【実施例】
【0030】
図1は、本発明の実施例の概略構成を示すシステム図である。
【0031】
図1において、パインアップル葉茎廃棄物の処理システム100は、演算装置1、刈り取り手段9、収穫手段11、肥料製品形成手段13、飼料製品形成手段15、活性炭用原料製品(炭)形成手段17および熱量回収手段19から構成され、演算装置10にそれぞれのデータを通信信号10、12、13,16.18,20として通信する。
【0032】
演算装置1は、パソコンから構成され、演算処理手段31とデータベース32とから構成され、演算処理手段31は、通信手段35、この通信手段35と情報の授受がなされる茎切断設定手段33および形成肥料区分け情報生成手段34、画像表示手段36を備える。データベース32は、各種のデータを格納する。これらのデータには、パインアップル自体の構成と成分、パインアップ実の収穫状況、廃棄物としての回収状況、パインアップル畑構成と広さ、その住所、・地主・所有者、農家、施政者、本システムを運営する運営主催者とこれらの人々との間で取り交わされた契約内容、パインアップル収穫情報、パインアップル廃棄物情報、パインアップル作付情報、市況情報、肥料散布状況等が格納され、更新される。また、演算処理プログラムが格納される。この演算処理プログラムには、還元のためのパインアップル施肥料等価量換算方式プログラムが含まれる。また、データベース32には、
・パインアップル畑の広さ(ha)
・一平方当たりのパインアップル葉茎の株数
・一株重さの平均値(kg)
・歩留り率(典型的には15%)
・希望施肥料量(kg/m
2)
が格納される。
【0033】
各手段の通信信号10、12、14、16、18、20は、演算処理手段31の通信手段35に取り込まれる。
【0034】
刈り取り手段9は、上部葉茎刈り取り手段および下部葉茎刈り取り手段からなる。
【0035】
収穫手段11は、上部葉茎収穫手段および下部葉茎収穫手段からなる。
【0036】
肥料製品形成手段13は、肥料用原料生成手段および肥料形成手段からなり、肥料形成手段は、発酵工程を備えている。
【0037】
飼料製品形成手段15は、飼料用原料生成手段および飼料形成手段からなる。飼料形成手段は、乾燥工程を備えている。
【0038】
演算処理手段31の茎切断設定手段33は、パインアップル畑還元用の還元回収長さl、上下方向の切断方向および切断面位置を設定することが出来る。
【0039】
演算処理装置31は、例えば葉茎刈り取り機が、起立する当該パインアップルの茎を、根元を除いて1回で切断し、上部葉部を刈り取り上部葉茎廃棄部となし、次に下部を刈り取り下部葉茎廃棄部となし、下部茎部廃棄物を還元回収肥料とする。以下、上部の葉部廃棄部を上部葉茎部、下部の葉茎部廃棄物を下部葉茎部と称して説明する。下部根元を切断する場合を含めて、パインアップル葉茎は、通常1回切断される。
【0040】
画面表示手段36は、各手段で取得されたパインアップル情報を画面に表示する。
【0041】
図3に示されるように、パインアップル畑に生育するパインアップル葉茎(i)は、まずパインアップル実が収穫される。パインアップル畑にパインアップル実が収穫された後の状態で起立するパインアップルは、設定された切断面を切断され、刈り取られる。根元の部分の切断し、根の部分を抜根することの処理を行ってもよいが、この方法であると処理コストが発生する。本実施例でいう地表上に設定された切断面切断は起立状態で通常1個である。
【0042】
茎切断設定手段33は、パインアップル畑にパインアップル実が収穫された後の状態で起立するパインアップル葉茎を上部葉茎部および下部葉茎部に切断するに際して用いられる2つの設定情報を生成する。肥料用原料生成工程で生成された肥料用原料を肥料として当該パインアップル畑に還元する予め定めたパインアップル施肥料等価量計算から、パインアップル畑還元用パインアップル長さおよび切断面設定し、パインアップル畑還元用パインアップル長さ・切断面情報とする(ii)。
【0043】
この時に、パインアップル葉茎の還元回収長さは、切断面位置設定に先立って設定されるのがよい。パインアップル葉茎の還元回収長さlを決め、切断面位置をパインアップル畑の地表(すなわち根元部)からこの還元回収長さlのところに設定すると、葉茎処理が簡便化される。
【0044】
