器にて前記加熱処理を施されたシートに対して前記第2の画像形成部による画像形成処理を施す場合に、該シートが前記定着器から前記第2の画像形成部に到達するまでに要する所要時間が、所定の冷却時間以上経過するように、前記定着器にて加熱処理を施されたシートが前記第2の画像形成部に到達するまでの間に、該シートのシート搬送動作を一時停止させるように前記シート搬送部による搬送動作を制御する処理制御部と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
請求項に記載の装置において、
前記第2の画像形成部は、シート搬送方向における、前記定着器よりも下流側であり且つ前記画像形成装置におけるシート搬送を行う最終段の搬送ローラよりも上流側に配置される画像形成装置。
【請求項3】
請求項に記載の装置において、
前記第1の画像形成部よりもシート搬送方向上流側に配置され、前記第1の画像形成部に対してシート供給する第1のシート供給部と、
前記第2の画像形成部よりもシート搬送方向上流側に配置され、前記第2の画像形成部に対してシート供給する第2のシート供給部と、
を備える画像形成装置。
【請求項4】
加熱することによりシート上に定着される第1の着色剤を用いてシートに画像を形成する第1の画像形成部と、
所定の消色温度まで加熱することによって消色可能な第2の着色剤を用いてシートに画像を形成する第2の画像形成部と、
前記第1の画像形成部にて画像を形成されたシートを加熱しながら挟持搬送することにより該画像を該シート上に定着させる定着処理を実行するとともに、前記第2の着色剤により画像を形成されたシートを前記所定の消色温度まで加熱することによって該シート上の前記第2の着色剤を消色する消色処理を実行可能な定着器と、
前記定着器にて加熱処理を施されたシートを前記第2の画像形成部まで搬送し、該シートに前記第2の画像形成部による画像形成処理を行わせるシート搬送動作を実行可能であり、且つ前記定着器にて前記消色処理を施されたシートを前記第2の画像形成部まで搬送するシート搬送路中に、前記消色処理を施されたシートをスタックするとともに、該スタックしたシートを前記シート搬送路に再供給することが可能なシート搬送部と、
前記定着器にて前記加熱処理を施されたシートに対して前記第2の画像形成部による画像形成処理を施す場合に、該シートが前記定着器から前記第2の画像形成部に到達するまでに要する所要時間が、所定の冷却時間以上経過するように、前記定着器にて前記加熱処理を施されたシートが前記第2の画像形成部に到達するまでの間に、該シートを前記スタック部にスタックさせ、該スタックしたシートを前記第2の画像形成部まで搬送させるように前記シート搬送部による搬送動作を制御する処理制御部と、を備える画像形成装置。
【請求項5】
請求項に記載の装置において、
前記第2の画像形成部は、シート搬送方向における、前記定着器よりも下流側であり且つ前記画像形成装置におけるシート搬送を行う最終段の搬送ローラよりも上流側に配置される画像形成装置。
【請求項6】
請求項に記載の装置において、
前記第1の画像形成部よりもシート搬送方向上流側に配置され、前記第1の画像形成部に対してシート供給する第1のシート供給部と、
前記第2の画像形成部よりもシート搬送方向上流側に配置され、前記第2の画像形成部に対してシート供給する第2のシート供給部と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書は、定着器によりシートに着色剤を加熱定着させる画像形成機能と、加熱によって消色可能な着色剤を用いてシートに画像を形成する画像形成機能とを併せもつ画像形成装置において、定着器により画像を消色させたシートに対する、上記消色可能な着色剤を用いた正常な画像形成処理を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーをシートに加熱定着させて画像を形成する画像形成機能とインクジェット方式によってシートに画像を形成する画像形成機能とを併せ持つ画像形成装置が知られる。
【0003】
また、上記インクジェット方式で画像形成を行う画像形成機能については、加熱することにより消色させることができるインクを使用した構成も知られる。
このように加熱により消色可能な画像を形成したシートを、消色して再利用するために、当該消色可能な画像を形成した装置に備わっている定着器により加熱することで消色する構成が知られる。
【0004】
画像形成装置には低コスト化や省スペース化を目的として、トナーを加熱定着する処理と前記消色性インクの画像を加熱して消色するための処理とを、一つの定着器を兼用することにより実現する構成が知られている(例えば、特許文献1および2を参照。)。
