【実施例】
【0060】
以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、以下の記載において、「%」は特に断らない限り「重量%」を意味する。
【0061】
(参考例1)
L−サクシニラーゼの調製
ゲオバチルス・カウストフィラス(
Geobacillus kaustophilus)NBRC102445株由来のL−サクシニラーゼ遺伝子(配列番号1)にEcoRI認識部位とBamHI認識部位を付加した遺伝子を、DNAポリメラーゼPrimeSTAR(宝酒造社製)を用いたPCRを行い取得した。上記のPCRで得られたDNA断片をプラスミドpUCN18(PCR法によりpUC18(タカラバイオ社製、GenBank Accession No. L09136)の185番目のTをAに改変してNdeIサイトを破壊し、更に471−472番目のGCをTGに改変することにより新たにNdeIサイトを導入したプラスミド)のlacプロモーターの下流のEcoRI認識部位とBamHI認識部位の間に挿入し、組換えベクターpNHKを構築した。組換えベクターpNHKを用いて、
E.
coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を形質転換し、
E.
coli HB101(pNHK)を得た。得られた形質転換体を、200μg/mlのアンピシリンを含む2×YT培地(トリプトン1.6%、イーストエキス1.0%、NaCl0.5%、pH7.0)5mlに接種し、37℃で24時間振盪培養した。遠心分離により菌体を集め、5mlの100mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。これを、UH−50型超音波ホモゲナイザー(SMT社製)を用いて破砕した後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液のサクシニラーゼ活性を測定し、サクシニラーゼ活性5Uの発現が認められた。
【0062】
(参考例2)
L−サクシニラーゼの活性測定
L−サクシニラーゼのサクシニラーゼ活性は以下に述べる方法で測定した。基質となるN−サクシニル−DL−フェニルアラニン溶液250μl(終濃度50mM)、Tris−HCl(0.5M/pH7.5)230μlを混和し、この反応液に酵素液20μlを加えて30℃で反応を行い、適当な時間で1N HCl添加により反応停止させた。生成したL−フェニルアラニンを高速液体クロマトグラフィーにより定量し、酵素活性を算出した。酵素活性はN−サクシニル−DL−フェニルアラニンからL−フェニルアラニンが1分間に1μmole生成された場合を1unit(U)と定義した。
【0063】
(参考例3)
N−アシルアミノ酸ラセマーゼの調製
ゲオバチルス・カウストフィラスNBRC102445株由来のN−アシルアミノ酸ラセマーゼ遺伝子(配列番号2)にEcoRI認識部位とSacI認識部位を付加した遺伝子を、DNAポリメラーゼPrimeSTAR(宝酒造社製)を用いたPCRを行い取得した。上記のPCRで得られたDNA断片をプラスミドpUCN18のlacプロモーターの下流のEcoRI認識部位とSacI認識部位の間に挿入し、組換えベクターpNIGを構築した。組換えベクターpNIGを用いて、
E.
coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を形質転換し、
E.
coli HB101(pNIG)を得た。得られた形質転換体を、200μg/mlのアンピシリンを含む2×YT培地(トリプトン1.6%、イーストエキス1.0%、NaCl0.5%、pH7.0)5mlに接種し、37℃で24時間振盪培養した。遠心分離により菌体を集め、5mlの100mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。これを、UH−50型超音波ホモゲナイザー(SMT社製)を用いて破砕した後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液のN−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性を測定し、N−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性2Uの発現が認められた。 サーマス・サーモフィラスHB8株由来のN−アシルアミノ酸ラセマーゼ遺伝子(配列番号3)にNdeI認識部位とEcoRI認識部位を付加した遺伝子を、DNAポリメラーゼPrimeSTAR(宝酒造社製)を用いたPCRを行い取得した。上記のPCRで得られたDNA断片をプラスミドpUCN18のlacプロモーターの下流のNdeI認識部位とEcoRI認識部位の間に挿入し、組換えベクターpNITを構築した。組換えベクターpNITを用いて、
E.
coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を形質転換し、
E.
