【文献】
ANDREWS, S.R., et al.,J. Biol. Chem.,2004年,279(52),pp.54369-54379
【文献】
Grepinet, O., et al.,J. Bacteriol.,1988年,170(10),pp.4582-4588
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載のポリペプチドを含むタンパク質調製物または固定化ポリペプチドであって、前記タンパク質調製物が液体、固体またはゲルを含む、前記タンパク質調製物または固定化ポリペプチド。
抗体に特異的に結合する請求項1記載のポリペプチドであって、前記抗体がモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体または単鎖抗体である、請求項1記載のポリペプチド。
請求項1記載のポリペプチドを、前記ポリペプチドがキシラン-、セルロース-、またはヘミセルロース-含有組成物を加水分解、液化、分解または破壊する条件下でキシラン-、セルロース-、またはヘミセルロース-含有組成物と接触させる工程を含む、キシラン-、セルロース-、またはヘミセルロース-含有組成物を加水分解、液化、分解または破壊する方法。
請求項1記載のポリペプチド、および、キシラナーゼ、マンナナーゼ、グルカナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、エンドグリコシダーゼ、エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ、ベータ-グルカナーゼ、エンド-ベータ-1,3(4)-グルカナーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、キシログルカナーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよびトランスグルタミナーゼからなる群より選ばれる1以上の酵素を含む酵素カクテル。
請求項1記載のポリペプチドにより任意の有機化合物、植物または木材もしくは木材製品もしくは副産物、木材廃棄物、紙パルプ、紙製品もしくは紙廃棄物もしくは副産物中のキシラン、セルロースまたはヘミセルロースを加水分解する方法。
さらに、エンドグルカナーゼ、オリゴメラーゼI(ベータ-グルコシダーゼ)、CBH1(GHファミリー7)、CBH2(GHファミリー6)、キシラナーゼ(GHファミリー11)、アラビノフラノシダーゼ、キシラナーゼ(GHファミリー10)、およびオリゴメラーゼII(ベータ-キシロシダーゼ)から選ばれる少なくとも1種の酵素を含む、請求項7記載の酵素カクテル。
紙もしくは紙製品、木材、木材パルプもしくは木材製品、またはリサイクル木材もしくはリサイクル紙組成物を請求項1記載のポリペプチドと接触させることを含む、紙もしくは紙製品、紙廃棄物、木材、木材パルプもしくは木材製品、またはリサイクル木材もしくはリサイクル紙組成物中のリグニン量を減少(脱リグニン化)させるかまたはリグニンを可溶化する方法。
紙、紙廃棄物、リサイクル紙製品、非接触印刷紙廃棄物または接触印刷紙廃棄物を、請求項1記載のポリペプチドと接触させることを含む、紙、紙廃棄物、リサイクル紙製品の酵素的脱インク、非接触印刷された紙廃棄物または非接触および接触印刷された紙廃棄物の混合物のトーナーの脱インクのための方法。
織物、編物糸、服地または布地を、請求項1記載のポリペプチドと、布地の漂白をもたらすために適切な条件下で接触させることを含む、織物、編物糸、服地または布地を脱色する方法。
バイオマスを請求項1記載のポリペプチドと接触させてバイオマスを糖およびアルコールに変換することを含む、バイオマスをエタノール、プロパノール、ブタノールまたはメタノールに変換する方法。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明は、グリコシルヒドロラーゼ(キシラナーゼ(例えばエンドキシラナーゼ)および/またはグルカナーゼを含む)、およびそれらをコードするポリヌクレオチド、並びにそれらを製造および使用する方法を提供する。本発明のポリペプチドのグリコシルヒドロラーゼ(キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ活性を含む)は、ヒドロラーゼ活性を有する酵素、例えば多糖類中のグリコシド結合(例えばキシランに存在するグリコシド結合)を加水分解することができる、例えば内部β-1,4-キシロシド結合の加水分解を触媒する酵素を包含する。本発明のキシラナーゼおよび/またはグルカナーゼを用いて、食品、飼料、栄養サプリメント、布地、洗剤などを製造および加工することができる。本発明のキシラナーゼおよび/またはグルカナーゼは医薬組成物および食事用補助物質において用いることができる。
本発明のキシラナーゼおよび/またはグルカナーゼは、焼成、動物飼料、飲料および木材、木材パルプ、クラフトパルプ、紙、紙製品または紙パルプ加工で有用である。ある特徴では、本発明の酵素は、耐熱性、および/または、高温および/または低pH条件に対し耐性を有する。例えば、ある特徴では、本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼは、少なくとも約80℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、101℃、102℃、103℃、104℃、105℃、106℃、107℃、108℃、109℃もしくは110℃またはそれより高い温度、および少なくとも約pH11またはそれより高い塩基性pHを含む条件下で活性を保持する。
本発明は、キシラナーゼ(例えばエンドキシラナーゼ)、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ活性、または本明細書に記載する他の活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする核酸を含む、単離、合成または組換え核酸を提供する。この場合、前記核酸は、表1に示され、さらに本明細書に記載される1つまたは2つ以上のヌクレオチド残基変化(改変、変異)を有する配列番号:1と、cDNA、転写物(mRNA)または遺伝子の約10から2500の領域もしくはそれより大きい残基または完全長にわたって、少なくとも約50%から99%もしくは前記を超えるか、または完全な(100%)配列同一性(相同性)を有する配列を含む。本発明の核酸には本発明のポリペプチドをコードする核酸が含まれ、前記ポリペプチドには、例えば、表1に示され、さらに本明細書に記載される1つまたは2つ以上のアミノ酸残基変化(変異)を有する配列番号:2が含まれ、さらに、例示的な配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22または配列番号:24を基準にして種々の配列同一性を有するポリペプチド類もまた含まれる。
【0058】
本発明は本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変種を提供する。前記変種は、1つまたは2つ以上の塩基対、コドン、イントロン、エクソンまたはアミノ酸残基において(それぞれ)改変された配列を含み、それでもなお本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼの生物学的活性を保持する。変種は任意の多数の手段によって製造することができ、前記手段には、例えば変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ(例えばGeneReassembly(例えば米国特許6,537,776号を参照されたい))、GSSMおよび前記の任意の組合せが含まれる。
“飽和変異導入”、“遺伝子部位飽和変異導入”または“GSSM”という用語は、下記で詳細に述べるように、縮退オリゴヌクレオチドを用いてポリヌクレオチドに点変異を導入する方法を含む。
“最適化定方向進化システム”または“最適化定方向進化”という用語は、関連核酸配列、例えば関連遺伝子のフラグメントを再アッセンブリングする方法を含み、下記で詳細に説明する。
“合成連結再アッセンブリ”または“SLR”という用語は、非確率的態様でオリゴヌクレオチドフラグメントを連結する方法を含み、下記で詳細に説明する。
【0059】
核酸の作製および操作
本発明は、核酸、例えば、グリコシルヒドロラーゼ活性(例えばキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ活性)を有するポリペプチドコードする核酸(本発明のポリペプチドをコードする発現カセット(例えば発現ベクター)を含む)を提供し、前記ポリペプチドは、少なくとも1つの配列改変を有する本発明の例示的核酸配列(上記で規定)の酵素を含み、前記配列改変は、表1に示される1つまたは2つ以上のヌクレオチド残基変化(またはその等価物)、または以下のカッコ内のヌクレオチド残基変化(アミノ酸残基4をコードするコドンがACCからAACに変化;アミノ酸残基4をコードするコドンがACCからCGCに変化;アミノ酸残基4をコードするコドンがACCからCACに変化;アミノ酸残基9をコードするコドンがCCCからGACに変化;アミノ酸残基17をコードするコドンがTTCからGTCに変化;アミノ酸残基21をコードするコドンがTTCからTACに変化;アミノ酸残基33をコードするコドンがCTGからGCGに変化;アミノ酸残基38をコードするコドンがCGTからCACに変化;アミノ酸残基44をコードするコドンがAGCからACGに変化;アミノ酸残基63をコードするコドンがATCからGTCに変化;アミノ酸残基73をコードするコドンがGGCからTACに変化;アミノ酸残基73をコードするコドンがGGCからGAGに変化;アミノ酸残基73をコードするコドンがGGCからGTCに変化;アミノ酸残基108をコードするコドンがTTCからAAGに変化;アミノ酸残基125をコードするコドンがCAGからTACに変化;アミノ酸残基150をコードするコドンがGTAからGCCに変化;アミノ酸残基188をコードするコドンがAGCからGAGに変化;および/またはアミノ酸残基189をコードするコドンがTCCからCAGに変化)の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、もしくは18個、または前記残基変化のいくつかもしくは全部を含む。
【0060】
本発明はまた、本発明の核酸を用いて新規なキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ配列を発見する方法を含む。本発明はまた、本発明の核酸を用いてキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ遺伝子、転写物およびポリペプチドの発現を阻害する方法を含む。さらにまた、合成連結再アッセンブリ、最適化定方向進化システムおよび/または飽和変異誘導によって本発明の核酸を改変する方法が提供される。
本発明の核酸は、例えばcDNAライブラリーのクローニングおよび発現、PCRによるメッセージまたはゲノムDNAの増幅などによって作製、単離および/または操作することができる。
ある特徴では、本発明はまた、キシラナーゼ-および/またはグルカナーゼ-コード核酸を提供し、それら核酸は、それらが環境性供給源または細菌性供給源または古細菌性供給源に由来するという点で共通の新規性を有する。
本発明の方法の実施では、本明細書で述べるように、鋳型核酸を操作することによって相同な遺伝子を改変することができる。本発明の方法は、当分野で公知の任意の方法またはプロトコルまたは装置(それら学術文献および特許文献に詳しく記載されている)を併用して実施することができる。
本発明のある特徴は、本発明の配列、および前記と実質的に同一の配列、前記と相補的な配列、または本発明の配列(またはそれと相補的な配列)の配列の1つの連続する少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400または500塩基を含むフラグメントの1つを含む単離された核酸である。前記単離核酸は、DNA(cDNA、ゲノムDNAおよび合成DNAを含む)を含む。前記DNAは二本鎖および一本鎖DNAを含み、一本鎖の場合はコード鎖でも非コード鎖でもよい。あるいは前記単離核酸はRNAを含むことができる。
【0061】
したがって、本発明の別の特徴は、本発明のポリペプチドの1つ、または本発明のポリペプチドの1つの連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150アミノ酸を含むフラグメントをコードする単離核酸である。これら核酸のコード配列は、本発明の核酸の1つのコード配列の1つ、またはそのフラグメントと同一であってもよいが、また、遺伝暗号の重複性または縮退性の結果として、本発明のポリペプチドの1つ、前記と実質的に同一の配列、および本発明のポリペプチドの1つの連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150アミノ酸を有するフラグメントをコードする種々のコード配列であってもよい。遺伝暗号は当業者には周知であり、例えばB. Lewinの著書”Genes VI”(Oxford University Press, 1997)の214ページで入手することができる。
本発明のポリペプチドおよび前記と実質的に同一の配列をコードする単離核酸は、もっぱら本発明の核酸のコード配列およびそれらと実質的に同一の配列並びに追加のコード配列(例えばリーダー配列またはプレプロテイン配列)および非コード配列(例えばイントロンまたはコード配列の5’および/または3’非コード配列)を含むことができるが、ただし前記に限定されない。したがって、本明細書で用いられる、“ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド”という用語は、ポリペプチドのコード配列のみを含むポリヌクレオチドとともに、追加のコードおよび/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。
また別には、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列は、通常の技術、例えば位置特異的変異導入、または当業者に周知の他の技術を用いて変異させ、本発明のポリヌクレオチドおよび前記と実質的に同一の配列にサイレント変異を導入することができる。本明細書で用いられる、“サイレント変異”には、例えば当該ポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を変更させない変異が含まれる。そのような変異は、宿主生物で頻繁に存在するコドンまたはコドン対を導入することによって、当該ポリペプチドをコードするベクターを含む宿主細胞によって生成されるポリペプチドのレベルを増加させるために所望することができる。
【0062】
本発明はまた、本発明のポリペプチドおよびそれらと実質的に同一の配列にアミノ酸置換、付加、欠失、融合および切端をもたらすヌクレオチド変異を有するポリヌクレオチドに関する。そのようなヌクレオチド変異は、例えば位置特異的変異導入、化学物質によるランダム変異導入、エキソヌクレアーゼIIIによる欠失および他の組換えDNA技術のような技術を用いて導入することができる。あるいは、そのようなヌクレオチド変異は天然に存在する対立遺伝子変種であってもよい。前記変種は、本発明の配列および前記と実質的に同一の配列(または前記と相補的な配列)の1つの連続する少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400または500塩基を含むプローブと、本明細書で提供する高、中等度または低ストリンジェンシー条件下で特異的にハイブリダイズする核酸を同定することによって単離される。
一般的技術:
本発明の実施に用いられる核酸は、RNA、iRNA、アンチセンス核酸、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルス又は前記のハイブリッドのいずれであっても、種々の供給源から単離、遺伝的に操作、増幅、及び/又は組換えにより発現/作製することができる。これらの核酸から作製された組換えポリペプチド(例えば本発明のグリコシルヒドロラーゼ)は個々に単離またはクローニングし、所望の活性について試験することができる。任意の組換え発現系(細菌、哺乳動物、酵母、昆虫または植物細胞発現系を含む)を用いることができる。
あるいは、これら核酸は周知の化学的合成技術によってin vitroで合成することができる。前記技術は例えば以下に記載されている:Adams (1983) J. Am. Chem. Soc. 105:661; Belousov (1997) Nucleic Acids Res. 25:3440-3444; Frenkel (1995) Free Radic. Biol. Med. 19:373-380; Blommers (1994) Biochemistry 33:7886-7896; Narang (1979) Meth. Enzymol. 68:90; Brown (9179) Meth. Enzymol. 68:109; Beaucage (1981) Tetra. Lett. 22:1859; US Patent No. 4,458,066。
核酸操作のための技術、例えばサブクローニング、プローブの標識(例えばクレノーポリメラーゼ、ニックトランスレーション、増幅を用いるランダムプライマー標識)、配列決定、ハイブリダイゼーションなどは学術文献および特許文献に詳しく記載されている。例えば以下を参照されたい:Sambrook, ed., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Ed.), Vol1-3, Cold Spring Harbor Laboratory (1989); Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, ed. John Wiley & Sons, Inc., New York (1997); Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization with Nucleic Acids Probes, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, Tijssen, ed. Elsevier, N.Y. (1993)。
【0063】
本発明の方法の実施に用いられる核酸を入手および操作するために有用なまた別の手段は、ゲノムサンプルからのクローニング、および所望の場合には、例えばゲノムクローンもしくはcDNAクローンから単離または増幅した挿入物のスクリーニングおよび再クローニングである。本発明の方法で用いられる核酸の供給源には、哺乳動物人工染色体(MAC)(例えば米国特許5,721,118号、同6,025,155号を参照されたい)、ヒト人工染色体(Rosenfeld (1997) Nat. Genet. 15:333-335)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、P1人工染色体(Woon (1998) Genomics 50:306-316)、P1誘導ベクター(PAC)(Kern (1997) Biotechniques 23:120-124)、コスミド、組換えイルス、ファージまたはプラスミドに含まれるゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーが含まれる。
ある特徴では、本発明のポリペプチドをコードする核酸は、翻訳されたポリペプチドまたはそのフラグメントの分泌を誘導することができるリーダー配列とともに適切な位相でアッセンブリングされる。
本発明は融合タンパク質およびそれらをコードする核酸を提供する。本発明のポリペプチドは異種ペプチドまたはポリペプチド、例えば所望の特性(例えば安定性増強または精製の簡便化)を付与するN-末端識別ペプチドと融合させることができる。本発明のペプチドおよびポリペプチドはまた、例えばより強い免疫原性をもつペプチドを製造するため、組換えにより合成されたペプチドをより容易に単離するため、抗体および抗体発現B細胞を識別および単離するためなどの目的のために、前記と結合した1つまたは2つ以上の追加のドメインを有する融合タンパク質として合成および発現させることができる。検出および精製を容易にするドメインには、例えば金属キレートペプチド(例えばポリヒスチジン鎖およびヒスチジン-トリプトファンモジュール(固定化金属上での精製を可能にする)、プロテインAドメイン(固定化免疫グロブリン上での精製を可能にする)、およびFLAGS伸長/アフィニティー精製系(Immune Corp, Seatle WA)で利用されるドメインが含まれる。精製ドメインおよびモチーフ構成ペプチドまたはポリペプチド間の切断可能リンカー配列(例えばXa因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego CA))の挿入は精製を容易にする。例えば、発現ベクターは、6つのヒスチジン残基とそれに続くチオレドキシン及びエンテロキナーゼ切断部位に連結されたエピトープコード核酸配列を含むことができる(例えば以下を参照されたい:Williams (1995) Biochemistry 34:1787-1797; Dobeli (1998) Protein Expr. Purif. 12:404-414)。前記ヒスチジン残基は検出および精製を容易にし、一方、エンテロキナーゼ切断部位は融合タンパク質の残りの部分からエピトープを精製するための手段を提供する。融合タンパク質をコードするベクターおよび融合タンパク質の利用に関する技術は学術文献および特許文献に詳しく記載されている(例えば以下を参照されたい:Kroll (1993) DNA Cell. Biol., 12:441-53)。
【0064】
本明細書で用いられる“核酸”または“核酸配列”という語句は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または前記のいずれかのフラグメント、ゲノム由来もしくは合成起源のDNAまたはRNA(これらは一本鎖でも二本鎖でもよく、センスまたはアンチセンス鎖を表していてもよい)、ペプチド核酸(PNA)または任意のDNA様もしくはRNA様物質(天然または合成起源)を指す。“核酸”または“核酸配列”という語句は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または前記のいずれかのフラグメント、ゲノムもしくは合成起源のDNAまたはRNA(例えばmRNA、rRNA、tRNA、iRNA)(これらは一本鎖でも二本鎖でもよく、センスまたはアンチセンス鎖を表していてもよい)、ペプチド核酸(PNA)または任意のDNA様もしくはRNA様物質、(天然または合成起源)(例えばiRNA、リボヌクレオタンパク質(例えば二本鎖iRNA、例えばiRNP)を含む)を指す。前記用語は、天然のヌクレオチドの既知の類似体を含む核酸(すなわちオリゴヌクレオチド)を包含する。前記用語はまた合成骨格をもつ核酸様構造物を包含する(例えば以下を参照されたい:Mata (1997) Toxicol. Appl. Pharmacol. 144:189-197; Strauss-Soukup (1997) Biochemistry 36:8692-8698; Samstag (1996) Antisense Nucleic Acid Drug Dev 6:153-156)。“オリゴヌクレオチド”は一本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2つの相補的なポリデオキシヌクレオチド鎖のどちらかを含み、前記は化学的に合成することができる。そのような合成オリゴヌクレオチドは5’リン酸基をもたず、したがってキナーゼの存在下でATPを用いてリン酸基を付加されなければ別のオリゴヌクレオチドと連結されない。合成オリゴヌクレオチドは脱リン酸化されていないフラグメントと連結することができる。
【0065】
具体的なポリペプチドまたはタンパク質の“コード配列”または前記を“コードするヌクレオチド配列”は、適切な調節配列の制御下に置かれたとき、ポリペプチドまたはタンパク質に転写および翻訳される核酸配列である。
“遺伝子”という用語は、ポリペプチド鎖の生成に必要とされるDNAセグメントを意味し、コード領域に先行する領域および後続する領域(リーダーおよびトレイラー)を含み、適切な場合には個々のコードセグメント(エクソン)の間に介在する配列(イントロン)も同様に含む。本明細書で用いられる“作動できるように連結される”とは、2つまたは3つ以上の核酸(例えばDNA)セグメント間における機能的関係を指す。典型的には、前記用語は、転写される配列に対する転写調節配列の機能的関係を指す。例えば、プロモータが適切な宿主細胞または他の発現系でコード配列の転写を刺激または調節する場合、前記プロモータは前記コード配列と作動できるように連結されている。一般的には、転写される配列と作動できるように連結されているプロモータ転写調節配列は、前記転写される配列と物理的に連続している。すなわち、それらはcis-作動性である。しかしながら、いくつかの転写調節配列、例えばエンハンサーは、それらが転写を強化しようとするコード配列と物理的に連続していること、または前記と接近して配置されることを必ずしも必要としない。
本明細書で用いられる“発現カセット”という用語は、構造遺伝子(すなわちタンパク質コード配列、例えば本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ)の発現に対して、当該配列と適合する宿主内で影響を与えることのできるヌクレオチド配列を指す。発現カセットは、ポリペプチドコード配列(およびある特徴では他の配列、例えば転写終了シグナル)と作動できるように連結された少なくとも1つのプロモーターを含む。発現の実施に必要なまたは有用なさらに別の因子(例えばエンハンサー)もまた用いることができる。したがって、発現カセットはまた、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、任意の形態の組換え“裸のDNA”ベクターなどを含む。“ベクター”は、細胞に感染、トランスフェクト、一過性もしくは永久的に形質導入することができる核酸を含む。ベクターは、裸の核酸またはタンパク質もしくは脂質と複合体を形成した核酸でもよいことは理解されよう。ベクターはある特徴ではウイルスまたは細菌の核酸および/またはタンパク質および/または膜(例えば細胞膜、ウイルスの脂質エンベロープなど)を含む。ベクターには、DNAフラグメントが結合し複製できるようになったレプリコン(例えばRNAレプリコン、バクテリオファージ)が含まれるが、ただし前記に限定されない。したがって、ベクターには、自律的自己複製性環状もしくは直線状DNAまたはRNA(例えばプラスミド、ウイルスなど、例えば米国特許出願第5,217,879号参照)が含まれ(ただし前記に限定されない)、さらに発現および非発現プラスミドが含まれる。組換え微生物または培養細胞が“発現ベクター”を宿主として受け入れていると記述されている場合には、染色体外環状および直鎖状DNA並びに宿主染色体に取り込まれたDNAの両方が含まれる。ベクターが宿主細胞により維持されている場合は、前記ベクターは自律性構造物として有糸分裂時に細胞によって安定的に複製されていても、または宿主のゲノム内に取り込まれていてもよい。
【0066】
本明細書で用いられる“プロモーター”という用語には、細胞(例えば植物細胞)内でコード配列の転写を駆動させることができる全ての配列が含まれる。したがって、本発明の構築物で用いられるプロモーターには、遺伝子の転写のタイミングおよび/または速度の調節または調整に必要とされるcis-作動性転写制御エレメントおよび調節配列が含まれる。例えば、プロモーターは、cis-作動性転写制御エレメント(エンハンサー、プロモーター、転写ターミネータ、複製起点、染色体組み込み配列、5’および3’非翻訳領域またはイントロン配列が含まれ、転写調節に必要である)であろう。これらのcis-作動性配列は、典型的にはタンパク質または他の生物学的分子と相互作用して転写を実行する(ON/OFFの切り替え、調節または調整など)。“構成的”プロモータは、大部分の環境条件下および生育または細胞分化の状態で持続的に発現を駆動するプロモーターである。“誘導性”または“調節性”プロモーターは環境条件または生育条件の影響下で本発明の核酸の発現を誘導する。例えば誘導性プロモーターによって転写に影響を与えることができる環境条件の例には、嫌気的条件、上昇温度、乾燥または光の存在が含まれる。
“組織特異的”プロモーターは、例えば植物または動物の特定の細胞または組織または器官でのみ活性を有する転写制御エレメントである。組織特異的調節は、ある組織に特異的なタンパク質をコードする遺伝子の発現を担保するある種の固有の因子によって達成できる。そのような因子は哺乳動物および植物に存在し、特定の組織を発達させることが知られている。
本明細書で用いられる、“単離”という用語は、材料(例えば核酸、ポリペプチド、細胞)がその本来の環境(例えば、材料が天然に存在する場合は当該天然の環境)から取り出されることを意味する。例えば、生きている動物に存在する天然に出現するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、天然の系に一緒に存在する物質のいくつかまたは全てから分離されている前記と同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。そのようなポリヌクレオチドはベクターの部分であってもよいし、および/またはそのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の一部であってもよく、それでもなおそのようなベクターまたは組成物は前記の天然の環境の一部分ではないという点で、それらのポリヌクレオチドは単離されたものである。本明細書で用いられる、“精製される”という用語は完全な純度を要求せず、むしろ相対的な定義と考えられている。ライブラリーから得られる個々の核酸は電気泳動による均質度まで通常的に精製されている。これらのクローンから得られる配列は、ライブラリーからもまたは人間の全DNAからも直接入手することはできないであろう。本発明の精製核酸はその生物体のゲノムDNAの残余のものから少なくとも10
4−10
6倍精製されてある。しかしながら、“精製される”という用語はまた、ゲノムDNAの残余のものから、またはライブラリー若しくは他の環境中の他の配列から少なくとも1桁、典型的には2または3桁、より典型的には4または5桁精製された核酸を含む。
【0067】
本明細書で用いられる、“組換え体”という用語は、その天然の環境では近傍にない“骨格”核酸に当該核酸が近接することを意味する。さらにまた、“濃縮される”ためには、当該核酸は、核酸骨格分子集団において核酸挿入物の数の5%以上を占めるであろう。本発明の骨格分子には、核酸、例えば発現ベクター、自己複製核酸、ウイルス、対象の核酸挿入物を維持または操作するために用いられる組み込み用核酸および他のベクターまたは核酸が含まれる。典型的には、濃縮された核酸は、組換え骨格分子集団において核酸挿入物の数の15%以上を占める。より典型的には、濃縮された核酸は、組換え骨格分子集団において核酸挿入物の数の50%以上を占める。ある特徴では、濃縮された核酸は、組換え骨格分子集団において核酸挿入物の数の90%以上を占める。
“プラスミド”は、先行する小文字“p”及び/又は後続する大文字及び/又は数字によって示される。本明細書では出発プラスミドは市販または無制限に公開されているか、または発表された方法にしたがって利用可能なプラスミドから構築することができる。さらにまた、本明細書に記載したプラスミドと等価のものが当分野では知られており、当業者には明白であろう。“プラスミド”は、市販されているか、または無制限に公開されているか、または発表された方法にしたがって利用可能なプラスミドから構築することができる。さらにまた、本明細書に記載したプラスミドと等価のものが当分野では知られており、当業者には明白であろう。
DNAの“消化”は、DNA内の一定の配列でのみ作用する制限酵素によるDNAの触媒的切断を指す。本明細書で用いられる種々の制限酵素は市販されてあり、それらの反応条件、補助因子および他の要件は、当業者に公知のとおり用いられる。分析目的のためには、典型的には1μgのプラスミドまたはDNAフラグメントが約2ユニットの酵素とともに約20μLの緩衝溶液中で用いられる。プラスミドの構築のためにDNAフラグメントを単離する目的の場合には、典型的には5から50μgのDNAが20から250ユニットの酵素とともにより大きな体積で消化される。具体的な制限酵素のための適切な緩衝液および基質量は製造業者によって特定される。37℃で約1時間のインキュベーション時間が一般的に用いられるが、供給業者の指示にしたがって変動しえる。消化後に、ゲル電気泳動を実施して所望のフラグメントを単離することができる。
【0068】
“ハイブリダイゼーション”は、核酸鎖が相補的な鎖と塩基対形成によって結合する過程を指す。ハイブリダイゼーション反応は鋭敏で選択性があり、低い濃度でしか存在しないサンプルにおいてさえ対象の特定の配列を識別することができる。適切にストリンジェントな条件は、例えば前ハイブリダイゼーション溶液またはハイブリダイゼーション溶液中の塩もしくはホルムアミドの濃度によって、またはハイブリダイゼーション温度によって規定することができ、当業界でよく知られている。特に、ストリンジェンシーは、塩濃度の減少、ホルムアミド濃度の増加、またはハイブリダイゼーション温度の上昇によって高めることができる。また別の特徴では、本発明の核酸は、本明細書に示す種々の(例えば高度、中等度および低度の)ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするその能力によって定義される。
例えば、高ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションは、約37℃から42℃で約50%のホルムアミドで生じえる。ハイブリダイゼーションは、約30℃から35℃で約35%から25%のホルムアミドの低ストリンジェンシー条件下で起こりえる。特にハイブリダイゼーションは、約50%のホルムアミド、5XのSSPE、0.3%SDSおよび200μg/mLのせん断変性サケ精子DNA中で約42℃の高ストリンジェンシー条件下で起こりえる。ハイブリダイゼーションは、上記のような(しかしながら35℃の低温で35%のホルムアミドの)低ストリンジェンシー条件下で起こりえる。個々のストリンジェンシーレベルに対応する温度範囲は、対象の核酸のプリン対ピリミジン比を算出し、それにしたがって温度を調整することによってさらに狭めることができる。上記の範囲および条件についての変動例は当業界で周知である。
【0069】
転写および翻訳制御配列:
本発明は、RNA合成/発現を誘導または調節するために発現(例えば転写または翻訳)制御配列(例えばプロモータまたはエンハンサー)に作動できるように連結された本発明の核酸(例えばDNA)配列を提供する。前記発現制御配列は発現ベクター内に存在しえる。例示的な細菌プロモーターにはlacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、PLおよびtrpが含まれる。例示的な真核細胞プロモータにはCMV前初期、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルスのLTRおよびマウスのメタロチオネインIが含まれる。プロモータ配列は、当該プロモータで転写を開始させるRNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写するとき、前記コード配列に“作動できるように連結”されている。細菌でのポリペプチド発現に適したプロモーターには、大腸菌のlacまたはtrpプロモータ、lacIプロモータ、lacZプロモータ、T3プロモータ、T7プロモータ、gptプロモータ、ラムダP
Rプロモータ、ラムダP
Lプロモータ、糖分解酵素(例えば3-ホスホグリセレートキナーゼ(PGK))をコードするオペロン由来のプロモータ、および酸性ホスファターゼプロモータが含まれる。真核細胞プロモータには、CMV前初期プロモータ、HSVチミジンキナーゼプロモータ、熱ショックプロモータ、初期および後期SV40プロモータ、レトロウイルスのLTRおよびマウスのメタロチオネインIプロモータが含まれる。原核細胞または真核細胞またはそれらのウイルスで遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモータもまた用いることができる。細菌でポリペプチドまたはそのフラグメントを発現するために適切なプロモータには、大腸菌のlacまたはtrpプロモータ、lacIプロモータ、lacZプロモータ、T3プロモータ、T7プロモータ、gptプロモータ、ラムダP
Rプロモータ、ラムダP
Lプロモータ、糖分解酵素(例えば3-ホスホグリセレートキナーゼ(PGK))をコードするオペロン由来のプロモータおよび酸性ホスファターゼプロモーターが含まれる。真菌のプロモーターには、∀因子プロモーターが含まれる。真核細胞プロモータには、CMV前初期プロモータ、HSVチミジンキナーゼプロモータ、熱ショックプロモータ、初期および後期SV40プロモータ、レトロウイルスのLTRおよびマウスのメタロチオネインIプロモータが含まれる。原核細胞または真核細胞またはそれらのウイルスで遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモータもまた用いることができる。
【0070】
組織特異的植物プロモータ:
本発明は、組織特異的態様で発現させることができる、例えば組織特異的態様で本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼを発現させることができる発現カセットを提供する。本発明はまた、本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼを組織特異的態様で発現する植物または種子を提供する。前記組織特異性は、種子特異的、茎特異的、葉特異的、根特異的、果実特異的などでありえる。
ある特徴では、構成的プロモーター(例えばCaMV35Sプロモータ)を植物若しくは種子の特定の部分又は植物全体における発現に用いることができる。例えば、過剰発現のためには、植物のいくつかの組織または全ての組織(例えば再生植物)で核酸の発現を指令する植物プロモータフラグメントを用いることができる。そのようなプロモータは、本明細書では“構成的”プロモータと称され、ほとんどの環境条件下および生育または細胞分化状態で活性を示す。構成的プロモータの例には、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35S転写開始領域、アグロバクテリア・ツメファシエンス(Agrobacteria tumefaciens)のT‐DNA由来1’-または2’-プロモータ、および当業者に公知の種々の植物遺伝子のその他の転写開始領域が含まれる。そのような遺伝子には、例えばアラビドプシス(Arabidopsis)のACT11(Huang (1996) Plant Mol. Biol. 33:125-139);アラビドプシスのCat3(GenBank No. U43147、Zhong (1996) Mol. Gen. Genet. 251:196-203);ブラシカ・ナプス(Brassica napus)のステアロイル-アシルキャリアタンパク質デサチュラーゼをコードする遺伝子(GenBank No. X74782、Solocombe (1994) Plant Physiol. 104:1167-1176);トウモロコシのGPc1(GenBank No. X15596、Martinez (1989) J. Mol. Biol. 208:551-565);トウモロコシのGpc2(GenBank No. U45855、Manjunath (1997) Plant Mol. Biol. 33:97-112);米国特許4,962,028号、同5,633,440号に記載された植物プロモーターが含まれる。
本発明は、ウイルス由来の組織特異的または構成的プロモータを用いる。これらには、例えばトバモウイルスのサブゲノムプロモータ(Kumagai (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:1679-1683);イネのツングロ杆状ウイルス(RTBV)(感染したイネの師部細胞でのみ複製し、強力な師部特異的レポータ遺伝子発現を駆動するプロモータを有する);キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CVMV)プロモータ(維管束エレメント、葉の葉肉細胞および根の先端でもっとも強い活性を有する)(Verdaguer(1996) Plant Mol. Biol. 31:1129-1139)が含まれえる。
あるいは、植物プロモータは、特定の組織、器官または細胞タイプでキシラナーゼ-および/またはグルカナーゼ-発現核酸の発現を指令するか(すなわち組織特異的プロモータ)、またはそうでなければより厳密な環境もしくは生育制御下に置くか、または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。転写に影響を与えることができる環境条件の例には、嫌気性条件、上昇温度、光の存在、化学物質/ホルモンの噴霧が含まれる。例えば、本発明は、トウモロコシの乾燥誘導プロモータ(Busk (1997) 上掲書);ジャガイモの低温、乾燥および高塩誘導プロモーター(Kirch (1997) Plant Mol. Biol. 33:897-909)を取り込んでいる。
【0071】
組織特異的プロモータは、その組織内の一定の時間枠内の生育段階内でのみ転写を促進することができる。例えば以下を参照されたい:Blazquez (1998) Plant Cell 10:791-800(アラビドプシスのLEAFY遺伝子のプロモーターの特性を明らかにする)。さらにまた例えば以下を参照されたい:Cardon (1997) Plant J 12:367-377(A.サリアナ(thaliana)の花の分裂組織同一性遺伝子AP1のプロモータ領域中の保存配列モチーフを認識する転写因子SPL3について記載している);およびMandel (1995) Plant Molecular Biology, vol 29, pp995-1004(分裂組織プロモータeIF4について記載している)。特定の組織のライフサイクルの全体を通して活性を有する組織特異的プロモータを用いることができる。ある特徴では、本発明の核酸は、主としてワタの繊維細胞でのみ活性を示すプロモーターに作動できるように連結される。ある特徴では、本発明の核酸は、例えば上掲書(Rinehart (1996))に記載されたように、主としてワタの繊維細胞の伸張期間に活性を示すプロモータに作動できるように連結される(例えば上掲書(Rinehart (1996))に記載されている)。核酸は、ワタの繊維細胞で優先的に発現されるように、Fbl2A遺伝子プロモータに作動できるように連結することができる(上掲書)。さらに以下を参照されたい:John (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5769-5773;John et al., US Patent No. 5,608,148, 5,602,321(ワタの繊維特異的プロモータおよびトランスジェニックな綿植物を構築する方法が記載されている)。根特異的プロモータもまた本発明の核酸の発現に用いられる。根特異的プロモータの例には、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモータが含まれる(DeLisle (1990) Int. Rev. Cytol. 123:39-60)。本発明の核酸の発現に用いることができる他のプロモータには、例えば胚珠特異的、胚特異的、内胚葉特異的、珠皮特異的、種子外皮特異的プロモータ、またはこれらのいくつかの組合せ;葉特異的プロモータ(例えば以下を参照されたい:Busk (1997) Plant J. 11:1285-1295、前記にはトウモロコシの葉特異的プロモータが記載されている);アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)のORF13プロモータ(根で高い活性を示す(上掲書(Hansen, 1997)を参照されたい));トウモロコシの花粉特異的プロモータ(例えば以下を参照されたい:Guerrero (1990) Mol. Gen. Gnet. 224:161-168);果実成熟時、葉の(前記より低頻度で花の)老化および離脱時に活性を示すトマトのプロモータ(例えば以下を参照されたい:Blume (1997) Plant J. 12:731-746);ジャガイモのSK2遺伝子のめしべ特異的プロモータ(例えば以下を参照されたい:Ficker (1997) Plant Mol. Biol. 35:425-431);エンドウマメのBlec4遺伝子(トランスジェニックアルファルファの栄養および生殖茎頂の表皮組織で活性を示し、活発に生長しているシュートまたは繊維の表皮層で外来遺伝子を発現させるために有用である);珠皮特異的BEL1遺伝子(例えば以下を参照されたい:Reiser (1995) Cell 83:735-742, GenBank No. U39944);および/または米国特許第5,589,583号(Klee)(分裂組織および/または急速に分裂している細胞で高レベルの転写を付与することができる植物プロモータについて記載)のプロモータが含まれる。
【0072】
あるいは、本発明の核酸を発現させるために、植物ホルモン(例えばオーキシン)への暴露に際して誘導されえる植物プロモータが用いられる。例えば、本発明は以下を用いることができる:ダイズ(Glycine max L.)のオーキシン応答エレメントE1プロモータフラグメント(AuxRE)(Liu (1997) Plant Physiol. 115:397-407);オーキシン応答性アラビドプシスGST6プロモータ(サリチル酸および過酸化水素にも反応性である)(Chen (1996) Plant J. 10:955-966);タバコのオーキシン誘導性parCプロモータ(Sakai (1996) 37:906-913);植物ビオチン応答エレメント(Streit (1997) Mol. Plant Microbe Interact. 10:933-937);およびストレスホルモンアブシジン酸に応答するプロモータ(Sheen (1996) 274:1900-1902)。
本発明の核酸はまた、植物に適用可能な化学試薬(例えば除草剤または抗生物質)の暴露に際して誘導することができる植物プロモータに作動できるように連結することもできる。例えば、トウモロコシのIn2-2プロモータ(ベンゼンスルホンアミド除草剤の毒性緩和剤によって活性化される)を用いることができる(De Veylder (1997) Plant Cell Physiol. 38:568-577)。種々の除草剤の毒性緩和剤の適用によって、根、排水組織、茎頂分裂組織での発現を含む別個の遺伝子発現パターンが誘導される。コード配列は、例えばテトラサイクリン誘導プロモータ(例えばアヴェナ・サティヴァL.(エンバク)のアルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子(Masgrau (1997) Plant J. 11:465-473)を含むタバコのトランスジェニック植物で開示されたとおり)、またはサリチル酸応答エレメント(Stange (1997) Plant J. 11:1315-1324)の制御下に置くことができる。化学的に(例えばホルモンまたは殺虫剤によって)誘導されるプロモータ(すなわち野外でトランスジェニック植物に適用することができる化学物質に対し応答するプロモータ)を用いて、本発明のポリペプチドの発現を植物の生育の特定の段階で誘導することができる。したがって、本発明はまた、その宿主域が標的植物種(例えば、トウモロコシ、イネ、オオムギ、コムギ、ジャガイモまたはその他の作物類)に限定される、作物の任意の生育段階で誘導可能な本発明のポリペプチドをコードする誘導性遺伝子を含むトランスジェニック植物を提供する。
【0073】
当業者には、組織特異的植物プロモータは標的組織以外の組織で作動できるように連結された配列の発現を駆動することができることは理解されよう。このように、組織特異的プロモータは、標的組織または細胞タイプで優先的に発現を駆動させることができるが、他の組織でもまた同様にある程度の発現を誘導することができる。
本発明の核酸はまた、化学試薬に暴露されたときに誘導される植物プロモータに作動できるように連結することができる。そのような試薬には、例えば除草剤、合成オーキシンまたは抗生物質が含まれる。これらはトランスジェニック植物に適用、例えば噴霧することができる。本発明のキシラナーゼ-および/またはグルカナーゼ-生成核酸の誘導性発現によって、栽培者は最適なキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ発現および/または活性を有する植物を選別することができる。植物の部分の生育はしたがって制御可能である。このようにして、本発明は、植物および植物の部分の収穫を促進する手段を提供する。例えば、種々の実施態様では、トウモロコシのIn2-2プロモータ(ベンゼンスルホンアミド除草剤の毒性緩和剤によって活性化される)が用いられる(De Veylder (1997) Plant Cell Physiol. 38:568-577)。種々の除草剤の毒性緩和剤の適用によって、根、排水組織、茎頂分裂組織での発現を含む別個の遺伝子発現パターンが誘導される。本発明のコード配列は、例えばテトラサイクリン誘導性プロモータ(例えばアヴェーナ・サティヴァL.(エンバク)のアルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子(Masgrau (1997) Plant J. 11:465-473)を含むタバコのトランスジェニック植物で開示されたとおり)、またはサリチル酸応答エレメント(Stange (1997) Plant J. 11:1315-1324)の制御下にある。
いくつかの特徴では、適切なポリペプチド発現には、コード領域の3’末端のポリアデニル化領域が必要かもしれない。前記ポリアデニル化領域は、天然の遺伝子、種々の他の植物(または動物またその他の)遺伝子、またはアグロバクテリウムのT-DNAの遺伝子に由来するものでよい。
“植物”という用語(例えば本発明のトランスジェニック植物もしくは植物の種子または本発明のベクターで用いられる植物プロモータの場合)には、植物の全体、植物の部分(例えば葉、茎、花、根など)、植物のプロトプラスト、種子および植物細胞並びに前記の子孫が含まれる。本発明の方法で用いることができる植物の種類は高等植物の種類と同程度に広く、形質転換技術を施しやすい植物(裸子植物と同様に被子植物(単子葉および双子葉植物)を含む)が含まれる。前記用語には多様な倍数性レベルを有する植物(倍数体、二倍体、半数体および半接合状態を含む)が含まれる。本明細書で用いられる“トランスジェニック植物”には、異種核酸配列(例えば本発明の核酸および種々の組換え構築物(例えばベクターのような発現カセット))が挿入された植物または植物細胞が含まれる。本発明のトランスジェニック植物は下記でまた考察される。
【0074】
発現ベクターおよびクローニングビヒクル:
本発明は、本発明の核酸、例えば本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼをコードする配列を含む発現ベクターおよびクローニングビヒクルを提供する。本発明の発現ベクターおよびクローニングビヒクルは、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、細菌人工染色体、ウイルスDNA(例えばワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびSV40の誘導体)、P1系人工染色体、酵母プラスミド、酵母人工染色体、および興味のある特定宿主(例えばバチルス、アスペルギルスおよび酵母)に特異的な他の任意のベクターが含まれる。本発明のベクターは染色体配列、非染色体配列および合成DNA配列を含むことができる。多くの適切なベクターが当業者に知られており、市場で入手できる。例示的なベクターには以下が含まれる:細菌系:pQEベクター(Qiagen)、pBluescriptプラスミド、pNHベクター、ラムダ-ZAPベクター(Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pDR540、pRIT2T(Pharmacia);真核細胞系:pXT1、pSG5(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40(Pharmacia)。しかしながら、他の任意のプラスミドまたは他のベクターもまた、それらが宿主内で複製可能でさらに生存可能である限り用いることができる。低コピー数または高コピー数ベクターを本発明に関して用いることができる。
発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写終了因子を含むことができる。発現を増幅させるために、ベクターはまた適切な配列を含むことができる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、必要な任意のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写終了配列および5’フランキング非翻訳配列を含むことができる。いくつかの特徴では、SV40スプライシングおよびポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝子エレメントを提供することができる。
ある特徴では、発現ベクターは1つまたは2つ以上の選別可能なマーカー遺伝子を含み、前記ベクターを含む宿主細胞の選別を可能にする。そのような選別性マーカーには、真核細胞培養に対してはジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子またはネオマイシン耐性を付与する遺伝子、大腸菌でテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性を付与する遺伝子、及びS.セレビシアエ(S. cerevisiae)のTRP1遺伝子が含まれる。プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは選別可能なマーカーを有する他のベクターを用いて、所望される任意の遺伝子から選抜できる。
【0075】
真核細胞中でポリペプチドまたはそのフラグメントを発現させるためのベクターはまた発現レベルを高めるためにエンハンサーを含むことができる。エンハンサーはDNAのcis-作動性エレメントであり、通常は長さが約10から約300bpであってプロモーターに作用してその転写を高める。その例には、複製起点の後期側100bpから270bpにあるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側にあるポリオーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーが含まれる。
核酸配列は多様な方法によってベクターに挿入することができる。一般的には、前記配列は、適切な制限エンドヌクレアーゼによる挿入物およびベクターの消化に続いてベクター内の所望の位置に連結される。あるいは、挿入物とベクターの両方の平滑末端を連結することもできる。多様なクローニング技術が当業界で公知であり、例えばAusubel and Sambrookに記載されている。そのような技術および他の技術は当業者の技術範囲内であろう。
ベクターはプラスミド、ウイルス粒子またはファージの形態を有しえる。他のベクターには染色体配列、非染色体配列および合成DNA配列、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドとファージDNAの組合せに由来するベクター、ウイルスDNA、例えばワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、および仮性狂犬病ウイルスが含まれる。原核細胞および真核細胞宿主で使用できる多様なクローニングベクターおよび発現ベクターは例えばSambrookによって記載されている。
使用できる具体的な細菌ベクターには、周知のクローニングベクターpBR322(ATCC37017)、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden)、GEM1(Promega Biotec, Madison, WI, USA)、pQE70、pQE60、pQE-9(Qiagen)、pD10、psiX174、pBluescript IIKS、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmacia)、pKK232-8およびpCM7の遺伝的エレメントを含む市販のプラスミドが含まれる。具体的な真核細胞ベクターには、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmacia)が含まれる。しかしながら他のベクターのいずれも宿主細胞内で複製可能で生存可能である限り使用することができる。
【0076】
本発明の核酸は、発現カセット、ベクターまたはウイルスで発現させることができ、さらに一過性または安定的に植物細胞および種子で発現させることができる。ある例示的な一過性発現系はエピソーム発現系、例えばカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)のウイルスRNA(スーパーコイルDNAを含むエピソームミニ染色体の転写によって核内で生成される)を用いる(例えば以下を参照されたい:Covey (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1633-1637)。あるいは、コード配列(すなわち本発明の全部または部分配列)を植物宿主細胞ゲノムに挿入して宿主染色体DNAの一体化部分を形成することができる。センスまたはアンチセンス転写物を前記のようにして発現させることができる。本発明の核酸由来の配列(例えばプロモーターまたはコード配列)を含むベクターは植物細胞または種子に選別可能な表現型を付与するマーカー遺伝子を含むことができる。例えば、殺菌物質耐性、特に抗生物質耐性(例えばカナマイシン、G418、ブレオマイシン、ヒグロマイシンに対する耐性)、または除草剤耐性(例えばクロロスルフロンまたはバスタに対する耐性)をコードすることができる。
植物で核酸およびタンパク質を発現することができる発現ベクターは当業界において周知で、例えばアグロバクテリウムspp、ジャガイモウイルスX(例えば以下を参照されたい:Angell (1997) EMBO J. 16:3675-3648)、タバコモザイクウイルス(例えば以下を参照されたい:Casper (1996) Gene 173:69-73)、トマトのブッシースタントウイルス(例えば以下を参照されたい:Hillman (1989) Virology 169:42-50)、タバコのエッチウイルス(例えば以下を参照されたい:Dolja (1997) Microbiol. Immunol. 37:471-476)、ビーンゴールデンモザイクウイルス(例えば、Morinaga(1993) Microbiol Immuol. 37:471-476を参照されたし)、カリフラワーモザイクウイルス(例えば以下を参照されたい:Cecchini (1997) Mol. Plant Microbe Interact. 10:1094-1101)、トウモロコシAc/Ds転移因子(例えば以下を参照されたい:Rubin (1997) Mol. Cell. Biol. 17:6294-6302; Kunze (1996) Curr. Top. Microbiol. Immunol. 204:161-194)、およびトウモロコシサプレッサー‐ミューテータ(Spm)転移エレメント(例えば以下を参照されたい:Schlappi (1996) Plant Mol. Biol. 32:717-725)、並びにこれらの誘導体由来のベクターが含まれよう。
【0077】
ある特徴では、発現ベクターは、2つの生物で(例えば、発現のためには哺乳動物細胞または昆虫細胞で、クローニングおよび増幅のためには原核細胞で)維持され得るように2種の複製系を含むことができる。さらにまた、組み込み型発現ベクターのためには、発現ベクターは宿主細胞ゲノムと相同な少なくとも1つの配列を含むことができる。この発現ベクターは、前記発現構築物にフランキングする2つの相同な配列を含む。組み込みベクターは、ベクター内に含まれる適切な相同配列を選択することによって固有の遺伝子座に誘導することができる。組込ベクター用構築物は当業界で周知である。
本発明の発現ベクターはまた選別性マーカー遺伝子を含み、形質転換された細菌株の選別を可能にすることができる。前記遺伝子は、例えば細菌を薬剤(例えばアンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリン)に耐性にする遺伝子である。選別性マーカーにはまた、生合成遺伝子、例えばヒスチジン、トリプトファンおよびロイシン生合成経路の遺伝子が含まれる。
発現ベクター内のDNA配列は、RNA合成の指令のために適切な発現制御配列(プロモーター)に作動できるように連結される。具体的な細菌プロモーターを例示すればlacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、P
Lおよびtrpが含まれる。真核細胞プロモーターにはCMV前初期、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルス由来のLTR並びにマウスのメタルチオネイン-Iが含まれる。適切なベクターおよびプロモーターの選別は当業者の技術レベル内である。発現ベクターはまた転写開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含む。ベクターはまた発現増幅のために適切な配列を含むことができる。プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは選別性マーカーをもつ他のベクターを用いて任意の所望遺伝子から選択することができる。さらにまた、好ましくは、発現ベクターは1つまたは2つ以上の選別性マーカー遺伝子を含み、形質転換細胞の選別のために表現型の特質(真核細胞培養については例えばジヒドロ葉酸レダクターゼ若しくはネオマイシン耐性、または大腸菌では例えばテトラサイクリン若しくはアンピシリン耐性)を提供する。
哺乳動物の発現ベクターはまた、複製起点、必要な任意のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写終了配列および5’フランキング非転写配列を含むことができる。いくつかの特徴では、必要な非転写遺伝的エレメントを提供するためSV40スプライスおよびポリアデニル化部位に由来するDNA配列が用いられる。
【0078】
真核細胞でポリペプチドまたはそのフラグメントを発現させるためのベクターはまた発現レベルを増加させるためにエンハンサーを含むことができる。エンハンサーはDNAのcis-作動性エレメントであり、通常長さが約10から300bpで、プロモーターに近接して作用しその転写を増進させる。例には、複製起点の後期側100bpから270bpにあるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側にあるポリオーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーが含まれる。
さらにまた、発現ベクターは典型的には1つまたは2つ以上の選別性マーカー遺伝子を含み、ベクターを含む宿主細胞の選別を可能にする。そのような選別性マーカーには、真核細胞培養に対してはジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子またはネオマイシン耐性を付与する遺伝子、大腸菌ではテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性を付与する遺伝子、及びS.セレビシアエ(S. cerevisiae)のTRP1遺伝子が含まれる。
いくつかの特徴では、本発明のポリペプチドの1つおよび前記と実質的に同一の配列、または前記の連続する5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150アミノ酸を含むフラグメントをコードする核酸は、翻訳されたポリペプチドまたはそのフラグメントの分泌を指令することができるリーダー配列とともに適切な局面でアッセンブリングされる。前記核酸は融合ポリペプチドをコードすることができ、前記融合ポリペプチドでは、本発明のポリペプチドの1つおよび前記と実質的に同一の配列、または連続する5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150アミノ酸を含むそのフラグメントが異種ペプチドまたはポリペプチド(例えば、所望の性状(例えば安定性強化または精製の簡便化)を付与するN-末端識別ペプチド)に融合される。
適切なDNA配列は多様な方法によってベクターに挿入することができる。一般的には、DNA配列は、挿入物およびベクターの適切な制限酵素による消化に続いて、ベクター内の所望の位置に連結される。あるいは、挿入物とベクターの両方の平滑末端を連結することもできる。多様なクローニング技術が以下の文献に記載されている:Ausubel et al. Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley 503 Sons, Inc. 1997およびSambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)。そのような技術および他の技術は当業者の技術範囲内であろう。
ベクターは、例えばプラスミド、ウイルス粒子またはファージの形態を有しえる。他のベクターには染色体配列、非染色体配列および合成DNA配列、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドとファージDNAの組合せに由来するベクター、ウイルスDNA、例えばワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、および仮性狂犬病ウイルスが含まれる。原核細胞および真核細胞宿主で使用できる多様なクローニングベクターおよび発現ベクターがSambrookらによって記載されている(Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed., Cold Spring Harbor, NY, 1989)。
【0079】
宿主細胞および形質転換細胞:
本発明はまた、本発明の核酸配列、例えば本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼをコードする配列、または本発明のベクターを含む形質転換細胞を提供する。宿主細胞は、当業者に周知の任意の宿主細胞であって、原核細胞、真核細胞、例えば細菌細胞、菌類細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞または植物細胞が含まれえる。例示的な細菌細胞には、エシェリキア、バチルス、ストレプトミセス、サルモネラ、シュードモナスおよびスタヒロコッカス属の任意の種が含まれ、例えば大腸菌、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・セレウス(B.cereus)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)シュードモナス・フルオレセンス(P. fluorescens)が含まれる。例示的な菌類細胞にはアスペルギルスの任意の種が含まれる。例示的な酵母細胞には、ピキア(Pichia)、サッカロミセス、シゾサッカロミセスまたはシュワンニオミセスの任意の種が含まれ、ピキア・パストリス(P. pastoris)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)またはシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)が含まれる。例示的な昆虫細胞には、スポドプテラまたはドロソフィラの任意の種が含まれ、ドロソフィラS2およびスポドプテラSf9が含まれる。例示的な動物細胞にはCHO、COSまたはボウズ・メラノーマまたは任意のマウスもしくはヒト細胞株が含まれる。適切な宿主を選択することは当業者の技術範囲内である。多様な高等植物種を形質転換する技術は周知で、技術文献および学術文献に記載されている。例えば以下を参照されたい:Weising (1988) Ann. Rev. Genet. 22:421-477;米国特許5,750,870号。