また、消色性インクで画像形成されたシートに対して定着器にによる消色処理を施した後、当該加熱消色されたシートに対して消色性インクによる画像形成処理を施す構成が知られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、定着器にて加熱することにより消色された直後のシートは非常に高温であり、このように高温な消色直後のシートに対して消色性インクによる画像形成処理を施そうとしても、消色性インクが当該消色直後のシートがもつ熱によって消色されてしまい、画像形成処理が正常に行えない場合があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、定着器によりシートに着色剤を加熱定着させる画像形成機能と、加熱によって消色可能な着色剤を用いてシートに画像を形成する画像形成機能とを併せもつ画像形成装置において、定着器により画像を消色させたシートに対する、上記消色可能な着色剤を用いた正常な画像形成処理を可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、この明細書は、加熱することによりシート上に定着される第1の着色剤を用いてシートに画像を形成する第1の画像形成部と、所定の消色温度まで加熱することによって消色可能な第2の着色剤を用いてシートに画像を形成する第2の画像形成部と、前記第1の画像形成部よりもシート搬送方向下流側であり且つ前記第2の画像形成部よりもシート搬送方向上流側に配置され、前記第1の画像形成部にて画像を形成されたシートを加熱しながら挟持搬送することにより該画像を該シート上に定着させる定着処理を実行するとともに、前記第2の着色剤により画像を形成されたシートを前記所定の消色温度まで加熱することによって該シート上の前記第2の着色剤を消色する消色処理を実行可能な定着器と、を備える画像形成装置に関する。
【0008】
この明細書は、加熱することによりシート上に定着される第1の着色剤を用いてシートに画像を形成する第1の画像形成部と、所定の消色温度まで加熱することによって消色可能な第2の着色剤を用いてシートに画像を形成する第2の画像形成部と、前記第1の画像形成部にて画像を形成されたシートを加熱しながら挟持搬送することにより該画像を該シート上に定着させる定着処理を実行するとともに、前記第2の着色剤により画像を形成されたシートを前記所定の消色温度まで加熱することによって該シート上の前記第2の着色剤を消色する消色処理を実行可能な定着器と、前記定着器にて前記消色処理を施されたシートを前記第2の画像形成部まで搬送し、該シートに前記第2の画像形成部による画像形成処理を行わせるシート搬送動作を実行可能なシート搬送部と、前記定着器にて前記消色処理を施されたシートに対して前記第2の画像形成部による画像形成処理を施す場合に、該シートが前記定着器から前記第2の画像形成部に到達するまでに要する所要時間が、所定の冷却時間以上経過するように、前記シート搬送部による搬送動作を制御する処理制御部と、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0009】
以上に詳述したように、本発明によれば、定着器によりシートに着色剤を加熱定着させる画像形成機能と、加熱によって消色可能な着色剤を用いてシートに画像を形成する画像形成機能とを併せもつ画像形成装置において、定着器により画像を消色させたシートに対する、上記消色可能な着色剤を用いた正常な画像形成処理を可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態による画像形成システムの概略構成を示す縦断面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態による画像形成装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
図3】本発明の第2の実施の形態による画像形成装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
図4】定着器2にて消色処理を施されたシートを、第2の画像形成部5に到達するまでの間に一時停止させている状態を示す図である。
図5】本発明の第3の実施の形態による画像形成装置100bについて説明するための縦断面図である。
図6】本発明の第3の実施の形態による画像形成装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明の第3の実施の形態による画像形成装置100cの構成について説明するための縦断面図である。
図8】スタック部34の構成の詳細について説明するための縦断面図である。
図9】スタック部34の構成の詳細について説明するための縦断面図である。
図10】スタック部34の構成の詳細について説明するための縦断面図である。
図11】本発明の第4の実施の形態による画像形成装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による画像形成システムの概略構成を示す縦断面図である。
