【文献】
村田 徳治,ガラスのリサイクル(その四),月刊廃棄物,日本,株式会社日報,1996年11月 1日,第22巻第11号,pp.106-109
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属製継手又は耐火性材料被覆樹脂管からなる継手を、吸音層、遮音層からなる防音材で被覆してなる排水継手と、吸音層、遮音層からなる防音材で被覆した立て管と、排水継手および立て管との接続部にはジョイントテープを巻き付け、排水継手に用いる該吸音層が400℃以上で焼成されたグラスファイバー及び/又はグラスウールからなることを特徴とした排水システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の排水システムは、建築物等の床スラブを貫通して設置された排水継手と立て管を、吸音層、遮音層からなる防音材で被覆し、排水継手および立て管との接続部にはジョイントテープを巻き付け、さらに排水継手に用いられる吸音層が、焼成された無機繊維からなることを特徴とした排水システムである。
そして、この排水システムの無機繊維は400℃以上で焼成されること、防音材は表面に表皮材を有すること、排水継手が上記防音材で被覆した横枝部を有し、その横枝部に枝管が接続され、その接続部にジョイントテープを巻き付けてなり、さらに排水継手の主管部用防音材と横枝部用の防音材の継ぎ目に耐熱性粘着テープを巻き付けても良く、排水継手と下部立て管との接続部には折り曲げ部を設けても良い耐火閉塞具を設置できる。
【0010】
このような、本発明の排水システムに関して、図面を示して以下に具体的に説明する。
図1は、建築物等の床スラブ2を貫通して設置される排水継手の断面図であって、鋳鉄等により形成された継手1を基に構成され、継手1は上下に上部立て管及び下部立て管との接続部を設けており、さらに枝管との接続部を設けても良い。
図1は枝管との接続部を設け、枝管と接続してなる図である。この排水継手は該継手1の周囲に吸音層4及び遮音層5からなる防音材3を被覆してなる。具体的には防音材3は
図1の円内に示すように、継手1側から順に吸音層4、遮音層5及び表皮材6により構成されている。
ここで、継手1は、鋳鉄等の金属製継手や、塩化ビニル等の樹脂製継手を耐火性材料からなる被覆層により被覆してなる耐火被覆管からなる継手であっても良い。
【0011】
遮音層5は、吸音層4の外側に配される層であり、排水継手1内に発生した騒音が防音材3の外部へ伝播するのを効果的に抑制する機能を有する。吸音層4と遮音層5との間には、接着層又は粘着層を設けてこれらの層を互いに固定させることもできる。
【0012】
上記機能を有する遮音層5としては、高分子を基材とするシート材が用いられる。遮音層5の材料としては限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、EPDM、SBR、NBR等のゴム又は塩化ビニル単独で重合した樹脂のほか、塩化ビニル単量体と共重合し得る単量体のうち少なくとも1種以上とランダム共重合又はブロック共重合して得られる塩化ビニル共重合樹脂、例えば酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、あるいは塩化ビニル共重合体とグラフト共重合し得る樹脂とグラフト共重合して得られる塩化ビニルグラフト共重合樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリウレタン−塩化ビニル共重合体などの塩化ビニル系樹脂を挙げることができる。
【0013】
遮音層の面密度としては、1.5〜5.0kg/m
2のものが好ましい。遮音層5の面密度が1.5kg/m
2を下回る場合、十分な遮音性能が得られなくなり、面密度が5.0kg/m
2を上回る場合には、遮音層5自体の重量が重くなり、作業性が悪くなったり、当該防音部材を配管に取り付けた後に垂れや剥離が生じたりといった不具合が生じることになる。
【0014】
また、この遮音層5は、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化チタン、バライト、酸化鉄、酸化亜鉛、グラファイトなどのフィラーを充填することで、遮音性の改善を図ることができる。尚、フィラーは、十分な遮音性を確保しながらも、該遮音層5の機械的強度が低下することがないように、50〜95重量%の充填量で充填するのがよい。またフィラーの充填は、遮音性の改善以外に当該遮音層5の粘性の調整、配合コストの低減化も図られる。
【0015】
吸音層4は、排水継手内に発生した給排水騒音などの騒音を効果的に吸音するとともに、耐火性をも有するものである。このような機能を有する吸音層4として、本発明における排水システムにおいては、焼成されたグラスウール又はグラスファイバー等の無機繊維からなるマットを使用することができる.
