(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744402
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】着用可能患者モニタのコードレス充電器
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20150618BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
A61B5/00 102C
H02J7/00 303C
【請求項の数】23
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2009-512199(P2009-512199)
(86)(22)【出願日】2007年5月1日
(65)【公表番号】特表2009-538199(P2009-538199A)
(43)【公表日】2009年11月5日
(86)【国際出願番号】US2007067850
(87)【国際公開番号】WO2007140069
(87)【国際公開日】20071206
【審査請求日】2010年4月27日
(31)【優先権主張番号】60/803,164
(32)【優先日】2006年5月25日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】エールデン,ヤッコ セー
【審査官】
田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第99/059465(WO,A1)
【文献】
特開2005−158285(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0288559(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の生理機能の少なくとも1つの側面を監視する少なくとも1つの着用可能患者モニタであり、再充電可能電源を含む少なくとも1つの着用可能患者モニタと;
内部の再充電可能電源部を含み、前記モニタの前記再充電可能電源を充電する携帯用コードレス充電器であり、前記モニタの前記電源に関連する充電レベル又は充電率と、前記充電器の前記内部の再充電可能電源部に関連するバッテリレベルとのうち少なくとも1つを決定するプロセッサを含み、前記プロセッサは、前記コードレス充電器について決定された前記バッテリレベルの保護に対して、前記モニタの前記電源の充電のバランスを取るように動作可能な携帯用コードレス充電器と;
前記モニタから遠隔地のプロセッサ又はメモリにデータを転送するデータ転送システムと;
を有する患者監視システム。
【請求項2】
前記コードレス充電器に配置されたメモリを更に含む、請求項1に記載の患者監視システム。
【請求項3】
前記モニタは、まずデータを一時記憶装置に送信し、
次に、前記一時記憶装置は、前記データを前記プロセッサ又はメモリに中継する、請求項1に記載の患者監視システム。
【請求項4】
前記モニタの再充電可能電源は、少なくとも24時間前記モニタに電力供給するように適合された電池を含み、
充電器の電池は、少なくとも30回前記モニタの電池を再充電するように適合される、請求項1に記載の患者監視システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記コードレス充電器について決定された前記バッテリレベルを保護するように、前記モニタの前記電源の充電率を継続して調整する、請求項1に記載の患者監視システム。
【請求項6】
前記充電器の電池は、取り外し可能であり交換可能である、請求項4に記載の患者監視システム。
【請求項7】
前記コードレス充電器の電池は、携帯電話の電池と交換可能な電池を含む、請求項1に記載の患者監視システム。
【請求項8】
前記モニタは:
前記生理機能の側面を検出するセンサ部と;
検出された生理的データを送信する短距離送信機と;
を更に含み、
前記センサ部及び前記短距離送信機は、前記再充電可能電源により電力供給される、請求項1に記載の患者監視システム。
【請求項9】
前記モニタは:
前記検出された生理的データを格納するメモリと、(a)どの検出された生理的データが前記短距離送信機により送信されるべきかを決定すること及び(b)前記メモリに格納された前記生理的データを周期的に送信するように前記短距離送信機を制御することのうち少なくとも1つを行うプロセッサとを更に含み、
前記メモリ及び前記プロセッサは、前記再充電可能電源により電力供給される、請求項8に記載の患者監視システム。
【請求項10】
次に遠隔データベースに送信する無線通信可能装置を更に含む、請求項8に記載の患者監視システム。
【請求項11】
前記生理機能の側面を検出するセンサ部と;
前記検出された生理的データを格納するメモリと;
を更に含み、
前記生理的データは、次に充電器のメモリに転送されて格納される、請求項1に記載の患者監視システム。
【請求項12】