coli HB101(pNIT)を得た。得られた形質転換体を、200μg/mlのアンピシリンを含む2×YT培地(トリプトン1.6%、イーストエキス1.0%、NaCl0.5%、pH7.0)5mlに接種し、37℃で24時間振盪培養した。遠心分離により菌体を集め、5mlの100mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。これを、UH−50型超音波ホモゲナイザー(SMT社製)を用いて破砕した後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液のN−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性を測定し、N−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性1Uの発現が認められた。
【0064】
(参考例4)
N−アシルアミノ酸ラセマーゼの活性測定
N−アシルアミノ酸ラセマーゼのラセマーゼ活性は以下に述べる方法で測定した。基質となるN−アセチル−D−メチオニン溶液を100μl(終濃度20mM)、塩化コバルト水溶液を5μl(終濃度1mM)、Tris−HCl(0.5M/pH7.5)を50μl(終濃度50mM)、滅菌蒸留水を245μlを混和し、この反応液にL−アミノアシラーゼ溶液(20mg/ml、ラセマーゼによって生成するN−アセチル−L−メチオニンを脱アシル化しL−メチオニンを生成する)50μl、及び酵素液50μlを加えて30℃で反応を行い、適当な時間で1N HCl添加により反応停止させた。生成したL−メチオニンを高速液体クロマトグラフィーにより定量し、酵素活性を算出する。酵素活性はN−アセチル−D−メチオニンからN−アセチル−L−メチオニンが1分間に1μmole生成された場合を1unit(U)と定義した。
【0065】
(実施例1)
L−4−ブロモフェニルアラニンの製造
DL−4−ブロモフェニルアラニン2.2gと無水コハク酸0.99g及び酢酸20mlを混合し、55℃で4h反応させ、濃縮後酢酸エチルでの晶析を行い、N−サクシニル−DL−4−ブロモフェニルアラニン2.1gを取得した。N−サクシニル−DL−4−ブロモフェニルアラニンの基質溶液(pH8)を調製し、塩化コバルト水溶液を終濃度1mMとなるように添加後、参考例1及び参考例3と同様に培養した
E.
coli HB101(pNHK)及び
E.coli HB101(pNIG)の培養液を混合し(基質の終濃度は8重量%)、45℃にて反応を行ったところ、反応液中に4−ブロモフェニルアラニンが析出した。18時間攪拌後、反応液中の基質及び生成物を高速液体クロマトグラフィーにて分析することにより、変換率(mol%)及び光学純度(%e.e.)を求めた結果、変換率は98.0mol%、L−4−ブロモフェニルアラニンの光学純度は100%e.e.であった。変換率より算出されるL−4−ブロモフェニルアラニンの蓄積濃度は5.5重量%であった。また、L−4−ブロモフェニルアラニンの溶解濃度を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析測定したところ、0.5重量%以下であった。
【0066】
変換率(mol%)=生成物量/(残存基質量+生成物量)×100
光学純度(%e.e.)=(A−B)/(A+B)×100(Aは対象とする鏡像異性体量でBは対応する鏡像異性体量)
<高速液体クロマトグラフィー分析条件>
[変換率の分析]
カラム:COSMOSIL 5C18−AR−II
(4.6mmφ×250mm、ナカライ社製)
溶離液:20mM リン酸水溶液(pH2.5)/アセトニトリル=8/2
流速:1.0ml/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm
[光学純度の分析]
カラム:CROWNPAC CR(+)(4.6mmφ×150mm、ダイセル社製)
溶離液:過塩素酸水溶液(pH1.5)/メタノール=85/15
流速:1.0ml/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm。
【0067】
N−サクシニル−DL−4−ブロモフェニルアラニン
1H−NMR(400MHz、CD
3OD)δppm:2.44−2.56(4H,m),2.94(1H,dd,J=8.6Hz,J=13.9Hz),3.14(1H,dd,J=5.4Hz,J=13.9Hz),4.62−4.66(1H,m),7.14−7.19(2H,m),7.39−7.43(2H,m)。
【0068】
(実施例2)
L−3−フルオロフェニルアラニンの製造
DL−3−フルオロフェニルアラニン2.0gと無水コハク酸0.99g及び酢酸20mlを混合し、55℃で4h反応させ、濃縮後酢酸エチルでの晶析を行い、N−サクシニル−DL−3−フルオロフェニルアラニン1.9gを取得した。N−サクシニル−DL−3−フルオロフェニルアラニンの基質溶液(pH8)を調製し、塩化コバルト水溶液を終濃度1mMとなるように添加後、参考例1及び参考例3と同様に培養した
E.
coli HB101(pNHK)及び
E.