【0013】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態による画像形成システムは、画像形成装置(MFP:Multi Function Peripheral)100aと、フィニッシャ200とを備えている。
【0014】
フィニッシャ200は、画像形成装置100aにて画像形成されたシート等の画像形成装置100aから排出されるシートに対して、所定の後処理を施す機能を有している。ここで、「所定の後処理」としては、例えば、ステイプル処理、パンチ処理、折り処理、ソート処理、製本処理などが挙げられる。
画像形成装置(MFP:Multi Function Peripheral)100aは、第1の画像形成部1、定着器2、カセット31〜33、反転搬送路4、第2の画像形成部5、シート供給ローラ701〜703、搬送ローラ704〜711、排出ローラ712、フラッパf1、温度情報取得部S、CPU801(処理制御部)、メモリ802、表示部803および操作入力部804を備えている。
【0015】
以下、画像形成装置100aが備える各構成要素について詳細に説明する。
第1の画像形成部1は、加熱することによりシート上に定着される第1の着色剤を用いてシートに画像を形成する。ここでの第1の着色剤とは、例えば、トナーが挙げられる。
第2の画像形成部5は、所定の消色温度まで加熱することによって消色可能な第2の着色剤を用いてシートに画像を形成する。
具体的に、本実施の形態では、第2の画像形成部5は、インクジェット方式によりシートに画像を形成する。したがって、ここでの第2の着色剤としては、インクジェット方式による画像形成に利用される「消色性インク」が採用される。
もちろん、第2の画像形成部5にて採用可能な画像形成方式は、インクジェット方式に限られるものではなく、例えば、いわゆる電子写真方式を採用することも可能であることは言うまでもない。なお、第2の画像形成部5にて電子写真方式を採用する場合、第2の画像形成部5にて利用される第2の着色剤としては、例えば「消色性トナー」を用いる。
【0016】
第2の画像形成部5は、シート搬送方向における、定着器2よりも下流側であり且つ画像形成装置におけるシート搬送を行う最終段の排出ローラ712よりも上流側に配置される。
定着器2は、第1の画像形成部1よりもシート搬送方向下流側であり且つ第2の画像形成部5よりもシート搬送方向上流側に配置されている。
定着器2は、第1の画像形成部1にてトナー像を形成されたシートを加熱しながら挟持搬送することにより該画像を該シート上に定着させる「定着処理」を実行することができる。
【0017】
また、定着器2は、消色性インクにより画像を形成されたシートを所定の消色温度(例えば、80℃)まで加熱することによって該シート上の消色性インクを消色する消色処理を実行することができる。
【0018】
カセット31〜33(第1のシート供給部に相当)は、シート搬送方向において第1の画像形成部1よりも上流側に位置しており、それぞれが所定枚数のシートを積載保持可能である。また、カセット31〜33は、それぞれが互いに異なるサイズのシートを保持することも可能となっている。カセット31〜33に保持されるシートは、シート供給ローラ701〜703によってピックアップおよび分離され、シート搬送路に一枚ずつ供給される。搬送ローラ704〜706は、シート供給ローラ701〜703によってシート搬送路に供給されたシートを第1の画像形成部1まで搬送する。
【0019】
このように、本実施の形態による画像形成装置100aにおけるシート搬送路では、カセット31〜33からシート搬送路に供給されるシートを、第1の画像形成部1、定着器2および第2の画像形成部5の順に経由するように搬送する構成となっている。このような構成により、カセット31〜33から供給されるシートに対し、第1の画像形成部1および第2の画像形成部5の双方による画像形成を可能とすることができる。また、このような構成により、定着器2にて定着処理を施されたシートを第2の画像形成部5を経由して装置外に排出させるシート搬送動作を実行することができる。
【0020】
反転搬送路4は、第1の画像形成部1により第1面にトナー像を形成されたシートを表裏反転し、さらに当該シートの第2面に対して第1の画像形成部1による画像形成処理を施す際に利用される。反転搬送路4内におけるシート搬送は、CPU801により駆動制御される搬送ローラ707〜710によって行われる。
フラッパf1は、第1の画像形成部1を通過したシートを、第2の画像形成部5に向かうシート搬送路に向かわせるか、反転搬送路4に向かわせるか、を切り替える役割を有している。フラッパf1による搬送方向の切り替え動作は、CPU801により制御される。
【0021】
搬送ローラ711は、フラッパf1により第2の画像形成部5に向かうシート搬送路に向かうように導かれたシートを、挟持搬送し、第2の画像形成部5へ向けて搬送する。
排出ローラ712は、第2の画像形成部5を通過したシートを画像形成装置100aの装置外に排出する役割を有している。排出ローラ712は、画像形成装置100aにおける最終段のローラであり、本実施の形態で示す画像形成システムでは、排出ローラ712により排出されるシートは、フィニッシャ200に受け渡される。