切断面位置は、地表から還元回収長さl以下に設定される。地表から還元回収長さl以上のところに設定されると、葉茎の下方部に付着した下部葉茎が長くなって、上部葉茎が短くなって、上部葉茎からの製品回収量が少なくなる。
【0045】
根元付近部分のパインアップル葉茎の回収部分は、畑の土が付着しているので、肥料部分の原料とされ、肥料その他の原料とすることは品質の保持上避ける。
【0046】
パインアップル葉茎の還元回収長さが演算され、地表から還元回収長さ以下の位置にパインアップル葉茎の切断面位置が設定される。還元回収長さと同一である位置に設定されると、刈り取り量を側収穫量とできる便利さがある。すなわち葉茎処理が簡単になる。
【0047】
なお、予め定める還元率、量についての契約は、紙に書いて取り交わした時ばかりでなく、口頭での約束、行政庁の指導による場合をも含むものとする。要は、このシステムの管理者あるいはパインアップル農家それぞれが単独で決めた事項ではなく、両者によってあるいは更に第三者が加わることで決められた合意の事項ということである。また、切断面位置は、階段状に予め設定された位置から選択されるようにしてもよく、予めマップ形式によって、データベースに格納した場合において、選択した位置であってもよい。
【0048】
切断面位置情報に従ってパインアップルの茎は切断され、刈り取られ(iii)、この切断に伴って上部葉茎部が収穫される(iv)。上部葉茎部が収穫されたパインアップルの茎の下部は依然として畑に起立しており、抜根され、下部葉茎部の取得がなされる。取得された下部葉茎部そのままで、あるいは還元回収長さに調整されて下部葉茎部の収穫がなされる(v)。パインアップル畑還元用パインアップル長さの葉茎部相当分の肥料製品分は、契約に従って、例えば無償にて元の畑にあるいは同等の面積の他のパインアップル畑にパインアップル有機肥料として還元される(vi)。このようにパインアップル畑にパインアップル有機肥料を還元することは、他の有機肥料を施肥するよりもコスト上、施肥効果上有効である。
【0049】
下部葉茎部が、パインアップル有機肥料とされ、上部葉茎部が動物の飼料その他の原料とされる。パインアップル有機肥料に他の肥料が混ぜられることがある。下部葉茎には、雨に影響されて畑の土が付着する。このため、下部葉茎を動物の飼料、その他の原料とすることは適切ではないが、肥料とすることに何らの障害は発生しない。したがって、根元付近の葉茎は、肥料の原料とすることになる。この根元部の範囲を外せば、切断面は任意に設定できるが、地表(根元)から還元回収長さlを含んで、lから下方に切断面位置が設定される。lから下方に切断面位置が設定された時に、下部葉茎部の収穫量が設定された重量よりも少なくなるので、上部葉茎部刈り取り量から分割調整することになる。
【0050】
葉茎部収穫手段の上部葉茎収穫手段は、刈り取られた葉茎について、パインアップル畑還元用パインアップル長さを確保して、収穫する。
【0051】
取得された切断面位置情報に基づいてパインアップル葉茎を切断面位置で切断し、細切れに破砕して、上部葉茎部を刈り取る上部葉茎部刈り取りがなされ、地表に残ったパインナップル葉茎の全体から、下部葉茎部の取得がなされる。破棄される部分はない。
【0052】
下部葉茎部がパインアップル葉茎の還元回収長さを持つ時には分割調整することなくそのままに、持たない時には刈り取られた上部葉茎部の一部が分割されて、刈り取られた下部葉茎部に混合されてパインアップル葉茎を持つように分割調節され、収穫される還元回収長さを持つ下部葉茎部が収穫されおよび還元回収長さが除外された部分からなる上部葉茎部が収穫され各収穫量とされる。
【0053】
肥料用原料製品生成手段13は、収穫された下部葉茎部を発酵装置で所定の温度で発酵させて肥料用の原料製品を生成する。所定の温度とは、通常の場合、大気温度である。パインアップル葉茎は、発酵に要する糖分、水分および発酵菌を十分に備える。パインアップル葉茎を自然発酵させたような場合には、温度は約60℃に達する。この60℃以内において低温加熱してもよい。しかしながら、パインアップ葉茎を自然発酵させることで十分であり、加熱する必要はない。パインアップル葉茎に付着した発酵菌による自然発酵で十分であり、好気性菌の添加材を加えることを要しない。添加材を加える必要がないということであって、添加材を加えることがあってはならないということではない。
【0054】