前記充電器のメモリからの前記データは、遠隔地のデータベースにダウンロードされる、請求項11に記載の患者監視システム。
【請求項13】
前記充電器のメモリからの前記データは、前記充電器から遠隔地のデータベースに送信される、請求項11に記載の患者監視システム。
【請求項14】
前記コードレス充電器は、少なくとも2つのドッキング・ベイを含み、前記ドッキング・ベイのうち少なくとも1つは機能可能である、請求項1に記載の患者監視システム。
【請求項15】
再充電可能電源を備えた第1の着用可能患者モニタで患者の生理機能の少なくとも1つの側面を監視し;
前記第1のモニタから遠隔地のプロセッサ又はデータベースにデータを転送し;
前記第1のモニタと交換される第2の着用可能再充電可能患者モニタを提供し、前記第2の着用可能患者モニタで前記患者の生理機能の前記少なくとも1つの側面を監視し;
充電ユニットのバッテリレベルに従って前記再充電可能電源を再充電する率を動的に調整することにより、前記第1の着用可能再充電可能患者モニタを再充電する充電ユニットを提供すること;
を有する患者監視方法。
【請求項16】
前記患者の生理機能の前記少なくとも1つの側面は、心臓活動を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記転送することは、無線通信可能な装置に前記データを無線で送信し、前記無線通信装置から前記遠隔地の前記プロセッサ又はデータベースに無線で送信することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記コードレス充電ユニットの電池を交換すること及び再充電することのうち少なくとも1つを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも24時間前記モニタに電力供給できるように前記電源を適合させ;
少なくとも30回前記電源を充電できるように前記電池を適合させる;
ことを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の患者モニタと前記第2の患者モニタとを交換し;
前記第2の患者モニタを再充電する間に、前記第1の患者モニタで再び監視すること;
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
センサで前記生理機能の側面を検出し;
前記検出された生理的データをメモリに格納し;
前記生理的データのどの部分が有用であるか、どの部分が無視できるかを決定するように動作可能なプロセッサで、前記検出された生理的データを処理し;
前記有用な検出された生理的データを送信機で送信し;
前記センサ、前記メモリ、前記プロセッサ、及び前記送信機を前記再充電可能電源で電力供給すること;
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記転送するステップは:
前記データを前記コードレス充電ユニットのメモリに転送し;
前記データを前記コードレス充電ユニットの前記メモリに格納すること;
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
請求項15に記載の方法を実行する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、診断分野における用途に関する。限られた期間(例えば、1ヶ月)の間に患者により使用されることを目的とする無線心臓モニタに特に用途を見出す。しかし、異なる目的及び異なる使用期間の無線モニタにも用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
人々は、予測不可能な間隔で心不整脈又は失神状態を受ける可能性がある。これらの状態は、めったに起こらない性質のため、医師の職場で把握及び監視することが困難になる可能性がある。
【0003】
また、心臓発作のような病気又は手術の後に入院患者を早期に退院させる傾向が存在する。退院の後の限られた期間に心機能を監視することは有利である。
【0004】
典型的には、短期の監視を必要とする患者は、長期の用途に設計されたモニタを装備する。モニタは、頻繁な(例えば、毎日の)電池交換又は充電を必要とすることがある。他のものは、充電又は交換の間の時間を延ばすために大きい電池を必要とすることがある。電池は重いため、大きい電池を備えた装置は、着用するのが快適でなくなる。
【0005】
