特許第5744335号(P5744335)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5744335拡張物理ダウンリンク制御チャネルのための干渉除去方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744335
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】拡張物理ダウンリンク制御チャネルのための干渉除去方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20150618BHJP
【FI】
   H04J15/00
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-525507(P2014-525507)
(86)(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公表番号】特表2014-527766(P2014-527766A)
(43)【公表日】2014年10月16日
(86)【国際出願番号】IB2012001570
(87)【国際公開番号】WO2013024336
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2014年4月9日
(31)【優先権主張番号】201110236651.7
(32)【優先日】2011年8月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シャオボ
(72)【発明者】
【氏名】スン,フアン
【審査官】 彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/083986(WO,A2)
【文献】 国際公開第2011/120429(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/034358(WO,A2)
【文献】 NTT DOCOMO,TP for TR36.814 on reference signal structure,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #59 R1-094961,フランス,2009年11月,Pages 1-3
【文献】 Pantech,The aperiodic sounding using non-precoded DMRS,3GPP TSG RAN1 #66 R1- 112289,フランス,2011年 8月22日,Pages 1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張物理ダウンリンク制御チャネルE−PDCCHのための干渉除去方法であって、
(1)異なる直交カバーリング・コードOCC系列を異なるセルおよび/または異なるユーザに割り当てるステップと、
(2)ユーザ機器がPDCCH上の干渉を除去できるように、1つのPDCCHを構成する複数の制御チャネル要素CCEを、それぞれセル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列と組み合わせるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(2)が、
前記ユーザ機器が前記PDCCH上の前記干渉を除去できるように、1つのPDCCHを構成する前記複数のCCEに、それぞれ前記セル固有のOCC系列および/または前記ユーザ固有のOCC系列を乗じるステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つのPDCCHを構成する前記複数のCCEに、次の関数により、それぞれ前記セル固有のOCC系列および/または前記ユーザ固有のOCC系列を乗じる:
[CCE CCE … CCE]→[CCE・s CCE・s … CCE・s
ここで、CCEは、アグリゲーション・レベルNを有するn番目のCCEに入るPDCCHデータを示し、[s … s]は前記OCC系列を示す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
拡張物理ダウンリンク制御チャネルE−PDCCHにおいて直交カバーリング・コードOCCを割り当てるための方法であって、
すべての利用可能なOCC系列をL個のグループに分割し、各OCC系列グループが1つのセルに割り当てられるステップと、
前記各OCC系列グループをK個の系列に分割し、各系列が1人のユーザに割り当てられるステップとを含み、
前記OCC系列が直交系列であるとき、L・K=N、前記OCC系列が準直交系列であるとき、L・K>N、ここでNは、PDCCHのアグリゲーション・レベルを示す、方法。
【請求項5】
次の式に従って、対応するOCC系列グループをターゲット・セルに割り当て:
G=Mod(cellID,L)またはMod(cellID+SFN,L
次の式に従って、対応するOCCをターゲット・ユーザに割り当てる:
U=Mod(P,K