【0016】
この吸音層4として使用される焼成されたグラスウール又はグラスファイバー等の無機繊維からなるマットは、シート内に入射した音(空気伝播音)が該シートの構成繊維間で衝突を繰り返しながら通過する過程で、粘性摩擦等により熱エネルギーに変換する作用を奏し、この結果、吸音層4内に入射した音を減衰する機能を発揮する。
しかも、本発明にて吸音層用材料として使用する無機繊維は、400℃以上で焼成された無機繊維であるから、火災時の熱によっても無機繊維自体から煙を発生しない。
このため、階下にて火災が発生しても、その熱により加熱された該無機繊維からは煙が発生しないので、上階にいる人はその煙を吸うことなく、早期に避難を行うことが可能となる。
なお、上記のように、この焼成に必要な焼成温度は400℃以上であり、焼成温度が400℃未満であると、加熱による煙の発生を充分に防止することができない。
【0017】
本発明において、吸音層4が十分な空気伝播音の減衰効果(吸音性)を確保するためにグラスウール又はグラスファイバー等の無機繊維からなるマットの無機繊維の繊維密度は、10kg/m
3〜150kg/m
3が好ましい。この範囲であれば、十分な吸音性を確保することができ、かつ充分なマット形態を維持することができるので、グラスウール又はグラスファイバー等の無機繊維からなるマットが剥離しない。
【0018】
中でも無機繊維の平均繊維径が5〜10μmであり、かつ繊維長が0.2〜100mmのガラス繊維を構成繊維とした場合には、上記と同じ10kg/m
3〜150kg/m
3の繊維密度としたものが好ましい。
また、平均繊維径が5μm未満であり、かつ繊維長が45mm以下のガラス繊維を構成繊維とした場合には、70kg/m
3以下の繊維密度としたものを用いることが好ましい。この平均繊維径のガラス繊維を用いた場合には、空隙を十分とることができ、十分な吸音性能を確保することが可能になる。
【0019】
ガラス繊維の平均繊維径及び繊維長及び繊維密度の範囲は、十分な空気伝播音の減衰効果(吸音性)を確保するために必要な臨界的意義を持つ。なお、グラスウール又はグラスファイバーからなるマットは、不燃材料であるガラス繊維から作製されているため、吸音層4自体も耐火性を有することになる。
【0020】
グラスウール又はグラスファイバー等の無機繊維の製造方法は、特に限定するものではなく、従来からある火炎法、遠心法等の公知の方法によって製造される。この場合、シート形態の安定化を図る目的で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル及びフェノール樹脂、デンプン等の集束剤を添加してもよい。
【0021】
吸音層4の厚さは好ましくは50mm以下、より好ましくは10mm以下であって3mm以上の範囲である。吸音層4の厚みがこの範囲であれば、嵩高になりすぎない範囲にて十分な吸音効果が得られる。このため、防音材3を 継手1の周面に固定したときに、継手1を施工場所のスペース内に配管することが可能になる。
【0022】
上述した排水継手の好ましい形態は、防音材3をポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの熱収縮性フィルムからなる表皮材6で覆い、これで継手1を覆った後に熱収縮させることで、該熱収縮フィルムの熱収縮力によって防音材3を継手1に締め付け固定されたものを挙げることができる。あるいは、継手1を防音材3で覆い、その後に防音材3の外面を表皮材6で被覆した後にその熱収縮力により防音材3を継手1に締め付け固定してもよい。防音材3は、必ずしも継手1に隙間無く被覆させる必要はなく、むしろ、継手1と防音材3の間にしわ等の隙間を発生させておけば、部分的に空気層を設けることにより、遮音層5の透過損失を向上させることができる。
さらに床スラブ2に埋め込まれる範囲の継手1の箇所に対応する、防音材3及び表皮材6の更に外面には、下記の材料からなる断熱部材7を設けることができる。
【0023】
図1に記載の排水継手は、継手1の上下それぞれに上部立て管20、下部立て管21を接続し、かつ横枝部には枝管23を接続してなる例を示した図であって、継手1と上部及び下部立て管20、21及び枝管23はいずれも防音材3により被覆されると共に、継手1と上部及び下部立て管20、21との接続部、継手1と枝管23の接続部には、これらの接続部の表面に露出している防音材3の端部を覆うようにジョイントテープ22を巻回している。
【0024】
継手1は場所により径が異なったり、枝部を有していたり等、直管よりも形状が複雑な形状である場合があるから、その継手1を防音材3で被覆するときには、マット状の防音材3を継手1に巻き付ける手段を採用するが、
