特許第5744534号(P5744534)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744534
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】自転車用ペダル
(51)【国際特許分類】
   B62M 3/08 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
   B62M3/08 A
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-8759(P2011-8759)
(22)【出願日】2011年1月19日
(65)【公開番号】特開2012-148672(P2012-148672A)
(43)【公開日】2012年8月9日
【審査請求日】2013年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】500584251
【氏名又は名称】株式会社エヌシィシィ
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(72)【発明者】
【氏名】坂 俊毅
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−194989(JP,A)
【文献】 特表2006−505449(JP,A)
【文献】 実開昭58−068396(JP,U)
【文献】 特開2007−099203(JP,A)
【文献】 特開昭58−116288(JP,A)
【文献】 特開2010−162964(JP,A)
【文献】 実開昭50−084949(JP,U)
【文献】 国際公開第2005/102827(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を載せる踏込面部が、外側から内側に下り傾斜しており、さらに、該踏込面部の内側部分を前後方向に略水平にした時に、踏込面部の外側部分が、後側から前側に下り傾斜することを特徴とする自転車用ペダル。
【請求項2】
踏込面部の内側に、該踏込面部から隆起して踏込面部に載せた足を内側から支持する内側支持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自転車用ペダル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用ペダルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、足を載せる踏込面部を外側から内側に下り傾斜させた自転車用ペダルが知られている(例えば、特許文献1,2)。しかしながら、これらのペダルは漕ぎ易さを目的としているものである。これらのペダルでは、ペダルを踏み込む際に、踏込面部の傾斜によって踵骨が回内するだけであるため、O脚の根本原因である膝関節に負荷がほとんど加わらず、O脚矯正の効果を得ることはできない。
【0003】
一方で、O脚を矯正するために、様々な矯正器具が開発されている。しかしながら、こうした器具は、定期的に当該器具を使用する時間を設ける必要があるため長続きしないことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭50−84949号公報
【特許文献2】特開2007−99203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、意識せずに日常生活の中でO脚矯正を行うことのできる自転車用ペダルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、足を載せる踏込面部が、外側から内側に下り傾斜しており、さらに、該踏込面部の内側部分を前後方向に略水平にした時に、踏込面部の外側部分が、後側から前側に下り傾斜することを特徴とする自転車用ペダルである。なお、ここでいう踏込面部の傾斜方向は、踏込面部を上向きにした状態における傾斜方向を指す。
【0007】
かかる構成にあっては、踏込面部に足の前側部分を載せて踏み込む時に、踏込面部の内外方向及び前後方向の傾斜によって、親指の付け根でつま先立ちをするように足底面が傾くこととなる。この時、足関節は、かかる足底面の傾きを実現するために、踵骨の回内だけでなく、底屈と外転まで行うこととなり、かかる足関節の動きによって、O脚の内反した膝関節に対して外反方向の負荷を効果的に加えることができる。したがって、本発明のペダルを自転車に取り付ければ、自転車を漕いでいるだけでO脚を矯正することができる。
【0008】
本発明にあって、踏込面部の内側に、該踏込面部から隆起して踏込面部に載せた足を内側から支持する内側支持部が形成されていることが提案される。かかる構成にあっては、踏込面部に載せた足が内側支持部によって内側から支持されるため、踏込面部が傾斜していても、踏込面部から足をずらすことなく、踏込面部を繰り返して確実に踏み込むことが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
以上に述べたように、本発明によれば、自転車を漕いでいるだけで、O脚矯正の効果が得られるから、日常の5〜30分程度の通勤、通学や買物などの移動時間を利用してO脚矯正を行うことができる。一般的に、O脚矯正器具の使用は長続きしない傾向があるが、かかる自転車用ペダルは、日常的に自転車に乗っている人であれば、日常生活の一環として意識することなく習慣的に使用可能であるため、無理なく長続きさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例の自転車用ペダル1の正面図である。
図2】左方のペダル本体2の前方斜視図である。
図3】左方のペダル本体2の正面図である。
図4】左方のペダル本体2の平面図である。
図5】左方のペダル本体2を外側から見た側面図である。
図6】(a)は、図3中のA−A線断面図であり、(b)は、図3中のB−B線断面図である。
図7】踏込面部5の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
実施例の自転車用ペダル1は、図1に示すように、左右一対の肉厚板状のペダル本体2,2と、各ペダル本体2を自転車のクランクXに固定するペダルシャフト3,3とを備えて成る。
【0012】
以下、ペダル本体2の構成について説明するが、左右一対のペダル本体2は対称形状であるため、左方のもののみを示す図面を参照して説明する。
ペダル本体2は、硬質樹脂で構成されており、図2に示すように、内側と外側が肉厚で、中央が比較的肉薄となった括れた板形状をなしている。ペダル本体2には、図3,4に示すように、ペダルシャフト3を幅方向に挿通させる挿通孔4が形成されており、ペダル本体2は、ペダルシャフト3によって幅方向に軸支され、ペダルシャフト3を中心に回転可能となっている。
【0013】
ペダル本体2は、挿通孔4に対して回転対称形状をなしており、その両面に、足を載せる踏込面部5が形成されて、いずれかの踏込面部5を上向きにして使用するよう構成されている。踏込面部5は、ペダル本体2の外側縁から中央部に亘って形成されており、踏込面部5の内側は、踏込面部5から隆起して、踏込面部5に載せた足を内側から支持する内側支持部6を形成している。また、踏込面部5及び内側支持部6の表面には、滑止め防止溝7が格子状に形成されている。
【0014】
本実施例にあって、踏込面部5は、図2,3に示すように、上向きにした状態で、外側から内側に下り傾斜している。また、その傾斜は、外側ほど急峻で、内側ほど緩やかとなっている。
【0015】
また、踏込面部5は、図3,5,図6(a)に示すように、その内側部分を水平にした時に、その外側部分が後側から前側に5°程度下り傾斜している。この下り傾斜は、踏込面部5の外側ほど傾斜が急峻になるようになっている。
【0016】
かかる構成によれば、図7に示すように、踏込面部5に足の前側部分を載せてペダル本体2を踏み込むと、踏込面部5の傾斜面の案内作用によって、親指の付け根でつま先立ちをするように足底面が回転することとなる。この時、足関節が、回内だけでなく、底屈及び外転するように動くことで、膝関節には外反方向の負荷が加わることとなる。
【0017】
このように、本実施例の自転車用ペダル1では、自転車を漕ぐときに、膝を外反させる方向に適切に負荷を加えることができるから、O脚の傾向がある人であれば、本実施例の自転車用ペダル1を装着した自転車に習慣的に乗ることによって、O脚の内反した膝を適切に矯正でき、ひいては、O脚に起因する骨盤の歪みも補正することが可能となる。
【0018】
特に、本実施例では、踏込面部5の内側に形成された内側支持部6が、踏込面部5に載せた足を内側から支持するため、傾斜した踏込面部5を繰返し踏み込んでも、踏込面部5に載せた足が不適切な位置にずれることがなく、膝関節に適正な負荷を確実に加えることができるという利点がある。
【0019】
なお、本発明の自転車用ペダルは、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることが可能である。例えば、実施例の自転車用ペダル1では、ペダル本体2の両面に踏込面部5が形成されていたが、本発明に係る踏込面部は、ペダル本体の一面に形成されていれば足りる。また、ペダル本体に、踏込面部に載せた足を保持する被甲部を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 自転車用ペダル
2 ペダル本体
3 ペダルシャフト
4 挿通孔
5 踏込面部
6 内側支持部
7 滑止め防止溝
X クランク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7