ここで、Gは前記ターゲット・セルに対応する前記OCC系列グループを示し、cellIDは前記ターゲット・セルの識別子を示し、SFNはシステム・フレーム番号を示し、Uは前記ターゲット・ユーザに対応する前記OCC系列を示し、Pは前記ターゲット・ユーザに割り当てられた復調基準信号のアンテナポートのインデックスを示す、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記OCC系列が直交系列であるとき、隣接セルの同じ時間−周波数リソースの前記アグリゲーション・レベルが異なり、
前記OCC系列が直交系列であるとき、複数のユーザの前記アグリゲーション・レベルが異なる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記OCC系列の数が限られるとき、ターゲット・ユーザがブラインド検出により対応するOCC系列を取得する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
(1)セル中心のユーザ機器に対して、Kを増やし、Lを減らすステップと、
(2)セル端のユーザ機器に対して、Lを増やし、Kを減らすステップと
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
拡張物理ダウンリンク制御チャネルE−PDCCHのための干渉除去装置であって、
異なる直交カバーリング・コードOCC系列を異なるセルおよび/または異なるユーザに割り当てるように構成された割当デバイスと、
ユーザ機器がPDCCH上の干渉を除去できるように、1つのPDCCHを構成する複数の制御チャネル要素CCEを、それぞれセル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列と組み合わせるように構成された組合せデバイスと
を含む、装置。
【請求項10】
前記組合せデバイスが、前記ユーザ機器が前記PDCCH上の前記干渉を除去できるように、1つのPDCCHを構成している前記複数のCCEに、それぞれ前記セル固有のOCC系列および/または前記ユーザ固有のOCC系列を乗じるように構成された、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
1つのPDCCHを構成している前記複数のCCEに、次の関数によりそれぞれ前記セル固有のOCC系列および/または前記ユーザ固有のOCC系列を乗じる:
[CCE CCE … CCE]→[CCE・s CCE・s … CCE・s
ここで、CCEは、アグリゲーション・レベルNを有するn番目のCCEに入るPDCCHデータを示し、[s … s]はOCC系列を示す、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
拡張物理ダウンリンク制御チャネルE−PDCCHにおいて直交カバーリング・コードOCCを割り当てるための装置であって、
すべての利用可能なOCC系列をL個のグループに分割するように構成された第1の割当デバイスであって、各OCC系列グループが1つのセルに割り当てられる、第1の割当デバイスと、
前記各OCC系列グループをK個の系列に分割するように構成された第2の割当デバイスであって、各系列が1人のユーザに割り当てられる、第2の割当デバイスとを含み、
前記OCC系列が直交系列であるとき、L・K=N、前記OCC系列が準直交系列であるとき、L・K>N、ここで、Nは、PDCCHのアグリゲーション・レベルを示す、装置。
【請求項13】
前記第1の割当デバイスが、次の式に従って、対応するOCC系列グループをターゲット・セルに割り当てるように構成され:
G=Mod(cellID,L)またはMod(cellID+SFN,L
ここで、Gは、前記ターゲット・セルに対応する前記OCC系列グループを示し、cellIDは、前記ターゲット・セルの識別子を示し、SFNはシステム・フレーム番号を示し、
前記第2の割当デバイスが、次の式に従って、対応するOCCをターゲット・ユーザに割り当てるように構成される:
U=Mod(P,K
ここで、Uは、前記ターゲット・ユーザに対応する前記OCC系列を示し、Pは、前記ターゲット・ユーザに割り当てられた復調基準信号のアンテナポートのインデックスを示す、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記OCC系列が直交系列であるとき、隣接セルの同じ時間−周波数リソースの前記アグリゲーション・レベルが異なり、
前記OCC系列が直交系列であるとき、複数のユーザの前記アグリゲーション・レベルが異なる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記OCC系列の数が限られているとき、ターゲット・ユーザがブラインド検出により対応するOCC系列を取得する、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのための干渉除去に関し、より詳細には、拡張物理ダウンリンク制御チャネルE−PDCCHのための干渉除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