図2に示したように、予め防音材3を複数の構成部品からなるものとして分割して嵌め込むような形態にしてもよい。具体的には、継手1を巻回できるように、各装着部位に応じて継手1の外周に対応する内径を有する筒状にそれぞれ形成し、その一部に開放部8を設けておく。係る形状に防音材3を予め作製しておくことによって、開放部8から継手1に嵌め込むことによって装着することができる。このときに、開放部8に隙間が空かないように、互いに数ミリから数センチ重なり合わせることができるように形成してもよい。
継手1を防音材3で被覆する際には、継手1の表面と防音材3の吸音層4とを接着剤又は粘着剤により固定することができる。その結果、防音材3が継手1に対してずれることがない。
【0025】
こうして継手1を防音材3で被覆した後、必要に応じて断熱部材7又は区画貫通部処理テープ7でさらに被覆した継手1を、
図3に示すように、床スラブ2等の防火区画を形成する防火壁又は床に設けられた防音排水管より大きな直径を有する貫通孔9に挿入し、この貫通孔の内周面と防音排水管の外周面との隙間にセメントモルタル又はロックウールモルタル10を充填して、排水継手を防火区画に配設することができる。
図3は継手1が横枝部を備えていない場合の図であるが、このような継手1に限定されず、本発明における継手1は、
図1に示すように枝管を接続するための横枝部を備えていても良い。
【0026】
以上のように防音材3により被覆された継手1は、具体的には、以下のようにして区画部に配設してもよい。シート状になった断熱部材7又は区画貫通部処理テープ7を、防音材3により被覆された継手1に巻回して被覆する。断熱部材7又は区画貫通部処理テープ7の被覆部分は、少なくとも貫通部を被覆し、貫通部以外の部分(すなわち、床上、床下の貫通部の上下部分)は、特に限定するものではなく、適宜必要により被覆してもよい。好ましくは、貫通部及び少なくとも貫通部下(床下)1mまで被覆するとよい。これにより、断熱部材7又は区画貫通部処理テープ7が被覆された排水システムとなる。
【0027】
断熱部材7又は区画貫通部処理テープ7が被覆された排水継手は、
図3に示すように、防火区画を形成する防火壁または床2に設けられた、排水継手より大きな直径を有する貫通孔9に挿入する。貫通孔9の内周面と断熱部材7又は区画貫通部処理テープ7が被覆された排水継手との間に隙間が形成されているので、この貫通孔9の内周面と、断熱部材7が被覆された排水継手の外周面との隙間に、セメントモルタル又はロックウールモルタル10を充填する。そして、セメントモルタル又はロックウールモルタルが硬化すると、壁面又は床面に形成されていた貫通孔9は
図3に示すように閉塞され、断熱部材7又は区画貫通部処理テープ7が被覆された排水継手は固定されて、防火区画に配設される。
【0028】
ここで使用される断熱部材7には、グラスウール、ロックウール、グラスファイバー、シリカファイバー、セラミックファイバー、金属ファイバー、アルミナファイバー、カーボンファイバー等の無機繊維から選択される1種又は2種以上からなるマット材を断熱層11として使用される。これらの素材は、不燃性であるので断熱部材として優れ、消防法施行令第8条に規定する開口部のない耐火構造の床又は壁の区画(以下「令8 区画」という。)及び共同住宅等の住戸等間の開口部のない耐火構造の床又は壁の区画(以下「共住区画」という。)で要求される耐火性能を十分に満足させることができることに加え、吸音性能も備えているので、貫通部における防音性能をも向上させることができる。
そして、断熱部材7は、このような断熱層11に加えて必要に応じて下記に示す粘着層12及び/又は表皮材13を設けてなるものであり、区画貫通部処理テープ7は、断熱層11を有さず、粘着層12及び表皮材13からなるものである。断熱部材7及び区画貫通部処理テープ7は、セメントモルタル又はロックウールモルタルと排水継手とを均一な接着性によって接着させる機能を有し、さらに断熱層11は断熱作用をも発揮させるものである。
【0029】
また、
