【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記問題に鑑み、経口用製剤からのジアセチルの放出を効率的に抑制することができる製剤を鋭意検討した結果、一般的なフィルムコーティング基剤に含水二酸化ケイ素等の特定の無機化合物を加えたコーティング用組成物で経口用固形製剤を被覆することにより、不快臭の原因であるジアセチルの放出を抑制し、その結果、においを発生させない、又はにおいの放出を抑制することができることを見出した。
また、ジアセチルの放出が抑制できることから、一包化時に他剤を着色させなくなることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明の第一の態様は以下のコーティング製剤である。
(1−1)メドキソミル基を持つ薬剤を有効成分として含む固形製剤が、
ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなるコーティング用組成物でコーティングされたコーティング層を有していることを特徴とするコーティング製剤。
(1−2)メドキソミル基を持つ薬剤が、オルメサルタンメドキソミルである前記(1−1)に記載のコーティング製剤。
(1−3)ケイ酸化合物が、二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、カオリン、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイトである前記(1−1)又は(1−2)に記載のコーティング製剤。
(1−4)ケイ酸化合物が、二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムである前記(1−1)〜(1−3)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−5)二酸化ケイ素が、含水二酸化ケイ素又は軽質無水ケイ酸である前記(1−3)又は(1−4)に記載のコーティング製剤。
(1−6)二酸化ケイ素が、含水二酸化ケイ素である前記(1−5)に記載のコーティング製剤。
(1−7)リン酸水素カルシウムが、無水リン酸水素カルシウムである前記(1−1)又は(1−2)に記載のコーティング製剤。
(1−8)無機化合物が、二酸化ケイ素、リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(1−1)〜(1−7)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−9)無機化合物が、含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(1−1)〜(1−7)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−10)無機化合物が、含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(1−1)〜(1−9)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−11)コーティング用組成物が、さらにポリマー基剤を含有してなる前記(1−1)〜(1−10)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−12)コーティング用組成物が、さらにポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなるポリマー基剤を含有してなる前記(1−1)〜(1−11)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−13)ポリビニルアルコール系ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、及びポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーである前記(1−12)に記載のコーティング製剤。
(1−14)ポリビニルアルコール系ポリマーが、ポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマーである前記(1−12)又は(1−13)に記載のコーティング製剤。
(1−15)オルメサルタンメドキソミルを有効成分として含む固形製剤が、
含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、
ポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなるポリマー基剤を含有してなるコーティング用組成物でコーティングされたコーティング層を有していることを特徴とするコーティング製剤。
(1−16)オルメサルタンメドキソミルを有効成分として含む固形製剤が、
含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、
ポリビニルアルコール系ポリマーを含有してなるポリマー基剤を含有してなるコーティング用組成物でコーティングされたコーティング層を有していることを特徴とするコーティング製剤。
(1−17)コーティング層中の無機化合物の含量が、コーティング前の固形製剤100質量部に対して0.5〜10質量部である前記(1−1)〜(1−16)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−18)コーティング層中の無機化合物の含量が、固形製剤中のメドキソミル基を持つ薬剤100質量部に対して5〜100質量部である前記(1−1)〜(1−17)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−19)固形製剤が錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤およびトローチ剤から選ばれる少なくとも1つである前記(1−1)〜(1−18)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−20)固形製剤が錠剤、細粒剤および顆粒剤から選ばれる少なくとも1つである前記(1−19)に記載のコーティング製剤。