拡張物理ダウンリンク制御チャネル(E−PDCCH)は、3GPPにおいて、PDCCHのカバレッジおよび容量を拡張するための潜在的な技術的解決法として検討されてきた。E−PDCCHの基本的な要件は、PDCCH上のビームフォーミングをサポートするだけでなく、マルチユーザの多入力/多出力(MU−MIMO)をサポートすることである。しかしながら、これは2つの問題、すなわち、ビームフォーミングによって引き起こされるセル間干渉(ICI)と、マルチユーザの多入力/多出力によって引き起こされるマルチユーザ干渉(MUI)をもたらすことになる。MUIおよびICIの不安定性により、例えば、5ms以内のICIの変化が、一部の帯域幅にわたって20dBを超える可能性があり、これはほとんど予測されることはなく、したがってPDCCHが目標のブロック・エラー・レート(BLER)を保証するように適切なアグリゲーション・レベル(aggregation level)を選択することはほとんど不可能である。
【0003】
目標のブロック・エラー・レートを保証するために、複数の符号化レートが必要とされる可能性があり、そのうちの1つは、制御チャネル要素(CCE)のアグリゲーション・レベルに基づくものである。CCEは、9個のリソース要素グループ(REG)から成り、各リソース要素グループは、4つのリソース要素から成る。先行技術においては、4つのCCEアグリゲーション・レベルが規定されており、すなわち、N=1、2、4、8である。これらの4つのCCEアグリゲーション・レベルは、周期的に、かつ繰り返して符号化するという役割を果たす。しかしながら、eNodeBが次のPDCCH上のMUIおよびICIの規模を予測するのは困難である。したがって、適切なアグリゲーション・レベルを提供して目標のBLERを保証することができない。PDCCHのリソースは非常に重要であるので、適切なアグリゲーション・レベルを選択して、PDCCH上のMUIおよびICIを除去することが求められる。PDCCH上のMUIおよびICIが除去されると、PDCCH上の不安定な干渉の問題は、解決されるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
先行技術に存在する問題を考慮して、本発明の実施形態は、拡張物理ダウンリンク制御チャネルのための干渉除去方法および装置を提供する。
【0005】
本発明の1つの態様によれば、拡張物理ダウンリンク制御チャネルE−PDCCHのための干渉除去方法が提供され、この方法は、
(1)異なる直交カバーリング・コード(orthogonal covering code)OCC系列を異なるセルおよび/または異なるユーザに割り当てるステップと、
(2)ユーザ機器がPDCCH上の干渉を除去できるように、それぞれ1つのPDCCHを構成する複数の制御チャネル要素CCEを、セル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列と組み合わせるステップと
を含む。
【0006】
本発明の別の態様によれば、拡張物理ダウンリンク制御チャネルE−PDCCHにおいて直交カバーリング・コードOCCを割り当てるための方法が提供され、この方法は、
すべての利用可能なOCC系列をL個のグループに分割し、各OCC系列グループが1つのセルに割り当てられることと、
各OCC系列グループをK個の系列に分割し、各系列が1人のユーザに割り当てられることとを含み、
OCC系列が直交系列であるとき、L・K=N、OCC系列が準直交系列であるとき、L・K>N、ここでNは、PDCCHのアグリゲーション・レベルを示す。
【0007】
本発明のさらなる態様によれば、拡張物理ダウンリンク制御チャネルE−PDCCHのための干渉除去装置が提供され、この装置は、
異なる直交カバーリング・コードOCC系列を異なるセルおよび/または異なるユーザに割り当てるように構成された割当デバイスと、
ユーザ機器がPDCCH上の干渉を除去できるように、1つのPDCCHを構成する複数の制御チャネル要素CCEを、それぞれセル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列と組み合わせるように構成された組合せデバイスと
を含む。
【0008】
本発明のさらに別の態様によれば、拡張物理ダウンリンク制御チャネルE−PDCCHにおいて直交カバーリング・コードOCCを割り当てるための装置が提供され、この装置は、
すべての利用可能なOCC系列をL個のグループに分割するように構成された第1の割当デバイスであって、各OCC系列グループが1つのセルに割り当てられる、第1の割当デバイスと、
各OCC系列グループをK個の系列に分割するように構成された第2の割当デバイスであって、各系列が1人のユーザに割り当てられる、第2の割当デバイスとを含み、
OCC系列が直交系列であるとき、L・K=N、OCC系列が準直交系列であるとき、L・K>N、ここでNは、PDCCHのアグリゲート・レベルを示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面に関連する次の説明を通して本発明をさらに理解することにより、本発明の他の目的および効果はさらに明らかに、および理解しやすくなるであろう。