図4に示すように、該断熱部材7は、断熱層11の裏面に粘着層12を設けてなってもよい。粘着層12を形成する材料としては、例えば、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM,EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM,ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、多加硫ゴム(U)、シリコーンゴム(O)、フッ素ゴム(FKM,FZ)、ウレタンゴム(U)、ポリイソブチレンゴム、塩化ブチルゴム等のゴム類や、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、アクリロニトリル等の他、ロジン、ロジントリグリセリド、水素化ロジン等のロジン系樹脂が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらの中でも、本実施形態では、安価であり、粘着性にも優れるブチルゴム(IIR)又はイソプレンゴム(IR)又はアクリル系樹脂が好ましい。予め粘着層12を設けておけば、施工時に単に巻き付けるだけで防音排水管に接着することができるので、作業性が向上する。
【0030】
さらに、上記断熱層11の粘着層12の面と反対面に表皮材13を設けてもよい。表皮材13は不織布により形成されており、表皮材13を設けることによって、セメントモルタル又はロックウールモルタルが表皮材13の内部、すなわち、繊維間にセメントモルタル又はロックウールモルタルが入り込む。そして、セメントモルタル又はロックウールモルタルは、表皮材13を形成する各繊維に密着した状態で硬化し表皮材13に強固に接着される。
その結果、セメントモルタル又はロックウールモルタルによる排水継手の支持状態が良好なものとなり、そのがたつきが極力抑制されるようになる。尚、この表皮材13は、予め断熱層11からなる層と接着等の任意の手段により一体のものとして形成してもよいし、表皮材13に粘着層を設けておいて、必要に応じて現場で断熱層11に取り付けられるようにしてもよい。
【0031】
表皮材13に使用される不織布に使用される繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、芳香族ポリアミド繊維、グラスウール、ロックウール等の耐炎性繊維、難燃性繊維あるいは不燃性繊維が好ましい。この表皮材13の面密度は、5〜300g/m
2が好ましく、より好ましくは10〜100g/m
2である。表皮材13の面密度が5g/m
2未満の場合には、表皮材13を形成する繊維間の空隙面積が大きくなるため、その形状保持性が低下するおそれがある。このため、セメントモルタル又はロックウールモルタルと排水継手との均一な接着性が得られなくなる。一方、表皮材13の面密度が300g/m
2を超える場合には、モルタル10と排水継手との接着性に関してそれ以上の効果はみられず、非経済的である。
【0032】
配設された防音排水管は、区間貫通部において断熱部材を被覆した状態で設置されるので、令8 区画及び共住区画で要求される耐火性を十分に満たした防音排水管とすることができる。
このようにして、排水継手が貫通孔9に固定された後、立て管及び場合により枝管が接続される。接続される立て管や枝管は金属製又は塩化ビニル樹脂製等の樹脂管でも良いが、いずれの材料の管であっても、立て管や枝管を防音材3で被覆して、排水が流下する際に発生する音が室内に漏れないようにする。
また、枝管に関して、管内を排水が流れる際に発生する音が管外部に漏れるようであれば、必要に応じて同様に防音材3及び表皮材7で被覆することが可能である。
【0033】
図5に示すように、金属製、塩化ビニル等の樹脂製、あるいは防音材が被覆されてなる耐火二重管からなる立て管や枝管に対しても、吸音層4、遮音層5からなる防音材3で被覆し、さらに外層15によって被覆することができる。外層15は、上記の熱収縮性フィルム層である表皮材6と同じでもよいが、樹脂による防音材3の外周に密着するカバー状のものとして構成しても良い。外層15は防音材3を保護する部材であり、現場にて立て管を被覆できるように、予め外層15にヒンジ16等を形成して開閉可能としておき、さらに保持部17を形成し、この保持部17において、面ファスナー、接着、ピン、ボタン等の周知の係止手段により外層15を、防音材3の外面に固定することが可能である。
【0034】
別の例として
図6に示すように、外層15の保持部17を互いに嵌合させる構造としても良い。外層の取り外しはその嵌合をはずすことにより簡単に行うことが可能となる。
さらに、
図6に示す外層15の変形例として、
図7に示すように、外層15を6角形などの多角形や非円形等とすることも可能である。このような形状の場合には、外層15と防音材3との間に部分的に空間が形成されるので、この空間がさらに防音性を向上させることになる。
【0035】
また、
図7に示すように、立て管や枝管のような直管ではなく継ぎ手部分の継手1に対しても同様に、外層15内に吸音層4及び遮音層5からなる防音材3を形成し、これを該継手1に嵌合させるようにして被覆する。この手段によれば、継手1に対して防音材3による被覆を簡単に行うことができる。
【0036】
