特許第5744537号(P5744537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5744537電磁ソレノイドおよび同電磁ソレノイドを使用した可変動弁装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744537
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】電磁ソレノイドおよび同電磁ソレノイドを使用した可変動弁装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/16 20060101AFI20150618BHJP
   F01L 13/00 20060101ALI20150618BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   H01F7/16 H
   H01F7/16 R
   F01L13/00 301B
   F16K31/06 305C
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-13640(P2011-13640)
(22)【出願日】2011年1月26日
(65)【公開番号】特開2012-156284(P2012-156284A)
(43)【公開日】2012年8月16日
【審査請求日】2013年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】100067840
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 望
(74)【代理人】
【識別番号】100098176
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 訓
(74)【代理人】
【識別番号】100169111
【弁理士】
【氏名又は名称】神澤 淳子
(72)【発明者】
【氏名】山西 輝英
(72)【発明者】
【氏名】寺田 保男
(72)【発明者】
【氏名】日名子 真輝
(72)【発明者】
【氏名】藤原 一夫
(72)【発明者】
【氏名】小岩 洋
(72)【発明者】
【氏名】四戸 俊
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】大野 剛資
【審査官】 田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−246039(JP,A)
【文献】 特開平11−040418(JP,A)
【文献】 特開平11−260636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/06 − 7/122
H01F 7/126 − 7/128
H01F 7/13 − 7/16
F01L 1/34
F01L 9/00 − 9/04
F01L 13/00 − 13/08
F16K 31/06 − 31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に巻回された励磁コイル(73)の中心軸上をプランジャ(75)が軸方向に移動可能に支持され、前記励磁コイル(73)の励磁で外部負荷に抗して前記プランジャ(75)が前進方向である前方に突出し、前記励磁コイル(73)の消磁で外部負荷により前記プランジャ(75)が後方に後退する電磁ソレノイド(70)において、
前記プランジャ(75)を後方で対向して受け止めるストッパ部材(82)が固定部材(80)により軸方向に摺動自在に支持され、
前記ストッパ部材(82)は、付勢手段(87)により前方に付勢されるとともに、前記固定部材(80)により構成される位置規制部(80b)により前方への摺動を所定位置で規制され、
前記位置規制部(80b)により所定位置で規制された前記ストッパ部材(82)に前記プランジャ(75)が後退時に当接することを特徴とする電磁ソレノイド。
【請求項2】
前記固定部材(80)は、ヨークを兼ね、前記ストッパ部材(82)を収納し前後方向に摺動自在に案内する円筒ガイド部(80a)を有し、
前記円筒ガイド部(80a)は前記プランジャ(75)側である前側端部に内径を縮径する開孔(81)を有する前記位置規制部(80b)を有し、
前記ストッパ部材(82)が前記付勢手段(87)により付勢されて前記位置規制部(80b)に当接した状態で前記位置規制部(80b)の開孔(81)に臨む前記ストッパ部材(82)の前端面に、前記プランジャ(75)が後退時に当接することを特徴とする請求項1記載の電磁ソレノイド。
【請求項3】
前記プランジャ(75)は、ヨークを兼ねるプランジャガイド部材(74)により軸方向に移動自在に支持され、
概ね有底円筒状をなす可動ヨーク部材(76)が、前記プランジャガイド部材(74)の後方で前記プランジャ(75)の前記プランジャガイド部材(74)より後方に突出した部分に底壁(76b)を貫通されて一体に嵌着支持され、