(1−21)固形製剤のコーティングが錠剤のコーティング及び/又は錠剤中に配合する主薬を含む粒子のコーティングである前記(1−1)〜(1−20)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−22)固形製剤へのコーティングがフィルムコーティングまたは糖衣コーティングである前記(1−1)〜(1−21)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−23)固形製剤へのコーティングがフィルムコーティングである前記(1−1)〜(1−22)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−24)オルメサルタンメドキソミルを有効成分として含む固形製剤が、
含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、
ポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなるポリマー基剤を含有してなるコーティング用組成物でフィルムコーティングされたコーティング層を有していることを特徴とするコーティング製剤であって、
コーティング層中の無機化合物の含量が、コーティング前の固形製剤100質量部に対して0.5〜10質量部であることを特徴とする前記(1−1)〜(1−23)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−25)オルメサルタンメドキソミルを有効成分として含む固形製剤が、
含水二酸化ケイ素である無機化合物と、
ポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマーを含有してなるポリマー基剤を含有してなるコーティング用組成物でフィルムコーティングされたコーティング層を有していることを特徴とするコーティング製剤であって、
コーティング層中の無機化合物の含量が、コーティング前の固形製剤100質量部に対して0.5〜10質量部であることを特徴とする前記(1−1)〜(1−24)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−26)コーティング製剤が、においの発生及び/又はその放出が低減された製剤である前記(1−1)〜(1−25)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−27)発生及び/又はその放出が低減された臭いが、不快な臭いである前記(1−26)に記載のコーティング製剤。
(1−28)コーティング製剤の製造直後に実質的ににおいの発生及び/又はその放出がない前記(1−1)〜(1−27)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−29)メドキソミル基を持つ薬剤10mgを含有する固形製剤を核にしたコーティング製剤を容積20mLのガラスバイアルに入れて密封し、60℃1週間保存した時のメドキソミル基を持つ薬剤1mgあたりのジアセチルの放出量が200ng/mg以下である前記(1−1)〜(1−28)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−30)メドキソミル基を持つ薬剤10mgを含有する固形製剤を核にしたコーティング製剤を容積20mLのガラスバイアルに入れて密封し、40℃1週間保存した時のメドキソミル基を持つ薬剤1mgあたりのジアセチルの放出量が200ng/mg以下である前記(1−1)〜(1−29)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−31)製造直後の硬度が良好な前記(1−1)〜(1−30)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−32)40℃相対湿度75%の開放環境下で1週間保管した時に保管前と比較して硬度が低下しないことを特徴とする前記(1−1)〜(1−31)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−33)40℃相対湿度75%の開放環境下で4週間保管した時に硬度が6kgf以上である前記(1−32)に記載のコーティング製剤。
(1−34)40℃相対湿度75%の開放環境下で4週間保管した時に硬度が初期の硬度の50%以上である前記(1−32)に記載のコーティング製剤。
(1−35)他の医薬品と一包化した場合に実質的に他の医薬品の品質を変化させないことを特徴とする前記(1−1)〜(1−33)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−36)他の医薬品と一包化した場合に実質的に他の医薬品を変色させないことを特徴とする前記(1−1)〜(1−35)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(1−37)他の医薬品がグアニジノ基を有する薬剤である前記(1−35)又は(1−36)に記載のコーティング製剤。
(1−38)グアニジノ基を有する薬剤がメトホルミン、メシル酸カモスタットまたはこれらの製薬学上許容しうる塩である前記(1−37)に記載のコーティング製剤。
【0012】
本発明の第二の態様は以下のコーティング用組成物である。
(2−1)処方中にメドキソミル基を持つ薬剤を有効成分として含有する固形製剤を被覆するコーティング用組成物であって、ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなるコーティング用組成物。
(2−2)固形製剤の内部から外部へのジアセチルの透過を抑制するための固形製剤の被覆用のコーティング用組成物であって、ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなるコーティング用組成物。
(2−3)ジアセチルを発生させる成分を含有する固形製剤を被覆するコーティング用組成物であって、ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなるコーティング用組成物。
(2−4)ジアセチルを発生させる成分がメドキソミル基を持つ薬剤である、前記(2−3)に記載のコーティング用組成物。
(2−5)メドキソミル基を持つ薬剤が、オルメサルタンメドキソミルである前記(2−1)又は(2−4)に記載のコーティング用組成物。
(2−6)ケイ酸化合物が、二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、カオリン、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、又はベントナイトである前記(2−1)から(2−5)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