具体的な例としては、
図8及び9に示すように、継ぎ手部分の継手1の外面形状に適合するような内面形状を形成してなり、外層15の内部に遮音層5及び吸音層4からなる防音材3を密着させ、これをヒンジ16を介して開閉自在の構造とする。そのような構造のものを継手部分の継手1における、上部立て管を接続する部分と枝管を接続する横枝部が形成されてなる上部用の防音材18と、下部立て管が接続される下部用の防音材19の2つを形成する。
これら防音材18及び防音材19の2つのものをそれぞれ継手1に取り付け、ヒンジ16を閉じることにより継手1の全周を防音材3及び外層15で被覆し、保持部17により上記のような面ファスナー、接着、ピン、ボタン等の周知の係止手段により固定する手段を採用し得る。
その際には、継手1を被覆する複数の防音材19の端面が突き合わされる箇所、例えば下部用の防音材19の上部端部であって、上部用の防音材18の下部端部と接する箇所に、該下部用の防音材19の上部端部の端面を覆うように粘着テープを貼りつけても良い。これにより、床下で発生した煙が下部用防音材19内の吸音層4であるグラスウール又はグラスファイバーシート等の無機繊維からなるマットの層内までは移動可能であるが、耐熱性粘着テープにより該下部用の防音材19の上部端部の端面において封鎖されているので、煙が上部用の防音材18の下部端部を通って、上階に拡がることを抑制する。
【0037】
これらの手段により防音材3で被覆した継手1及び立て管や枝管を用いて、排水継手に立て管を、さらに、上記のように枝管を接続する場合には、
図1に示すように排水継手と立て管の接続部、及び、排水継手と枝管の接続部に、ジョイントテープ22を巻き付けてもよい。ジョイントテープ22としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の各種樹脂フィルム上に、未加硫ブチルゴム、アクリル樹脂系粘着剤、シリコン樹脂系粘着剤等の各種の粘着剤層を設けてなるテープであり、中でもポリエチレンフィルムに未加硫ブチルゴム層を設けてなるテープが好ましい。
さらに必要であれば排水継手の主管部用防音材と横枝部用の防音材の継ぎ目に耐熱性粘着テープを巻き付ける。その耐熱性粘着テープとしては、金属製、ガラス繊維、無機繊維等からなる耐火性を備えた基材シートやセメントシート上に粘着剤層を形成してなるテープを使用することが可能である。
また、耐熱性粘着テープは、例えばアルミガラスクロスにアクリル樹脂系接着剤層を介してガラスクロスを積層させ、さらにその上に未加硫ブチルゴム、アクリル樹脂系粘着剤、シリコン樹脂系粘着剤等の各種の粘着剤層を設けてなるアルミガラスクロステープ等であるが、耐熱性テープであればよいので、基材はアルミガラスクロスに限定されず、アルミニウム、ステンレスや銅等の金属箔、ポリマーセメントシートとしても良い。
【0038】
ジョイントテープ22を防音材3で被覆した継手1と立て管の接続部に巻き付けることにより、該接続部にて突き合わされた防音材3で被覆した継手1と立て管のそれぞれを被覆している防音材3の端部、つまり防音材3間の隙間が露出しないように、防音材3で被覆した継手1と立て管の両方の防音材3を跨ぐようにして、ジョイントテープ22の未加硫ブチルゴム側の面を防音材3側となるように巻き付けてなる状態とする。
さらに、必要に応じて、耐熱性粘着テープのアクリル樹脂系等の粘着剤層側の面を防音材3側となるように、排水継手の主管部用防音材と横枝部用の防音材の継ぎ目に巻き付けてなる状態とする。
【0039】
ジョイントテープ22を被覆した結果、防音材3で被覆した継手1と立て管それぞれを被覆した防音材3の端部、及び防音材3間の隙間は外部に露出しないことになる。よって、該ジョイントテープの特に未加硫ブチルゴムという柔軟な材料、及びアクリル系樹脂粘着剤により振動が吸収されることも併せて、通常の使用時に継手1の防音材と立て管及び/又は枝管の防音材とを固定すると共に、防音材3の端部から排水により発生する音は、その隙間を通って室内に漏れることがなく、防音効果も発揮できることは明らかである。
【0040】
また火災時において、たとえ継手1内、あるいは継手1を被覆した防音材3の吸音層4を通って階下から煙が伝わる場合においても、その煙は高温になっていない上階において、継手1を被覆した防音材3の端部から室内に漏れることはない。つまり、継手1内及び立て管内、あるいは継手1と立て管を被覆した防音材3内の吸音層4内を上昇しても、その煙は室内に漏れることがないので、人が確実に避難することが可能である。
【0041】
これらに加えて、継手1と下部立て管との接続部には、耐火閉塞具を設置することが可能である。