また、シート供給ローラ701〜703、搬送ローラ704〜711、排出ローラ712およびフラッパf1が協働して、「シート搬送部」としての機能が実現される。これらシート供給ローラ701〜703、搬送ローラ704〜711、排出ローラ712およびフラッパf1は、それぞれがCPU801によって個別に駆動制御可能となっている。
【0022】
上述のような構成の「シート搬送部」は、CPU801による駆動制御により、定着器2にて「消色処理」を施されたシートを第2の画像形成部5まで搬送し、該シートに第2の画像形成部5による画像形成処理を行わせるシート搬送動作を行わせることができる。
温度情報取得部Sは、定着器2の温度に関する情報を取得する。例えば、温度情報取得部Sを、温度センサ等により実現する場合、「定着器2の温度に関する情報」は、例えば、定着器2を構成する加熱ローラおよび加圧ローラの内の少なくともいずれかのローラ面の表面温度の測定値となる。もちろん、温度情報取得部Sによって取得される情報は、温度測定値そのものである必要はなく、温度測定値に対応する電圧値や電流値であってもよい。
【0023】
CPU801(処理制御部)は、画像形成装置における各種処理を行う役割を有しており、またメモリ802に格納されているプログラムを実行することにより画像形成装置100aに備わる種々の機能を実現する役割も有している。
具体的に、CPU801(処理制御部)は、定着器2にて「消色処理」を施されたシートに対して第2の画像形成部5による画像形成処理を施す場合に、該シートが定着器2から第2の画像形成部5に到達するまでに要する所要時間が、所定の冷却時間以上経過するように、シート搬送部による搬送動作を制御する。
メモリ802は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、VRAM(Video RAM)等から構成されることができ、画像形成装置において利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。
【0024】
続いて、本実施の形態による画像形成装置の動作および処理の流れについて説明する。
ここでは、定着器2にて消色処理を施したシートをそのまま第2の画像形成部5に搬送し、当該消色処理を施した直後のシートに対して第2の画像形成部5による画像形成処理を施す場合について説明する。
【0025】
消色処理を施すために定着器2を通過した直後のシートはまだ高温の状態であり、このように高温の状態であるシートに対して第2の画像形成部5にて消色性インクによる画像形成処理を行っても、シート自体がもつ熱によってインクが消色されてしまう。そこで、本実施の形態では、以下のような処理の流れにより、上記問題を解決している。
【0026】
図2は、本発明の第1の実施の形態による画像形成装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
CPU801は、シート搬送部を構成する各搬送ローラを駆動制御し、カセット31〜33の内のいずれかから消色処理の対象となるシートを定着器2まで搬送する(ACT101)。
続いて、定着器2にてシートに対して消色処理を施す(ACT102)。このとき、定着器2の温度は例えば80℃以上となるように制御されている。
【0027】
次に、CPU801は、シート搬送部を構成する各搬送ローラを駆動制御して、定着器2にて消色処理を施されたシートが、定着器2から排出されてから第2の画像形成部5に到達するまでの時間が所定の冷却時間を越えるように、シート搬送速度を通常よりも減速させた状態でシート搬送を行わせる(ACT103)。
このようにして、消色処理を施されたシートが第2の画像形成部5に到達するまでの所要時間を、シートが消色性インクを消色させない程度の温度まで冷却されるような時間とすることにより、当該消色処理を施されたシートは、消色性インクによる画像形成を行う上で問題のない温度状態で第2の画像形成部5に到達する。
【0028】
そして、第2の画像形成部5は、シートに対する消色性インクによる画像形成処理を施す(ACT104)。
なお、定着器2から排出されてから第2の画像形成部5に到達するまでのシートの搬送速度の制御は、例えば、定着器2にて「消色処理」を施されたシートを第2の画像形成部5まで搬送する際のシート搬送区間Dの少なくとも一部における搬送速度を、定着器2にて「定着処理」を施されたシートを第2の画像形成部5まで搬送する際の搬送速度よりも減速させることが望ましい。
【0029】
上記シート搬送速度の減速方法としては、例えば、
(1)シート搬送区間Dの前半部分において減速
(2)シート搬送区間Dの後半部分において減速
(3)シート搬送区間Dの中間部分において減速
(4)シート搬送区間Dの全域において一定速で低速搬送
といった速度分布での搬送が考えられる。
【0030】