coli HB101(pNIG)の培養液を混合し(基質の終濃度は8重量%)、45℃にて反応を行ったところ、反応液中に3−フルオロフェニルアラニンが析出した。20時間攪拌後、反応液中の基質及び生成物を高速液体クロマトグラフィーにて分析することにより、変換率(mol%)及び光学純度(%e.e.)を求めた結果、変換率は97.5mol%、L−3−フルオロフェニルアラニンの光学純度は100%e.e.であった。変換率より算出されるL−3−フルオロフェニルアラニンの蓄積濃度は5.1重量%であった。また、L−3−フルオロフェニルアラニンの溶解濃度を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析測定したところ、0.5重量%以下であった。
【0069】
変換率(mol%)=生成物量/(残存基質量+生成物量)×100
光学純度(%e.e.)=(A−B)/(A+B)×100(Aは対象とする鏡像異性体量でBは対応する鏡像異性体量)
<高速液体クロマトグラフィー分析条件>
[変換率の分析]
カラム:COSMOSIL 5C18−AR−II
(4.6mmφ×250mm、ナカライ社製)
溶離液:20mM リン酸水溶液(pH2.5)/アセトニトリル=8/2
流速:1.0ml/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm
[光学純度の分析]
カラム:CROWNPAC CR(+)(4.6mmφ×150mm、ダイセル社製)
溶離液:過塩素酸水溶液(pH1.5)/メタノール=85/15
流速:1.0ml/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm。
【0070】
(実施例3)
L−2−ナフチルアラニンの製造
DL−2−ナフチルアラニン2.0gと無水コハク酸1.02g及び酢酸25mlを混合し、55℃で4h反応させ、濃縮後酢酸エチルでの晶析を行い、N−サクシニル−DL−2−ナフチルアラニン2.3gを取得した。N−サクシニル−DL−2−ナフチルアラニンの基質溶液(pH8)を調製し、塩化コバルト水溶液を終濃度1mMとなるように添加後、参考例1及び参考例3と同様に培養した
E.
coli HB101(pNHK)及び
E.
coli HB101(pNIG)の培養液を混合し(基質の終濃度は9重量%)、45℃にて反応を行ったところ、反応液中に2−ナフチルアラニンが析出した。20時間攪拌後、反応液中の基質及び生成物を高速液体クロマトグラフィーにて分析することにより、変換率(mol%)及び光学純度(%e.e.)を求めた結果、変換率は99.8mol%、L−2−ナフチルアラニンの光学純度は100%e.e.であった。変換率より算出されるL−2−ナフチルアラニンの蓄積濃度は6.2重量%であった。また、L−2−ナフチルアラニンの溶解濃度を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析測定したところ、0.2重量%以下であった。
【0071】
変換率(%)=生成物量/(残存基質量+生成物量)×100
光学純度(%e.e.)=(A−B)/(A+B)×100(Aは対象とする鏡像異性体量でBは対応する鏡像異性体量)
<高速液体クロマトグラフィー分析条件>
[変換率の分析]
カラム:COSMOSIL 5C18−AR−II
(4.6mmφ×250mm、ナカライ社製)
溶離液:20mM リン酸水溶液(pH2.5)/アセトニトリル=8/2
流速:1.0ml/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm
[光学純度の分析]
カラム:CHIROBIOTIC T(4.6mmφ×250mm、Astec社製)
溶離液:水/エタノール=3/7
流速:0.5ml/分
カラム温度:40℃
測定波長:210nm。
【0072】
N−サクシニル−DL−2−ナフチルアラニン
1H−NMR(400MHz、CD
3OD)δppm:2.38−2.50(4H,m),3.14(2H,dd,J=8.5Hz,J=13.9Hz),4.74−4.87(1H,m),7.36−7.45(3H,m),7.05−7.15(4H,m)。
【0073】
(実施例4)
L−2−インダニルグリシンの製造
DL−2−インダニルグリシン2.5gと無水コハク酸1.44g及び酢酸30mlを混合し、55℃で4h反応させ、濃縮後酢酸エチルでの晶析を行い、N−サクシニル−DL−2−インダニルグリシン3.2gを取得した。N−サクシニル−DL−2−インダニルグリシンの基質溶液(pH8)を調製し、塩化コバルト水溶液を終濃度1mMとなるように添加後、参考例11及び参考例3と同様に培養した
E.
coli HB101(pNHK)及び
E.