耐火性閉塞具は、樹脂製下部立て管が接続される継手1の下部開口にフランジを設けて、該フランジにボルト等により固定することにより、該下部開口に接続される下部立て管の接続部付近にて、下部立て管の接続部付近の周囲に熱膨張性部材を設置して、火災時にはその熱により、減容した該下部立て管の減容部分を埋めるように、熱膨張性部材が膨張して、継手の開口を不燃性の膨張済みの熱膨張性部材により閉塞するものである。
【0042】
耐火閉塞具の一例としては、不燃性の筒の内面に熱膨張性部材層を設け、該筒の一端が該熱膨張性部材層の端部を巻き込むように内側に屈曲して、該端部の内面にまで不燃性の筒の部材が折り曲げられてなり、その屈曲してなる部材に楔状に切れ目を設け、該楔状の切れ目の頂部に隣接する折り曲げ部に、曲げ応力を低下させてなる部分が設けられてもよく、その曲げ応力を低下させる部分が、不燃性の筒の部材に穴を設けてなる部分、又は厚みが低減された部分であり、該折り曲げ部が熱膨張性部材層の熱膨張による押圧力により折り曲げ部が伸長する方向に変形される閉塞具であって、建築物の床の開口部に挿入された排水継手の下部立て管の接続部に設置されるものである。
【0043】
このような耐火閉塞具は、不燃性の筒の内面に熱膨張性部材層を設け、さらに、該筒の一端が該熱膨張性部材層の端部を巻き込むように内側に屈曲して、該端部の内面にまで不燃性の筒の部材が折り曲げられてなり、その屈曲してなる部材に楔状に切れ目を設けてなるので、これを建物内の床を貫通するように設置した樹脂製排水管が接続される排水管等の金属製排水継手のフランジ部分に接続して固定すると、火災時には熱により該熱膨張性部材層が膨張する。
この際の膨張力により、加熱されて軟化した樹脂製排水管やケーブルの樹脂被覆が押し潰され、同時に不燃性の筒の内側に屈曲して折り曲げられた箇所が元に展開するように変形される。この結果、火災時の熱により生じた膨張してなる熱膨張性部材が、不燃性の筒の外部に出たり、不燃性の筒内から落下したりすることがないか、あるいはあっても量が少ない。
このため、火災時の熱により樹脂製排水管やケーブルの樹脂被覆が溶融等により減容したり、落下等により消失する場合において、この減容や消失等により生じた空間を膨張した熱膨張性部材が落下することなく確実に埋めることが可能となり、火災の炎、熱、有毒ガスが元の樹脂管及び金属製排水継手の内部を通って、他の階や隣室などに移動することを防止できる。
【0044】
耐火閉塞具について図に基づいて説明する。
図10は耐火閉塞具の上面図であり、
図12は耐火閉塞具の下面図、及び
図13は耐火閉塞具の斜視図である。
耐火閉塞具31は筒の外周から順に不燃性筒32、熱膨張性部材層33、折り曲げられてなる不燃性筒折り曲げ部34からなり、さらに床や天井等に耐火閉塞具31をビス留め等により、配管時に固定する際に使用する固定片35、該不燃性筒32を折り曲げて該不燃性折り曲げ部34を形成する際に設けられる、熱膨張性部材層33を収納するための底部36を有してなる。
【0045】
図10の矢印で示す破線部で切断してなる断面図である
図11によれば、不燃性筒折り曲げ部34は不燃性筒32と平行になる程度にまで折り曲げられ、さらに底部まで伸びたU字状やV字状等の切れ目を有している。
底部36と不燃性筒折り曲げ部34の境目には、不燃性筒折り曲げ部34の曲げ応力が低減された箇所となるように1つ以上の穴が設けられた曲げ応力低減部37が設けられている。ただし、曲げ応力低減部はその用語の通り曲げ応力が低減されていればよいので、必ずしも穴を開ける必要はなく、例えば、該当する部分のみに薄肉部を形成する等しても良い。
【0046】
また、このような曲げ応力が低い曲げ応力低減部37を設けなくても、底部36から不燃性筒折り曲げ部34にかけての材質や厚さ等により、十分に曲げ応力が小さい場合には特に加工してなる曲げ応力低減部37を必ずしも設ける必要はない。但し、本発明の耐火閉塞具は建物内に設置されるので長期にわたって確実に熱膨張性部材層を保持し、かつ排水管に密着されることが必要であるから、不燃性筒32自体はその長期使用に耐えられるだけの強度を備えることが求められる。
【0047】
耐火閉塞具31の大きさについて、その内径は内部に例えば塩化ビニル樹脂管や樹脂被覆ケーブルを挿入できる程度の内径であり、外径は挿入された塩化ビニル樹脂管等の径に必要な耐火性と閉塞性を付与できる程度の熱膨張性部材層33等の厚さを反映した径である。
よって、これらの樹脂管等の外径に応じた内径を有する耐火閉塞具を選択し、かつ、高さは確実に耐火や防火ができるために十分な高さを有するものを選択する。
【0048】
