(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1区間と第2区間とをそれぞれ有する複数のパケットの各第1区間において、光源から出力された変調された光信号を復調するために、相異なる位相を有する複数のオシレーション信号のそれぞれを複数のフォトゲートのそれぞれに供給することにより各フォトゲートの下部に生成された光電荷をフローティング・ディフュージョン・ノードに伝送する段階と、
前記複数のパケットの各第2区間において、前記光源をディセーブルさせ、DC電圧を前記複数のフォトゲートのそれぞれに供給することにより前記光電荷のうちから残留する光電荷を前記フローティング・ディフュージョン・ノードに伝送する段階と、
を含むことを特徴とするセンサーの動作方法。
前記第2レベルが、前記複数の感知回路のそれぞれが有する前記フォトゲートに供給されたときに前記フォトゲートの下部に位置する半導体基板の内部に形成された空乏層は、前記第1レベルが、前記複数の感知回路のそれぞれに具現された前記フォトゲートに供給されたときに前記半導体基板の内部に形成された空乏層より大きいことを特徴とする請求項5に記載のセンサー。
変調された光信号を生成するための光源と、フォトゲートをそれぞれ含む複数の感知回路と、前記光源と前記複数の感知回路との動作を制御するためのコントローラと、を有するセンサーと、
前記センサーに含まれた前記コントローラの動作を制御するためのプロセッサと、を含み、
前記コントローラは、第1区間と第2区間とをそれぞれ有する複数のパケットの各第1区間において前記光源をイネーブルさせ、前記光源から出力された前記変調された光信号を復調するために相異なる位相を有する複数のオシレーション信号のそれぞれを前記複数の感知回路のそれぞれが有する前記フォトゲートに供給することにより各フォトゲートの下部に生成された光電荷をフローティング・ディフュージョン・ノードに伝送し、前記複数のパケットのそれぞれの前記第2区間の間に前記光源をディセーブルさせ、DC電圧を前記複数の感知回路のそれぞれが有する前記フォトゲートに供給することにより前記光電荷のうちから残留する光電荷を前記フローティング・ディフュージョン・ノードに伝送する、ことを特徴とするデータ処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る、二つのフォトゲート(photo gates)を有する距離ピクセル(pixel)を含むセンサーを示すブロック図である。
【0021】
複数の距離センサーを含むセンサー10は、赤外線光源12によって変調された赤外線光信号(modulated infrared photon signal;EL)を外部に放射し、変調された赤外線光信号ELが赤外線光源12から放射された時間と赤外線光信号ELが被写体(または、ターゲット物体11)によって反射された後、センサー10に入射される変調された赤外線光信号(以下、「反射光信号」と称し、RL’およびRL)の入射時間の時間差tΔを表わす数式1を用いて距離dを測定することができる。
【0023】
ここで、dは、センサー10と被写体11との距離を、cは、光速を表わす。
【0024】
センサー10は、赤外線光源12、センサーアレイ(sensor array)14、赤外線通過フィルター17、CDS/ADC回路18、タイミングコントローラ(timing controller)20、ローデコーダ(row decoder)22、及びメモリ(memory)24を含み得る。
【0025】
センサー10とイメージ信号プロセッサ150は、一つの半導体チップ(chip)(例えば、SoC(System on Chip))として構成されてもよい。一方、センサー10とイメージ信号プロセッサ150は、別個の半導体チップとして構成されてもよい。
【0026】
センサー10は、タイミングコントローラ20の制御のもとでメモリ24から出力されるデータ(data)をイメージ信号プロセッサ150に伝送するためのカラムデコーダ(column decoder、図示せず)をさらに含み得る。
【0027】
センサー10は、反射光信号を赤外線通過フィルター17に集光させるためのレンズ(lens、図示せず)をさらに含み得る。赤外線通過フィルター17と前記レンズを含むレンズモジュール(lens module、図示せず)の動作は、タイミングコントローラ20によって制御される。
【0028】
センサーアレイ14は、複数の距離ピクセル16を含みうる。
【0029】
タイミングコントローラ20は、赤外線光源12の動作と複数の距離ピクセル16のそれぞれの動作とを制御し得る。タイミングコントローラ20の制御のもと、赤外線光源12は、変調された赤外線光信号ELを外部に放射することができる。