coli HB101(pNIG)の培養液を混合し(基質の終濃度は8重量%)、45℃にて反応を行ったところ、反応液中に2−インダニルグリシンが析出した。20時間攪拌後、反応液中の基質及び生成物を高速液体クロマトグラフィーにて分析することにより、変換率(mol%)及び光学純度(%e.e.)を求めた結果、変換率は100mol%、L−2−インダニルグリシンの光学純度は100%e.e.であった。変換率より算出されるL−2−インダニルグリシンの蓄積濃度は5.3重量%であった。また、L−2−インダニルグリシンの溶解濃度を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析測定したところ、0.5重量%以下であった。
【0074】
変換率(%)=生成物量/(残存基質量+生成物量)×100
光学純度(%e.e.)=(A−B)/(A+B)×100(Aは対象とする鏡像異性体量でBは対応する鏡像異性体量)
<高速液体クロマトグラフィー分析条件>
[変換率の分析]
カラム:COSMOSIL 5C18−AR−II
(4.6mmφ×250mm、ナカライ社製)
溶離液:20mM リン酸水溶液(pH2.5)/アセトニトリル=8/2
流速:1.0ml/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm
[光学純度の分析]
カラム:CROWNPAC CR(+)(4.6mmφ×150mm、ダイセル社製)
溶離液:過塩素酸水溶液(pH1.5)/メタノール=85/15
流速:1.0ml/分
カラム温度:35℃
測定波長:210nm。
【0075】
N−サクシニル−DL−2−インダニルグリシン
1H−NMR(400MHz、CD
3OD)δppm:2.47−2.61(4H,m),2.79−3.31(5H,m),4.51(1H,d,J=6.8Hz),7.05−7.15(4H,m)。
【0076】
(実施例5)
L−6−ヘプテニルグリシンの製造
DL−6−ヘプテニルグリシン2.0gと無水コハク酸1.29g及び酢酸20mlを混合し、55℃で4h反応させ、濃縮後酢酸エチルでの晶析を行い、N−サクシニル−DL−6−ヘプテニルグリシン1.4gを取得した。N−サクシニル−DL−6−ヘプテニルグリシンの基質溶液(pH8)を調製し、塩化コバルト水溶液を終濃度1mMとなるように添加後、参考例1及び参考例3と同様に培養した
E.
coli HB101(pNHK)及び
E.
coli HB101(pNIG)の培養液を混合し(基質の終濃度は9重量%)、45℃にて反応を行ったところ、反応液中に6−ヘプテニルグリシンが析出した。24時間攪拌後、反応液中の基質及び生成物を高速液体クロマトグラフィーにて分析することにより、変換率(mol%)を求めた結果、変換率は99.6mol%であった。更に生成物を二炭酸ジtert−ブチルでN−tert−ブトキシカルボニル6−ヘプテニルグリシンへと誘導化し高速液体クロマトグラフィーにて光学純度(%e.e.)分析を行ったところ、100%e.e.であった。変換率より算出されるL−6−ヘプテニルグリシンの蓄積濃度は5.7重量%であった。また、L−6−ヘプテニルグリシンの溶解濃度を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析測定したところ、0.5重量%以下であった。
<高速液体クロマトグラフィー分析条件>
[変換率の分析]
カラム:YMC−A303(4.6mmφ×250mm、YMC社製)
溶離液:20mMリン酸水溶液(pH2.5)/アセトニトリル=1/1
流速:1.0ml/分
カラム温度:35℃
測定波長:210nm
[光学純度の分析]
カラム:CHIRALPAK AD−RH(4.6mmφ×150mm、ダイセル社製)
溶離液:0.02% リン酸水溶液(pH2.5)/アセトニトリル=65/35
流速:0.7ml/分
カラム温度:35℃
測定波長:205nm。
【0077】
N−サクシニル−DL−6−ヘプテニルグリシン
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6)δppm:1.25−1.38(6H,m),1.51−1.69(2H,m),2.01(2H,q,J=6.6Hz),2.32−2.44(4H,m),4.16(1H,dt,J=5.2Hz,J=8.6Hz),4.93(1H,d,J=10.2Hz),4.99(1H,d,J=17.1Hz),5.79(1H,m),8.08(1H,d,J=7.1Hz)。
【0078】
(比較例)L−フェニルアラニンの製造
DL−フェニルアラニン5.0gと無水コハク酸3.0g及び酢酸30mlを混合し、55℃で4h反応させ、濃縮後酢酸エチルでの晶析を行い、N−サクシニル−DL−フェニルアラニン4.5gを取得した。N−サクシニル−DL−フェニルアラニンの基質溶液(pH8)を調製し、塩化コバルト水溶液を終濃度1mMとなるように添加後、参考例1及び参考例3と同様に培養した
E.
coli HB101(pNHK)及び
E.