該耐火閉塞具は筒形であってその内部には樹脂管を挿入するものであり、筒形の外周形状は円筒状でもよく、その外面は3角、6角、9角、12角等の多角形の筒状や、楕円、その他の形状のものでもよく、挿入された樹脂管の周囲を囲むことができる形状であればよい。
もちろん、塩化ビニル製の円筒状の排水管に対して使用する場合には、内周が円形又は正12角形等の多角形であればより排水管に密着して設置することが可能となる。
【0049】
不燃性筒32に使用される材料は、耐火性を有する材料であり、かつ折り曲げ部に力を加えて展開可能であれば特に限定されない。そのような材料としては、例えば、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス板、アルミニウム板等の金属板が好ましい。そして、不燃性筒としたときのこれらの材料の厚さは0.3〜1.5mmであり、この範囲内であれば、熱膨張性部材層33を保持し、かつ膨張した熱膨張性層を充分に支持可能な強度を備えることができる。さらに0.5〜1.0mmとすることが好ましい。
【0050】
また、熱膨張性部材層33に使用される熱膨張性部材としては、熱膨張性黒鉛、ひる石、リン酸塩と炭化水素や糖等の有機物質又はそれらの混合物、硼素含有化合物、窒素含有有機化合物、加熱により発泡する発泡剤と無機化合物の混合物等の公知の物質から任意に選択した耐火や防火に使用される膨張性の耐熱物質と、バインダー成分としての樹脂或いはゴムを含有してなり、その樹脂としてはシリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリエステル等、ゴムとしてはNBR、IIR、NR等の合成ゴム及び天然ゴムの有機化合物などを使用できる。
そして、幅(筒形の高さ方向)は5〜50mm、厚さが10mm以下でもよく、熱膨張性部材層33の熱膨張性部材の含有比率は10〜50wt%であり、上記のバインダー成分の他に含有させることができる成分として可塑剤、安定剤、体質顔料等が挙げられる。
【0051】
使用する対象物の大きさや材質等を考慮して、任意の膨張倍率を示す熱膨張性部材を選択し、これを不燃性筒32と不燃性筒折り曲げ部34の間に収容させることができるが、火災時において充分に膨張し、熱により軟化した樹脂管や樹脂被覆ケーブルを圧縮して、ガスや熱が床や壁に設けた穴を通らないように確実に遮断できる熱膨張性部材を選択して使用することが必要である。なお、熱膨張性部材の形状は、これを不燃性筒32と不燃性筒折り曲げ部34の間に収容させることができる形状であれば、筒状、短冊状等の任意の形状で良い。
【0052】
さらに
図11に示すように、不燃性筒32は熱膨張性部材層33の端部を巻き込むように内側に屈曲して、該端部の内面にまで不燃性筒の部材が折り曲げられてなり、その折り曲げられてなる不燃性筒折り曲げ部34には、V状やU字状等の切れ目38が設けられている。
この切れ目を設けることにより、火災時の熱により熱収縮性部材層が膨張するときの力により折り曲げ部が展開するように元に戻る方向に変形する際に、隣り合った折り曲げ部が干渉することがない。
【0053】
このような不燃性筒折り曲げ部34の変形により、火災時においても膨張した熱膨張性部材層33が変形された折り曲げ部34によって支持されて落下しないか、あるいは落下しても少量に留まるので、効率よく熱による排水管等の減容部を埋めるようにして膨張して、炎やガスが排水管等の減容部を通過することを確実に阻止できる。
このため、底部36から不燃性筒折り曲げ部34先端までの長さは、上記のように折り曲げ部が展開するように元に戻る方向に変形した際に、樹脂管等の減容部を塞ぐことができる程度の長さを要する。よって、耐火閉塞具31として使用する樹脂管等の径に応じた高さのものを選択することになり、不燃性筒32の高さと同じ程度となる長さでもよく、不燃性筒32の高さ以下の高さとなる程度の長さでも良い。
【0054】
本発明に用いられる耐火閉塞具は、建築物の床、天井又は壁に設けた開口部に挿入される樹脂管用排水継手のフランジに接続する。具体的には、樹脂管用排水継手の樹脂管が挿入される継手端部の排水継手内面またはスリーブ内面に耐火閉塞具を挿入・設置、または外挿・設置してフランジに接続する。
【0055】
耐火閉塞具は建築物の床、天井又は壁の開口部に設けたり、これらの開口部に挿入された排水管等用の排水継手、さらに排水継手の室内への開口部であって、樹脂管と上記排水継手が接続される箇所を被覆するように、該排水継手の端部に、例えばフランジを介して接続したり、またはこの端部と樹脂管や樹脂被覆ケーブルのすき間を用いて固定することができる。
【0056】
その設置の態様としては、