図1】本発明の実施形態によるE−PDCCHのための干渉除去方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施形態によるE−PDCCHにおいてOCCを割り当てるための方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施形態によるセル間のE−PDCCHスケジューリングの概略図である。
図4】本発明の実施形態により低電力信号/ゼロ電力信号を使用することによってICIを減少させることを示す概略図である。
図5】本発明の実施形態により周波数に関連したL、Kを割り当てることを示す概略図である。
図6】本発明の実施形態によるE−PDCCHのための干渉除去装置600のブロック図である。
図7】本発明の実施形態によりE−PDCCHにおいてOCCを割り当てるための装置700のブロック図である。
【0010】
上記の図面のすべてにおいて、同様の参照符号が、同じ、同様の、または対応する特徴または機能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付の図面に関連して本発明の実施形態についてより詳細な説明、および例示を行う。本発明の図面および実施形態は、単に例示の目的であり、本発明の保護範囲を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0012】
添付の図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、および装置の、実装される可能性のあるシステム・アーキテクチャ、機能、および動作を示す。この関連で、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、モジュール、プログラム・セグメント、またはコードの一部を表すことができ、モジュール、プログラム・セグメント、またはコードの一部は、規定された論理関数を実行するための1つまたは複数の実行可能命令を含む。またいくつかの代替的実施において、ブロックに表示される機能が、図面に表示されるものとは異なる順序で行われる可能性もあることに注意すべきである。例えば、2つの連続して示されるブロックは、実際には、関係している機能によって、実質的に並行して、または時には逆の順序で、行われる可能性がある。ブロック図および/またはフローチャート中の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート中のブロックの組合せは、規定された機能または動作を行う専用ハードウェアベースのシステムによって、あるいは専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せによって実行可能であることにも注意すべきである。
【0013】
本発明では、ユーザ機器(UE)は、様々なタイプの端末、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ポータブル・コンピュータなどとすることができる。eNodeBは、基地局またはeNBなどとすることができる。
【0014】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面に関連して本発明の原理を示す特定の実施形態の次の説明によりさらに明らかになるであろう。
【0015】
本発明の実施形態では、PDCCH上のMUIおよびICIを除去するために、制御チャネル要素(CCE)および直交カバーリング・コード(OCC)を使用する。OCCは、干渉を除去するために異なる直交符号を使用する、符号分割多重(CDMA)の概念であることは既に知られている。
【0016】
図1は、本発明の実施形態によるE−PDCCHのための干渉除去方法のフローチャートを示す。図1に示すように、ステップ101において、eNodeBが、異なる直交カバーリング・コードOCC系列を異なるセルおよび/または異なるユーザに割り当てる。ステップ102において、ユーザ機器がPDCCH上の干渉を除去できるように、1つのPDCCHを構成する複数の制御チャネル要素CCEを、それぞれセル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列と組み合わせる。
【0017】
本発明の1つの実施形態によれば、ステップ102において、ユーザ機器が相関分離演算によりPDCCH上の干渉を除去できるように、1つのPDCCHを構成している複数のCCEに、セル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列をそれぞれ乗じる。
【0018】
本発明の1つの実施形態によれば、次の関数により、1つのPDCCHを構成している複数のCCEに、それぞれセル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列を乗じる:
[CCE CCE … CCE]→[CCE・s CCE・s … CCE・s
ここで、CCEは、アグリゲーション・レベルNを有するn番目のCCEに入るPDCCHデータを示し、[s … s]はOCC系列である。本発明の実施形態では、1つのPDCCH内の複数のCCEが、繰り返して符号化される、すなわち完全に同じである。
【0019】
本発明の1つの実施形態によれば、アグリゲーション・レベルは、N=1、2、4、8である。