ベクターは、多様な任意の技術を用いて宿主細胞に導入することができる。前記技術には、形質転換、トランスフェクション、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃またはTi仲介遺伝子伝達が含まれる。具体的な方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン仲介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる(L. Davis, M. Dibner, I. Battey, Basic Methods in Molecular Biology, 1986)。
【0080】
ある特徴では、本発明の核酸またはベクターはスクリーニングのために細胞に導入される。したがって前記核酸はその後の核酸の発現に適した態様で細胞に導入される。導入方法は、主として標的細胞タイプによって決定される。例示的な方法にはCaPO
4沈殿、リポソーム融合、リポフェクション(例えばLIPOFECTIN
TM)、エレクトロポレーション、ウイルス感染などが含まれる。候補核酸は宿主細胞ゲノムに安定的に組み込まれるか(例えばレトロウイルス導入による)、または細胞質に一過性もしくは安定的に存在することができる(すなわち通例的なプラスミドを使用し、標準的な調節配列、選別マーカーなどを利用する)。多くの医薬的に重要なスクリーニングではヒトまたはモデル動物細胞の標的が必要なので、そのような標的にトランスフェクトすることができるレトロウイルスを用いることができる。
適切な場合には、操作された宿主細胞は、プロモーターの活性化に適切なように改変した通常の栄養培地で培養し、形質転換体を選別するか、または本発明の遺伝子を増幅することができる。適切な宿主株を形質転換し、さらに適切な細胞密度に前記宿主株を増殖させた後、選択したプロモーターを適切な手段(例えば温度シフトまたは化学的誘導)によって誘導し、さらに追加の期間培養して所望のポリペプチドまたはそのフラグメントを産生させることができる。
細胞を遠心分離によって採集し、物理的または化学的手段により破壊し、得られた粗抽出物を更なる精製のために維持することができる。タンパク質の発現に用いた微生物細胞は任意の一般的な方法によって破壊することができる。そのような方法には、凍結融解の繰り返し、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用が含まれる。そのような方法は当業者には周知である。発現されたポリペプチドまたはそのフラグメントは、組換え細胞培養から以下を含む方法によって回収および精製することができる:硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用によるクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィー。タンパク質の再折りたたみ工程は、ポリペプチドの立体構造の完成に際して必要に応じて用いることができる。所望の場合には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程で用いることができる。
【0081】
宿主細胞内の構築物を通常の態様で用い、組換え配列によってコードされる遺伝子生成物を製造することができる。組換え体製造方法で用いる宿主細胞に応じて、ベクターを含む宿主細胞により生成されるポリペプチドはグリコシル化されることも、またグリコシル化されないこともある。本発明のポリペプチドはまた最初のメチオニン残基を含んでいることも含まないこともある。
無細胞翻訳系もまた本発明のポリペプチドの製造に利用することができる。無細胞翻訳系は、前記ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードする核酸に作動できるように連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを用いることができる。いくつかの特徴では、前記DNA構築物は、in vitro転写反応実施前に直線状化することができる。続いて適切な無細胞翻訳抽出物(例えばウサギ網状赤血球抽出物)とともに前記転写mRNAをインキュベートし、所望のポリペプチドまたはそのフラグメントを生成する。
発現ベクターは1つまたは2つ以上の選別性遺伝子を含み、形質転換された宿主細胞の選別用表現型特性(真核細胞の場合にはジヒドロ葉酸レダクターゼまたはネオマイシン耐性、大腸菌では例えばテトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性)を提供することができる。
対象のポリヌクレオチド、例えば本発明の核酸を含む宿主細胞は、プロモーターの活性化、形質転換体の選別または遺伝子の増幅に適切なように改変した通常の栄養培養液で培養することができる。培養条件(例えば温度、pHなど)は発現のために選択された宿主細胞で以前に用いられた条件であり、当業者には明白であろう。続いて、特定の酵素活性を有すると確認されたクローンの配列を決定し、活性が強化された酵素をコードするポリヌクレオチド配列を認定する。
本発明は、組換えキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼを細胞で過剰発現させる方法を提供する。前記方法は、本発明の核酸、例えば本発明の配列と少なくとも約100残基にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を有する核酸配列を含む核酸(この場合、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される)、または本発明の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、または前記の部分配列を含むベクターを発現させることを含む。過剰発現は任意の手段、例えば高活性プロモーターの使用、二シストロン性ベクターまたはベクターの遺伝子増幅によって実施することができる。
【0082】
本発明の核酸は、任意のin vitroまたはin vivo発現系で発現または過剰発現させることができる。任意の細胞培養系(細菌、昆虫、酵母、菌類または哺乳動物培養を含む)を利用して、組換えタンパク質を発現または過剰発現させることができる。過剰発現は、プロモーター、エンハンサー、ベクター(例えばレプリコンベクター、二シストロン性ベクター(例えば以下を参照されたい:Gurtu (1996) Biochem. Biophys. Res. Commun. 229:295-8))、培養液、培養系などを適切に選択することによって実施できる。ある特徴では、細胞系で選別マーカー(例えばグルタミンシンターゼ(例えば以下を参照されたい:Sanders (1987) Dev. Biol. Stand. 66:55-63))を使用する遺伝子増幅を用いて本発明のポリペプチドが過剰発現される。
このアプローチに関するさらなる詳細は刊行物に記載されおよび/または当業者に公知である。特に非限定的に例示すれば、そのような利用可能な刊行物には、EP0659215(WO9403612A1)(Nevalainen et al.);A. Lapidot, A. Machly, Y. Shoham, “Overexpression and single-step purification of a thermostable glucanase from Bacillus stearothermophilus T-6,” J. Biotechnol. Nov. 51:259-64 (1996);E. Leuthi, N.B. Jasmat, P.L. Bergquist, “Xylanase from extremely thermophilic bacterium Caldocellum saccharolyticum: overexpression of the gene in Escherichia coli and characterization of the gene product,” Appl. Environ. Microbiol. Sep. 56:2677-83 (1980);およびW.L. Sung, C.K. Luk, D.M. Zahab, W. Wakarchuk, “Overexpression of the Bacillus subutilis and circulans xylanases in Escherichia coli,” Protein Expr. Purif. Jun 4:200-6 (1993)が含まれるが、ただしこれらの参考文献は本出願の酵素を開示してはいない。
【0083】
前記宿主細胞は当業者に周知の任意の宿主細胞でもよく、原核細胞、真核細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞または植物細胞が含まれる。適切な宿主の代表的な例として、以下を挙げることができる:細菌細胞、例えば大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌(Bacillus subtilis)、、バチルス・セレウス、ネズミチフス菌、並びにシュードモナス属、ストレプトミセス属およびスタフィロコッカス属の種々の種;菌類細胞、例えばアスペルギルス、酵母、例えばピキア、サッカロミセス、シゾサッカロミセス、シュワンニオミセスの任意の種(ピキア・パストリス、サッカロミセス・セレビシアエまたはシゾサッカロミセス・ポンベを含む);昆虫細胞、例えばドロソフィラS2およびスポドプテラSf9;動物細胞、例えばCHO、COSまたはボウズ・メラノーマ;およびアデノウイルス。適切な宿主を選択することは当業者の技術範囲内である。
ベクターは、多様な任意の技術を用いて宿主細胞に導入することができる。前記技術には、形質転換、トランスフェクション、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃またはTi仲介遺伝子伝達が含まれる。具体的な方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン仲介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる(L. Davis, M. Dibner, I. Battey, Basic Methods in Molecular Biology, 1986)。
適切な場合には、操作された宿主細胞は、プロモーターの活性化、形質転換体の選別または遺伝子の増幅に適切なように改変した通常の栄養培養液で培養することができる。適切な宿主株を形質転換し、さらに適切な細胞密度に前記宿主株を増殖させた後、選択したプロモーターを適切な手段(例えば温度シフトまたは化学的誘導)によって誘導し、さらに追加の期間培養して所望のポリペプチドまたはそのフラグメントを産生させることができる。
細胞を典型的には遠心分離によって採集し、物理的または化学的手段により破壊し、得られた粗抽出物を更なる精製のために維持することができる。タンパク質の発現に用いた微生物細胞は任意の一般的な方法によって破壊することができる。そのような方法には、凍結融解の繰り返し、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用が含まれる。そのような方法は当業者には周知である。発現されたポリペプチドまたはそのフラグメントは、組換え細胞培養から以下を含む方法によって回収および精製することができる:硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用によるクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィー。タンパク質の再折りたたみ工程は、ポリペプチドの立体構造の完成に際して必要に応じて用いることができる。所望の場合には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程に用いることができる。
種々の哺乳動物細胞培養系もまた組換えタンパク質の発現に用いることができる。哺乳動物発現系の例には、サル腎線維芽細胞のCOS-7株(Gluzmanが記載:Cell, 23:175, 1981)および適合ベクターからタンパク質を発現することができる他の細胞株(例えばC127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株)が含まれる。
宿主細胞内の構築物を通常の態様で用い、組換え配列によってコードされる遺伝子生成物を製造することができる。組換え体の製造方法で用いられる宿主細胞に応じて、ベクターを含む宿主細胞により生成されるポリペプチドはグリコシル化されることも、またグリコシル化されないこともある。本発明のポリペプチドはまた最初のメチオニン残基を含んでいることも含まないこともある。
あるいは、本発明のアミノ酸配列のポリペプチド、または前記の連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150アミノ酸を含むフラグメントは、通常のペプチド合成装置による合成によって製造することもできる。他の特徴では、ポリペプチドのフラグメントまたは部分をペプチド合成によって対応する完全長のポリペプチドの製造に用いることができる。したがって、フラグメントは、完全長のポリペプチドの製造のための中間体として用いることができる。
無細胞翻訳系もまた、本発明のアミノ酸配列のポリペプチドの1つ、または前記の連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150アミノ酸を含むフラグメントの製造に利用することができる(前記ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードする核酸に作動できるように連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを使用する)。いくつかの特徴では、前記DNA構築物は、in vitro転写反応実施前に直鎖状にすることができる。続いて、転写されたmRNAを適切な無細胞翻訳抽出物(例えばウサギ網状赤血球抽出物)とともにインキュベートし、所望のポリペプチドまたはそのフラグメントを生成する。
【0084】
核酸の増幅:
本発明を実施するとき、本発明の核酸および本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼをコードする核酸または本発明の改変核酸は、増幅によって複製することができる。増幅はまた本発明の核酸のクローニングまたは改変にも用いることができる。したがって、本発明は、本発明の核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。当業者は、これら配列の任意の部分またはその完全長のための増幅プライマー配列対を設計することができる。
ある特徴では、本発明は、本発明のプライマー対によって増幅された核酸を提供する。前記プライマー対は、例えば本発明の核酸の最初の(5’側の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25残基、および相補鎖の最初の(5’側の)約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25残基によって示される。
本発明は、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。前記プライマー対は、本発明の配列またはそのフラグメントもしくは部分配列を含む核酸を増幅することができる。前記増幅プライマー配列対の一方または各メンバーは、前記配列の連続する少なくとも約10から50塩基、または前記配列の連続する約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。本発明は増幅プライマー対を提供し、前記プライマー対は、本発明の核酸の最初の(5’側の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25残基によって示される配列を有する第一のメンバーおよび前記第一のメンバーの相補鎖の最初の(5’側の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25残基によって示される配列を有する第二のメンバーを含む。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いて、増幅(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR))によって生成されるグルカナーゼ、マンナナーゼまたはキシラナーゼを提供する。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いて、増幅(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR))によってキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼを製造する方法を提供する。ある特徴では、前記増幅プライマー対は、ライブラリー、例えば遺伝子ライブラリー(例えば環境ライブラリー)の核酸を増幅させる。
増幅反応はまたサンプル中の核酸の量(例えば細胞サンプル中のメッセージの量)の定量、核酸の標識(例えば核酸をアレイまたはブロットに適用する)、核酸の検出、またはサンプル中の特定の核酸の量の定量に用いることができる。本発明のある特徴では、細胞またはcDNAライブラリーから単離したメッセージが増幅される。
【0085】
当業者は適切なオリゴヌクレオチド増幅プライマーを選択および設計することができる。増幅方法はまた当業界で周知であり、例えば以下が含まれる:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば以下を参照されたい:PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications, ed. Innis, Academic Press, NY 1990;PCR Strategies (1995) ed. Innis, Academic Press, Inc., NY)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば以下を参照されたい:Wu (1989) Genomics 4:560;Landegren (1988) Science 241:1077;Barringer (1990) Gene 89:117)、転写増幅(例えば以下を参照されたい:Kwoh (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173)、およびセルフサステイン配列複製(例えば以下を参照されたい:Guatelli (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874)、Qベータレプリカーゼ増幅アッセイ(例えば以下を参照されたい:Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)、自動化Q-ベータレプリカーゼ増幅アッセイ(例えば以下を参照されたい:Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)および他のRNAポリメラーゼ仲介技術(例えば以下を参照されたい:NASBA, Cangene, Mississauga, Ontario)。さらにまた以下を参照されたい:Berger (1987) Methods Enzymol. 152:307-316;Sambrook;Ausubel;US Patent Nos. 4,683,195および4,683,202;Sooknanan (1995) Biotechnology 13:563-564。
【0086】
配列同一性の程度の決定
本発明は、本発明の例示的核酸(上記で規定)と少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550またはそれより大きい残基領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくはそれより高い、又は完全な(100%)配列同一性を有する配列を含む核酸を提供する。本発明は、本発明の例示的なポリペプチドと少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくはそれより高い、又は完全な(100%)配列同一性を有する配列を含むポリペプチドを提供する。配列同一性(相同性)の程度は、任意のコンピュータプログラムおよび付属のパラメーター(本明細書に記載されたもの、例えばBLAST2.2.2またはFASTAヴァージョン3.0t78を含む)を規定値パラメーターとともに用いて決定することができる。
本明細書で用いられる、“コンピュータ”、“コンピュータプログラム”および“プロセッサー”という用語はこれらのもっとも広い一般的な意味で用いられ、下記で詳細に述べるような装置の全てが含まれる。具体的なポリペプチドまたはタンパク質の“コード配列”または前記を“コードする配列”は、適切な調節配列の制御下に置かれたとき、ポリペプチドまたはタンパク質に転写および翻訳される核酸配列である。
【0087】
2つの核酸またはポリペプチドの関係で“実質的に同一”という語句は、公知の配列比較アルゴリズムの1つを用いるかまたは目視精査により、最大一致のための比較およびアラインメントを実施したとき、例えば少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または前記を超えるヌクレオチドまたはアミノ酸残基(配列)同一性を有する2つまたは3つ以上の配列を指す。典型的には、実質的同一性は少なくとも約100残基の領域にわたって存在し、もっとも一般的には、配列は少なくとも約150−200残基にわたって実質的に同一である。いくつかの特徴では、配列はコード領域の全長にわたって実質的に同一である。
さらにまた、“実質的に同一”なアミノ酸配列は、1つまたは2つ以上の保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、欠失または挿入(特にそのような置換が分子の活性部位ではない部位で生じるとき、および前記ポリペプチドがその機能的特性を本質的に維持していることを条件とする)によって参照配列と異なる配列である。保存的アミノ酸置換は、例えばあるアミノ酸による同じクラスの別のアミノ酸の置換である(例えばある疎水性アミノ酸(例えばイソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニン)による別の疎水性アミノ酸の置換、またはある極性アミノ酸による別のアミノ酸の置換、例えばアルギニンによるリジンの置換、グルタミン酸によるアスパラギン酸の置換、またはグルタミンによるアスパラギンの置換)。1つまたは2つ以上のアミノ酸を例えばキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼポリペプチドから欠失させて、その生物学的活性を顕著に変更することなく、前記ポリペプチドの構造を改変させることができる。例えば、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼの生物学的活性に必要でないアミノ末端またはカルボキシル末端のアミノ酸を除去することができる。本発明の改変ポリペプチド配列は、多数の方法によってキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼの生物学的活性についてアッセイすることができる。前記方法は、改変ポリペプチド配列をキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ基質と接触させ、当該アッセイで前記改変ポリペプチドが特異的基質の量を減少させるか、または機能的なキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼポリペプチドと基質との酵素反応の生物学的生成物を増加させるかを決定することを含む。
【0088】
本発明の核酸配列は、本発明の例示的配列および前記と実質的に同一の配列の連続する少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400または500ヌクレオチドを含むことができる。本発明の核酸配列は、前記配列と相同な配列およびそのフラグメントを含み、実質的に同一な配列とはこれら配列に対して、少なくとも50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%を超える配列同一性(相同性)を有する配列をいう。相同性は、任意のコンピュータプログラムおよび本明細書に記載のパラメーター(FASTAヴァージョン3.0t78とその規定値パラメーターを含む)を規定値パラメーターとともに用いて決定することができる。相同性配列はまた、本発明の核酸配列のチミジンがウリジンに置き換えられたRNA配列を含む。相同性配列は、本明細書に記載する方法のいずれかを用いて入手することができるが、前記はまた配列決定の間違いの修正から入手することができる。本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列は、伝統的な一文字様式(例えば以下を参照されたい:Lubert Stryer, Biochemistry, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New York)または配列内のヌクレオチドの実体を記録する他の任意の様式で表現することができることは理解されよう。
本特許明細書のいずれかの箇所で関係する種々の配列比較プログラムは、特に本発明のこの特徴において使用することが意図される。タンパク質及び/又は核酸配列の相同性は、当業界で公知の多様な配列比較アルゴリズムおよびプログラムのいずれかを用いて評価することができる。そのようなアルゴリズムおよびプログラムには、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTAおよびCLUSTALWが含まれるが、ただしこれらに限定されない(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85(8):2444-2448, 1988;Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990;Thompson et al., Nucleic Acids Res. 22(2):4673-4680, 1994;Higgins et al., Methods Enzymol. 266:383-402, 1996;Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990;Altschul et al., Nature Genetics 3:266-272, 1993)。
【0089】
相同性または同一性は、しばしば配列分析ソフト(例えばジネティクスコンピュータグループ(Universty of Wisconsin Bitechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)の配列分析ソフトウェアパッケージ)を用いて測定できる。そのようなソフトは、種々の欠失、置換および他の改変に対して相同性の程度を決めることによって類似の配列を見つけ出す。2つまたは3つ以上の核酸またはポリペプチド配列に関して“相同性”および“同一性”という用語は、比較ウィンドウまたは指定の領域上で、多数の配列比較アルゴリズムを使用するかまたは手動アラインメントおよび目視精査による測定にしたがって最大一致を求めて比較およびアラインメントを実施したとき、特定のパーセンテージの同じアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する2つまたは3つ以上の配列または部分配列を指す。
配列比較の場合、典型的には一方の配列は参照配列として機能し、前記に対してテスト配列が比較される。配列比較アルゴリズムを用いるとき、テスト配列および参照配列はコンピュータに入力され、部分配列同等物が必要な場合に指定され、さらに配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。規定値プログラムパラメーターを用いることができるが、また別のパラメーターを指定することもできる。続いて配列比較アルゴリズムは、前記のプログラムパラメーターを基に参照配列に対するテスト配列のパーセント配列同一性を計算する。
【0090】
本明細書で用いられる“比較ウィンドウ”は、20から600、通常は約50から約200、より通常は約100から約150から成る群から選択される任意数の連続する位置のセグメントに対する参照を含み、前記ウィンドウにおいて、ある配列が同じ数の連続した位置の参照配列と前記2つの配列を最適にアラインメントした後で比較される。比較のために参照配列をアラインメントする方法は当業者に周知である。配列比較の最適アラインメントは、例えばSmith & Watermanの局所相同性アルゴリズム(Adv. Appl. Math. 2:482, 1981)によって、Needleman & Wunschの相同性アラインメントアルゴリズム(J. Mol. Biol. 48:443, 1970)によって、Pearson & Lipmanの類似性検索方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444, 1988)によって、前記アルゴリズムのコンピュータによる実施によって(GAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI)、または手動アラインメントと目視精査によって実施できる。相同性または同一性決定のための他のアルゴリズムには、BLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)の他に、ALIGN、AMAS(Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS(Protein Multiple Sequence Alignment)、ASSET(Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR、BIOSCAN(Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS(BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals & Points、BMB、CLUSTALV、CLUSTALW、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith-Watermanアルゴリズム、DARWIN、ラスベガスアルゴリズム、FNAT(Forced Nucleotide Alignment Tool)、フレームアライン、フレームサーチ、DYNAMIC、FILTER、FSAP(Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP(Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC(Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN(Local Sequence Alignment)、LCP(Local Content Program)、MACAW(Multiple Alignment Construction & Analysis Workbench)、MAP(Multiple Alignment Program)、MBLKP、MBLKN、PIMA(Pattern-Induced Multi-Sequence Alignment)、SAGA(Sequence Alignment by Genetic Algorithm)およびWHAT-IFが含まれる。前記のようなアラインメントプログラムはまたゲノムデータベースのスクリーニングに用いられ、実質的に同一の配列をもつポリヌクレオチド配列を同定することができる。多数のゲノムデータベースが利用可能で、例えばヒトゲノムの実質的部分がヒトゲノム配列決定プロジェクトの一部分として利用可能である(J. Roach, http://weber.u.Washington.edu/~roach/human_genome_progress2.html)(Gibbs, 1995)。少なくとも21の他のゲノムが既に配列決定されており、前記にはM. ジェニタリウム(genitalium)(Fraser et al., 1995)、M. ジャナスキイー(jannaschii)(Bult et al., 1996)、H. インフルエンザ(Fleischmann et al. 1995)、大腸菌(Blattner et al. 1997)、酵母(S. cerevisiae)(Mewes et al. 1997)およびD.メラノガスター(melanogaster)(Adams et al., 2000)が含まれる。顕著な進展がモデル生物(例えばマウス、C. エレガンスおよびアラビドプシス種(Arabidopsis sp))のゲノム配列決定で達成された。いくつかの機能的情報の注釈をもつゲノム情報を含むデータベースが種々の機関で維持されており、インターネットでアクセスすることができる。
【0091】
有用なアルゴリズムの一例は、BLASTおよびBLAST2.0であり、前記は、それぞれ以下に記載されている:Altschul (1977) Nuc. Acids Res. 25:3389-3402およびAltschul (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410。BLAST分析を実施するソフトは、National Center for Biotechnology Informationから公開されている。このアルゴリズムは、問い合わせ配列内の長さがWの短いワードを識別することによって高スコアをもつ配列対(HSP)をまず初めに識別することを必要とする。前記は、データベース配列中の同じ長さを持つワードとアラインメントを実施したとき、一致するかまたはいくらかの正の値をもつ閾値スコアTの条件を満たす。Tは近傍ワードスコア閾値と称される(Altschul (1990)上掲書)。これらの最初の近傍ワードヒットはそれらを含むより長いHSPを見つけるための検索開始のシードとして機能する。前記ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加する限り各配列の両方向に沿って伸長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列についてはパラメーターM(一致残基対のための褒賞スコア、常に>0)を用いて計算される。アミノ酸配列の場合、スコアリングマトリックスを用いて累積スコアが計算される。各方向のワードヒットの伸長は以下の場合に停止する:累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ下降したとき;累積スコアが、1つまたは2つ以上の負のスコアを与える残基アラインメントの累積のために0またはそれ以下になったとき;またはどちらかの配列の末端に達したとき。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは前記アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、規定値として11のワード長、10の期待値(E)、M=5、N=-4および両鎖の比較を用いる。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、3のワード長および10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=-4および両鎖の比較を用いる。
【0092】
BLASTアルゴリズムはまた2つの配列間の類似性の統計的分析を実施する(例えば以下を参照されたい:Karlin & Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性測定の1つは最小合計確率(P(N))であり、前記は2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の一致が偶然によって生じる確率を提供する。例えば、テスト核酸と参照核酸の比較で最小合計確率が約0.2未満、より好ましくは、約0.01未満、もっとも好ましくは約0.001未満であるならば、前記核酸は参照配列と類似であると考えられる。
ある特徴では、タンパク質および核酸配列相同性はベーシック・ローカル・アラインメント・サーチ・ツール(Basic Local Alignment Search Tool, “BLAST”)を用いて評価される。特に、5つの特別なBLASTプログラムを用いて以下のタスクが実行される:(1)BLASTPおよびBLAST3はアミノ酸の問い合わせ配列をタンパク質配列データベースと比較する;(2)BLASTNはヌクレオチドの問い合わせ配列をヌクレオチド配列データベースと比較する;(3)BLASTXは問い合わせヌクレオチド配列(両方の鎖)の仮想的な6フレーム翻訳生成物をタンパク質配列データベースと比較する;(4)TBLASTNは問い合わせタンパク質配列(両方の鎖)を全ての6つの読み枠で翻訳されるヌクレオチド配列データベースと比較する;さらに(5)TBLASTXはヌクレオチド問い合わせ配列の6フレーム翻訳物をヌクレオチド配列データベースの6フレーム翻訳物と比較する。
BLASTプログラムは類似のセグメントを識別することによって相同な配列を識別する。前記セグメントは本明細書では問い合わせアミノ酸または核酸配列とテスト配列間の“高スコアセグメントペア”と称され、好ましくは、タンパク質または核酸配列データベースから得られる。高スコアセグメントペアは、好ましくは、スコアリングマトリックス(その多くは当業界で公知である)によって識別される(すなわちアラインメントが実施される)。好ましくは、使用されるスコアリングマトリックスはBLOSUM62マトリックスである(Gonnet et al., Science 256:1443-1445 (1992); Henikoff and Henikoff, Proteins 17:49-61 (1993))。好ましさは劣るが、PAMまたはPAM250もまた用いることができる(例えば以下を参照されたい:Schwartz and Dayhoff, eds., 1978, Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structure, Washington: National Biomedical Research Foundation)。BLASTプログラムは米国立医学図書館(U.S. National Library of Medicine)から入手できる。
上記のアルゴリズムとともに用いられるパラメーターは、調査される配列の長さおよび相同性の程度に応じて適合させることができる。いくつかの特徴では、前記パラメーターは、ユーザーの指示のない状態でアルゴリズムによって使用される規定値パラメーターでもよい。
【0093】
コンピュータシステムおよびコンピュータプログラム製品
配列同一性、構造的相同性、モチーフなどをコンピュータシステムで決定および識別するために、コンピュータによって読み取りさらにアクセスすることができる任意の媒体上に本発明の配列を保存、記録し、さらに操作することができる。
したがって、本発明は、本発明の核酸およびポリペプチド配列を記録または保存させたコンピュータ、コンピュータシステム、コンピュータ読み出し可能媒体、コンピュータプログラム製品などを提供する。本明細書で用いられる“記録”および“保存”という用語はコンピュータ媒体に情報を保存する処理を指す。当業者は、コンピュータ読み出し可能媒体に情報を記録するための任意の公知の方法を容易に利用して、本発明の1つまたは2つ以上の核酸および/またはポリペプチド配列を含む製品を製造することができる。
本発明のポリペプチドは、本発明の例示的配列および前記と実質的に同一の配列、並びに先行する配列のいずれかのフラグメントを含む。実質的に同一の(または相同な)ポリペプチド配列は、本発明の例示的配列と少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い、または完全な(100%)配列同一性を有するポリペプチド配列を指す。
相同性は本明細書に記載した任意のコンピュータプログラムおよびパラメーター(規定値パラメーターまたは任意の改変パラメーターによるFASTAバージョン3.0t78を含む)を用いて決定できる。相同な配列は本明細書に記載した方法のいずれかを用いて入手できるが、またじ配列決定エラーの修正から得ることができる。前記ポリペプチドフラグメントは、本発明のポリペプチドおよび前記と実質的に同一の配列の連続する少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500またはそれより長いアミノ酸を含む。本発明のアミノ酸配列および前記と実質的に同一の配列のポリペプチドコードは、伝統的な一文字様式または三文字様式(Stryer, Lubert. Biochemistry, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New Yorkの裏表紙の内側を参照されたい)、またはポリペプチド配列の実体に関する他の任意の様式で表わすことができることは理解されよう。
【0094】
本発明の核酸またはポリペプチド配列は、コンピュータによって読み取りさらにアクセスすることができる任意の媒体上に保存し、記録し、さらに操作することができる。本明細書で用いられるように、“記録”および“保存”という用語はコンピュータ媒体に情報を保存する処理を指す。当業者は、コンピュータ読み出し可能媒体に情報を記録するため現在知られている任意の方法を容易に利用して、1つまたは2つ以上の本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列、1つまたは2つ以上の本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列を含む製品を製造することができる。本発明の別の特徴は、少なくとも2、5、10、15もしくは20、またはそれより多い本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列が記録されたコンピュータ読み出し可能媒体である。
本発明のまた別の特徴は、1つまたは2つ以上の本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列が記録されたコンピュータ読み出し可能媒体である。本発明のまた別の特徴は、1つまたは2つ以上の本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列が記録されたコンピュータ読み出し可能媒体である。本発明のまた別の特徴は、少なくとも2、5、10、15もしくは20、または前記を超える、上記に示す配列が記録されたコンピュータ読み出し可能媒体である。
コンピュータ読み出し可能媒体には、磁気により読み出し可能な媒体、光学的に読み出し可能な媒体、電子的に読み出し可能な媒体および磁気/光学媒体が含まれる。例えば前記コンピュータ読み出し可能媒体はハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、CD-ROM、多用途デジタルディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、または読み出し専用メモリー(ROM)の他、当業者に公知の他のタイプの媒体であろう。
【0095】
本発明の特徴には、システム(例えばインターネット利用システム)、特に、本明細書に記載されている配列情報を保存し、これを操作するコンピュータシステムが含まれる。コンピュータシステム(100)の一例が
図1の組み立て分解図に例示されている。本明細書で用いられる、“コンピュータシステム”は、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列のヌクレオチド配列、または本発明のアミノ酸配列に示すポリペプチド配列の分析に用いられるハードウェア構成部分、ソフトウェア構成部分およびデータ保存構成部分を指す。コンピュータシステム(100)は典型的には、配列データを処理し、前記にアクセスし、さらに前記を操作するプロセッサーを含む。プロセッサ(105)は周知のタイプの中央演算ユニットのいずれか、例えばインテル社(Intel Corporation)のペンチアムIIIまたはサン(Sun)、モトローラ(Motorola)、コンパック(Compaq)、AMD又はインターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)の類似のプロセッサーでもよい。
典型的には、コンピュータシステム(100)は汎用システムであり、プロセッサー(105)および1つまたは2つ以上のデータ保存のための内部データ保存構成部分(110)、および前記データ保存構成部分に保存されたデータを検索するための1つまたは2つ以上のデータ検索装置を含む。従来の利用可能なコンピュータシステムのいずれも適切であることは当業者には理解されよう。
【0096】
特にある特徴では、コンピュータシステム(100)は、バス(メインメモリー(115)(好ましくはRAMとして提供されている)に連結されている)に連結されたプロセッサー(105)、および1つまたは2つ以上の内部データ保存装置(110)(例えばハードドライブおよび/またはデータが記録される他のコンピュータ読み出し可能媒体)を含む。いくつかの特徴では、コンピュータシステム(100)はさらに、内部データ保存装置(110)のデータを読み取るための1つまたは2つ以上のデータ検索装置(118)を含む。
データ検索装置(118)は、例えばフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁気テープドライブ、または遠隔データ保存システムに連結することができる(例えばインターネットを介して)モデムであろう。いくつかの特徴では、内部データ保存装置(110)は取り外し可能なコンピュータ読み出し可能媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、磁気テープなどで、制御ロジックおよび/またはそれに記録されたデータを含んでいる。コンピュータシステム(100)は、便利なように、データ検索装置にいったん挿入されたデータ保存構成部分から前記制御ロジックおよび/またはデータを読み出すための適切なソフトを含むか、または前記ソフトによってプログラムされる。
コンピュータシステム(100)は、コンピュータのユーザーに出力結果を表示するために用いられるディスプレー(120)を含む。コンピュータシステム(100)は他のコンピュータシステム(125a−c)とネットワークまたは広域ネットワークで連結され、コンピュータシステム(100)への中央アクセスを提供することができることは留意されるべきであろう。
本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列のヌクレオチド配列または本発明のポリペプチド配列または前記と実質的に同一の配列にアクセスし前記を処理するためのソフト(例えば検索ツール、比較ツールまたはモデリングツールなど)は実行時にはメインメモリー(115)に存在することができる。
【0097】
いくつかの特徴では、コンピュータシステム(100)はさらに、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列(コンピュータ読み出し可能媒体に保存されている)を参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列(コンピュータ読み出し可能媒体に保存されている)と比較するための配列比較アルゴリズムを含むことができる。“配列比較アルゴリズム”は、データ保存手段内に保存されている他のヌクレオチド配列および/または化合物とヌクレオチド配列を比較するためにコンピュータシステム(100)に(端末または遠隔端末から)提供される1つまたは2つ以上のプログラムを指す。例えば、配列比較アルゴリズムは、コンピュータ読み出し可能媒体に保存されている本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列のヌクレオチド配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列を、コンピュータ読み出し可能媒体に保存されている参照配列と比較し、相同性または構造モチーフを確認することができる。
図2は、新規なヌクレオチドまたはタンパク質配列を配列データベースと比較して、新規な配列とデータベースの配列との間の相同性レベルを決定するためのプロセス(200)の1つの特徴を示す流れ図である。前記データベースの配列は、コンピュータシステム(100)内に保存された個人的データベースでも、インターネットを介して利用可能な公的データベース(例えばGENBANK)でもよい。
プロセス(200)は開始状態(201)で始まり、続いて、比較されるべき新規な配列がコンピュータシステム(100)内のメモリーに保存される状態(202)に移行する。上記で考察したように、前記メモリーは任意のタイプのメモリー(RAMまたは内部保存装置を含む)であってもよい。
続いてプロセス(200)は状態(204)に移行し、ここで配列データベースが分析および比較のために開かれる。続いてプロセス(200)は、データベースに保存されている第一の配列がコンピュータのメモリーに読み出される状態(206)に移行する。続いて比較が状態(210)で実施され、第一の配列が第二の配列と同じであるか否かが決定される。この工程は、新規な配列とデータベースの第一の配列との間の正確な比較の実施に限定されないことに留意することが重要である。2つのヌクレオチド配列またはタンパク質配列を(たとえそれらが同一ではなくても)比較する周知の方法を当業者は心得ている。例えばギャップを1つの配列に導入してこれら2つのテスト配列間の相同性レベルを高めることができる。比較時にギャップまたは他の特徴を配列に導入するか否かを制御するパラメーターは通常はコンピュータシステムのユーザーによって入力される。
【0098】
いったん2つの配列の比較が状態(210)で実施されたら、決定の状態(210)で前記2つの配列が同じか否かの決定が下される。もちろんのこと、“同じ”という用語は完全に同一である配列に限定されない。ユーザーによって入力された相同性パラメーター内にある配列は、プロセス(200)で“同じ”と示される。
2つの配列が同じであるという決定が下されたら、プロセス(200)は状態(214)に移行し、ここでデータベースの配列の名称がユーザーに表示される。前記状態はディスプレーされた名称の配列が入力した相同性の特徴を満たすことをユーザーに知らせる。保存配列の名称がいったんユーザーに表示されたら、プロセス(200)は、それ以上の配列がデータベースに存在するか否かの決定が下される決定状態(218)に移行する。それ以上データベースに配列が存在しない場合には、プロセス(200)は終了状態(220)で終了する。しかしながらデータベースにさらに配列が存在する場合は、プロセス(200)は状態(224)に移行し、前記状態でポインターは、データベースの次の配列に移動し前記新たな配列と比較することができる。このようにして、新たな配列はアラインメントを実施されデータベースの各配列と比較される。
配列が相同でないという決定が決定状態(212)で下された場合、プロセス(200)は直ちに決定状態(218)に移行し、データベース内に比較されるべき他の配列が存在するか否かが決定されることは留意されよう。
したがって、本発明のある特徴は、プロセッサー、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列が保存されているデータ保存装置、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列と比較するための参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列が検索できるように保存されたデータ保存装置、および比較を実施するための配列コンペアラーを含むコンピュータシステムである。前記配列コンペアラーは、比較される配列間の相同性レベルを示すか、または本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列の前記ヌクレオチドコード内、または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列のコード内の構造モチーフを識別するか、またはこれら核酸コードおよびポリペプチドコードと比較される配列内の構造モチーフを識別することができる。いくつかの特徴では、前記データ保存装置には、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列、または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列の少なくとも2、5、10、15、20、25、30もしくは40またはそれより多い配列が保存されていることもありえる。
【0099】
本発明の別の特徴は、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列、または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列と参照ヌクレオチド配列との間の相同性レベルを決定する方法である。前記方法は、核酸コードまたはポリペプチドコード、および参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列をコンピュータプログラム(前記は相同性レベルを決定する)を使用して読み取る工程、および核酸コードまたはポリペプチドコードと参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列との間の相同性を前記コンピュータプログラムにより決定する工程を含む。前記コンピュータプログラムは、相同性レベルを決定するための多数のコンピュータプログラムのいずれでもよいが、特に本明細書に列挙されたものが含まれる(例えば規定値パラメーターまたは任意の改変パラメーターを用いるBLAST2N)。前記方法は上記に記載したコンピュータシステムを用いて実行することができる。前記方法はまた、上記に記載した本発明の核酸配列、または本発明のポリペプチド配列の少なくとも2、5、10、15、20、25、30もしくは40またはそれより多い配列をコンピュータプログラムを使用して読み取る工程、および核酸コードまたはポリペプチドコードと参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列との間の相同性を決定する工程によって実施することができる。
図3は、2つの配列が相同であるか否かを決定するコンピュータのプロセス(250)のある特徴を示す流れ図である。プロセス(250)は開始状態(252)で開始し、続いて比較されるべき第一の配列がメモリーに保存される状態(254)に移行する。続いて比較されるべき第二の配列が状態(256)でメモリーに保存される。続いてプロセス(250)は状態(260)に移行し、前記状態(260)で第一の配列中の第一の記号が読み取られ、続いて状態(262)に移行し、前記状態(262)で第二の配列の第一の記号が読み取られる。配列がヌクレオチド配列の場合、前記記号は通常はA、T、C、GまたはUのいずれかであることは理解されよう。配列がタンパク質配列の場合は、前記記号は一文字のアミノ酸コードであり、それによって第一および第二の配列は容易に比較することができる。
【0100】
続いて2つの記号が同じものであるか否かの決定が決定状態(264)で下される。それらが同じものである場合、プロセス(250)は状態(268)に移行し、前記状態(268)で第一および第二の配列の次の記号が読み取られる。続いて、前記次の記号が同じものであるか否かの決定が下される。それらが同じものである場合には、プロセス(250)は2つの記号が同じでなくなるまでこのループを繰り返す。次の2つの記号が同じでないという決定が下された場合、プロセス(250)は決定状態(274)に移行して、いずれかの配列に読み取られるべき記号がそれ以上存在するか否かが決定される。
読み取られるべき記号がそれ以上存在しない場合は、プロセス(250)は状態(276)に移行し、第一および第二の配列間の相同性レベルがユーザーに表示される。相同性レベルは、第一の配列内の記号の総数のうち配列間で同じであった記号の割合を計算することによって決定される。したがって、第二の配列の各記号と最初の100ヌクレオチド配列内の各記号のアラインメントが達成された場合、相同性レベルは100%であろう。
あるいは、コンピュータプログラムが、本発明に示された核酸配列のヌクレオチド配列を1つまたは2つ以上の参照ヌクレオチド配列と比較して、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列の核酸コードが参照核酸配列と1つまたは2つ以上の位置で異なるか否かを決定するコンピュータプログラムであってもよい。ある特徴では、そのようなプログラムは、参照ポリヌクレオチド配列または本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列の核酸配列のどちらかの配列に対して挿入、欠失または置換されたヌクレオチドの長さまたはそれらが何であるかを記録する。ある特徴では、コンピュータプログラムは、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列が、参照ヌクレオチド配列に対して単一ヌクレオチド多型性(SNP)を含むか否かを決定するプログラムであってもよい。
【0101】
本発明の別の特徴は、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列が、参照ヌクレオチド配列と1つまたは2つ以上のヌクレオチドで異なるか否かを決定する方法であり、前記方法は以下の工程を含む:核酸配列間の相違を識別するコンピュータプログラムを使用して核酸コードおよび参照ヌクレオチド配列を読み取る工程および核酸コードおよび参照ヌクレオチド配列との間の相違を前記コンピュータプログラムにより識別する工程。いくつかの特徴では、コンピュータプログラムは単一ヌクレオチド多型性を識別するプログラムである。前記方法は上記に記載のコンピュータシステムによって実施することができ、前記方法は
図3に示されている。前記方法はまた、コンピュータプログラムを使用することにより本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列の少なくとも2、5、10、15、20、25、30もしくは40またはそれより多い配列および参照ヌクレオチド配列を読み取り、さらにコンピュータプログラムにより核酸コードと参照ヌクレオチド配列との間の相違を識別することによって実施することができる。
他の特徴では、前記コンピュータ使用システムはさらに、本発明の核酸配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列内の特徴を識別するアイデンティファイヤーを含むことができる。
“アイデンティファイヤー”は、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列内のある種の特徴を識別する1つまたは2つ以上のプログラムを指す。ある特徴では、アイデンティファイヤーは、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列内のオープンリーディングフレームを識別するプログラムを含むことができる。
【0102】
図4は、配列内の特徴の存在を検出するためのアイデンティファイヤープロセス(300)のある特徴を示す流れ作業図である。プロセス(300)は開始状態(302)で開始し、続いて状態(304)に移行し、前記状態(304)で特徴についてチェックされるべき第一の配列がコンピュータシステム(100)のメモリー(115)に保存される。プロセス(300)は続いて状態(306)に移行し、前記状態(306)で配列の特徴のデータベースが開かれる。そのようなデータベースは各特徴の属性リストを前記特徴の名称とともに含むであろう。例えば、特徴の名称は“開始コドン”であり、その属性は“ATG”であろう。別の例では、特徴の名称は“TAATAAボックス”であり、特徴の属性は“TAATAA”であろう。そのようなデータベースの例は、ウィスコンシン大学のGenetics Computer Groupによって作製されている。あるいは、前記特徴は構造的なポリペプチドモチーフ、例えばアルファへリックス、ベータシートまたは機能的ポリペプチドモチーフ、例えば酵素活性部位、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフまたは当業者に公知の他のモチーフでありえる。
特徴のデータベースが状態(306)で開かれると直ちにプロセス(300)は状態(308)に移行し、前記状態(308)で第一の特徴がデータベースから読み取られる。続いて第一の特徴の属性と第一の配列との比較が状態(310)で実施される。続いて、前記特徴の属性の比較が第一の配列内で見出されるか否かの決定が決定状態(316)で下される。前記属性が見出された場合、プロセス(300)は状態(318)に移行し、前記状態(318)で見出された特徴の名称がユーザーに表示される。
続いてプロセス(300)は決定状態(320)に移行し、前記状態(320)でそれ以上の特徴がデータベースに存在するか否かの決定が下される。特徴がそれ以上存在しない場合は、プロセス(300)は終了状態(324)で終了する。しかしながら、それ以上の特徴がデータベースに存在する場合、プロセス(300)は状態(326)で次の配列特徴を読み取り、状態(310)に戻り、前記状態(310)で次の特徴の属性が第一の配列に対して比較される。第一の配列で特徴の属性が決定状態(316)で見出されない場合、プロセス(300)は直接決定状態(320)に移行し、特徴がそれ以上データベースに存在するか否かを決定することは留意されるべきである。
【0103】
したがって、本発明のまた別の特徴は、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列内の特徴を識別する方法であり、前記方法は以下の工程を含む:核酸コードまたはポリペプチド配列を、それらに存在する特徴を識別するコンピュータプログラムを使用して読み取る工程および核酸コード内の特徴を前記コンピュータプログラムにより識別する工程。ある特徴では、コンピュータプログラムはオープンリーディングフレームを識別するコンピュータプログラムを含む。前記方法は、ただ1つの配列または本発明の複数の核酸配列および前記と実質的に同一の配列もしくは本発明の複数のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列の少なくとも2、5、10、15、20、25、30、または40を、コンピュータプログラムを使用して読み取り、さらに前記コンピュータプログラムを用いて核酸コードまたはポリペプチドコード内の特徴を識別することによって実施することができる。
本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列は、種々のデータプロセッサプログラムで多様な様式で保存し操作することができる。例えば、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列は、ワードプロセッシングファイルのテキストとして(例えばマイクロソフトWORD
TMまたはWORDPERFECT
TM)、または当業者に周知の多様なデータベースプログラムのASCIIファイルとして(例えばDB2
TM、SYBASE
TMまたはORACLE
TM)保存することができる。
さらに、多くのコンピュータプログラムおよびデータベースを、配列比較アルゴリズム、アイデンティファイヤー、または本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列と比較されるべき参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の供給源として用いることができる。以下のリストは、本発明の核酸配列および前記と実質的に同一の配列または本発明のポリペプチド配列および前記と実質的に同一の配列に関して有用なプログラムおよびデータベースの手引きを提供することを意図し、本発明を限定しようとするものではない。
【0104】
使用することができるプログラムおよびデータベースには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):MacPattern(EMBL)、DiscoveryBase(Molecular Applications Group)、GeneMine (Molecular Applications Group)、Look(Molecular Applications Group)、MacLook(Molecular Applications Group)、BLASTおよびBLAST2(NCBI)、BLASTNおよびBLASTX(Alyschul et al. J. Mol. Biol. 215:403, 1990)、FASTA(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:2444,1988)、FASTDB (Brutlag et al. Comp. App. Biosci. 6:237-245, 1990)、Catalyst(Molecular Simulations Inc.)、Catalyst/SHAPE(Molecular Simulations Inc.)、Cerius
2.DBAccess(Molecular Simulations Inc.)、HypoGen(Molecular Simulations Inc.)、Insight II(Molecular Simulations Inc.)、Discover(Molecular Simulations Inc.)、CHARMm(Molecular Simulations Inc.)、Felix(Molecular Simulations Inc.)、DelPhi(Molecular Simulations Inc.)、QuanteMN(Molecular Simulations Inc.)、Homology(Molecular Simulations Inc.)、Modeler(Molecular Simulations Inc.)、ISIS(Molecular Simulations Inc.)、Quanta/Protein Design(Molecular Simulations Inc.)、WebLab(Molecular Simulations Inc.)、WebLab Diversity Explorer(Molecular Simulations Inc.)、Gene Explorer(Molecular Simulations Inc.)、SeqFold(Molecular Simulations Inc.)、MDL Available Chemicals Directoryデータベース、MDL Drug Data Reportデータベース、Comprehensive Medical Chemistryデータベース、Derwent’s World Drug Indexデータベース、BioByteMasterFileデータベース、GenbankデータベースおよびGenseqnデータベース。他の多くのプログラムおよびデータベースも本発明の開示が提供された当業者には明白であろう。
上記のプログラムを用いて検出することができるモチーフには、ロイシンジッパー、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフ、グリコシル化部位、ユビキチン化部位、アルファヘリックスおよびベータシート、コードされたタンパク質の分泌を誘導するシグナルペプチドをコードするシグナル配列、転写調節に関与する配列(例えばホメオボックス)、酸性ストレッチ、酵素活性部位、基質結合部位および酵素切断部位をコードする配列が含まれる。
【0105】
核酸のハイブリダイゼーション