前記可動ヨーク部材(76)の円筒壁(76a)が、前記励磁コイル(73)の円筒内周に沿って前記固定部材(80)の端部を覆うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁ソレノイド。
【請求項4】
前記固定部材(80)の前記円筒ガイド部(80a)の後側開口に蓋部材(85)が取り付けられ、
前記ストッパ部材(82)と前記蓋部材(85)との間に前記付勢手段(87)が介装されることを特徴とする請求項2または請求項3記載の電磁ソレノイド。
【請求項5】
前記固定部材(80)の前記円筒ガイド部(80a)の内周に雌ねじ(80s)が形成され、
前記蓋部材(85)に雄ねじ部(85s)が形成され、
前記円筒ガイド部(80a)の雌ねじ(80s)に前記雄ねじ部(85s)を螺合して前記円筒ガイド部(80a)の後側開口に前記蓋部材(85)が固着され、
前記付勢手段(87)は前記ストッパ部材(82)と前記蓋部材(85)の前記雄ねじ部(85s)との間に介装されることを特徴とする請求項4記載の電磁ソレノイド。
【請求項6】
前記ストッパ部材(82)は、前記円柱本体(82a)から後側に円柱ガイド棒(82c)を突出形成しており、
前記蓋部材(85)は、前記雄ねじ部(85s)に前記円柱ガイド棒(82c)を摺動自在に嵌入して前記ストッパ部材(82)を案内するガイド孔(85c)が形成され、
前記付勢手段は、コイルスプリング(87)で、前記円柱ガイド棒(82c)の周囲に周設されることを特徴とする請求項5記載の電磁ソレノイド。
【請求項7】
前記円筒ガイド部(80a)は、前記プランジャ(75)側の前方を開口し後方開口を塞ぐ底壁(80d)が形成され、
前記位置規制部(80b)は、前記円筒ガイド部(80a)の前側開口部に嵌着される環状部材であることを特徴とする請求項2記載の電磁ソレノイド。
【請求項8】
前記位置規制部(80b)は、前記円筒ガイド部(80a)の前側開口部の内周面に嵌合してかしめで固定されることを特徴とする請求項7記載の電磁ソレノイド。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載された電磁ソレノイド(70)の駆動による前記プランジャ(75)の移動を動力伝達機構(65,53,54)を介して可変カム部材(50)の作動に伝達してバルブタイミングが変更され、
前記プランジャ(75)に作用する前記外部負荷(56)は前記動力伝達機構(65,53,54)に組み込まれることを特徴とする可変動弁装置。
【請求項10】
前記動力伝達機構(65,53,54)は、支点(P)で軸支され前記プランジャ(75)の移動を力点(Q)で入力して揺動し作用点(R)で摺動部材(53)を摺動させるレバー比(r)の大きい揺動アーム(65)を備え、
前記摺動部材(53)とともに前記可変カム部材(50)が移動してバルブタイミングが変更されることを特徴とする請求項9記載の可変動弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励磁コイルの励磁によりプランジャが移動する電磁ソレノイドおよびその電磁ソレノイドを使用した可変動弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁ソレノイドは、一般に、励磁コイルの励磁によりプランジャが突出し、励磁コイルが消磁すると、スプリング等の付勢手段によりプランジャが元の位置まで押し込まれる。
プランジャが押し込まれ元の位置に停止するために、所定位置にストッパが設けられ、押し込まれたプランジャはストッパに衝突して元の位置に停止する。
プランジャはもとより一般的にストッパも金属であり、そのため、プランジャがストッパに衝突したときに、金属音が発生する。
【0003】
そこで、プランジャまたはストッパの衝突する部分にエラストマーによる緩衝部材を設け、プランジャとストッパの衝突に緩衝部材を介在させることで、衝突による衝撃を吸収して衝突音を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2004−510327号公報
【0005】
特許文献1に開示された電磁ソレノイドは、プランジャとコア(ストッパ)の互いに対向する双方の衝突部分にエラストマーの緩衝部材が設けられており、衝突による衝撃を緩衝部材が吸収して衝突音を低減している。
【0006】
特許文献1に係る電磁ソレノイドにおいて、緩衝部材は押し込まれたプランジャを弾性変形しながら受け止めることで、衝撃を吸収している。
緩衝部材は弾性変形したのち、弾性的に復元することで、プランジャを元の所定位置に戻すことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、長年にわたって繰り返しプランジャが緩衝部材に衝突することで、質的な経年変化と相まって緩衝部材にヘタリを生じて僅かでも変形してしまうと、プランジャを所定の位置に正確に停止させることができなくなる。