肥料製品形成手段13は、肥料用原料製品から、単独であるいは他の有機材料を混合させるなどして肥料製品を形成する。発酵処理が終了すると、下部葉茎部の破砕体は、そのまま肥料製品として出荷され、施肥することができる。
【0055】
収穫された上部葉茎部原料を乾燥装置で乾燥させ、乾燥された葉茎部を第1の原料、第2の原料に分け、一方の原料が飼料用原料、他方の原料が活性炭用原料とされる。区分け比率は任意である。
【0056】
飼料製品形成手段15は、分けられた一方の原料を取り込み、飼料製品原料とする手段である。
【0057】
飼料製品形成手段5は、飼料用製品原料を形成する。高温処理装置に導入して所定の温度で高熱処理し、単独であるいは他の飼料と混合して飼料製品を生成する。
【0058】
活性炭用原料製品形成手段17は、分けられた他方の原料を取り込み、活性炭用原料製品とする手段である。
【0059】
活性炭用原料製品形成手段17は、炭化工程を備えており、活性炭用原料を炭化装置に導入して所定の温度で炭化処理して製品である活性炭の原料となる炭を形成する。
【0060】
熱量回収手段19は、活性炭用原料形成工程の炭化工程で発生した高温ガスを、飼料製品形成手段の乾燥工程に備えられた乾燥機および肥料製品形成工程の発酵工程に使用される発酵用プールに投入してこれら工程の熱源とする手段である。
【0061】
演算装置1は、次に示す機能を備える。
【0062】
葉茎刈り取り機が当該パインアップルの茎を刈り取って、上部葉茎部および下部葉茎部とするときに上部葉茎部および下部葉茎部から各種製品の原料を形成する情報を形成する。
【0063】
パインアップル実が収穫された後に地表に起立するインアップル葉茎について、パインアップル葉茎の一部を有機肥料としてパインアップル畑に還元することを予め定められた還元率に基づいて、予め定めた演算式を用いてパインアップル葉茎の還元回収長さを演算してパインアップル葉茎の還元回収長さを取得し、地表から還元回収長さ以下の位置に設定されたパインアップル葉茎の切断面位置情報を取得するパインアップル葉茎の還元回収長さおよび切断位置情報を取得する。
【0064】
取得された切断面位置情報に基づいてパインアップル葉茎を切断面位置で刈り取り、細切れに破砕して、上部葉茎部刈り取り情報を取得する。
【0065】
地表に残ったパイン
アップル葉茎から、下部葉茎部を取得し、下部葉茎取得情報を取得する。
【0066】
下部葉茎部がパインアップル葉茎の還元回収長さを持つ時には調整されることなくそのままに、持たない時には刈り取られた上部葉茎部の一部が分割されて、取得された下部葉茎部に混合されて還元回収長さを持つように調節され、収穫される還元回収長さ下部葉茎部および還元回収長さが除外された部分が上部葉茎部収穫量とされる上下葉茎部収穫情報を取得する。
【0067】
収穫された還元回収長さの下部葉茎部を発酵装置で撹拌、自然発酵させてパインアップル肥料を生成するパインアップル肥料生成情報を取得するパインアップル肥料生成情報を取得する。
【0068】
パインアップル肥料生成工程で生成されるパインアップル肥料生成量に同等の量の既成のパインアップル肥料をパインアップル畑に還元されるパインアップル還元回収アップル飼料として確保するパインアップル還元回収肥料確保情報を取得する。
【0069】
そして、各手段で取得されたパインアップル情報を画面に表示する画面表示手段、を備える。
【0070】
形成肥料区分け情報生成手段34は、生成された肥料製品をパインアップル畑還元用パインアップル長さの茎部相当分の肥料製品分とその他の肥料製品分とに区分けする。インアップル畑還元用パインアップル長さの茎部相当分の肥料製品分の区分けは、予め定めた契約に従ってなされ、例えば無償にて元の畑に有機肥料として還元される。還元施肥される時に、刈り取り、収穫、発酵処理がなされて肥料となったもの自体が実際に刈り取ったパインアップル畑と同一のパイナップル畑に戻されるわけではない。この直接戻し方式を採用したのでは、発酵肥料化に要する日数のために施肥が遅くなる。このため。次のパインアップルの苗木に植え付け、生育が遅くなる。本実施例では、パインアップル肥料生成工程で生成されるパインアップル肥料生成量に同等の量の既成のパインアップル肥料をパインアップル畑に迅速に還元させるパインアップル還元回収アップル飼料として確保するパインアップル還元回収肥料確保工程、を備える。これによって、パインアップル肥料生成量に同等の量の既成のパインアップル肥料が速やかにパインアップル畑に還元されることになる。また、この工程によって、パインアップル葉茎を用いて製造したパインアップル肥料がパインアップル畑に還元されたと同等の処理がなされたことになる。この工程の実現は、還元回収長さ・切断面の予めの設定に伴って速やかになされる。