本発明は、本発明の例示的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする単離、合成または組換え核酸を提供する。前記ストリンジェントな条件は、高度にストリンジェントな条件、中等度にストリンジェントな条件、及び/又は低度にストリンジェントな条件が可能であり、本明細書に記載する高ストリンジェンシー条件および低ストリンジェンシー条件を含む。ある特徴では、下記で考察するように、ある核酸が本発明の範囲内のものであるか否かを決定する条件を示すのは洗浄条件のストリンジェンシーである。
また別の特徴では、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される本発明の核酸は、本発明の核酸の約5残基から完全長の間でありえる。例えばそれらは、長さが少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000またはそれより大きい残基でありえる。完全長より短い核酸もまた含まれる。これらの核酸は、例えばハイブリダイゼーションプローブ、標識プローブ、PCRオリゴヌクレオチドプローブ、iRNA(一本鎖または二本鎖)、アンチセンス配列、または抗体結合ペプチド(エピトープ)、モチーフ、活性部位などをコードする配列として有用でありえる。
ある特徴では、本発明の核酸は、約37℃から42℃で約50%のホルムアミドの条件を含む高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。ある特徴では、本発明の核酸は、約30℃から35℃で約35%から25%のホルムアミドの条件を含む低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。
あるいは、本発明の核酸は、42℃、約50%ホルムアミド、5XのSSPE、0.3%SDSおよび反復配列ブロッキング核酸(例えばcot-1またはサケ精子DNA(例えば200μg/mLのせん断変性サケ精子DNA))の条件を含む高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。ある特徴では、本発明の核酸は、35℃の低温で約35%のホルムアミドを含む低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。
核酸のハイブリダイゼーション反応では、個々のストリンジェンシーレベルを達成するために用いられる条件は、ハイブリダイズされる核酸の性質に応じて変動するであろう。例えば、当該核酸のハイブリダイズする領域の相補性の長さ、程度、ヌクレオチド配列の組成(例えばGC対AT含有量)および核酸のタイプ(例えばRNAかDNAか)はハイブリダイゼーションの条件の選択で考慮することができる。さらにまた考慮されることは、核酸の1つが、例えばフィルターに固定されているか否かということである。
【0106】
ハイブリダイゼーションは低ストリンジェンシー、中等度ストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシー条件下で実施することができる。核酸のハイブリダイゼーションの例として、固定された変性核酸を含むポリマーメンブレンは、先ず初めに0.9MのNaCl、50mMのNaH
2PO
4(pH7.0)、5.0mMのNa
2EDTA、0.5%SDS、10Xのデンハルト溶液および0.5mg/mLのポリリボアデニル酸から成る溶液中で45℃、30分間予備ハイブリダイズされる。続いて、約2X 10
7cpm(比活性4−9X 10
8cpm/μg)の
32P末端標識オリゴヌクレオチドプローブを前記溶液に添加する。12から16時間インキュベートした後、前記メンブレンを0.5%のSDSを含む、1XのSET(150mMのNaCl、20mMのトリス-塩酸(pH7.8)、1mMのNa
2EDTA)中で30分、室温で洗浄し、続いて前記オリゴヌクレオチドプローブのTm−10℃で新しい1XのSETで30分洗浄する。続いて前記メンブレンでオートラジオグラフィー用フィルムを感光させハイブリダイゼーションシグナルを検出する。
前述の全てのハイブリダイゼーションは高ストリンジェンシー条件下にあると考えられるであろう。
ハイブリダイゼーションの後、フィルターを洗浄して非特異的に結合した検出可能なプローブを一切除去することができる。フィルターの洗浄に用いられるストリンジェンシーはまた、ハイブリダイズされる核酸の性質、ハイブリダイズされる核酸の長さ、相補性の程度、ヌクレオチド配列の組成(例えばGC対AT含有量)および核酸のタイプ(例えばRNAかDNAか)に応じて変動しえる。ストリンジェンシーがだんだんと高くなる洗浄条件の例は以下のとおりである:2XのSSC、0.1%のSDS、室温で15分(低ストリンジェンシー);0.1XのSSC、0.5%のSDS、室温で30分から1時間(中等度ストリンジェンシー);0.1XのSSC、0.5%のSDS、ハイブリダイゼーション温度から68℃の間で15から30分(高ストリンジェンシー);および0.15MのNaCl、72℃で15分(超高ストリンジェンシー)。最後の低ストリンジェンシー洗浄は、0.1XのSSC、室温で実施することができる。前述の例は、フィルターの洗浄で用いることができる1組の条件の単なる例示である。種々のストリンジェンシーの洗浄レシピが多数存在することは当業者には知られていよう。
プローブとハイブリダイズした核酸はオートラジオグラフィーまたは他の通常的な技術によって識別される。
【0107】
上記の方法は、プローブ配列に対して相同性が低い核酸を識別するために改変することができる。例えば、検出可能なプローブに対して相同性が低い核酸を得るために、ストリンジェンシーが低い条件を用いることができる。例えば、約1MのNa
+濃度を有するハイブリダイゼーション緩衝液中でハイブリダイゼーション温度を68℃から42℃まで5℃ずつ下げることができる。ハイブリダイゼーション後に、フィルターをハイブリダイゼーション温度で2XのSSC、0.5%SDSで洗浄することができる。前記の条件は、50℃より上で“中等度”の条件、50℃未満で“低度”の条件と考えられる。“中等度”のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが55℃で実施される場合である。“低ストリンジェンシー”のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが45℃で実施される場合である。
あるいは、ハイブリダイゼーションは、ホルムアミドを含む緩衝液(例えば6XのSSC)中で42℃の温度で実施することができる。この場合、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミドの濃度を50%から0%まで5%ずつ減少させ、プローブに対して相同性レベルの低いクローンを識別することができる。ハイブリダイゼーションの後でフィルターを6XのSSC、0.5%SDSにより50℃で洗浄することができる。前記の条件は、25%を超えるホルムアミドで“中等度”の条件、25%より低いホルムアミドで“低度”の条件と考えられる。“中等度の”ハイブリダイゼーション条件の具体的な条件は、上記のハイブリダイゼーションが30%のホルムアミドで実施されるときである。“低ストリンジェンシー”のハイブリダイゼーション条件の具体的な条件は、上記のハイブリダイゼーションが10%のホルムアミドで実施されるときである。
【0108】
しかしながら、ハイブリダイゼーションの様式の選択は決定的なものではなく、ある核酸が本発明の範囲内に包含されるか否かを決定する条件を示すのは洗浄条件のストリンジェンシーである。本発明に包含される核酸を識別するために用いられる洗浄条件には例えば以下が含まれる:pH7で約0.02Mの塩濃度、および少なくとも約50℃または約55℃から約60℃;または約0.15MのNaClの塩濃度で72℃、約15分;または約0.2XのSSCの塩濃度で少なくとも約50℃または約55℃から約60℃の温度で約15から約20分;またはハイブリダイゼーション複合体を、0.1%のSDSを含む約2XのSSCの塩濃度を有する溶液で室温にて15分2回洗浄し、続いて0.1%のSDSを含む約0.1XのSSCで68℃、15分2回室温で洗浄する;または前記と同等な条件。SSC緩衝液および同等な条件に関してはSambrook, Tijssen and Ausubelの著書を参照されたい。
これらの方法は本発明の核酸の単離に用いることができる。例えば、前述の方法を用いて、本発明の配列の1つおよび前記と実質的に同一の配列、または連続する少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、300、400または500塩基を含む前記のフラグメント、およびそれらと相補的な配列から成る群から選択される核酸配列に対して少なくとも約97%、少なくとも約95%、少なくとも約90%、少なくとも約85%、少なくとも約80%、少なくとも約75%、少なくとも約70%、少なくとも約65%、少なくとも約60%、少なくとも約55%、少なくとも約50%相同性を有する核酸配列を単離することができる。相同性はアラインメントアルゴリズムを用いて測定することができる。例えば、相同なポリヌクレオチドは、本明細書に記載したコード配列の1つの天然に存在する対立遺伝子座変種のコード配列を有することができる。そのような対立遺伝子座変種は、本発明の核酸と比較したとき1つまたは2つ以上のヌクレオチドの置換、欠失または付加を有することができる。
さらにまた、上記の方法を用いて、本発明のアミノ酸配列の1つに配列を有するポリペプチド、または連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150アミノ酸を含む前記のフラグメントに対して、配列アラインメントアルゴリズム(例えば規定値パラメータを用いるFASTAバージョン3.0t78アルゴリズム)を用いたとき、少なくとも約99%、95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、または少なくとも50%の相同性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離することができる。
【0109】
オリゴヌクレオチドプローブおよびそれらの使用方法
本発明はまた、例えばキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸もしくはそのフラグメントを識別するか、またはキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ遺伝子を識別するために用いることができる核酸プローブを提供する。ある特徴では、前記プローブは、本発明の核酸の少なくとも10の連続する塩基を含む。あるいは、本発明のプローブは、本発明の核酸で示される配列の少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、150または約10から50、約20から60、約30から70の連続する塩基であってもよい。前記プローブは、結合および/またはハイブリダイゼーションによって核酸を識別する。前記プローブは、例えばキャピラリーアレイを含む本発明のアレイ(下記の考察を参照されたい)で用いることができる。本発明のプローブはまた他の核酸またはポリペプチドの単離に用いることができる。
本発明の単離核酸および前記と実質的に同一の配列、前記と相補的な配列、または本発明の配列の1つおよび前記と実質的に同一の配列の連続する少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400もしくは500塩基を含むフラグメント、または前記と相補的な配列をプローブとして用いて、生物学的サンプル(例えば土壌サンプル)が、本発明の核酸を有する生物または前記核酸が得られた生物を含むか否かを決定することができる。そのような方法では、前記核酸が単離された生物を潜在的に保有する生物学的サンプルを入手し、前記サンプルから核酸を得る。前記プローブがサンプル中に存在する相補性配列のいずれかと特異的にハイブリダイズすることができる条件下で、核酸を前記プローブと接触させる。
必要な場合には、相補性配列を含まないコントロール配列とともに相補性配列を含むことが判明しているサンプルの相補性配列とプローブを接触させることによって、プローブが特異的にハイブリダイズすることができる条件を決定することができる。ハイブリダイゼーション条件(例えばハイブリダイゼーション緩衝液の塩濃度、ハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミド濃度またはハイブリダイゼーションの温度)を変化させて、前記プローブが相補性核酸と特異的にハイブリダイズすることができる条件を識別することができる。
【0110】
前記核酸が単離された生物をサンプルが含む場合、プローブの特異的なハイブリダイゼーションが検出される。ハイブリダイゼーションは、プローブを検出可能な薬剤(例えば放射性同位元素、蛍光色素、または検出可能な生成物の形成を触媒することができる酵素)で標識することによって検出できる。
標識プローブを用いてサンプル中の相補性核酸の存在を検出する多くの方法が当業者にはよく知られている。前記方法にはサザンブロット、ノーザンブロット、コロニーハイブリダイゼーション法およびドットブロットが含まれる。前記方法の各々のプロトコルは以下にに示されている:Ausubel et al. Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley 503 Sons, Inc. (1997)およびSambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)。
あるいは、2つ以上のプローブ(そのうちの少なくとも1つは核酸サンプルに存在する任意の相補性配列と特異的にハイブリダイズすることができる)を増幅反応で用いて、サンプルが本発明の核酸配列を含む生物(例えば前記核酸が単離された生物)を含むか否かを決定することができる。典型的には、前記プローブはオリゴヌクレオチドを含む。ある特徴では、前記増幅反応はPCR反応を含むことができる。PCRプロトコルは文献(Ausubel and Sambrook、上掲書)に記載されている。あるいは、増幅はリガーゼ連鎖反応、3SRまたは鎖置換反応を含むことができる(以下を参照されたい:F. Barany, “The Ligasa Chain Reaction in a PCR World”, PCR Methods and Applications 1:5-16, 1991;E. Fahy et al., “Self-sustained Sequence Replication (3SR): An Isothermal Transcription-based Amplification System Alternative to PCR”, PCR Methods and Applications 1:25-33, 1991;およびG.T. Walker et al., “Strand Displacement Amplification an Isothermal in vitro DNA Amplification Technique”, Nucleic Acid Research 20:1691-1696, 1992)。そのような方法では、サンプル中の核酸をプローブと接触させ、増幅反応を実施し、さらに生成された任意の増幅生成物を検出する。増幅生成物は、反応生成物のゲル電気泳動を実施し、前記ゲルをインターカレーション試薬(例えば臭化エチジウム)で染色することによって検出することができる。あるいは1つまたは2つ以上のプローブを放射性同位元素で標識し、ゲル電気泳動の後で放射性増幅生成物の存在をオートラジオグラフィーによって検出してもよい。
【0111】
本発明の配列および前記と実質的に同一の配列の末端近くの配列に由来するプローブもまた染色体ウォーキング法で用いて、本発明の配列および前記と実質的に同一の配列の近傍に位置するゲノム配列を含むクローンを識別することができる。そのような方法は、さらに別のタンパク質をコードする遺伝子を前記宿主生物から単離することを可能にする。
本発明の単離核酸および前記と実質的に同一の配列、前記と相補的な配列、または本発明の配列の1つおよび前記と実質的に同一の配列の連続する少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400もしくは500塩基を含むフラグメント、または前記と相補的な配列をプローブとして用い、関連核酸を識別および単離することができる。いくつかの特徴では、前記関連核酸は、前記核酸が単離された生物以外の生物に由来するcDNAまたはゲノムDNAであってもよい。例えば前記の他の生物は関連する生物であってもよい。そのような方法では、プローブが特異的に関連配列とハイブリダイズすることができる条件下で、核酸サンプルを前記プローブと接触させる。続いて、関連生物に由来する核酸とプローブのハイブリダイゼーションが上記に記載した方法のいずれかを用いて検出される。
検出可能なプローブとハイブリダイズする核酸(例えばcDNAまたはゲノムDNA)を識別するために用いられるハイブリダイゼーションのストリンジェンシーレベルを変動させることによって、プローブに対して種々のレベルの相同性を有する核酸を識別および単離することができる。ストリンジェンシーは、プローブの融解温度より低い種々の温度でハイブリダイゼーションを実施することによって変動させることができる。融解温度(Tm)は、(所定のイオン強度およびpHの下で)標的配列の50%が完全に相補性のプローブとハイブリダイズする温度である。非常にストリンジェントな条件は、個々のプローブのTmに等しいかまたはそれより約5℃低くなるように選択される。プローブの融解温度は以下の等式を用いて計算できる。
長さが14から70ヌクレオチドのプローブの場合、融解温度(Tm)は下記式を用いて計算される:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(G+Cの割合)−(600/N)、式中Nはプローブの長さである。
ハイブリダイゼーションがホルムアミド含有溶液中で実施される場合、融解温度は以下の等式を用いて計算できる:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(G+Cの割合)−(0.63%ホルムアミド)−(600/N)、式中Nはプローブの長さである。
前ハイブリダイゼーションは、6XのSSC、5Xのデンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性フラグメント化サケ精子DNA、または6XのSSC、5Xのデンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性フラグメント化サケ精子DNA、50%ホルムアミド中で実施することができる。SSCおよびデンハルト溶液の組成は例えば上掲書(Sambrook)に挙げられている。
ハイブリダイゼーションは、検出可能プローブを上記に挙げた前ハイブリダイゼーション溶液に添加することによって実施される。プローブが二本鎖DNAを含む場合、ハイブリダイゼーション溶液に添加する前に前記を変性させる。前記プローブが、それと相補的または相同な配列を含むcDNAまたはゲノムDNAとハイブリダイズできるように十分な時間前記ハイブリダイゼーション溶液とフィルターを接触させる。長さが200ヌクレオチドを超えるプローブの場合、ハイブリダイゼーションはTmより15−25℃下で実施できる。より短いプローブの場合(例えばオリゴヌクレオチドプローブ)、ハイブリダイゼーションはTmより5−10℃下で実施できる。典型的には、6XのSSC中でのハイブリダイゼーションのためには、ハイブリダイゼーションは約68℃で実施される。通常では、50%ホルムアミド含有溶液中でのハイブリダイゼーションの場合、ハイブリダイゼーションは約42℃で実施される。
【0112】
グリコシルヒドロラーゼの発現阻害
本発明は、本発明の核酸(例えばキシラナーゼ-および/またはグルカナーゼ-コード核酸)と相補的な核酸(例えばアンチセンス配列)を提供する。アンチセンス配列は、キシラナーゼ-および/またはグルカナーゼ-コード遺伝子の輸送、スプライシングまたは転写を阻害することができる。前記阻害は、ゲノムDNAまたはメッセンジャーRNAを標的とすることにより達成することができる。標的とされた核酸の転写または機能は、例えばハイブリダイゼーションおよび/または切断によって阻害することができる。本発明によって提供される特に有用な阻害物質セットには、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ遺伝子またはメッセンジャーに結合することができるオリゴヌクレオチドが含まれる(いずれの事例でもキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼの生成または機能を防止または抑制する)。前記の結合は配列特異的ハイブリダイゼーションによることができる。別の有用な阻害物質の種類にはキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼメッセージの不活化または切断をもたらすオリゴヌクレオチドが含まれる。前記オリゴヌクレオチドはそのような切断を惹起する酵素活性を有することができる(例えばリボザイム)。オリゴヌクレオチドは化学的に改変するか、または相補性核酸を切断することができる酵素もしくは組成物と結合させることができる。そのような多くの多様なオリゴヌクレオチドのプールを所望の活性を有するオリゴヌクレオチドについてスクリーニングすることができる。したがって、本発明は、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼの発現を、核酸及び/又はタンパク質レベルで阻害する種々の組成物を提供する。前記は、例えば本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ配列を含むアンチセンス、iRNAおよびリボザイム、並びに本発明のアンチキシラナーゼおよび/またはアンチグルカナーゼ抗体である。
【0113】
キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼの発現阻害は、多様な工業、医療、製薬、研究、食品および飼料並びに食品および飼料サプリメントに関する処理並びに他の用途およびプロセスを有しえる。例えば、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ発現の阻害は腐敗を抑制又は防止することができる。腐敗は、多糖類(例えば構造性多糖類)が酵素によって分解されるときに発生しえる。これは果実および野菜の変質または腐敗をもたらす。ある特徴では、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼの発現および/または活性を阻害する本発明の組成物(例えば抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイムおよびRNAi)を使用して腐敗が抑制または防止される。したがって、ある特徴では、本発明は、腐敗の抑制または防止のために、植物または植物生成物(例えば穀物、穀粒、果実、種子、根、葉など)に、本発明の抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及びRNAiを適用することを含む方法および組成物を提供する。これらの組成物はまた、植物(例えばトランスジェニック植物)または別の生物(例えば本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ遺伝子で形質転換された細菌または他の微生物)によって発現させることもできる。
キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼの発現を阻害する本発明の組成物(例えばアンチセンス、iRNA、リボザイム、抗体)は、医薬組成物として、例えば抗病原体薬剤として、または他の治療薬において、例えば抗菌(例えば抗サルモネラ)剤として用いることができる。
【0114】
アンチセンスオリゴヌクレオチド:
本発明は、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼメッセージと結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。前記は、mRNAを標的とすることによってキシランヒドロラーゼ活性(例えば内部β-1,4-キシロシド結合の加水分解を触媒する)を阻害することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計する方法は学術文献および特許文献に詳しく記載されており、当業者は本発明の新規な試薬を用いてそのようなキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼオリゴヌクレオチドを設計することができる。例えば、有効なアンチセンスオリゴヌクレオチドをスクリーニングするためのジーンウォーキング/RNAマッピングプロトコルは当業界で周知である。例えば以下を参照されたい:Ho (2000) Methods Enzymol. 314:168-183。この文献はRNAマッピングアッセイを記載し、前記アッセイは標準的な分子技術に基づき、強力なアンチセンス配列選別のための簡単で信頼できる方法を提供する。さらにまた以下を参照されたい:Smith (2000) Eur. J. Phar. Sci. 11:191-198。
天然に存在する核酸がアンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いられる。前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の長さでもよい。例えば、また別の特徴では、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは約5から100、約10から80、約15から60、約18から40である。最適な長さは日常的なスクリーニングによって決定できる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の濃度で存在してよい。最適濃度は日常的なスクリーニングによって決定できる。この潜在的課題に用いることができる極めて多様な合成された天然に存在しないヌクレオチドおよび核酸類似体が知られている。例えば、非イオン性骨格(例えばN-(2-アミノエチル)グリシンユニット)を含むペプチド核酸(PNA)を用いることができる。ホスホロチオエート結合を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた用いることができる(それらは以下に記載されている:WO97/03211;WO96/39154;Mata (1997) Toxicol. App. Pharmacol. 144:189-197;Antisense Therapeutics, ed. Agrawal (Humana Press, Totowa, N.J., 1996)。本発明によって提供される合成DNA骨格類似体をもつアンチセンスオリゴヌクレオチドにはまた、上記で述べたようにホスホロ-ジチオエート、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、アルキルホスホトリエステル、スルファメート、3’-N-カルバメートおよびモルホリノカルバメート核酸が含まれる。
コンビナトリアル化学による方法論を用いて、任意の標的(例えば本発明のセンスおよびアンチセンスキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ配列)に対し適切な結合親和性および特異性を有する特定のオリゴヌクレオチドについて迅速にスクリーニングすることができる、膨大な数のオリゴヌクレオチドを生成することができる(例えば以下を参照されたい:Gold (1995) J. Biol. Chem. 270:13581-13584)。
【0115】
阻害性リボザイム:
本発明は、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼメッセージと結合することができるリボザイムを提供する。これらのリボザイムは、例えばmRNAを標的にすることによりキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ活性を阻害することができる。リボザイムを設計し、ターゲッティングのためにキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ特異的アンチセンス配列を選別する方法は学術文献および特許文献に詳しく記載されており、当業者は本発明の新規な試薬を用いてそのようなリボザイムを設計することができる。リボザイムは、標的RNAを切断するRNAの酵素部分の極めて近傍に保持されているリボザイムの標的RNA結合部分を介して標的RNAと結合することによって機能する。したがって、リボザイムは、相補性塩基対形成により標的RNAを認識してこれと結合し、いったん正確な部位と結合したら、リボザイムは酵素として機能して標的RNAを切断し、これを不活化する。切断がコード配列内で発生すれば、そのような態様での標的RNAの切断は、コードされたタンパク質の合成を指令するその能力を破壊するであろう。リボザイムがそのRNA標的と結合し、これを切断した後、リボザイムは前記RNAから遊離し、新たな標的と繰り返し結合および切断することができる。
いくつかの環境下では、リボザイムの酵素的性質は他の技術、例えばアンチセンス技術(アンチセンス技術では、核酸分子は核酸標的に単に結合してその転写、翻訳または別の分子との結合を妨げるだけである)よりも有利でありえる。なぜならば、治療的処置の達成に必要なリボザイムの有効濃度はアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれよりも低くありえるからである。この潜在的な利点はリボザイムの酵素として機能する能力の結果である。したがって、ただ1つのリボザイム分子が多くの標的RNA分子を切断することができる。さらにまた、リボザイムは典型的には特異性が高い阻害因子であり、阻害の特異性は塩基対形成による結合メカニズムだけでなく、リボザイムが結合するRNAの発現を前記リボザイム分子が阻害するメカニズムにも依存している。すなわち、阻害はRNA標的の切断によって生じ、したがって特異性は非標的RNAの切断速度に対する標的RNAの切断速度の比と定義される。この切断メカニズムは塩基対形成に関与する要因に加えて更に種々の要因に左右される。したがって、リボザイム作用の特異性は、同じRNA部位に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド結合の特異性よりも高くありえる。
【0116】
本発明のリボザイム、例えば酵素性リボザイムRNA分子は、ハンマーヘッドモチーフ、ヘアピンモチーフ、肝炎デルタウイルスモチーフ、グループIイントロンモチーフおよび/またはRNAガイド配列と結合したRNaseP様RNAモチーフとして生成することができる。ハンマーヘッドモチーフの例はRossi(Aids Research and Human Retroviruses 8:183 (1992))によって、ヘアピンモチーフの例はHampel(Biochmistry 28:4929 (1989)およびNuc. Acids Res. 18:299 1992)によって、肝炎デルタウイルスモチーフの例はPerrotta(Biochemistry 31:16 1992)によって、RNasePモチーフの例はGuerrier-Takada(Cell 35:849 1983)によって、さらにグループIイントロンの例はCech(US Pat. No. 4,987,071)によって記載されている。前記の特定のモチーフの記載はそれらに限定することを意図したものではない。当業者は、本発明のリボザイム、たとえば本発明の酵素性RNA分子は、標的遺伝子RNA領域の1つまたは2つ以上と相補的な固有の基質結合部位を有することができることを理解していよう。本発明のリボザイムは、基質結合部位内またはその周辺に前記分子にRNA切断活性を付与するヌクレオチド配列を有することができる。
【0117】
RNA干渉(RNAi):
ある特徴では本発明は、本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ酵素配列を含むRNA阻害分子、いわゆる“RNAi”分子を提供する。RNAi分子は二本鎖RNA(dsRNA)分子、例えばsiRNA、miRNAおよび/または短いヘアピンRNA(shRNA)分子を含むことができる。RNAi分子、例えばsiRNA(小さな阻害性RNA)はキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ遺伝子の発現を、および/またはmiRNA(ミクロRNA)はキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼメッセージの翻訳を阻害することができる。ある特徴では、RNAi分子(例えばsiRNAおよび/またはmiRNA)は、長さが約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29またはそれより大きい二重鎖ヌクレオチドである。本発明はいずれの特定の作用メカニズムにも限定されないが、RNAiは細胞内に入り、類似または同一の配列を有する一本鎖RNA(ssRNA)(内因性mRNAを含む)の分解を引き起こすことができる。細胞が二本鎖RNA(dsRNA)に暴露されるとき、相同な遺伝子に由来するmRNAは、RNA干渉(RNAi)と称される過程によって選択的に分解される。RNAiの背後にある可能な基本的メカニズムは、特定の遺伝子配列と一致する二本鎖RNA(dsRNA)の短い破片(短小干渉性RNAと称される)への分解である。前記短小干渉性RNAは、その配列と一致するmRNAの分解の引き金となる。ある特徴では、本発明のRNAiは遺伝子サイレンシング療法で用いられる(例えば以下を参照されたい:Shuey (2002) Drug Discov. Today 7:1040-1046)。ある特徴では、本発明は、本発明のRNAi分子(例えばsiRNAおよび/またはmiRNA)を用いて選択的にRNAを分解する方法を提供する。前記方法はin vitro、ex vivoまたはin vivoで実施することができる。ある特徴では、本発明のRNAi分子を用いて、細胞、器官または動物の機能低下変異を作出することができる。
ある特徴では、RNAiの細胞内導入は、吸着させたRNAi(例えばミクロRNA)を含むRNA結合タンパク質と結合した標的細胞特異的リガンドの内在化による。前記リガンドは、固有の標的細胞表面抗原に特異的である。前記リガンドは、細胞表面抗原と結合した後で偶発的に内在化されえる。固有の細胞表面抗原がそのリガンドとの結合後に自然に内在化されない場合は、内在化は、アルギニン富裕ペプチドまたは他の膜浸透性ペプチドを、リガンドまたはRNA結合タンパク質に取り込ませるか、またはそのようなリガンドまたはRNA結合タンパク質にそのようなペプチドを付着させることによって促進することができる。例えば米国特許出願公開公報20060030003号、20060025361号、20060019286号、20060019258号を参照されたい。ある特徴では、本発明は、デリバーのために、例えばRNAi分子を含む核酸脂質粒子として本発明の核酸を細胞に導入するために、脂質をベースにした処方物を提供する。例えば米国特許出願公開公報20060008910号を参照されたい。
選択的にRNAを分解するために、RNAi分子(例えばsiRNAおよび/またはmiRNA)を製造および使用する方法は当業界では周知である。例えば以下を参照されたい:米国特許第6,506,559号、第6,511,824号、第6,515,109号および第6,489,127号。
【0118】
核酸の改変
本発明は、本発明の核酸(例えばキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼをコードする核酸)の変種を作製する方法を提供する。これらの方法は、鋳型核酸によってコードされたキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼの活性または安定性とは変異したもしくは異なる活性または変異したもしくは異なる安定性を持つキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼを作製するために、多様な組合せで反復または使用することができる。これらの方法はまた、例えば遺伝子/メッセージ発現、メッセージ翻訳またはメッセージ安定性における変種を作製するために多様な組合せで反復または使用することができる。別の特徴では、細胞の遺伝的構成は、例えば相同遺伝子のex vivo改変とそれに続く前記遺伝子の細胞への再挿入により改変される。
本発明の核酸は任意の手段によって変異させることができる。前記は、例えばランダム若しくは確率論的な方法、または非確率論的方法、または“定方向進化”方法である(例えば米国特許6,361,974号を参照されたい)。遺伝子のランダム変異導入の方法は当業界で周知である(例えばUS Pat. No. 5,830,696を参照されたい)。例えば変異原を用いて遺伝子をランダムに変異させることができる。変異原には、例えば紫外線もしくはガンマ線照射、または化学的変異原、例えばマイトマイシン、亜硝酸、光活性化ソラレンが含まれ、単独または併用して組換えによって修復されやすいDNA破壊を誘導する。他の化学的変異原には、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンまたはギ酸が含まれる。その他の変異原は、ヌクレオチド前駆体の類似物質、例えばニトロソグアニジン、5-ブロモウラシル、2-アミノプリンまたはアクリジンである。これらの薬剤はPCR反応でヌクレオチド前駆体の代わりに添加され、それによって配列を変異させることができる。インターカレーション薬剤(例えばプロフラビン、アクリフラビン、キナクリンなど)もまた用いることができる。
【0119】
分子生物学の任意の技術、例えばランダムPCR変異導入(例えば以下を参照されたい:Rice (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5467-5471);またはコンビナトリアルマルチカセット変異導入(例えば以下を参照されたい:Crameri (1995) Biotechniques 18:194-196)を用いることができる。あるいは、核酸(例えば遺伝子)をランダムにまたは“確率論的に”フラグメント化した後で再アッセンブリングすることもできる(例えば以下を参照されたい:米国特許第6,291,242号;同6,287,862号;同6,287,861号;同5,955,358号;同5,830,721号;5,824,514号;同5,811,238号;同5,605,793号)。また別の特徴では、改変、付加または欠失が、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ(例えばGeneReassembly、例えば米国特許6,537,776号を参照されたい)、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNAによる変異導入、ウラシル含有鋳型による変異導入、ギャップ含有二重鎖による変異導入、ポイントミスマッチ修復による変異導入、修復欠損宿主株による変異導入、化学的変異導入、放射源による変異導入、欠失による変異導入、制限-選別変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマーの生成および/またはこれらの組合せ並びに他の方法によって導入される。
【0120】
以下の文献は、本発明の方法に取り入れることができる多様な反復組換え手順および/または方法を記載している:Stemmer (1999) “Molecular breeding of viruses for targeting and other clinical properties”, Tiumor Tageting 4:1-4; Ness (1999) NatureBiotechnology 17:893-896; Chang (1999) “Evolution of a cytokine using DNA family shuffling”, Nature Biotechnology 17:793-797; Minshull (1999) “Protein evolution by molecular breeding”, Current Opinion in Chemical Biology 3:284-290; Christians (1999) “Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling”, Nature Biotechnology 17:259-264; Crameri (1998) “DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution”, Nature 391:288-291; Crameri (1997) “Molecular evolution of an arsenate dtoxification pathway by DNA shuffling”, Nature Biotechnology 15:436-438; Zhang (1997) “Directed evolution of an effective fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screenig”, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4504-4509; Patten et al. (1997) “Applications of DNA Shuffling to Pharmaceuticals and Vaccines”, Current Opinion in Biotechnology 8:724-733; Crameri et al. (1996) “Construction and evolution of antibody-phage libraries by DNA shuffling”, Nature Medicine 2:100-103; Crameri et al. (1996) “Improved green fluorescent protein by molecular evolution using DNA shuffling”, Nature Biotechnology 14:315-319; Gates et al. (1996) “Affinity selective isolation of ligands from peptide libraries through display on a lac repressor ‘headpiece dimer’” Journal of Molecular Biology 255:373-386; Stemmer (1996) “Sexual PCR and Assembly PCR” In: The Encyclopedia of Molecular Biology. VCH Publishers, New York. pp.447-457; Crameri and Stemmer (1995) “Combinatorial multiple cassette mutagenesis creates all the permutations of mutant and wildtype cassettes” BioTechniques 18:194-195; Stemmer et al. (1995) “Single-step assembly of a gene and entire plasmid form large numbers of oligodeoxyribonucleotides” Gene, 164:49-53; Stemmer (1995) “The Evolution of Molecular Computation” Science 270: 1510; Stemmer (1995) “Searching Sequence Space” Bio/Technology 13:549-553; Stemmer (1994) “Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling” Nature 370:389-391; およびStemmer (1994) “DNA shuffling by random fragmentation and reassembly: In vitro recombination for molecular evolution.” Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751。
【0121】
多様性を生成する変異導入方法には例えば以下が含まれる:部位特異的変異導入(Ling et al. (1997) “Approaches to DNA mutagenesis: an overview” Anal Biochem. 254(2): 157-178; Dale et al. (1996) “Oligonucleotide-directed random mutagenesis using the phosphorothioate method” Methods Mol. Biol. 57:369-374; Smith (1985) “In vitro mutagenesis” Ann. Rev. Genet. 19:423-462; Botstein & Shortle (1985) “Strategies and applications of in vitro mutagenesis” Science 229:1193-1201; Carter (1986) “Site-directed mutagenesis” Biochem. J. 237:1-7; および Kunkel (1987) “The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis” in Nucleic Acids & Molecular Biology (Eckstein, F. and Lilley, D. M. J. eds., Springer Verlag, Berlin));ウラシル含有鋳型を用いる変異導入 (Kunkel (1985) “Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection” Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkel et al. (1987) “Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection” Methods in Enzymol. 154, 367-382;およびBass et al. (1988) “Mutant Trp repressors with new DNA-binding specificities” Science 242:240-245);オリゴヌクレオチド誘導変異導入(Methods in Enzymol. 100: 468-500 (1983); Methods in Enzymol. 154: 329-350 (1987); Zoller & Smith (1982) “Oligonucleotide-directed mutagenesis using M13-derived vectors: an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment” Nucleic Acids Res. 10:6487-6500; Zoller & Smith (1983) “Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors” Methods in Enzymol. 100:468-500; および Zoller & Smith (1987) “Oligonucleotide-directed mutagenesis: a simple method using two oligonucleotide primers and a single-stranded DNA template” Methods in Enzymol. 154:329-350);ホスホロチオエート改変DNA変異導入(Taylor et al. (1985) “The use of phosphorothioate-modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA” Nucl. Acids Res. 13: 8749-8764; Taylor et al. (1985) “The rapid generation of oligonucleotide-directed mutations at high frequency using phosphorothioate-modified DNA” Nucl. Acids Res. 13: 8765-8787 (1985); Nakamaye (1986) “Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide-directed mutagenesis” Nucl. Acids Res. 14: 9679-9698; Sayers et al. (1988) “Y-T Exonucleases in phosphorothioate-based oligonucleotide-directed mutagenesis” Nucl. Acids Res. 16:791-802;およびSayers et al. (1988) “Strand specific cleavage of phosphorothioate-containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide” Nucl. Acids Res. 16: 803-814);ギャップをもつ二重鎖DNAを用いる変異導入(Kramer et al. (1984) “The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction” Nucl. Acids Res. 12: 9441-9456; Kramer & Fritz (1987) Methods in Enzymol. “Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA” 154:350-367; Kramer et al. (1988) “Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed construction of mutations” Nucl. Acids Res. 16: 7207; およびFritz et al. (1988) “Oligonucleotide-directed construction of mutations: a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro” Nucl. Acids Res. 16: 6987-6999)。
【0122】
本発明を実施するために用いることができるさらに別の方法には以下が含まれる:点ミスマッチ修復(Kramer (1984) “Point Mismatch Repair” Cell 38:879-887)、修復欠損宿主株を用いる変異導入(Carter et al. (1985) “Improved oligonucleotide site-directed mutagenesis using M13 vectors” Nucl. Acids Res. 13: 4431-4443; and Carter (1987) “Improved oligonucleotide-directed mutagenesis using M13 vectors” Methods in Enzymol. 154: 382-403)、欠失変異導入(Eghtedarzadeh (1986) “Use of oligonucleotides to generate large deletions” Nucl. Acids Res. 14: 5115), restriction-selection and restriction-selection and restriction-purification (Wells et al. (1986) “Importance of hydrogen-bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin” Phil. Trans. R. Soc. Lond. A 317: 415-423)、全遺伝子合成による変異導入(Nambiar et al. (1984) “Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein” Science 223: 1299-1301; Sakamar and Khorana (1988) “Total synthesis and expression of a gene for the a-subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide-binding protein (transducin)” Nucl. Acids Res. 14: 6361-6372; Wells et al. (1985) “Cassette mutagenesis: an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites” Gene 34:315-323;およびGrundstrom et al. (1985) “Oligonucleotide-directed mutagenesis by microscale ‘shot-gun’ gene synthesis” Nucl. Acids Res. 13: 3305-3316)、二本鎖開裂修復(Mandecki (1986); Arnold (1993) “Protein engineering for unusual environments” Current Opinion in Biotechnology 4:450-455. “Oligonucleotide-directed double-strand break repair in plasmids of Escherichia coli: a method for site-specific mutagenesis” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83:7177-7181)。上記の方法の多くに関する更なる詳細は” Enzymology”(Volume 154)で見出すことができる。この文献にはまた種々の変異導入方法に関する問題を解決するための有用な管理に関する記述がある。
【0123】
本発明の実施に用いることができる方法は例えば以下に記載されている:U.S. Pat. No. 5,605,793(Stemmer, Feb. 25, 1997, “Methods for In Vitro Recombination);U.S. Pat. No. 5,811,238 (Stemmer et al.,Sep. 22, 1998, “Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination”);U.S. Pat. No. 5,830,721(Stemmer et al., Nov. 3, 1998, “DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly”);U.S. Pat. No. 5,834,252(Stemmer, et al., Nov. 10, 1998, “End-Complementary Polymerase Reaction”);U.S. Pat. No. 5,837,458(Minshull, et al., Nov. 17, 1998, “Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering”);WO 95/22625(Stemmer and Crameri, “Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly”);WO 96/33207(Stemmer and Lipschutz, “End Complementary Polymerase Chain Reaction”);WO 97/20078(Stemmer and Crameri, “Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination”);WO 97/35966(Minshull and Stemmer, “Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering”);WO 99/41402(Punnonen et al. “Targeting of Genetic Vaccine Vectors”);WO 99/41383(Punnonen et al. “Antigen Library Immunization”);WO 99/41369(Punnonen et al. “Genetic Vaccine Vector Engineering”); WO 99/41368(Punnonen et al. “Optimization of Immunomodulatory Properties of Genetic Vaccines”);EP 752008(Stemmer and Crameri, “DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly”);EP 0932670(Stemmer “Evolving Cellular DNA Uptake by Recursive Sequence Recombination”);WO 99/23107(Stemmer et al., “Modification of Virus Tropism and Host Range by Viral Genome Shuffling”);WO 99/21979(Apt et al., “Human Papillomavirus Vectors”);WO 98/31837(del Cardayre et al. “Evolution of Whole Cells and Organisms by Recursive Sequence Recombination”);WO 98/27230(Patten and Stemmer, “Methods and Compositions for Polypeptide Engineering”);WO 98/27230(Stemmer et al., “Methods for Optimization of Gene Therapy by Recursive Sequence Shuffling and Selection”);WO 00/00632, “Methods for Generating Highly Diverse Libraries”;WO 00/09679, “Methods for Obtaining in Vitro Recombined Polynucleotide Sequence Banks and Resulting Sequences”;WO 98/42832(Arnold et al., “Recombination of Polynucleotide Sequences Using Random or Defined Primers”);WO 99/29902(Arnold et al., “Method for Creating Polynucleotide and Polypeptide Sequences”);WO 98/41653(Vind, “An in Vitro Method for Construction of a DNA Library”);WO 98/41622(Borchert et al., “Method for Constructing a Library Using DNA Shuffling”);およびWO 98/42727(Pati and Zarling, “Sequence Alterations using Homologous Recombination”)
【0124】
本発明の実施に用いることができる方法(種々の多様性を生成する方法に関する詳細を提供する)は例えば以下に記載されている:“SHUFFLING OF CODON ALTERED GENES”(Patten et al.,1999年9月28日出願、U.S. Ser. No. 09/407,800);“EVOLUTION OF WHOLE CELLS AND ORGANISMS BY RECURSIVE SEQUENCE RECOMBINATION”(del Cardayre et al., 米国特許6,379,964号);“OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION”(Crameri et al., 米国特許6,319,714号; 6,368,861号; 6,376,246号; 6,423,542号; 6,426,224号およびPCT/US00/01203;“USE OF CODON-VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING”(Welch et al., 米国特許6,436,675号);“METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS”(Selifonov et al., 2000年1月18日出願、PCT/US00/01202) および、例えば “METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS”(Selifonov et al., 2000年7月18日出願、U.S. Ser. No. 09/618,579);“METHODS OF POPULATING DATA STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS”(Selifonov and Stemmer, 2000年1月18日出願PCT/US00/01138);および “SINGLE-STRANDED NUCLEIC ACID TEMPLATE-MEDIATED RECOMBINATION AND NUCLEIC ACID FRAGMENT ISOLATION”(Affholter, 2000年9月6日出願、U.S. Ser. No. 09/656,549);および米国特許6,177,263号;同6,153,410号。
非確率論的、または“定方向進化”方法(例えば“飽和変異導入”(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)または前記の組合せを含む)を用いて本発明の核酸を改変し、新規なまたは変異した特性(例えば強酸または強アルカリ条件下、高温または低温条件下などでの活性)を有するキシラナーゼおよび/またはグルカナーゼが作製される。改変された核酸によってコードされるポリペプチドは、キシランの加水分解または他の活性について試験する前に活性についてスクリーニングすることができる。任意の試験様式またはプロトコルを、例えばキャピラリーアレイ台を利用して用いることができる。例えば米国特許第6,361,974号、同6,280,926号、同5,939,250号を参照されたい。
【0125】
遺伝子部位飽和変異導入(またはGSSM):
本発明はまた遺伝子部位飽和変異導入(またはGSSM)を用いて酵素を作製する方法を提供する(前記は本明細書並びに米国特許6,171,820号および6,579,258号に記載されている)。ある特徴では、縮退N,N,G/T配列を含むコドンプライマーを用いて、ポリヌクレオチド(例えば本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼまたは抗体)に点変異を導入し、それによって一組の子孫ポリペプチドを生成する。前記一組の子孫ポリペプチドでは、例えば改変の標的となる酵素活性部位(触媒ドメイン)またはリガンド結合部位の各アミノ酸の位置で全範囲の単一のアミノ酸置換が出現する。これらのオリゴヌクレオチドは、連続する第一の相同配列、縮退N,N,G/T配列、および、ある特徴では第二の相同な配列を含むことができる。そのようなオリゴヌクレオチドを使用することによって得られる下流の子孫翻訳生成物には、N,N,G/T配列の縮退は20の全てのアミノ酸のためのコドンを含むので、前記ポリペプチドに沿って各アミノ酸の位置で可能な全てのアミノ酸変化が含まれる。ある特徴では、1つのそのような縮退オリゴヌクレオチド(例えば1つに縮退N,N,G/Tカセットを含む)が、親のポリヌクレオチド鋳型中の本来のコドンの各々を全範囲のコドン置換に付すために用いられる。また別の特徴では、親のポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの本来のコドンを全範囲のコドン置換に付すために少なくとも2つの縮退カセットが(同じヌクレオチドまたは別個のヌクレオチドで)用いられる。例えば2つ以上のN,N,G/T配列を1つのオリゴヌクレオチド内に含ませ、2つ以上の部位でアミノ酸置換を導入することができる。この複数のN,N,G/T配列は連続していてもよいし、または1つもしくは2つ以上のさらに別のヌクレオチド配列によって分離されてあってもよい。別の特徴では、付加および欠失の導入に役立つオリゴヌクレオチドは単独またはN,N,G/T配列を含むコドンとともに用いて、アミノ酸付加、欠失および/または置換の任意の組合せまたは並べ換えが導入される。
【0126】
ある特徴では、2つまたは3つ以上の連続するアミノ酸位の同時変異は、連続するN,N,G/Tトリプレット(すなわち縮退(N,N,G/T)
n配列)を含むオリゴヌクレオチドを用いて実施される。別の特徴では、N,N,G/T配列よりも縮退度の小さい縮退カセットが用いられる。例えば、いくつかの事例では、ただ1つのN(Nは前記トリプレットの第一、第二または第三番目の位置に存在できる)を含む縮退トリプレット配列を(オリゴヌクレオチドで)用いることができる。任意の組合せおよび並べ換えを含む他のいずれの塩基もトリプレットの残りの2つの位置において用いることができる。あるいはいくつかの事例で縮退N,N,N,トリプレット配列を(例えばオリゴヌクレオチドで)用いることができる。
ある特徴では、縮退トリプレット(例えばN,N,G/Tトリプレット)の使用によって、ポリペプチドのそれぞれ全てのアミノ酸の位置について天然アミノ酸の全範囲の(合計20アミノ酸)系統的で容易な生成が可能になる(別の特徴では、前記方法はまた、各アミノ酸残基、コドン、位置の可能な全ての置換よりも少ない置換の生成も含む)。例えば、100アミノ酸のポリペプチドの場合、2000個の別個の種(すなわち各位置につき20個の可能なアミノ酸X100個のアミノ酸位置)が生成される。縮退N,N,G/Tトリプレットを含むオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドセットを使用することによって、32個の個々の配列が20個の可能な天然のアミノ酸を全てコードすることができる。したがって、親のポリヌクレオチド配列が少なくとも1つの前記のようなオリゴヌクレオチドを用いて飽和変異導入に付される反応容器では、20個の別個のポリペプチドをコードする32個のそれぞれ別個の子孫ポリヌクレオチドが生成される。対照的に、部位特異的変異導入では非縮退オリゴヌクレオチドを使用したとき、各反応容器につきただ1つの子孫ポリペプチド生成物が生じるだけである。ある特徴では非縮退オリゴヌクレオチドを開示の縮退プライマーとともに用いることができる。例えば、非縮退オリゴヌクレオチドを用いて対象のポリヌクレオチドで特定の点変異を生成することができる。これは、特定のサイレント点変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点変異、並びに終止コドンおよびポリペプチドフラグメントの対応する発現を生じさせる点変異を生成する1つの手段を提供する。
【0127】