【0020】
本発明の1つの実施形態によれば、eNodeBが3または6セルを有する場合、3箇所でICIを除去する必要がある。可変アグリゲーション・レベルを導入することができ、例えばNは、3、6などとすることができる。
【0021】
本発明の実施形態では、eNodeBは、生成したCCE・s、CCE・s、…、CCE・sをUEに送信する。UEは、CCE・s、CCE・s、…、CCE・sを受信した後、相関分離演算を行い、すなわち、CCE・sにsの共役転置を乗じ、CCE・sにsの共役転置を乗じ、CCE・sにsの共役転置を乗じ、その結果CCE、CCE、……、CCEが得られる。次に、CCE、CCE、……、CCEに合成およびチャネルの復号を行う。
【0022】
上記の実施形態では、1つのPDCCHの複数のアグリゲートされるCCEの位置は、比較的固定しているべきである。伝統的なPDCCHでは、1つのCCEが、複数のPDCCHに属する可能性があり、これは、PDCCHのブロッキング・レートにある程度の影響を与える可能性がある。しかしながら、アグリゲートされたCCEが比較的固定していることにより、ブラインド復号の回数を減らすことができ、MU−MIMO送信の間、OCC系列を乗じることによってPDCCHの潜在的に増大するブロッキング・レートを相殺することができる。
【0023】
一般的には、本発明の実施形態によるOCCベースの解決法は、主として狭帯域のCCE構造を対象とする。(スクランブルされたリソース要素グループを使用する)分散したCCEと比べると、狭帯域のCCE構造はより高いビームフォーミング利得を得ることができる。
【0024】
周波数分割多重(FDM)のEPDCCHの解決法に加えて、本発明の実施形態は、時間分割多重(TDM)のEPDCCH解決法に適用することもできる。例えば、「マルチキャスト/ブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)」と同様の方法で、インターリーブされないPDCCHのOFDMシンボルに対応することができる。その後CCEは、連続した帯域幅に配置され、OCCを使用できるようになる。
【0025】
さらに、周波数選択チャネルにおいて、E−PDCCHの帯域幅は、E−PDCCHの拡張されたOFDMシンボルによって決まり、例えば、2つのOFDMシンボルが使用される場合、6つのPRBが長さ4を有するOCC系列に対応することができる。
【0026】
以下に、異なるセルおよび異なるユーザに対して対応するOCC系列を割り当てる方法について説明する。
【0027】
本発明の実施形態では、ICIおよびMUIを除去するために、E−PDCCHにおいてOCCを割り当てるための方法を提供する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態によるE−PDCCHにおいてOCCを割り当てるための方法のフローチャートである。図2に示すように、ステップ201において、eNodeBがすべての利用可能なOCC系列をL個のグループに分割し、各OCC系列グループが1つのセルに割り当てられる。ステップ202において、各OCC系列グループが、K個の系列に分割され、各系列が1人のユーザに割り当てられて、MU−MIMO送信をサポートし、OCC系列が直交系列であるとき、L・K=N、OCC系列が準直交系列であるとき、L・K>Nここで、NはPDCCHのアグリゲート・レベルである。
【0029】
以下に、本発明の実施形態により異なるセルに対応するOCC系列グループを割り当てるための方法について説明する。
【0030】
本発明の1つの実施形態によれば、次の式に従って、対応するOCC系列グループをターゲット・セルに割り当てる:
G=Mod(cellID,L)またはMod(cellID+SFN,L)、
ここで、Gは、ターゲット・セルに対応するOCC系列グループを示し、cellIDは、ターゲット・セルの識別子を示し、SFNはシステム・フレーム番号を示す。
【0031】
図3は、本発明の実施形態によるセル間のE−PDCCHスケジューリングの概略図を示す。図3に示すように、隣接セルのCCEは、同じ帯域幅で配置されるべきである。
【0032】
本発明の1つの実施形態によれば、OCC系列が直交系列であるとき、隣接セルの同じ時間−周波数リソースのアグリゲーション・レベルは同じである必要はない。図3では、セル1の右側の4ブロックで示されるアグリゲーション・レベルは4であり、この時点で、セル1におけるCCEは、OCC[1 1 1 1]および[1 1 −1 −1]を割り当てることができる。セル2の右側の4ブロックで示されるアグリゲーション・レベルは2であり、この時点で、セル2におけるCCEは、[1 −1]および[1 −1]を割り当てることができる。
【0033】
図4は、本発明の実施形態により低電力信号/ゼロ電力信号を使用することによってICIを減少させることを示す概略図を示す。図4に示すように、セル中心のUEについては、PDCCHをセル1で送信することができ、一方セル2では、低電力信号/ゼロ電力信号を使用して、セル1で送信されるPDCCHに影響を及ぼすことなく、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を送信し、それによってセル間干渉(ICI)を減少させる。