再充電可能な電池は便利であるが、充電器を必要とする。モニタを変更することは、患者の胸部に取り付けられたパッチ又は他の身体取付物をしばしば変更することを含む。従って、典型的には、モニタは浴室で変更されて再充電され、浴室で充電器がプラグ接続される。不利なことに、このことは、電源ケーブルを備えた他の装置を持ち込み、浴室でプラグ接続する。これらの装置を置くのにしばしば限られた空間しかなく、限られたコンセントしかない。これらの双方は、電動歯ブラシ、ヘアドライヤー、カール用アイロン、ひげ剃り等に既に割り当てられていることがある。限られた空間及び限られたコンセントに加えて、場合によってはコンセントが利用可能でなく、或いは異なる電源出力を有し、コンバータなしでは無用になる。このことは、例えばコンセントが高い又は低い壁埋め込み式コンセントの電圧規格を有する管轄区域に旅行するときに生じ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この出願は、前述の欠点及び他のものを克服する新規で改善した患者監視システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、患者監視システムが開示される。少なくとも1つの着用可能患者モニタは、患者の生理機能の側面を監視する。モニタは、再充電可能電源を有する。コードレス充電器は電源を充電する。データ転送システムは、モニタから遠隔地のプロセッサ又はメモリにデータを転送する。
【0008】
他の態様によれば、患者監視方法が開示される。患者の生理機能の少なくとも1つの側面は、自分の再充電可能電源を備えた第1の着用可能患者モニタで監視される。データは、第1のモニタからプロセッサ又はデータベースに転送される。第1のモニタは、第1のモニタがコードレス充電ユニットで再充電可能なように、第2のモニタと交換される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、患者監視システムが開示される。第1の監視手段は、患者の生理機能の少なくとも1つの側面を監視する。監視手段は、データ記憶手段を含む。データ転送手段は、監視手段からデータ記憶手段にデータを転送する。第2の監視手段はまた、患者の生理機能の側面を監視し、コードレス再充電手段は、監視手段を再充電する。
【発明の効果】
【0010】
1つの利点は、患者の利便性の増加にある。
【0011】
他の利点は、低電圧の安全性にある。
【0012】
他の利点は、充電器の簡単な携帯性にある。
【0013】
他の利点は、異なる電源規格を有する管轄区域の旅行を容易にすることにある。
【0014】
本発明の更に他の利点は、以下の詳細な説明を読んで理解することにより、当業者に認識される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置、並びに様々なステップ及びステップの配置の形式を取ってもよい。図面は、単に好ましい実施例を例示する目的のものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0016】
図1を参照すると、心臓の病気又は他の病気を有する又は有する疑いのある患者10は、患者モニタ12を着用する。モニタ12は、非観血的に測定可能な何らかの生理的状態を監視することができる。好ましい実施例でのモニタ12は、心臓活動を測定するが、広い範囲の状態の何れかを監視するモニタ12が考えられる。心臓の信号を検出するために、モニタは、監視される特定の人体の近くに着用される。典型的には、医師がモニタ12の使用を指示する。患者10は、2つのモニタ12と、コードレス充電器14と、皮膚表面パッチの物品を与えられる。患者は、関心のある生理的プロセスを監視することができるように、皮膚領域の準備、皮膚領域へのパッチの適用、及びパッチへのモニタ12の取り付け方法を指示される。典型的には、パッチは3日〜7日毎に交換される。毎回、患者は実質的に同じ方法でパッチを準備して適用する。モニタ自体12が毎日交換され、第2のものが監視中のときに第1のものが充電され、逆も同様であることが好ましい。
【0017】
図2を参照すると、モニタは、監視される生理的プロセスを検出する検出アレイ20を含む。検出アレイは、加速度計、導線、音響ピックアップ、圧力センサ等を含んでもよい。検出アレイ20により収集された生データは、搭載プロセッサ22により処理される。プロセッサ22は、漂遊雑音、偽信号、バックグラウンド、通常の生理的状態、及び他の関心のない情報から有用な情報をフィルタリングする。モニタ12は、継続して監視するため、大量の情報が生成される。プロセッサ22は、データパラメータ又はルールメモリ24に予めプログラムされたパラメータと収集されたデータとを比較する。比較が行われた後に、データが医療的に有意であると決定された場合、収集データメモリ26に格納される。そうでない場合、データは破棄される。有用なデータはデータ転送システムに送信される。データ転送システムは、Bluetooth
TM送信機28を有することが好ましいが、他の低電力伝送プロトコルも考えられる。再び