ある特徴では、各飽和変異導入反応容器は、親のポリヌクレオチドで変異を導入されるコドンの位置に一致する特定の1つのアミノ酸位置において20個全ての天然アミノ酸が提示されるように、少なくとも20の子孫ポリペプチド(例えばキシラナーゼおよび/またはグルカナーゼ)分子をコードするポリヌクレオチドを含む(他の特徴では20個全部より少ない天然の組合せが用いられる)。各飽和変異導入反応容器から生成される32倍の縮退子孫ポリペプチドをクローン増幅に付し(例えば適切な宿主(例えば大腸菌宿主)に例えば発現ベクターを用いてクローニングする)、さらに発現スクリーニングに付すことができる。スクリーニングによって好ましい特性の変化(例えば親のポリペプチドと比較したときアルカリ性または酸性条件下でキシランの加水分解活性が増加する)を示す個々の子孫ポリペプチドが識別されたとき、前記子孫ポリペプチドを配列決定し、その中に含まれる対応する好ましいアミノ酸置換を識別することができる。
ある特徴では、本明細書に開示するように、親のポリペプチドのそれぞれ全てのアミノ酸の位置に飽和変異導入を用いて変異を導入するとき、好ましいアミノ酸変化が2つ以上のアミノ酸の位置で識別できることがある。これら好ましいアミノ酸置換の全てまたは一部分の組合せを含む1つまたは2つ以上の新規な子孫分子を生成することができる。例えば、2つの具体的な好ましいアミノ酸変化がポリペプチドの3つのアミノ酸位置の各々で同定されるならば、この順列は各位置かつ3つの位置で3つの可能性(最初のアミノ酸から変化のないものおよび2つの好ましい変化のそれぞれ)を含む。したがって、3x3x3、すなわち合計27の可能性が存在し、これらは以前に調べられた7つ−6つの単一点変異(すなわち3つの位置の各々で2つ)およびいずれの位置においても変化のないものを含む。
【0128】
さらに別の特徴では、スクリーニングと併せて、位置飽和変異導入をシャッフリング、キメラ化、組換えおよび他の変異導入方法と一緒に用いることができる。本発明は、反復態様で用いられる飽和変異導入を含む、任意の突然変異導入方法の使用を提供する。ある実施態様では、任意の変異導入方法がスクリーニングと併用して反復使用される。
本発明はまた、点変異をポリヌクレオチドに導入して、全範囲の単一アミノ酸置換が各アミノ酸の位置で出現する一組の子孫ポリペプチドを作製するために専有コドンプライマー(縮退N,N,N配列を含む)の使用を提供する(遺伝子位置飽和変異導入(GSSM))。使用されるオリゴヌクレオチドは、連続する第一の相同配列、縮退N,N,N配列および、好ましくは(必ずというわけではない)第二の相同な配列を含む。そのようなオリゴヌクレオチドを使用することによって得られる下流の子孫翻訳生成物には、N,N,N配列の縮退は20の全てのアミノ酸のためのコドンを含むので、前記ポリペプチドに沿って各アミノ酸の位置で可能な全てのアミノ酸変化が含まれる。
ある特徴では、1つのそのような縮退オリゴヌクレオチド(1つの縮退N,N,Nカセットを含む)が、親のポリヌクレオチド鋳型中の本来のコドンの各々を全範囲のコドン置換に付すために用いられる。また別の特徴では、親のポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの本来のコドンを全範囲のコドン置換に付すために、少なくとも2つの縮退N,N,Nカセットが(同じオリゴまたは別個のオリゴで)用いられる。したがって、2つ以上のN,N,N配列を1つのオリゴ内に含ませ、2つ以上の部位でアミノ酸置換を導入することができる。この複数のN,N,N配列は連続していてもよいし、または1つもしくは2つ以上のさらに別のヌクレオチド配列によって分離されてあってもよい。別の特徴では、付加および欠失の導入に役立つオリゴを単独またはN,N,N配列を含むコドンとともに用いて、アミノ酸付加、欠失および/または置換の任意の組合せまたは並べ換えを導入することができる。
【0129】
特にある実施態様では、連続するN,N,Nトリプレット(すなわち縮退(N,N,N)
n配列)を含むオリゴを用いて、2つまたは3つ以上の連続するアミノ酸の位置で同時に変異を導入することが可能である。
別の特徴では、本発明は、N,N,N配列よりも縮退度の小さい縮退カセットの使用を提供する。例えば、いくつかの事例では、ただ1つのN(Nはトリプレットの第一、第二または第三番目の位置に存在できる)を含む縮退トリプレット配列を(オリゴで)用いることができる。任意の組合せおよび並べ換えを含む他のいずれの塩基もトリプレットの残りの2つの位置において用いることができる。あるいはいくつかの事例で、縮退N,N,N,トリプレット配列、N,N,G/TまたはN,N,G/Gトリプレット配列を(例えばオリゴで)用いることができる。
しかしながら、本発明で開示したような縮退配列(例えばN,N,G/TまたはN,N,G/Cトリプレット配列)を使用することはいくつかの理由で有利であることは理解されよう。ある特徴では、本発明は、ポリペプチド中の各々および全てのアミノ酸の位置で可能なアミノ酸の全範囲(合計20アミノ酸について)の置換が系統的且つ容易に得られる手段を提供する。したがって、100アミノ酸のポリペプチドについて、本発明は系統的にかつそこそこ容易に2000個の別個の種(すなわち各位置に付き20の可能なアミノ酸X 100個のアミノ酸の位置)を作製する方法を提供する。縮退N,N,G/TまたはN,N,G/Cトリプレット配列を含むオリゴの使用により、20の可能なアミノ酸をコードする32個の配列が提供されることは理解されよう。したがって、1つのそのようなオリゴを用いて親のポリヌクレオチド配列が飽和変異導入に付される反応容器では、20個の別個のポリペプチドをコードする32個の別個の子孫ポリヌクレオチドが生成される。対照的に、位置特異的変異導入において非縮退オリゴを使用した場合、反応容器に付きただ1個の子孫ポリペプチド生成物しか得られない。
本発明はまた、非縮退オリゴの使用を提供する。ある特徴では、前記オリゴは開示した縮退プライマーと一緒に用いることができる。いくつかの状況では、対象のポリヌクレオチドで特定の点変異を作製するためには、非縮退オリゴを用いることが有利であることは理解されよう。これによって、特定のサイレント点変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点変異および終止コドンを生成させる点変異並びにポリペプチドフラグメントの対応する発現をもたらす手段が提供される。
【0130】
したがって、本発明のある特徴では、飽和変異導入の各反応容器は、20アミノ酸の全てが、親のポリヌクレオチドで変異が導入されたコドンの位置に対応する特定の1つのアミノ酸の位置で提示されるように、少なくとも20の子孫ポリペプチド分子をコードするポリヌクレオチドを含んでいる。飽和変異導入の各反応容器から生成された32倍の縮退子孫ポリペプチドはクローン増幅に付すことができ(例えば発現ベクターを用いて適切な大腸菌宿主でクローニングできる)、さらに発現スクリーニングに付すことができる。(親のポリペプチドと比較したとき)個々の子孫ポリペプチドが好ましい特性変化を示すことがスクリーニングによって識別されたら、前記の配列を決定して、前記配列に含まれる対応する好ましいアミノ酸置換を識別することができる。
本明細書に開示した飽和変異導入を用いて親のポリペプチド中の各々および全てのアミノ酸の位置に変異を導入するとき、好ましいアミノ酸変異が2つ以上のアミノ酸の位置で識別できることは理解されよう。これら好ましいアミノ酸置換の全てまたは部分が組み合わされた1つまたは2つ以上の新規な子孫分子を作製することができる。例えば、あるポリペプチド中の3つのアミノ酸の位置の各々で2つの特定のアミノ酸の変異が識別された場合、前記入れ替えは各位置で3つの可能性(最初のアミノ酸から変化のないものおよび2つの好ましい変化のそれぞれ)を含む。したがって、合計3x3x3、すなわち27の可能性が存在し、これらは以前に調べられた7つ−6つの単一点変異(すなわち3つの位置の各々で2つ)およびいずれの位置においても変化のないものを含む。
したがって、非限定的な具体例では、本発明は、また別の変異導入処理と組み合わされた飽和変異導入の使用を提供する。前記別の変異導入処理は例えば、ハイブリッドポリヌクレオチドを組換えおよび還元的再組合せによって生成することができるように2つまたは3つ以上の関連ポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に導入する処理である。
遺伝子の配列全体に変異を導入すること以外にも、本発明は、変異導入を用いてポリヌクレオチド中の多数の塩基の各々を置換することができる。この場合、変異を導入される塩基の数は、ある特徴では15から100,000のいずれかである。したがって、分子の全ての位置に変異を導入する代わりに、全ての塩基または所定の数の塩基(好ましくは合計で15から100,000になるサブセット)に変異を導入することができる。好ましくは、ポリヌクレオチド配列の各々の位置または位置群に変異を導入するために、別々のヌクレオチドが用いられる。変異を導入される3つの位置から成る群はコドンであってもよい。前記変異は、好ましくは、変異導入プライマー(異種カセットを含み、変異導入カセットとも称される)を用いて導入される。例示的カセットは1つから500の塩基を有することができる。そのような異種カセットの各ヌクレオチドの位置はN、A、C、G、T、A/C、A/G、A/T、C/G、C/T、G/T、C/G/T、A/G/T、A/C/T、A/C/G、またはEで、ここでEはA、C、GまたはTではない任意の塩基である(Eはデザイナーオリゴと称することができる)。
【0131】
一般的な意味では、飽和変異導入は、変異を導入される所定のポリヌクレオチド配列(この場合変異を導入される配列は、好ましくは長さが約15から100,000塩基である)中の完全な一組の変異導入カセット(この場合各カセットは好ましくは長さが約1−500塩基である)に変異を導入することを含む。したがって、変異群(1から100変異に及ぶ)が変異を導入される各カセットに導入される。1回の飽和変異導入の実施中に、1つのカセットに導入される変異群は、第二のカセットに導入される第二の変異群とは異なっていても同じであってもよい。そのような群の例は、欠失、付加、特定コドン群および特定ヌクレオチド群である。
変異を導入される所定配列には完全な遺伝子、経路、cDNA、完全なオープンリーディングフレーム(ORF)および完全なプロモーター、エンハンサー、リプレッサー/トランスアクチベーター、複製起点、イントロン、オペレーターまたは任意のポリヌクレオチド機能群が含まれる。一般的には、この目的のための“所定配列”は、15塩基のポリヌクレオチド配列および15塩基から15,000塩基の長さのポリヌクレオチド配列のいずれかのポリヌクレオチドでありえる(本発明では特に15から15,000の間の全ての長さのものが含まれる)。コドン群の選択で考慮しなければならないことには、縮退変異導入カセットによってコードされるアミノ酸のタイプが含まれる。
変異導入カセットに導入することができる変異群のある具体例では、本発明は特に縮退コドン置換およびそれによってコードされるポリペプチドライブラリーを提供する。前記は縮退オリゴを用いて提供され、前記オリゴは各位置で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、、14、15、16、17、18、19および20アミノ酸をコードする。
【0132】
合成連結再アッセンブリ(SLR):
本発明は、“合成連結再アッセンブリ”、または簡潔に“SLR”、“定方向進化処理”と称される、新規なまたは変異した特性を有するポリペプチド(例えば本発明のキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼまたは抗体)を生成する非確率論的遺伝子改変系を提供する。
SLRは、オリゴヌクレオチドフラグメントを非確率論的に一緒に連結する方法である。この方法は、核酸構築ブロックがランダムにシャッフル、連結、またはキメラ化されるのではなく、非確率論的にアッセンブリングされるという点で確率的オリゴヌクレオチドシャッフリングとは異なる。例えば以下を参照されたい:米国特許6,773,900号、6,740,506号、6,713,282号、6,635,449号、6,605,449号、6,537,776号。ある特徴では、SLRは以下の工程を含む:(a)鋳型ポリヌクレオチドを提供する工程(前記鋳型ポリヌクレオチドは相同な遺伝子をコードする配列を含む);(b)複数の構築ブロックポリヌクレオチドを提供する工程(前記構築ブロックポリヌクレオチドは鋳型ポリヌクレオチドとあらかじめ定められた配列で交差再アッセンブリングを生じるように考案され、構築ブロックポリヌクレオチドは前記相同な遺伝子の変種である配列および前記変種配列にフランキングする前記鋳型ポリヌクレオチドと相同な配列を含む);(c)前記構築ブロックポリヌクレオチドが前記鋳型ポリヌクレオチドと交差再アッセンブリングして相同な遺伝子配列変種を含むポリヌクレオチドを生成できるように、構築ブロックポリヌクレオチドを鋳型ポリヌクレオチドと一緒にする工程。
SLRは、再編成を実施されるポリヌクレオチド間に高レベルの相同性が存在することを必要としない。したがって、本方法は、10
100を超える種々のキメラを含む子孫分子のライブラリー(またはセット)を非確率論的に作製するために用いることができる。SLRを用いて10
1000を超える種々の子孫キメラを含むライブラリーの作製に用いることができる。したがって、本発明の特徴は、意図的に選択された全体的なアッセンブリの順番にしたがって完成されたキメラ核酸分子セットを製造する非確率論的方法を提供する。この方法は以下の工程を含む:互いに適合する連結可能な有用な末端を有する複数の特別な核酸構築ブロックを意図的に作製する工程、および、考案した全体的なアッセンブリの順番が達成されるように前記核酸構築ブロックをアッセンブリングする工程。
【0133】
アッセンブリングされる互いに適合する核酸構築ブロックの末端は、これらが前記構築ブロックをあらかじめ定めた順序で結合させることができるならば、このタイプの指定されたアッセンブリに対して“有用”であると考えられる。したがって、前記核酸構築ブロックが結合される全体的なアッセンブリの順番は、連結させることができる末端の設計によって特定される。2つ以上のアッセンブリ工程が用いられる場合、核酸構築ブロックが結合される全体的アッセンブリの順番は、前記アッセンブリ工程の一連の順番によって特定される。ある特徴では、アニールした構築片が酵素(例えばリガーゼ(例えばT4DNAリガーゼ))で処理され、前記構築片の共有結合が達成される。
ある特徴では、オリゴヌクレオチド構築ブロックの設計は、祖先核酸配列鋳型セットを分析することによって得られる(祖先核酸配列は完成したキメラポリヌクレオチドの子孫セットを製造する基礎として機能する)。したがって、これら親のオリゴヌクレオチド鋳型は、変異導入(例えばキメラ化またはシャッフリング)されるべき核酸構築ブロックの設計に役立つ配列情報源として機能する。この方法のある特徴では、複数の親核酸鋳型の配列でアラインメントを実施して1つまたは2つ以上の境界点が選択される。前記境界点は相同領域に位置し、1つまたは2つ以上のヌクレオチドを含むことができる。これらの境界点は好ましくは少なくとも2つの祖先鋳型によって共有される。それによって前記境界点は、親ポリヌクレオチドの再編成のために作製されるオリゴヌクレオチド構築ブロックの境界線を引くために用いることができる。祖先分子中で識別され選別される境界点は、完成キメラ子孫分子のアッセンブリにおける潜在的キメラ形成点として機能する。境界点は、少なくとも2つの親ポリヌクレオチド配列によって共有される相同領域(少なくとも1つの相同なヌクレオチド塩基を含む)でありえる。あるいは、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも半分によって共有される相同領域であるか、または親ポリヌクレオチド配列の少なくとも2/3によって共有される相同領域でありえる。さらに好ましくは、有用な境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも3/4によって共有される相同領域であるか、または境界点は親ポリヌクレオチド配列のほぼ全てによって共有されえる。ある特徴では、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の全部によって共有される相同領域である。
ある特徴では、連結再アッセンブリ工程は、子孫キメラポリヌクレオチドの網羅的ライブラリーを作製するために網羅的に実施される。換言すれば、全ての可能な順番で組み合わされた核酸構築ブロックが、完成キメラ核酸分子セットに提示される。同時に、別の特徴では、各組合せにおけるアッセンブリの順番(すなわち完成したキメラ核酸の各々の配列の5’から3’方向における各構築ブロックのアッセンブリの順番)は上記に記載したように意図的(または非確率論的)である。本発明の非確率論的な性質のために、望ましくない副生成物の可能性は極めて低くなる。
【0134】
別の特徴では、前記連結再アッセンブリ方法は系統的に実施される。例えば、前記方法は、系統的に区画化された子孫分子のライブラリーを作製するために実施され、前記区画化ライブラリーは、系統的に(例えば1つずつ)スクリーニングすることができる区画を有する。換言すれば、本発明は、連続工程によるアッセンブリング反応の選択的および慎重な使用と併せて特定の核酸構築ブロックを選択的および慎重に使用することによって、特定の子孫生成物セットがいくつかの反応容器の各々で生成される仕組みの達成を提供する。前記によって系統的な調査およびスクリーニング方法の実施が可能になる。したがって、これらの方法は、潜在的に膨大な数の子孫分子をより小さなグループで系統的に調査することを可能にする。特に祖先分子間で低レベルの相同性しか存在しないときに、高度に柔軟性を有し、しかも網羅的で系統的な態様でのキメラ化の実施を可能にするその能力のために、これらの方法は膨大な数の子孫分子を含むライブラリー(またはセット)の生成を提供する。本発明の連結再アッセンブリの非確率論的性質のために、生成される子孫分子は好ましくは、意図的に選択された全体的なアッセンブリの順番を有する完成されたキメラ核酸分子のライブラリーを含む。飽和変異導入および最適化された定方向進化方法はまた種々の子孫分子種の生成に用いることができる。本発明は、境界点、核酸構築ブロックのサイズおよび数、並びに結合のサイズおよび設計の選択に関して選択と制御の自由を提供することは理解されよう。さらにまた、分子間相同性の要求は、本発明を実施し易くするために大きく緩和されることもまた理解されよう。実際、境界点はほとんどまたはまったく分子間相同性がない領域でも選択できる。例えば、コドンの揺らぎのために(すなわちコドンの縮退のために)、対応する祖先鋳型で本来コードされるアミノ酸を変更することなく核酸中にヌクレオチド置換を導入することができる。あるいは、コドンを変更して本来のアミノ酸のコードを変更してもよい。本発明は、分子間相同性を有する境界点の出現傾向を高めるために、したがって構築ブロック間で達成される結合数を高めるために(生成される子孫キメラ分子数の増加を可能にする)、前記のような置換の核酸構築ブロックへの導入を提供する。
【0135】
合成遺伝子再アッセンブリ:
ある特徴では、本発明は、合成遺伝子再アッセンブリと称される非確率論的方法を提供する(例えばGeneReassembly、例えば米国特許6,537,776号を参照されたい)。この方法は、核酸構築ブロックがランダムにシャッフル、連結、またはキメラ化されるのではなく非確率的にアッセンブリングされるという点で確率論的シャッフリングと異なる。
合成遺伝子再アッセンブリ法は、シャッフリングされるポリヌクレオチド間に高レベルの相同性が存在することを必要としない。本発明は、10
100を超える異なるキメラを含む子孫分子のライブラリー(またはセット)を非確率論的に作製するために用いることができる。おそらく、合成遺伝子再アッセンブリを用いて10
1000を超える種々の子孫キメラを含むライブラリーを作製することができる。
したがって、ある特徴では、本発明は、意図的に選択された全体的なアッセンブリの順番を有する完成されたキメラ核酸分子セットを製造する非確率論的方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:互いに適合する連結可能な有用な末端を有する複数の特別な核酸構築ブロックを意図的に設計して作製する工程、および、意図した全体的なアッセンブリの順番が達成されるように前記核酸構築ブロックをアッセンブリングする工程。
【0136】
ある特徴では、合成遺伝子再アッセンブリは以下の工程を有する方法を含む:1)1つまたは2つ以上の先祖世代または親世代鋳型から、少なくとも1つの点変異、付加、欠失および/またはキメラ化を達成するための変異を導入した子孫世代の分子(ポリヌクレオチド配列を含む分子(例えばポリペプチドコード配列を含む分子)を含む)を調製する工程;2)前記子孫世代の分子を、例えば高処理方法を用いて、対象となる少なくとも1つの特性(例えば酵素活性の改善)についてスクリーニングする工程;3)ある特徴では、親世代および/または子孫世代分子に関する構造的および/または機能的情報を入手および/または便覧作成する工程;および4)ある特徴では、工程1)から3)の一切を反復する工程。ある特徴では、いわゆる“コドン部位飽和変異導入”では、ポリヌクレオチドの子孫世代が、(例えば親ヌクレオチド鋳型から)生成され(その各々は3つまでの連続する点変異の少なくとも1つのセット(すなわち新規なコドンを含む種々の塩基)を有する)、それによって各コドン(または同じアミノ酸をコードする縮退コドンの各ファミリー)が各コドンの位置で提示される。この子孫世代のポリヌクレオチドに対応して、およびそれらによってコードされて、子孫ポリペプチドのセットが生成され、その各々は少なくとも1つの単一アミノ酸点変異を有する。ある特徴では、いわゆる“アミノ酸部位飽和変異導入”では、当該ポリペプチドの端から端までの各アミノ酸および全アミノ酸で、19の天然にコードされるポリペプチド形成アルファ-アミノ酸置換の各々について1つのそのような変異ポリペプチドが生成される。これによって、親ポリペプチドの端から端までの各アミノ酸および全アミノ酸の位置について、合計20の異なる子孫ポリペプチド(原型アミノ酸を含む)が得られるか、または、20の天然にコードされるアミノ酸の代わりにまたは前記に加えて追加のアミノ酸が用いられる場合は、潜在的には21を超える異なる子孫ポリペプチドが得られる。
【0137】
したがって、別の特徴では、このアプローチはまた、20の天然にコードされるポリペプチド形成アルファ-アミノ酸に加えてまたは前記と一緒に、その他の稀なおよび/または天然ではコードされないアミノ酸およびアミノ酸誘導体を含む変異体の生成に有用である。さらに別の特徴では、このアプローチはまた、適切な宿主の天然のまたは非改変コドン認識システムに加えておよび/または前記と併用して、(例えば1つまたは2つ以上の改変tRNA分子を有する宿主細胞の)改変、変異および/またはデザイナーコドン認識システムの使用により変異体を生成するために有用である。
さらに別の特徴では、本発明は組換えに関し、より具体的には、部分的相同性領域を含むポリヌクレオチドのin vivo再組合せの方法によりポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを調製し、前記ポリヌクレオチドをアッセンブリングして少なくとも1つのポリヌクレオチドを形成し、さらに有用な特性を有するポリペプチドの生成について前記ポリヌクレオチドをスクリーニングする方法に関する。
さらに別の特徴では、本発明は、任意の分子特性(例えば酵素活性)または従来技術によって許容される特性の組合せに関して、達成された任意の突然変異による変化(特に飽和変異導入を含む)の影響を分析および便覧作成するために有用である。したがって、親ポリペプチドの各アミノ酸を少なくとも19の可能な置換の各々に変異させることによる影響を決定するための総合的な方法が提供される。前記方法は、当該ポリペプチドの測定可能な特性に対するその潜在的影響の範囲に関して親ポリペプチドの各アミノ酸の特徴を決定し便覧を作成することを可能にする。
ある特徴では、核酸構築ブロックによってイントロンをキメラ子孫分子に導入することができる。イントロンは、それらを作動可能にするためにしばしばコンセンサス配列を両末端に有する。遺伝子スプライシングを可能にすることに加えて、イントロンは、相同性部位を他の核酸に提供して相同組換えを可能にすることによって付加の目的に役立ちえる。前記の目的および潜在的な他の目的のために、イントロン導入では大きな核酸構築ブロックを作製することが時に所望されえる。2つの一本鎖オリゴの直接化学合成によって簡単に生成するにはサイズがあまりに大きすぎる場合は、そのような特殊化された核酸構築ブロックは、3つ以上の一本鎖オリゴの直接化学合成によって、またはポリメラーゼ系増幅反応を用いることによって作製することもできる。
【0138】
アッセンブリングされる互いに適合する連結可能な核酸構築ブロックの末端は、これらが前記構築ブロックをあらかじめ定めた順序で結合させることができるならば、このタイプの指定されたアッセンブリに対して“有用”であると考えられる。したがって、ある特徴では、前記核酸構築ブロックが結合される全体的なアッセンブリの順番は、連結させることができる末端の設計によって特定され、2つ以上のアッセンブリ工程が用いられる場合、核酸構築ブロックが結合されえる全体的アッセンブリの順番は、前記アッセンブリ工程の一連の順番によって特定される。本発明のある特徴では、アニールされた構築片が酵素(例えばリガーゼ(例えばT4DNAリガーゼ))で処理され、前記構築片の共有結合が達成される。
結合は、オーバーハングの形成において全てのヌクレオチドが利用されるとは限らない態様で生じえる。この結合は、“ギャップ連結”または“ギャップのある連結”と称されえるものを形成するためにリガーゼ酵素で結合が補強された場合、(例えば形質転換宿主において)特に活動的に存続することができる。このタイプの結合は、望ましくないバックグラウンド生成物の発生をもたらしえるが、前記はまた、所望の連結再アッセンブリによって生成される多様な子孫ライブラリーを増加させるために有利に用いることができる。ある種のオーバーハングは自己結合して回文的結合を形成することができる。結合は、前記がリガーゼ酵素で処理されることにより補強されるならば実質的に強化される。これらのオーバーハングにおける5’リン酸基の欠如を有利に利用して、このタイプの回文的自己結合を防止することができる。したがって、本発明は、5’リン酸基を欠く核酸構築ブロックを化学的に製造または注文することを可能にする。あるいは、5’リン酸基は、例えばホスファターゼ酵素(例えばウシ腸のアルカリ性ホスファターゼ(CIPA))を用いる処理によって除去し、連結再アッセンブリ処理における回文的自己結合を防ぐことができる。
【0139】
また別の特徴では、核酸構築ブロックの設計は、祖先核酸鋳型セットの配列の分析によって得られる(祖先核酸鋳型は完成キメラ核酸分子の子孫セットを製造する基礎として機能する)。したがって、これら祖先核酸鋳型は、変異が導入される(すなわちキメラ化またはシャッフルされる)核酸構築ブロックの設計に役立つ配列情報源として機能する。
ある実施態様では、本発明は、関連遺伝子ファミリーおよびそれらによってコードされる関連生成物ファミリーのキメラ化を提供する。特にある実施態様では、前記コードされる生成物は酵素である。本発明のキシラナーゼおよび/またはグルカナーゼには、本明細書に記載の方法にしたがって変異を導入することができる。
したがって本発明のある特徴にしたがえば、複数の祖先核酸鋳型(例えば本発明のポリヌクレオチド)の配列でアラインメントを実施して1つまたは2つ以上の境界点が選択される。前記境界点は相同領域に位置することができる。前記境界点は作製される核酸構築ブロックの境界線を引くために用いることができる。したがって、祖先分子中で識別および選別される境界点は、子孫分子のアッセンブリにおける潜在的キメラ形成点として機能する。
典型的には、有用な境界点は、少なくとも2つの祖先鋳型によって共有される相同領域(少なくとも1つの相同なヌクレオチド塩基を含む)であるが、前記境界点は、祖先鋳型の少なくとも半分、祖先鋳型の少なくとも2/3、祖先鋳型の少なくとも3/4、および好ましくは祖先鋳型のほぼ全てによって共有されえる。さらに好ましくは、有用な境界点は、祖先鋳型の全部によって共有される相同領域である。
ある特徴では、遺伝子再アッセンブリ工程は網羅的ライブラリーを作製するために網羅的に実施される。換言すれば、全ての可能な順番で組み合わされた核酸構築ブロックが、完成キメラ核酸分子セットで提示される。同時に、各組合せにおけるアッセンブリの順番(すなわち完成したキメラ核酸の各々の配列の5’から3’方向における各構築ブロックのアッセンブリの順番)は意図的である(または非確率論的である)。本方法の非確率論的な性質のために、望ましくない副生成物の可能性は極めて低くなる。
【0140】
別の特徴では、前記方法は、例えば系統的に区画化されたライブラリーを作製するために実施される遺伝子再アッセンブリ処理を提供する。前記ライブラリーは、系統的に(例えば1つずつ)スクリーニングすることができる区画を有する。換言すれば、本発明は、連続工程によるアッセンブリング反応の選択的および慎重な使用と併せて特定の核酸構築ブロックを選択的および慎重に使用することによって、特定の子孫生成物セットがいくつかの反応容器の各々で生成される実験的な仕組みの達成を提供する。前記によって系統的な調査およびスクリーニング方法の実施が可能になる。したがって、これらの方法は、潜在的に膨大な数の子孫分子をより小さなグループで系統的に調査することを可能にする。
特に祖先分子間で低レベルの相同性しか存在しないときに、高度に柔軟性を有し、しかも網羅的で系統的な態様でのキメラ化の実施を可能にするその能力のために、本方法は膨大な数の子孫分子を含むライブラリー(またはセット)の生成を提供する。本発明の遺伝子再アッセンブリの非確率論的性質のために、生成される子孫分子は、好ましくは、意図的に選択された全体的なアッセンブリの順番を有する完成キメラ核酸分子のライブラリーを含む。特にある特徴では、そのように作製されたライブラリーは10
3を超える種々の子孫分子種から10
1000を超える種々の子孫分子種を含む。
ある特徴では、記載のように生成された完成キメラ核酸分子はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。ある特徴にしたがえば、このポリヌクレオチドは遺伝子であり、前記は人工遺伝子でもよい。別の特徴にしたがえば、このポリヌクレオチドは遺伝子経路であり、前記は人工遺伝子経路でもよい。本発明は、人工の遺伝子経路(例えば真核生物(植物を含む)で作働できる経路)に取り込むことができる、本発明により作製された1つまたは2つ以上の人工の遺伝子を提供する。
【0141】
別の具体例では、構築ブロックが作製される工程の合成的な性質によって、in vitro過程(例えば変異導入により)またはin vivo過程(例えば宿主生物の遺伝子スプライシング能を利用することにより)で、ある特徴においては後で除去することが可能なヌクレオチド(例えば1つまたは2つ以上のヌクレオチドで、例えばコドンまたはイントロンまたは調節配列であろう)を設計または導入することが可能になる。多くの事例で、有用な境界点を創出できるという潜在的な利点以外にも他の多くの理由からこれらヌクレオチドの導入はまた望ましいものでありえることは理解されよう。
したがって、別の特徴にしたがえば、本発明は、イントロンの導入に用いることができる核酸構築ブロックを提供する。したがって、本発明は、本発明の人工遺伝子に導入することができる機能的なイントロンを提供する。本発明はまた、本発明の人工遺伝子経路に導入することができる機能的イントロンを提供する。したがって、本発明は、人工的に導入された1つ(または2つ以上の)イントロンを含む人工遺伝子であるキメラポリヌクレオチドの生成を提供する。
したがって、本発明はまた、1つの(または2つ以上の)人工的に導入されたイントロンを含む人工遺伝子経路であるキメラポリヌクレオチドの生成を提供する。好ましくは、人工的に導入されたイントロンは、天然に存在するイントロンが遺伝子スプライシングで機能を発揮する態様とほぼ同じように遺伝子スプライシングのために1つまたは2つ以上の宿主細胞で機能する。本発明は、組換え及び/又はスプライシングのために宿主生物に導入されるべき人工イントロン含有ポリヌクレオチドの作製方法を提供する。
本発明を用いて作製された人工遺伝子はまた、また別の核酸との組換えのための土台として機能することができる。同様に、本発明を用いて作製された人工遺伝子経路はまた、別の核酸との組換えのための土台として機能することができる。ある特徴では、前記組換えは、人工の、イントロン含有遺伝子と核酸(組換えのパートナーとして機能する)との間の相同領域によって促進されるか、または前記相同領域で生じる。ある特徴では、前記組換えパートナーはまた、本発明によって生成された核酸(人工遺伝子または人工遺伝子経路を含む)であってもよい。組換えは、人工遺伝子内に人工的に導入された1つ(または2つ以上)のイントロンに存在する相同性領域によって促進されるか、または前記領域で生じえる。
【0142】
本発明の合成遺伝子再アッセンブリの方法は、複数の核酸構築ブロック(その各々は好ましくは2つの連結性末端を有する)を利用する。各核酸構築ブロックの2つの連結性末端は2つの平滑端であっても(すなわち各々はヌクレオチドのオーバーハングをもたない)、また好ましくは1つの平滑端および1つのオーバーハングを有してもよいが、より好ましくは2つのオーバーハングを有することができる。
この目的のために有用なオーバーハングは3’側のオーバーハングでも5’側のオーバーハングでもよい。したがって、核酸構築ブロックは3’オーバーハングを有するか、あるいは5’オーバーハングを有するか、あるいは2つの3’オーバーハングあるいは2つの5’オーバーハングを有することができる。核酸構築ブロックがアッセンブリングされて完成キメラ核酸分子が形成される全体的な順序は意図的な実験設計によって決定され、ランダムではない。
ある特徴では、核酸構築ブロックは、2つの一本鎖核酸(一本鎖オリゴとも称される)を化学的に合成し、それらをアニールさせるために接触させて二本鎖核酸構築物を形成することによって作製される。
二本鎖核酸構築ブロックのサイズは変動しえる。これら構築ブロックのサイズは小さくても大きくてもよい。構築ブロックの例示的サイズは1塩基対(オーバーハングを全く含まない)から100,000塩基対(オーバーハングを全く含まない)の範囲である。他の例示的なサイズ範囲もまた提供される。前記は1bpから10,000bp(その間の全ての整数値を含む)の下限から、2bpから100,000bp(その間の全ての整数値を含む)の上限を有する。
本発明で有用な二本鎖核酸構築ブロックを作製することができる多くの方法が有り、これらは当分野で公知であり、さらに当業者は容易にこれらを実施できる。
【0143】
ある特徴にしたがえば、二本鎖核酸構築物は、先ず初めに2つの一本鎖核酸を作製し、さらにそれらをアニールさせて二本鎖核酸構築ブロック形成することによって作製される。二本鎖核酸構築ブロックの2つの鎖は、オーバーハングを形成するものは別として全てのヌクレオチドと相補的でありえる。したがって、一切のオーバーハングを除いてミスマッチを含まない。別の特徴にしたがえば、二本鎖核酸構築ブロックの2つの鎖は、オーバーハングを形成するものは除いて、全ヌクレオチドより少ないヌクレオチドにおいて相補的である。したがって、この特徴にしたがえば、二本鎖核酸構築物を用いてコドンの縮退を導入することができる。コドンの縮退は、本明細書に記載した位置飽和変異導入により、1つまたは2つ以上のN,N,G/Tカセット、あるいは1つまたは2つ以上のN,N,Nカセットを用いて導入される。
本発明のin vivo組換え方法は未知のハイブリッドプールまたは特定のポリヌクレオチドまたは配列の対立遺伝子座プールで手当たり次第に実施することができる。しかしながら、前記特定のポリヌクレオチドのDNAまたはRNAの実際の配列を知ることは必ずしも必要というわけではない。
遺伝子の混合集団内での組換えを用いるアプローチは、任意の有用なタンパク質、例えばインターロイキンI、抗体、tPAおよび成長ホルモンの生成に有用でありえる。このアプローチを用いて、特異性または活性が変化したタンパク質を生成することができる。前記アプローチはまた、ハイブリッド核酸配列、例えばプロモーター領域、イントロン、エクソン、エンハンサー配列、遺伝子の31非翻訳領域または51非翻訳領域の生成に有用でありえる。したがって、このアプローチを用いて発現速度が増した遺伝子を作製することができる。このアプローチはまた、反復DNA配列の研究で有用でありえる。最後に、このアプローチはリボザイムまたはアプタマーに変異を導入するために有用でありえる。
ある特徴では、本明細書に開示した発明は、高度に複雑な直鎖状配列(例えばDNA、RNAまたはタンパク質)の組換えによる定方向分子進化を可能にする還元的再組合せ、組換えおよび選別のサイクルを繰り返して使用することを意図する。
【0144】
最適化定方向進化システム:
本発明は、新規なまたは変異した特性をもつポリペプチド、例えば本発明のキシラナーゼおよび/またはグルカナーゼまたは抗体を生成するために、“最適化定方向進化システム”と称される非確率論的遺伝子改変系を提供する。最適化定方向進化は、組換えを介して核酸の定方向分子進化を可能にする還元的再組合せ、組換えおよび選別のサイクルの反復使用を誘導する。最適化定方向進化は、進化させたキメラ配列の大きな集団の作製を可能にし、この場合、前記作製された集団には予め定められた数の交差事象を含む配列がきわめて豊富に存在する。
交差事象は、一方の親の変種から別の親の変種へ配列のシフトが生じるキメラ配列内の点である。そのような点は通常は2つの親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結されて単一の配列を形成する結合部に存在する。本方法は、最終的なキメラ配列集団が選択した数の交差事象を豊富に含むことができるようにオリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の計算を可能にする。これによって、予め定められた数の交差事象を有するキメラ変種の選択に対してより強力な制御が提供される。
さらにまた、本方法は、他の系と比較して膨大な量の可能なタンパク質変種スペースの探索のための簡便な手段を提供する。以前には、反応中に例えば10
13個のキメラ分子を生成させた場合、そのような膨大な数のキメラ変種を特定の活性についてテストすることは極めて困難であったろう。さらにまた、子孫集団の顕著な部分が、特定の活性のレベルが増加している可能性が少ないタンパク質を生じる非常に大きな数の交差事象を含むであろう。本方法を用いることによって、キメラ分子集団は特定の数の交差事象を含む変種を濃縮することができる。したがって、反応中になお10
13個のキメラ分子が生成されるが、更なる分析のために選別される分子の各々は、例えば3つの交差事象だけを含む可能性が高くなる。生成された子孫集団が予め定めた数の交差事象を持つように偏らせることができるので、キメラ分子間の機能的変種に対する境界が減少する。これによって、原型の親ポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の属性に影響を及ぼすために必要かを計算するときにより操作しやすい数の変数が提供される。
【0145】
キメラ子孫ポリヌクレオチドを作製する1つの方法は、各親配列のフラグメントまたは部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することである。各オリゴヌクレオチドは、好ましくは、固有のオーバーラップ領域を含み、その結果、前記オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによって、各オリゴヌクレオチドフラグメントが正しい順番でアッセンブリングされた新規な変種が生成される。更なる情報は、例えばUSSN09/332,835;米国特許6,361,974号で見出すことができる。
各親変種のために作製されるオリゴヌクレオチドの数は、最終的に作出されるキメラ分子で生じる交差の総数と関係がある。例えば、3つの親のヌクレオチド配列変種が提供されると、連結反応を経て、例えば高温でより高い活性をもつキメラ変種を見つけることができよう。1つの例として、50個のオリゴヌクレオチド配列を含むセットを各親変種のそれぞれの部分に対応して作製することができる。したがって、連結アッセンブリ工程の間に、キメラ配列の各々の中に50回までの交差事象が存在することができよう。生成されたキメラポリヌクレオチドの各々が交互に各親変種由来のオリゴヌクレオチドを含む確率は非常に低い。各オリゴヌクレオチドフラグメントが連結反応で同じモル濃度で存在するならば、いくつかの位置で同じ親に由来するオリゴヌクレオチドが互いに並んで連結され、したがって交差事象を生じない可能性がある。各親に由来する各オリゴヌクレオチドの濃度がこの例のいずれの連結工程でも一定に保たれるならば、同じ親変種に由来するオリゴヌクレオチドがキメラ配列内で連結され、交差を生じないチャンスは1/3(3つの親と仮定した)である。
【0146】
したがって、親変種セットの数、各変種に対応するオリゴヌクレオチドの数、および連結反応の各工程における各変種の濃度が与えられたならば、確率濃度関数(probability density function (PDF))を決定して連結反応の各工程で生じる可能性がある交差事象をもつ集団を予測することができる。PDFの決定の根拠となる統計学および数学は以下に記載される。これらの方法を用いることによって、前記の確率濃度関数を決定することができ、したがって個々の連結反応から生じる予め定めた数の交差事象のためにキメラ子孫集団の濃度を高めることができる。さらにまた、交差事象の標的数は予め定めることができ、続いて、予め定めた交差事象数に集中する確率濃度関数をもたらす連結反応の各工程における各親オリゴヌクレオチドの出発量を算出するために前記系をプログラミングすることができる。これらの方法は、組換えによりポリペプチドをコードする核酸の定方向分子進化を可能にする還元的再組合せ、組換えおよび選別の反復サイクルを用いることを意図する。前記の系は進化したキメラ配列の大集団の作製を可能にし、作製された集団は、予め定めた数の交差事象を含む配列が顕著に濃縮されている。交差事象は、一方の親変種からもう一方の親変種へ配列のシフトが生じるキメラ配列中の点である。そのような点は通常は2つの親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結されて単一の配列を形成する結合部に存在する。前記方法は、最終的なキメラ配列集団で選択した数の交差事象が豊富であるようにオリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の計算を可能にする。これによって、予め定めた数の交差事象を含むキメラ変種の選択に対してより大きな制御が提供される。
さらにまた、これらの方法は、他の系と比較して膨大な量の可能なタンパク質変種空間の探索のための簡便な手段を提供する。本明細書に記載した方法を用いることによって、特定の数の交差事象を含む変種についてキメラ分子集団を濃縮することができる。したがって、反応中になお10
13個のキメラ分子が生成されても、更なる分析のために選別される分子の各々は、例えば3つの交差事象だけを含む可能性が高くなる。生成された子孫集団が予め定めた数の交差事象を持つように偏らせることができるので、キメラ分子間の機能的変種に対する境界線が減少する。これによって、最初の親のポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の属性に影響を及ぼすために必要かを計算するときにより操作しやすい数の変数が提供される。
ある特徴では、前記方法は、それぞれの親の配列のフラグメントまたは部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することによってキメラ子孫ポリヌクレオチド配列を生成する。各オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによって各オリゴヌクレオチドフラグメントが正しい順番でアッセンブリングされた新規な変種が生じるように、各オリゴヌクレオチドは好ましくは固有のオーバーラップ領域を含む。USSN09/332,835もまた参照されたい。
【0147】
交差事象の決定:
本発明の特徴は、所望の交差事象の確率濃度関数(PDF)、再アッセンブリングされる親遺伝子の数および再アッセンブリでのフラグメント数を入力としての受け取るシステムおよびソフトを含む。このプログラムの出力は、再アッセンブリングされた遺伝子を製造するためのレシピを決定するために用いることができる“フラグメントPDF”およびこれら遺伝子の概算交差PDFである。本明細書に記載される処理は好ましくは、MATLAB
TM(The Mathworks, Natick, Massachusetts)プログラミング言語およびテクニカルコンピューティングのための発展環境で実施される。
【0148】
反復工程:
本発明の実施に際して、これらの工程は何度も繰り返すことができる。例えば、変異したまたは新規なキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ表現型をもたらす核酸(または所定の核酸)は識別、再単離、再改変され、さらに活性について再試験される。この工程は、所望の表現型が生成されるまで何度も繰り返すことができる。例えば、完全な生化学的同化作用または異化作用経路(例えばキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ活性を含む)を細胞内に高度な操作により生成することができる。
同様に、特定のオリゴヌクレオチドが所望の属性(例えば新規なキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ表現型)について全く影響を与えないと決定されたならば、除去される配列を含むより大きな親オリゴヌクレオチドを合成することによって前記オリゴヌクレオチドは変数として除去することができる。より大きな配列内に配列を取り込むことによって一切の交差事象が防止されるので、子孫ポリヌクレオチド中にはこの配列の変型はもはや全く存在しないであろう。どのオリゴヌクレオチドが所望の属性と最も関係があり、どのオリゴヌクレオチドが無関係であるかを決定するこの反復実施は、特定の属性または活性を提供する可能性があるタンパク質の全てについてより効率的な探索を可能にする。
【0149】
in vivoシャッフリング:
分子のin vivoシャッフリングは、本発明のポリペプチド(例えば抗体、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼなど)の変種を提供する本発明の方法で使用される。in vivoシャッフリングは、マルチマーを組み換える細胞の天然の特性を利用して実施することができる。in vivoでの組換えは分子の多様性をもたらす主要な天然の経路を提供してきたが、一方、遺伝子組み換えは以下の工程を含む比較的複雑な過程のままである:1)相同性の認識;2)鎖の切断、鎖の侵襲、および組換えキアズマの生成をもたらす代謝工程;および最後に3)別個の組換え分子へのキアズマの解離。キアズマの形成は相同配列の認識を必要とする。
別の特徴では、本発明は、少なくとも第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドからハイブリッドポリヌクレオチドを製造する方法を含む。本発明を用い、少なくとも1つの部分的な配列相同性領域を共有する少なくとも第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に導入することによってハイブリッドヌクレオチドを生成することができる。前記の部分的な配列相同性領域は、ハイブリッドポリヌクレオチドを生成する配列再編成を生じる過程を促進する。本明細書で用いられる“ハイブリッドポリヌクレオチド”という用語は、本発明の方法により生じる、少なくとも2つの原型ポリヌクレオチド配列由来の配列を含む任意のヌクレオチド配列である。そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子間の配列統合を促進する分子間組換え事象により生じえる。さらにまた、そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子内のヌクレオチド配列を変異させるために反復配列を利用する分子内還元的再組合せ過程により生じえる。
【0150】
in vivo再組合せは、包括的に“組換え”と称される“分子間”過程(細菌では一般的に“RecA-依存”現象とみなされる)に集約される。本発明は、配列を組換えて再組合せを生じる宿主細胞の組換えプロセス、または細胞内の擬似反復配列の複雑度を欠失によって減少させる還元的プロセスを仲介する細胞の能力を必要とするであろう。“還元的再組合せ”のこの過程は“分子内”Rec-A非依存過程によって生じる。
したがって、本発明の別の特徴では、新規なポリヌクレオチドは、還元的再組合せ過程によって作製することができる。本方法は、連続配列を含む構築物の生成(原型コード配列)、それらの適切なベクターへの挿入およびそれに続く適切な宿主へのそれらの導入を必要とする。個々の分子実体の再組合せは、相同性領域を有する構築物中の連続配列間または擬似反復ユニット間のコンビナトリアルプロセスによって生じる。再組合せ過程は、反復配列の組換えおよび/または前記の複雑度および程度の減少をもたらし、新規な分子種の生成をもたらす。多様な処理を適用して、再組合せの速度を速めることができる。これらの処理には、紫外線またはDNA損傷化学物質による処理および/または“遺伝的不安定性”レベルの強化を示す宿主細胞株の使用が含まれよう。したがって、再組合せ過程は相同組換えまたはそれら自身の進化を指令する擬似反復配列の天然の特性を必要とすることがあろう。
反復配列または“擬似反復”配列は遺伝的不安定性において役割を果たす。本発明では、“擬似リピート”はそれらの原型ユニット構造に拘束されないリピートである。擬似反復ユニットは構築物中で一連の配列(すなわち類似配列の連続ユニット)として提示されえる。いったん連結されると、連続配列間の結合点は本質的に見えなくなり、生成された構築物の擬似反復特性は今や分子レベルで連続性である。細胞の欠失過程は、生成構築物が擬似反復配列間の複雑度を低下させるために実施される。擬似反復ユニットは、スリップ事象を発生させることができる鋳型のレパートリーを実際的には無制限に提供する。したがって、擬似リピートを含む構築物は、擬似反復ユニット内の実質的にはいずれの場所でも欠失(および潜在的には挿入)事象が発生できるように十分な分子の融通性を効果的に提供する。
擬似反復配列が全て同じ向き(例えば頭尾連結またはその逆)で連結されるとき、細胞は個々のユニットを区別することができない。結果的に、還元的過程が配列全体で発生することが可能である。対照的に、例えばユニットが頭尾連結ではなく頭頭連結で提示されるとき、本発明は近傍のユニットの末端の輪郭を明らかにし、その結果、欠失形成は分離されてある別個のユニットが失われるのを促進するであろう。したがって、配列が同じ向きで存在することは本発明の方法においては好ましいであろう。擬似反復配列のランダムな方向性は再組合せの効率の低下をもたらすが、前記配列の向きが一定である場合は最高の効率を提供するであろう。しかしながら、同じ向きの連続配列の数が減少することによって効率は低下するが、それによって新規な分子の効果的な回収のために十分な融通性はなお提供されえる。構築物は、より高い効率を可能にするために同じ向きの擬似反復配列を用いて作製することができる。
【0151】
配列は、以下を含む多様な方法のいずれかを用いて頭尾の向きでアッセンブリングすることができる:
a)ポリ-Aヘッドおよびポリ-Tテールを含むプライマー(一本鎖として作製されたとき、前記は方向性を提供する)を利用することができる。これは、プライマーの最初の数塩基をRNAから作製(したがってRnaseHで容易に除去できる)することにより達成される。
b)固有の制限切断部位を含むプライマーを利用することができる。マルチ部位、固有配列一式、並びに反復合成および連結工程が要求されるであろう。
c)プライマーの内部数塩基をチオール化し、さらにエキソヌクレアーゼを用いて適切なテールを有する分子を生成することができよう。
再組合せされた配列の回収は反復指数(RI)が低下したクローニングベクターの識別を必要とする。続いて再組合せされたコード配列を増幅によって回収することができる。生成物を再クローニングして発現させる。RIが低下したクローニングベクターの回収は以下によって実施することができる:
1)複雑度が低下したときにのみ構築物が安定的に維持されるベクターの使用。
2)物理的方法による短縮ベクターの物理的回収。この場合には、クローニングベクターは、標準的なプラスミド単離方法を用いて回収され、さらにアガロースゲルまたは低分子量カットオフを有するカラムで標準的な方法を利用してサイズ分画されよう。
3)挿入物のサイズが低下したときに選別することができる分断遺伝子を含むベクターの回収。
4)発現ベクターおよび適切な選別を用いる直接選別技術の使用。
関連生物から得られたコード配列(例えば遺伝子)は高度な相同性を示し、極めて多様なタンパク質生成物をコードしえる。このような配列タイプは、擬似リピートとして本発明で特に有用である。下記に例示する例はほぼ同一の原型コード配列(擬似リピート)の再組合せを示すが、しかしながら本方法はそのようなほぼ同一のリピートに限定されない。
【0152】
下記の例は本発明の方法を開陳する。3つの固有種に由来するコード核酸配列(擬似リピート)が記載される。各配列は別個の一組の特性を有するタンパク質をコードする。前記配列の各々はただ1つの塩基対または数塩基対が配列内の固有の位置で異なっている。擬似反復配列は別々にまたは包括的に増幅され、ランダム連結によりアッセンブリーされ、それによって連結分子集団において全ての可能な入れ替えおよび組合せが入手できる。擬似リピートユニットの数はアッセンブリー条件によって制御することができる。構築物中の擬似反復ユニットの平均数は反復指数(RI)と定義される。
いったん形成されたら、構築物は公表されているプロトコルにしたがってアガロースゲルでサイズ分画し(または分画せずに)、クローニングベクターに挿入し、適切な宿主細胞にトランスフェクトすることができる。続いて細胞を増殖させ、“還元的再組合せ” を起こさせる。所望する場合は、還元的再組合せ過程の速度はDNA損傷の導入によって速めることができる。RIの低下が“分子内メカニズム”により反復配列間の欠失形成によって仲介されるか、または“分子間メカニズム”により組換え様事象によって仲介されるかは重要ではない。最終的な結果は分子の再組合せによる全ての可能な組合せを得ることである。
ある特徴では(場合によって)、本方法は、シャッフルされたプールのライブラリーメンバーをスクリーニングし、予め定めた巨大分子(例えばタンパク質性レセプター、オリゴ糖、ビリオンまたは他の予め定めた化合物もしくは構造物)と結合もしくは相互作用するか、または前記との特定の反応を触媒する能力を有する個々のシャッフルされたライブラリーメンバー(例えば酵素の触媒ドメイン)を識別するさらに別の工程を含む。
そのようなライブラリーから識別されたポリペプチドを治療、診断、研究および関連する目的(例えば触媒、水溶液の浸透圧を高めるための溶質、など)に用いることができ、および/または1つまたは2つ以上の更なるシャッフリングおよび/または選別サイクルに付すことができる。
【0153】
別の特徴では、組換えもしくは再組合せ前またはそれらの間に、原型ポリヌクレオチドへの変異の導入を促進する薬剤または処理に本発明の方法によって生成されたポリヌクレオチドを付すことができる。そのような変異の導入は、生成されるハイブリッドポリヌクレオチドおよびそれらからコードされるポリペプチドの多様性を高めよう。変異導入を促進する薬剤または処理には以下が含まれる得る(ただしこれらに限定されない):(+)-CC-1065または合成類似体、例えば(+)-CC-1065-(N3-アデニン)(Sun and Hurley, 1992);DNA合成を阻害することができるN-アセチル化または脱アセチル化-4’-フルオロ-4-アミノビフェニル付加物(例えば以下を参照されたい:van de Poll et al. (1992));またはDNA合成を阻害することができるN-アセチル化または脱アセチル化-アミノビフェニル付加物(さらにまた例えば以下を参照されたい:van de Poll et al. (1992), pp.751-758);三価クロム、三価クロム塩、DNA複製を阻害することができる多環式芳香族炭化水素(PAH)DNA付加物、例えば7-ブロモメチル-ベンゾ[a]アントラセン(“BMA”)、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート(“トリス-BP”)、1,2-ジブロモ-3-クロロプロパン(“DBCP”)、2-ブロモアクロレイン(2BA)、ベンゾ[a]ピレン-7,8-ジヒドロジオール-9-10-エポキシド(“BPDE”)、白金(II)ハロゲン塩、N-ヒドロキシ-2-アミノ-3-メチルイミダゾ[4,5-f]-キノリン(“N-ヒドロキシ-IQ”)およびN-ヒドロキシ-2-アミノ-1-メチル-6-フェニルイミダゾ[4,5-f]-ピリジン(“N-ヒドロキシ-PhIP”)。PCR増幅を遅くするかまたは停止させるための例示的手段は、紫外線(+)-CC-1065および(+)-CC-1065-(N3-アデニン)から成る。特に包含される手段は(ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドプール由来のDNA付加物を含む)DNA付加物またはポリヌクレオチドであり、前記は、更なる処理の前にポリヌクレオチドを含む溶液を加熱することを含む過程によって遊離または除去することができる。
また別の特徴では、本発明は、生物学的活性を有する組換えタンパク質を製造する方法を意図し、前記方法はハイブリッドまたは再組合せポリヌクレオチドの生成を提供する本発明の条件下で、野生型タンパク質をコードする二本鎖鋳型ポリヌクレオチドを含むサンプルを処理することによる。
【0154】
配列変種の作製:
本発明はまた、本発明の核酸(例えばキシラナーゼ)配列の配列変種を作製するさらに別の方法を提供する。本発明はまた、本発明の核酸およびポリペプチドを用いてキシラナーゼを単離するさらに別の方法を提供する。ある特徴では、本発明は本発明のキシラナーゼコード配列(例えば遺伝子、cDNAまたはメッセージ)の変種を提供する。前記変種は、任意の手段(例えば上記に記載した、ランダムもしくは確率的方法、または非確率的、または“定方向進化”方法を含む)によって変異させることができる。
前記単離変種は天然に存在するものでもよい。変種はまたin vitroで生成することもできる。変種は遺伝子工学技術、例えば部位特異的変異導入、化学的ランダム変異導入、エキソヌクレアーゼIII欠失方法および標準的クローニング技術を用いて生成することができる。あるいは、そのような変種、フラグメント、類似体または誘導体は化学的合成または改変方法を用いて生成することができる。変種を作製する他の方法もまた当業者にはよく知られている。前記には、天然の単離物から得られた核酸配列を改変して、工業的、医学的、実験室用、製薬、食品および飼料、並びに食品および飼料サプリメント加工、並びに他の用途およびプロセスにおけるそれらの価値を高める特徴を有するポリペプチドをコードする核酸を生成する方法が含まれる。そのような方法では、天然の単離物から得られた配列に対して1つまたは2つ以上のヌクレオチドの相違を有する多数の変種配列が生成され、性状が調べられる。これらのヌクレオチドの相違は、天然の単離物由来の核酸によってコードされるポリペプチドに対してアミノ酸変化をもたらすことができる。
【0155】
例えば、変種は変異性PCRを用いて作製することができる。変異性PCRでは、PCRは、DNAポリメラーゼの複写信頼性が低く、高率の点変異がPCR全長にわたって得られるような条件下で実施される。変異性PCRは例えば以下に記載されている:D.W. Leung et al., Technique, 1:11-15 (1989); R.C. Caldwell & G.F. Joyce, PCR Methods Applic. 2:28-33 (1992)。簡単に記せば、前記の方法では、変異を導入される核酸は、PCRプライマー、反応緩衝液、MgCl
2、MnCl
2、Taqポリメラーゼおよび適切な濃度のdNTPと混合され、PCR生成物の全長にわたって高率の点変異が達成される。例えば、前記反応は、20fmoleの突然変異を導入されるべき核酸、30pmoleの各PCRプライマー、反応緩衝液(50mMのKCL、10mMのトリス(pH8.3)および0.01%のゼラチンを含む)、7mMのMgCl
2、0.5mMのMnCl
2、5単位のTaqポリメラーゼ、0.2mMのdGTP、0.2mMのdATP、1mMのdCTPおよび1mMのdTTPを用いて実施される。PCRでは、94℃1分、45℃1分および72℃1分の30サイクルが実施される。しかしながら、これらのパラメーターは適宜変動させることができることは理解されよう。変異核酸は適切なベクターでクローニングされ、前記変異核酸によってコードされたポリペプチドの活性が評価される。
変種はまた、任意のクローニングされた対象DNAにおいて位置特異的変異を生じるオリゴヌクレオチド特異的変異導入を用いて作製することができる。オリゴヌクレオチド変異導入は例えば以下に記載されている:Reidhaar-Olson (1988) Science 241:53-57。簡単に記せば、前記の方法では、クローン化DNAに導入されるべき1つまたは2つ以上の変異をもつ複数の二本鎖オリゴヌクレオチドが合成され、変異を導入される前記クローン化DNAに挿入される。変異を導入されたDNAを含むクローンを回収し、それらがコードするポリペプチドの活性を評価する。
【0156】
変種を生成するまた別の方法はアッセンブリPCRである。アッセンブリPCRでは、小さなDNAフラグメント混合物からPCR生成物をアッセンブリングすることが必要である。多数の様々なPCR反応が同じバイアル中で生じ、1つの反応の生成物が別の反応の生成物をプライミングする。アッセンブリPCRは例えば米国特許第5,965,408号に記載されている。
変種を生成するまた別の方法はセクシュアルPCR変異導入である。セクシュアルPCR変異導入では、配列相同性によるDNA分子のランダムなフラグメント化とそれに続くPCR反応におけるプライマーの伸長による交差の固定の結果として、強制された相同組換えが、異なっているが高度の相関性を有するDNA配列をもつDNA分子間においてin vitroで生じる。セクシュアルPCR変異導入は例えば以下に記載されている:Stemmer (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751。簡単に記せば、前記の方法では、組換えられるべき複数の核酸をDNaseで消化して平均サイズが50−200ヌクレオチドのフラグメントを生成する。所望の平均サイズをもつフラグメントを精製し、PCR混合物に再懸濁する。PCRは、前記核酸フラグメント間の組換えが促進される条件下で実施される。PCRは、例えば以下の工程によって実施できる:精製フラグメントを10−30ng/μLの濃度で溶液(0.2Mの各dNTP、2.2mMのMgCl
2、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸(pH9.0)および0.1%トリトンX-100)に再懸濁する。100μLの反応混合物につき2.5単位のTaqポリメラーゼを添加し、PCRを以下の方式を用いて実施する:94℃60秒、94℃30秒、50−55℃30秒、72℃30秒(30−45回)および72℃で5分。しかしながら前記パラメーターは適宜変動させることができることは理解されよう。いくつかの特徴では、オリゴヌクレオチドをPCR反応に含ませることができる。他の特徴では、DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメントをPCR反応の最初のセットで用い、Taqポリメラーゼをその後のPCR反応セットで用いることができる。組換え配列を単離し、それらがコードするポリペプチドの活性を評価する。
【0157】
変種はまたin vivo変異導入によって生成することができる。いくつかの特徴では、細菌株(例えば大腸菌株)で対象の配列を増殖させることによって、対象の配列内でランダム変異が生成される(前記細菌株はDNA修復経路の1つまたは2つ以上に変異を含む)。そのような“ミューテーター”株は野生型の親よりも高いランダム変異率を有する。これらの株の1つでDNAを増殖させることによって、最終的にはDNA内部にランダム変異が生成されるであろう。in vivo変異導入に使用するために適したミューテーター株は例えばPCT公開広報WO91/16427(1991年10月31日公開、発明の名称”Methods for Phenotype Creation from Multiple Gene Populations”)に記載されている。
変種はまたカセット変異導入を用いて生成することができる。カセット変異導入では、二本鎖DNA分子の小さな領域が、天然の配列とは異なる合成オリゴヌクレオチド“カセット”で置き換えられる。前記オリゴヌクレオチドはしばしば完全におよび/または部分的に任意抽出された天然の配列を含む。
再帰的アンサンブル変異導入もまた変種の生成に用いることができる。再帰的アンサンブル変異導入は、表現型が関連性をもつ変異体の多様化集団(そのメンバーはアミノ酸配列が異なる)を生成するために開発されたタンパク質工学(タンパク質変異導入)のためのアルゴリズムである。前記方法はフィードバックメカニズムを用いて、コンビナトリアルカセット変異導入(combinatorial cassette mutagenesis)の連続的サイクル工程を制御する。再帰的アンサンブル変異導入は例えば以下に記載されている:A.P. Arkin and D.C. Youvan, (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815。
【0158】
いくつかの特徴では、変種はエクスポネンンシャルアンサンブル変異導入を用いて生成される。エクスポネンンシャルアンサンブル変異導入は、高いパーセンテージの固有で機能的な変異体を含むコンビナトリアルライブラリーを生成する方法である。前記変異導入では、小さな残基群が並行して任意抽出され、機能的タンパク質を生じるアミノ酸がそれぞれ変更された位置で識別される。エクスポネンンシャルアンサンブル変異導入は例えば以下に記載されている:S. Delagrave and D.C. Youvan, (1993) Biotechnology Res. 11:1548-1552。ランダムな変異導入および部位特異的変異導入は以下に記載されている:F.H. Arnold (1993) Current Opinion in Biotechnology 4:450-455。
いくつかの特徴では変種はシャッフリングの方法によって生成される。前記では、別個のポリペプチドをコードする複数の核酸の部分が融合され、例えば米国特許第5,965,408号(1996年7月9日出願、発明の名称“Methods of DNA Reassembly by Interrupting Synthesis”)、および同第5,939,250号(1996年5月22日出願、発明の名称”Production of Enzymes Having Desirede Activities by Mutagenesis”)に記載されたようなキメラポリペプチドをコードするキメラ核酸配列が生成される。
本発明のポリペプチドの変種は、本発明の配列のポリペプチドの1つまたは2つ以上のアミノ酸残基が保存または非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換されれた変種であってもよい。さらにそのような置換アミノ酸残基は遺伝暗号によってコードされるものでも、そうでないものでもよい。
保存的置換は、同様な特徴を有する別のアミノ酸によってポリペプチド内のあるアミノ酸が置換されるものである。保存的置換として典型的に観察されるものは以下の置換である:脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン)の別の脂肪族アミノ酸による置換;セリンのスレオニンによる置換またはその逆;酸性残基(例えばアスパラギン酸およびグルタミン酸)の別の酸性残基による置換;アミド基をもつ残基(例えばアスパラギンおよびグルタミン)の別のアミド基をもつ残基による置換;塩基性残基(例えばリジンおよびアルギニン)の別の塩基性残基による交換;および芳香族残基(例えばフェニルアラニン、チロシン)の別の芳香族残基による置換。
他の変種は、本発明のポリペプチドの1つまたは2つ以上のアミノ酸残基が置換基を含む変種である。
さらに他の変種は、本ポリペプチドが別の化合物、例えば前記ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えばポリエチレングリコール)と結合しているものである。