【0071】
図1に示すシステム図ではすべての手段が通信手段を介して演算装置1に接続され、すべてのデータが演算処理手段32に取り込まれる例を示したが、このような手段によらない構成によっても本発明を実施することが出来る。
【0072】
図4は、その例を示す。
【0073】
図4は、演算装置1の演算処理手段31が上下葉茎部収穫手段11Aの操作データを取得し、操作データに基づいて上下葉茎部収穫手段11Aが操作される例を示す。演算処理手段31は、
図1に示すと同様に、還元回収長さlの設定、切断面位置の設定、肥料用葉茎量確保情報の生成機能を備える。上下葉茎部収穫手段11Aは、演算処理手段31に取得された情報に用いることで、切断面位置切断、上下分割方式による刈り取りがなされる。刈り取られた上下の葉茎は、設定された地表からの高さ位置(地表からL内にある。)あるいは還元回収長さlに位置が切断面位置とされたことのいずれかに基づいて、肥料用葉茎量確保情報の生成がなされ、この情報が用いられることで、還元用肥料原料の収穫がなされる。切断面が還元回収長さl内に設定されたときには、不足が生じているので刈り取られた上部葉茎部が分割され、分割分が補充調整されて還元用肥料原料の収穫がなされ、切断面が還元回収長さl上に設定された時には、刈り取られた下部葉茎量が即還元用肥料原料の収穫量となる。このようにして還元用肥料が確保(11B)される。
【0074】
演算処理によって還元回収長さlの設定に従って、還元用肥料が確保(11B)される方法について説明する。
【0075】
その前に、切断面設定について説明する。
図5は、切断面設定方法を示す。切断面位置は、接地面すなわち地表(地面)から上部に向かって設定する場合(i)還元回収長さlが設定される。(ii)還元回収長さl内に切断面位置が設定される。この場合、地表からの所定長さは確保される。(iii)還元回収長さl上に切断面が設定される。
【0076】
切断面位置が(ii)に従って設定された場合、刈り取られた下部葉茎部が還元回収長さlを充足していない。このような場合、下部葉茎部で還元回収長さlを補償できないことになるので、上部葉茎部の一部を分割して、下部葉茎部に加え、還元回収長さlを確保する。
【0077】
<等価量算定方程式>
この方程式は、どの高さで(地面接地部から)葉茎を切断して刈り取れば、その刈り取った畑の面積に還元するに必要な量のパインアップル有機肥料が製造できるのか? と言う「地表からの刈り取り高さ=X」を算出する方程式である。
X. 地表からの刈り取り高
a. 刈り取り面積(m
2)
b. 施肥面積(m
2)
c. パインアップル有機肥料の一平米あたりの希望施肥量(kg)
d. パインアップル有機肥料の総施肥量(kg)
e. パインアップル有機肥料の生葉茎に対する歩留率15%
f. 平米あたりのパインアップルの株数
g. パインアップル一株あたりの平均重量(kg)
X = d (= b × c)÷ e ÷ a ÷ f ÷ g となる。
【0078】
例えば、畑の面積が1haで刈り取り面積(作付されている面積)が 0.8ha の場合、しかし作付面積だけでなく畑の中の小道も含めて全体(1ha)に施肥したい場合で、希望施肥量 1kg/m
2、平米あたりのパインアップルの株数が平均8 株で一株あたりの重量が平均 2.5kgのケースでは、
X =10,000m
2 × 1kg ÷ 0.15 (15%) ÷ 8,000m
2 ÷ 8株 ÷ 2.5kg = 0.417 となる。
【0079】
これは、地表から上部に向かって全体の長さの地面から 41.7% の所から切断して刈り取ってくださいということになる。
【0080】
ちなみに、これが刈り取り面積だけに施肥すればよい、となると、
X = 8,000m
2 × 1kg ÷ 0.15 (15%) ÷ 8,000m