【0030】
具体的には、タイミングコントローラ20は、複数の距離ピクセル16のそれぞれに含まれる複数のフォトゲートのそれぞれの動作を制御するための二つのオシレーション(oscillation)信号Pa、Pbを生成することができる。
図2Cに示されるように、二つのオシレーション信号Pa、Pbの位相差は、180°である。
【0031】
タイミングコントローラ20は、
図2Cに示されるように、複数のパケット(packets)P〜NP(Nは、自然数)を生成することができる。複数のパケットP〜NPのそれぞれは、第1区間(
図2CのT1であり、例えば、オンタイム(on−time)区間とも言う)と第2時間区間(
図2CのT2であり、例えば、オフタイム(off−time)区間とも言う)とを含む。
【0032】
第1区間の間、タイミングコントローラ20は、それぞれが、第1レベル(level)と第2レベルとの間でオシレーションする二つのオシレーション信号Pa、Pbを出力する。第2区間の間に、タイミングコントローラ20は、DC電圧を出力する。
【0033】
例えば、
図2Cに示されるように、タイミングコントローラ20は、第1区間T1の間に、赤外線光源12をイネーブル(enable)させるための制御信号ENを赤外線光源12に供給することができる。また、タイミングコントローラ20は、赤外線光源12から出力された変調された赤外線光信号ELを復調するために、相異なる位相差、例えば、180°の位相差を有する二つのオシレーション信号Pa、Pbそれぞれを複数の距離ピクセル16のそれぞれに含まれるフォトゲートのそれぞれに供給することができる。
【0034】
したがって、第1区間T1の間に、赤外線光源12は、制御信号ENに応答して変調された赤外線光信号ELを出力することができる。
【0035】
図2Cに示されるように、タイミングコントローラ20は、第2区間T2の間に、赤外線光源12をディセーブル(disable)させる制御信号ENを赤外線光源12に供給することができる。また、タイミングコントローラ20は、DC電圧を複数の距離ピクセル16のそれぞれに含まれるフォトゲートのそれぞれに供給することができる。
【0036】
赤外線光源12は、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)またはOLED(Organic Light Emittingdiode)であり得る。
【0037】
センサー10は、センサーアレイ14の周りに配置された複数の赤外線光源を含み得るが、
図1では、説明の便宜上、一つの赤外線光源12のみを示す。
【0038】
図2Aは、
図1に示された距離ピクセルの断面図であり、
図2Bは、従来の距離ピクセルを制御するための制御信号の波形を示すタイミング(timing)図であり、
図2Cは、
図1に示された距離ピクセルの動作を制御するための制御信号の波形を示すタイミング図である。
【0039】
図2Aを参照すると、距離ピクセル16は、第1フォトゲートPG1、第2フォトゲートPG2、第1伝送回路TX1、第2伝送回路TX2、第1ブリッジング(bridging)領域BD1、第2ブリッジング領域BD2、第1フローティング拡散領域FD1、及び第2フローティング拡散領域FD2を含む。
【0040】
しかし、第1ブリッジング領域BD1と第2ブリッジング領域BD2は、設けられないこともある。第1ブリッジング領域BD1、第2ブリッジング領域BD2、第1フローティング拡散領域FD1、第2フローティング拡散領域FD2は、半導体基板(例えば、p−型エピタキシャル(epitaxial)領域)内に形成される。
【0041】
第1フォトゲートPG1と第2フォトゲートPG2のそれぞれの下部に位置する半導体基板16−1の内部で、第1フォトゲートPG1と第2フォトゲートPG2のそれぞれを通過した反射光信号RLによって光電子(または、光電荷)が生成される。
【0042】
図2Aと
図2Bとを参照すると、第1フォトゲートPG1と第2フォトゲートPG2は、それぞれタイミングコントローラ20から出力された180°の位相差を有する二つのオシレーション信号Pa、Pbにそれぞれ応答して、収集(collection)動作と伝送(transfer)動作とを制御することができる。
【0043】
ここで、収集動作とは、反射光信号RLによって生成された光電子が半導体基板16−1の表面に収集される動作を差し、伝送動作とは、収集された光電子を伝送回路TX1、TX2のそれぞれを用いてフローティング拡散領域FD1、FD2のそれぞれに伝送する動作を指す。
【0044】