(2−7)ケイ酸化合物が、二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、又はケイ酸カルシウムである前記(2−1)〜(2−6)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
(2−8)二酸化ケイ素が、含水二酸化ケイ素または軽質無水ケイ酸である前記(2−6)又は(2−7)に記載のコーティング用組成物。
(2−9)二酸化ケイ素が、含水二酸化ケイ素である前記(2−8)に記載のコーティング用組成物。
(2−10)リン酸水素カルシウムが、無水リン酸水素カルシウムである前記(2−1)から(2−6)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
(2−11)無機化合物が、含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(2−1)〜(2−10)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
(2−12)コーティング用組成物が、更にポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなる前記(2−1)〜(2−11)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
(2−13)ポリビニルアルコール系ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、及びポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーである前記(2−12)に記載のコーティング用組成物。
(2−14)処方中にオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する固形製剤を被覆するコーティング用組成物であって、
含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、
ポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなるポリマーとを含有してなるコーティング用組成物。
(2−15)処方中にオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する固形製剤を被覆するコーティング用組成物であって、
含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、
ポリビニルアルコール系ポリマーを含有してなるポリマーとを含有してなるコーティング用組成物。
(2−16)無機化合物の含量が、コーティング用組成物中0.1〜10質量%である前記(2−1)〜(2−15)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
(2−17)コーティング用組成物が、溶媒を含有してなる前記(2−1)〜(2−16)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
(2−18)コーティング用組成物が、溶媒に溶解又は分散されている前記(2−1)〜(2−17)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
(2−19)溶媒として水を含む前記(2−17)又は(2−18)に記載のコーティング用組成物。
(2−20)溶媒が、水である前記(2−17)〜(2−19)に記載のコーティング用組成物。
(2−21)処方中にオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する固形製剤を被覆するコーティング用組成物であって、
含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、
ポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなるポリマーとを含有してなるコーティング用組成物であって、
無機化合物の含量がコーティング用組成物中0.1〜10質量%であり、
溶媒として水を含むことを特徴とするコーティング用組成物。
(2−22)処方中にオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する固形製剤を被覆するコーティング用組成物であって、
含水二酸化ケイ素である無機化合物と、
ポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマーを含有してなるポリマーとを含有してなるコーティング用組成物であって、
無機化合物の含量がコーティング用組成物中0.1〜10質量%であり、
溶媒として水を含むことを特徴とするコーティング用組成物。
【0013】
本発明の第三の態様は以下のコーティング方法であって;
(3−1)前記(2−1)から(2−22)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物を用いて、処方中にメドキソミル基を持つ薬剤を有効成分として含有する固形製剤をコーティングする方法。
(3−2)処方中にメドキソミル基を持つ薬剤を有効成分として含有する固形製剤をコーティングする方法であって;
a)処方中にメドキソミル基を持つ薬剤を有効成分として含有する固形製剤を製造する工程;
b)ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなるコーティング用組成物を調製する工程;及び、
c)工程b)で調製されたコーティング用組成物を、工程a)で製造された固形製剤にコーティングする工程;
を含有してなる、前記固形製剤のコーティング方法。
(3−3)前記(2−1)から(2−22)のいずれか1項に記載のコーティング用組成物を用いて、ジアセチルを発生させる成分を含有する固形製剤をコーティングする方法。
(3−4)ジアセチルを発生させる成分を含有する固形製剤をコーティングする方法であって;
a)処方中にジアセチルを発生させる成分を含有する固形製剤を製造する工程;
b)ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなるコーティング用組成物を調製する工程;及び、
c)工程b)で調製されたコーティング用組成物を、工程a)で製造された固形製剤にコーティングする工程;
を含有してなる、前記固形製剤のコーティング方法。
(3−5)ジアセチルを発生させる成分がメドキソミル基を持つ薬剤である、前記(3−3)又は(3−4)に記載のコーティングする方法。