2 ÷ 8株 ÷ 2.5kg = 0.333 となり、地表から上部に向かって全体の長さの 33.3% の所から切断して刈り取ってくださいということになる。これは、パインアップル葉茎全体長さの1/3に該当する。したがって切断面位置は、例えばパインアップル葉茎全体長さの地面から1/3の位置に設定される。切断面位置は、階段的に設定された内の一つの段階の数値としてもよい。
【0081】
上記「地表から上部に向かって全体の長さ」について説明する。
【0082】
まず、有機肥料の製造にあたって葉茎のどの部分(上部か下部)を使用したいのかによって計測の起点が違ってくる。
【0083】
次に、「全体の長さL」の定義について説明する。
【0084】
パインアップル一株の高さを 、突き出て湾曲した葉の一番高い部分、あるいは真っ直ぐ伸びた葉の一番高い頂点の部分、あるいは茎の頂点 ではなく、「最上部の葉の茎との付け根の部分」と定義した。したがって、ここで言うところのパインアップル葉茎の全体の長さLとは、地表から最上部の葉と茎の付け根の部分までの長さ ということになる。
【0085】
根元の地表から最上部の葉の茎との付け根の部分までの長さが“L”をなす。茎は、上方に行くにつれて細くなっており、同じ重量のものを確保する時に、上方に行くにつれて長さが長くされる。重量と長手方向の長さとは経験則から容易に算定され得る。
【0086】
上述したように、切断面設定工程、上部葉茎部収穫工程および下部葉茎部収穫工程が形成される。
【0087】
パインアップル畑にパインアップル廃棄物として残ったパインアップル葉茎について、切断面設定がなされる。設定方法については、上述した。最初に、パインアップル葉茎は、設定された切断面位置で切断され、上部葉茎部の収穫がなされる。次に、根元が取得され、下部葉茎部の収穫がなされる。収穫された上部葉茎部、下部葉茎部は、そのパインアップル畑全体について予め設定された予測値に基づいて収穫量が推測される。次に収穫に基づく還元率が想定される。この還元率は、パインアップル畑にパインアップルを栽培する農家と管理者との間で締結された合意に基づいて定まる。その時に、対称のパインアップル畑における上部葉茎部、下部葉茎部の収穫量、還元率等価量算定方程式は、演算処理装置31のデータベース32に格納される。
【0088】
図6は、葉茎刈り取り機60がパインアップル葉茎を切断、破砕している状況を示す図である。
【0089】
葉茎刈り取り機60は、パインアップル葉茎を切断する手段62と切断されたパインアアップル葉茎を破砕する手段63からなり、破砕されたパインアップル葉茎は、トラック62に載積される。葉茎刈り取り機60は,自走可能であり、刈り取り刃部64を上下に調整することが出来る。葉茎刈り取り機60は、パインアップル数条にわたって刈り取ることができる。
【0090】
図7は、破砕された上部葉茎および破砕された下部葉茎部を示す図である。
【0091】
図7(i)は、上部葉茎が破砕砕された状態を示し、
図7(ii)は、下部葉茎が破砕砕された状態を示す。
【0092】
図8は、切断面位置を設定するフローチャートを示す。
【0093】
図8において、刈り取った畑の面積に還元するに必要な量のパイナップル有機肥料が製造できるかが判断される(S1)。
製造されると判断される場合には次のステップとなる。判断されない場合には、判断されるまで必要な量の有機肥料が繰り返して検討される。
【0094】
パインアップル農家とパインアップル葉茎廃棄物管理者との間で契約が締結され、還元回収率がデータ化される(S2)。
【0095】
畑への還元率が設定され、還元回収長さlが設定される(S3)。
切断面位置の設定がなされる(S4)。
上下分割方式による上部葉茎の刈り取りによる取得、刈り取り後の下部葉茎の取得指示情報を作成する(S5)。この指示は、電子伝送方式に従って収穫手段11(上下葉茎部収穫手段11A)に伝えられる。
【0096】
上部葉茎部の収穫工程Aおよび下部葉茎部の収穫B工程が設定される(S6,S7)。
下部葉茎部の収穫工程Bの場合、下部葉茎部取得、収穫がなされ(S8)、この収穫情報が記録されると、還元回収パインアップル有機肥料の提供がこのシステムを管理者から運営する管理者からパインアップル畑の農家になされ、下部葉茎部収穫に伴う還元回収パインアップル有機肥料に提供がなされる(S9)。これによってパインアップル畑への施肥(S10)がなされ、パインアップル葉茎廃棄物の還元リサイクルルートが完結する。
【0097】