例えば、各オシレーション信号Pa、Pbが、第1レベルであるローレベル(low level)であるとき、すなわち、半導体基板16−1の内部に生成された光電子に加えられるポテンシャル(potential)値が小さいとき、各フォトゲートPG1、PG2の下部に収集された光電子は、各ブリッジング領域BD1、BD2を通じて各フローティング拡散領域FD1、FD2に伝送される。
【0045】
図2Aに示されたVLAとVLBは、第1レベルを有する各オシレーション信号Pa、Pbが各フォトゲートPG1、PG2に供給されるときに、光電子が収集される領域または空乏層を表わす。
【0046】
また、例えば、各オシレーション信号Pa、Pbが、第2レベルであるハイレベル(high level)であるとき、すなわち、半導体基板16−1の内部に生成された光電子に加えられるポテンシャル値が大きいとき、各フォトゲートPG1、PG2の下部に反射光信号RLによって生成された光電子が収集される。
【0047】
図2Aに示されたVHAとVHBは、第2レベルを有する各オシレーション信号Pa、Pbが各フォトゲートPG1、PG2に供給されるときに、光電子が収集される領域または空乏層を表わす。
【0048】
第2レベルが、複数のフォトゲートPG1、PG2のそれぞれに供給されるときに複数のフォトゲートPG1、PG2のそれぞれの下部に位置する半導体基板16−1の内部に形成される空乏層(例えば、VHAとVHB)は、第1レベルが複数のフォトゲートPG1、PG2のそれぞれに供給されるときに半導体基板16−1の内部に形成される空乏層(例えば、VLAとVLB)より大きい。
【0049】
半導体基板16−1の内部には、各フォトゲートPG1、PG2の下部に生成された光電子が、互いに及ぼす影響を遮断するための分離領域16−2が形成される。例えば、半導体基板16−1は、P
−でドーピング(doping)されたエピタキシャル領域であり、分離領域16−2は、P
+でドーピングされた領域であり得る。
【0050】
センサーの光電子の伝送効率が低くて収集動作と伝送動作とが区分されなければ、収集動作時に生成された光電子と伝送動作時に生成された光電子とがそれぞれのフローティング拡散領域FD1、FD2で混合されてしまうおそれがある。したがって、第1フローティング拡散領域FD1、第2フローティング拡散領域FD2それぞれから出力されたそれぞれの信号を復調するとき、復調効率が落ちるおそれがある。
【0051】
本発明の実施形態に係るセンサー10は、それぞれが第1区間T1と第2区間T2とを含む複数のパケットP〜NPを用いて、光電子の伝送効率を高めることができる。センサー10は、複数のパケットP〜NPのそれぞれに含まれた第2区間T2を、光電子伝送を行なう区間として使うことができる。
【0052】
図2Cに示されたように、積分区間(integration time)は、複数のパケットP〜NPを含み、複数のパケットP〜NPのそれぞれは、第1区間T1(または、オンタイム区間)と第2区間T2(または、オフタイム区間)とを含む。第1区間T1では、収集動作と伝送動作とがともに行われ、第2区間T2では、伝送動作のみ行われる。
【0053】
この際、
図2Bの積分時間と
図2Cの積分時間は同一である。
【0054】
複数の第1フォトゲートPG1、第2フォトゲートPG2のそれぞれは、第1区間T1の間に光電子が収集された後、伝送されていない残余光電子を第2区間T2の間に第1フローティング拡散領域FD1、第1フローティング拡散領域FD2にそれぞれ伝送することができるので、光電子の伝送効率が高くなる。すなわち、本発明の実施形態に係るセンサー10は、残余光電子を伝送するための第2区間T2を別途設けることで電子の伝送効率を高めることができる。
【0055】
図3は、
図2Aに示された距離ピクセルに具現された複数フォトゲート及びトランジスタを含む回路図である。
【0056】
図2Aと
図3とを参照すると、MOSFETで構成可能な第1伝送回路TX1は、制御信号TG1に応答して、半導体基板16−1の内部に生成された光電子を第1フローティング拡散領域FD1に伝送する。このとき、適切なタイミングで加えられる制御信号TG1の電圧レベルを調節して伝送された光電子が、第1フローティング拡散領域FD1から第1フォトゲートPG1側への逆拡散(back diffusion)することを阻むことができる。
【0057】
MOSFETとして構成可能な第2伝送回路TX2は、制御信号TG2に応答して、生成された光電子を第2フローティング拡散領域FD2に伝送し、適切なタイミングで加えられる制御信号TG2の電圧レベルを調節して、伝送された光電子が、第2フローティング拡散領域FD2から第2フォトゲートPG2側への逆拡散することを阻むことができる。
【0058】