(3−6)前記(2−1)から(2−22)に記載のコーティング用組成物を用いて、処方中にメドキソミル基を持つ薬剤を有効成分として含有する固形製剤をコーティングする方法。
(3−7)処方中にメドキソミル基を持つ薬剤を有効成分として含有する固形製剤をコーティングする方法であって;
a)処方中にメドキソミル基を持つ薬剤を有効成分として含有する固形製剤を製造する工程;
b)ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなるコーティング用組成物を調製する工程;及び、
c)工程b)で調製されたコーティング用組成物を、工程a)で製造された固形製剤にコーティングする工程;
を含有してなる、前記固形製剤のコーティング方法。
(3−8)メドキソミル基を持つ薬剤が、オルメサルタンメドキソミルである前記(3−1)、(3−2)、(3−5)、(3−6)又は(3−7)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
(3−9)ケイ酸化合物が、二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、カオリン、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、又はベントナイトである前記(3−1)〜(3−8)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
(3−10)ケイ酸化合物が、二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、又はケイ酸カルシウムである前記(3−1)〜(3−9)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
(3−11)二酸化ケイ素が、含水二酸化ケイ素または軽質無水ケイ酸である前記(3−9)又は(3−10)に記載のコーティング方法。
(3−12)二酸化ケイ素が、含水二酸化ケイ素である前記(3−11)に記載のコーティング方法。
(3−13)リン酸水素カルシウムが、無水リン酸水素カルシウムである前記(3−2)、(3−4)又は(3−7)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
(3−14)無機化合物が、含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(3−2)〜(3−13)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
(3−15)コーティング用組成物が、更にポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなる前記(3−2)〜(3−14)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
(3−16)ポリビニルアルコール系ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、及びポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーである前記(3−15)に記載のコーティング方法。
(3−17)処方中にオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する固形製剤をコーティングする方法であって;
a)処方中にオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する固形製剤を製造する工程;
b)含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、ポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなるポリマーとを含有してなるコーティング用組成物を調製する工程;及び、
c)工程b)で調製されたコーティング用組成物を、工程a)で製造された固形製剤にコーティングする工程;
を含有してなる、前記固形製剤のコーティング方法。
(3−18)処方中にオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する固形製剤をコーティングする方法であって;
a)処方中にオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する固形製剤を製造する工程;
b)含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、ポリビニルアルコール系ポリマーを含有してなるポリマーとを含有してなるコーティング用組成物を調製する工程;及び、
c)工程b)で調製されたコーティング用組成物を、工程a)で製造された固形製剤にコーティングする工程;
を含有してなる、前記固形製剤のコーティング方法。
(3−19)無機化合物の含量が、コーティング用組成物中0.1〜10質量%である前記(3−2)〜(3−18)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
(3−20)コーティング用組成物が、溶媒を含有してなる前記(3−2)〜(3−19)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
(3−21)コーティング用組成物が、溶媒に溶解又は分散されている前記(3−2)〜(3−20)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
(3−22)溶媒として水を含む前記(3−20)又は(3−21)に記載のコーティング方法。
(3−23)溶媒が、水である前記(3−21)〜(3−22)のいずれか1項に記載のコーティング方法。
【0014】
本発明の第四の態様は以下のコーティング製剤の製造方法である。
(4−1)コーティング製剤の製造方法であって;
ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなる混合物を溶媒に溶解又は分散させたコーティング用組成物を、ジアセチルを発生させる成分を含有する固形製剤の核にコーティングすることを特徴とするコーティング製剤の製造方法。
(4−2)コーティング製剤の製造方法であって;
a)ジアセチルを発生させる成分を含有する固形製剤を製造する工程;
b)ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなる混合物を溶媒に溶解又は分散させてコーティング用組成物を調製する工程;及び、