【0034】
以下に、本発明の実施形態により異なるユーザに対応するOCC系列を割り当てるための方法について説明する。
【0035】
本発明の1つの実施形態によれば、次の式に従って、対応するOCCをターゲット・ユーザに割り当てる:
U=Mod(P,K
ここでUは、ターゲット・ユーザに対応するOCC系列を示し、Pは、ターゲット・ユーザに割り当てられた復調基準信号(Demodulation Reference Signal:DMRS)のアンテナポートのインデックスを示す。
【0036】
本発明の1つの実施形態によれば、DMRSのアンテナポートは、9番目のREGまたは伝統的なPDCCHを使用して、UEに通知される。
【0037】
本発明の1つの実施形態によれば、OCC系列が直交系列であるとき、複数のユーザのアグリゲーション・レベルは同じものである必要がない。
【0038】
ゆえに、ターゲット・ユーザに対する最終的に使用されるOCCのインデックスは、G・K+Uである。
【0039】
本発明の1つの実施形態によれば、OCC系列の数が限られているとき、ブラインド検出を用いて、UEが対応するOCC系列を取得できるようにすることができる。詳細には、eNodeBは、UEに割り当てられたOCC系列を通知しない。この時点では、UEは、考えられるすべてのOCC系列をテストし、CCEに含まれるチェック・ビットから割り当てられたOCC系列を取得する。
【0040】
本発明の実施形態では、アグリゲーション・レベルが2の整数乗であるとき、2値系列、例えばWalsh関数を使用して、OCC系列を生成することができる。アグリゲーション・レベルが2の整数乗ではないとき、非2値系列、例えばZad−off Chu系列を使用して、OCC系列を生成することができる。
【0041】
既に述べたように、変数L、KはE−PDCCHの容量に著しく影響を及ぼす。以下に、本発明の実施形態による変数L、Kを最適化するための方法について説明する。
【0042】
直接的な方法は、例えば周波数に依存しない方法であり、例えばあらかじめ定められた、またはブロードキャストされた通知によりL、Kを設定する。しかしながら、セル中心のUEおよびセル端のUEが一般的に多様な干渉を受けることを考慮し、本発明の実施形態は、次の技術的解決法を提供する:
(1)セル中心のUEについては、通常、MUIがICIを圧倒するので、Kを増やして、Lを減らし、例えばK=N、L=1。
(2)セル端のUEについては、通常、ICIがMUIを圧倒するので、Lを増やして、Kを減らし、例えばL=N/2、K=2。
【0043】
さらに、MU−MIMO送信を行うUEは、潜在的な混乱を避けるために、同じL、K値を有するべきである。
【0044】
図5は、本発明の実施形態により、周波数に関連したL、Kを割り当てることを示す概略図である。図5に示すように、セル中心のUEについては、Lは1であり、Kは2である。セル端のUEについては、Lは4に増やされ、Kは2である。さらに、電力調整を使用することができ、例えばセル中心のUEに割り当てられた帯域幅に、より低い送信電力を備えることができ、セル端のUEに対する帯域幅に、より高い送信電力を備えることができる。
【0045】
システム・レベルのシミュレーションにおいて、UE側で観察されるMUI/ICIが極めて不安定であり、例えば5msの間に20dBの変化が発生することが、既にわかっている。本発明の実施形態を用いると、様々なタイプの干渉に直面するセル中心のUEおよびセル端のUEに、OCCリソースを柔軟に適用することができる。さらに、電力の割当は、補助的解決法であり、これもまた干渉を軽減することができる。
【0046】
図6は、本発明の実施形態によるE−PDCCHのための干渉除去装置600のブロック図を示す。図6に示すように、干渉除去装置600は、割当デバイス601と、組合せデバイス602とを含む。割当デバイス601は、異なる直交カバーリング・コードOCC系列を異なるセルおよび/または異なるユーザに割り当てるように構成される。組合せデバイス602は、ユーザ機器がPDCCH上の干渉を除去できるように、1つのPDCCHを構成する複数の制御チャネル要素CCEを、それぞれセル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列と組み合わせるように構成される。
【0047】
本発明の1つの実施形態によれば、組合せデバイス602は、ユーザ機器がPDCCH上の干渉を除去できるように、1つのPDCCHを構成している複数のCCEに、それぞれセル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列を乗じるように構成される。
【0048】
本発明の1つの実施形態によれば、次の関数により、1つのPDCCHを構成している複数のCCEに、それぞれセル固有のOCC系列および/またはユーザ固有のOCC系列を乗じる:
[CCE CCE … CCE]→[CCE・s CCE・s … CCE・s
ここで、CCEは、アグリゲーション・レベルNを有するn番目のCCEに入るPDCCHデータを示し、[s … s]はOCC系列を示す。
【0049】