複数のパケットP〜NPのそれぞれの第2区間T2の間に、第1フォトゲートPG1、第2フォトゲートPG2にそれぞれ供給されるDC電圧は、接地電圧であり得る。
【0059】
しかし、複数のパケットP〜NPのそれぞれの第2区間T2の間に、第1フォトゲートPG1、第1フォトゲートPG2にそれぞれ供給されるDC電圧は、第1レベル(例えば、0V)と同じかこれより高く、第2レベル(例えば、3.3V)より低くすることもできる。
【0060】
第1区間T1の間に、タイミングコントローラ20から出力された二つのオシレーション信号Pa、Pbにそれぞれ応答して、第1フォトゲートPG1と第2フォトゲートPG2はそれぞれ反射光信号RLによって半導体基板16−1の内部で生成された光電子を収集する収集動作と収集された光電子をそれぞれ第1フローティング拡散領域FD1、第2フローティング拡散領域FD2に伝送する伝送動作とを反復的に行うことができる。
【0061】
二つのフォトゲートPG1、PG2のそれぞれに供給される二つのオシレーション信号Pa、Pbの位相差は、180°であり得る。また、変調された赤外線光信号ELの位相と二つのオシレーション信号Pa、Pbのうちの何れか一つの信号(例えば、PaまたはPb)の位相との差は、0°、90°、180°、または270°であり得る。
【0062】
複数のパケットP〜NPのそれぞれの第1積分区間T1の間に、すなわち、第1レベルを有する各オシレーション信号Pa、Pbが、それぞれ第1フォトゲートPG1、第2フォトゲートPG2に供給されるとき、半導体基板16−1の内部で生成された多数の光電子は、それぞれ第1フローティング拡散領域FD1、第1フローティング拡散領域FD2に伝送される。第2レベルを有する各オシレーション信号Pa、Pbが、それぞれ第1フォトゲートPG1、第2フォトゲートPG2に供給されるとき、半導体基板16−1の内部で生成された光電荷は収集される。
【0063】
複数のパケットP〜NPのそれぞれの第2積分区間T2の間に、赤外線光源12は、タイミングコントローラ20から出力された制御信号ENに応答してディセーブルされる。この際、DC電圧が、第1フォトゲートPG1、第2フォトゲートPG2にそれぞれ供給されるので、第1積分区間T1の間に生成された光電子のうち、それぞれ第1フローティング拡散領域FD1、第2フローティングFD2に伝送されていない残余光電子は、それぞれ第1伝送回路TX1、第2伝送回路TX2によって第1フローティング拡散領域FD1、第2フローティング拡散領域FD2にそれぞれ伝送される。
【0064】
図2Cに示されるように、第1区間T1と第2区間T2との間に、第1伝送回路TX1、第2伝送回路TX2は、ハイレベルを有する第1制御信号TG1、第2制御信号TG2にそれぞれ応答してオン(on)状態を維持する。
【0065】
図3を参照すると、二つのフォトゲート、すなわち、第1フォトゲートPG1および第2フォトゲートPG2を有する距離ピクセル16は、第1感知回路(または、ピクセルA)と第2感知回路(または、ピクセルB)とを含む。
【0066】
第1感知回路(または、ピクセルA)は、第1フォトゲートPG1を通過した反射光信号RLによって生成された光電子を処理、例えば、収集または伝送することができる第1フォトゲートPG1と、複数のトランジスタ、すなわち、TX1、RX1、DX1、及びSX1を含む。
【0067】
第2感知回路(または、ピクセルB)は、第2フォトゲートPG2を通過した反射光信号RLによって生成された光電子を処理、例えば、収集または伝送することができる第2フォトゲートPG2と、複数のトランジスタ、すなわち、TX2、RX2、DX2、及びSX2を含む。
【0068】
各リセット(reset)トランジスタRX1、RX2は、タイミングコントローラ20から出力されたリセット信号RSにそれぞれ応答して、第1フローティング拡散領域FD1、第2フローティング拡散領域FD2をそれぞれリセットすることができる。
【0069】
各伝送トランジスタTX1、TX2は、タイミングコントローラ20から出力された各制御信号TG1、TG2にそれぞれ応答して、第1フォトゲートPG1、第2フォトゲートPG2の下部の半導体基板の内部に生成された多数の光電子を各フローティング拡散領域FD1、FD2にそれぞれ伝送することができる。
【0070】
ソースフォロワバッファ増幅器(source follower buffer amplifier)の役割を担うことができる各ドライブ(drive)トランジスタDX1、DX2は、第1フローティング拡散領域FD1、第1フローティング拡散領域FD2にそれぞれ充填された光電子によって生成された電圧にそれぞれ応答して、供給電圧VDDをバッファリング(buffering)する動作を行うことができる。