さらに別の変種は、さらに追加のアミノ酸が本ポリペプチドに融合されているものである。前記追加されるアミノ酸は例えばリーダー配列、分泌配列、プロプロテイン配列または前記ポリペプチドの精製、濃縮または安定化を促進する配列である。
いくつかの特徴では、その変種、フラグメント、誘導体および類似体は、本発明のポリペプチドおよび前記と実質的に同一の配列と同じ生物学的機能または活性を保持している。他の特徴では、前記フラグメント、誘導体または類似体は、そのプロプロテイン部分の切断によって前記変種、フラグメント、誘導体または類似体が活性化されて活性なポリペプチド生成することができるようなプロプロテインを含む。
【0159】
宿主細胞で高レベルのタンパク質発現を達成するためのコドンの最適化:
本発明は、コドン使用頻度を改変するためにキシラナーゼコード核酸を改変する方法を提供する。ある特徴では、本発明は、キシラナーゼをコードする核酸のコドンを改変して宿主細胞におけるその発現を増加または減少させる方法を提供する。本発明はまた、宿主細胞におけるその発現を高めるために改変されたキシラナーゼをコードする核酸、そのように改変されたキシラナーゼおよび前記改変キシラナーゼ酵素を製造する方法を提供する。前記方法は、“非優先”または“低優先”コドンをキシラナーゼコード核酸で識別し、さらにこれら非優先もしくは低優先コドンの1つまたは2つ以上を、前記コドンと同じアミノ酸をコードする“優先コドン”で置き換えることを含み、核酸内の少なくとも1つの非優先または低優先コドンが同じアミノ酸をコードする優先コドンによって置き換えられいる。優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先または低優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度で提示されるコドンである。
本発明の核酸、発現カセットおよびベクターを発現させる宿主細胞には細菌、酵母、菌類、植物細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞が含まれる。したがって、本発明はこれら全ての細胞でコドン使用頻度を最適化する方法、コドン改変核酸およびコドン改変核酸によって生成されるポリペプチドを提供する。例示的な宿主細胞には、グラム陰性細菌、例えば大腸菌およびシュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens);グラム陽性細菌、例えばラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris)、枯草菌(Bacillus subtilis)が含まれる。例示的な宿主細胞にはまた真核生物、例えば種々の酵母、例えばサッカロミセス種(サッカロミセス・セレビシアエを含む)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)およびクルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、アスペルギルス・ニゲル、並びに哺乳動物細胞および細胞株、並びに昆虫細胞および細胞株が含まれる。他の例示的宿主細胞には、細菌細胞、例えば大腸菌、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・セレウス(B. cereus)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、並びにシュードモナス属、ストレプトミセス(Streptomyces)属およびスタフィロコッカス(Staphylococcus)属の種々の種、菌類細胞(例えばアスペルギルス)、酵母、例えばピキア、サッカロミセス、シゾサッカロミセス、シュワンニオミセス(Schwanniomyces)の任意の種(ピキア・パストリス、サッカロミセス・セレビシアエまたはシゾサッカロミセス・ポンベを含む)、昆虫細胞(例えばドロソフィラS2およびスポドプテラSf9を含む)、動物細胞(例えばCHO、COSまたはBowesメラノーマ)、並びにアデノウイルスが含まれる。適切な宿主の選択は当業者の技量の範囲内である。したがって、本発明はまたこれらの生物および種での発現のために最適化された核酸およびポリペプチドを含む。
例えば、細菌細胞から単離されたキシラナーゼをコードする核酸のコドンは、前記キシラナーゼが由来した細菌とは異なる細菌細胞、酵母、菌類、植物細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞で前記核酸が最適に発現できるように改変される。コドンを最適化する方法は当分野において周知であり、例えば以下を参照されたい:US Pat. No. 5,795,737;Baca (2000) Int. J. Parasitol. 30:113-118;Hale (1998) Protein Expr. Purif. 12:185-188;Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253。さらにまた以下を参照されたい:Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253(マウス系におけるコドンの最適化を記載);Outchkourov (2002) Protein Expr. Purif. 24:18-24(酵母におけるコドンの最適化を記載);Feng (2000) Biochemistry 39:15339-15409(大腸菌におけるコドンの最適化を記載);Humphreys (2000) Protein Expr. Purif. 20:252-264(大腸菌における分泌に影響するコドン使用頻度の最適化を記載)。
【0160】
非ヒトトランスジェニック動物
本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド(例えばキシラナーゼ)、発現カセットもしくはベクター、またはトランスフェクトされたもしくは形質転換された細胞を含むヒト以外のトランスジェニック動物を提供する。本発明はまた、前記非ヒトトランスジェニック動物の作製方法および使用方法を提供する。
前記トランスジェニック非ヒト動物は、例えば本発明の核酸を含むヤギ、ウサギ、ヒツジ、ブタ、乳牛、ラット、ウマ、イヌ、魚およびマウスであり得る。これらの動物は、例えばキシラナーゼ活性を調べるin vivoモデルとして、またはキシラナーゼ活性を変化させる薬剤をin vivoでスクリーニングするモデルとして用いることができる。非ヒトトランスジェニック動物で発現されるべきポリペプチドのコード配列は、構成的であるように、または組織特異的、発育特異的もしくは誘導性調節因子の制御下にあるように設計することができる。非ヒトトランスジェニック動物は当分野で公知の任意の方法を用いて設計および作製することができる。例えば以下を参照されたい:US Patent No. 6,211,428;6,187,992;6,156,952;6,118,044;6,111,166;6,107,541;5,959,171;5,922,854;5,892,070;5,880,327;5,891,698;5,639,940;5,573,933;5,387,742;5,087,571(形質転換細胞および卵並びにトランスジェニックマウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、ヤギ、魚および乳牛の作製および使用について記載している)。さらにまた例えば以下を参照されたい:Pollock (1999) J. Immunol. Methods 231:147-157(トランスジェニック乳牛のミルクでの組換えタンパク質の製造について記載);Baguisi (1999) Nat. Biotechnol. 17:456-461(トランスジェニックヤギの作製を示す)。米国特許第6,211,428号は、DNA配列を含む核酸構築物をその脳で発現する非ヒトトランスジェニック哺乳動物の作製および使用について記載している。米国特許第5,387,742号は、クローン化組換えまたは合成DNA配列のマウス受精卵への注入、前記注入卵の偽妊娠雌への移植および、アルツハイマー病関連タンパク質をその細胞が発現するトランスジェニックマウスの妊娠期間満了までの発育について記載している。米国特許第6,187,992号は、そのゲノムがアミロイド前駆体タンパク質(APP)をコードする遺伝子の破壊を含むトランスジェニックマウスの作製および使用を記載している。
“ノックアウト動物”もまた本発明の方法の実施に用いることができる。例えば、ある特徴では、本発明のトランスジェニックまたは改変動物は“ノックアウト動物”、例えば内因性遺伝子を発現しないように操作された“ノックアウトマウス”を含む(前記内因性遺伝子は、本発明のキシラナーゼまたは本発明のキシラナーゼを含む融合タンパク質を発現する遺伝子で置き換えられている。
【0161】
トランスジェニック植物および種子
本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド(例えばキシラナーゼ)、発現カセットもしくはベクター、またはトランスフェクトもしくは形質転換された細胞を含むトランスジェニック植物および種子を提供する。本発明はまた、本発明の核酸および/またはポリペプチド(例えばキシラナーゼ)を含む植物生成物または副産物、例えば果実、油、種子、葉、抽出物など(任意の祝物部分を含む)を提供する(この場合、本発明の核酸またはポリペプチドは前記植物、植物部分、種子などにとって異種である)。前記トランスジェニック植物(植物部分、果実、種子などを含む)は双子葉植物または単子葉植物であり得る。本発明はまたこれらトランスジェニック植物および種子の製造方法および使用方法を提供する。本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物または植物細胞は当分野で公知の任意の方法にしたがって構築できる。例えば米国特許第6,309,872号を参照されたい。
本発明の核酸および発現構築物は任意の手段によって植物細胞に導入できる。例えば、核酸または発現構築物は所望の植物宿主のゲノムに導入することができるが、また前記核酸または発現構築物はエピソームであってもよい。所望の植物のゲノムへの導入は、宿主のキシラナーゼの産生が内因性の転写または翻訳制御エレメントによって調節できるようなものであってもよい。本発明はまた、例えば相同組換えによる遺伝子配列の挿入によって内因性遺伝子の発現が破壊された“ノックアウト植物”を提供する。“ノックアウト”植物を作製する手段は当分野で周知であり、例えば以下を参照されたい:Strepp (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:4368-4373;Miao (1995) Plant J. 7:359-365。下記のトランスジェニック植物についての考察を参照されたい。
【0162】
本発明の核酸を用いて、所望の属性を本質的に任意の植物(例えば澱粉生成植物、例えばジャガイモ、コムギ、イネ、オオムギなど)に付与することができる。本発明の核酸を用いて植物の代謝経路を操作し、宿主のキシラナーゼ発現を最適化または変化させることができる。本発明の核酸は植物のキシラナーゼ活性を変化させることができる。あるいは、本発明のキシラナーゼをトランスジェニック植物の製造に用いて、前記植物が天然では産生することができない化合物を製造することができる。これによって製造コストを下げるか、または新規な生成物を製造することができる。
ある特徴では、トランスジェニック植物製造の第一の工程は、植物細胞での発現のための発現構築物を作製することを含む。これらの技術は当分野で公知である。前記技術は、プロモーターの選別およびクローニング、リボソームのmRNAへの効率的な結合を促進するためのコード配列および適切な遺伝子ターミネーター配列の選別が含まれる。例示的な構成的プロモーターの1つはカリフラワーモザイクウイルスに由来するCaMV35Sであり、これは一般的に植物で高度な発現をもたらす。他のプロモーターはより特異的であり、植物の内部環境または外部環境の合図に応答する。例示的な光誘導性プロモーターは、主要葉緑素a/b結合タンパク質をコードするcab遺伝子に由来するプロモーターである。
ある特徴では、核酸は改変されて植物細胞でのより強い発現が達成される。例えば、本発明の配列は植物で認められるA-Tヌクレオチド対の割合と比較して高いA-Tヌクレオチド対をもつ可能性が高い(植物のいくつかはG-Cヌクレオチド対を好む)。したがって、コード配列内のA-Tヌクレオチドを、アミノ酸配列を顕著に変化させることなくG-Cヌクレオチドで置換して、植物細胞における遺伝子生成物の生成を高めることができる。
【0163】
選別可能なマーカー遺伝子を遺伝子構築物に付加し、トランスジーンを組み込むことに成功した植物細胞または組織を識別することができる。これは、植物細胞での遺伝子の取り込みおよび発現の達成が稀な事象であり、標的組織または細胞のわずかな割合で生じるだけであるので必要であろう。選別可能なマーカー遺伝子は、通常は植物にとって有毒である物質(例えば抗生物質または除草剤)に対して耐性を提供するタンパク質をコードする。前記適切な抗生物質または除草剤を含む培地で増殖させたとき、選別可能なマーカー遺伝子を組み込んだ植物細胞だけが生存するであろう。他の挿入遺伝子の場合のように、マーカー遺伝子もまた適切な機能のためにプロモータおよびターミネータ配列を必要とする。
【0164】
ある特徴では、トランスジェニック植物または種子の作製は、本発明の配列およびある特徴ではマーカー遺伝子の標的発現構築物(例えばプラスミド)への取り込みをプロモーターおよびターミネータ配列の適切な配置とともに含む。これは、適切な方法により改変遺伝子を前記植物に移すことを必要とするであろう。例えば、構築物は植物細胞のゲノムDNAに、例えば植物細胞のプロトプラストのエレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションのような技術を用いて直接導入することができる。または、構築物は弾道的方法(例えばDNA粒子ボンバードメント)を用いて植物組織に直接導入することもできる。例えば以下を参照されたい:Christou (1997) Plant Mol. Biol. 35:197-203;Pawlowski (1996) Mol. Biotechnol. 6:17-30;Klein (1987) Nature 327:70-73;Takumi (1997) Genes Genet. Syst. 72:63-69(トランスジーンのコムギへの導入のための粒子ボンバードメントの使用を考察する);および上掲書(Adam, 1997)(YACの植物細胞への導入のための粒子ボンバードメントの使用について記載)。例えばRinehart(上掲書、1997)は、粒子ボンバードメントを用いてトランスジェニックな綿の植物を生成した。粒子を加速する装置は米国特許第5,015,580号に記載されており、さらにBioRad(Biolistics)PDS-2000粒子加速装置が市販されている。さらに以下もまた参照されたい:米国特許第5,608,148号(John);および米国特許第5,681,730号(Ellis)(裸子植物の粒子仲介形質転換を記載している)。
ある特徴では、プロトプラストを固定し、核酸(例えば発現構築物)を注入することができる。プロトプラストから植物を再生させることは穀類では容易ではないが、マメ類では体細胞の胚形成を用いてプロトプラスト由来カルスから植物を再生することが可能である。器官を形成した組織を、遺伝子銃技術を用いて裸のDNAで形質転換することができる。この場合、DNAはタングステンの微小発射体上に被覆され、細胞のサイズの1/100で発射される。前記発射体はDNAを細胞および細胞内小器官の奥深くに運ぶ。続いて形質転換組織を再生のために誘導する(通常は体細胞胚形成による)。この技術はいくつかの穀類種(トウモロコシおよびイネを含む)で成功した。
核酸、例えば発現構築物は組換えウイルスを用いて植物細胞に導入することもできる。植物細胞はウイルスベクター、例えばタバコモザイクウイルス由来ベクターを用いて形質転換することができる(Rouwendal (1997) Plant Mol. Biol. 33:989-999)。以下を参照されたい:”Use of viral replicons for the expression of genes in plants”, Mol. Biotechnol. 5:209-221。
【0165】
あるいは、核酸(例えば発現構築物)を適切なT-DNAフランキング領域と結合させて、一般的なアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主ベクターに導入することができる。アグロバクテリウム・ツメファシエンスのビルレンス機能は、細胞が前記細菌に感染したとき植物細胞DNAに前記構築物および隣接するマーカーの挿入を指令するであろう。アグロバクテリウム・ツメファシエンス仲介形質転換技術(バイナリーベクターの無毒化および使用を含む)は学術文献に詳しく記載されている。例えば以下を参照されたい:Horsch (1984) Science 233:496-498;Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803;Gene Transfer to Plants, Potrykus, ed. (Springer-Verlag, Berlin 1995)。アグロバクテリウム・ツメファシエンス細胞中のDNAは細菌の染色体に含まれるとともにに、Ti(腫瘍誘導;tumor-inducing)プラスミドとして知られている別の構造物中に含まれる。Tiプラスミドは、T-DNA(約20kbの長さ)と称される一続きのDNA(感染過程で植物細胞に移される)および感染過程を指令する一連のvir(virulence、ビルレンス)遺伝子を含む。A.ツメファシエンスは創傷からのみ植物に感染し得る。植物の根または茎が傷を受けたとき、植物はある種の化学的シグナルを発し、それに応答してA.ツメファシエンスのvir遺伝子は活性化され、TiプラスミドのT-DNAの植物染色体への移転に必要な一連の事象を誘導する。続いてT-DNAは創傷から植物細胞に進入する。1つの推測は、T-DNAは、植物DNAが複製または転写されるまで待機し、続いて露出された植物DNAに自身を挿入するということである。A.ツメファシエンスをトランスジーンベクターとして使用するために、T-DNAの腫瘍誘導部分を除去し、一方T-DNAボーダー領域およびvir遺伝子は維持する必要がある。続いてトランスジーンをT-DNAボーダー領域間に挿入する(この場合、トランスジーンは植物細胞に移され、植物染色体に組み込まれる)。
本発明は、本発明の核酸を用いる単子葉植物(重要な穀類を含む)の形質転換を提供する。以下を参照されたい:Hiei (1997) Plant Mol. Biol. 35:205-218。さらにまた、例えば以下を参照されたい:Horsch (1984) Science 233:496;Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803;Thykjaer (1997) 上掲書;Park (1996) Plant Mol. Biol. 32:1135-1148(ゲノムDNAへのT-DNAの組み込みについて考察する)。さらにまた以下を参照されたい:米国特許第5,712,135号(D’Halluin)(穀類または他の単子葉植物の細胞内で機能を有する遺伝子を含むDNAの安定な組み込みのための方法を開示する)。
【0166】
ある特徴では、第三の工程は、取り込まれた標的遺伝子を次の世代に伝達することができる完全な植物の選別および再生を含むことができる。そのような再生技術は、組織培養の増触培地でのある種の植物ホルモンの操作を必要とし、典型的には所望のヌクレオチド配列と一緒に導入された有毒物質および/または除草剤マーカーを必要とする。培養プロトプラストから植物を再生することについては以下に記載されている:Evans et al., Protoplast Isolation and Culture, Handbook of Plant Cell Culture, pp.124-176, MacMillilan Publishing Company, New York, 1983; Binding, Regenration of Plants, Plant Protoplasts, pp. 21-73, CRC Press, Boca Raton, 1985。再生はまた植物カルス、外植片、器官またはその部分からも得ることができる。そのような再生技術は一般的には以下に記載されている:Klee (1987) Ann. Rev. of Phys. 38:467-486。トランスジェニック組織(例えば未熟胚)から植物体を得るために、前記胚を栄養およびホルモンを含む一連の培養液中で、環境制御条件下(組織培養として公知の方法)で増殖させることができる。いったん完全植物が生成され種子が生じたら、子孫の評価が開始される。
発現カセットがトランスジェニック植物に安定的に取り込まれた後、前記カセットは有性交配によって他の植物に導入することができる。交配される種に応じて、多くの標準的育種技術のいずれも用いることができる。本発明の核酸のトランスジーンによる発現は表現型の変化を生じるので、本発明の組換え核酸を含む植物を第二の植物と有性交配して最終生成物を得ることができる。したがって、本発明の種子は、本発明の2つのトランスジェニック植物間の交配、または本発明の植物と他の植物間の交配から誘導することができる。所望の効果(例え本発明のポリペプチドを発現させて開花の態様が変化した植物を作製する)は、両方の親植物が本発明のポリペプチド(例えばキシラナーゼ)を発現するときに強化される。所望の効果は将来の植物世代に標準的な繁殖手段によって伝えることができる。
【0167】
本発明の核酸およびポリペプチドは任意の植物または種子で発現又は挿入される。本発明のトランスジェニック植物は双子葉植物でも単子葉植物でもよい。本発明のトランスジェニック単子葉植物の例は、牧草、例えばメドーグラス(meadow grass(ブルーグラス、Poa))、飼い葉用の草、例えばウシノケグサ(festuca)、ロリウム(lolium)、温帯性イネ科草本、例えばアグロスチス(Agrostis)および穀類、例えばコムギ、エンバク、ライムギ、オオムギ、コメ、ソルガムおよびトウモロコシ(コーン)である。本発明のトランスジェニック双子葉植物の例は、タバコ、豆類(例えばルピナス)、ジャガイモ、サトウダイコン、エンドウマメ、インゲンマメおよびダイズ、並びに十字架植物(Brassicaceae科)、例えばカリフラワー、ナタネ、および近縁のモデル植物のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)である。したがって、本発明のトランスジェニック植物および種子には、以下の属に由来する種を含む(ただしこれらに限定されない)広範囲の植物が含まれる:アナカルジウム(Anacardium)、アラキス(Arachis)、アスパラガス、アトロパ(Atropa)、アベナ(Avena)、ブラシッカ(Brassica)、シトラス、シトラルス(Citrullus)、カプシクム(Capsicum)、カルサムス(Carthamus)、ココス(Cocos)、コフェア(Coffea)、ククミス(Cucumis)、ククルビタ(Cuurbita)、ダウクス(Daucus)、エレイス(Elaris)、フラガリア(Fragaria)、グリシン(Glycine)、ゴッシピウム(Gossypium)、ヘリアンサス(Helianthus)、ヘテロカリス(Heterocallis)、ホルデウム(Hordeum)、ヒオシアムス(Hyoscyamus)、ラクツカ(Lactuca)、リヌム(Linum)、ロリウム(Lolium)、ルピナス、リコペルシコン(Lycopersicon)、マルス(Malus)、マニホット(Manihot)、マジョラナ(Majorana)、メディカゴ(Medicago)、ニコチアナ、オレア(Olea)、オリザ(Oryza)、パニエウム(Panieum)、パニセツム(Panisetum)、ペルセア(Persea)、ファセオルス(Phaseolus)、ピスタキア(Pistachia)、ピスム(Pisum)、ピルス(Pyrus)、プルヌス(Prunus)、ラファヌス(Raphanus)、リシヌス(Ricinus)、セカレ(Secale)、セネシオ(Senecio)、シナピス(Sinapis)、ソラナム(Solanum)、ソルガム(Sorghum)、テオブロムス(Theobromus)、トリゴネラ(Trigonella)、トリチクム(Triticum)、ビシア(Vicia)、ビチス(Vitis)、ビグナ(Vigna)、およびゼア(Zea)。
本発明のトランスジェニック植物および種子は、任意の単子葉類または双子葉類、例えば単子葉類のトウモロコシ、サトウキビ、イネ、コムギ、オオムギ、スイッチグラスもしくはミスカンタス、または双子葉類の油種作物、ダイズ、キャノーラ、ナタネ、亜麻、綿、パームオイル、サトウダイコン、落花生、ポプラもしくはルピナスであり得る。
また別の実施態様では、本発明の核酸は、繊維細胞を含む植物(綿、シルクコットンツリー(Kapok、Ceiba pentandra)、ヤナギ(desert willow)、クレオソートブッシュ、ウィンターファット、バルサ、カラムシ、ケナフ、麻、ロゼレ(roselle)、ジュート、サイザル(sisal abaca)および亜麻を含む)で発現される。また別の実施態様では、本発明のトランスジェニック植物はゴシピウム(Gossypium)属のメンバー(一切のゴシピウム種のメンバー、例えばG.アルボレウム(arboreum); G. ヘルバセウム(herbaceum); G. バルバデンス(barbadense); G. ヒルスタム(hirsutum)を含む)であり得る。
本発明はまた、大量の本発明のポリペプチド(例えばキシラナーゼまたは抗体)を製造するために用いることができるトランスジェニック植物(および/またはそれらの種子)を提供する。例えば以下を参照されたい:Palmgren (1997) Trends Genet. 13:348;Chong (1997) Transgenic Res. 6:289-296(オーキシン誘導性二方向性マンノピンシンターゼ(mas1’,2’)プロモーターを用い、アグロバクテリウム・ツメファシエンス仲介リーフディスク形質転換法により母乳タンパク質のベータカゼインのトランスジェニックなジャガイモによる製造を記載)。
公知の方法を用いて、当業者は、トランスジェニック植物でトランスジーンのmRNAまたはタンパク質の増減を検出することによって本発明の植物(および/または種子)をスクリーニングすることができる。mRNAの検出および定量手段は当分野で周知である。
【0168】
ポリペプチドおよびペプチド
ある特徴では、本発明は、キシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ活性を有するか、または本発明の酵素を含むキシラナーゼまたはグルカナーゼと特異的に結合する抗体を生成することができる単離、合成または組換えポリペプチドおよびペプチドを提供する。前記ポリペプチドまたはペプチドは、本発明の例示的ポリペプチド(上記に定義され、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22または配列番号:24を含む)、または例えば配列番号:2を含む本発明の任意のポリペプチドであって表1および本明細書に記載の1つもしくは2つ以上のアミノ酸残基変化(変異)を有する前記任意のポリペプチドと少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくはそれより高いか、又は完全な(100%)配列同一性を有する配列を含む、本発明のアミノ酸配列を含み、前記はまた、例示的な配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22または配列番号:24を基準にして多様な同一性を有するポリペプチド群を含み、さらにこれら例示的ポリペプチドは以下の酵素活性(例えば配列番号:2のキシラナーゼは例えば配列番号:1によってコードされ、配列番号:14のアラビノフラノシダーゼは例えば配列番号:13によってコードされる、云々)を有する:
【0169】
本発明はまた、それらがキシラナーゼの新規なサブセット(またはクレード)をコードするという点で共通の新規性を有する、“X14モジュール”を含む、酵素コード核酸を提供する。ある特徴では、本発明はまた、それらが“X14モジュール”を含むクレードをコードするという点で共通の新規性を有する、酵素コード核酸を提供する(例えば以下を参照されたい;J. Bacteriol 2002 August; 184(15):4124-4133)。X14含有キシラナーゼメンバーは、表1および本明細書に記載の1つまたは2つ以上のアミノ酸残基変化(変異)を有する配列番号:2を含む。
ある特徴では、本発明は、異種の炭水化物結合モジュール(CBM)を有するキメラ酵素(本発明のキシラナーゼ、グルカナーゼおよび/またはグリコシダーゼを含む)を提供し、前記は、例えば本発明の方法、および多様な工業的、医学的、製薬、研究、食品および飼料並びに食品および飼料サプリメント、並びに他の用途で使用される。例えば、ある特徴では、本発明は、本発明の酵素のCBM(上記で考察したCBM様X14モジュールを含む)の1つまたは2つ以上を含む酵素、例えばヒドロラーゼ(グリコシルヒドロラーゼ(例えばキシラナーゼ、グルカナーゼ)を含む)を提供する。別の特徴では、CBM(例えばX14モジュール)は、本発明の種々の酵素間で交換することができる。あるいは、本発明の1つまたは2つ以上の酵素の1つまたは2つ以上のCBMを、酵素、例えばヒドロラーゼ(例えば任意のグリコシルヒドロラーゼ、例えばキシラナーゼ)に接合させることができる。
不溶性基質を利用するグリコシルヒドロラーゼはモジュール様式であり、通常は1つまたは2つ以上の非触媒性炭水化物結合モジュール(CBM)と結合した触媒モジュールを含む。本質的に、CBMは、グリコシルヒドロラーゼとその標的基質の多糖類との相互反応を促進すると考えられる。例えば、上記で考察したように、X14はキシラン結合モジュールである。したがって、本発明は異種で非天然の基質をもつキメラ酵素を提供する。前記は、“内部接合された”それらの異種CBM(例えば内部接合された本発明のX14モジュール)の本質のために多数の基質をもつ(したがってキメラ酵素にキシランおよびガラクタンに対する新規な特異性並びにキシランおよびガラクタンに対する強化された結合を付与する)酵素を含む。本発明のキメラ酵素の異種CBMは、モジュール様式になるように設計でき、すなわち触媒モジュールまたは触媒ドメイン(例えば活性部位)に結合させることができる(前記触媒モジュールもまた当該酵素にとって異種でも同種でもよい)。
【0170】
キシラナーゼまたはグルカナーゼ(例えば本発明の酵素)のまさに触媒モジュールを利用することが有効であることが示された。したがって、本発明は、モジュール様式にあるCBM/活性部位モジュール(例えばX14)(前記は同種で対を形成していても、キメラ(異種)活性部位-CBM対として結合されてあってもよい)から成るか、または前記を含むペプチドおよびポリペプチドを提供する。したがって、本発明のこれらキメラポリペプチド/ペプチドを用いて、個々の酵素(例えばキシラナーゼ酵素)の性能を改善または改変することができる。本発明のキメラ触媒モジュール(例えば少なくとも1つの本発明のCBM、例えばX14を含む)は、特定の基質領域、例えばパルプ領域を標的とするように設計することができる。例えば、ある特徴では、前記はキシラナーゼおよび種々のCBMの融合物(本発明のキシラナーゼと異種CBMまたは本発明のCBMと別の酵素、例えばヒドロラーゼ(たとえばキシラナーゼ)との融合物)を作製することによって達成される。例えば、CBM4、CBM6およびCBM22はキシラント結合することが知られており、パルプの生物漂白におけるキシラナーゼの有効性を強化することができる(例えば以下を参照されたい:Czjzek (2001) J. Biol. Chem. 276(51):48580-7(前記はCBM4、CBM6およびCBM22が関係し、さらにCBMは主としてキシランと相互作用することを記載している)。別の実施態様では、キシラナーゼとCBM3aまたはCBM3b(結晶性セルロースと結合する)の融合物は、キシラナーゼがパルプの複雑な多糖類マトリックスに浸透し、接近不能なキシランに到達するのを助ける。Boraston(Biochem J, 2004, 382:769-781)が概論するように、任意のCBMを用いて本発明を実施することができる。
【0171】
*これらのファミリーはあまりに多くの構造登録を含み全てを列挙できないので、代表的なもののみを記す。
【0172】
したがって、本発明はキメラヒドロラーゼ、例えばグリコシダーゼと異なる(例えば異種の)CBMとの融合物を提供する。前記異種CBMは特に不溶性の多糖類に当該酵素を誘導し、適用に際して性能を強化する。ある特徴では、キメラグリコシダーゼは本発明の酵素を含む。ある特徴では、キメラ酵素は、パルプの生物漂白の性能を強化する(例えば漂白剤の高い削減率を達成する)種々のCBMの融合物を含む。本発明はまた、種々のCBMを種々のキシラナーゼ(例えば本発明のCBMおよび/または本発明のキシラナーゼ)と組換える工程、および生成されたキメラ体をスクリーニングして個々の適用または基質のために最良の組合せを見つける工程を含む方法を提供する。
他の変種もまた本発明の範囲内に包含され、例えば前記変種の場合、1、2、3、4もしくは5残基、またはそれより多い残基が本発明の任意のポリペプチドのカルボキシ末端またはアミノ末端から除去される。また別の変種は、ポリペプチドのpIを増加または減少させるための任意の残基の改変、例えばグルタメートの除去または(別のアミノ酸への)改変を含む。この方法は、いずれのアミノ酸も変異させないので、調整にかかわる問題を生じることなく酵素の特性を改善するための一般的方法として用いられ、この一般的方法は本発明のいずれのポリペプチドに関しても用いることができる。
本発明は、キシラナーゼ活性を有する単離、合成または組換えポリペプチドを提供し、前記ポリペプチドは本発明の任意のポリペプチドの配列改変を有する。前記任意のポリペプチドには、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22または配列番号:24、並びに、表1および本明細書記載のアミノ酸残基変化を有する配列番号:2を含む、本発明の任意の例示的アミノ酸配列が含まれる。前記配列の変化はまた、ポリペプチドのpIを変化させるための任意のアミノ酸の改変、例えばグルタメートの欠失もしくは改変、またはグルタメートから別の残基への変更を含むことができる。
本発明はさらに、本発明の例示的配列と配列同一性(例えば少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくはそれより高いか、又は完全な(100%)配列同一性)を有する単離、合成または組換えポリペプチドを提供する。
【0173】
ある特徴では、前記ポリペプチドはキシラナーゼまたはグルカナーゼ活性を有し、この場合、前記キシラナーゼ活性は多糖類(例えばキシラン)中のグリコシド結合の加水分解を含む。ある特徴では、前記ポリペプチドは、内部β-1,4-キシロシド結合の加水分解の触媒作用を含むキシラナーゼ活性を有する。ある特徴では、前記キシラナーゼ活性は、エンド-1,4-ベータ-βキシラナーゼ活性を含む。ある特徴では、前記キシラナーゼ活性は、キシランを加水分解してより小さな分子量のキシロースおよびキシロ-オリゴマーを生成することを含む。ある特徴では、前記キシランはアラビノキシラン、例えば水溶性アラビノキシランを含む。
本発明はグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを提供する。ある特徴では、本発明のポリペプチドまたはペプチド(本発明の核酸によってコードされるタンパク質またはペプチドを含む)のグルカナーゼ活性は、エンドグルカナーゼ活性、例えばエンド-1,4-および/または1,3-ベータ-D-グルカン4-グルカノヒドロラーゼ活性を含む。ある特徴では、前記エンドグルカナーゼ活性は1,4-ベータ-D-グリコシド結合の加水分解を触媒する活性を含む。ある特徴では、前記グルカナーゼ、例えばエンドグルカナーゼ活性は、エンド-1,4-および/または1,3-ベータ-エンドグルカナーゼ活性またはエンド-β-1,4-グルカナーゼ活性を含む。ある特徴では、前記グルカナーゼ活性(エンド-1,4-ベータ-D-グルカン4-グルカノヒドロラーゼ活性)は、セルロース、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース)、リケニン中の1,4-ベータ-D-グリコシド結合、混合ベータ-1,3グルカン(例えば穀類のベータ-D-グルカンおよびセルロース部分を含む他の植物材料)中のベータ-1,4結合の加水分解を含む。ある特徴では、前記グルカナーゼ、キシラナーゼまたはマンナナーゼ活性は、グルカン、ベータ-グルカンまたは多糖類を加水分解してより小さな分子量の多糖類またはオリゴマーを生成することを含む。ある特徴では、前記グルカンは、ベータ-グルカン、例えば水溶性ベータ-グルカンを含む。
【0174】
本発明は、マンナナーゼ(例えばエンド-1,4-ベータ-D-マンナナーゼ)活性、例えばベータ-1,4-マンナンまたは非置換直鎖ベータ-1,4-マンナンの加水分解を触媒する活性を有するポリペプチドを提供する。マンナナーゼ活性の決定は、公知の任意の方法、例えばコンゴレッド法(例えば以下に記載されている:Downie, 1994, "A new assay for quantifying endo-beta-mannanase activity using Congo red dye”, Phytochemistry July 1994, 36(4):829-835)を用いるか、または米国特許6,060,299号に記載されるように、0.2%のAZCLガラクトマンナン(carob)またはエンド-1,4-ベータ-D-マンナナーゼアッセイのための任意の基質を含む寒天プレートに開けた直径4mmの穴に被検溶液を適用することによって実施できる。
当分野で公知の任意のキシラナーゼ、グルカナーゼおよび/またはマンナナーゼアッセイを用いて、ポリペプチドがキシラナーゼ、グルカナーゼおよび/またはマンナナーゼ活性を有しているか否かを決定することができ、前記は本発明の範囲内に包含される。例えば、還元糖アッセイ、例えばNelson-Somogyi法またはジニトロサリチル酸(DNS)法を用いて生成糖(したがってキシラナーゼ活性)をアッセイすることができる。ある特徴では、反応は、酵素調製物の希釈物を既知量の基質と緩衝pHおよび設定温度で混合およびインキュベートすることによって実施される。キシラナーゼアッセイは、キシラン溶液(例えばエンバクスペルトまたはカバ)をCMCまたはろ紙の代わりに用いる点を除き、セルラーゼアッセイと同様である。DNSアッセイは、Nelson-Somogyiアッセイよりも使用が容易である。DNSアッセイはセルラーゼ活性については満足に足るものであるが、キシラナーゼ活性を過大評価する傾向がある。Somogyi-Nelson法は、還元糖の測定、最適な増加条件下で生成されたキシラナーゼの特異的活性の測定および前記キシラナーゼの総量の定量のためにはより正確である。例えば以下を参照されたい:Breuil (1985) Comparison of the 3,5-dinitrosalicylic acid and Nelson-Somogyi methods of assaying for reducing sugars and determining cellase activity, Enzyme Microb Technol 7:327-332;M. Somogyi, 1952, Notes on sugar determination, J Biol Chem 195:19-23。本発明は、いずれの還元糖アッセイの使用も含む。前記アッセイは、例えばNelson-Somogyiよるもので、前記アッセイは例えば以下の参考文献に基づく:N. Nelson (1994) J Biol Chem 153:375-380;およびM. Somogyi (1952) J Biol Chem 195:19-23。
【0175】
本発明のポリペプチドには活性型または不活性型のキシラナーゼが含まれる。例えば、本発明のポリペプチドには、“成熟”またはプレプロ配列のプロセッシング前の前タンパク質が含まれる(前記プロセッシングは、例えば前タンパク質プロセッシング酵素(例えば“活性な”成熟タンパク質を生じる前タンパク質コンバターゼ)による)。本発明のポリペプチドには他の理由のために不活性であるキシラナーゼが含まれる。前記理由は、例えば翻訳後プロセッシング事象(例えばエンド-もしくはエキソ-ペプチダーゼまたはプロテイナーゼ作用)、リン酸化事象、アミド化、グリコシル化または硫酸化、ダイマー化事象などによる“活性化”前であることである。本発明のポリペプチドにはキシラナーゼの全ての活性型(活性な部分配列、例えば触媒配列または活性部位を含む)が含まれる。
“プレプロ”ドメイン配列およびシグナル配列の識別方法は当分野で周知であり、例えば以下を参照されたい:Van de Ven (1993) Crit Rev Oncog 4(2):115-136。例えば、プレプロ配列の識別のためには、タンパク質を細胞外間隙から精製し、N-末端タンパク質配列を決定し、さらに非プロセッシング型と比較する。
本発明は、シグナル配列および/またはプレプロ配列を有するポリペプチドまたは前記をもたないポリペプチドを含む。本発明は、異種シグナル配列および/またはプレプロ配列を有するポリペプチドを含む。プレプロ配列(異種プレプロドメインとして用いられる本発明の配列を含む)は、当該タンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端に位置してもよい。本発明はまた、本発明の配列を含む、単離、合成または組換えシグナル配列、プレプロ配列および触媒ドメイン(例えば“活性部位”)を含む。
【0176】
パーセント配列同一性はポリペプチドの完全長にわたって存在し得るが、同一性はまた、少なくとも約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれより大きな残基領域にわたることもあり得る。本発明のポリペプチドはまた例示的ポリペプチドの完全長より短くてもよい。また別の特徴では、本発明は、ポリペプチド(例えば酵素、例えばキシラナーゼ)の約5残基から完全長の間のサイズ範囲のポリペプチド(ペプチド、フラグメント)を提供し、例示的サイズは、本発明の例示的キシラナーゼの約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれより大きな残基、例えば連続残基である。
本発明のペプチド(例えば本発明の例示的ポリペプチドの部分配列)は、例えば標識プローブ、抗原、耐性源、モチーフ、キシラナーゼ活性部位(例えば“触媒ドメイン”)、シグナル配列および/またはプレプロドメインとして有用であり得る。
本発明のポリペプチドおよびペプチドは天然の供給源から単離するか、または合成もしくは組換えにより生成されたポリペプチドでもよい。ペプチドおよびタンパク質はin vitroまたはin vivoで組換えにより発現させてもよい。本発明のペプチドおよびポリペプチドは、当分野で公知の任意の方法を用いて製造および単離することができる。本発明のポリペプチドおよびペプチドはまた、当分野で周知の化学的方法を完全にまたは部分的に用いて合成してもよい。例えば以下を参照されたい:Caruthers (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 215-223;Horn (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 225-232;Banga, A.K., Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Delivery Systems (1995) Technomic Publishing Co., Lancaster, PA。例えばペプチド合成は、種々の固体支持体技術を用いて実施することができ(例えば以下を参照されたい:Roberge (1995) Science 269:202;Merrifield (1997) Methods Enzymol. 289:3-13)、さらに自動化合成を、例えばABI 431Aペプチド合成装置(Perkin Elmer)を製造業者が提供する指示にしたがって用いて達成することができる。
【0177】
本発明のペプチドまたはポリペプチドはまたグリコシル化することができる。グリコシル化は、翻訳後に化学的にまたは細胞の生合成メカニズムによって付加することができる。細胞の生合成メカニズムでは、既知のグリコシル化モチーフの使用を必要とするが、前記モチーフは当該配列にとって天然であるか、またはペプチドとして付加するかもしくは核酸のコード配列に付加することもできる。グリコシル化はO-結合でもN-結合でもよい。
本明細書で用いられる“アミノ酸”または“アミノ酸配列”は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質配列、またはこれらのいずれかのフラグメント、部分もしくはサブユニット、並びに天然に存在するかもしくは合成される分子を指す。“アミノ酸”または“アミノ酸配列”には、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質配列、またはこれらのいずれかのフラグメント、部分もしくはサブユニット、並びに天然に存在するかもしくは合成される分子が含まれる。本明細書で用いられる“ポリペプチド”という用語は、ペプチド結合または改変ペプチド結合によって互いに結合したアミノ酸、すなわちペプチドイソステアーを指し、20個の遺伝子によってコードされるアミノ酸以外の改変アミノ酸を含むことができる。ポリペプチドは、天然の過程(例えば翻訳後プロセッシング)によって、または化学的改変技術(当業界で周知である)によって改変することができる。改変はポリペプチドの任意の場所(ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシ末端を含む)で生じ得る。あるポリペプチドのいくつかの部位で同じタイプの改変が同程度または種々の程度で存在し得ることは理解されよう。さらにまた、あるペプチドが多くのタイプの改変を有することもできる。改変にはアセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム成分の共有結合、ヌクレオチドもしくはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質もしくは脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋環状化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストール化、酸化、ポリエチレングリコール化、キシランヒドロラーゼプロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、およびアルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸のトランスファーRNA仲介付加が含まれる(例えば以下を参照されたい:T.E. Creighton, Proteins−Structure and Molecular Properties 2nd Ed., W.H. Freeman and Company, New York (1993);Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson, Ed., Academic Press, New York, pp. 1-12, 1983)。本発明のペプチドおよびポリペプチドにはまた、下記でさらに詳細に記載するように全ての“模倣体”および“ペプチド模倣体”が含まれる。
【0178】
“組換え”ポリペプチドまたはタンパク質は、組換えDNA技術によって製造された、すなわち所望のポリペプチドまたはタンパク質をコードする外因性DNA構築物によって形質転換された細胞から製造されたポリペプチドまたはタンパク質を指す。本発明の“合成”核酸(オリゴヌクレオチドを含む)、ポリペプチドまたはタンパク質は、任意の化学合成(例えば以下に記載するもの)によって調製されたものを含む。化学的なペプチド固体支持体合成法もまた本発明のポリペプチドまたはフラグメントの合成に用いることができる。そのような方法は1960年初頭以来当分野で知られており(R.B. Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154, 1963)(さらにまた以下を参照されたい:J.M. Stewart and J.D. Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp. 11-12))、さらに最近は市販の実験室用ペプチド設計合成キット(Cambridge Research Biochemicals)が利用されている。そのような市販の実験室キットは一般的にH.M. Geysenら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:3998, 1984)の教示を利用し、多数の“ロッド”または“ピン”(前記はいずれも一枚のプレートに連結されている)の先端でのペプチド合成を提供する。そのような系を利用する場合、ロッドまたはピンのプレートはひっくり返され、対応するウェルまたはレザバーをもつ第二のプレートに挿入される。前記ウェルまたはレザバーは、前記ピンまたはロッドの先端に適切なアミノ酸を付着または固定させるための溶液を含んでいる。そのような反応工程(すなわちひっくり返しとロッドとピンの先端を適切な溶液へ挿入)を繰り返すことによって、アミノ酸が所望のペプチドに構築されていく。さらにまた、多数の利用可能なFMOCペプチド合成系が利用可能である。例えば、ポリペプチドまたはフラグメントのアッセンブリは、アプライドバイオシステムズ社(Applied Biosystems, Inc.)のモデル431A自動ププチド合成装置を用いて固体支持体上で実施できる。そのような装置は、直接合成によってまたは一連のフラグメントを合成することによって(それらフラグメントは他の公知の技術により結合することができる)、本発明のペプチドの容易な入手を提供する。
【0179】
本明細書で用いられる“フラグメント”または“酵素として活性なフラグメント”とは、当該タンパク質の関連する少なくとも1つの機能的活性を保持するアミノ酸配列(タンパク質をコードする)の部分である。フラグメントは、天然に存在するタンパク質と同じかまたは実質的に同じアミノ酸配列を有することができる。“実質的に同じ”とは、アミノ酸配列がほとんど同じ(完全に同じではない)であるが、当該配列の関連する少なくとも1つの機能的活性を保持することを意味する。一般的には、2つのアミノ酸配列は、それらが少なくとも約85%同一であるならば、“実質的に同じ”または“実質的に相同”である。天然に存在するタンパク質と異なる三次元構造を有するフラグメントもまた含まれる。前記の例は、“プロフォーム”分子、例えば、切断によって改変されて顕著に高い活性をもつ成熟酵素を生じることができる低活性の前タンパク質である。
本発明のペプチドおよびポリペプチド(上記で定義した)は、全ての“模倣体”および“ペプチド模倣体”形を含む。“模倣体”および“ペプチド模倣体”という用語は、実質的に本発明のポリペプチドと同じ構造および/または機能的特徴を有する合成化合物を指す。前記模倣体は完全に合成された非天然アミノ酸類似体で構成されているか、または部分的に天然のペプチドアミノ酸および部分的に非天然のアミノ酸類似体のキメラ分子である。前記模倣体はまた任意の量の天然アミノ酸の保存的置換を、そのような置換が前記模倣体の構造および/または活性を実質的に変化させない限り含むことができる。保存的変種である本発明のポリペプチドに関しては、日常的な実験によって模倣体が本発明の範囲内に包含されるものであるか否か、すなわちその構造および/または機能が実質的に改変されていないかどうかが決定されるであろう。したがって、ある特徴では、模倣体組成物がキシラナーゼ活性をもつならば、それらは本発明の範囲内に包含される。
本発明のポリペプチド模倣体組成物は任意の組合せの非天然成分を含むことができる。また別の特徴では、本発明の模倣体組成物は以下の3つの構造基の1つまたは全てを含む:a)天然のアミド結合(“ペプチド結合”)以外の残基結合基;b)天然に存在するアミノ酸残基の代わりに非天然残基;c)二次構造模倣を誘導する(すなわち二次構造、例えばベータターン、ガンマターン、ベータシート、アルファヘリックス構造などを誘導または安定化させる)残基。例えば本発明のポリペプチドは、その残基の全てまたはいくつかが天然のペプチド結合以外の化学的手段によって結合されるとき模倣体と特徴付けることができる。個々のペプチド模倣体残基は、ペプチド結合、他の化学的結合、またはカップリング手段、例えばグルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、二官能基性マレイミド、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)によって結合される。通常のアミド結合(“ペプチド結合”)の代用となることができる結合基には例えば以下が含まれる:ケトメチレン(例えば-C(=O)-NH-の代わりに-C(O=)-CH
2-)、アミノメチレン(CH
2-NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH
2-O)、チオエーテル(CH
2-S)、テトラゾール(CN
4-)、チアゾール、レトロアミド、チオアミドまたはエステル(例えば以下を参照されたい:Spatola (1983) Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins, Vol.7, pp267-357, “Peptide Backbone Modifications”, Marcell Dekker, NY)。
【0180】
本発明のポリペプチドはまた、天然に存在するアミノ酸残基の代わりに全てまたはいくつかの非天然の残基を含むことによって模倣体と特徴付けることができる。非天然残基は学術文献および特許文献に詳しく記載されている。天然のアミノ酸残基の模倣体として有用な例示的な非天然組成物のいくつかおよび基準は以下で述べる。芳香族アミノ酸の模倣体は、例えば以下によって置き換えることにより生成することができる:D-またはL-ナフチルアラニン;D-またはL-フェニルグリシン;D-またはL-2チエネイルアラニン;D-またはL-1、-2,3-、または4-ピレネイルアラニン;D-またはL-3チエネイルアラニン;D-またはL-(2-ピリジニル)-アラニン;D-またはL-(3-ピリジニル)-アラニン;D-またはL-(2-ピラジニル)-アラニン;D-またはL-(4-イソプロピル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン;D-p-フルオロ-フェニルアラニン;D-またはL-p-ビフェニルフェニルアラニン;D-またはL-p-メトキシ-ビフェニルフェニルアラニン;D-またはL-2-インドール(アルキル)アラニン;およびD-またはL-アルキルアラニン(前記アルキルはメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、iso-ブチル、sec-イソチル、iso-ペンチルまたは非酸性アミノ酸で置換できるがまた置換されてなくてもよい)。非天然アミノ酸の芳香環には、例えばチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリルおよびピリジル芳香環が含まれる。
酸性アミノ酸の模倣体は、例えば陰性荷電を維持している非カルボキシレートアミノ酸、(ホスホノ)アラニン、硫酸スレオニンによって置換することにより生成できる。カルボキシル側鎖基(例えばアスパルチルまたはグルタミル)はまた、カルボジイミド(R’-N-C-N-R’)、例えば1-シクロヘキシル-3(2-モルホリニル-(4-エチル)カルボジイミドまたは1-エチル-3(4-アゾニア-4,4-ジメソールペンチル)カルボジイミドとの反応によって選択的に改変することができる。アスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基もまた、アンモニウムイオンとの反応によってアスパラギン残基およびグルタミン残基に変換することができる。塩基性アミノ酸の模倣体は、(リジンおよびアルギニンの他に)アミノ酸オルニチン、シトルリン又は(グアニジノ)-酢酸または(グアニジノ)アルキル-酢酸(アルキルは上記で定義されたとおり)による置換によって生成することができる。ニトリル誘導体(例えばCOOHの代わりにCN-部分を含む)でアスパラギンまたはグルタミンを置換することができる。アスパラギンおよびグルタミン残基は、対応するアスパラギン酸またはグルタミン酸残基に脱アミノ化することができる。アルギニン残基模倣体は、アルギニン残基を例えば1つまたは2つ以上の通常の試薬(例えばフェニルグリオキサール、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロ-ヘキサンジオンまたはニンヒドリンを含む)と、好ましくはアルカリ性条件下で反応させることによって生成することができる。チロシン残基模倣体はチロシン残基を例えば芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンと反応させることによって生成することができる。N-アセチルイミダゾールおよびテトラニトロメタンを用いてO-アセチルチロシル種および3-ニトロ誘導体をそれぞれ形成することができる。システイン残基模倣体は、システイニル残基を例えばアルファ-ハロアセテート(例えば2-クロロ酢酸またはクロロアセトアミド)および対応するアミンと反応させてカルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を生成することによって達成できる。システイン残基模倣体はまた、システイン残基を例えばブロモ-トリフルオロアセトン、アルファ-ブロモ-ベータ-(5-イミドゾイル)プロピオン酸;クロロアセチルホスフェート、N-アルキルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド;メチル2-ピリジルジスルフィド;p-クロロ水銀ベンゾエート;2-クロロ水銀-4-ニトロフェノール;またはクロロ-7-ニトロベンゾ-オキサ-1,3-ジアゾールと反応させることによって生成することができる。リジン模倣体は、リジン残基をコハク酸または他のカルボン酸無水物と反応させることによって(さらにアミノ末端残基を変化させることによって)生成することができる。リジンおよび他のアルファ-アミノ含有残基模倣体はまた、イミドエステル、例えばメチルピコリンイミデート、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロ-ベンゼンスルホン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンジオンとの反応、およびグキオキシレートとのトランスアミダーゼ触媒反応によって生成することができる。メチオニンの模倣体は、例えばメチオニンスルホキシドとの反応によって生成することができる。プロリンの模倣体には、例えばピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、3-または4-ヒドロキシプロリン、デヒドロプロリン、3-または4-メチルプロリンまたは3,3-ジメチルプロリンが含まれる。ヒスチジン残基模倣体はヒスチジルを例えばジエチルプロカーボネートまたはパラ-ブロモフェナシルブロミドと反応させることによって生成することができる。他の模倣体には、例えばプロリンおよびリジンのヒドロキシル化;セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化;リジン、アルギニンおよびヒスチジンのアルファ-アミノ基のメチル化;N-末端アミンのアセチル化;主鎖アミド残基のメチル化またはN-メチルアミノ酸による置換;またはC-末端カルボキシル基のアミド化によって生成することができるものが含まれる。
【0181】
本発明のポリペプチドの残基、例えばアミノ酸はまた反対のキラリティーをもつアミノ酸(またはペプチド模倣体残基)によって置換することができる。したがって、L型構造で天然に存在するいずれのアミノ酸(前記化学物質の構造に応じてRまたはSとも呼ぶことができる)も、同じ化学構造型であるが反対のキラリティーのアミノ酸またはペプチド模倣体(D-アミノ酸と称されるが、またR-またはS-型とも称される)で置換することができる。
本発明はまた本発明のポリペプチドを、天然の過程(例えば翻訳後プロセッシング、例えばリン酸化、アセチル化など)または化学的改変技術のどちらかによって改変する方法、および生成された改変ポリペプチドを提供する。改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含むポリペプチド内のいずれの場所でも生じることができる。あるポリペプチドで同じタイプの改変が同じ程度または種々の程度でいくつかの部位で存在することができることは理解されよう。さらにまたあるポリペプチドが多くのタイプの改変を含むこともできる。改変には以下が含まれる:アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合による付加、ヘム成分の共有結合による付加、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合による付加、脂質または脂質誘導体の共有結合による付加、ホスファチジルイノシトールの共有結合による付加、架橋環形成、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストリエーション、酸化、PEG化、タンパク分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、およびタンパク質へのトランスファーRNA仲介アミノ酸付加、例えばアルギニル化。例えば以下を参照されたい:T.E. Creighton, Proteins-Structure and Molecular Properties 2nd Ed., W.H. Freeman and Company, New York (1993); Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson, Ed., Academic Press, New York, pp. 1-12 (1983)。
【0182】
化学的固相ペプチド合成法もまた本発明のポリペプチドまたはフラグメントの合成に用いることができる。そのような方法は1960年代初頭より当分野で公知であり(R.B. Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85:2149-2154, 1963;さらにまた以下を参照されたい:J.M. Stewart and J.D. Young, Solid Phase Peptide Snthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp.11-12)、さらに最近は市販の実験室用ペプチド設計および合成キット(Canbridge Research Biochemicals)として用いられている。そのような市販の実験室キットは一般的にはH.M. Geysenら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:3998 (1984))の教示を利用し、多数の“ロッド”または“ピン”(これらは全て一枚のプレートにつながっている)の先端でペプチドを合成させる。前記のような系を利用するときは、ロッドまたはピンを含むプレートはさかさまにされ、対応するウェルまたはレザーバーの第二のプレートに挿入される。前記ウェルまたはレザーバーは適切なアミノ酸をピンまたはロッドの先端に結合または固着させるために溶液を含んでいる。そのような工程(すなわちロッドまたはピンの先端をさかさまにして適切な溶液に挿入する工程)を繰り返すことによって、アミノ酸が所望のペプチドに構築される。さらにまた、多数のFMOCペプチド合成系が利用可能である。例えば、ポリペプチドまたはフラグメントのアッセンブリはアプライドバイオシステムズ社のモデル431A
TM自動ペプチド合成装置を用いて固体支持体上で実施できる。前記のような装置は、直接合成または一連のフラグメント(前記フラグメントは他の公知の技術を用いて結合させることができる)の合成によって本発明のペプチドの容易な入手を提供する。
本発明は、シグナルをもつ、またはシグナルをもたない本発明のキシラナーゼを含む。本発明のシグナル配列を含むポリペプチドは、本発明のキシラナーゼでももしくは別のキシラナーゼでもまたは他のポリペプチドの別の酵素であってもよい。
本発明は、固定されたキシラナーゼ、抗キシラナーゼ抗体およびそのフラグメントを含む。本発明は、例えば負の優性変異体または本発明の抗キシラナーゼ抗体を用いることによってキシラナーゼ活性を阻害する方法を提供する。本発明は、本発明のキシラナーゼを含むヘテロ複合体(例えば融合タンパク質、ヘテロダイマーなど)を含む。
【0183】
本発明のポリペプチドは、種々の条件下で(例えば極端なpH及び/又は温度、酸化剤など)キシラナーゼ活性を有することができる。本発明は、種々の触媒効率および安定性(例えば温度、酸化剤および洗浄条件の変化に対して)を有するまた別のキシラナーゼ調製物をもたらす方法を提供する。ある特徴では、キシラナーゼ変種は、位置特異的変異導入及び/又はランダム変異導入の技術を用いて作製することができる。ある特徴では、定方向進化を用い、また別の特異性および安定性を有する極めて多様なキシラナーゼ変種を作製することができる。
本発明のタンパク質はまた、キシラナーゼ調節物質、例えばキシラナーゼ活性の活性化物質または阻害物質の識別のための研究用試薬として有用である。簡単に記せば、テストサンプル(化合物、ブロス、抽出物など)をキシラナーゼアッセイに添加し、基質の切断を阻害するそれらの能力を測定する。このようにして識別された阻害物質を工業および研究で用いて、望ましくないタンパク質分解を低下または防止することができる。キシラナーゼに関しては、阻害物質を混合して活性スペクトルを広げることができる。
本発明の酵素はまた、タンパク質消化またはタンパク質の配列決定において研究用試薬として有用である。例えば、キシラナーゼを用い、例えば自動配列決定装置を用いる配列決定のためにより小さなフラグメントにポリペプチドを分解することができる。
【0184】
本発明はまた、本発明の核酸、ポリペプチドおよび抗体を用いて新規なキシラナーゼを発見する方法を提供する。ある特徴では、発現を基にしてキシラナーゼを発見するためにファージミドライブラリーがスクリーニングされる。別の特徴では、発現を基にしてキシラナーゼを発見するためにラムダファージライブラリーがスクリーニングされる。ファージまたはファージミドライブラリーのスクリーニングは、毒性クローンの検出、基質への接近の改善、宿主の高度な操作の必要性の減少(ライブラリーの大量の排除により生じる一切の偏りの可能性の回避することによる)および低いクローン密度でのより迅速な増殖を可能にすることができる。ファージまたはファージミドライブラリーのスクリーニングは液相でも固相でもよい。ある特徴では、本発明は液相でのスクリーニングを提供する。前記によって、アッセイ条件でのより大きな融通性、追加される基質の融通性、弱いクローンに対するより高い感度および固相スクリーニングを超える自動化の容易さが提供される。
本発明は、本発明のタンパク質および核酸並びに機械による自動化を用いて、何千もの生体触媒反応およびスクリーニングアッセイを短時間で(例えば毎日)実施でき、同様に高度な正確性および再現性を担保できるスクリーニング方法を提供する(下記のアレイに関する考察を参照されたい)。結果として、誘導化合物ライブラリーを数週間程度で作製することができる。分子(小分子を含む)の改変に関する更なる教示については、PCT/US94/09174を参照されたい。
本発明のまた別の特徴は、本発明の配列および前記と実質的に同一の配列、または前記の少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150の連続するアミノ酸を含むフラグメントを含む単離または精製ポリペプチドである。上記で考察したように、そのようなポリペプチドは、前記ポリペプチドをコードする核酸をベクターに、コードされるポリペプチドの適切な宿主細胞における発現を駆動することができる配列に作動できるように連結して挿入することによって得ることができる。例えば前記発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写終了因子を含むことができる。前記ベクターはまた発現を増幅させる適切な配列を含むことができる。