図7は、本発明の実施形態によりE−PDCCHにおいてOCCを割り当てるための装置700のブロック図を示す。図7に示すように、装置700は、第1の割当デバイス701と、第2の割当デバイス702とを含む。第1の割当デバイス701は、利用できるすべてのOCC系列をL個のグループに分割するように構成され、OCC系列の各グループが、1つのセルに割り当てられる。第2の割当デバイス702は、OCC系列の各グループをK個の系列に分割するように構成され、各系列が、1人のユーザに割り当てられる。この実施形態では、OCC系列が直交系列であるとき、L・K=N、OCC系列が準直交系列であるとき、L・K>N、ここでNは、PDCCHのアグリゲート・レベルを示す。
【0050】
本発明の1つの実施形態によれば、第1の割当デバイス701は、次の式に従って、OCC系列の対応するグループをターゲット・セルに割り当てる:
G=Mod(cellID,L)またはMod(cellID+SFN,L
ここで、Gは、ターゲット・セルに対応するOCC系列グループを示し、cellIDは、ターゲット・セルの識別子を示し、SFNはシステム・フレーム番号を示す。
【0051】
本発明の1つの実施形態によれば、OCC系列が直交系列であるとき、隣接セルの同じ時間−周波数リソースのアグリゲーション・レベルは同じものではない。
【0052】
本発明の1つの実施形態によれば、第2の割当デバイス702は、次の式に従って、対応するOCCをターゲット・ユーザに割り当てる:
U=Mod(P,K
ここでUは、ターゲット・ユーザに対応するOCC系列を示し、Pは、ターゲット・ユーザに割り当てられた復調基準信号のアンテナポートのインデックスを示す。
【0053】
本発明の1つの実施形態によれば、OCC系列が直交系列であるとき、複数のユーザのアグリゲーション・レベルは同じものではない。
【0054】
本発明の1つの実施形態によれば、OCC系列の数が限られているとき、ターゲット・ユーザは、ブラインド検出により対応するOCC系列を取得する。
【0055】
本発明の1つの実施形態によれば、セル中心のユーザ機器については、Kが増やされて、Lが減らされ、セル端のユーザ機器については、Lが増やされて、Kが減らされる。
【0056】
本発明の実施形態において開示する方法は、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組合せで実施することができることに注意すべきである。ハードウェアの部分は、専用の論理を用いて実施することができ、ソフトウェアの部分は、メモリに格納し、適切な命令実行システム、例えばマイクロプロセッサ、パーソナルコンピュータ(PC)、またはメインフレームで、実行することができる。いくつかの実施形態において、本発明は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む、ただしこれらに限定されない、ソフトウェアとして具体化される。
【0057】
さらに、本発明の実施形態は、コンピュータで利用可能な、あるいは、コンピュータもしくは任意の命令実行システムによって、またはこれと接続して使用するためのプログラムコードを提供するコンピュータ可読媒体によってアクセス可能な、コンピュータプログラム製品の形態で具体化することができる。説明のために、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはこれと接続して使用するためのプログラムを収容する、格納する、伝達する、伝搬する、または運搬することができるいかなる有形デバイスとすることもできる。
【0058】
媒体は、電気、磁気、光、電磁気、赤外線、または半導体のシステム(または装置またはデバイス)、または伝搬媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体の例には、半導体またはソリッド・ストレージ・デバイス、磁気テープ、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、および光ディスクが含まれる。現在の光ディスクの例には、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク読取り/書込み(CD−R/W)、およびDVDが含まれる。
【0059】
本発明の実施形態をよりわかりやすくするために、上記の説明は、当業者には知られている、本発明の実施に欠くことのできない可能性があるいくつかのさらに特定の技術的な詳細を省いていることに注意すべきである。本発明の記述を提供する目的は、説明および例示にあるが、開示した形態の中で本発明を論じ尽くすことでも、限定することでもない。当業者には、様々な変更形態および代替形態が明らかである。
【0060】
したがって、実施形態を選択して述べるのは、本発明の原理および実際の応用についてより良く説明するためであり、本発明の趣旨を逸脱することなく、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の保護範囲内に含まれるあらゆる変更形態および変形形態を当業者が理解できるようにするためである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7