【0071】
各選択トランジスタSX1、SX2は、タイミングコントローラ20から出力された制御信号SELに応答して、各ドライブトランジスタDX1、DX2によってバッファリングされた信号を各カラム(column)ラインに出力することができる。
【0072】
図1を再び参照すると、タイミングコントローラ20の制御のもと、CDS/ADC回路18は、各距離ピクセル16から出力された信号にCDS(Correlated Double Sampling)動作とADC(Analog to Digital Converting)動作とを行って、各デジタル(digital)信号を出力することができる。
【0073】
メモリ24は、CDS/ADC回路18から出力された各デジタル信号を受信して保存することができる。メモリ24に保存された各デジタル信号は、カラムデコーダ(図示せず)によってイメージ(image)信号プロセッサ150に出力される。
【0074】
図4Aは、本発明の実施形態に係るセンサーの第2区間の長さによって積分区間内に含まれたパケットの数と第1フローティング拡散領域の出力信号に対するアナログ−デジタル変換動作結果との関係を示すグラフである。
【0075】
図4Aで、X−軸は、パケットの数を示し、Y−軸は、ピクセルAから出力されたデジタル信号ADC outのビット(bit)数を示す。「pixel A off time」は、ピクセルAの第2区間の長さを示す。
【0076】
図4Bは、本発明の実施形態に係るセンサーの第2区間の長さとフローティング拡散領域の出力信号に対するアナログ−デジタル変換動作結果との関係の第1区間の長さ依存性を示すグラフである。
図4Bで、X−軸は、第2区間T2の時間を表わし、Y−軸は、ピクセルAまたはピクセルBから出力されるデジタル信号ADC outのビット数を表わす。「pixel A,on time」は、ピクセルAの第1区間の長さを示し、「pixel B,on time」は、ピクセルBの第1区間の長さを示す。
【0077】
図2C、
図4A、及び
図4Bを参照すると、復調周波数が16MHzであり、
図2Cの積分区間が10msecであるとき、積分区間に含まれたパケットの数が大きいほど、そして、パケットのそれぞれの第2区間T2が長いほどピクセルAまたはピクセルBから出力される各デジタル信号ADC outのビット数が増加するということが分かる。すなわち、第2区間T2が長いほど電子の伝送効率が増加するので、復調効率も増加する。
【0078】
変調された赤外線光信号ELの位相と第1オシレーション信号Paの位相との差が0であり、第1オシレーション信号Paの位相と第2オシレーション信号Pbの位相との差が180°であり、第1フローティング拡散領域FD1、第2フローティング拡散領域FD2からそれぞれ出力される各出力信号をsigAとsigBとする場合、復調対比値(D.C.)は、数式2の通りである。
【0080】
復調対比値(D.C.)は、TOF方式のセンサーで測定された距離の正確度を表わす尺度である。復調対比値(D.C.)が高いほど正確度は大きくなる。すなわち、sigAとsigBとの差が大きくなるほど測定された距離の正確度はさらに大きくなる。
【0081】
図5Aは、本発明の実施形態に係るセンサーにおいて、第2区間の長さと
図2Aに示された距離ピクセルの出力信号の和との関係を示し、
図5Bは、本発明の実施形態に係るセンサーにおいて、第2区間の長さと
図2Aに示された距離ピクセルの出力信号の差との関係を示し、
図5Cは、本発明の実施形態に係るセンサーの第2区間の長さと
図2Aに示された距離ピクセルの復調対比値との関係を示すグラフである。
【0082】
図5Aに示されるように、sigA+sigBは、
図2Cの第2区間T2が増加するほど増加する。
図5Bに示されるように、sigA−sigBは、
図2Cの第2区間T2が増加するほど増加する。
図5Cに示されるように、数式2による復調対比値(D.C.)は、第2区間T2が増加するほど増加する。
【0083】
本発明の実施形態に係るセンサー10とセンサー10の動作方法は、第1区間T1の間に伝送していない多数の残余光電子を伝送するための第2区間T2を別途に設定しているので、光電子の伝送効率を増加させ、これにより、復調効率を増加させることができる。
【0084】
図6は、本発明の他の実施形態に係る、距離ピクセルを含むイメージセンサー(image sensor)を示すブロック図である。
【0085】