プランジャが所定位置に停止できないと、プランジャのストローク量が変化して被作動部材を正確に動作させることができない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その第1の目的とする処は、衝突音を低減し、かつプランジャを常に所定位置に精度良く停止させることができる電磁ソレノイドを供する点にある。
また、第2の目的とする処は、プランジャを常に所定位置に精度良く停止させるソレノイドを使用することで、バルブタイミングの変更を精度良く実行できる可変動弁装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、円筒状に巻回された励磁コイル(73)の中心軸上をプランジャ(75)が軸方向に移動可能に支持され、前記励磁コイル(73)の励磁で外部負荷に抗して前記プランジャ(75)が前進方向である前方に突出し、前記励磁コイル(73)の消磁で外部負荷により前記プランジャ(75)が後方に後退する電磁ソレノイド(70)において、前記プランジャ(75)を後方で対向して受け止めるストッパ部材(82)が固定部材(80)により軸方向に摺動自在に支持され、前記ストッパ部材(82)は、付勢手段(87)により前方に付勢されるとともに、前記固定部材(80)により構成される位置規制部(80b)により前方への摺動を所定位置で規制され、前記位置規制部(80b)により所定位置で規制された前記ストッパ部材(82)に前記プランジャ(75)が後退時に当接することを特徴とする電磁ソレノイドである。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電磁ソレノイドにおいて、前記固定部材(80)は、ヨークを兼ね、前記ストッパ部材(82)を収納し前後方向に摺動自在に案内する円筒ガイド部(80a)を有し、前記円筒ガイド部(80a)は前記プランジャ(75)側である前側端部に内径を縮径する開孔(81)を有する前記位置規制部(80b)を有し、前記ストッパ部材(82)が前記付勢手段(87)により付勢されて前記位置規制部(80b)に当接した状態で前記位置規制部(80b)の開孔(81)に臨む前記ストッパ部材(82)の前端面に、前記プランジャ(75)が後退時に当接することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の電磁ソレノイドにおいて、前記プランジャ(75)は、ヨークを兼ねるプランジャガイド部材(74)により軸方向に移動自在に支持され、概ね有底円筒状をなす可動ヨーク部材(76)が、前記プランジャガイド部材(74)の後方で前記プランジャ(75)の前記プランジャガイド部材(74)より後方に突出した部分に底壁(76b)を貫通されて一体に嵌着支持され、前記可動ヨーク部材(76)の円筒壁(76a)が、前記励磁コイル(73)の円筒内周に沿って前記固定部材(80)の端部を覆うことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3記載の電磁ソレノイドにおいて、前記固定部材(80)の前記円筒ガイド部(80a)の後側開口に蓋部材(85)が取り付けられ、前記ストッパ部材(82)と前記蓋部材(85)との間に前記付勢手段(87)が介装されることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の電磁ソレノイドにおいて、前記固定部材(80)の前記円筒ガイド部(80a)の内周に雌ねじ(80s)が形成され、前記蓋部材(85)に雄ねじ部(85s)が形成され、前記円筒ガイド部(80a)の雌ねじ(80s)に前記雄ねじ部(85s)を螺合して前記円筒ガイド部(80a)の後側開口に前記蓋部材(85)が固着され、前記付勢手段(87)は前記ストッパ部材(82)と前記蓋部材(85)の前記雄ねじ部(85s)との間に介装されることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の電磁ソレノイドにおいて、前記ストッパ部材(82)は、前記円柱本体(82a)から後側に円柱ガイド棒(82c)を突出形成しており、前記蓋部材(85)は、前記雄ねじ部(85s)に前記円柱ガイド棒(82c)を摺動自在に嵌入して前記ストッパ部材(82)を案内するガイド孔(85c)が形成され、前記付勢手段は、コイルスプリング(87)で、前記円柱ガイド棒(82c)の周囲に周設されることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項2記載の電磁ソレノイドにおいて、前記円筒ガイド部(80a)は、前記プランジャ(75)側の前方を開口し後方開口を塞ぐ底壁(80d)が形成され、前記位置規制部(80b)は、前記円筒ガイド部(80a)の前側開口部に嵌着される環状部材であることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の電磁ソレノイドにおいて、前記位置規制部(80b)は、前記円筒ガイド部(80a)の前側開口部の内周面に嵌合してかしめで固定されることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載された電磁ソレノイド(70)の駆動による前記プランジャ(75)の移動を動力伝達機構(65,53,54)を介して可変カム部材(50)の作動に伝達してバルブタイミングが変更され、前記プランジャ(75)に作用する前記外部負荷(56)は前記動力伝達機構(65,53,54)に組み込まれることを特徴とする可変動弁装置である。