もちろん、定着器2から第2の画像形成部5までのシート搬送時間を結果的に長くすることのできる搬送方法であればよく、上記例に限られるものではない。
なお、定着器2による消色処理の対象となるシートの収容場所(消色用シート供給部)としては、例えば、通常のコピー用紙等の用紙カセットとしても使用可能なカセット31〜33の内のいずれかを採用することもできる。
【0031】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本発明の第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の変形例である。以下、第1の実施の形態にて説明した部分と同様な部分については同一符号を付し、説明は省略する。
【0032】
図3は、本発明の第2の実施の形態による画像形成装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。なお、図3におけるACT101、ACT102およびACT104については、図2で示したACT101、ACT102およびACT104と同様であるため、ここではACT103’のみについて説明する。
本実施の形態において、CPU801は、シート搬送部を構成する各搬送ローラを駆動制御して、定着器2にて消色処理を施されたシートを、第2の画像形成部5に到達するまでの間に一時停止させ、十分な冷却時間を確保した上で、当該シートの搬送を再開して第2の画像形成部5へと送る(ACT103’)。
【0033】
図4は、定着器2にて消色処理を施されたシートを、第2の画像形成部5に到達するまでの間に一時停止させている状態を示す図である。
このようにして、消色処理を施されたシートが第2の画像形成部5に到達するまでの所要時間を、シートが消色性インクを消色させない程度の温度まで冷却されるような時間とすることにより、当該消色処理を施されたシートは、消色性インクによる画像形成を行う上で問題のない温度状態(例えば、80℃を下回る温度状態)で第2の画像形成部5に到達する。
【0034】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本発明の第3の実施の形態は、上述した各実施の形態の変形例である。以下、上述した各実施の形態にて説明した部分と同様な機能を有する部分については同一符号を付し、説明は省略する。
【0035】
図5は、本発明の第3の実施の形態による画像形成装置100bについて説明するための縦断面図である。
本発明の第3の実施の形態による画像形成装置100bでは、第2の画像形成部5専用のシート供給部としてのカセット35(第2のシート供給部)が設けられている。このカセット35には、画像形成処理を施されたことのないシートをスタックすることができるのはもちろんのこと、画像形成処理が行われていない間に消色処理を施したシートをスタックしておくこともできる。
【0036】
カセット35は、シート搬送方向における、定着器2と第2の画像形成部5との間にシートを供給する搬送路を備えている。
一般に、第1の画像形成部1にて画像形成処理を実行した直後は、まだ定着器2が高温の状態となっている。したがって、定着処理後すぐに第2の画像形成部5による画像形成を施そうとして、カセット31〜33からシートを供給して第2の画像形成部5にて画像形成を施そうとしても、定着器2を通過する際にシートSが定着器2により加熱されて非常に高温となっているため、第2の画像形成部5による画像形成処理を行ってもすぐに消色性インクが消色してしまう。
【0037】
一方、本実施の形態によれば、カセット35から供給されるシートは定着器2を通過することなく第2の画像形成部5に到達するため、定着器2がまだ高温の状態であったとしても、第2の画像形成部5に搬送されるシートの温度が上昇することはなく、消色性インクによる画像形成処理を正常に施すことができる。
また、通常画像形成装置に備わっているカセット31〜33からのシート供給に比べ、第2の画像形成部5に到達するまでのシート搬送路の曲率をゆるやかな状態とすることができ、記録媒体として厚紙を使用する場合でも、シート詰まり(いわゆる、「ジャム」)の発生を大幅に抑えることができる。なお、インクジェット方式による画像形成処理は、記録ヘッドがシートに触れることがないため、厚紙印刷の場合でも精度が高いという利点がある。
【0038】
また、上述のように、インクジェット方式による画像形成処理はシートに対して非接触であるため、第2の画像形成部5を通過するシートにダメージを与えることはない。そのため、カセット35をインサータとして使用し、第2の画像形成部5にて画像形成処理を施すことなくフィニッシャ200に搬送するようにすれば、綴じ処理やパンチ処理などのフィニッシング処理のみを施すことも可能である。すなわち、CPU801(処理制御部)は、カセット31〜33のいずれかから供給されるシートに対して第1および第2の画像形成部の内のいずれかによる画像形成処理を施す際に、カセット35から供給されるシートを挿し込みシートとして供給させることができる。