図6に示されたイメージセンサー100は、距離ピクセルを用いて距離情報を測定する機能と、各カラーピクセル(color pixel)(例えば、レッドカラーピクセル(red color pixel)、グリーンカラーピクセル(green color pixel)、及びブルーカラーピクセル(blue color pixel))を用いて、各カラー(color)情報(例えば、レッドカラー(red color)情報、グリーンカラー(green color)情報、及びブルーカラー(blue color)情報)を測定する機能とを結合して、距離情報とともに各カラー情報を得られるイメージセンサーである。
【0086】
イメージセンサー100は、光源12、タイミングコントローラ20、ピクセルアレイ(pixel array)110、ローデコーダ22、カラムデコーダ124、CDS/ADC回路130、及びイメージ信号プロセッサ(image signal processor)150を含む。カラムデコーダ124は、CDS/ADC回路130とイメージ信号プロセッサ150との間に配置されることもある。
【0087】
光源12は、タイミングコントローラ20の制御下で変調された赤外線光信号を生成することができる。
【0088】
図2Cと
図6とを参照すると、光源120は、タイミングコントローラ20から出力された制御信号ENに応答して複数のパケットP〜NPのそれぞれの第1積分区間T1の間には、イネーブルされ、複数のパケットP〜NPのそれぞれの第2積分区間T2の間には、ディセーブルされ得る。
【0089】
ピクセルアレイ110は、複数のピクセルを含む。前記複数のピクセルは、それぞれ距離ピクセル、レッドピクセル(red pixel)、グリーンピクセル(green pixel)、ブルーピクセル(blue pixel)、マゼンタピクセル(magenta pixel)、シアンピクセル(cyan pixel)、またはイエローピクセル(yellow pixel)として具現可能である。
【0090】
ピクセルアレイ110に具現された距離ピクセルの構造と動作は、
図2A、
図2C、及び
図3を参照して説明した距離ピクセルの構造と動作と実質的に同一である。
【0091】
ローデコーダ22は、タイミングコントローラ20から出力された制御信号に応答して、ピクセルアレイ110において設けられたれた複数のロー(row)のうちの何れか一つのローを選択することができる。前記複数のローのそれぞれには、複数のピクセルが配列されうる。
【0092】
カラムデコーダ124は、タイミングコントローラ20から出力された制御信号に応答して、ピクセルアレイ110において設けられた複数のカラムライン(column line)のうちの少なくとも一つのカラムラインを選択することができる。
【0093】
ピクセルアレイ110に具現された複数のピクセルのうちの何れか一つのピクセルは、ローデコーダ22とカラムデコーダ124とによって選択され得る。したがって、選択された何れか一つのピクセルによって生成された信号(例えば、距離情報または各カラー情報)は、CDS/ADC回路130に伝送することができる。
【0094】
CDS/ADC回路130は、ピクセルアレイ110またはカラムデコーダ124から出力された信号(例えば、距離情報または各カラー情報)をデジタル信号に変換することができる。例えば、CDS/ADC回路130は、ピクセルアレイ110から出力された信号(例えば、距離情報または各カラー情報)に対してCDS動作を行ってCDS信号を生成し、生成されたCDS信号にADC動作を行ってデジタル信号を生成することができる。
【0095】
イメージ信号プロセッサ150は、CDS/ADC回路130またはカラムデコーダ124から出力されたデジタル信号からデジタルピクセル信号(例えば、距離情報または各カラー情報)を検出することができる。
【0096】
ピクセルアレイ110は、レッドピクセル、グリーンピクセル、ブルーピクセル、及び赤外線領域の波長を検出することができる距離ピクセルを含み得る。距離ピクセルは、2タップ(tap)ピクセル構造を有する距離ピクセルまたは1タップピクセル構造を有する距離ピクセルであり得る。
【0097】
レッドピクセルは、可視光領域のうちレッド領域に属する波長に相応するレッドピクセル信号を生成し、グリーンピクセルは、可視光領域のうちグリーン領域に属する波長に相応するグリーンピクセル信号を生成し、ブルーピクセルは、可視光領域のうちブルー領域に属する波長に相応するブルーピクセル信号を生成する。距離ピクセルは、赤外線領域に属する波長に相応する距離ピクセル信号を生成することができる。
【0098】
図7は、
図6に示されたイメージセンサーを含むデータ処理システムを示すブロック図である。
図7を参照すると、データ処理システム200は、イメージセンサー100とプロセッサ210とを含み得る。
【0099】