図1を参照すると、送信機28は、短距離信号29を患者のBluetooth可能携帯電話30に送信する。携帯電話に相当する何らかのものも考えられることがわかる。これは、PDA、ポケットPC、タブレットPC、ラップトップコンピュータ、RIM BlackBerry、Motorola Q-phone、及び無線通信可能な他の同様の装置を含むが、これらに限定されない。携帯電話30は、モニタ12により収集された情報を携帯電話ネットワーク31でデータベース32(医師の職場、病院等のコンピュータにあるもの等)に通信する。データベース32は、コンピュータに存在する必要はないが、他の装置からアクセス可能である。更に、情報は、予め選択された第三者(研究者、統計学者、参照する医師(referring physician)、家族メンバ等)にも同様に届く。データが利用可能になると、臨床医は、患者10をより良く診断して扱うために、モニタ12により収集された情報をいつでも調査することができる。この実施例では、モニタ12は、様々な時点でデータを転送してもよい。例えば、モニタ12は、メモリ26がほぼ容量のいっぱいになったときに送信してもよく、定期間隔又は特定の日時(例えば充電器14にドッキングされたとき)に送信するように設定されてもよい。
【0018】
モニタ12の送信の他の態様は、緊急事態に関連して生じる。モニタ12がデータパラメータメモリ24のデータ又はルールと検出データとを比較して、重要な状態が存在することを検出すると、モニタ12は、患者の携帯電話30を起動し、適切な緊急サービスに連絡する。メッセージは、モニタが現在検出している状態の種類を含み、従って、緊急医療師がより良く準備できることが好ましい。代替として、検出データが監視された患者の通常値と異なる場合、予め選択された区域を横切る場合、又は相当なものであると決定された場合、監視データは、携帯電話30を介してデータベース32に送信される。データベースに関連するプロセッサ33は、直ちに分析されるべきデータを受信したことを臨床医に警告する。
【0019】
再び
図2を参照すると、構成要素20、22、24、26及び28は、電池34により電源供給される。モニタ電池34は、安全余裕内で24時間を超える有用な実行時間を有する再充電可能なリチウムイオン電池であることが好ましい。48時間以上モニタ24を動作することができる電池34が好ましい。前述のように、患者は、毎日モニタ21を交換し、パッチを外したものを充電器24に配置し、充電器から出てきた完全に充電したモニタ12と交換する。記載の用途では、電池34は比較的小さくてもよい(例えば、約150mA時間の容量を有する)。この値は、タスク(余分の安全余裕を加える)を実行するために必要な時間と、電池のサイズ及び重さとのバランスを取る。電池は適切な電力を提供しつつ、できるだけ小さく、できるだけ軽いことが理想である。
【0020】
モニタ12は、充電器14に挿入されたときに充電を受けるために、充電器14の対応する端子(図示せず)に結合する端子36を含む。好ましい実施例では、モニタ12の電池34は、例えば約3時間で迅速に(空から完全に)完全充電を受けてもよい。前述のように、2つのモニタのうち一方が故障しても、患者は、充電中にモニタがないだけになる。この充電中は比較的短い期間である。
【0021】
他の実施例では、
図3を参照して、データ転送システムは、携帯電話を含まない。この実施例では、コードレス充電器14は、短距離信号受信機38とメモリ70とを含む。モニタ12は、そのデータを充電スタンドに送信し、充電スタンドで格納される。代替として、データは、モニタが充電される毎に、端子36を介してモニタから充電スタンドのメモリにダウンロードされてもよい。充電スタンドは、データを格納し、患者がモニタ12及び充電スタンド14を医師に返却したときに後にダウンロードできるようにする。代替として、充電スタンド14は、携帯通信ユニット39を含み、前述の実施例の携帯電話30の代わりを行う。他の実施例では、充電器14は、同様に携帯電話30を充電するように適合されてもよい。
【0022】
他の実施例では、患者がモニタ12に加えて家庭監視システムを与えられる場合、モニタ12は、家庭監視システムの一時記憶装置にデータを送信してもよい。家庭監視システムは、データベース32のような離れた記憶装置又は処理に情報を中継する。
【0023】
図4を参照すると、二重ベイ(dual-bay)のコードレス充電器40が示されている。充電器40は、2つのベイ44a、44bを備えた筐体42を含む。第2のベイ44bは、第2のモニタの格納を容易にする。ベイ44a、44bの一方又は双方は、モニタ12を充電して、それから情報を受信する適切な端子を有する。電気的に不活性のベイは、使用中でないときに単に第2のモニタを収容してもよい。このことは、患者の間で対のモニタを一緒に保持することを容易にする。当然に、充電器40の双方のベイが充電及び情報の転送のために活性化され得ることも可能である。更に、第2のベイはまた、モニタ12を掃除又は消毒するために使用されてもよい。例えば、患者は、使用中でないときにモニタを消毒するために、第2のベイ44bの液状滅菌剤を与えられてもよい。筐体はまた、滅菌剤又は消毒インジェクタ、ヒータ、タイマ等のような自動衛生設備を含んでもよい。
【0024】