【0039】
図6は、本発明の第3の実施の形態による画像形成装置における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、印刷処理を指示されると、CPU801は、当該印刷処理が、トナーによる印刷であるのか、インクによる印刷であるのかを確認する(ACT201)。
トナーによる印刷処理である場合(ACT201,トナー)、CPU801は、シートをカセット31〜33のいずれかから供給させ(ACT207)、第1の画像形成部1による印刷処理を実行させる(ACT208)。
【0040】
一方、インクによる印刷処理である場合(ACT201,インク)、CPU801は、温度情報取得部Sにて取得される情報に基づいて、定着器2の温度が所定温度以上であるか否かを判定し(ACT202)、所定温度未満である場合(ACT202,No)、シートをカセット31〜33のいずれかから供給させ(ACT207)、第2の画像形成部5による印刷処理を実行させる(ACT208)。
一方、定着器2の温度が所定温度以上である場合(ACT202,Yes)、CPU801は、カセット35のシート有無を確認し(ACT203)、カセット35にシートがあったならば(ACT203,Yes)カセット35からシート供給を行い(ACT205)、第2の画像形成部5による印刷処理を実行させる(ACT208)。
【0041】
また、カセット35にシートが存在しなかった場合(ACT203,No)、CPU801は、画像形成サイクルに遅延時間を設定し(ACT204)、定着器2の電源をOFFにする(ACT110)。そして、温度情報取得部Sにて取得される情報に基づいて、定着器2の温度が所定温度未満になるまで待機し(ACT206,Yes)、その後にカセット31〜33のいずれかからシート供給を行い(ACT207)、第2の画像形成部5による印刷処理を実行させる(ACT208)。そして、次に処理すべきシートがあったならば(ACT209,Yes)、処理を繰り返す。
なお、ここでの「所定温度」とは、当該「所定温度」である状態の定着器2を通過したシートが第2の画像形成部5に到達した際に、該シートの温度が所定の消色温度(例えば、80℃)を下回るような温度である。
【0042】
本フローチャートでは、ACT202にて、定着器2の温度が所定値未満であった場合にカセット31〜33からのシート供給を優先する例を挙げているが、これに限られるものではなく、例えば、カセット35にシートがある場合にはカセット35からのシート供給を優先させるようにしてもよい。
上述のような構成によれば、トナーによる印字処理を施して定着装置が高温になっている場合においても、即座に消色性インクによる印字処理を開始することができる。
【0043】
(第4の実施の形態)
続いて、本発明の第4の実施の形態について説明する。
本発明の第4の実施の形態は、上述した各実施の形態の変形例である。以下、上述した各実施の形態にて説明した部分と同様な機能を有する部分については同一符号を付し、説明は省略する。
【0044】
図7は、本発明の第4の実施の形態による画像形成装置100cの構成について説明するための縦断面図である。
【0045】
第4の実施の形態による画像形成装置100cは、上述の第1の実施の形態による画像形成装置100aの構成に加えて、スタック部34およびフラッパf2をさらに備えている。
【0046】
図8図10は、スタック部34の構成の詳細について説明するための縦断面図である。
ここでのスタック部34は、定着器2にて「消色処理」を施されたシートを第2の画像形成部5まで搬送するシート搬送路中に配置されており、「消色処理」を施されたシートをスタックするとともに、該スタックしたシートをシート搬送路に再供給することが可能となっている。
また、スタック部34は、シート搬送方向における定着器2よりも下流側であり且つ第2の画像形成部5よりも上流側の位置にシートを供給する。
本実施の形態におけるスタック部34は、トレイ34t、トレイアップモータ34u、シート供給ローラ713、ピックアップローラソレノイド34s、レバー34Lおよび給紙/排紙モータ34mを備えている。また、シート供給ローラ713は、ピックアップローラ713a、給紙/排紙ローラ713bおよび分離ローラ713cを備えている。
【0047】
トレイアップモータ34uは、トレイ34tの底面をレバー34Lにより押し上げることによりトレイ34tを上昇させ、レバー34Lを下方に退避させることによりトレイ34tを下降させる。トレイアップモータ34uは、CPU801により駆動制御され、スタック部34からのシート供給時にはトレイ34tを上方に押し上げ(図9を参照)、その他スタック部34内へのシート受け入れ時には下方に下げておく(図10を参照)。
ピックアップローラソレノイド34sは、ピックアップローラの上下動の駆動源となっている。ピックアップローラソレノイド34sをONにするとピックアップローラ713aは下降する。