プロセッサ210は、イメージセンサー100の動作、例えば、タイミングコントローラ20の動作を制御することができる。プロセッサ210は、イメージセンサー100の動作を制御するためのプログラム(program)を保存することができる。プロセッサ210は、イメージセンサー100の動作を制御するためのプログラムが保存されたメモリ(図示せず)にアクセス(access)して、前記メモリに保存された前記プログラムを実行させるようにしてもよい。
【0100】
イメージセンサー100は、プロセッサ210の制御のもとで各デジタルピクセル信号(例えば、カラー情報または距離情報)に基づいて3次元イメージ情報を生成することができる。生成された3次元イメージ情報は、インターフェース(interface)230に接続されたディスプレイ(display)(図示せず)を通じてディスプレイされ得る。
【0101】
イメージセンサー100によって生成されたイメージ情報は、プロセッサ210の制御のもとでバス(bus)201を通じてメモリ装置220に保存することができる。メモリ装置220は、不揮発性メモリ装置で構成することができる。
【0102】
インターフェース230は、イメージ情報を入出力するためのインターフェースである。インターフェース230は、キーボード(key board)、マウス(mouse)、またはタッチパッド(touch pad)のような入力装置及びディスプレイまたはプリンター(printer)のような出力装置により構成することができる。
【0103】
図8は、
図1に示されたセンサーを含むデータ処理システムを示すブロック図である。
【0104】
図8を参照すると、イメージ処理システム300は、距離センサー10、複数のカラーピクセルを含むカラーイメージセンサー310、及びプロセッサ210を含みうる。
【0105】
図8には、説明の便宜上、物理的に互いに分離された距離センサー10とカラーイメージセンサー310とを図示するが、距離センサー10とカラーイメージセンサー310は、互いに物理的に重複される信号処理回路を含み得る。
【0106】
ここで、カラーイメージセンサー310は、距離ピクセルを含まず、レッドピクセル、グリーンピクセル、及びブルーピクセルを含むピクセルアレイを含むイメージセンサーを意味する。したがって、プロセッサ210は、距離センサー10によって検出された距離情報と、カラーイメージセンサー310によって検出された各カラー情報(例えば、レッド情報、グリーン情報、ブルー情報、マゼンタ情報、シアン情報、またはイエロー情報のうちの少なくとも一つ)に基づいて3次元イメージ情報を生成し、生成された3次元イメージ情報をディスプレイを通じて表示することができる。プロセッサ210によって生成された3次元イメージ情報は、バス301を通じてメモリ装置220に保存することができる。
【0107】
図7または
図8に示されたイメージ処理システム200、300は、3次元距離測定器、ゲームコントローラ(game controller)、カメラ(camera)、またはジェスチャ感知装置(gesture sensing apparatus)に使用される。
【0108】
図9は、
図1に示されたセンサーを含むデータ処理システムを示すブロック図である。
【0109】
図9を参照すると、単純距離測定センサーとしてのみ動作することができるデータ処理システム400は、距離センサー10と距離センサー10の動作を制御するためのプロセッサ210とを含む。
【0110】
プロセッサ210は、距離センサー10から出力された距離情報に基づいて信号処理システム400と被写体(または、ターゲット物体)との距離情報または距離情報を計算することができる。プロセッサ210によって測定された距離情報または距離情報は、バス401を通じてメモリ装置220に保存することができる。
【0111】
このように、本発明の実施形態に係るセンサー、センサーの動作方法、及びセンサーを含むデータ処理システムによれば、センサーで行われる復調過程で発生する熱拡散による光電子の損失を補償して距離情報を正確に測定することができる。また、熱拡散によって減少する光電子の伝送速度を補償することができるので、復調周期内で発生した光電子をフローティング拡散領域に迅速に伝送して復調効率を増加させることができる。 以上、本発明を、図面に示された実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これらから多様な変形及び均等な他の実施形態により本発明を実施することが可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲に記載された技術的思想によって決定されるべきである。