還元回収パインアップル有機肥料還元情報は、
図1における収穫手段11、肥料製品形成手段13、飼料製品形成手段15、活性炭用製品形成手段17および熱量回収手段19からの通信によって取得される情報に比べて格段に早く、パインアップル畑への施肥は早くなされることになる。
【0098】
各通信を用いることで、パインアップル還元リサイクルルートを随時監視することが出来る。
【0099】
図9は、製品製造プロジェックト工程表を示す。
【0100】
図9において、処理工程は、収穫工程Aおよび収穫工程Bからなる。収穫工程Aおよび収穫工程Bになることについては、
図8に示す例で説明した。
【0101】
収穫工程Aは、上部葉茎部についての処理工程であり、収穫工程Bは、下部葉茎についての処理工程を示す。上部葉茎部原料部分からは製品として、飼料、ペットフード原料、活性炭用原料が形成される。下部は茎部原料部分からは製品としてパインアップル有機肥料が形成される。
【0102】
収穫工程Aにおいて、上部葉茎部は、汎用刈り取り機である葉茎稈収穫機により刈り取られ、破砕され、吹き出してトラックに積載され、飼料用原料とされる。
【0103】
飼料用原料は、工場に搬入され、乾燥キルン用ホッパーへ投下される。
【0104】
乾燥工程が設定されており、投下された葉茎原料は、乾燥され、乾燥後、乾燥葉茎Aおよび乾燥葉茎Bに分けられる。
【0105】
乾燥葉茎Aは、二つに分けられ、一方の飼料用原料は、製粉工程に導かれて飼料用製品として梱包され、ペットフード原料として出荷される。
【0106】
他方の飼料用原料は、そのまま通常の飼料用製品として梱包され、飼料として出荷される。
【0107】
乾燥葉茎Bは、活性炭用原料製品生成工程に導かれる。活性炭用原料製品生成工程は、炭化装置を備え、炭化工程を実行し、炭の生成することが出来る。炭化工程の実行に伴って排熱が生じる。排熱は、回収され、排熱回収工程が形成される。
【0108】
炭化工程の実行によって炭が生成され、活性炭用原料製品として梱包されて、出荷される。活性炭製品には、還元剤用、脱臭剤用、中和剤用、土壌改良材用、吸収材用炭化物が含まれる。
【0109】
この例では、乾燥葉茎Aを二つに分けているが、分けることなく、飼料用製品および活性炭用原料製品のいずれかを生産するようにしてもよい。乾燥葉茎Aを三つ以上の工程に分割するようにすることもできる。
【0110】
熱回収工程で回収された排熱は、乾燥工程の乾燥熱源として使用される。
【0111】
収穫工程Bにおいて、下部葉茎部は、破砕され、トラックに積載され、肥料料用原料とされる。
【0112】
肥料用原料は、工場に搬入され、発酵用プールへ投下される。
【0113】
この工程は、発酵工程を備え、投下された肥料用原料の発酵を行う。発酵機(発酵装置)の熱源として、活性炭用原料製品生成工程の排熱回収工程で回収された排熱が用いられる。
【0114】
発酵機により撹拌して発酵を促進し、例えば40日で完熟発酵させる。その後に梱包して有機肥料として出荷される。肥料製品が形成される。
【0115】
本発明の実施例によれば、パインアップル葉茎の還元長さおよび切断面位置情報が取得され、パインアップル畑に還元する予め定めた等価量から、パインアップル畑還元用パインアップル長さが演算され、当該長さに等価する既に製造済みのパインアップル有機肥料がパインアップル畑に確実に迅速に還元される。例えば、少なくても発酵期間の40日待って施肥されることがなく、直ちに施肥されるようにすることが出来、還元が迅速である。発酵期間が、例えば6カ月になるような場合には、更に大きなメリットとなる、製造済みのパインアップル有機肥料が確実に蓄積される。これによって、パインアップル畑に直接的にパインアップルの葉茎を大量に埋め込まないようにすることがなされ、これによって、畑の酸性化が防止される。パインアップル葉茎の還元長さおよび切断面位置情報に基づいてパインアップルの葉茎の処理を行うことが出来、パインアップルの葉茎を畑に還元してパインアップル畑を改良するに適した処理を行うことが出来、廃棄物のパインアップル畑への還元に際してコスト増を招くことなく行うことが出来、パインアップル生産事業者にとって直ちに次のパインアップル育成を行うことが出来るという大きなメリットになるパインアップル葉茎廃棄物の処理方法、この方法に用いられる演算装置およびパインアップル葉茎廃棄物の処理システムが提供される。