図14に示すように耐火閉塞具31を排水継手と樹脂管40の接続箇所において、排水継手のフランジ41にパッキン42を介してフランジ43を設け、ボルトにより固定片35を固定する。このように設置することによって、耐火閉塞具31より天井もしくは壁までの間は樹脂管が露出せず、火災時には膨張した耐火閉塞具31によって樹脂管の溶融により生じた減容部分の空間を封鎖して、樹脂管を通じて炎やガス等が天井や壁に設けた開口部を通じて拡大することを防止する。
また、これらの図に限定されず、排水継手に耐火閉塞具31を設ける方法は任意に選択し得る。
【0057】
図15には本発明に用いられる耐火閉塞具31の火災時における作用を示す。
火災の熱により熱膨張性部材層33が熱膨張を開始する温度以上に加熱されると、熱膨張性部材層33は熱膨張を開始する。そして熱膨張を開始した熱膨張性部材層33は耐火閉塞具31の上部から耐火閉塞具31をはみ出すように膨張すると共に、熱により減容した樹脂管や樹脂ケーブルが存在した空間、つまり、筒状の耐火閉塞具31の中心部に向けて膨張を開始する。このとき、熱膨張性部材層33からみて該中心部方向に存在する不燃性筒折り曲げ部34に対して、膨張により生じる力が作用して、不燃性筒折り曲げ部34が筒状の耐火閉塞具31の中心に向けて矢印の向きに開くように変形する。
【0058】
この結果、不燃性筒折り曲げ部34が存在しない場合には、熱膨張と共に落下していた熱膨張性部材層33が、本発明においては、不燃性折り曲げ部34を変形させると共に、その不燃性折り曲げ部34に支持されることにより、落下することがないか、あっても少量なので、熱膨張した結果、熱により減容した樹脂管や樹脂ケーブルが存在した空間に効率よく熱膨張した熱膨張性部材層33が充填されることになる。
【0059】
具体的態様を
図16に示す。火災時には、排水継手に挿入された樹脂管40の室内に出ている下部及び耐火閉塞具に囲まれた樹脂管が軟化し、この軟化部分を熱膨張性部材層が発泡する際の押圧力により圧縮する、この結果、
図16の樹脂管40のように押圧された部分は樹脂管の径が小さくなると共に、径が小さくなった部分は、熱膨張した熱膨張性部材層33により充填されると共に、膨張による押圧力により不燃性筒折り曲げ部34の折り曲げ部が開くように変形する。
図16は不燃性筒折り曲げ部34が開き、かつ熱膨張性部材層が熱膨張した後の図であり、熱膨張した熱膨張性部材層33はその不燃性筒折り曲げ部34により区画される区域内に留まり、落下することがないか、あっても少量に留まるために、熱膨張した熱膨張性部材層により樹脂管が存在していた空間が確実に充填されて、熱や有毒ガスが隣接する階や部屋に拡がらない。
【0060】
図17は、排水継手に耐火閉塞具が接続された図であり、排水継手が床スラブに設置され、その上部に上部立て管20が接続され、下部には下部立て管21が接続され、さらに枝管23も接続されており、これらの管は防音材3で被覆されている。上部立て管20と枝管23との接続部にはジョイントテープが巻き付けられている。
このような排水の配管において、下部立て管の排水継手接続部には耐火閉塞具31が取り付けられている。
図17は取り付けた一例であるが、排水継手の下部のフランジ41にパッキン42を介して耐火閉塞具31の固定片35がボルトにより固定される。不燃性筒折り曲げ部34の内径は樹脂製の下部立て管21の外径とほぼ同じ径であり、下部立て管21の外面を被覆する防音材3は、耐火閉塞具31の直下から下部立て管21を被覆する。
【0061】
このような経過をたどりつつ、排水継手に耐火閉塞具31を接続すると、火災時に確実に樹脂管や樹脂ケーブルが減容してなる空間を充填できるので、ガスや熱が他の部屋や階に拡がることを防止できるという効果を併せて得ることができる。
【0062】
(実施例)
本発明における吸音層に関して、その焼成温度によって火災時における煙の発生について確認した。
吸音層としてグラスファイバーを使用した。このグラスファイバーを300℃、360℃、400℃、420℃でそれぞれ5分焼成して焼成済みグラスファイバーを作成した。
これらの焼成済みグラスファイバーに向けてバーナーを当てて加熱を行ない、その際の煙の発生の有無を目視で確認した。結果を下記表1に示す。
【表1】
この表1に示すように、360℃以下の温度で焼成されたグラスファイバーは、バーナーによる加熱により煙を発生したが、400℃以上の温度で焼成したグラスファイバーはバーナーによる加熱によっても煙を発生することはなかった。
このような結果によれば、本発明における吸音層に使用するグラスファイバーとして、400℃以上にて焼成されたものを使用する場合には、火災時においても煙を発生することがないので、上階にいる人は煙により避難が困難になることがなく、速やかに避難することが可能となる。