【0185】
本発明のまた別の特徴はポリペプチドまたはそのフラグメントであり、前記は、本発明のポリペプチドおよび前記と実質的に同一の配列の1つに対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約95%より高い相同性を有するか、またはフラグメントは、前記ペプチドの連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150アミノ酸を含む。相同性は、上記に記載したプログラムのいずれかを用いて決定することができる(前記プログラムは比較されるポリペプチドまたはフラグメントでアラインメントを実施し、それらの間のアミノ酸同一性または類似性の程度を決定する)。アミノ酸“相同性”は保存的アミノ酸置換(例えば上記に記載したもの)を含むことは理解されよう。
本発明のポリペプチドの1つに対して相同性を有するポリペプチドもしくはフラグメント、または連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150アミノ酸残基を含むそのフラグメントは、上記の技術を用いてそれらをコードする核酸を単離することによって得ることができる。
あるいは、相同なポリペプチドまたはフラグメントは、生化学的な濃縮または精製方法により得ることができる。潜在的に相同なポリペプチドまたはフラグメントの配列は、キシランヒドロラーゼ消化、ゲル電気泳動および/またはマイクロシークェンシングによって決定することができる。相同性が予想されるポリペプチドまたはフラグメントの配列は、本発明のポリペプチドの1つまたは連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または 150アミノ酸残基を含むそのフラグメントと上記のプログラムのいずれかを用いて比較することができる。
【0186】
本発明のまた別の特徴は、本発明のポリペプチドの酵素機能を保持している、本発明のフラグメントまたは変種を識別するアッセイである。例えば前記ポリペプチドのフラグメントまたは変種を用いて生化学反応(前記反応は本発明のポリペプチドの酵素活性を前記フラグメントまたは変種が保持していることを示す)を触媒することができる。
変種のフラグメントが本発明のポリペプチドの酵素活性を保持しているかどうかを決定するアッセイは、ポリペプチドフラグメントまたは変種を基質分子と前記ポリペプチドフラグメントまたは変種が機能できる条件下で接触させる工程、および基質レベルの減少または前記ポリペプチドと基質との間の反応の特異的反応生成物レベルの増加を検出する工程を含む。
本発明のポリペプチドまたは連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または 150アミノ酸残基を含むそのフラグメントは多様な用途で用いることができる。例えば、前記ポリペプチドまたはそのフラグメントを用いて生化学反応を触媒することができる。本発明のある特徴にしたがえば、本発明のポリペプチドまたはそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをグリコシド結合の加水分解に利用する方法が提供される。そのような方法では、グリコシド結合を含む基質(例えばデンプン)を本発明のポリペプチドの1つまたは前記と実質的に同一の配列と、グリコシド結合の加水分解を促進する条件下で接触させる。
本発明は、酵素の固有の触媒特性を利用する。化学的変換での生体触媒(すなわち精製酵素、粗酵素、非生細胞または生細胞)の使用は、特定の出発化合物と反応する個々の生体触媒の識別を必要とするが、本発明は、多くの出発化合物、例えば小分子に存在する官能基に特異的である精選生体触媒および反応条件を用いる。各生体触媒は1つの官能基または関連するいくつかの官能基に特異的であり、この官能基を含む多くの出発化合物と反応することができる。
【0187】
前記生体触媒反応はただ1つの出発化合物に由来する誘導体集団を生成する。これらの誘導体をさらにもう1回の生体触媒反応に付して誘導体化合物の第二の集団を生成することができる。生体触媒反応による誘導体形成を繰り返すたびに原型小分子または化合物から数千の変種を生成することができる。
酵素は、分子の残り部分に影響を与えることなく出発化合物の特異的部位で反応する。前記反応は伝統的な化学的方法を用いて達成することは非常に困難な過程である。生体触媒反応のこの高度な特異性は、ライブラリー内のただ1つの活性化合物を同定する手段を提供する。前記ライブラリーは、それを作製するために用いられる生体触媒反応シリーズ(いわゆる“生合成歴”)によって特徴付けられる。生物学的活性についてのライブラリーのスクリーニングおよび生合成歴のトレーシングによって活性な化合物を生成する特異的連続反応が識別される。前記連続反応を繰り返し、合成された化合物の構造を決定する。前記の識別方式は、他の合成およびスクリーニングの方法と違って固定化技術を必要とせず、化合物は溶液中で自由な状態で合成され、実質的に任意のタイプのスクリーニングアッセイを用いて試験することができる。官能基に対する酵素反応の高度な特異性は、生体触媒反応により作製されるライブラリーを構築する特異的な酵素反応の“追跡”を可能にすることは特記に値する。
工程の多くは機械による自動化を用いて実施され、毎日何千もの生体触媒反応およびスクリーニングを実施することを可能にするとともに、高レベルの正確さと再現性が担保される。結果として、従来の化学的方法を用いた場合には数年を要する誘導体化合物ライブラリーを数週間で作製することができる。
特にある特徴では、本発明は小分子の改変方法を提供し、前記方法は、本明細書に記載のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドまたは酵素的に活性なそのフラグメントを小分子と接触させ、改変小分子を生成することを含む。所望の活性を示す改変小分子がライブラリー内に存在するか否かを決定するために、改変小分子ライブラリーを試験する。ライブラリーの一部分の作製に用いられた生体触媒反応の各々を系統的に排除し、さらに所望の活性を有する改変小分子の有無についてライブラリーの前記部分で生成された小分子を試験することによって、所望の活性を有する改変小分子を生成する特異的な生体触媒反応を識別する。所望の活性を有する改変小分子を生成する特異的な生体触媒反応がある特徴では(場合によって)繰り返される。前記生体触媒反応は、小分子の構造内で見出されるそれぞれ別個の構造成分と反応する生体触媒群を用いて実施される。各々の生体触媒は1つの構造成分または関連する構造成分群に対して特異的であり、各生体触媒は前記別個の構造成分を含む様々な多くの小分子と反応する。
【0188】
キシラナーゼのシグナル配列、プレプロおよび触媒ドメイン:
本発明は、キシラナーゼシグナル配列(例えばシグナルペプチド(SP))、プレプロドメインおよび触媒ドメイン(CD)を提供する。本発明のSP、プレプロドメインおよび/またはCDは単離、合成もしくは組換えペプチドでもよく、または融合タンパク質の部分(例えばキメラタンパク質の異種ドメインとして)であってもよい。本発明は、これらの触媒ドメイン(CD)、プレプロドメインおよびシグナル配列(SP、例えば本発明のペプチドのアミノ末端残基を含むか、または前記から成る配列を有するペプチド)をコードする核酸を提供する。ある特徴では、本発明は、本発明のペプチドの残基1から12、1から13、1から14、1から15、1から16、1から17、1から18、1から19、1から20、1から21、1から22、1から23、1から24、1から25、1から26、1から27、1から28、1から29、1から30、1から31、1から32、1から33、1から34、1から35、1から36、1から37、1から38、1から39、1から40、1から41、1から42、1から43、1から44、1から45、1から46、1から47、1から48、1から49、または1から50に示される配列を含むか、または前記から成るペプチドを含むシグナル配列を提供する。
本発明のキシラナーゼシグナル配列(SP)および/またはプレプロ配列は単離ペプチドであっても、または別のキシラナーゼもしくは非キシラナーゼポリペプチドと(例えば融合(キメラ)タンパク質として)結合した配列であってもよい。ある特徴では、本発明は、本発明のキシラナーゼシグナル配列を含むポリペプチドを提供する。ある特徴では、本発明のキシラナーゼシグナル配列SPおよび/またはプレプロを含むポリペプチドは、本発明のキシラナーゼにとって異種の配列を含む(例えば、本発明のSPおよび/またはプレプロ並びに別のキシラナーゼまたは非キシラナーゼタンパク質由来の配列を含む融合タンパク質)。ある特徴では、本発明は、異種SPおよび/またはプレプロ配列を有する本発明のキシラナーゼ(例えば酵母のシグナル配列を有する配列)を提供する。本発明のキシラナーゼは、異種SPおよび/またはプレプロをベクター(例えばpPICシリーズベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA))中に含むことができる。
【0189】
ある特徴では、本発明のSPおよび/またはプレプロ配列は、新規なキシラナーゼポリペプチドを識別した後で識別される。タンパク質が分類されそれらの適切な細胞内の存在場所に輸送される経路はしばしばタンパク質誘導経路と称される。これらの誘導系の全てでもっとも重要な構成成分の1つは、新たに合成されたペプチドのアミノ末端に存在する、シグナル配列と称される短いアミノ酸配列である。このシグナル配列はタンパク質をその適切な細胞内の存在場所に誘導し、輸送中または前記タンパク質がその最終的な行き先に到達したときに除去される。ほとんどのリゾチームタンパク質、膜タンパク質または分泌タンパク質はアミノ末端シグナル配列を有し、前記配列は小胞体管腔内への輸送のために前記タンパク質に目印を付ける。この群のタンパク質については100を超えるシグナル配列が決定されている。シグナル配列の長さは約11から41、または約13から36アミノ酸残基の間で変動し得る。シグナル配列を認定する種々の方法が当業者に知られている。例えば、ある特徴では、新規なキシラナーゼシグナルペプチドがシグナルP(SignalP)と称される方法によって識別される。シグナルPは、シグナルペプチドおよびそれらの切断部位の両方を認識する合体神経ネットワークを用いる(例えば以下を参照されたい:Nielsen (1997), “Identification of prokariotic and eukaryotic signal peptides and prediction of their cleavage sites”, Protein Engineering, 10:1-6)。
【0190】
いくつかの特徴では、本発明のキシラナーゼは、SPおよび/またはプレプロ配列もしくは“ドメイン”を持たないことがあり得ることは理解されよう。ある特徴では、本発明は、SPおよび/またはプレプロドメインの全てまたは一部分を欠くキシラナーゼを提供する。ある特徴では、本発明は、あるキシラナーゼに由来するシグナル配列(SP)および/またはプレプロをコードする核酸配列が別のキシラナーゼの核酸配列に作動できるように連結された核酸を提供し、またある特徴では、非キシラナーゼタンパク質のシグナル配列(SP)および/またはプレプロドメインが所望されることもあり得る。
本発明はまた、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)および異種の配列を含む単離、合成または組換えポリペプチドを提供する。前記異種配列は、SP、プレプロドメイン及び/又はCDと(例えばキシラナーゼと)天然には結合していない配列である。SP、プレプロドメインおよび/またはCDが天然には結合していない配列は、SP、プレプロドメインおよび/またはCDのアミノ末端、カルボキシ末端、および/または、SPおよび/またはCDの両方の末端に存在し得る。ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)を含むポリペプチドを含む(または前記から成る)単離、合成または組換えポリペプチドを提供するが、ただし前記ポリペプチドはそれが天然に結合しているいずれの配列(例えばキシラナーゼ配列)とも結合していないことを条件とする。同様にある特徴では、本発明は、これらのポリペプチドをコードする単離、合成または組換え核酸を提供する。したがって、ある特徴では、本発明の単離、合成または組換え核酸は、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)および異種配列(すなわち本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)と天然には結合していない配列)のコード配列を含む。前記異種配列は、SP、プレプロドメインおよび/またはCDコード配列の3’末端、5'末端及び/又はその両末端に存在し得る。
【0191】
ハイブリッド(キメラ)キシラナーゼおよびペプチドライブラリー
ある特徴では、本発明は、本発明の配列を含むハイブリッドキシラナーゼおよび融合タンパク質(ペプチドライブラリーを含む)を提供する。本発明のペプチドライブラリーを用いて、標的(例えばキシラナーゼ基質、レセプター、酵素)のペプチド調節物質(例えば活性化物質または阻害物質)を単離することができる。本発明のペプチドライブラリーを用いて、標的の正式な結合パートナー、例えばリガンド、例えばサイトカイン、ホルモンなどを識別することができる。ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列(S)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)またはそれらの組合せおよび異種配列(上記参照)を含むキメラタンパク質を提供する。
ある特徴では、本発明の融合タンパク質(例えばペプチド部分)は構造的に安定化され(直鎖状ペプチドと比較して)、標的に対してより強い結合親和性を可能にする。本発明は、本発明のキシラナーゼと他のペプチド(既知および任意のペプチドを含む)の融合物を提供する。それらは、キシラナーゼの構造が顕著には乱されない態様で、さらに前記ペプチドが代謝的にまたは構造的構成的に安定化されるような態様で融合され得る。これによって、細胞内でのその存在および量を容易にモニターできるペプチドライブラリーの作製が可能になる。
本発明のアミノ酸配列変種は、前記変種の予め定めた性質、天然に存在する形態(例えばキシラナーゼ配列の対立遺伝子変動または種間変動)とそれらを区別する特徴によって特徴付けられる。ある特徴では、本発明の変種は、天然に存在する類似体と質的に同じ生物学的活性を示す。あるいは、前記変種は改変された特徴を有するものについて選別することができる。ある特徴では、アミノ酸配列の変化を導入する部位または領域は予め決定されるが、変異それ自体は予め決定される必要はない。例えば、ある部位の変異の性能を最適にするために、ランダム変異導入を標的コドンまたは領域で実施し、発現されたキシラナーゼ変種を所望の活性の最適な組合せについてスクリーニングすることができる。既知の配列を有するDNAの予め定めた部位に置換変異を導入する技術は周知であり、例えば本明細書ではM13プライマー変異導入およびPCR変異導入が考察される。変異体のスクリーニングは、例えばキシラン加水分解のアッセイを用いて実施できる。また別の特徴では、アミノ酸置換は単一残基であり得る。挿入は約1から20アミノ酸の規模であり得るが、ただしはるかに大きな挿入も実施することができる。欠失は約1から約20、30、40、50、60、70残基またはそれを超える範囲でもよい。最適な特性を有する最終的な誘導体を得るために、置換、欠失、挿入または前記の任意の組合せを用いることができる。一般的には、これらの変更は数アミノ酸に対して実施し、分子の改変を最小限に止める。しかしながら、ある種の環境ではもっと大きな変更も容認され得る。
【0192】
本発明は、そのポリペプチド骨格構造、二次または三次構造(例えばアルファ-ヘリックスまたはベータ-シート構造)が改変されたキシラナーゼを提供する。ある特徴では、電荷または疎水性が改変されている。ある特徴では、側鎖の嵩が改変されている。保存性が低い置換を選択することによって、機能または免疫学的同一性に実質的な変更がもたらされる。例えば、以下に対してより顕著な影響を与える置換を実施することができる:改変領域のポリペプチド骨格構造(例えばアルファ-ヘリックスまたはベータ-シート構造);分子の荷電または疎水性部分(活性部位に存在していてもよい);または側鎖。本発明は、本発明のポリペプチドに以下のような置換を提供する:(a)疎水性残基(例えばロイシル、イソロイシル、バリルまたはアラニル)で親水性残基(例えばセリルまたはスレオニル)を置換する(または前者を後者で置換する);(b)システインまたはプロリンで他の任意の残基を置換する(または前者を後者で置換する);(c)陽性荷電側鎖をもつ残基(例えばリジル、アルギニルまたはヒスチジル)で陰性荷電残基(例えばグルタミルまたはアスパルチル)を置換する(または前者を後者で置換する);または(d)嵩の大きな側鎖(例えばフェニルアラニン)で側鎖をもたない残基(例えばグリシン)を置換する(または前者を後者で置換する)。前記変種は質的に同じ生物学的活性(すなわちキシラナーゼ活性)を示し得るが、変種を選別して、必要とされるようにキシラナーゼの性状を改変することができる。
【0193】
ある特徴では、本発明のキシラナーゼは、エピトープもしくは精製タグ、シグナル配列または他の融合配列などを含む。ある特徴では、本発明のキシラナーゼを任意のペプチドと融合させて、融合ポリペプチドを形成することができる。本明細書の“融合させる”または“作動できるように連結させる”とは、任意のペプチドおよびキシラナーゼが、前記キシラナーゼ構造の安定性の破壊を最小限に止める(例えば前記がキシラナーゼ活性を保持する)ことができる態様で一緒に結合されることを意味する。融合ポリペプチド(または融合ポリペプチドをコードする融合ポリヌクレオチド)はさらに別の成分(複数のループに存在する複数のペプチドを含む)も同様に含むことができる。
ある特徴では、ペプチドおよびそれらをコードする核酸はランダム化される。ランダム化は完全なランダム化であっても、またはランダム化は、例えばヌクレオチド/残基の頻度において全体的にもしくは位置毎に偏りがあってもよい。“ランダム化された”とは、各核酸およびペプチドがそれぞれ本質的に任意のヌクレオチドおよびアミノ酸から成ることを意味する。ある特徴では、ペプチドを生じる核酸は化学的に合成することができ、したがって、任意の位置に任意のヌクレオチドを取り込むことができる。したがって、核酸が発現されペプチドを生成するとき、任意の位置に任意のアミノ酸残基が取り込まれ得る。合成処理過程は、ランダム化された核酸が生成されるように設計して、核酸の全長にわたって可能な全てのまたは大半の組合せを形成し、したがってランダム化された核酸ライブラリーの形成を可能にすることができる。前記ライブラリーは、ランダム化された発現生成物の十分に構造的に多様な集団を提供し、所望の反応を示す1つまたは2つ以上の細胞を提供するために確率的に十分な範囲の細胞反応に影響を与えることができる。したがって、本発明は、ライブラリーメンバーの少なくとも1つがいくつかの分子、タンパク質または他の因子に対する親和性を与える構造を有することができるように十分に大きな相互作用ライブラリーを提供する。
キシラナーゼはマルチドメイン酵素であり、前記は、ある特徴では(場合によって)シグナルペプチド、炭水化物結合モジュール、キシラナーゼ触媒ドメイン、リンカーおよび/または別の触媒ドメインから成る。
【0194】
本発明は、生物学的に活性なハイブリッドポリペプチド(例えばハイブリッドキシラナーゼ)をコードすることができるキメラポリペプチドを作製する手段を提供する。ある特徴では、原型ポリヌクレオチドは生物学的に活性なポリペプチドをコードする。本発明の方法は、生成されるハイブリッドポリヌクレオチドが生物学的に活性な原型ポリペプチドに由来する活性を表すポリペプチドをコードできるように原型ポリヌクレオチドの配列を組み込む細胞性過程を利用することによって新規なハイブリッドポリペプチドを作製する。例えば、原型ポリヌクレオチドは異なる細菌に由来する特定の酵素をコードすることができる。1つの生物または変種に由来する第一のポリヌクレオチドによってコードされる酵素は、例えば特定の環境条件下(例えば高塩濃度)で効率的に機能することが可能である。異なる生物または変種に由来する第二のポリヌクレオチドによってコードされる酵素は、異なる環境条件下(例えば超高温)で効率的に機能することができる。第一および第二の原型ポリヌクレオチドに由来する配列を含むハイブリッドポリヌクレオチドは、原型ポリヌクレオチドによってコードされる両方の酵素の特徴を示す酵素をコードすることができる。したがって、ハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされる酵素は、第一および第二のポリヌクレオチドによってコードされる酵素の各々が共有する環境条件下(例えば高塩濃度および超高温)で効率的に機能することができる。
本発明のポリヌクレオチドによってコードされる酵素には、ヒドロラーゼ、例えばキシラナーゼが含まれるが、ただし前記に限定されない。グリコシダーゼヒドロラーゼは1991年に先ず初めに複数のファミリーに分類された(例えば以下を参照されたい:Henrissat, 1991, Biochem J 280:309-316)。そのとき以来、前記分類は更新され続けてきた(例えば以下を参照されたい:Henrissat, 1993, Biochem J 293:781-788;Henrissat, 1996, Biochem J 316:695-696;Henrissat, 2000, Plant Physiologt 124:1515-1519)。グリコシドヒドロラーゼには87の認定されたファミリーが存在する。ある特徴では、本発明のキシラナーゼはファミリー8、10、11、26および30に分類することができる。ある特徴では、本発明はまたキシラナーゼコード核酸を提供し、それらコード核酸は、それらが共通のファミリー(例えば11)に由来するという共通の新規性を有する。
【0195】
本発明の方法から得られるハイブリッドポリペプチドは、原型酵素では示されない特殊化された酵素活性を示すことができる。例えば、ヒドロラーゼ活性をコードするポリヌクレオチドの組換え及び/又は還元的再組合せに続いて、ハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされる生成ハイブリッドポリペプチドを、原型酵素の各々から得られる特殊化されたヒドロラーゼ活性(すなわちヒドロラーゼが作用する結合のタイプおよびヒドロラーゼが機能する温度)についてスクリーニングすることができる。したがって、例えばヒドロラーゼは、原型ヒドロラーゼからハイブリッドヒドロラーゼを区別するそれら化学的機能性(例えば(a)アミド(ペプチド結合)、すなわちキシラナーゼ;(b)エステル結合、すなわちエステラーゼおよびリパーゼ;(c)アセタール、すなわちグリコシダーゼ)および例えば、ハイブリッドポリペプチドが機能する温度、pHまたは塩濃度を確認するためにスクリーニングすることができる。
原型ポリヌクレオチド源は、個々の生物(“単離株”)、所定の培地で増殖させた生物の集合物(“濃縮培養”)、または未培養生物(“環境サンプル”)から単離することができる。環境サンプルから新規な生物活性をコードするポリヌクレオチドを誘導するために培養非依存的方法を用いることは、生物多様性を有する手付かずの資源への接近を可能にするのでもっとも好ましい。
“環境ライブラリー”は環境サンプルから作製され、適切な原核細胞宿主で増殖させることができるクローニングベクター内に保管された状態で、天然に存在する生物のゲノム集合物を提示する。前記クローン化されたDNAは先ず初めに環境サンプルから直接抽出されるので、前記ライブラリーは純粋培養として増殖することができる原核細胞の小分画に限定されない。さらにまた、これらサンプルに存在する環境DNAの標準化によって、最初のサンプルに存在する種の全てに由来するDNAのより均等な提示が可能になろう。このことは、サンプルのきわめてわずかな構成成分(これらは優勢な種と比較して数桁低く提示される可能性がある)から興味深い遺伝子を発見する効率を劇的に高めることができる。
【0196】
例えば、1つまたは2つ以上の未培養微生物から作製された遺伝子ライブラリーを対象の活性についてスクリーニングする。対象の生物活性分子をコードする潜在的経路は、先ず初めに原核細胞で遺伝子発現ライブラリーの形態で捕捉される。対照の活性をコードするポリヌクレオチドをそのようなライブラリーから単離し、宿主細胞に導入する。前記宿主細胞を組換えおよび/または還元的再組合せが促進される条件下で増殖させ、新規なまたは強化された活性を有する潜在的に活性な生物分子を作出する。
さらにまた、サブクローニングを実施して対象の配列をさらに単離することができる。サブクローニングでは、DNAの一部分を増幅、消化(一般的には制限酵素による)し、所望の配列を切り出し、前記所望の配列をレシピエントベクターに連結し増幅させる。サブクローニングの各工程で、構造タンパク質をコードするDNAが排除されていないことを確認するために、前記の部分を対象の活性について試験する。挿入物は、サブクローニングの任意の工程で(例えばベクターへの連結前にゲル電気泳動によって)、またはレシピエントベクター含有または非含有細胞を例えば抗生物質(前記はレシピエントベクターを含まない細胞を死滅させる)を含む選択培地に入れる工程で精製してもよい。cDNA挿入物をベクターでサブクローニングする具体的な方法は当分野で周知である(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))。また別の特徴では、本発明の酵素はサブクローンである。そのようなサブクローンは親クローンとは例えば長さ、変異、タグまたは標識が異なっている可能性がある。
本発明のキシラナーゼのいくつかはシグナル配列を含むことがあり、また含まないことがあることは理解されよう。あるキシラナーゼに由来するシグナル配列をコードする核酸配列が異なるキシラナーゼの核酸配列に作動できるように連結されたものを含むことが所望されることもあり、またある特徴では(場合によって)非キシラナーゼタンパク質に由来するシグナル配列が所望されることもあり得る。
【0197】
前記ポリヌクレオチドを調製することができる微生物には原核細胞微生物(例えば真性細菌および古細菌)および下等真核微生物(例えば菌類、いくつかの藻類および原生動物)が含まれる。ポリヌクレオチドは環境サンプルから分離することができ、その場合には核酸が生物を培養することなく回収されるか、または1つまたは2つ以上の培養生物から回収することができる。ある特徴では、そのような微生物は、エクストレモフィル、例えば超好熱菌、低温菌、低栄養菌、好塩菌、好圧性菌、好酸性菌であろう。エクストロモフィルから単離された酵素をコードするポリヌクレオチドを用いることができる。そのような酵素は、陸上の温泉または深海の熱水噴出孔の100℃を超える温度で、北極海の0℃未満の温度で、死海の飽和食塩の環境で、石炭堆積物および硫黄に富む地熱温泉での0に近いpH値で、または下水汚泥の11を超えるpH値で機能することができる。例えば、エクストレモフィルからクローニングされ発現されたいくつかのエステラーゼおよびリパーゼは広範囲の温度およびpHを通して高い活性を示す。
上述のように選別および単離したポリヌクレオチドは適切な宿主細胞に導入される。適切な宿主細胞は、組換えおよび/または還元的再組合せを促進することができる任意の細胞である。選別したポリヌクレオチドは、好ましくは既に適切なコントロール配列を含むベクター内に存在する。前記宿主細胞は、高等な真核細胞(例えば哺乳動物細胞)でも、下等な真核細胞(例えば酵母細胞)でもよいが、また好ましくは、前記宿主細胞は原核細胞(例えば細菌細胞)である。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン仲介トランスフェクション、またはエレクトロポレーション(Davis et al., 1986)によって実施することができる。
適切な宿主の代表的な例として、以下を挙げることができる:細菌細胞、例えば大腸菌、ストレプトミセス、ネズミチフス菌;菌類細胞、例えば酵母;昆虫細胞、例えばドロソフィラS2およびスポドプテラSf9;動物細胞、例えばCHO、COSまたはボウズメラノーマ;アデノウイルス;および植物細胞。適切な宿主細胞の選択は、本明細書の開示から当業者の技術範囲内にあると考えられる。
【0198】
組換えタンパク質の発現に用いることができる種々の哺乳動物細胞培養系について特に言及すれば、哺乳動物発現系の例には、サル腎線維芽細胞のCOS-7株(“SV40-trnsformed simian cells support the replication of early SV40 mutants” (Gluzman, 1981)に記載されている)および適合しえるベクターを発現することができる他の細胞株(例えばC127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株)が含まれる。哺乳動物の発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサー、並びに任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写終了配列および5’フランキング非転写配列を含むであろう。必要な非転写遺伝エレメントを提供するためにSV40スプライス部位およびポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いることができる。
別の特徴では、本発明の方法を用いて、1つもしくは2つ以上のオペロンまたは遺伝子クラスターまたはその部分から生化学的経路をコードする新規なポリヌクレオチドを作製することが意図されている。例えば、細菌および多くの真核細胞は、その生成物が関連する過程に必要とされる遺伝子を調節するために協調的なメカニズムを有する。前記遺伝子は、“遺伝子クラスター”と称される構造を有するクラスターを単一の染色体上に形成し、ただ1つの調節配列(全クラスターの転写を開始するただ1つのプロモーターを含む)の制御下で一緒に転写される。したがって、遺伝子クラスターは、通常それらの機能に関して同一または関連する隣接する遺伝子の一群である。遺伝子クラスターによってコードされる生化学的経路の例はポリケチドである。
【0199】
遺伝子クラスターDNAは種々の生物から単離して、ベクター、特に調節配列を発現することができるベクターに連結することができる(前記調節配列は、連結された遺伝子クラスターから検出可能なタンパク質または関連タンパク質の一連の活性の生成を制御および調節することができる)。外因性DNAの導入に対して格別に大きな収容能力を有するベクターの使用が、そのような遺伝子クラスターとともに使用するためには特に適切であり、大腸菌のF因子(または稔性因子)を含む例示として本明細書に記載されている。大腸菌のこのF因子は、接合中にそれ自体の高頻度の伝達に影響を与えるプラスミドであり、大きなDNAフラグメント、例えば混合微生物サンプルの遺伝子クラスターの安定的な増殖の達成に理想的である。本発明のある特徴は、“フォスミド”または細菌人工染色体(BAC)ベクターと称されるクローニングベクターを使用することである。これらは大腸菌のF因子に由来し、ゲノムDNAの大きなセグメントを安定的に組み込むことができる。未培養の混合環境サンプル由来のDNAとともに組み込まれたとき、これは、安定な“環境DNAライブラリー”の形態で大きなゲノムフラグメントを獲得することを可能にする。本発明で使用できるまた別のベクターのタイプはコスミドベクターである。最初はコスミドベクターは、ゲノムDNAの大きなセグメントのクローニングおよび増殖のために設計された。コスミドベクターによるクローニングは以下に詳細に記載されている:Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)。いったん適切なベクターに連結したら、種々のポリケチドシンターゼ遺伝子クラスターを含む1つまたは2つ以上のベクターを適切な宿主細胞に導入することができる。前記遺伝子クラスターによって共有される部分的な配列相同性を有する領域は、ハイブリッド遺伝子クラスターを生じる配列再編成をもたらす過程を促進するであろう。続いて、原型遺伝子クラスターには見出されない強化された活性について、新規なハイブリッド遺伝子クラスターをスクリーニングすることができる。
したがって、ある特徴では、本発明は、以下の工程による、生物学的に活性なハイブリッドポリペプチドの製造方法および強化された活性についてそのようなポリペプチドをスクリーニングする方法に関する:
1)作動できるように連結された少なくとも第一のポリヌクレオチドおよび作動できるように連結された第二のポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に導入する工程(前記少なくとも第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドは部分的に配列相同性を有する少なくとも1つの領域を共有する);
2)作動できるように連結されたハイブリッドポリヌクレオチドを生じる配列の再編成が促進される条件下で、宿主細胞を生育させる工程;
3)前記ポリヌクレオチドによってコードされるハイブリッドポリペプチドを発現させる工程;
4)強化された生物学的活性の識別を促進する条件下でハイブリッドポリペプチドをスクリーニングする工程;および
5)前記ハイブリッドポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単離する工程。
種々の酵素活性についてスクリーニングする方法は当業者に公知であり、本明細書を通して考察されている。そのような方法は、本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの単離時に利用することができる。
【0200】
スクリーニングの方法論および“オンライン”モニター装置
本発明の方法の実施に際して、多様な装置および方法論を本発明のポリペプチドおよび核酸と併せて用いて、例えばキシラナーゼ活性についてポリペプチドをスクリーニングし(例えばザイモグラムにおけるカゼインの加水分解、ゼラチンから蛍光の遊離、または種々の小ペプチド基質からp-ニトロアナライドの遊離のようなアッセイ)、例えばキシラナーゼ活性の潜在的調節物質(例えば活性化物質または阻害物質)として化合物をスクリーニングし、本発明のポリペプチドと結合する抗体について、本発明の核酸とハイブリダイズする核酸について、本発明のポリペプチドを発現する細胞ついてスクリーニングすることなどが可能である。さらに、サンプルのスクリーニングについて下記で詳細に記載するアレイの様式の他に、また別の様式もまた本発明の方法の実施に用いることができる。そのような様式には、例えば質量分光光度計、クロマトグラフ(例えば高速HPLCおよび他の液体クロマトグラフィー様式)およびより小型の様式(例えば1536-ウェルプレート、384-ウェルプレート)などが含まれる。高処理スクリーニング装置を適合させて、本発明の方法の実施に用いてもよい(例えば米国特許出願20020001809を参照されたい)。
【0201】
キャピラリーアレイ:
本発明の核酸又はポリペプチドは、アレイに固定又は適用することができる。アレイを用いて、組成物(例えば小分子、抗体、核酸など)のライブラリーを、本発明の核酸又はポリペプチドとの結合能力又は前記の活性の調節能力についてスクリーニング又はモニターすることができる。キャピラリーアレイ(例えばGIGAMATRIX
TM(Diversa Corporation, San Diego, CA)および例えば米国特許出願No. 20020080350A1;WO0231203;WO0244336Aに記載されたアレイ)は、サンプル保持およびスクリーニングのためのまた別の装置を提供する。ある特徴では、キャピラリーアレイは、隣接するキャピラリーのアレイを形成する複数のキャピラリーを含み、ここで各キャピラリーはサンプル保持のために管腔を仕切る少なくとも1つの壁を構成する。管腔は、円筒形、四角形、六角形または、前記壁が液体又はサンプルの保持のための管腔を形成することができるかぎり他の任意の幾何学形であり得る。キャピラリーアレイのキャピラリーは接近して一緒に保持され平面構造を形成することができる。キャピラリーは、溶融(その場合キャピラリーは例えばガラスで製造される)、接着剤による接着、縛るかまたは隣同士を留め金で固定することによって一緒に束ねることができる。さらにまた、キャピラリーアレイは、アレイ中の隣接するキャピラリー間に沈積された間隙物質を含むことができ、それによって複数の貫通孔を含む硬い平板状装置を形成する。
キャピラリーアレイは、任意の数の個々のキャピラリー、例えば100から4,000,000本の範囲のキャピラリーで形成できる。さらに、約100,000本またはそれ以上の個々のキャピラリーを有するキャピラリーアレイを、標準的な研究室用装置に適合させるためにマイクロタイター(Microtiter(商標))プレートの標準的サイズおよび形状に形成することができる。管腔は手動で満たされるか、または毛細管作用もしくは細い注射針によるマイクロインジェクションを用いて自動的に満たされる。問題のサンプルは続いて更なる分析または性状決定のために個々のキャピラリーから取り出される。例えば、細い注射針様プローブが液体通路に配置される(前記液体通路は添加のためまたは管腔から物質を引き出すために選択されるキャピラリーを有する)。
【0202】
一容器スクリーニングアッセイでは、キャピラリーアレイへの挿入の前にアッセイ成分は混合され、対象溶液が得られる。アレイの少なくとも一部分が対象溶液中に浸されたとき、管腔は毛細管作用によって満たされる。各キャピラリーにおける化学反応または生物学的反応及び/又は活性は検出可能な事象についてモニターされる。検出可能な事象はしばしば“ヒット”と称され、これは通常は光学的検出によって“無ヒット”をもたらすキャピラリーと区別される。したがって、キャピラリーアレイは大量の並行的な“ヒット”の検出を可能にする。
複数容器スクリーニングアッセイでは、ポリペプチドまたは核酸、例えばリガンドは第一の成分に導入することができる。前記第一の成分はキャピラリーアレイのキャピラリーの少なくとも一部分に導入される。続いて、気泡を第一の成分の後ろのキャピラリーに導入することができる。続いて、第二の成分をキャピラリーに導入することができ、この場合第二の成分は前記気泡によって第一の成分と分離される。続いて、キャピラリーの両側に水圧をかけて気泡を壊すことによって第一の成分および第二の成分を混合することができる。続いて、前記2つの成分の反応または無反応から生じる検出可能な事象についてキャピラリーアレイをモニターする。
結合スクリーニングアッセイでは、問題のサンプルは検出可能な粒子で標識された第一の液体としてキャピラリーアレイのキャピラリーに導入することができ、この場合、キャピラリーの管腔は前記検出可能粒子を管腔と結合させるための結合物質で被覆される。続いて、第一の液体をキャピラリー管から除去することができ(この場合、結合した検出可能粒子はキャピラリー内に維持される)、さらに第二の液体をキャピラリー管に導入することができる。続いて、前記粒子と第二の液体との反応または無反応から生じる検出可能な事象についてキャピラリーをモニターする。
【0203】
アレイまたは“バイオチップ”:
本発明の核酸またはポリペプチドはアレイに固定または塗布することができる。アレイを用いて、(例えば小分子、抗体、核酸などの)組成物ライブラリーを、本発明の核酸またはポリペプチドと結合するその能力または前記の活性を調節するその能力についてスクリーニングまたはモニターすることができる。例えば、本発明のある特徴では、モニターされるパラメーターはキシラナーゼ遺伝子の転写物の発現である。細胞の1つもしくは2つ以上または全ての転写物が、細胞の転写物を含むサンプルのハイブリダイゼーションによって測定することができ、又細胞の代表的な核酸若しくは細胞の転写物と相補的な核酸はアレイもしくは“バイオチップ”上に固定化された核酸とのハイブリダイゼーションによって測定することができる。マイクロチップ上の核酸“アレイ”を用いることによって、細胞の転写物のいくつかまたは全てを同時に定量することができる。あるいは、ゲノム核酸を含むアレイはまた、本発明の方法によって新規に操作された株の遺伝子型の決定に用いることができる。“ポリペプチドアレイ”はまた、複数のタンパク質の同時定量に用いることができる。本発明は公知の任意の“アレイ”(“マイクロアレイ”または“核酸アレイ”または“ポリペプチドアレイ”または“抗体アレイ”または“バイオチップ”またはその変型をもいう)を用いて実施することができる。アレイは一般的には複数の“スポット”または“標的エレメント”である。各標的エレメントは一定量の1つまたは2つ以上の生物学的分子、例えばオリゴヌクレオチドを含み、それらはサンプル分子(例えばmRNA転写物)と特異的に結合させるため基質表面の一定領域に固定されている。
本明細書で用いられる“アレイ”または“マイクロアレイ”または“バイオチップ”または“チップ”という用語は複数の標的要素であって、各標的要素は、基質表面の一定面積上に固定された一定量の1つまたは2つ以上のポリペプチド(抗体を含む)もしくは核酸を含む(下記でさらに詳しく考察する)。
【0204】
本発明の方法の実施に際して、例えば以下に記載されている、任意の公知のアレイおよび/またはアレイの製造および使用方法の全体もしくは部分またはその変型を取り入れることができる:米国特許第6,277,628号;第6,277,489号;第6,261,776号;第6,258,606号;第6,054,270号;第6.048,695号;第6,045,996号;第6,022,963号;第6,013,440号;第5,965,452号;第5,959,098号;第5,856,174号;第5,830,645号;第5,770,456号;第5,632,957号;第5,556,752号;第5,143,854号;第5,807,522号;第5,800,992号;第5,744,305号;第5,700,637号;第5,556,752号;第5,434,049号。さらにまた例えば以下を参照されたい:WO99/5173;WO99/09217;WO97/46313;WO96/17958。さらにまた例えば以下を参照されたい:Johnston (1998) Curr. Biol. 8:R171-R174;Schummer (1997) Biotechniques 23:1087-1092;Kern (1997) Biotechniques 23:120-124;Solinas-Toldo (1997) Genes, Chromosomes& Cancer 20:399-407;Bowtell (1999) Nature Genetis Supp. 21:25-32。さらにまた以下を参照されたい:米国特許出願公開広報第20010018642号;同第20010019827号;同第20010016322号;同第20010014449号;同第20010014448号;同第20010012537号;同第20010008765号。
【0205】
抗体および抗体によるスクリーニング方法
本発明は、本発明のキシラナーゼと特異的に結合する単離または組換え抗体を提供する。これらの抗体を用いて、本発明のキシラナーゼまたは関連するポリペプチドを単離、識別または定量することができる。これらの抗体を用いて本発明の範囲内に包含される他のポリペプチドまたは他の関連するキシラナーゼを単離することができる。これらの抗体はキシラナーゼの活性部位と結合するように設計することができる。したがって、本発明は、本発明の抗体を用いてキシラナーゼを阻害する方法を提供する(本発明の抗キシラナーゼ組成物に関しての応用については上記の考察を参照されたい)。
本発明は、本発明の酵素のフラグメント(本発明のポリペプチドの免疫原性フラグメントを含む)を提供する。本発明は、本発明のポリペプチドまたはペプチドおよびアジュバントまたは担体などを含む組成物を提供する。
前記抗体は、免疫沈降、染色、イムノアフィニティーカラムなどで用いることができる。所望の場合は、特異的な抗原をコードする核酸配列を、免疫とそれに続くポリペプチドまたは核酸の単離、増幅またはクローニングおよびポリペプチドの本発明のアレイ上への固定によって作製することができる。あるいは、本発明の方法を用いて、改変されるべき細胞により産生される抗体の構造を改変することができる。例えば抗体の親和性を強化または低下させることができる。さらにまた、抗体を製造または改変する能力は本発明の方法により細胞を操作して付与した表現型であり得る。
【0206】
“抗体”という用語には、1つの免疫グロブリン遺伝子もしくは複数の免疫グロブリン遺伝子またはそのフラグメントから誘導されたか、前記にならって作製されたか、または前記によって実質的にコードされたペプチドまたはポリペプチドであって、抗原またはエピトープに特異的に結合することができるものが含まれる。例えば以下を参照されたい:Fundamental Immunology, Third Edition, W.E. Paul, ed., Raven Press, N.Y. (1993);Wilson (1994) J. Immunol. Methods 175:267-273;Yarmush (1992) J. Biochem. Biophys. Methods 25:85-97。抗体という用語は、抗原に結合する能力を保持する抗原結合部分、すなわち“抗原結合部位”(例えばフラグメント、部分配列、相補性決定領域(CDR))を含み、(i)Fabフラグメント(VL、VH、CLおよびCH1ドメインから成る一価のフラグメント);(ii)F(ab’)2フラグメント(ヒンジ領域でジスルフィド結合によって連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメント);(iii)VHおよびCH1ドメインから成るFdフラグメント;(iv)抗体の単一の腕のVLおよびVHドメインから成るFvフラグメント;(v)dAbフラグメント(Ward et al., (1989) Nature 341:544-546)(VHドメインから成る);および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。単鎖抗体もまた関連する場合には“抗体”という用語に含まれる。
免疫、抗体(ポリクローナルおよびモノクローナル)の製造および単離の方法は当業者には公知で、さらに学術文献および特許文献に記載されている。例えば以下を参照されたい:Coligan, Current Protocols in Immunology, Wiley/Greene, NY (1991); Stites (eds.) Basic and Clinical Immunology (7th ed.) Lang Medical Publications, Los Altos, CA (“Stites”); Goding, Monoclonal Antibodies: Priciples and Practice (2nd ed.) Academic Press, New York, NY (1986); Kohler (1975) Nature 256:495; Harlow (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York。抗体はまた、動物を用いる従来のin vivo方法以外でも、in vitroで例えば組換え抗体結合部位発現ファージディスプレーライブラリーを用いて作製することができる。例えば以下を参照されたい:Hoogenboom (1997) Trends Biotechnol. 15:62-70; Katz (1997) Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:27-45。
本発明のポリペプチドまたは連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150のアミノ酸を含む前記のフラグメントを用いて、当該ポリペプチドまたはフラグメントと特異的に結合する抗体を作製することができる。得られた抗体をイムノアフィニティークロマトグラフィー方法で用いて、前記ポリペプチドを単離または精製するか、または前記ポリペプチドが生物学的サンプルに存在するか否かを決定することができる。そのような方法では、本発明のポリペプチドの1つ、または連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150のアミノ酸を含むそのフラグメントと特異的に結合することができる抗体と、タンパク質調製物(例えば抽出物)または生物学的サンプルを接触させる。
イムノアフィニティーの方法では、前記抗体を固体支持体(例えばビーズまたは他のカラムマトリックス)に付着させる。抗体が本発明のポリペプチドの1つまたはそのフラグメントと特異的に結合する条件下で、前記タンパク質調製物を前記抗体と接触させる。洗浄して非特異的に結合したタンパク質を除去した後、特異的に結合したポリペプチドを溶出させる。
【0207】
生物学的サンプル中のタンパク質の前記抗体との結合能力は、当業者に周知の多様な方法を用いて決定できる。例えば、結合は抗体を検出可能な標識(例えば蛍光物質、酵素標識または放射性同位元素)で標識することによって決定できる。あるいは、抗体とサンプルとの結合は、前記のような検出可能な標識をその上に保持する二次抗体を用いて検出してもよい。具体的なアッセイにはELISAアッセイ、サンドイッチアッセイ、放射能免疫アッセイおよびウェスタンブロットが含まれる。
本発明のポリペプチドまたは連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150アミノ酸を含む前記のフラグメントに対して作製されるポリクローナル抗体は、動物に前記ポリペプチドを直接注射することによって、または動物(例えば非ヒト動物)に前記ポリペプチドを投与することによって得ることができる。そのようにして得られた抗体は前記ポリペプチド自体と結合するであろう。このようにして、ポリペプチドのフラグメントのみをコードする配列でさえも完全な天然のポリペプチドと結合することができる抗体の作製に用いることができる。続いて前記のような抗体を用いて、前記ポリペプチドを発現している細胞から前記ポリペプチドを単離することができる。
モノクローナル抗体の調製の場合、継続的な細胞株培養によって生成される抗体を提供するいずれの技術も用いることができる。その例にはハイブリドーマ技術(Kohler and Milstein, Nature, 256:495-497, 1975)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al., Immunology Today 4:72, 1983)およびEBV-ハイブリドーマ技術(Cole (1985) Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96)が含まれる。
単鎖抗体の生成のために記載された技術(米国特許第4,946,778号)を利用して、本発明のポリペプチドまたは連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150アミノ酸を含む前記のフラグメントに対する単鎖抗体を生成することができる。あるいは、トランスジェニックマウスを用いて、これらポリペプチドまたはそのフラグメントに対するヒト化抗体を発現させることができる。
本発明のポリペプチドまたは連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150アミノ酸を含む前記のフラグメントに対して作製された抗体を、他の生物およびサンプルに由来する類似のポリペプチドのスクリーニングに用いることができる。そのような技術では、前記生物由来のポリペプチドを抗体と接触させ、前記抗体と特異的に結合するポリペプチドが検出される。上記に記載したいずれの方法も抗体結合の検出に用いることができる。そのようなスクリーニングアッセイが以下に記載されている:“Methods for Measuring Cellulase Activities”., Methods in Enzymology, vol.160, pp. 87-116。
【0208】
キット
本発明は、前記組成物(例えば本発明の核酸、発現カセット、ベクター、細胞、トランスジェニック種子または植物もしくは植物部分、ポリペプチド(例えばキシラナーゼ)および/または抗体)を含むキットを提供する。前記キットはまた、本明細書に記載した、本発明の方法論、並びに、工業、研究、医学、製薬、食品および飼料並びに食品および飼料サプリメントに関する加工、並びに他の用途および方法を教示する指示資料を含むことができる。
【0209】
全細胞操作および代謝パラメーターの測定
本発明の方法は、細胞の遺伝的構成を改変することによって、新規な表現型(例えば新規なまたは改変されたキシラナーゼ活性)を有する新規な細胞株を開発するために、全細胞進化または全細胞操作を提供する。前記遺伝的構成は、本発明の酵素のコード配列を細胞に導入することによって改変することができる。例えばWO0220032、WO0196551を参照されたい。
新規な表現型を検出するために、改変細胞の少なくとも1つの代謝パラメータを“リアルタイム”または“オンライン”時間枠でモニターする。ある特徴では、複数の細胞(例えば細胞培養)が“リアルタイム”または“オンライン”でモニターされる。ある特徴では、複数の代謝パラメータが“リアルタイム”または“オンライン”でモニターされる。代謝パラメータは本発明のキシラナーゼを用いてモニターできる。
代謝フラックス分析(MFA)は公知の生化学的フレームワークを基にしている。質量保存の法則および細胞内代謝に関する擬似定常状態仮説(pseudo-steady state hypothesis, PSSH)に基づいて線形独立代謝行列が構築される。本発明の方法の実施に際して、以下を含む代謝ネットワークが確立される:
−全ての経路の基質、生成物および中間代謝物の実体;
−前記経路の代謝物を変換する全ての化学反応の実体、前記経路の反応の化学量論;
−前記反応を触媒する全ての酵素の実体、前記酵素反応のカイネティクス;
−経路の成分間の調節的相互反応、例えばアロステリック相互反応、酵素-酵素相互反応など;
−酵素の細胞内区画局在性または前記酵素の超分子的構成;および
−代謝物、酵素またはエフェクター分子の何らかの濃度勾配の存在またはそれらの移動に対する拡散障壁の存在。
ある株について前記代謝ネットワークがいったん確立されたら、オンラインメタボロームデータが利用可能ならば行列認識によって数学的提示を導入し、細胞内代謝フラックスを見積もることができる。代謝表現型は細胞内の完全な代謝ネットワークの変化を必要とする。代謝表現型は、環境条件、遺伝的調節、発育状態および遺伝子型などに対応する経路の利用変化に左右される。本発明の方法のある特徴では、オンラインMFA計算の後で、細胞の動的態様、それらの表現型および他の特性が前記経路の利用を精査することによって分析される。例えば、酵母の発酵時にグルコースの供給が増加し、酸素が減少する場合、呼吸経路の利用は低下および/または停止し、発酵経路の利用が優先的になるであろう。前記経路分析の後で細胞培養の生理的状態の制御が可能になるであろう。本発明の方法は、基質供給、温度、誘導物質などをどのように変化させるか、細胞の生理的条件を制御して所望の方向にどのように誘導するかを決定することによって発酵の操作方法の決定に役立てることができる。本発明の方法の実施に際して、MFAの結果はまた、代謝の操作または遺伝子シャッフリングなどのために実験およびプロトコルの設計のために転写物データおよびタンパク質データと比較することができる。
本発明の方法の実施に際して、任意の改変表現型または新規な表現型(細胞の新規なまたは改善された性状を含む)を付与しこれを検出することができる。代謝または増殖のいずれの特徴もモニターすることができる。
【0210】
mRNA転写物発現のモニタリング:
本発明のある特徴では、操作された表現型は、細胞内でのmRNA転写物(例えばキシラナーゼメッセージ)の発現の増加もしくは減少、または新規な(例えばキシラナーゼ)転写物の生成を含む。この発現増加または低下は、本発明のキシラナーゼの存在について試験するか、またはキシラナーゼ活性のアッセイによって追跡することができる。mRNA転写物(またはメッセージ)はまた、当業界で公知の任意の方法(例えばノザンブロット、定量的増幅反応、アレイへのハイブリダイゼーションなどを含む)によって検出および定量することができる。定量的増幅反応は、例えば定量的PCR(例えば定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(またはRT-PCR)を含む);定量的リアルタイムRT-PCR(または“リアルタイムカイネティックRT-PCR”)を含む(例えば以下を参照されたい:Kreuzer (2000) Br. J. Haematol. 114:313-318; Xia (2001) Transplantation 72:907-914)。
本発明のある特徴では、操作される表現型は相同遺伝子の発現をノックアウトすることによって作出される。遺伝子のコード配列または1つもしくは2つ以上の転写制御エレメント(例えばプロモータまたはエンハンサー)をノックアウトさせてもよい。したがって転写物の発現は完全に除去されるか、または単に減少させることができる。
本発明のある特徴では、操作される表現型は相同遺伝子の発現の増加を含む。前記は、負の制御エレメント(cis-またはtrans-で作用する転写調節エレメントを含む)のノックアウト、または正の制御エレメントの変異導入によって実施できる。細胞の1つもしくは2つ以上または全ての転写物を、細胞の転写物または細胞の転写物に対して典型的な核酸もしくは相補的な核酸を含むサンプルとのハイブリダイゼーションによって、アレイ上に固定化された核酸とのハイブリダイゼーションによって測定することができる。
ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸の発現のモニタリング:
本発明のある特徴では、操作される表現型は、細胞内でのポリペプチド(例えばキシラナーゼ)の発現の増加もしくは低下、または新規なポリペプチドの生成を含む。前記の発現増加または低下は、存在するキシラナーゼの量の決定またはキシラナーゼ活性のアッセイによって追跡することができる。ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸はまた、当業界で公知の任意の方法(例えば核磁気共鳴(NMR)、分光光度法、ラジオグラフィー(タンパク質放射能標識)、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高拡散クロマトグラフィー、種々の免疫学的方法、例えば免疫沈降、免疫拡散、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、ゲル電気泳動(例えばSDS-PAGE)、抗体による染色、蛍光活性化細胞分別装置(FACS)、熱分解質量分析法、フーリエ変換赤外線分光分析、ラマン分光分析、並びにLC-エレクトロスプレーおよびcap-LC-タンデム-エレクトロスプレー質量分析などを含む)によって検出および定量することができる。新規な生物活性はまた、米国特許第6,057,103号に記載された方法またはその変法を用いてスクリーニングできる。さらにまた以下で詳細に考察するように、細胞のポリペプチドの1つまたは2つ以上、またはその全てをタンパク質アレイを用いて測定することができる。
【0211】
工業、エネルギー、製薬、医学、食品関連加工および他の用途
本発明のポリペプチドを、任意の工業、農業、食品および飼料並びに食品および飼料サプリメント加工、製薬、医学、研究(実験室)関連処理または他の処理で用いることができる。本発明は、本発明の酵素を用いる工業的処理を、例えば製薬または栄養(食事用)サプリメント工業、エネルギー工業(例えば“クリーンな”バイオ燃料の製造)、食品および飼料工業(例えば食品および飼料製品ならびに食品および飼料添加物の製造方法で)で提供する。ある特徴では、本発明は、医学工業(例えば薬剤または栄養補助剤もしくはサプリメント、または食品サプリメントおよび添加物の製造)で本発明の酵素を用いる処理を提供する。さらにまた、本発明は、バイオ燃料の製造(例えばバイオアルコール、例えばバイオエタノール、バイオメタノール、バイオブタノール、またはバイオプロパノールを含み、したがって“クリーン”な燃料の製造を含む)で本発明の酵素を用いる方法を提供する。本発明の酵素は、工業的処理に継続的に(バッチ方式でまたは補充バッチ方式で)添加することができる。別の特徴では、本発明の酵素は工業処理でリサイクルすることができ、それによって酵素の必要性を減少させることができる。
例えば、キシラナーゼを、化学パルプの生物漂白および処理で(例えば米国特許5,202,249号に記載)、または木材もしくは紙パルプの生物漂白および処理のために(例えば米国特許5,179,021号、5,116,746号、5,407,827号、5,405,769号、5,395,765号、5,369,024号、5,457,045号、5,434,071号、5,498,534号、5,591,304号、5,645,686号、5,725,732号、5,759,840号、5,834,301号、5,871,730号および6,057,438号に記載)、または木材および改変木材中のリグニンの減少のために(例えば米国特許5,486,468 号および/または5,770,012号に記載)、または小麦粉、生地およびパンの改良剤として(例えば米国特許5,108,765号および/または5,306,633号に記載)、または飼料添加物および/またはサプリメントとして使用するために(例えば米国特許5,432,074号、5,429,828号、5,612,055号、5,720,971号、5,981,233号、5,948,667号、6,099,844号、6,132,727および/または6,132,716号に記載)、またはセルロース溶液の製造で(例えば米国特許5,760,211号に記載)または洗剤組成物で用いるか、または、米国特許5,786,316号に記載されるように果実、野菜および/または泥土および粘土化合物のために用いることができる。本発明のキシラナーゼはまた、米国特許4,725,544号に記載されるように、ヘミセルロースの加水分解で用いることができる。
本発明のキシラナーゼ酵素は高度に選択的な触媒であり得る。それらは、通常の合成化学反応とは比べようのない完璧な立体選択性、領域選択性および化学選択性を有する反応を触媒することができる。さらにまた、酵素は極めて融通性が高い。本発明のキシラナーゼ酵素は、有機溶媒中での機能のために、極端なpH(例えば高いpHおよび低いpH)、極端な温度(例えば高温および低温)、極端の塩濃度(例えば高塩濃度、低塩濃度)での作用のために、さらにそれらの本来の生理学的基質とは構造的に無関係の化合物との反応を触媒するように適用させることができる。
【0212】
木材、紙およびパルプの処理:
本発明のキシラナーゼは、任意の、木材、木材製品、木材廃棄物もしくは副産物、紙、紙製品、紙もしくは木材パルプ、クラフトパルプ、または木材もしくは紙再利用の処理または工業的処理、例えば任意の木材、木材パルプ、紙廃棄物、紙もしくはパルプ処理または木材もしくは紙の脱インク処理で用いることができる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼは、紙パルプまたはリサイクル紙もしくは紙パルプなどの処理/前処理に用いることができる。ある特徴では、本発明の酵素を用いて、紙パルプまたはリサイクル紙もしくは紙パルプなどの処理/前処理でそれらを使用することによって紙の“明るさ”を高める。紙の等級が高ければ高いほど、明るさが強い。紙の明るさは光学スキャンニング装置のスキャン能力に影響を与えることができる。したがって、本発明の酵素および処理を用いて高い等級の“明るい”紙(例えば光学スキャンニング装置での使用を目的とし、インクジェット印刷、レーザー印刷および写真印画のための紙を含む)を製造することができる。
例えば、本発明の酵素は、キシラナーゼを使用する、当分野で公知の以下の任意の工業処理で用いることができる:例えば紙廃棄物の処理(例えばUSPN 6,767,728または6,426,200に記載)、木材のシーズニング(例えば食品工業での適用のため)(例えばUSPN 6,623,953に記載)、製紙等級の硬木パルプからキシロースの製造(例えばUSPN 6,512,110に記載)、水性媒体中での繊維状リグノセルロース原料のキシラナーゼによる処理(例えばUSPN 6,287,708に記載)、セルロース繊維からパルプの溶解(例えばUSPN 6,254,722に記載)、印刷紙の脱インクおよび脱色または木材パルプの脱色(例えばUSPN 6,241,849、5,834,301または5,582,681に記載)、キシラナーゼを用いる化学紙パルプまたはリグノセルロースパルプの漂白(例えばUSPN 5,645,686または5,618,386に記載)、不完全洗浄ブラウンストックを含む木材パルプの処理(例えばUSPN 5,591,304に記載)、リグノセルロース系廃材の精製およびリグニン除去(例えばUSPN 5,503,709に記載)、リサイクルセルロース繊維から紙および厚紙の製造(例えばUSPN 5,110,412に記載)、丸太材の剥皮(例えばUSPN 5,103,883に記載)、裁断特性が向上したフラッフパルプの製造(例えばUSPN 5,068,009に記載)など。本発明のキシラナーゼを用いて、任意のセルロース系材料、例えば木材、綿、麻、亜麻またはリンネルを加工または処理することができる。
【0213】
ある特徴では、本発明は、本発明のキシラナーゼを用いる、木材、木材パルプ、紙、紙パルプ、紙廃棄物、または木材もしくは紙再利用の処理工程を提供する。ある特徴では、本発明のキシラナーゼは、化学脱色剤(例えば二酸化塩素)の必要性の減少、並びに高アルカリ性および高温環境の両方に対して適用できる。大半のリグニンは、パルプ生成処理工程の蒸煮段階で可溶化される。残留リグニンは漂白処理工程でパルプから除去される。ある特徴では、パルプのキシラナーゼ漂白(例えば本発明の酵素を用いる)はキシラン(ヘミセルロースの主要成分)の部分的加水分解に依存する。酵素作用(例えば本発明の酵素の酵素作用)によって、ヘミセルロース結合リグニンが遊離され、その後の漂白処理工程(例えば塩素および酸素化合物を用いる)でパルプから出るリグニンの抽出率が高められる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて、漂白剤レベルを固定したときのパルプの最終的な明るさを高めることができる。別の特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて、パルプのカッパー価を減少させることができる。
本発明は、本発明のキシラナーゼを用いる、木材、木材パルプ、紙、紙パルプ、紙廃棄物、または木材もしくは紙再利用の処理処理(方法)を提供する。前記方法では、処理時間(キシラナーゼをパルプ、紙、木材などと接触させる時間の長さ)および/または保持時間が、約1分から12時間、または約5分から1時間、または約15分から30分のいずれかの時間であり得るか、および/または保持時間が約0.1、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間またはそれより長い時間であり得る。
ある特徴では、本発明のキシラナーゼは、熱に安定なアルカリ性エンドキシラナーゼであり、ある特徴では前記は、クラフトパルプの二酸化塩素の要求を25%以上削減させることができ、パルプ収量の低下は0.5%未満である。ある特徴では、境界パラメータは、0.001 wt%の酵素供給でpH10、65−85℃および60分未満の処理時間であり、また別の特徴では、処理および/または保持時間は約0.1、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12時間未満である。
【0214】
キシラナーゼプールを、色素標識キシランの加水分解能力について、例えばpH10および60℃で試験することができる。これらの条件下で検査が陽性である酵素を、続いて例えばpH10および70℃で評価することができる。あるいは、70℃でpH8およびpH10で酵素を試験することができる。パルプおよび製紙工業で所望され得るキシラナーゼの発見では、高温または高アルカリ環境由来のライブラリーが標的とされる。特に、これらライブラリーは、アルカリ性pHおよび約45℃の温度で機能する酵素についてスクリーニングされる。別の特徴では、本発明のキシラナーゼは、リグニンを遊離させるために、リグニン-ヘミセルロース結合の分解でパルプおよび製紙工業で有用である。