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の可変動弁装置において、前記動力伝達機構(65,53,54)は、支点(P)で軸支され前記プランジャ(75)の移動を力点(Q)で入力して揺動し作用点(R)で摺動部材(53)を摺動させるレバー比(r)の大きい揺動アーム(65)を備え、前記摺動部材(53)とともに前記可変カム部材(50)が移動してバルブタイミングが変更されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の電磁ソレノイドによれば、付勢手段(87)により前方に付勢されて位置規制部(80b)により前方への摺動を所定位置で規制されたストッパ部材(82)に、プランジャ(75)が後退時に当接するので、電磁ソレノイド(70)が消磁してプランジャ(75)が後退して該ストッパ部材(82)に衝突すると、付勢手段(87)に抗してストッパ部材(82)がプランジャ(75)とともに後退することで衝撃が吸収されて衝突音が低減され、かつ一度後退したストッパ部材(82)は付勢手段(87)によりプランジャ(75)とともに前進して位置規制部(80b)で規制されるため、プランジャ(75)は所定位置に戻り精度良く位置決めされて停止することができ、よって常にプランジャ(75)のストローク量を一定に維持することができる。
【0020】
請求項2記載の電磁ソレノイドによれば、前記固定部材(80)は、ヨークを兼ね、ストッパ部材(82)を収納し前後方向に摺動自在に案内する円筒ガイド部(80a)を有し、同円筒ガイド部(80a)は前側端部に内径を縮径した開孔(81)を有する前記位置規制部(80b)が形成され、ストッパ部材(82)が付勢手段(87)により付勢されて位置規制部(80b)に当接した状態で位置規制部(80b)の開孔(81)に臨むストッパ部材(82)の前端面に、プランジャ(75)が当接して位置決めされるので、ストッパ部材(82)を摺動自在に収納する円筒ガイド部(80a)と、ストッパ部材(82)の前方への摺動を規制する位置規制部(80b)とが固定部材(80)に形成され、位置規制部(80b)には開孔(81)が形成される簡易でコンパクトな構成であり、電磁ソレノイド(70)の小型軽量化を図ることができる。
【0021】
請求項3記載の電磁ソレノイドによれば、プランジャ(75)を軸方向に移動自在に支持するヨークを兼ねるプランジャガイド部材(74)の後方に、概ね有底円筒状をなす可動ヨーク部材(76)がプランジャ(75)のプランジャガイド部材(74)より後方で突出した部分に底壁(76b)を貫通されて一体に嵌着支持され、可動ヨーク部材の円筒壁(76a)が、励磁コイル(73)の円筒内周に沿ってヨークを兼ねる固定部材(80)の端部を覆うので、励磁コイル(73)の励磁により発生する磁気を効率良く通す磁気回路が形成され、可動ヨーク部材(76)とプランジャ(75)を適当な可動力で一体に移動することができる。
【0022】
請求項4記載の電磁ソレノイドによれば、固定部材(80)の円筒ガイド部(80a)の後側開口に蓋部材(85)が取り付けられ、ストッパ部材(82)と蓋部材(85)との間に付勢手段(87)が介装されるので、円筒ガイド部(80a)に後側開口からストッパ部材(82)と付勢手段(87)を順に挿入して蓋部材(85)を取り付けることで、簡単に組付けることができ組付性が良好である。
【0023】
請求項5記載の電磁ソレノイドによれば、蓋部材(85)が雄ねじ部(85s)を有し、円筒ガイド部(80a)の雌ねじ部(80s)に螺合して蓋部材(85)を円筒ガイド部(80a)の後側開口に固着し、付勢手段(87)がストッパ部材(82)と蓋部材(85)の雄ねじ部(85s)との間に介装されるので、蓋部材の取り付けが簡単で益々組付性が向上する。
【0024】
請求項6記載の電磁ソレノイドによれば、ストッパ部材(82)は円柱本体(82a)から後側に円柱ガイド棒(82c)を突出形成しており、蓋部材(85)は雄ねじ部(85s)に円柱ガイド棒(82c)を摺動自在に嵌入してストッパ部材(82)を案内するガイド孔(85c)が形成されるので、ストッパ部材(82)は円筒ガイド部(80a)内をより一層円滑に摺動することができる。
また、付勢手段は、コイルスプリング(87)で、円柱ガイド棒(82c)の周囲に周設されるので、コイルスプリング(87)が安定して支持され、ストッパ部材(82)を効果的に付勢することができる。
【0025】