c)工程b)で調製されたコーティング用組成物を、工程a)で製造された有効成分を含有する固形製剤にコーティングする工程;
を含有してなるコーティング製剤の製造方法。
(4−3)ジアセチルを発生させる成分がメドキソミル基を持つ薬剤である、前記(4−1)又は(4−2)に記載のコーティング製剤の製造方法。
(4−4)メドキソミル基を持つ薬剤が、オルメサルタンメドキソミルである前記(4−3)に記載の製造方法。
(4−5)ケイ酸化合物が、二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、カオリン、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、又はベントナイトである前記(4−1)〜(4−4)のいずれか1項に記載のコーティング製剤の製造方法。
(4−6)ケイ酸化合物が、二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、又はケイ酸カルシウムである前記(4−1)〜(4−5)のいずれか1項に記載のコーティング製剤の製造方法。
(4−7)二酸化ケイ素が、含水二酸化ケイ素又は軽質無水ケイ酸である前記(4−1)〜(4−6)のいずれか1項に記載の製造方法。
(4−8)二酸化ケイ素が、含水二酸化ケイ素である前記(4−7)に記載の製造方法。
(4−9)リン酸水素カルシウムが無水リン酸水素カルシウムである前記(4−1)から(4−8)のいずれか1項に記載の製造方法。
(4−10)無機化合物が、含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(4−1)〜(4−9)のいずれか1項に記載の製造方法。
(4−11)コーティング用組成物が、さらにポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなる前記(4−1)〜(4−10)のいずれか1項に記載の製造方法。
(4−12)ポリビニルアルコール系ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、及びポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーである前記(4−11)に記載の製造方法。
(4−13)コーティング製剤の製造方法であって;
含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、ポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなるポリマー、とを含有してなる混合物を溶媒に溶解又は分散させたコーティング用組成物を、オルメサルタンメドキソミルを含有する固形製剤の核にコーティングすることを特徴とするコーティング製剤の製造方法。
(4−14)コーティング製剤の製造方法であって;
含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、ポリビニルアルコール系ポリマーを含有してなるポリマー、とを含有してなる混合物を溶媒に溶解又は分散させたコーティング用組成物を、オルメサルタンメドキソミルを含有する固形製剤の核にコーティングすることを特徴とするコーティング製剤の製造方法。
(4−15)無機化合物の含量が、コーティング用組成物の0.1〜10質量%である前記(4−1)〜(4−14)のいずれか1項に記載の製造方法。
(4−16)溶媒として水を含む前記(4−1)〜(4−15)のいずれか1項に記載の製造方法。
(4−17)溶媒が水である前記(4−1)〜(4−16)のいずれか1項に記載の製造方法。
(4−18)コーティングがスプレーコーティングである前記(4−1)〜(4−17)のいずれか1項に記載の製造方法。
(4−19)コーティングがフィルムコーティングまたは糖衣コーティングである前記(4−1)〜(4−18)のいずれか1項に記載のコーティング製剤。
(4−20)コーティングがフィルムコーティングである前記(4−1)〜(4−19)のいずれか1項に記載の製造方法。
【0015】
本発明の第五の態様は以下の不快臭の抑制方法である。
(5−1)処方中にメドキソミル基を持つ薬剤と、ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、ポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなるポリマーとを含有することを特徴とする、薬剤からのにおい発生の抑制及び/又は防止方法。
(5−2)処方中にメドキソミル基を持つ薬剤がオルメサルタンメドキソミルである前記(5−1)に記載の抑制及び/又は防止方法。
【0016】
本発明の第六の態様は以下の保存方法である。
(6−1)オルメサルタンメドキソミルと、ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含む固形製剤を、その硬度が6kgf以上の量に維持することを特徴とする固形製剤の保存方法。
(6−2)固形製剤表面にポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを有する前記(6−1)に記載の保存方法。
(6−3)固形製剤表面に前記無機化合物を有する前記(6−1)または(6−2)に記載の保存方法。
【0017】
本発明の第七の態様は以下の着色の抑制方法である。
(7−1)他の医薬品の着色の抑制方法であって;
オルメサルタンメドキソミルを含有する固形製剤の核に含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの無機化合物と、ポリビニルアルコール系ポリマー及び/又はヒプロメロースを含有してなるポリマー、とを含有してなる混合物を溶媒に溶解又は分散させたコーティング用組成物を、コーティングすることを特徴とする、抑制方法。
(7−2)他の医薬品がグアニジノ基を有する薬剤である前記(7−1)に記載の抑制方法。
(7−3)グアニジノ基を有する薬剤がメトホルミン、メシル酸カモスタットまたはこれらの製薬学上許容しうる塩である前記(7−2)に記載の抑制方法。
【0018】
本発明の第八の態様は以下のジアセチルの透過を抑制する方法である。
(8−1)ジアセチルの透過の抑制方法であって;
ケイ酸化合物、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び薬用炭からなる群より選ばれる少なくとも1つの無機化合物を含有してなる混合物を溶媒に溶解又は分散させたコーティング用組成物を、ジアセチルを発生させる成分を含有する固形製剤の核にコーティングすることを特徴とする抑制方法。