【0048】
給紙/排紙モータ34mは、給紙/排紙ローラ713bとピックアップローラ713aの駆動源となっている。給紙/排紙モータ34mを正方向に回転させると、スタック部34内からシート搬送路へのシート供給が行われる。
ピックアップローラ713aは、給紙/排紙モータ34mにより回転駆動され、ピックアップローラソレノイド34sにより上下動を制御されている。
給紙/排紙ローラ713bは、通常はワンウェイクラッチを備えており一方向にしか回転しないが、本実施の形態による画像形成装置では、スタック部34内からのシート排出と、スタック部34内へのシート受け入れの双方を行う必要があるため、両方向に回転可能となっている。
【0049】
分離ローラ713cは、駆動源を有していない従動ローラである。分離ローラ713cは、スプリングジョイントを備えており、図8に示すA方向に付勢されている。そのためスタック部34内からシートを排出する際には、分離ローラとしての役割を果たす。ただし、スタック部34内にシートを受け入れる際には、分離ローラとしての役割を果たすことはできず、ただの従動ローラとして機能する。
なお、スタック部34にシートが積載されている場合には、印刷処理実行時にはスタック部34から優先的にシート供給させるようにしてもよい。
【0050】
図11は、本発明の第4の実施の形態による画像形成装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
本実施の形態では、印刷処理を施す際にスタック部34に積載されているシートを使用するか、通常のカセット31〜33のいずれかに保持されているシートを使用するかを選択可能となっている。
ここで、例えば、優先的に使用するシート供給部としてスタック部34を選択したものとする。またこの場合に、スタック部34にスタックされているシートの枚数よりも印刷処理に使用するシートの枚数が多い場合には、スタック部34からのシート供給を優先して行わせ、スタック部34のシートを全て使用した後に、カセット31〜33のシートを使用するように自動で切り替えることとする。また、ここでは、カセット33は消色処理を施すべきシートを収容する専用カセットとして使用されるものとする。
【0051】
すなわち、本実施の形態においては、CPU801(処理制御部)は、スタック部34にてスタックされているシート枚数が1枚以上である場合には、第2の画像形成部5による画像形成処理には、カセット31および32から供給されるシートよりもスタック部34から供給されるシートを優先的に使用させる。
また、CPU801(処理制御部)は、スタック部34のシートを用いて第2の画像形成部5にて画像形成処理を実行させる場合に、該画像形成処理の対象となるシート枚数がスタック部34におけるスタック枚数よりも多い場合には、スタック部34に保持されているシートを全て使用した後に、カセット31〜33のいずれかから供給されるシートを使用させる。
【0052】
また、CPU801(処理制御部)は、第1の画像形成部1による画像形成処理を実行する場合に、予め設定されている設定内容に基づいて、カセット31〜33およびスタック部34の内のいずれから供給されるシートを使用するかを選択する。なお、ここでの「設定内容」は、ユーザが画像形成装置に通常備わる操作入力部等を用いて操作入力を行うことによって設定される内容であってもよいし、画像形成装置の出荷時にデフォルトで設定されている内容であってもよい。
CPU801は、指示された印刷方式がトナーを用いる印刷処理である場合(ACT301,トナー)、カセット31からシート供給を行わせ(ACT302)、第1の画像形成部1による画像形成処理を実行させる(ACT308)。
一方、指示された印刷方式がインクを用いる印刷処理である場合(ACT301,インク)、CPU801は、スタック部34にシートが収容されているか否かを判定する(ACT303)。
【0053】
CPU801は、スタック部34にシートが積載されていれば(ACT303,Yes)、スタック部34から供給されるシートに対して(ACT304)第2の画像形成部5による画像形成処理を行わせる(ACT308)。
また、スタック部34にシートが積載されていなければ(ACT303,No)、CPU801は、例えばカセット33に収容されている「消色処理」待ちのシートを供給させ(ACT305)、当該シートに対して定着器2による「消色処理」を実行させる(ACT306)。
【0054】
上述のようにして「消色処理」を施されたシートは、「消色処理」によって高温となっており、そのままでは第2の画像形成部5による画像形成処理に支障をきたすおそれがある。よって、CPU801は、定着器2から排出されてから第2の画像形成部5に到達するまでのシート搬送路上において、適切な温度に下がるまで一時待機させる(ACT307)。そして、上記一時待機によって十分に温度が下がったシートを、第2の画像形成部5に送り、消色性インクによる画像形成処理を実行させる(ACT308)。
【0055】