図5に着目すると、充電器14のブロック図が示されている。まず第1に、充電器14は、モニタ12の電池34を再充電し、自分の機能に電力供給するために、自分の電池50を含む。一実施例では、電池50は、患者の携帯電話30又は他の無線装置と互換性があり、交換可能である。充電器14は、充電器14の通常動作中に生じる様々なサブプロセスを制御するプロセッサ52を含む。電池50自体は、再充電可能である。好ましい実施例では、患者10は、充電器14の電池50を充電することについて心配する必要はない。電池50は、サービスステーションで充電され、患者10が所有するときに完全に充電されている。患者が電池50の充電寿命より長く監視される場合(例えば1ヶ月)、充電器14は患者の毎月の訪問時に交換される。電池50は、リチウムイオン電池であることが好ましく、常設又は取り外し可能でもよい。電池50が取り外し可能である場合、充電器14の残りに拘らず充電されてもよい。これにより、充電器14は、電池50が再充電されるのを待機する必要なく、他の電池と交換可能(field ready)になる。代替として、電池50は、再充電可能でない取り外し可能な標準の電池でもよい。このことは、患者が電池を交換することを可能にする(場合によっては必要とする)。更に他の実施例では、充電器14が使い捨て可能であることも考えられる。しかし、図示の実施例では、充電器54は、外部電源からDC電流を受領し、電池50を充電する。1つ以上の電池管理サブプロセッサ56は、電池50の充電を管理する。
【0025】
モニタ再充電サブプロセッサ58は、電池34の充電を監視する。電池充電サブプロセッサ56は、再充電サブプロセッサ58と共に動作し、最適な効率を実現するように充電を調整する。特に、再充電サブプロセッサは、電池50の寿命の保護と、電池34を充電する速さとのバランスを取る。好ましい実施例では、電池50は、約1ヶ月間(すなわち約30回)モニタ12の電池34を充電するのに十分な充電を受ける。また、必要とする多数な余分の充電を電池50に与え、追跡できないロスを占めることも望ましい。好ましい実施例では、電池50は、約60回モニタ電池34を充電できる。好ましい実施例では、電池50は、4800mA時間の完全な充電に値する。電圧レギュレータ60及び電流モニタ62は、モニタ再充電サブプロセッサ58に報告する。
【0026】
電池50が4800mA時間を有し、電池34が150mA時間を有する場合、最大数の完全な充電は、約4800/150≒32回である。しかし、典型的には電池34は3分の1〜2分の1の放電のみのときに充電されるため、充電回数はこの量の2〜3倍である。他方、充電は、2つの電池の間の電圧差を必要とする。電池50が低い電圧制限値に近づき始めると、充電率は低くなる可能性がある。再充電の数を最適化し、非効率性を最小化するために、電池34がほとんど使い果たされたときに、電圧差は減少する。電池34が完全な充電に近づくと、充電電圧が増加する。モニタが完全に充電され、モニタ再充電サブプロセッサ58により検出されると、プロセッサ52は、電源を切断し、モニタ12に充電することを停止するように電源スイッチ62に指示する。モニタ検出センサ66は、モニタ12の存在が検出されたときにプロセッサ52に報告し、これにより、モニタ12が時期尚早に外されたときに充電をいつ中断するかを決定することができる。
【0027】
充電器14はまた、モニタ12が充電器14に挿入される毎に診断ルーチンを実行するモニタテストサブプロセッサ63を含む。このように、充電器14は、モニタ12の何らかの故障を検出する。充電器14が自分の通信機能を有さない実施例では、(患者の携帯電話30を通じてBluetoothを介して)データベース32にその欠陥を報告するために、故障メッセージがモニタ12に送信される。
【0028】
或る実施例は、充電器14に記憶装置を含む。SDカード又はフラッシュメモリ70がプロセッサ52に接続される。これらの実施例は、USB又はシリアルポートを介してモニタと通信する。USBの実施例では、信号マルチプレクサ72及びUSBポート73は、モニタ12からの通信を受信し、これらをUSBハブ74に中継する。データは処理され、メモリ70に格納される。シリアル通信の実施例では、プロセッサは、シリアルポート76からの信号を処理し、これらをメモリ70に格納する。後に、データは、SD若しくはフラッシュカード70を外すことにより、又は直接的に若しくは遠隔通信媒体(電話回線、インターネット、携帯電話等)でデータベース32と接続するUSBポート78を介して、オフロード(off-load)されてもよい。
【0029】
或る実施例では、充電器14は、ユーザインタフェース80を有する。ユーザインタフェース80により、ユーザは、データを(すなわち、USB接続で)オフロードすることが可能になり、或いはシリアル76又はUSB73接続でモニタをプログラムすること(例えば、閾値、緊急事態、ルールの設定等)が可能になる。
【0030】
好ましい実施例を参照して本発明について説明した。前述の詳細な説明を読んで理解することにより、変更及び置換が他人に生じ得る。本発明は、特許請求の範囲又はその均等に入る限り、このような変更及び置換の全てを含むものとして解釈されるべきであることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図4】2つのドッキング・ベイを備えたコードレス充電器