coli HB101(pNIG)の培養液を混合し(基質の終濃度は6重量%)、45℃にて反応を行った。21時間攪拌後、反応液中の基質及び生成物を高速液体クロマトグラフィーにて分析することにより、変換率(mol%)及び光学純度(%e.e.)を求めた結果、変換率は86.0mol%、L−フェニルアラニンの光学純度は100%e.e.であった。変換率より算出されるL−フェニルアラニンの蓄積濃度は3.2重量%であった。また、L−フェニルアラニンの溶解濃度を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析測定したところ、4重量%であった。
【0079】
変換率(mol%)=生成物量/(残存基質量+生成物量)×100
光学純度(%e.e.)=(A−B)/(A+B)×100(Aは対象とする鏡像異性体量でBは対応する鏡像異性体量)
<高速液体クロマトグラフィー分析条件>
[変換率の分析]
カラム:COSMOSIL 5C18−AR−II
(4.6mmφ×250mm、ナカライ社製)
溶離液:20mM リン酸水溶液(pH2.5)/アセトニトリル=8/2
流速:1.0ml/分
カラム温度:30℃
測定波長:210nm
[光学純度の分析]
カラム:CROWNPAC CR(-)(4.6mmφ×150mm、ダイセル社製)
溶離液:過塩素酸水溶液(pH2.5)
流速:1.0ml/分
カラム温度:35℃
測定波長:254nm。
【0080】
(実施例6)
L−サクシニラーゼとN−アシルアミノ酸ラセマーゼ遺伝子を含むベクターで形質転換された形質転換体の作製
ゲオバチルス・カウストフィラスNBRC102445株由来のL−サクシニラーゼ遺伝子(配列番号1)の615番目のCをGに改変した遺伝子にSacI認識部位とBamHI認識部位を付加した遺伝子を、DNAポリメラーゼPrimeSTAR(宝酒造社製)を用いたPCRを行い取得した。上記のPCRで得られたDNA断片を参考例3で作製したプラスミドpNIGのSacI認識部位とBamHI認識部位の間に挿入し、組換えベクターpNIGHKを構築した。組換えベクターpNIGHKを用いて、
E.coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を形質転換し、
E.coli HB101(pNIGHK)を得た。得られた形質転換体を、200μg/mlのアンピシリンを含む2×YT培地(トリプトン1.6%、イーストエキス1.0%、NaCl0.5%、pH7.0)5mlに接種し、37℃で24時間振盪培養した。遠心分離により菌体を集め、5mlの100mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。これを、UH−50型超音波ホモゲナイザー(SMT社製)を用いて破砕した後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液のサクシニラーゼ活性及びN−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性測定し、サクシニラーゼ活性4U及びN−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性1Uの発現が認められた。
【0081】
(実施例7)
L−サクシニラーゼとN−アシルアミノ酸ラセマーゼ遺伝子を含むベクターで形質転換された形質転換体を用いたL−6−ヘプテニルグリシンの製造
実施例5と同様にしてN−サクシニル−DL−6−ヘプテニルグリシンの基質溶液(pH8)を調製し、塩化コバルト水溶液を終濃度1mMとなるように添加後、実施例6と同様に培養した
E.coli HB101(pNIGHK)の培養液を混合し(基質の終濃度は9重量%)、45℃にて反応を行ったところ、反応液中に6−ヘプテニルグリシンが析出した。24時間攪拌後、反応液中の基質及び生成物を高速液体クロマトグラフィーにて分析することにより、変換率(mol%)を求めた結果、変換率は99.6mol%であった。更に生成物を二炭酸ジtert−ブチルでN−tert−ブトキシカルボニル6−ヘプテニルグリシンへと誘導化し高速液体クロマトグラフィーにて光学純度(%e.e.)分析を行ったところ、100%e.e.であった。変換率より算出されるL−6−ヘプテニルグリシンの蓄積濃度は5.7重量%であった。また、L−6−ヘプテニルグリシンの溶解濃度を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析測定したところ、0.5重量%以下であった。
【0082】
<高速液体クロマトグラフィー分析条件>
[変換率の分析]
カラム:YMC−A303(4.6mmφ×250mm、YMC社製)
溶離液:20mMリン酸水溶液(pH2.5)/アセトニトリル=1/1
流速:1.0ml/分
カラム温度:35℃
測定波長:210nm
[光学純度の分析]
カラム:CHIRALPAK AD−RH(4.6mmφ×150mm、ダイセル社製)
溶離液:0.02% リン酸水溶液(pH2.5)/アセトニトリル=65/35
流速:0.7ml/分
カラム温度:35℃