なお、第2の画像形成部5にて消色性インクによる画像形成処理を実行する場合、当該画像形成処理の直前に第1の画像形成部1による画像形成処理が行われていると、高温となっている定着器2の熱の影響を受けることが懸念される。このような場合、第2の画像形成部5に対するシート供給をスタック部34から行えば、定着器2の熱の影響を受けることがない。
上述の印刷処理(ACT308)の実行後、CPU801は、次の印字処理の対象となるシートがない場合(ACT309,No)、スタック部34が満杯であるか否かを判定する(ACT310)。
満杯でない場合(ACT310,No)には、CPU801は、「消色処理」待ちのシートを収容するカセット33にシートがあるかを判定する(ACT311)。
そして、カセット33にシートがあった場合(ACT311,Yes)、定着器2の温度が所定の消色温度(例えば、80℃)以上であれば(ACT312,Yes)、カセット33からシート供給を行い(ACT313)、定着器2にて消色処理を実行させる(ACT314)。
【0056】
すなわち、CPU801(処理制御部)は、定着器2による「消色処理」を実行させる場合に、定着器2による「定着処理」が完了してから所定時間経過する前に、定着器2に対して消色性インクにより画像を形成されたシートを搬送させる。
そして、定着器2にて消色処理を施されたシートは、スタック部34に収容される。そして、スタック部34に収容されたシートは、次に第2の画像形成部5にて画像形成処理が実行される際に、第2の画像形成部5に供給される(ACT304)。
このように、CPU801(処理制御部)は、定着器2にて消色処理を施されたシートが第2の画像形成部5に到達するまでの間に、該シートをスタック部34にスタックさせ、該スタックしたシートを第2の画像形成部5まで搬送させる。
【0057】
上述のような構成によれば、消色処理を施した後にシートを待機させることが可能であるため、シートを十分に冷却させる時間を確保することができ、第2の画像形成部5による画像形成に不具合を生じることがない。また、無駄な待ち時間を生ずることなく、連続的に消去可能なインクによる印字処理を施すことができる。
また、画像形成処理により加熱された定着部の温度が低下する前に、その熱を利用して消色処理を施すことにより、省電力に寄与することができる。
【0058】
なお、上述の実施の形態における、スタック部34にてスタックされているシート枚数である「スタック枚数」の判定は、例えば、スタック部34に不図示のセンサ等を配置することにより実現してもよいし、スタック部34にて受け入れたシート枚数とスタック部34から排出したシート枚数との差分をCPU801(スタック枚数判定部)により算出することにより実現することもできる。
【0059】
上述の画像形成装置での処理における各動作は、メモリ802に格納されている画像形成処理制御プログラムをCPU801に実行させることにより実現されるものである。
更に、画像形成装置を構成するコンピュータにおいて上述した各動作を実行させるプログラムを、画像形成処理制御プログラムとして提供することができる。本実施の形態では、発明を実施する機能を実現するための当該プログラムが、装置内部に設けられた記憶領域に予め記録されている場合を例示したが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様のプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、回線上の伝送媒体などが挙げられる。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0060】
なお、プログラムは、その一部または全部が、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
【0061】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0062】
100a 画像形成装置 、1 第1の画像形成部、2 定着器、31〜33 カセット、4 反転搬送路、5 第2の画像形成部、701〜703 シート供給ローラ、704〜711 搬送ローラ、712 排出ローラ、f1 フラッパ、S 温度情報取得部、801 CPU(処理制御部)、802 メモリ、803 表示部、804 操作入力部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開平5-127571号公報
【0064】
【特許文献2】特開平6-301315号公報
図2
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図6
図11
図1
図4
図5
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図8
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