本発明の酵素は、印刷された古紙(例えば新聞紙)の脱インク、または非接触印刷された古紙(例えば乾式複写紙およびレーザー印刷紙)の脱インク、並びに接触および非接触印刷された古紙の混合物の脱インクのために用いることができる(USPN 6,767,728または6,426,200;Neo, 1986, J Wood Chem Tech 6(2):147に記載されている)。本発明の酵素は、製紙等級の硬木パルプからキシロースを製造する処理で用いることができる。前記処理は以下の工程による:パルプ中に含まれるキシランを液相に抽出する工程、得られた液相に含まれるキシランをキシロースに加水分解させるために十分な条件に前記キシランを付す工程(前記抽出工程は、例えばUSPN 6,512,110に記載されるように、パルプまたはアルカリ可溶性物質の水性懸濁物を少なくとも1回キシラナーゼ酵素で処理することを含む)。本発明の酵素は、セルロース系繊維からパルプを溶解させる処理で用いることができる。前記セルロース系繊維は、例えばUSPN 6,254,722に記載されているように、例えばリサイクル紙製品(硬木繊維、硬木繊維および軟木繊維の混合物から製造されている)、紙廃棄物(例えば未印刷封筒、脱インク封筒、未印刷台帳紙、脱インク台帳紙などに由来する)である。
本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼはまた、任意の木材、木材製品、紙、紙製品、紙もしくは紙パルプ、クラフトパルプ、または木材もしくは紙の再利用処理または工業的処理、例えば任意の木材、木材パルプ、紙廃棄物、紙もしくはパルプの処理または木材もしくは紙の脱インク処理で抗菌剤または抗微生物剤として用いることができる。あるいは、本発明のキシラナーゼは、木材、木材製品、紙、紙製品、紙もしくは紙パルプ、クラフトパルプ、またはリサイクル紙組成物、および/または1つまたは2つ以上の木材、木材製品、紙、紙製品、紙もしくは紙パルプ、クラフトパルプ、またはリサイクル紙組成物を含む組成物の部分であってもよく、この場合、本発明のキシラナーゼは、前記組成物中で抗菌剤または抗微生物剤として作用する。
【0215】
繊維および布地の処理:
本発明は、本発明の1つまたは2つ以上のキシラナーゼを用いて繊維および織物を処理する方法を提供する。前記キシラナーゼは、任意の繊維または織物処理方法で用いることができる。前記方法は当分野で周知であり、例えば米国特許6,261,828号、同6,077,316号、同6,024,766号、同6,021,536号、同6,017,751号、5,980,581号、米国特許公開広報20020142438A1を参照されたい。例えば、本発明のキシラナーゼは、繊維および/または織物の糊抜きで用いることができる。ある特徴では、織物の感触および外観は、織物を溶液中で本発明のキシラナーゼと接触することを含む方法によって改善される。ある特徴では、織物は加圧下で前記溶液で処理される。例えば、本発明のキシラナーゼは汚れの除去で用いることができる。
本発明のキシラナーゼを用いて以下を含む任意のセルロース系材料を処理することができる:繊維(例えば綿、麻、亜麻またはリンネルの繊維)、縫製もしくは未縫製織物、例えばニット、織物、デニム、織物糸、およびタオル地(綿、綿混紡または天然もしくは人造セルロース(例えばキシラン含有セルロース繊維(例えば木材パルプ)に由来するもの)から製造されたもの)、またはそれらの混合物。混合物の例は、綿またはレーヨン/ビスコースと1つまたは2つ以上の組合せ素材、例えば羊毛、合成繊維(例えばポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、塩化ポリビニル繊維、塩化ポリビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリウレア繊維、アラミド繊維)およびセルロース含有繊維(例えばレーヨン/ビスコース、カラムシ、麻、亜麻/リンネル、ジュート、酢酸セルロース繊維、リオセル)との混合である。
本発明の布地処理処理(本発明のキシラナーゼを使用する)は、他の布地処理、例えばスカーリングおよび漂白と一緒に用いることができる。スカーリングは、綿繊維から非セルロース系物質(例えばキューティクル(主としてロウから成る)および一次細胞壁(主としてペクチン、タンパク質およびキシログルカンから成る))を除去することである。適切なロウの除去は高い吸湿性を得るために必要である。高い吸湿性は染色のために必要である。本発明の処理による一次細胞壁の除去はロウの除去を改善し、より均一な染色を担保する。本発明の処理による布地の処理は、漂白処理で白さを改善することができる。スカーリングで用いられる主要な化学物質は、高濃度で高温の水酸化ナトリウムである。漂白は布地の酸化を含む。漂白は、完全に漂白された(白色)布地を得るか、または染料の完全な濃淡の度合いを担保するために、典型的には酸化剤として過酸化水素の使用を必要とする。
本発明はまたアルカリ性キシラナーゼ(アルカリ性条件下で活性を有するキシラナーゼ)を提供する。前記は、織物加工、植物繊維(例えば植物靭皮繊維)の脱ガム、ペクチン廃液の処理、製紙、並びにコーヒーおよび紅茶発酵で広い応用範囲を有する(例えば以下を参照されたい:Hoondal (2002) Applied Microbiology and Biotechnology 59:409-418)。
本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼはまた、任意の繊維処理および/または織物処理処理で抗菌剤または抗微生物剤として用いることができる。あるいは、本発明のキシラナーゼは繊維および/または織物組成物の部分であり得る。前記組成物では、本発明のキシラナーゼは、当該繊維および/または織物の抗菌剤または抗微生物剤として作用する。
【0216】
洗剤、消毒薬および洗浄組成物:
本発明は、1つまたは2つ以上の本発明のポリペプチド(例えばキシラナーゼ)を含む洗剤、消毒薬または洗浄剤、並びにこれら組成物を製造および使用する方法を提供する。本発明は、洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物を製造および使用する全ての方法を含む(例えば米国特許6,413,928号、6,399,561号、6,365,561号、6,380,147号を参照されたい)。前記洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物は、1つまたは2つの部分の水性組成物、非水性液体組成物、鋳造固体、顆粒形、粒状形、圧縮錠剤、ゲルおよび/またはペースト並びにスラリー形であり得る。本発明のキシラナーゼはまた、固形または液状形の洗剤、消毒薬または洗浄剤の添加剤製品として用いることができる。そのような添加剤製品は、通常の洗剤組成物の性能を補填するかまたは引き上げることを目的とし、洗浄過程の任意の段階で添加することができる。
活性酵素の実際の含有量は洗剤、消毒薬または洗浄剤の製造方法に左右され、洗剤溶液が所望の酵素活性を有するならば重大ではない。ある特徴では、最終溶液に存在するキシラナーゼの量は、洗剤組成物1gにつき約0.001mgから0.5mgの範囲である。本発明の処理および製品で使用するために選択される具体的な酵素は最終的な使用条件(製品の物理的形状、使用pH、使用温度、および分解または改変されるべき汚れのタイプを含む)に左右される。与えられた任意の使用条件に対して最適な活性および安定性を提供するために、酵素を選択することができる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼは、約4から約12のpH範囲、および約20℃から約95℃の温度範囲で活性である。本発明の洗剤は、陽イオン性、半極性非イオン性または双性イオン性界面活性剤または前記の混合物であり得る。
本発明のキシラナーゼは、質量で約0.01から約5%(好ましくは0.1%から0.5%)のレベルで4.0から12.0のpHを有する、粉末および液体の洗剤、消毒薬または洗浄剤として処方することができる。これらの洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物はまた、他の酵素、例えばキシラナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、またはエンドグリコシダーゼ、エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ、ベータ-グルカナーゼ、エンド-ベータ-1,3(4)-グルカナーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシログルカナーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼを含むことができる。これらの洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物はまた、色素、着色剤、放臭剤、漂白剤、緩衝剤、ビルダー、酵素“強化剤”(例えば米国特許出願20030096394を参照されたい)および安定化剤を含むことができる。
【0217】
通常の洗浄組成物への本発明のキシラナーゼの添加は、特別な使用制限をまったくもたらさない。換言すれば、当該洗剤に適した任意の温度およびpHがまた、前記酵素が意図される使用のpHおよび/または温度で活性を有するかまたは耐性を示すかぎり、本発明の組成物についてもまた適切である。さらにまた、本発明のキシラナーゼは、洗剤を含まない洗浄組成物で、単独でまたはビルダーおよび安定化剤と一緒に用いることができる。
本発明は、硬質表面の洗浄用洗剤組成物、織物の洗浄用洗剤組成物、食器洗浄用組成物、口腔洗浄用組成物、歯の洗浄用組成物、およびコンタクトレンズ洗浄用溶液を含む洗浄組成物を提供する。
ある特徴では、本発明は、対象物を本発明のポリペプチドと洗浄に十分な条件下で接触させることを含む、対象物を洗浄する方法を提供する。本発明のキシラナーゼは、洗剤、消毒薬または洗浄剤の添加物として加えることができる。本発明の洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物は、本発明のポリペプチドを含む、例えば手洗いまたは機械洗濯用洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物として処方することができる。汚れた織物の前処理に適した選択用添加剤は本発明のポリペプチドを含むことができる。織物の柔軟剤組成物は本発明のキシラナーゼを含むことができる。あるいは、本発明のキシラナーゼは、一般的家事における硬質表面洗浄操作で使用される洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物として処方することができる。また別の特徴では、本発明の洗剤、消毒薬または洗浄剤添加剤および洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物は、1つまたは2つ以上の他の酵素、例えばキシラナーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、クチナーゼ、エステラーゼ、別のキシラナーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、ラクターゼおよび/またはペルオキシダーゼを含むことができる(上記もまた参照されたい)。本発明の酵素の特性は、選択した洗剤に適合するように選択され(すなわち最適pH、他の酵素および非酵素成分との適合性など)、さらに当該酵素は有効量で存在する。ある特徴では、本発明のキシラナーゼ酵素を用いて、不快臭のある物質を織物から除去する。本発明の実施に用いることができる多様な洗剤組成物およびそれらを製造する方法が、例えば米国特許6,333,301号、6,329,333号、6,326,341号、6,297,038号、6,309,871号、6,204,232号、6,197,070号、5,856,164号に記載されている。
【0218】
洗濯機による洗浄方法での使用に適した組成物として処方する場合、本発明のキシラナーゼは、界面活性剤およびビルダーの両方を含むことができる。それらは、さらに新たに1つまたは2つ以上の洗剤組成物、例えば有機ポリマー化合物、漂白剤、追加の酵素、泡立ち防止剤、分散剤、石灰石鹸分散剤、汚れ浮遊促進再沈着防止剤および腐食防止剤を含むことができる。本発明の洗濯用組成物はまた、別の洗剤成分として柔軟剤を含むことができる。カルボヒドラーゼを含む組成物は、洗濯洗剤組成物として処方されたとき、織物を清潔にし、汚れを除去し、白さを維持し、柔軟さを提供し、色を明瞭にし、色移りを防止し、さらに織物を衛生的にすることができる。
本発明の洗濯洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物の濃度は、約200から1500g/L、または約400から1200g/L、または約500から950g/L、または約600から800g/L組成物の範囲であり得る(これらは約20℃で測定することができる)。
ある特徴では、本発明の洗濯洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物の“コンパクト”形は、濃度および無機塩充填剤量(組成に関して)にきわめて良好な影響をもたらす。無機塩充填剤は粉末形の洗剤組成物の一般的な成分である。通常の洗剤組成物では、充填剤塩は、全組成物の典型的には17質量%から35質量%の実質量で存在する。コンパクト組成物のある特徴では、充填剤塩は、全組成物の15%を超えない量で、または10%を超えないで、または5質量%を超えない量で存在する。無機塩充填剤は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の硫酸塩または塩化物から選択することができる(例えば硫酸ナトリウム)。
本発明の液体洗剤組成物はまた“濃縮形”であってもよい。ある特徴では、液体洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物は、通常の液体洗剤、消毒薬または洗浄剤と比べてより少量の水を含むことができる。また別の特徴では、濃縮液体洗剤の水の含有量は、洗剤、消毒薬または洗浄剤組成物質量の40%未満、または30%未満、または20%未満である。本発明の洗剤、消毒薬または洗浄剤化合物はWO97/01629に記載の処方を含むことができる。
【0219】
本発明のキシラナーゼは、種々の洗剤、洗濯剤、消毒薬または洗浄剤組成物を処方するときに有用であり得る。公知の適切な界面活性剤(非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、双性イオン性洗剤を含む)を用いることができる(前記は例えば米国特許4,404,128号、4,261,868号、5,204,015号に開示されている)。さらにまた、キシラナーゼを、例えば棒状もしくは液状石鹸、皿の手入れ用処方物、コンタクトレンズ洗浄溶液、ペプチドの加水分解、廃棄物処理、生地へ適用、タンパク質製造での融合切断酵素などで用いることができる。キシラナーゼ類は、別のキシラナーゼと比較したとき、洗剤組成物の性能の強化を提供することができる。すなわち、前記酵素群は、標準的な洗浄サイクルの後の通常の評価によって判定したとき、ある種の酵素感受性の汚れ(例えば草または血液)の洗浄を強化することができる。キシラナーゼは、約0.01から約5質量%(例えば約0.1%から0.5%)のレベルでpH6.5から12.0の公知の粉末および液体洗剤に処方することができる。これらの洗剤組成物はまた、他の酵素、例えば既知のキシラナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、リパーゼまたはエンドグリコシダーゼ、レドックス酵素、例えばカタラーゼおよびラッカーゼとともにビルダー、安定化剤、香料および色素を含むことができる。
ある特徴において、本発明はキシラナーゼ活性を有する(本発明のキシラナーゼを含む)、果物、野菜および/または泥および粘度化合物に使用する洗剤、消毒剤または洗浄剤組成物を提供する(例えば、米国特許No.5,786,316参照)。
本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼはまた任意の洗剤、消毒薬または洗浄剤(洗浄溶液)の製造過程で用いることができる(前記過程ではキシラナーゼは抗菌剤または抗微生物剤として用いられる)。あるいは、本発明のキシラナーゼは任意の洗浄または清浄処理で用いることができる(前記過程ではキシラナーゼは抗菌剤または抗微生物剤として用いられる)。本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼは任意の洗剤または洗浄剤組成物に加えることができ、この場合、本発明のキシラナーゼは抗菌剤または抗微生物剤として当該組成物で作用する。
【0220】
食品処理および食品加工:
本発明のキシラナーゼは食品加工工業において多数の用途を有する。例えば、ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて、油に富む植物材料(例えば油に富む種子)の油の抽出、例えばダイズから大豆油の抽出、オリーブからオリーブ油の抽出、ナタネからナタネ油の抽出および/またはヒマワリの種子からヒマワリ油の抽出が改善される。
本発明のキシラナーゼは植物細胞材料の成分の分離に用いることができる。例えば、本発明のキシラナーゼは、キシランに富む材料(例えば植物細胞)の成分への分離に用いることができる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて、キシランに富む、または油に富む作物を有益なタンパク質および油および外皮部分に分離することができる。前記分離工程は当業界で公知の方法を使用して実施できる。
本発明のキシラナーゼを果実ジュース、野菜ジュース、シロップ、抽出物などの製造に用いて収量を高めることができる。本発明のキシラナーゼは、種々の植物細胞壁由来材料または廃棄物質(例えば穀類、穀粒、ワインまたはジュース製造に由来する)、または農作物残留物(例えば野菜の外皮、豆類外皮、テンサイの茎髄、オリーブの茎髄、ジャガイモの茎髄など)の酵素処理(例えばキシラン含有植物材料の加水分解)に用いることができる。本発明のキシラナーゼを用いて、加工果実または野菜の濃度および外観を改変することができる。本発明のキシラナーゼを用いて植物材料を処理し、植物材料(食品を含む)の加工を促進、植物成分の精製もしくは抽出を促進することができる。本発明のキシラナーゼを用いて、飼料価値を高め、水との結合能力を低下させ、排水プラントでの分解能を改善し、および/または植物材料のサイロ貯蔵物への変換を改善することなどが可能である。
【0221】
ある特徴では、本発明のキシラナーゼを焼成用途(例えばクッキーおよびクラッカー)に用いて、キシラン(例えばアラビノキシラン)を加水分解する。ある特徴では、機械にとって問題がなくビスケットのサイズを小さくできる非粘着性の生地を製造するために、本発明のキシラナーゼが用いられる。本発明のキシラナーゼを用いてアラビノキシランを加水分解し、焼成製品の急速な再水和(クリスピーさの低下および保存期間の短縮をもたらす)を防止することができる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼは生地加工時の添加物として用いられる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼは生地のコンディショニングに用いられ、この場合、ある特徴ではキシラナーゼは、約25℃から35℃の温度範囲および中性pH付近(7.0−7.5)で高い活性を有する。ある特徴では、生地をコンディショニングする酵素は極端な焼成温度(>260℃(500°F))では不活化することができる。本発明の酵素は任意の生地処理プロトコル(例えば米国特許出願20050281916)と一緒に用いることができる。
ある特徴では、本発明のキシラナーゼは、生地のpHおよび温度条件下で最適に機能するように、生地の加工で添加物として用いられる。ある特徴では、本発明の酵素は生地のコンディショニングに用いられる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼは、約25℃から35℃の温度範囲および中性pH付近(7.0−7.5)で高い活性を有する。ある特徴では、前記酵素は、極端な焼成温度(例えば、>260℃(500°F))では不活化される。
本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼはまた、任意の食品もしくは飲料の処理、または食品もしくは飲料加工処理で用いることができる(この場合、前記キシラナーゼは抗菌剤または抗微生物剤として用いられる)。別の特徴では、本発明のキシラナーゼは、任意の食品または飲料組成物に加えることができる(この場合、本発明のキシラナーゼは抗菌剤または抗微生物剤として作用する)。
【0222】
動物飼料および食品または飼料もしくは食品添加物(サプリメント):
本発明は、本発明のキシラナーゼを用いて動物飼料および食品並びに食品および飼料添加物(サプリメント)を処理する方法を提供する。動物には哺乳動物(例えばヒト)、鳥、魚などが含まれる。本発明は、本発明のキシラナーゼを含む動物飼料、食品および添加物(サプリメント)を提供する。ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて動物飼料、食品および添加物を処理することによって、動物飼料または添加物(サプリメント)中の栄養物、例えばデンプン、タンパク質などの利用性を高めることができる。消化が困難なタンパク質を分解することによって、または間接的または直接的にデンプン(または他の栄養物)を露出させることによって、前記キシラナーゼは他の内因性または外因性酵素が栄養物により接近しやすくする。キシラナーゼはまた単純に、消化されやすくさらに吸収されやすい栄養物及び糖の遊離を引き起こすことができる。
動物飼料に添加したとき、本発明のキシラナーゼは、部分的には腸内の粘性の低下により植物細胞壁物質のin vivoでの分解を改善し、それによって植物栄養物の動物によるより良好な利用が達成される(例えば以下を参照されたい:Bedford et al., Proceedings of the 1st Symposium on Enzymes in Animal Nutrition, 1993, pp.73-77)。したがって、本発明のキシラナーゼを飼料で使用することによって、動物の成長速度及び/又は飼料変換率(すなわち、摂取飼料の質量対体重増加)が改善される。
本発明の動物飼料添加物は、容易に飼料成分と混合することができる顆粒化酵素生成物であってもよい。あるいは、本発明の飼料添加物はプレミックス成分を構成してもよい。本発明の顆粒化酵素生成物は被覆されてもされてなくてもよい。酵素顆粒の粒子サイズは飼料およびプレミックス成分のサイズに適合させることができる。これは、酵素を飼料に取り込ませるために確実で簡単な手段を提供する。あるいは、本発明の動物飼料添加物は安定化された液体組成物であってもよい。前記は水性または油性スラリーでもよい。例えば米国特許6,245,546号を参照されたい。
【0223】
動物飼料または食品の改変で、本発明のキシラナーゼは、前記食品または飼料を(飼料または食品の成分を改変することによって)in vitroでまたはin vivoで処理することができる。キシラナーゼは、大量のキシランを含む動物の飼料または食品組成物(例えば穀類、穀粒などに由来する植物物質を含む飼料または食品)に添加することができる。飼料または食品に添加したとき、キシラナーゼは、キシラン含有材料(例えば植物細胞壁)のin vivo分解を顕著に改善し、それによって植物性栄養物の動物(例えば人間)によるより良好な利用が達成される。ある特徴では、動物の成長速度および/または飼料変換率(すなわち、摂取飼料の質量対体重増加)が改善される。例えば部分的にまたは消化不能のキシランを含むタンパク質が、完全にまたは部分的に本発明のキシラナーゼによって(例えば別の酵素、例えばベータ-ガラクトシダーゼと組み合わされて)ペプチドおよびガラクトースおよび/またはガラクトオリゴマーに分解される。これらの酵素消化生成物は動物によってより消化しやすい。したがって、本発明のキシラナーゼは飼料または食品の利用可能なエネルギーに寄与することができる。さらにまた、キシラン含有タンパク質の分解に寄与することによって、本発明のキシラナーゼは、炭水化物性または非炭水化物性の飼料または食品構成物(例えばタンパク質、脂肪および鉱物)の消化性および取り込みを改善することができる。
別の特徴では、本発明のキシラナーゼは、トランスジェニックな飼料作物(例えばトランスジェニック植物、種子など)、例えば穀粒、穀類、トウモロコシ、ダイズ、アブラナの種子、ルピンなどで前記酵素を直接発現させることによって供給することができる。上記で考察したように、本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含むトランスジェニック植物、植物部分および植物細胞を提供する。ある特徴では、前記核酸は、本発明のキシラナーゼが回収可能な量で産生されるように発現される。本発明のキシラナーゼはいずれの植物または植物部分からも回収することができる。あるいは、前記組換えポリペプチドを含む植物または植物部分は、食物または飼料の質を改善するために、例えば栄養価、賞味性および流動特性を改善するために、または栄養阻害因子を破壊するために用いることができる。
【0224】
ある特徴では、本発明は、本発明のキシラナーゼを用いて、動物が消費する前に飼料からオリゴ糖を除去する方法を提供する。この方法では、代謝可能なエネルギー値が増加した飼料が形成される。本発明のキシラナーゼの他に、ガラクトシダーゼ、セルラーゼおよびその組合せを用いることができる。ある特徴では、酵素は飼料物質の質量の約0.1%から1%に等しい量で添加される。ある特徴では、飼料は穀類、コムギ、穀粒、ダイズ(例えばダイズ粉)である。例えば米国特許6,399,123号を参照されたい。
別の特徴では、本発明は、動物の食物における栄養性サプリメントとして本発明のキシラナーゼを利用する方法を提供する。前記方法は、本発明の配列の連続する少なくとも30アミノ酸を含む組換えキシラナーゼを含む栄養性サプリメントを調製し、前記栄養性サプリメントを動物に与えて動物が摂取する食品に含まれるキシランの利用を高めることによって実施される。
さらに別の特徴では、本発明はペレット化された食用酵素デリバリーマトリックスを提供し、さらに例えば栄養性サプリメントとしてキシラナーゼを動物にデリバリーするために前記を使用する方法を提供する。前記酵素デリバリーマトリックスは、容易にキシラナーゼ酵素(例えば本発明のアミノ酸配列、または前記の連続する少なくとも30アミノ酸を有する酵素)を水性媒体(例えば動物の消化液)中に放出する。本発明の酵素デリバリーマトリックスは、顆粒状の食用担体から調製され、前記担体は、例えば油を搾り取った穀物胚芽、干し草、アルファルファ、チモシー、ダイズ外皮、ヒマワリ種子のひき割り、ひき割りトウモロコシ、ひき割りダイズ、コムギのミッドなどのような、その中に含まれる組換え酵素を水性媒体中に容易に分散させる成分から選択される。使用に際しては、ペレット化された食用酵素デリバリーマトリックスは動物に投与され、動物にキシラナーゼがデリバーされる。適切な穀粒系基質は、任意の適切な食用穀粒(例えばコムギ、トウモロコシ、ダイズ、ソルガム、アルファルファ、オオムギなど)を含むか、またはそれらに由来するであろう。例示的な穀粒系基質はトウモロコシ系基質である。基質は穀粒の適切な任意の部分から得ることができるが、好ましくは動物飼料としての使用が承認されている穀物胚芽、例えば湿式または乾式製粉過程で得られるトウモロコシ胚芽である。好ましくは、穀物胚芽には使用済み胚芽(例えば圧搾またはヘキサンもしくは他の溶媒による抽出によって油を絞りとった穀物胚芽)が含まれる。あるいは、穀物胚芽はエクスペラーで抽出され、すなわち油は圧搾によって抽出されている。
【0225】
本発明の酵素デリバリーマトリックスは別個の複数の粒子、ペレットまたは顆粒の形態を有する。“顆粒”とは、例えばペレット化、抽出または同様な凝縮によって圧縮または凝縮され、マトリックスから水分が除去された粒子を意味する。そのような粒子の圧縮または凝縮は粒子の粒子間結合を促進する。例えば、顆粒は穀粒系基質をペレットミルでペレット化することによって製造することができる。そのようにして製造されたペレットは、動物飼料のアジュバントとして使用するために適した顆粒サイズに磨り潰すか砕かれる。マトリックスそれ自体は動物の飼料での使用が承認されているので、前記は動物飼料における酵素のデリバリーのための希釈剤として用いることができる。
酵素デリバリーマトリックスは、約4から約400メッシュ(USS);さらに好ましくは約8から約80メッシュ;もっとも好ましくは約14から約20メッシュの範囲の顆粒サイズを有する顆粒形で有り得る。前記穀物胚芽が溶媒抽出により抽出される場合、滑沢剤(例えばトウモロコシ油)の使用がペレット生成装置で必要とされるかもしれないが、そのような滑沢剤は、前記胚芽がエクスペラーで抽出される場合は通常は不要である。本発明の他の特徴では、マトリックスは、凝縮または圧縮過程、例えば穀粒系基質をダイから押出し、さらに押出されたもの適切な顆粒サイズに磨り潰すことによって製造される。
酵素デリバリーマトリックスはさらに凝集剤として多糖類成分を含み、マトリックス顆粒の凝集性を強化することができる。凝集剤はさらに新たなヒドロキシル基を提供すると考えられる(ヒドロキシル基はマトリックス顆粒内で顆粒タンパク質間の結合を強化する)。さらにまた、新たなヒドロキシル基はタンパク質とデンプンおよび他のタンパク質との水素結合を強化することによってそのように機能すると考えられている。凝集剤は、酵素デリバリーマトリックスの顆粒の凝集性を強化するために適切な任意の量で存在することができる。適切な凝集剤には1つまたは2つ以上のデキストリン、マルトデキストリン、デンプン、例えばトウモロコシデンプン、小麦粉、セルロシック、ヘミセルロシックなどが含まれる。例えば、マトリックス(酵素を含まない)中の穀物胚芽と凝集剤のパーセンテージは78質量%のひき割りトウモロコシ胚芽および20質量%のトウモロコシデンプンである。
【0226】
本発明の酵素放出マトリックスは生物分解性物質から製造され、さらに水分を含んでいるので、前記マトリックスは(例えばカビの増殖による)腐敗を受ける可能性がある。そのようなカビの増殖を防止または抑制するために、マトリックスはカビ抑制剤、例えばプロピオン酸塩を含むことができ、前記は酵素放出マトリックスのカビの増殖を抑制するために十分な任意の量で存在することができる。したがって本発明は、冷蔵を必要としない安定な処方物中のデリバリーマトリックスを提供する。
本発明の酵素デリバリーマトリックスおよびその方法に含まれるキシラナーゼ酵素は、好ましくは、本明細書に記載の熱安定性キシラナーゼであり、上昇温度および/または蒸気がペレット化酵素デリバリーマトリックスの調製のために利用される製造中にキシラナーゼの不活化に対し耐性を示す。本発明の酵素デリバリーマトリックスを含む飼料の消化中に、水性消化液は活性酵素の放出を引き起こすであろう。他のタイプの熱安定性酵素および熱安定性栄養性サプリメントもまた、任意のタイプの水性条件下で放出されるデリバリーマトリックスに取り込ませることができる。
多くの種々の目的のために(例えば動物の食物に香りまたは栄養性サプリメントを添加するため、胃内条件下での動物飼料サプリメントおよび酵素の放出を遅らせるためなど)、本発明の酵素マトリックス粒子にコーティングを適用することができる。または前記コーティングは、機能的な目的を達成するために、例えばマトリックス粒子から酵素の緩徐な放出を所望するか、または酵素が放出される条件を制御することを所望するときはいつでも適用することができる。コーティング物質の組成は、前記コーティングが感受性を有する因子(例えば熱、酸もしくは塩基、酵素または他の化学物質)によって選択的に分解されるようなものであり得る。あるいは、前記のような種々の分解因子に感受性を有する2つまたは3つ以上のコーティングを連続的にマトリックス粒子に適用してもよい。
本発明はまた、酵素放出マトリックスを製造する方法を目的とする。本発明にしたがえば、前記方法は、酵素放出マトリックスとしての使用に適した粒子サイズの穀粒系基質の複数の別個の粒子を提供することを含み、この場合、前記粒子は本発明のアミノ酸配列または前記の連続する少なくとも30アミノ酸によってコードされるキシラナーゼ酵素を含む。好ましくは、前記方法は、酵素放出マトリックスの粒子を凝縮または圧縮して顆粒にすることを含み、前記はペレット化によって達成することができる。カビの抑制剤および凝集剤を使用するときは、それらは任意の適切なときに添加することができ、さらに、前記は穀粒系基質のペレット化の前に所望の割合で穀粒系基質と混合される。ペレットミル中の飼料の水分含有量は、完成製品中の水分含有量に関して上記で述べた範囲が可能であり、約14−15%であり得る。ある特徴では、水分は酵素の水性調製物の形のフィードストックに添加され、フィードストックを前記の水分含有量にする。ペレットミル中の温度は、蒸気により約82℃にされる。ペレットミルはフィードストックに十分な成果が付与される任意の条件下で操作でき、ペレットが提供される。前記ペレット形成処理自体は、酵素含有組成物から水を除去するための費用効率の高い処理である。
【0227】
ある特徴では、ペレットミルは、1/8インチx2インチのダイを用いて100lb(45.4kg)/分の圧力にて82℃で操作され、ペレットが提供される。続いて、前記ペレットをペレット破砕装置で砕いて、8メッシュのスクリーンを通過することができるが20メッシュスクリーンには保持される粒子サイズを有する別個の複数の粒子を提供する。
本発明の熱安定性キシラナーゼは本発明のペレットで用いることができる。それらは高い至適温度および高い熱耐性を有し、これまで実施されたことがない温度での酵素反応を達成することができる。本発明のキシラナーゼをコードする遺伝子(例えば本発明の配列のいずれかで示されるもの)を、本発明のキシラナーゼの特徴(至適pH、至適温度、耐熱性、溶媒に対する安定性、比活性、基質親和性、分泌能力、翻訳速度、転写制御などに関して)とは異なる特徴を有するキシラナーゼの調製に用いることができる(例えば本明細書に記載したGSSMを用いる)。さらにまた、本発明のポリヌクレオチドを、本明細書に記載した方法によって調製した変種キシラナーゼのスクリーニングに利用し、所望の活性(例えば改善または改変された熱安定性または耐熱性)を有するものを決定することができる。例えば米国特許5,830,732号はキシラナーゼの耐熱性を測定するスクリーニングアッセイを記載している。
本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼはまた、任意の動物飼料、動物の食品または飼料添加物製造方法で用いることができ、この場合、キシラナーゼは抗菌剤または抗微生物剤として用いられる。本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼを任意の動物飼料、動物の食品または飼料添加物組成物に加えることができ、この場合、本発明のキシラナーゼは前記組成物中で抗菌剤または抗微生物剤として作用する。
【0228】
廃棄物処理:
本発明のキシラナーゼは多様な他の工業的用途、例えば廃棄物処理で用いることができる。例えば、ある特徴では、本発明は、本発明のキシラナーゼを用いる固形廃棄物の消化方法を提供する。前記方法は、実質的に未処理の固形廃棄物の体積及び容積を減少させることを含み得る。固形廃棄物は、制御温度で酵素溶液(本発明のキシラナーゼを含む)の存在下で酵素消化過程を用いて処理することができる。前記は、添加微生物による相当な細菌発酵無しに反応を生じる。前記固形廃棄物は液化廃棄物および何らかの残留固形廃棄物に変換される。生じた液化廃棄物は何らかの前記残留固形廃棄物から分離することができる。例えば米国特許5,709,796号を参照されたい。
本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼはまた、任意の廃棄物の処理方法で用いることができるが、この場合、キシラナーゼは抗菌剤または抗微生物剤として用いられる。本発明のまた別の特徴では、本発明のキシラナーゼを任意の廃棄物処理組成物に加えることができ、この場合、本発明のキシラナーゼは前記組成物中で抗菌剤または抗微生物剤として作用する。
【0229】
口腔手入れ製品:
本発明は、本発明のキシラナーゼ(本発明の酵素混合物または“カクテル”を含む)を含む口腔手入れ製品を提供する。例示的な口内手入れ製品には、練り歯磨き、歯磨きクリーム、ゲルまたは歯磨き粉、オドンティクス、口内洗浄液、歯磨き前または歯磨き後の洗浄処方物、チューインガム、ロゼンジまたはキャンデーが含まれる。例えば米国特許6,264,925号を参照されたい。
本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼ(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)はまた、任意の口腔手入れ製品の製造方法で用いることができるが、この場合、キシラナーゼは抗菌剤または抗微生物剤として用いられる。本発明のまた別の特徴では、本発明のキシラナーゼ(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)を任意の口腔手入れ組成物に加えることができ、この場合、本発明のキシラナーゼは前記組成物中で抗菌剤または抗微生物剤として作用する。
【0230】
醸造および発酵:
本発明は、本発明のキシラナーゼ(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)を含むビールの醸造(例えば発酵)方法を提供する。ある例示的な方法では、デンプン含有原料を分解し加工してモルトを形成する。本発明のキシラナーゼは発酵過程の任意の時点で用いられる。例えば、本発明のキシラナーゼをオオムギモルトの加工で用いることができる。ビール醸造の主要な原料はオオムギモルトである。これは三段階の過程であり得る。第一に、オオムギの穀粒を浸漬して水分含有量を、例えば約40%程度に増加させる。第二に、酵素合成がジベレリンの制御下で刺激される3から6日間、15から25℃でインキュベートすることによって、前記穀粒を発芽させることができる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼは前記方法のこの段階(または任意の他の段階)で添加される。本発明のキシラナーゼは、例えば米国特許5,762,991号、5,536,650号、5,405,624号、5.021,246号、4,788,066号に記載されるように、任意のビールまたはアルコール飲料で用いことができる。
ある特徴では、本発明の酵素を用いて、ろ過性および麦芽汁の粘性を改善し、さらに内乳成分のより完全な加水分解を達成する。本発明の酵素の使用はまた抽出物の収量を高めるであろう。本醸造過程は、オオムギの穀粒の発芽(麦芽生成)とその後に続く、単純糖(酵母がアルコール発酵に利用する)生成のための貯蔵炭水化物の抽出および分解を含む。オオムギの内乳に存在する炭水化物貯蔵物および醸造付加物の効率的な分解にはいくつかの異なる酵素活性が必要である。
ある特徴では、本発明の酵素は、例えば40℃から70℃の温度範囲で、わずかに酸性pH(例えば5.5−6.0)で活性を有し、さらにある特徴では95℃で不活化される。前記のような条件下での活性は最適であろうが、有効性のための必須の要件ではない。ある特徴では、本発明の酵素は、40−75℃にてpH5.5−6.0で活性を有し、70℃では少なくとも50分間安定であり、さらにある特徴では、96−100℃では不活化される。本発明の酵素は他の酵素(例えばベータ-1,4-エンドグルカナーゼおよびアミラーゼ)とともに用いることができる。
本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼ(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)はまた、任意の醸造または発酵処理で用いることができるが、この場合、キシラナーゼは抗菌剤または抗微生物剤として用いられる。本発明のまた別の特徴では、本発明のキシラナーゼを任意の醸造または発酵組成物に加えることができ、この場合、本発明のキシラナーゼは前記組成物中で抗菌剤または抗微生物剤として作用する。
【0231】
バイオマス変換およびバイオ燃料製造:
本発明は、本発明の酵素(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)を用いる、バイオマスの、例えばバイオ燃料(例えばバイオエタノール、バイオメタノール、バイオプロパノールおよび/またはバイオブタノールなど)への変換のための方法および処理工程を提供する。したがって、本発明は、本発明のポリペプチド(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)または本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む燃料(例えばバイオ燃料)を提供する。また別の特徴では、前記燃料は植物材料に由来し、前記植物材料は、場合によってジャガイモ、ダイズ(ナタネ)、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ、エンバク、コムギ、テンサイまたはサトウダイコンを含み、さらに場合によって前記燃料はバイオエタノールまたはガソリン-エタノール混合物を含む。
本発明は燃料を製造する方法を提供し、前記方法は、キシラン、ヘミセルロース、セルロースまたは発酵性糖を含む組成物を、本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドまたは本発明の混合物または“カクテル“もしくは製品のいずれかと接触させることを含む。また別の実施態様では、キシラン、ヘミセルロース、セルロースまたは発酵性糖を含む組成物は、植物、植物生成物または植物誘導体を含み、さらに前記植物または植物生成物は、サトウキビまたはその生成物、テンサイまたはサトウダイコン、コムギ、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、イネまたはオオムギを含むことができる。また別の実施態様では、前記ポリペプチドは、内部β-1,4-キシロシド結合またはエンド-β-1,4-グルカナーゼ結合の加水分解を触媒する作用および/または直鎖多糖類ベータ-1,4-キシランをキシロースに分解する作用を含む活性を有する。ある特徴では、前記燃料は、バイオエタノールもしくはガソリン-エタノール混合物、またはバイオプロパノールもしくはガソリン-プロパノール混合物、またはバイオブタノールもしくはガソリン-ブタノール混合物、またはバイオメタノールもしくはガソリン-メタノール混合物、または前記の任意の組合せを含む。
本発明はバイオエタノール、バイオブタノール、バイオメタノールおよび/またはバイオプロパノールを製造する方法を提供し、前記方法は、キシラン、ヘミセルロース、セルロースまたは発酵性糖を含む組成物を、本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドまたは本発明の混合物もしくは“カクテル”もしくは製品のいずれかと接触させることを含む。また別の実施態様では、セルロースまたは発酵性糖を含む組成物は、植物、植物生成物または植物誘導体を含み、さらに前記植物または植物生成物は、サトウキビまたはその生成物、テンサイまたはサトウダイコン、コムギ、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、イネまたはオオムギを含むことができ、前記ポリペプチドは、セルラーゼ、グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、キシラナーゼ、マンナナーゼ、β-キシロシダーゼおよび/またはアラビノフラノシダーゼ活性を含む活性を有することができる。
【0232】
本発明は、セルロース系およびヘミセルロース系ポリマー、キシランおよび多糖類を代謝可能な炭素部分に脱ポリマー化するための、本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む酵素アンサンブルまたは“カクテル“を提供する。また別の実施態様では、前記ポリペプチドは、内部β-1,4-キシロシド結合またはエンド-β-1,4-グルカナーゼ結合の加水分解を触媒する作用および/または直鎖多糖類ベータ-1,4-キシランをキシロースに分解する作用を含む活性を有する。本発明の酵素アンサンブルまたは“カクテル“は、例えば製品として組成物の形態(例えば処方物、液体または固体)であってもよい。本発明はさらに、セルロース系およびヘミセルロース系ポリマー、キシランおよび多糖類をより単純な部分(例えば糖)に脱ポリマー化するための酵素類、酵素アンサンブルまたは“カクテル“を提供する(前記のより単純な部分は続いて微生物による発酵を経てコハク酸、乳酸または酢酸のような生成物が生成される)。
本発明は、ヘミセルロースおよびセルロース加水分解性酵素の混合物(または“カクテル“)を含む組成物(製品、酵素アンサンブルまたは“カクテル“を含む)を提供する。前記キシラン加水分解性酵素は、本発明のキシラナーゼの各々の少なくとも1つ、およびセルラーゼ、グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはβ-グルコシダーゼの少なくとも1つ、いくつかまたは全部を含む。また別の実施態様では、本発明のキシラン加水分解性および/またはヘミセルロース加水分解性混合物は、本発明のキシラナーゼの各々の少なくとも1つ、およびβ-キシロシダーゼおよび/またはアラビノフラノシダーゼの少なくとも一方または両方を含む。
本発明は、セルラーゼ、グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはアラビノフラノシダーゼの少なくとも1つ、いくつかまたは全部、および本発明のキシラナーゼを含む、キシラン加水分解性、ヘミセルロース-および/またはセルロース-加水分解性酵素の混合物(または“カクテル“)を含む組成物(製品、酵素アンサンブルまたは“カクテル“を含む)を提供する。
本発明は、セルラーゼ、グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、キシラナーゼ、β-グルコシダーゼの少なくとも1つ、いくつかまたは全部、および少なくとも1つの本発明の酵素を含む、キシラン加水分解性、ヘミセルロース-および/またはセルロース-加水分解性酵素の混合物(または“カクテル”)を含む組成物(製品、酵素アンサンブルまたは“カクテル”を含む)を提供する。
本発明は、本発明の少なくとも1つの酵素のほかに以下を含む、酵素の混合物(または“カクテル”)を含む組成物(製品、酵素アンサンブルまたは“カクテル“を含む)を提供する:(1)内部β-1,4結合を切断し、より短いグルコオリゴ糖を生じるグルカナーゼ、(2)“エキソ”態様で作用して進行的にセロビオースユニット(β-1,4グルコース−グルコース二糖類)を遊離させるセロビオヒドロラーゼ、および/または(3)短いセロオリゴ糖(例えばセロビオース)からグルコースモノマーを遊離させるβ-グルコシダーゼ。
【0233】
バイオマス変換およびクリーンなバイオ燃料の製造:
本発明は、本発明の酵素(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)を用いる、バイオマスまたは任意の有機材料(例えば任意のキシラン含有材料またはリグノセルロース系材料(例えばキシラン、セルロース、ヘミセルロースおよび/またはリグニンを含む任意の組成物))を、飼料、食品、食品もしくは飼料サプリメント(添加物)、医薬および化学物質の他に、燃料(例えばバイオディーゼルを含むバイオ燃料(例えばバイオエタノール、バイオブタノール、バイオメタノールおよび/またはバイオプロパノール)へ変換するのための組成物および処理工程を提供する。したがって、本発明の組成物および方法は、例えばバイオ燃料(例えばバイオエタノール、バイオブタノール、バイオメタノールおよび/またはバイオプロパノール)およびガソリンおよび/またはディーゼル燃料の混合物として、石油系生成物の使用に対して効果的で持続性のある代替物または付加物を提供する。
本発明は、天然のバイオマス(例えば植物)変換を含む化学反応サイクルに加わえられる本発明の酵素を発現する細胞および/または生物を提供する(前記細胞または生物は、異種核酸として本発明の核酸を含む)。ある特徴では、前記変換用酵素および方法は、キシラン含有組成物またはキシラン、セルロース系およびヘミセルロース系ポリマーの代謝性炭素部分への効率的な脱ポリマー化のために酵素アンサンブル(または“カクテル“)で用いられる。本発明は、これら重要で新規な“バイオマス変換”および代替エネルギー工業処理工程を可能にするもっとも有効な酵素を発見および提示する方法を提供する。
本発明は、セロオリゴ糖、アラビノキシランオリゴマー、リグニン、リグノセルロース、キシラン、グルカン、セルロースおよび/または発酵性糖を含む材料(例えばバイオマス材料)を処理するための方法、酵素類および酵素混合物または“カクテル“を提供する。前記方法は、前記組成物を本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドと接触させる工程を含み、場合によって前記材料は農作物(例えばコムギ、オオムギ、ジャガイモ、スイッチグラス、ポプラ材)に由来するか、または食品もしくは飼料の副産物であるか、リグノセルロース系廃棄生成物であるか、または植物残留物もしくは古紙もしくは紙製品廃棄物であり、さらに場合によって前記植物残留物は、茎、葉、外皮、殻、トウモロコシもしくはトウモロコシの穂軸、トウモロコシの茎葉、トウモロコシのひげ根、干し草、わら(例えば稲わらまたは麦わら)、サトウキビバガス、サトウダイコンパルプ、かんきつ類パルプおよびかんきつ類の皮、木材シンニング(thinning)、木材チップ、木材パルプ、パルプ廃棄物、木材廃棄物、木材削り屑およびおがくず、建築および/または解体廃棄物および屑(例えば木材、木材削り屑およびおがくず)であり、さらに場合によって、前記古紙は、廃棄もしくは使用済みコピー用紙、コンピュータプリント用紙、ノート用紙、便箋用紙、タイプライター用紙、新聞紙、雑誌類、厚紙および紙製包装材およびリサイクル紙材料を含む。さらにまた、都市廃棄物、例えば自治体の固形廃棄物の紙部分、自治体の木材廃棄物、および自治体の植物系廃棄物を、糖、デンプンおよび/またはセルロースを含む他の材料とともに用いることができる。場合によって、前記材料(例えばバイオマス材料)の処理によって、バイオアルコール(例えばバイオエタノール、バイオメタノール、バイオブタノールまたはバイオプロパノール)が生成される。
あるいは、本発明のポリペプチドは、バイオマス植物材料またはフィードストックそれ自体中で発現させることができる。
本発明の方法はまた、変換されたバイオマス(例えばリグノセルロース)材料(本発明の酵素によって処理されている)を採取し、発酵によっておよび/または化学的合成によって、前記を燃料(例えばバイオ燃料、例えばバイオエタノール、バイオメタノール、バイオブタノール、バイオプロパノールまたはバイオディーゼル)にする工程を含む。ある特徴では、前記生成された糖を発酵させるか、および/または非発酵生成物はガス化される。
本発明の方法はまた、藻類、植物性ヴァージン油、植物性廃棄油、動物の脂肪およびグリース(例えばた獣脂、ラード、およびイエローグリース)または下水を本発明の酵素で変換し、発酵によりおよび/または化学的合成または変換により、前記を燃料(例えばバイオアルコール、例えばバイオエタノール、バイオメタノール、バイオブタノール、バイオプロパノールまたはバイオディーゼル)にする工程を含む。
本発明の酵素(例えば本発明の組換え酵素を生成し、さらにいくつかの特徴では前記を分泌する生物、例えば微生物(例えば菌類、酵母または細菌)または植物および植物細胞および植物部分(例えば種子)を含む)は、任意の有機材料/バイオマス変換処理の任意の段階で(例えば任意の1つの工程、いくつかの工程、または含まれる全ての工程で)、またはバイオマス変換処理の以下の方法の全て、またはこれらバイオ燃料代替物の全てで用いられるか、または加えられ/組み込まれ得る:
直接燃焼:直接加熱による材料の燃焼はもっとも単純なバイオマス技術であり、バイオマス供給源が付近に存在する場合は非常に経済的である。
1.
熱分解:熱分解は酸素の非存在下での加熱によるバイオマスの熱分解である。ある特徴では、バイオマスは華氏800度から1400度の間の温度で加熱されるが、燃焼に必要な酸素が導入されず、気体、燃料油および木炭を生じる。
2.
ガス化:バイオマスを用いて、加熱または嫌気的消化によりメタンを生成することができる。合成ガス(一酸化炭素と水素の混合物)はバイオマスから誘導することができる。
ゴミ投棄場ガス:ゴミ投棄場ガスは、ゴミ投棄場に埋められたゴミの分解によって生じる。有機性廃棄物が分解するとき、約50%のメタン(天然ガスの主要成分)から成るガスが発生する。
−
嫌気的消化:嫌気的消化は、有機材料をメタン(天然ガスの主要成分)と二酸化炭素の混合物に変換する。ある特徴では、バイオマス(例えば廃水(下水))、肥料、または植物加工廃棄物を水と混合し、空気を添加せずに消化タンクに供給する。
−
発酵:
アルコール発酵:燃料アルコールは、セルロース系物質および/またはデンプンを糖に変換し、前記糖をアルコールに発酵させ、続いてアルコールと水の混合物を蒸留により分離することによって生成される。フィードストック、例えば専用作物(コムギ、オオムギ、ジャガイモ、スイッチグラス、ポプラ材)、農業残留物および廃棄物(例えば稲わら、トウモロコシ茎葉、麦わら、サトウキビバガス、籾殻、トウモロコシのひげ根、サトウダイコンパルプ、かんきつ類パルプおよびかんきつ類の皮)、森林廃棄物(例えば硬木および軟木のシンニング、林業由来の硬木および軟木の残留物、木材の削り屑およびおがくず)、都市廃棄物(例えば自治体の固形廃棄物の紙部分、自治体の木材廃棄物、自治体の植物系廃棄物)、木材廃棄物(製材所廃棄物、パルプミル廃棄物、建築廃棄物、解体廃棄物、木材削り屑およびおが屑)および古紙、または糖、デンプンおよび/またはセルロースを含む他の材料を、酵母による発酵によって糖に、続いてアルコールに変換することができる。あるいは、発酵によって糖を含む材料を直接アルコールに変換することができる。
−
トランスエステル化:油をバイオディーゼルに変換する例示的反応はトランスエステル化と呼ばれる。トランスエステル化処理では、アルコール(例えばメタノール)を植物油、動物脂肪またはリサイクル獣脂に含まれるトリグリセリドと反応させ、脂肪酸アルキルエステル(バイオディーゼル)およびグリセリンが生成される。前記反応は、熱および強塩基触媒(例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)を必要とする。
−バイオディーゼル:バイオディーゼルは、植物油、動物脂肪またはリサイクル獣脂から生成される脂肪酸アルキルエステルの混合物である。バイオディーゼルは、その純粋な形態で運搬手段のための燃料として用いることができるが、しかし通常、前記は石油ディーゼル添加物として用いられ、ディーゼル駆動式運搬手段に由来する粒子状物質、二酸化炭素、炭水化物および大気中有害物質のレベルが削減される。
加水分解:本発明の酵素を用いて触媒される、化合物(例えばバイオマス(例えばリグノセルロース系材料))の加水分解が含まれる。
同時エネルギー生成(cogeneration):同時エネルギー生成はただ1つの燃料および施設を用いた2つ以上のエネルギー形態の同時生成である。ある特徴では、バイオマス共同エネルギー生成は熱および電気の両方を生成するので、バイオマス単独エネルギー生成よりも潜在力の高い成長を示す。
【0234】
ある特徴では、本発明のポリペプチドは、有機材料からバイオディーゼルまたは燃料(例えばバイオアルコール、例えばバイオエタノール、バイオメタノール、バイオブタノールもしくはバイオプロパノールまたはバイオディーゼル)を生成するために十分な酵素活性(例えばキシラナーゼ、マンナナーゼおよび/またはグルカナーゼ活性)を有するか、または前記を生成するために他の酵素とともに用いることができる。前記有機材料は、例えばバイオマス、例えば植物および動物に由来する組成物であって、任意の農作物または他の取替え可能なフィードストック、農業残留物または動物排泄物、自治体および工業廃棄物の有機成分、建築もしくは解体廃棄物または屑、または微生物(例えば藻類または酵母)が含まれる。
ある特徴では、本発明のポリペプチドは、有機材料(例えばバイオマス、例えばリグノセルロースバイオマス)をバイオ燃料(例えばバイオエタノール、バイオメタノール、バイオブタノールまたはバイオプロパノール)に変化させる処理で用いられるか、そうでなければバイオ材料がバイオ燃料(ディーゼルまたはバイオエタノール、バイオメタノール、バイオブタノールもしくはバイオプロパノールを含む)として用いることができるように、それらバイオ材料を加水分解または消化するための処理で用いられるか、またはバイオマスが燃料に加工されやすいようにするために用いられる。また別の特徴では、本発明のポリペプチドは、アルコール(例えばメタノール、ブタノール、プロパノール、エタノール)を、植物油、動物脂肪またはリサイクル獣脂に含まれるトリグリセリド油と反応させて、脂肪酸アルキルエステル(バイオディーゼル)およびグリセリンを生成するトランスエステル化処理のための方法で用いられる。ある特徴では、バイオディーゼルはダイズ油またはリサイクルした料理用油から製造される。動物の脂肪、他の植物油および他のリサイクル油もまたバイオディーゼルの生成に用いることができ、それらのコストおよび入手性に左右される。別の特徴では、全種類の脂肪および油の混合物を用いて本発明のバイオディーゼル燃料が生成される。
本発明の酵素はまたグリセリン精製で用いることができる。グリセリン副産物は、未反応触媒および酸で中和される石鹸を含む。水およびアルコールを除去して50%から80%の粗グリセリンが生成される。残余に夾雑物には未反応脂肪および油が含まれ、前記は本発明のポリペプチドを用いて処理することができる。本発明の大規模なバイオディーゼルプラントでは、製薬および化粧品工業のために、グリセリンはさらに精製、例えば99%以上の純度に精製される。
【0235】
本発明のポリペプチド(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)を用いて製造した燃料(バイオアルコール、例えばバイオエタノール、バイオメタノール、バイオブタノールもしくはバイオプロパノールまたはバイオディーゼルを含む)は、燃料酸素添加剤とともに用いて、燃焼特性を改善することができる。酸素添加はより完全な燃焼をもたらし、これによって一酸化炭素の放出が減少する。前記は、石油燃料をバイオ燃料(例えば本発明の燃料)で置き換えることのまた別の環境的利点である。本発明の組成物および/または方法を用いて製造されるバイオ燃料をガソリンと混合してE10ブレンド(約5%から10%のエタノールおよび約90%から95%のガソリン)を生成することができるが、バイオ燃料はより高濃度(例えばE85として)またはその純粋形で用いてもよい。本発明の組成物および/または方法を用いて製造したバイオ燃料を石油ディーゼルと混合してB20ブレンド(20%のバイオディーゼルと80%の石油ディーゼル)を生成することができるが、ただし他の混合レベルもB100(純粋なバイオディーゼル)まで用いることができる。
ある特徴では、本発明のポリペプチドは、有機材料(例えばバイオマス、例えばリグノセルロース系バイオマス)をメタノール、ブタノール、プロパノールおよび/またはエタノールに変換するための方法で用いられる。本発明はまた、有機材料(例えばバイオマス、例えばリグノセルロース系バイオマス)を含む組成物からエタノール(“バイオエタノール”)、メタノール、ブタノールおよび/またはプロパノールを製造する方法を提供する。有機材料(例えばバイオマス、例えばリグノセルロースバイオマス材料)は、農作物から、食品もしくは飼料生成物の副産物として、またはバイオマス廃棄生成物(例えば植物残留物および古紙または建築および/または解体廃棄物または廃棄屑)として入手することができる。本発明のポリペプチドによる処理に適した植物残留物の例には、穀粒、種子、茎、葉、外皮、殻、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの茎葉、わら、草(例えばインデアングラス、例えばソルガストルム・ヌータンス(Sorghastrum nutans)、またはスイッチグラス、例えばパニクム種、例えばパニクム・ヴィルガツム(Panicum Panicum virgatum)などが、木材、木材チップ、木材パルプおよびおがくずとともに含まれる。本発明のポリペプチドによる処理に適した紙廃棄物には廃棄コピー用紙、コンピュータプリント用紙、ノート用紙、便箋用紙、タイプライター用紙などが、新聞紙、雑誌類、厚紙および紙製包装材とともに含まれる。建築および解体廃棄物並びに屑の例には木材、木材スクラップ、木材削り屑およびおが屑が含まれる。
【0236】
ある特徴では、本発明の酵素および方法は、バイオマスからメタノール、ブタノール、プロパノールおよび/またはエタノールを製造する、より“伝統的な”手段と一緒に用いることができる。例えば、前記慣用的な方法は、リアクター内の乾燥バイオマスを強酸と金属塩の希釈溶液(前記はセルロース加水分解の活性化エネルギーまたは温度を低下させ、より高収量で糖を得ることを可能にする)に含まれる触媒に付すことによって、バイオマス(例えばリグノセルロース系材料)を加水分解することを含む(例えば米国特許6,660,506号、6,423,145号を参照されたい)。
本発明の酵素の使用を含むまた別の例示的方法は、キシラン、ヘミセルロース、セルロースおよび/またはリグニンを含むバイオマスを加水分解することを含み、前記方法は、セルロースのグルコースへの主要な脱ポリマー化を引き起こすことなく主としてヘミセルロースの脱ポリマー化を達成するために選択した温度および圧力下で水性媒体中にて前記材料を第一段階の加水分解工程に付す工程によって実施される。前記工程はスラリーを生じ、前記スラリーの水性流動相は、ヘミセルロースの脱ポリマー化により生じた溶解単糖類を含み、固体支持体はセルロースおよびリグニンを含む。第二段階の加水分解工程は、セルロースの少なくとも1つの主要部分が脱ポリマー化される条件を含み、前記工程は、溶解/可溶性脱ポリマー化セルロース生成物を含む水性流動相を生じる。例えば米国特許5,536,325号を参照されたい。本発明の酵素はこの例示的方法の任意の段階で添加することができる。
本発明の酵素の使用を含むまた別の例示的方法は以下の工程を含む:約0.4から2%の強酸を用い、1回または2回以上の希薄な酸による加水分解によってバイオマス材料を処理する工程、および酸加水分解バイオマス材料の未反応固形リグノセルロース系成分をアルカリによる脱リグニン化によって処理し、生物分解性熱可塑性物質の前駆体および誘導体を生成する工程。例えば米国特許6,409,841号を参照されたい。本発明の酵素はこの例示的方法の任意の段階で添加することができる。
本発明の酵素の使用を含むまた別の例示的方法は以下の工程を含む:予備加水分解リアクター中のバイオマス(例えばリグノセルロース系材料)を予備加水分解する工程、前記固形リグノセルロース系材料に酸性液を添加して混合物を形成する工程、前記混合物を反応温度に加熱する工程、前記リグノセルロース系材料から生じる少なくとも約20%のリグニンを含む可溶化部分およびセルロース含有固形分画を分別するために十分な時間、反応温度を維持する工程、固形分画中のセルロースが酵素消化をより受けやすい反応温度または反応温度近くで前記可溶化部分を前記固形分画から除去する工程、および可溶化部分を回収する工程。例えば米国特許5,705,369号を参照されたい。本発明の酵素はこの例示的方法の任意の段階で添加することができる。
【0237】
本発明は、本発明の酵素および方法を用いることによって製造される燃料級アルコールと混合した液体炭化水素を土台にしたモーター用燃料組成物(例えば火花点火モーター用)を製造する方法を提供する。ある特徴では、本発明の酵素を使用することによって製造した燃料は、例えば石炭ガス液体エタノールまたは天然ガス液体エタノール混合物を含む。ある特徴では、補助溶媒は、バイオマス誘導2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF)である。例えば米国特許6,712,866号を参照されたい。
ある特徴では、バイオマス(例えばリグノセルロース系材料)を酵素分解して、バイオマスまたは任意の有機材料から例えばバイオ燃料(例えばエタノール)を生成する本発明の方法はまた、バイオマス材料の超音波処理の使用を含むことができる。米国特許6,333,181号を参照されたい。
別の特徴では、バイオマス(例えばセルロース系)基質からバイオ燃料(例えばエタノール(バイオエタノール))を生成する本発明の方法は以下の工程を含む:バイオマス(例えばセルロース系)基質、本発明の酵素および発酵因子(例えば反応容器、例えば半継続的固体供給バイオリアクター内に)を含むスラリーの形状にある反応混合物を提供する工程、および発酵反応を開始および維持するために十分な条件下で反応混合物を反応させる工程(例えば米国特許出願20060014260に記載)。ある特徴では、実験的計算または理論的計算によって最適供給頻度を決定することができる。ある特徴では、追加量のバイオマス(例えばセルロース系)基質および酵素が、最適化供給頻度にしたがってある間隔で反応容器に供給される。
本発明のバイオ燃料およびバイオディーゼルを製造するためのある例示的方法は米国特許出願20050069998、20020164730に記載されてあり、ある特徴では、バイオマス(例えばリグノセルロース系材料)をすり潰し(例えば15−30mmのサイズに)、得られた生成物を1から10分間リアクター内で蒸気爆発前処理(例えば190−230℃の温度で)に付し、前記前処理材料をサイクロンまたは関連する製造製品中で採集し、さらにろ過圧縮により液体分画および固形分画を分離し発酵床に前記固形分画を導入して本発明の1つまたは2つ以上の酵素を導入する工程を含み、ある特徴では、別の酵素、例えばセルラーゼおよび/またはベータ-グルコシダーゼ酵素(例えばpH4.8のクエン酸緩衝液に溶解)もまた添加される。
【0238】
本発明の酵素を用いて本発明のバイオ燃料およびバイオディーゼル(メタノール、ブタノール、プロパノールおよび/またはエタノールを含む)を製造するまた別の例示的方法は、バイオマス(例えばリグノセルロース系)フィードストック(少なくともキシラン、ヘミセルロースおよび/またはセルロースを含む)を含む出発材料を前処理する工程を含む。ある特徴では、前記出発材料は、ジャガイモ、ダイズ(ナタネ)、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ、エンバク、コムギ、テンサイまたはサトウキビ、または食品もしくは飼料製造の副産物の成分もしくは廃棄物を含む。前記出発材料(“フィードストック”)は、植物の繊維構造を破壊してバイオマス(例えばヘミセルロースおよび/またはセルロース)の少なくとも部分的な加水分解を達成する条件下で反応させる。破壊条件は、例えば出発材料を180℃から270℃の平均温度、pH0.5から2.5で約5から60秒、または220℃から270℃の温度、pH0.5から2.5で5から120秒、または同等な条件に付すことを含むことができる。前記によって、酵素(例えば本発明のセルラーゼ酵素)による消化がより容易になるフィードストックが生成される(米国特許6,090,595号)。
バイオマス(例えばリグノセルロース系材料)の本発明の酵素による加水分解のための例示的条件には、約30℃から48℃の間の温度および/または約4.0から6.0の間のpHでの反応が含まれる。他の例示的条件には、約30℃から60℃の間の温度および約4.0から8.0の間のpHが含まれる。
【0239】
バイオ燃料および生物学的に生成されるアルコール:
本発明は、本発明の組成物(例えば酵素および核酸、並びにトランスジェニック植物、動物、種子および微生物)および方法を用いて、バイオ燃料および合成燃料(液体および気体(例えば合成ガス)並びに生物学的に生成されるアルコールを含む)、並びにそれらを製造する方法を提供する。本発明は、本発明の酵素、核酸、トランスジェニック植物、動物(例えば微生物、例えば細菌または酵母)および/または種子を含むバイオ燃料および生物学的に生成されるアルコールを提供する。ある特徴では、これらのバイオ燃料および生物学的に生成されるアルコールはバイオマスから生成される。
本発明は、生物学的に生成されるアルコール、例えば本発明の方法によって生成されるエタノール、メタノール、プロパノールおよびブタノールを提供する(本発明の方法は、発酵(加水分解)を介してアルコール燃料を生成する本発明の微生物および酵素の作用を含む)。
【0240】
液体または気体ガソリンとしてのバイオ燃料:
本発明は、バイオ燃料および合成燃料を気体またはガソリン(例えば合成ガス)の形態で提供する。ある特徴では、本発明の方法は、天然のバイオマスの変換のための化学的サイクルのために、例えばバイオマスを加水分解してバイオ燃料(例えばバイオエタノール、バイオプロパノール、バイオブタノールまたはバイオメタノール)または合成燃料を液体の形態でまたは気体(例えば“合成ガス”)として製造するために、本発明の酵素を使用することを含む。
例えば、本発明は、本発明のポリペプチドを用いて製造されるか、または本発明の方法を用いて製造される、バイオエタノール、バイオプロパノール、バイオブタノールおよび/またはバイオメタノールを含むバイオ燃料ガスおよび合成ガス燃料(“合成ガス”)を製造する方法を提供し、ある特徴では、本発明のこのバイオ燃料ガスは、天然ガス(これもまたバイオマスから合成することができる)、例えば水素または炭化水素系ガス燃料と混合される。
ある特徴では、本発明は、ガス化によってバイオマスを合成燃料、例えば合成ガス(例えばバイオマスから生成される合成ガス)に加工する方法を提供する。ある特徴では、本発明は、サトウキビ(例えばバガス)からエタノール、プロパノール、ブタノールおよび/またはメタノールガスを製造する方法を提供する。ある特徴では、この燃料(またはガス)は内燃機関の燃料(例えば自動車、トラック、飛行機、船、小型エンジンなどの燃料)として用いられる。ある特徴では、本発明は、植物(例えばトウモロコシ)、または植物生成物(例えば干し草またはわら(例えば稲わらまたは麦わら)または任意の穀物植物の任意の乾燥茎))または農業廃棄物からエタノール、プロパノール、ブタノールおよび/またはメタノールを製造する方法を提供する。セルロース系エタノール、プロパノール、ブタノールおよび/またはメタノールは、植物(例えばトウモロコシ)、または植物生成物(例えば干し草またはわら)または農業廃棄物から製造することができる(例えばIogen Corporation of Ontario(Canada)によって加工されるとおり)。
ある特徴では、本発明の方法または組成物を用いて製造されるエタノール、プロパノール、ブタノールおよび/またはメタノールは、燃料(例えばガソリン)の添加物(例えば酸素付加剤)として用いるか、または燃料として直接用いてもよい。例えば、本発明の方法によって製造されるエタノール、プロパノール、ブタノールおよび/またはメタノール(燃料を含む)は、エチル三級ブチルエーテル(ETBE)またはETBT混合物、例えばバイオ燃料として47%エタノールを含むETBTと、またはMTBE(メチル三級ブチルエーテル)と混合することができる。別の特徴では、本発明の方法によって製造されるエタノール、プロパノール、ブタノールおよび/またはメタノール(燃料を含む)は、以下と混合することができる:
【0241】
本発明の方法によって(例えば本発明の酵素を用いて)製造されるブタノールおよび/またはエタノールは、 “A.B.E.”(アセトン、ブタノール、エタノール)発酵を用いてさらに加工することができ、ある特徴では、ブタノールはただ1つの液体生成物である。ある特徴では、このブタノールおよび/またはエタノールを、既存のガソリンエンジンで“そのまま(straight)”燃焼させて(自動車のエンジンに改変されることなく)、より多くのエネルギーを生成し、さらに腐食性が少なくエタノールよりも水溶性が低く、さらに既存のインフラを通して供給することができる。
本発明はまた混合アルコールを提供し、この場合、前記アルコールの1つ、いくつかまたは全てが、本発明の少なくとも1つの方法(例えば本発明の酵素を用いる)を含む処理によって製造される。前記混合アルコールは、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールおよびヘプタノールの混合物、例えばECALENE
TM(Power Energy Fuels, Inc., Lakewood, CO)、例えば以下を含む:
【0242】
ある特徴では、これらアルコールの1つ、いくつかまたは全てが、本発明の酵素を用い本発明の処理工程によって製造され、前記処理工程は、さらにバイオマスの液体変換(biomass-to-liquid)技術、例えばガス化処理工程を含み、触媒合成を伴うかまたはバイオマスの混合アルコール燃料へのバイオ変換を伴って合成ガスを生成することができる。
本発明はまた、“ガスの液体変換”(もしくはGTL)または“石炭の液体変換”(もしくはCTL)または“バイオマスの液体変換”(もしくはBTL)または“油砂の液体変換”(もしくはOTL)処理工程を組み込んだ(または前記に組み込まれた)本発明の酵素の使用を含む処理工程を提供し、ある特徴では、本発明の処理工程は合成燃料の製造に用いられる。ある特徴では、本発明のこれらの処理工程の1つは、例えば、いわゆる“フィッシャー-トロプシュ”処理工程を用いて、バイオマスからバイオ燃料(例えば合成燃料)を製造することを含む(フィッシャー-トロプシュ処理工程は一酸化炭素および水素が種々の形態の液体炭化水素に変換される化学触媒反応であり、使用される典型的な触媒は鉄またはコバルトを土台にしている。この処理工程の主要な目的は、合成潤滑油または合成燃料として使用される合成石油代替物を生成することである)。ある特徴では、本発明のこの合成バイオ燃料は酸素を含むことができ、高品質ディーゼルおよびガソリンの添加物として用いることができる。
また別の特徴では、本発明の処理工程は多様な前処理を用い、前記前処理は、物理的、化学的および多重前処理(物理的処理+化学的処理)の3つのカテゴリーに分類することができる。任意の化学物質、例えば酸、アルカリ、気体、セルロース溶媒、アルコール、酸化剤および還元剤を前処理剤として用いることができる。これらの化学物質の中で、とりわけアルカリが、比較的高価でなくセルロースのより穏やかな分解をもたらすので、もっとも好まれる前処理剤である。一般的なアルカリである水酸化ナトリウムおよび石灰もまた前処理剤として用いることができる。水酸化ナトリウムはバイオマスの消化性を顕著に高めるが、リサイクルすることが困難であり、比較的高価で取扱いに危険を伴う。対照的に、石灰は多くの利点を有する。すなわち、石灰は安全で非常に安価であり、洗浄水を二酸化炭素で炭酸化することによって回収することができる。
【0243】
ある特徴では、本発明は、バイオマス、例えばサトウキビ(例えばバガス、精糖所で処理されたサトウキビの成分)中の多糖類を加水分解することができる多重酵素系(少なくとも1つの本発明の酵素を含む)を提供する。ある特徴では、バイオマスは、生物(例えばトランスジェニック動物、植物、形質転換微生物)および/または本発明の酵素を発現する副産物(例えば収穫した植物、果実、種子)によって生成される本発明の酵素によって処理される。ある特徴では、前記酵素は、燃料に変換されるべき植物またはバイオマスによって生成された組換え酵素であり、例えば本発明は、本発明の酵素を含むトランスジェニックサトウキビバガスを提供する。ある特徴では、本発明の方法で用いられるこれらの組成物および生成物は、天然のバイオマスの変換、例えばバイオ燃料(例えばバイオエタノール、バイオプロパノール、バイオブタノール、バイオメタノール、液体もしくはガスの形態の合成燃料(例えば“合成ガス”))を製造するためのバイオマスの加水分解のための化学サイクルを含む。
ある特徴では、本発明は、嫌気性菌による有機材料の嫌気的消化の処理工程によって生成されるバイオ燃料(例えばバイオガス)を提供する(前記嫌気的消化処理工程は本発明の酵素または本発明の方法の使用を含む)。このバイオ燃料(例えばバイオガス)は、生物消化性廃棄材料から生成されるか、またはガス収量を補うために嫌気性消化菌に供給されるエネルギー作物の使用によって生成される。固形の産出物、消化物もまたバイオ燃料として用いることができる。
ある特徴では、本発明は、メタンを含むバイオ燃料(例えばバイオガス)を提供し、前記処理工程は本発明の酵素または本発明の方法の使用を含む。このバイオ燃料(例えばバイオガス)は、工業的な嫌気性消化菌および機械的生物学的処理システムで回収することができる。本発明の酵素または本発明の方法を用いてゴミ投棄場ガスをさらに処理することができる(処理前には、ゴミ投棄場ガスは、天然に発生する嫌気的消化によりゴミ投棄場で生成される、よりクリーンでないバイオガスの形態を有し得る)。逆説的に、ゴミ投棄場ガスを大気中に分散させるならば、前記は強力な温室効果ガスである。
【0244】
本発明は、種々の廃棄物から生物学的に生成される油およびガスを製造する方法を提供し、前記処理工程は本発明の酵素または本発明の方法の使用を含む。ある特徴では、これらの方法は、廃棄物を熱により脱ポリマー化してメタンおよび石油に類似する他の油を抽出するか、または例えば、非毒性の光合成藻類を利用し煙突内のガスを採取しバイオ燃料(例えばバイオディーゼル、バイオガスおよび石炭に匹敵する乾燥燃料を生成するバイオリアクター系(例えばGreenFuel Technologies Corporation(Cambridge, MA)が設計したもの)を含む。
本発明は、ディーゼルエンジンに使用することができる、生物学的に生成される油(粗雑な油を含む)およびガスを製造する方法を提供し、前記処理工程は本発明の酵素または本発明の方法の使用を含む。ある特徴では、これらの方法によって、石油(例えば原油)を軽油、石油、ディーゼルおよび他の分画に精製することができる。
本発明は、生物学的に生成される油を以下から製造する方法(本発明の酵素および本発明の方法を用いる)を提供する:
−ストレート植物油(SVO)
−植物廃油(WVO)、主として商業的調理場で生じる良質の料理廃油および獣脂、
−動物脂肪および植物油のトランスエステル化から得られるバイオディーゼル、石油ディーゼルエンジンで直接使用できる、
−生物学的に誘導された粗雑な油、非オイル系材料を含む複雑な有機材料(例えば製品廃棄物、例えば古タイヤ、もみがら、木材およびプラスチック)の熱による脱ポリマー化を受けたバイオガスおよび炭素固形物と一緒に、
−熱分解油、前記はバイオマス、木材廃棄物などから熱のみを用いてフラッシュピロリーシス処理工程で生成され得る(前記油は、通常の燃料系または内燃エンジンで使用する前に処理することができる)、
−木材、木炭および乾燥糞。
【0245】
医学および研究に関する利用:
本発明のキシラナーゼ(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)は、それらの溶菌特性により抗菌剤として用いることができる。本発明のキシラナーゼは、例えばPCT出願WO0049890およびWO9903497に記載されているように、動物からサルモネラを除去するかまたは前記から動物を防御するために用いることができる。本発明の別の特徴では、本発明のキシラナーゼはまた表面の抗菌性洗浄剤または消毒薬として用いることができる。
【0246】
他の工業的および医学的応用:
上記で考察したように、本発明のキシラナーゼ(本発明の酵素混合物または“カクテル“を含む)は、例えば多様な工業的処理、医学的および研究(実験室)での応用、並びに食品、動物飼料および飲料での応用に用いられる。新規なキシラナーゼが、既存のライブラリー、並びに中温性および軽度に好熱性の多様な場所や消化管菌叢、動物の糞便の微生物、土壌菌および高度にアルカリ性環境を含む標的供給源から構築したDNAライブラリーをスクリーニングすることによって発見された。アラビノキシラン基質および/または動物飼料材料の非可溶性多糖類分画を用いるバイオトラップおよび一次濃縮戦術もまた有用である。
2つのスクリーニング様式(活性利用および配列利用)を新規なキシラナーゼの発見で用いた。活性利用アプローチは、例えばアゾキシラン(Megazyme)のような基質を用いる寒天プレートでのキシラナーゼ活性の直接スクリーニングである。あるいは、配列利用アプローチを用いてもよい。前記は、ハイブリダイゼーションおよびバイオパンニングのためのプローブを設計するために、バイオインフォーマティクスおよび分子生物学を必要とする。例えば、米国特許6,054,267号、6,030,779号、6,368,798号、6,344,328号を参照されたい。スクリーニングのヒットを精製し、配列決定し、性状を調べ(例えば特異性、至適温度およびpHの決定)、バイオインフォーマティクスを用いて解析し、サブクローニングし、さらに基礎的な生化学的性状の決定のために発現させる。これらの方法論を、多数の応用(生地コンディショニング、動物飼料添加酵素としての応用を含む)で有用なキシラナーゼのスクリーニングで用いることができる。
スクリーニングから得られた酵素の性状決定で、生地のプロセッシングおよび焼成での応用における例示的利用性を評価することができる。性状の決定には、例えば基質特異性の測定(キシラン、アラビノキシラン、CMC、BBG)、温度およびpH安定性、並びに比活性が含まれる。市販酵素をベンチマークとして用いることができる。ある特徴では、本発明の酵素はpH7以上および25−35℃で顕著な活性を有し、不溶性キシランに対しては不活性であり、50−67%シュクロース中で安定かつ活性を有する。
別の特徴では、飼料添加物としての利用性は、候補酵素の性状決定から評価することができる。性状決定には、例えば基質特異性の測定(キシラン、アラビノキシラン、CMC、BβG)、温度およびpH安定性、比活性並びに胃内安定性が含まれる。ある特徴では、飼料は単胃動物用に設計され、別の特徴では、飼料は反芻動物用に設計される。ある特徴では、本発明の酵素はpH2−4および35−40℃で顕著な活性を有し、半減期は胃液中で30分を越え、処方物(緩衝液または細胞内)の半減期は85℃で5分を超え、さらに単胃動物の飼料添加物として用いられる。別の特徴では、本発明の酵素は1つまたは2つ以上の以下の特徴を有する:pH6.5−7.0および35−40℃で顕著な活性、こぶ胃液中で30分を越える半減期、処方物の安定性は乾燥粉末と同様に安定、処方物は反芻動物の飼料添加物として用いられる。
【0247】
酵素は、広範囲の天然および非天然基質に対して反応性を有し、したがって、実質的に全てのリード有機化合物の改変を可能にする。さらにまた、慣用的な化学触媒と異なり酵素は高度に鏡像選択性および部分選択性である。酵素が示す高度な官能基特異性は、新規な活性化合物を生じる一連の合成反応における各反応の追跡を可能にする。酵素はまた、それらの自然界における生理学的機能に無関係な多様な多くの反応を触媒することができる。例えば、ペルオキシダーゼは過酸化水素によるフェノールの酸化を触媒する。ペルオキシダーゼはまた、この酵素の天然の機能とは関係がないヒドロキシル化反応を触媒することができる。他の例は、ポリペプチドの分解を触媒するキシラナーゼである。有機溶液中では、いくつかのキシラナーゼはまた糖をアシル化することができ、前記反応はこれら酵素の天然の機能とは無関係である。
本発明は酵素の固有の触媒特性を追求する。化学的変換におけるバイオ触媒(すなわち精製酵素または粗酵素、非生細胞または生細胞)の使用は、特異的な出発化合物と反応する具体的なバイオ触媒の識別を通常は必要とするが、本発明は、多くの出発化合物に存在する官能基に特異的な選別バイオ触媒および反応条件を使用する。各バイオ触媒は、1つの官能基またはいくつかの関連官能基に特異的であり、この官能基を含む多くの出発化合物と反応することができる。バイオ触媒反応は単一出発化合物から誘導体集団を生成する。これらの誘導体を別のバイオ触媒反応サイクルに付して、第二の誘導体化合物集団を生成することができる。原型化合物から数千の変型化合物が、バイオ触媒による誘導反応のそれぞれの繰り返しにより生成され得る。
【0248】
酵素は、出発化合物の特異的な部位で、当該分子の残余に影響を及ぼすことなく反応し、これは慣用的な化学反応では非常に達成が困難な処理である。この高度なバイオ触媒の特異性は、ライブラリー内の単独活性化合物を識別する手段を提供する。このライブラリーは、前記を作製するために用いられる一連のバイオ触媒反応(いわゆる“生合成歴”)によって特徴付けられる。生物学的活性についてライブラリーをスクリーニングしさらに生合成歴を追跡することによって、当該活性化合物を生成する一連の特異的な反応が識別される。前記一連の反応を繰り返して、合成された化合物の構造が決定される。この識別態様は、合成およびスクリーニングのための他のアプローチと異なり固定化技術を必要とせず、化合物を溶液中で自由に合成し、これを実質的に任意のタイプのアッセイを用いて試験することができる。官能基に対する酵素反応の高度な特異性は、バイオ触媒により作製されるライブラリーを形成する特異的な酵素反応を“追跡”することを可能にするということは特記に値する。
前記処理工程の多くは、毎日何千ものバイオ触媒反応およびスクリーニングアッセイの実施を可能にするとともに、高レベルの正確性および再現性を担保する機械的自動化を用いて実施される。結果として、従来の化学的方法を用いて作製するならば数年を要するような誘導化合物ライブラリーが数週間単位で作製できる。(分子(小分子を含む)の改変に関する更なる教示のためには、PCT/US94/09174を参照されたい)。
ある特徴では、本発明は、ヒドロゲルを形成することができる少なくとも1つの粘膜粘着性ポリマーおよび少なくとも1つの水溶性ポリマー、および1つまたは2つ以上の本発明の酵素を含む組成物を提供する。前記処方物は、本発明の任意の工業的、食品もしくは飼料加工、または医学的もしくは研究的応用(すなわち本発明の酵素または核酸を用いる任意の応用)で用いることができる。ある特徴では、前記処方物は、粘膜粘着性特性を有するヒドロゲルを水溶液中で形成し、前記は、本発明の酵素、本発明の酵素を生成することができる微生物、本発明の抗体を長期間にわたって放出することができる。あるいは、前記ヒドロゲルは、本発明の酵素、本発明の酵素を生成することができる微生物、本発明の抗体を閉じ込め、さらに所定の期間(例えば長期間)それらを放出することができる。
本発明を以下の例を参考にしながらさらに詳述するが、本発明はそのような例に限定されないことは理解されよう。
【実施例1】
【0249】
実施例1:基質としてコムギのアラビノキシランを用いるキシラナーゼアッセイ
以下の実施例では、例えばある酵素が本発明の範囲内のものであるか否かを決定するために用いることができる例示的キシラナーゼアッセイについて述べる。本発明の酵素(例えば表1に示され、さらに本明細書に記載されている1つまたは2つ以上のアミノ酸残基の変化(変異)を有する配列番号:2)にはまた、例示的な配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22または配列番号:24に対して多様な配列同一性を有するポリペプチド類が含まれ、これらを基質としてコムギのアラビノキシランを用いてpH8(リン酸ナトリウム緩衝液)および70℃のアッセイに付すことができる。
【実施例2】
【0250】
実施例2:融解温度およびキシラナーゼ活性の決定
弁別スキャン熱量分析(DSC):
本発明の各酵素(例えば表1に示され、さらに本明細書に記載されている1つまたは2つ以上のアミノ酸残基の変化(変異)を有する配列番号:2)の融解温度遷移中央点(T
m)を、弁別スキャン熱量分析(DSC)によって決定することができる。ベースラインを差し引いたDSCデータはタンパク質濃度について標準化することができる。
あるアッセイでは、熱量分析は、モデル6100 NANO II DSC
TM装置(Calorimetry Sciences Corporation, American Fork, UT)を用い、データ獲得のためにはDSCRUN
TM(DSCRun)ソフトウェアパッケージ、分析のためにはCPCALC
TM(CpCalc)、マイクロワットから分子熱容量への変換のためにはCPCONVERTM(CpConvert)、さらにデコンボリューションのためにはCPDECONVOLUTE
TM(CpDeconvolute)を用いて実施することができる、分析は、20mMリン酸カリウム(pH7.0)および100mMのKCl中で1mg/mLの組換えタンパク質を用い1℃/分のスキャン速度で実施することができる。5気圧の定常圧力を全DSC実験中で維持し、加熱による溶液の可能な脱気を防止することができる。装置のベースラインは、緩衝液を満たした両セルを用いて実験前に日常的に記録することができる。熱誘導遷移の復元性は、第1回目の実施の冷却直後に熱量計セル中の溶液を再加熱することによって試験することができる。
あるいは、DSC測定はVP-DSCマイクロ熱量計(Micro-Cal)をデュープリケートで用いて実施してもよい。ある特徴では、必要なサンプル体積は540μLである。タンパク質の濃度は、50mMのHEPES(pH7.2)中に0.1から0.5mg/mLであり得る。透析緩衝液のサンプルはベースラインコントロールのために保持することができる。各サンプルを40℃から110℃に加熱することができる。サンプルおよび/または緩衝液は、90℃/時間のスキャン速度で加熱および冷却される。当該システムが安定状態に達するまで何回も緩衝液ベースラインを記録した。T
m値は最大の熱が放出された温度である。
キシラナーゼ活性アッセイ:
酵素活性は、550μLのCP(クエン酸-リン酸)緩衝液(pH6.0)中の2%アゾキシラン400μLを基質として用い提示の温度で決定することができる。pHの関数としての活性測定は、50mMのBritton & Robinsonの緩衝溶液(pH3.0、5.0、6.0、7.0、8.0および9.0)を用いて決定することができる。前記緩衝液は、0.1Mのリン酸、0.1Mのホウ酸、および0.1Mの酢酸の溶液を混合し、続いてpHを1M水酸化ナトリウムで調節して調製することができる。反応は、0.1mg/mLの精製酵素の50μLを添加することによって開始させることができる。タイムポイントを0から15分の間でとり、50μLの反応混合物を200μLの沈殿溶液(100%エタノール)に添加することができる。全タイムポイントを採取したら、サンプルを混合し10分インキュベートし、さらに3000gにて4℃で10分遠心する。上清(150μL)を新しい96ウェルプレートに分注し、590nmで吸収を測定する。A
590値を時間に対してプロットすることができ、前記の線の勾配から初速を決定する。
多糖類のフィンガープリント:
多糖類のフィンガープリントは、炭水化物ゲル電気泳動(PACE)を用いる多糖類分析によって決定することができる。ビーチウッドキシラン(0.1mg/mL、100μL、Sigma, Poole, Dorset, UK)またはキシロオリゴ糖(1mM、20μL、Megazyme, Wicklow, Ireland)を全体積250μLの酵素(1−3μg)で16時間処理することができる。反応は0.1Mの酢酸アンモニウム(pH5.5)で緩衝させる。基質または酵素無しのコントロールを同じ条件下で実施し、酵素、多糖類/オリゴ糖または標識試薬内の非特異的化合物を全て確認する。反応を20分の煮沸により停止させる。アッセイは、各条件に付きそれぞれ別個に少なくとも2回実施できる。ANTS(8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸、Molecular Probes, Leiden, The Netherlands)を用いる誘導化、電気泳動および画像化を記載のように実施する(F. Goubet, P. Jackson, M. Deery and P. Dupree (2002) Anal Biochem 300, 53-68)。
フィットネスの算出:
ある酵素変種nのフィットネス(F
n)は、全変種における各パラメータの最大の相違に対して変性温度遷移中央点(T
m)の上昇および酵素活性の増加(または低下)を等しく重み付けすることによって以下のように算出することができる:F
n=F
Tn+F
Vn;式中F
Tnは当該変種のT
mフィットネス係数、およびF
Vnは当該変種の活性フィットネス係数。それぞれ(T
mおよび活性)のフィットネス係数は全変種中でのT
mまたは速度における最大の相違に相関している。F
Tn=(T
m−T
mL)/(T
mH−T
mL)(式中、T
mnはある変種nのT
mであり、T
mLは全変種中でもっとも低いT
mであり、T
mHは全変種中でもっとも高いT
mである)さらにF
Vn=(V
n−V
L)/(V
H−V
L)(式中、V
nはある変種nの相対速度であり、V
Lは全変種中でもっとも低い速度であり、V
Hは全変種中でもっとも高い速度である)。
【実施例3】
【0251】
実施例3:本発明のキシラナーゼによる紙パルプの前処理
ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて、紙パルプ、またはリサイクル紙もしくは紙パルプ、廃棄木材もしくは木材チップなどを処理/前処理する。ある特徴では、本発明の酵素を用いて、紙パルプまたはリサイクル紙もしくは紙パルプなどの処理/前処理でそれら酵素を使用することによって紙の“明るさ”を高める。ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて、紙パルプまたはリサイクル紙もしくは紙パルプなどを処理/前処理してパルプのカッパー価を減少させる。カッパー価は、紙の相対的リグニン含量を表示する数値と定義され、カッパー価が高いほど、リグニン含量が高い。いくつかの特徴では、カッパー価の減少は、未漂白パルプ(カッパ#は70−90)を処理するとき(例えば厚紙製造での加工に用いられるとき)には有益である。いくつかの特徴では、Xステージを通してのカッパーの減少は、蒸煮でのアルカリの使用の削減またはより高い標的カッパー価に向けての蒸煮を可能にする。いくつかの特徴では、これによってより高いパルプ強度、より少ない機械精砕およびより高い機械速度がもたらされる。いくつかの特徴では、そのような結果は、ライナーボード製作所でダイジェスター添加剤(界面活性剤)を用いて観察される。前記は、より良好な液体の浸透が可能にし、高いパルプ強度、より低い精砕および200fpm(フィート/分)の機械速度の増加を生じる、有効アルカリチャージの低下を可能にする。
本実施例は、キシラナーゼが紙パルプの前処理で有用であるか否かを決定するための例示的な日常的プロトコルについて述べる(例えばクラフトパルプの前処理に用いたとき漂白化合物(例えば二酸化塩素、ClO
2)の使用の削減において)。
このスクリーニングプロトコルは、以下の2つの選択可能な試験パラメータを有する:酸素脱リグニン工程後(ポスト-O
2-パルプ)のキシラナーゼ処理の影響、および酸素脱リグニン処理を含まない処理におけるキシラナーゼの影響。
本発明は、工業的状況(例えば工場)における処理条件に類似するパルプまたは紙の処理条件を提供する(例えば約pH 8.0、70℃、60分の持続時間)。例えば、本発明の例示的処理は、
図5の流れ図に模式的に示されている(
図6もまた参照されたい)。しかしながら、本発明の方法の処理条件は、使用される本発明の例示的酵素および処理の対象物に応じて、任意の温度、持続時間および/またはpHに調整することができる。例えば、本発明の多様なパルプおよび紙の加工ではpHの調整のために以下のように多様な方法が存在する:
−酸および/または塩基の添加:塩酸(HCl)、水酸化ナトリウム(NaOH)、H
2SO
4(硫酸)、NaHSO
4(硫酸水素ナトリウム)、H
2SO
3(亜硫酸)、H
3PO
4(リン酸)、HF(フッ化水素酸)、CH
3CO
2H(酢酸)、H
2CO
3(炭酸)、H
2S(硫化水素)、NaH
2PO
4(リン酸二水素ナトリウム)、NH
4Cl(塩化アンモニウム)、HCN(シアン化水素酸)、Na
2SO
4(硫酸ナトリウム)、NaCl(塩化ナトリウム)、NaCH
3CO
2(酢酸ナトリウム)、NaHCO
3(重炭酸ナトリウム)、Na
2HPO
4(リン酸水素ナトリウム)、Na
2SO
3(亜硫酸ナトリウム)、NaCN(シアン化ナトリウム)、NH
3(アンモニア水)、Na
2CO
3(炭酸ナトリウム)、Na
3PO
4(リン酸ナトリウム)
−気体(例えばCO
2(前記は溶解したとき水とともに酸を形成する))中で泡立てる。
プレ-O
2ブラウンストックにおけるキシラナーゼのドースレスポンスの決定
キシラナーゼステージ(X-ステージ)のための条件は以下のとおりである:
pH8、温度70℃、時間60分、カッパ係数0.24、酵素無しコントロールのためにはカッパ係数は0.30.
インターコンチネンタルプレ-O
2ブラウンストックのキシラナーゼの前処理
D
0におけるClO
2ドースレスポンスの決定
実験の概略
プレ-O
2ブラウンストック
開始カッパ31.5
Xステージの条件:キシラナーゼチャージ0.7U/gm、温度70℃、pH8、処理時間1時間、パルプ濃度10%、漂白工程XDE
p、カッパ係数0.22、0.26および0.30(パルプに対する%D:2.63、3.12および3.60)。
【0252】
D0におけるClO2ドースレスポンスの決定:
キシラナーゼ 0.7U/g、pH8.0、70℃、1時間
パルプ:プレ-O
2ブラウンストック、開始カッパ 31.5
ClO
2の節約率は工業的にはさして重要ではない。主たる懸念はODパルプ1トンにつき必要なClO
2ポンド数である。このことは、開始カッパが高いブラウンストックで見出されるより低い節約率は、低い開始カッパパルプ(前記は目標の明るさを達成するためにより低い全ClO
2のチャージを必要とするであろう)のより高い減少率よりも節約されるClO
2のポンド数に関してより重要であり得ることを考慮したとき意味をもつ。
漂白したコントロールパルプの明るさ、収量およびカッパ係数の関係:
より高い目標の明るさを達成するためにClO
2の用量を増加させながら漂白することによってパルプ収量低下が増加する。これは、当該処理のこのステージでのパルプは1トンに付きほぼ$400の価値を有し、セルロースの損失は収益を失わせるので問題である。
キシラナーゼ(例えば本発明のキシラナーゼ)の利点は、キシラナーゼそれ自体の作用が増加を相殺しないかぎり、より低いClO
2ドースの使用で収量低下を減少させることができるということである。
キシラナーゼによるプレ-O2ブラウンストックの前処理のためのドースレスポンスデータ
実験の概略
−ノースウッドプレ-O
2ブラウンストック:開始カッパーは28.0、開始濃度は32.46%、開始の明るさは28.37;
−Xステージの条件:キシラナーゼチャージは0から2.70 U/gm、温度は58℃から61℃、pHは8.2から8.5、処理時間は1時間;
−漂白工程XDE
p:カッパー係数は0.24、
−カッパー係数について算出したClO
2節約は0.24から0.30.
本実験の目的は未洗浄SPFブラウンストックについてキシラナーゼを評価することである。結果は、XYLB(E.c)で処理したパルプの最終の明るさが用量依存態様で増加することを示すことができ、キシラナーゼの存在下で低いKf 0.24で達成された明るさは、より高いKf 0.30で達成される明るさに漸近的に近づいた。
【実施例4】
【0253】
実施例4:パルプの明るさを増強するキシラナーゼの性能を評価する新規なバイオ漂白アッセイ
本実施例は、あるポリペプチドがキシラナーゼ活性を有するか否か、および本発明の範囲内のものであるか否かを決定するために用いることができる例示的プロトコル、“バイオ漂白アッセイ”について述べる。このアッセイを用いて、パルプ(例えばクラフトパルプ)の明るさの強化における、本発明の例示的酵素(例えば表1に示され、さらに本明細書に記載されている1つまたは2つ以上のアミノ酸残基の変化(変異)を有する配列番号:2、または例示的な配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22または配列番号:24に対して(本明細書に記載の)配列同一性を有する配列)の性能を評価することができる。
本発明は、バイオ漂白方法、例えば、
図5に例示する実際のパルプ漂白プラントの状態を綿密に模倣した三段階バイオ漂白方法(
図6に示す処理を含む)を提供する。この一連の漂白工程は(X)DoEpと称され、この場合Xはキシラナーゼ処理ステージ(
xylanase treatment stage)(例えば本発明の酵素を用いる)を表し、Dは二酸化塩素漂白ステージ(chlirine
dioxide bleaching stage)を現し、Epはアルカリ性過酸化物抽出ステージ(alkaline
peroxide
extraction stage)を表す。多様な多くのフィードストック、例えば南方軟木クラフトブラウンストック(酸素脱リグニン化を実施せず)および硬木クラフトパルプ(例えばカエデおよびアスペン)を用いることができる。各漂白サイクルの完了時に、生成されたパルプは、TAPPI(Technical Association of Pulp and Paper Industries(世界的なパルプ、紙および変換工業の技術団体である))規格のハンドシートの製造に用いることができる。各ハンドシートのGE%明るさを測定し、この明るさの値を、酵素前処理ステージ(X)中の各酵素のパルプに対する性能の指標として用いることができる。
パルプバイオ漂白:3段階(X)DoEp工程(
図5に示す)を用いて、パルプを密封プラスチックバッグ中で10グラムバッチとして漂白した。3段階での処理条件は以下のように要約することができる:
・Xステージ:65℃で10%(w/v)の濃度およびpH=8で6分;
・Doステージ:60℃で4%(w/v)の濃度で30分、カッパ係数は酵素処理サンプルについては0.18並びに酵素無しコントロールについては0.18および0.21;
・Epステージ:75℃で10%(w/v)の濃度で90分、強アルカリ剤チャージは1.7%(NaOH質量/ODパルプ質量)およびH
2O
2チャージは0.5%(w/w)
図5に示したように、ある特徴では、原料パルプを洗浄し、pH8.5にpHを低下させる。パルプを圧縮ろ過して、複数のバッグに分割する。各ステージで、バッグを水浴中で所望の温度でインキュベートすることができる。さらに各バッグを取り出し毎回10分十分に練り合わせて均質な塊とし、パルプ塊の中の熱の伝達を担保する。各処置の後で、パルプをろ過し、2LのDI水で洗浄し、次の処理の前に再度ろ過することができる。パルプの水分含有量はMettler-Toledo水分分析装置(Fisher Scientific, USA)を用いて測定することができる。
図5に示すように、ある特徴では、パルプを圧縮ろ過し複数のバッグに分割した後、Xステージでパルプを再懸濁し、圧縮ろ過し、pHを調整し、続いて10%固形物で酵素とともに65℃にて1時間インキュベートし、続いて10分間練り合わせることができる。Doステージでは、パルプを再懸濁し、洗浄し、pHを4.0に設定し、圧縮ろ過し、続いて4%固形物(すなわち4%(w/v)濃度)で60℃にて30分ClO
2を浸透させ、続いて10分間練り合わせる。Doステージでは、カッパ係数は酵素処理サンプルについては0.18.酵素無しコントロールについては0.18および0.21である。Epステージでは、パルプを再懸濁し、洗浄し、圧縮ろ過する。続いて、10%固形物(すなわち10%(w/v)濃度)で75℃にて90分NaOHおよびH
2O
2pHとともにインキュベートし、続いて10分間練り合わせる。強アルカリ剤チャージは1.7%(NaOH質量/ODパルプ質量)で、さらにH
2O
2チャージは0.5%(w/w)である。練り合わせた後、ハンドシートが形成された。
ハンドシート:
図5に示すように、ある特徴では、ハンドシートを形成することができる(4mパルプ、pH6.5)。ハンドシートは、TAPPI法T-272 sp-97にしたがいTAPPI標準装置(Kalamazoo Paper Chemicals, Richland, MI)を用いて未漂白パルプおよび漂白パルプから製造することができる。各ハンドシートのGE%明るさは、TAPPI法T-452 om-98(参照は457nm)にしたがいBRIGHTMETER MICRO S-5/BC
TM(Technidyne Corp., New Albany, IN)を用いて測定できる。
【実施例5】
【0254】
実施例5:新規なバイオ漂白処理
本実施例は、実施例6に示す本発明の新規なバイオ漂白処理について述べる。本処理は、本発明のポリペプチドを含む任意のキシラナーゼ酵素を用いて実施できる。本発明のポリペプチドには、本発明の例示的酵素(例えば配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22または配列番号:24)と50%から99%もしくはそれより高い配列同一性を有するポリペプチドが含まれ、さらに表1に示され、さらに本明細書に記載されている1つまたは2つ以上のアミノ酸残基の変化(変異)を有する配列番号:2の配列を有する任意のポリペプチドが含まれる。
本発明のこの例示的方法は、“ブラウンストック”を含む出発材料を含むことができ、前記は以下のよう説明することができる:1)フィードストック調製物−製材所に運ばれてくる丸太は剥皮、細断され、篩にかけて分厚いチップ、屑、塊および異物が取り除かれる;2)パルプの形成−水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムの濃縮液中で木材チップを160℃から190℃で加圧下で数時間蒸煮してセルロース繊維を分離させ、さらに望ましくないリグニンの大半を抜き出すことによってセルロース含有量を高める。この工程で得られるものが“ブラウンストック”と称される。
本発明のこの方法は“漂白工程”を含む。漂白工程は多段処理であり、この処理によって残留リグニンおよび他の発色団が除去され、紙または他の製品を製造する調製物の目標の明るさにパルプを脱色する。もっぱらリグニンを攻撃する酸化剤(例えば塩素および二酸化塩素)でパルプを処理する。ある特徴では、本処理は一連の漂白工程を含み、この工程では、パルプを二酸化塩素と反応させ(“D0”ステージ)(
図5もまた参照されたい);過酸化水素の存在下でアルカリを用いて抽出し(“Ep”ステージ)(
図5もまた参照されたい(“Ep”ステージ));2回目の二酸化塩素と反応させ(“D1”ステージ);アルカリおよび過酸化水素で抽出し(“Ep”ステージ);さらに3回目の二酸化塩素と反応させる(D2ステージ)。本処理の実施では、漂白は、用いられる酸化剤のタイプおよび量、並びに処理の工程数に関して多くの変型に付すことが可能である(しかしながら二酸化塩素は従来最も広く用いられた酸化剤である)。ある特徴では、本処理は、蒸煮パルプを加圧下で酸素で前処理する工程を含み、酸素リアクターは高圧(華氏約200から230度でpH12から14)であってもよい(前記は“酸素脱リグニン化”として知られている漂白の一般的な最初の工程である)。
ある特徴では、本処理は精砕を含む。例えば、製紙の前に、漂白パルプを機械的に細切してセルロース繊維を平坦な帯状物に破壊し、前記セルロース繊維の表面に微小繊維構造を形成し、それらの物理的性状を製紙のために改善する。パルプ形成後の任意のステージで、パルプを脱水し、洗浄し、さらに清浄な水またはリサイクル蒸気の添加によって予め定めた濃度に調整することができる。
キシラナーゼ(例えば本発明の酵素)は、酸素リアクター内でパルプ形成直後に、または酸素リアクター直前の貯蔵容器内で添加することができる。キシラナーゼ(例えば本発明の酵素)は、漂白処理で複数の時点で(1回または2回以上、または全ての時点で)添加してもよい。ある特徴では、ラッカーゼを添加してリグニンの分解を触媒させる。ラッカーゼは、酸素リアクターを含む、本処理の任意の時点で添加することができる。パルプは、ラッカーゼを自家媒介させる多様な成分を遊離させることができる。あるいは、ある特徴では、有機または無機媒介物質を添加してもよい(例えばDE19723890を参照されたい、前記は有機媒介物質およびラッカーゼを含む酸化系を開示する、また別の例示的媒介物質には、例示的有機媒介物質として2,2’-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-5-スルフォネート)(ABTS)および例示的無機媒介物質としてオクタシアノモリブデン酸カリウム[K
4Mo(CN)
8]が含まれる。米国特許出願20030096394に記載の媒介物質もまた本発明の処理で用いることができる(前記にはラッカーゼおよびラッカーゼ関連酵素の活性を強化することができる任意の化合物が含まれる)。
【0255】
ある特徴では、エステラーゼ(例えばリパーゼ)、またはオキシドレダクターゼ(例えばペルオキシダーゼ)が添加される。さらにまた、pHおよび/または温度をリアクターで修正することができる。本発明の反応をモニターするとき、任意のリグニン含量測定技術を用いることができる。例えば米国特許出願20020144795を参照されたい(前記は、リグニンおよびレドックス媒介物質を含む触媒反応のボルタンメトリー測定によるクラフトパルプのカッパー価またはリグニン含量を決定する方法を開示している)。
本発明の酵素はまた、例えば米国特許6,824,646号に記載のアルカリ-酸素漂白(酸素脱リグニン化)処理で用いることができる。前記処理は、水性アルカリ溶液中で酸素を用いてリグノセルロースパルプを漂白し、さらにパルプをヘミセルラーゼで処理する工程を含み、一方、酵素処理工程に由来する液体分画はヘミセルロース処理反応混合物から分離し、さらに分離膜(例えば逆浸透膜)を通過させる透過処理に付し、浸透分画を非浸透分画から分離し、続いて浸透分画をアルカリ-酸素漂白(酸素脱リグニン化)工程(本発明の酵素の使用を含む)に供給する。
本発明のこの処理または他の処理(方法)のまた別の特徴では、キシラナーゼ(例えば本発明の酵素)は、漂白剤(例えば塩素、二酸化塩素、強アルカリ剤、過酸化物または前記の任意の組み合わせ)を減少させるために用いられる。また別の特徴では、約1%、5%、10%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくはそれより高いかまたは100%の薬剤の減少を、本発明の酵素を用い本発明の方法を実施したとき認めることができる。ある特徴では、キシラナーゼをラッカーゼまたは他の酵素と併用したとき(例えば酵素カクテルの使用によって)、薬剤の100%の減少を達成することができる(本発明は、酵素混合物または本発明の少なくとも1つの酵素および1つもしくは2つ以上の他の酵素(別のキシラナーゼであってもまたは任意の他の酵素であってもよい)を含む“カクテル”を提供することに留意されたい)。
ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて二酸化塩素を減少させ、処理において水の再使用を可能にする。したがって、使用される水の量が減少し、下水に廃棄される水の量が減少する。ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて、リグニンをより多く含むパルプを漂白プラントに導入することを可能にし、パルプ収量の増加およびパルプの品質の向上(すなわち蒸煮処理の間の破壊の低下)を可能にする。ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて、紙の全体的な明るさを強化させる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼを用いて、パルプのカッパー価を低下させる。
全ての木材タイプについて(例えば、硬木について例えば酸素脱リグニン化とともに、酸素脱リグニンを伴わずに硬木に、酸素脱リグニン化とともに軟木に、酸素脱リグニン化を伴わずに軟木に、というように)、本発明のキシラナーゼを用いることができ、本発明の処理を実施することができる。リサイクル紙および/またはパルプの加工に、本発明のキシラナーゼを用いることができ、本発明の処理を実施することができる。
酸素脱リグニン化は、典型的には、ブラウンストック洗浄装置と漂白プラントとの間に反応タワーの付加を必要とする。典型的には、酸素および水酸化ナトリウムがブラウンストックに添加される。酸素脱リグニン化によって処理される場合、漂白処理で漂白剤の50%の削減を達成することができる。酸素脱リグニン化の後に洗浄が続き、廃液は回収してもディスチャージを実施してもよい。オゾン脱リグニン化を酸素脱リグニン化の代わりに用いてもよい。
【実施例6】
【0256】
実施例6:新規なバイオ漂白アッセイ
本実施例は、本発明のポリペプチドのキシラナーゼ活性を明示することができるアッセイについて述べる。本発明のポリペプチドは、例えば本発明の例示的ポリペプチドまたは本発明の酵素、例えば表1に示され、さらに本明細書に記載されている1つまたは2つ以上のアミノ酸残基の変化(変異)を有する配列番号:2であり、さらにまた例示的な配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22もしくは配列番号:24に対して多様な配列同一性を有するポリペプチド類が含まれる。
これらキシラナーゼ活性の試験は、以下の文献に記載されたアッセイを土台にすることができる:Nelson (1944) J Biol Chem 153:375-380, “Reducing Sugar Assay for Xylanase”;およびSomogyi (1952) J Biol Chem 195:19-23。この“Nelson-Somogyi”アッセイを用いて、活性単位を決定することができる。活性単位を決定することによって、本発明のポリペプチドのキシラナーゼ活性を示す“Nelson-Somogyi”アッセイは以下で説明する。
酵素単位の決定はまたNelson-Somogyiアッセイを用いて実施できる。バイオ漂白アッセイはTAPPI(Technical Association of Pulp and Paper Industries、上記参照)の方法を土台にすることができる。下記にTAPPIのプロトコルを引用しながら説明する。
パルプ:ある特徴では、南方軟木クラフトパルプの2バッチを、ノースカロライナ州立大学(Raleigh, NC)の木材繊維学部(Department of Wood and Fiber Science)から入手する。パルプカッパー価は、TAPPI法T-236 om-99を用いて分析したとき、例えば典型的には1.4から29.7と決定できる。例えば以下を参照されたい:TAPPI Test Methods (2000-2001, 2003, 173)。
パルプのバイオ漂白:パルプは、3段階キシラナーゼ/二酸化塩素/アルカリ性過酸化物連続工程((X)DoEp(上記の説明を参照されたい))を用いて、密封プラスチックバッグ中の10gバッチとして、キシラナーゼ前処理および漂白を実施することができる。3段階における処理条件は以下のとおりである:
Xステージ:10%(w/v)濃度、65℃、pH8、60分;
Doステージ:4%(w/v)濃度、60℃、30分;酵素処理サンプルについては0.18のカッパ係数を用い、酵素無しのコントロールサンプルについては0.18および0.21のカッパ係数を用いた。Doステージ中に用いる二酸化塩素の濃度は下記等式(1)を用いて算出した:
ClO
2 %=KF x K#/2.63 (1)
式中、ClO
2 %は、100gのオーブン乾燥(OD)パルプ当たりの純粋な二酸化塩素のグラム数に等しく、KFはパルプのカッパ係数、K#はカッパー価である(TAPPI法T-236 om-99、TAPPI Test Methods (2000-2001, 2003, 173)によって決定)。
Epステージ:10%(w/v)濃度、75℃、90分;
強アルカリチャージはパルプに対し1.7%(w/w)であり、H
2O
2チャージはパルプに対し0.5%(w/w)である。
各ステージで、複製バッグを水浴中で所望の温度でインキュベートし、続いて前記を取り出し毎回10分間十分に練り合わせて均質な塊とし、パルプ塊の中の熱の伝達を担保する。各ステージの後で、例えば硬質ポリプロピレンポリマー(297-ミクロンメッシュ、Spectrum Labs, Ft. Lauderdale, FL)を並べたブッフナーロートでパルプをろ過する。ろ液を1回再循環させて微細物を捕捉することができる。パルプケーキは、例えば2LのDI水で洗浄することができる。続いて、このパルプケーキを1.5LのDI水に再懸濁させ、pHをXステージおよびDoステージの前に例えばそれぞれpH8およびpH4に調整することができる。パルプの水分含有量はMettler-Toledo水分分析装置(Fisher Scientific, USA)を用いて測定することができる。
ハンドシートは、TAPPI法T-272 sp-97、TAPPI Test Methods (2000-2001, 2003, 173)にしたがい、TAPPI標準装置(Kalamazoo Paper Chemicals, Richland, MI)を用いて漂白パルプから製造することができる。各ハンドシートのGE%明るさは、TAPPI検査法(TAPPI Test Methods 2000-2001, 2003, 173)を用いて、例えばTechnidyne BRIGHTMETER MICRO S-5/BCTM(Technidyne Corp., New Albany, IN)でTAPPI法T-452 om-98にしたがい測定することができる。
【0257】
アッセイに用いる成分(1)
−1MのNaOH
−0.5Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH8)
−1%アラビノキシラン:(Megazyme #P−WAXYM)、製造業者の指示にしたがい調製
−キシロース:0.15mMから2mMの標準物を水に溶解したD-キシロースを用いて調製
−96ウェルのPCRプレート(Fisher 05 500-48)
−PCRプレートシール
−標準96ウェル透明プレート
−96穴の台座のための1mLチューブ(E&K 671511-RC)
−溶液1:800mLの水に12gのK
+/Na
+酒石酸塩;24g Na
2CO
3;16g NaHCO
3;144g Na
2SO
4
−溶液2:200mLの水に4g CuSO
4*5H
2O;36g Na
2SO
4
−試薬A:溶液1の4体積を溶液2の1体積と混合、注記:毎日新しいものを調製
−試薬B:450mLの水に25gの(NH
4)
2MoO
4;21mLの濃硫酸を添加して混合、25mLの蒸留水に3gのNa
2HAsO
4*7H
2Oを溶解;モリブデン酸アンモニウム溶液と混合し37℃で24−48時間試薬をインキュベート。室温で暗色ビンにて試薬を保存(すなわち光を避ける)。
手順:
1.試薬Aを調製する;
2.1MのNaOHの5μLを96ウェルのPCRプレートの各ウェルにピペットで分注。プレートを氷上で維持する;
3.反応混合物を調製。あるいは、多数のサンプルのためにはマスターミックスを調製してもよい。以下は1Xミックスである。1mLチューブに添加し、96穴台座に置く;
a.50μLのNa-リン酸緩衝液(pH8)
b.250μLの1%基質(0.5%の最終濃度にするため)
c.150μLの水
4.3分間所望の温度に反応混合物を予備加熱;
5.0.5Mのリン酸緩衝液を5mM(pH8)に希釈し、この緩衝液で酵素希釈物を調製;
6.希釈酵素75μLを96ウェルマイクロタイタープレートのウェルにピペットで移す;
7.反応混合物を含む1mLチューブに希釈酵素50μLをピペットで移す;
8.所望の時点で、NaOHを含むチューブに各反応混合物から50μLをピペットで移す(NaOHはpHを12に上昇させ、反応を停止させる);
9.各標準物の50μLを別のチューブ(同様にNaOHを含む)に添加する。標準物はキシロース0.25mMから2.0mMの範囲内で直線である。標準曲線の作成のために少なくとも4つの標準物を使用する;
10.50μLの試薬Aを各ウェルに添加する。Microseal
TM‘A’フィルムを用いてプレートを密封する:
11.PCR機械でプレートを100℃で20分加熱する。サンプルの加熱後、前記機械を4℃の冷却に設定する;
12.50μLの試薬Bを各チューブに加え、混合する;
13.試薬Bの添加後に大量のCO
2が生成されるのに留意されたい。サンプルが隣接するウェルに混じらないように注意しなければならない;
14.各サンプルまたは標準物の100μLを96ウェルマイクロタータープレートの別々のウェルにピペットで移す;
15.560nmでプレートを読み取る。
16.標準曲線のデータをプロットし、キシロースのマイクロモルとして標準物を表す(すなわち2.5mMのキシロース50μLはキシロース0.125マイクロモルである);
17.各時点についてサンプルデータから緩衝液コントロールを差し引いて、そのデータをプロットする;
18.各時点の曲線の勾配値をキシロースの標準曲線の勾配値で割る;
19.10を掛ける(50μLのサンプルのため(サンプルは全アッセイ体積の1/10));
20.アッセイに用いた体積(0.05)で割って、酵素1mLにつき1分ごとに遊離されたキシロースのマイクロモルまたはU/mL酵素を得る。
21.上記数値をタンパク質の濃度で割ってU/mgを得る。
【0258】
“Nelson-Somogiy”アッセイから得られた“活性単位”のデータを用いて、バイオ漂白アッセイでの用量を決定することができる(TAPPI法に基づく)。
上記に特記したように、本発明の酵素および処理はまた、酵素的漂白のための第二のアプローチと一緒に用いることができる。前記第二のアプローチは、パルプの脱リグニンのために酸化酵素、例えばラッカーゼおよび/またはマンガンペルオキシダーゼ(MnP)を用いる。この第二のアプローチのある特徴では、これらの酵素は、MnPが過酸化水素、マンガン(II)イオンおよびキレート剤を必要とするのでラッカーゼが好ましい。ラッカーゼはわずかな酸素圧の下でパルプの脱リグニンを引き起こすことができるが、上記で考察した媒介物質が添加されるとき、はるかに効率的である。
触媒によって改善される脱リグニン化方法もまた本発明の方法と一緒に用いることができる(例えばポリ硫化物またはアントラキノン)。アントラキノンはパルプ形成反応触媒であり、前記はパルプ形成速度を高め、収量を増加させ、さらにパルプ形成化学薬剤の使用量を10%減少させる。アントラキノンおよびポリ硫化物の両方を一緒に用いることが可能である。
ある特徴では、ラッカーゼが上記で考察したように本発明の方法と一緒に用いられる。例えば、本発明の処理でラッカーゼは酸素リアクターで用いられる(この場合ラッカーゼは酸素リアクターでリグニンを分解する)。ラッカーゼを自家媒介する多様な成分をパルプは遊離させることができるが、ある特徴では、有機または無機媒介物質が添加される(上記考察を参照されたい)。例えば、また別の例示的媒介物質には、例示的有機媒介物質として2,2’-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-5-スルフォネート)(ABTS)および例示的無機媒介物質としてオクタシアノモリブデン酸カリウム[K
4Mo(CN)
8]、または米国特許出願20030096394に記載された媒介物質が含まれる。ある特徴では、別のヒドロラーゼ、例えばエステラーゼ(例えばリパーゼ)および/またはオキシドレダクターゼ(例えばペルオキシダーゼ)もまた添加される。また別の特徴では、リアクター内のpHおよび/または温度が修正される。
【実施例7】
【0259】
実施例7:本発明の酵素の酵素活性を明示するための研究
本実施例は、本発明の例示的キシラナーゼ酵素の酵素活性を明示するための研究について述べる。前記によって本発明のポリペプチド(前記には、本発明の例示的酵素、例えば配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22または配列番号:24に対して50%から99%またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチドが含まれ、さらにまた表1に示され、さらに本明細書に記載されている1つまたは2つ以上のアミノ酸残基の変化(変異)を有する配列番号:2の配列を有する任意のポリペプチドが含まれる)がキシラナーゼ活性を有することが示される。
これらのキシラナーゼを評価するためのアッセイは以下のアッセイである:
1.初期スクリーニング:アゾキシラン(溶液系)基質を用いる
a.酵素の酵素活性は、100mMリン酸ナトリウム(pH8)中のMEGAZYME(商標)基質Birchwodd Azo-xylanを製造業者の推奨するアッセイコントロールを用いてアゾキシランアッセイによって決定することができる。酵素サンプルの濃度は、それらがpH8で等しい量のキシラナーゼ活性をもつように調整することができる。
b.アゾキシランアッセイは、続いて100mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH10.4)で標準化サンプルを用いて繰り返される。
【0260】
2.初期スクリーニング:ENZ-CHEK ULTRA XYLANASE ASSAY KIT
TM(Invitrogen)
a.キシラナーゼ酵素サンプルはアゾキシランアッセイと同じ態様で調製することができる(上記第1節)。
b.酵素の酵素活性レベルは、市販のアッセイキット(例えばENZ-CHEK ULTRA XYLANASE ASSAY KIT
TM(製品番号E33650)の名称でInvitrogenから販売されている)を利用することによって測定することができる。ENZ-CHEK
TMキットの基質は、キシラナーゼの存在下で蛍光シグナルを生じる(前記シグナルを用いキットが供給する標準物によりキシラナーゼ活性を定量することができる)。キシラナーゼ酵素を試験するために用いられるプロトコルは、製造業者が推奨するいずれのプロトコルからもわずかに修正することができる。修正は、主として例えば製造業者が推奨するpHおよび温度とは異なる種々のpHおよび温度でキシラナーゼを試験することを含むことができる。
【0261】
3.二次スクリーニング:例示的パルプアッセイ
a.コムギのアラビノキシランに対する活性について、アゾキシランアッセイの酵素を例えば本明細書で既に述べたNelson-Somogyiアッセイを用いて試験することができる。続いてそれら酵素を実験室規模の漂白アッセイで試験して、あるパルプタイプおよび二酸化塩素ローディングについて達成できる各々の薬剤節約量を決定することができる。所望の性能特性を達成する酵素をある範囲のローディングおよびpHレベルで、TAPPIバッグバイオ漂白アッセイを用いて(例えばトリプリケートで)試験することができる。
【0262】
4.例示的な酵素性状決定スクリーニング:温度プロフィル
a.キシラナーゼの耐熱性を、漸進的に温度を高めていくアゾキシランアッセイを用いpH8およびpH10.4で判定することができ、本発明の酵素をこのアッセイを用いて試験した。各温度における反応の初速を記録してプロットし、キシラナーゼの至適性能温度を決定することができる。
b.残留活性−酵素の熱安定性を試験するために用いることができる別の例示的アッセイは残留活性の方法である。前記方法によって酵素サンプルを上昇温度、特定のpHで特定の時間処理し、続いて許容温度(典型的に37℃)の標準的な条件下でアッセイする。続いて個々の温度での半減期を決定し、そのような温度条件下でのある酵素のフィットネスの測定値を提供する。
【実施例8】
【0263】
実施例8:本発明の酵素の酵素活性を明示するための研究
本実施例は、本発明の例示的キシラナーゼ酵素の酵素活性(本発明の任意のポリペプチドの酵素活性を含む)を明示するための研究について述べる。本発明の任意のポリペプチドには、本発明の例示的酵素、例えば配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22または配列番号:24に対して50%から99%またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチドが含まれ、さらにまた表1に示され、さらに本明細書に記載されている1つまたは2つ以上のアミノ酸残基の変化(変異)を有する配列番号:2の配列を有する任意のポリペプチドが含まれる。
GSSM技術およびキシラナーゼスクリーニングを利用する、エンドキシラナーゼ配列番号:2(Xyl 11)の進化によって、キシラナーゼ活性の強化とともに、アルカリ前処理したトウモロコシの茎葉から糖の遊離を強化させる(他の7つのセルロース系酵素(下記表2)を併用し36時間後に糖化アッセイを50℃で実施した場合)点変異(Xyl 11変異体)が識別された。これらのアッセイは、アルカリ前処理した乾燥トウモロコシの穂軸(5%w/v)と固形物セルロース1gにつき全酵素10.2gを含む。
【0264】
表2:酵素カクテルの組成
*コントロールキシラナーゼは配列番号:12である(配列番号:11によりコードされる)。
**以前にPCT公開公報WO07/094852で記載されている。
【0265】
新規なキシラナーゼ変異体は、野生型よりもキシロース遊離が改善ざれ、0.6mg/gセルロースであるとともにローディングは0.2mg/gセルロースである(
図2)。標準的ローディングの0.6mg/gセルロースでは、これら新規な変種は、90%に達するモノマーキシロース遊離の変換率を達成し、これに対して野生型は63%であった。本発明のポリペプチドのいくつか(配列番号:2の変異体)は、特にXyk 11変異体11およびXyl 11変異体14はまた、0.2mgセルロースの低ローディングでさえも90%を超えるキシロース遊離を達成した。本発明のこれら新規なポリペプチド(配列番号:2の変異体)は、したがってキシロース遊離速度の改善だけでなく、酵素ローディングもまた低下させることができる。キシロース遊離および酵素ローディングにおける同様なプラスの影響が、アルカリ前処理または酸前処理を適用された種々のフィードストック(スイッチグラス、硬および軟木、サトウキビ(energy cane)、バガスなど)並びに種々の開始酵素ローディング(1mg−100mg/gセルロース)および種々の割合のカクテル成分を用いる同等な糖化反応で想定できよう。
本発明の酵素を用いて、例えば生物学的アルコール(例えばEtOH(またはエタノール))発酵のためにセルロース系材料を加工/処理することができる。本発明の組成物および方法を用いて加工されるセルロース系材料は、主としてセルロース(グルコースを含む)およびヘミセルロース(おもにキシロースを含んでいる)を含むことができる。ある特徴では、グルコースと同様にキシロースをEtOH発酵の糖供給源として用いることができる。ある特徴では、本発明のキシラナーゼは、セルロース系材料のヘミセルロース部分の酵素的分解で活性を有し、モノマーキシロースを遊離させる。ある特徴では、本発明のポリペプチドの改善キシラナーゼ活性は、発酵に利用され得るキシロース量を増加させる。
ある特徴では、ヘミセルロースを除去することによって、セルラーゼはいっそうセルロースに接近することができ、それによってまたセルロースのグルコースへの変換を増加させることができる。本発明のキシラナーゼ(例えば例示的エンドキシラナーゼXyl 11(配列番号:2)の配列変種(本明細書に記載した例示的な18のアミノ酸置換を含む))を用いて、上記表1に記載するように、“野生型”キシラナーゼを超える比活性の増加を達成することができる(注記:表1では、BCAアッセイで測定した9.5時間の加水分解後の560nmでの吸収として三次アッセイの活性が示されている)。表1を参照すれば、これらクローン(本発明のキシラナーゼ)の各々を、可変因子としてキシラナーゼを用いるカクテル糖化アッセイで評価したとき、これらクローン(本発明のキシラナーゼ)の14クローンが、表3に示すように、同じローディングで野生型を用いたアッセイと比較したときキシロース変換率を改善した(表3で言及する配列については表1を参照されたい。例えば表1は、Xyl 11変異体5の配列について、例示的配列番号:2を土台にしてXyl 11変異体5を説明しているという具合である。さらにまた、“Xyl 11(WT)”は“野生型”の例示的配列番号:2をさすことに留意されたい)。
【0266】
表3:表2(上記)に示すカクテルによるキシロース変換(キシラナーゼ成分(Xyl 11WTまたはXyl 11変異体)は各カクテルで変動することに留意されたい)
【0267】
したがって、本発明は、エンドグルカナーゼ、オリゴメラーゼI(ベータ-グルコシダーゼ)、CBH1(GHファミリー7)、CBH2(GHファミリー6)、キシラナーゼ(GHファミリー11)、アラビノフラノシダーゼ、キシラナーゼ(GHファミリー10)およびオリゴメラーゼII(ベータ-キシロシダーゼ)を含むか、または前記から成る酵素カクテル(これら酵素の1、2、3、4、5、6、7つおよび/または8つ全てが本発明のポリペプチドである)、および本発明のこれらカクテルまたは任意のカクテルを用いて多糖類組成物を処理するための方法、例えば上記に記載したように、例えば木材パルプ、紙、廃棄物などを処理/加工するため、またはバイオ燃料または食品もしくは飼料を製造するための方法を提供する。
【0268】
本発明の酵素を同定するためのスクリーニングおよびアッセイ
以下のスクリーニングおよびアッセイは本発明の例示的酵素の識別に用いられ、ある特徴では、これらスクリーニングおよびアッセイは、いずれのポリペプチドが(もちろん本明細書に記載の必須の配列同一性を有するとも仮定して)十分なキシラナーゼ活性を有し、本発明の範囲内に包含されるか否かを決定するために用いることができる。
キシラナーゼ進化スクリーニング:GSSM技術(Verenium Corporation, US Patent No. 6,171,820)を利用して、当該酵素の194残基の各々について可能な全てのアミノ酸交換を提示するエンドキシラナーゼXyl 11(配列番号:2)のための評価ライブラリーを作製した。縮退オリゴヌクレオチドを用い、各原型コドンが天然にコードされる20アミノ酸の各々で置換され得るように一度に1つのアミノ酸の位置に点変異を導入した。XL1-Blue(rec-A株、Stratagene)を前記変異導入変種で形質転換し、続いて、ベクターpWZ82T(配列番号:25)を用い前記株でシュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)MB214(Dow Global Technologies Inc., US Patent Publication No. 20050130160)を形質転換した。全ての変種を増殖させ、(シュードモナス・フルオレセンスMB214から)発現させ、さらに96ウェルプレートで溶解させた。前記溶解物を用いた加水分解反応は96ウェルプレートで実施した(200μLの200mMクエン酸緩衝液(pH5.5)、0.5%の粉砕乾燥アルカリ前処理トウモロコシ茎葉(CP-15)、50C)。1、3、5および10時間でアリコットを前記反応物から取り出し、800mMの炭酸緩衝液(pH10)を添加して反応を停止させた。各時点の加水分解の程度を還元エンドアッセイ(BCA)(Johnsonら(1998)が記載(下記参照))により判定し、560nmでの吸収(A560)を記録した。さらにまた、タンパク質発現に対して活性を標準化するために、Xyl 11(配列番号:2)特異的抗体を用いる定量的ELIZAアッセイを利用した。機能的および定量的アッセイの両方を高処理アッセイのために自動化した。一次スクリーニングにおいて、プレートでXyl 11(配列番号:2)コントロールを少なくとも2標準偏差(>1.0+2 STDV wt)超える標準化活性を示すクローンを二次スクリーニングに移した。二次スクリーニングでは、一次スクリーニングの場合と同じアッセイおよびヒット基準を用い、デュープリケートで一次ヒットの全てを再スクリーニングした。続いて、両方のデュープリケートで確認されたクローンを三次スクリーニングに移した。三次スクリーニングで、これらクローンをBCAアッセイにより再びデュープリケートでアッセイしたが、今度はタンパク質の異なる規定濃度(0.1、0.05および0.025mg/mL)を用いた。溶解物の全タンパク質をBradfordアッセイ(例えばBradford(1976)に記載(下記参照))で決定し、続いてキシラナーゼの相対的含有量を規定量の全タンパク質を泳動させた後でSDS PAGEゲルのデンシトメトリーで決定した。三次スクリーンで少なくとも1つの酵素濃度について、WT活性(560nm(A560)での吸収として記録)を超える全クローンを糖化アッセイでアッセイした。
【0269】
糖化/カクテルアッセイ:カクテル反応は、2つの金属ベアリングを含むキャップ付き10mLガラスバイアルで実施した。反応体積は5mL(200mMクエン酸ナトリウム、1mMアジ化ナトリウム(pH5.5))で、5%固形物(40グリットのサイズの粉砕アルカリ前処理トウモロコシ茎葉)を含む。酵素の組成およびローディングは上記の表2のとおりであるが、ファミリー11のエンドキシラナーゼでは変動する。300rpmにて振盪しながら36時間50Cで反応バイアルをインキュベートした。一組の標準曲線および目盛り修正曲線を用い、遊離キシロースモノマー濃度をHPLC(RI検出装置、Shodex SP-0810カラム、流速0.5mL/分)で決定した。
−D.B. Johnston, S.P. Shoemaker, G.M. Smith,and J.P. Whitaker, Kinetic Measurement of Cellulase Activity on Insoluble Substrates Using Disodium 2,2' Bicinchoniate. J Food Biochem (22) Issue 4pp. 301-319, 1998
−M.M. Bradford (1976) A Rapid and Sensitive Method for the Quantitation of Microgram Quantities of Protein Utilizing the Principle of Protein-Dye Binding Anal Biochem 72:248-25
本発明のある種の好ましい特徴を参考にしながら、これまで本発明を説明してきたが、修正および変型も、開示し特許請求の範囲に記載した範囲内に包含されることは理解されよう。