請求項7記載の電磁ソレノイドによれば、前記円筒ガイド部(80a)がプランジャ(75)側の前方を開口し後方開口を塞ぐ底壁(80d)が形成され、前記位置規制部(80b)が円筒ガイド部(80a)の前側開口部に嵌着される環状部材であるので、円筒ガイド部(80a)と底壁(80d)から形成される固定部材(80)の加工成形が容易であるとともに、電磁ソレノイドの組付性を良好にする。
【0026】
請求項8記載の電磁ソレノイドによれば、前記位置規制部(80b)が円筒ガイド部(80a)の前側開口部の内周面に嵌合してかしめで固定されるので、組付性が益々向上する。
【0027】
請求項9記載の可変動弁装置によれば、前記電磁ソレノイド(70)の駆動によるプランジャ(75)の移動を動力伝達機構(65,53,54)を介して可変カム部材(50)の作動に伝達してバルブタイミングが変更され、プランジャ(75)に作用する前記外部負荷は動力伝達機構(65,53,54)に組み込まれるので、プランジャ(75)が常に所定位置に戻り精度良く停止する電磁ソレノイド(70)を使用することで、プランジャ(75)のストローク量のバラツキを小さくして可変カム部材(50)の作動を正確に行って、バルブタイミングの変更を精度良く実行することができる。
【0028】
請求項10記載の可変動弁装置によれば、動力伝達機構(65,53,54)は、支点(P)で軸支されプランジャ(75)の移動を力点(Q)で入力して揺動し作用点(R)で摺動部材(53)を摺動させるレバー比(r)の大きい揺動アーム(65)を備え、摺動部材(53)とともに可変カム部材(50)が移動してバルブタイミングが変更されるので、レバー比(r)の大きい揺動アーム(65)により摺動する摺動部材(53)および可変カム部材(50)の移動速度は速く、よって反応が早くバルブタイミングの変更をより一層精度良く実行することができる。
【0029】
揺動アーム(65)のレバー比(r)を大きくすることで、電磁ソレノイド(70)におけるプランジャ(75)のストローク量は小さくてすみ、電磁ソレノイド(70)の小型化を図ることができる。
ここに、レバー比(r)とは、支点(P)から力点(Q)までの距離(PQ)に対する支点(P)から作用点(R)までの距離(PR)の比である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態に係る電磁ソレノイドの消磁状態の断面図である。
図2】同電磁ソレノイドの励磁状態の断面図である。
図3】同電磁ソレノイドの消磁した直後の状態の断面図である。
図4】同電磁ソレノイドを可変動弁装置に使用した内燃機関を搭載した自動二輪車の全体側面図である。
図5】同内燃機関の一部省略一部断面とした左側面図である。
図6】同内燃機関のシリンダヘッドおよびその近傍の右断面図である。
図7】同後断面図である。
図8図7のVIII−VIII線断面図である。
図9】別の実施形態に係る電磁ソレノイドの消磁状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る一実施の形態に係る電磁ソレノイド70について図1ないし図3に基づいて説明する。
本電磁ソレノイド70は、円筒状をなす円筒ケーシング71を備え、同円筒ケーシング71の中心軸を前後方向に指向させ、図1ないし図3においては左側を前方、右側を後方として以下説明する。
【0032】
円筒ケーシング71の内周面に沿って円筒状のボビン72の外周に励磁コイル73が巻回されたものが嵌挿されており、円筒ケーシング71の前側部分に挿入された円筒状のプランジャガイド部材74の内部をプランジャ75が滑動部材77,77を介して前後に摺動自在に貫通支持されている。
【0033】
プランジャガイド部材74は、外周面の前後方向中央部に外側から一対の半割コッタ78,78が嵌合された状態で、半割コッタ78,78を円筒ケーシング71の前側開口部に嵌合し、半割コッタ78,78を介して円筒ケーシング71に中心軸を合せて円筒ケーシング71の前半分程に挿入されて支持される。
プランジャガイド部材74を貫通したプランジャ75は、円筒状に巻回された励磁コイル73の中心軸上を前後に摺動可能である。
【0034】
円筒ケーシング71の後半部分には、ストッパ部材82を摺動自在に収納する固定部材80が嵌挿される。
固定部材80は、ストッパ部材82を収納し前後方向に摺動自在に案内する円筒ガイド部80aを有する。
【0035】
そして、固定部材80は、円筒ガイド部80aのプランジャガイド部材74側である前側端部に内径を縮径した開孔81を有する位置規制部80bが形成され、後側端部は径方向外側に延出して円板状のフランジ部80cが形成されている。
また、円筒ガイド部80aの内周面には後側約半分に雌ねじ部80sが刻設されている。
固定部材80は、フランジ部80cが円筒ケーシング71の後側開口部に嵌合して円筒ガイド部80aを前方内側に向けて円筒ケーシング71に支持される。
【0036】
前記励磁コイル73が巻回された円筒状のボビン72は、前側を前記プランジャガイド部材74が嵌入して支持し、内径が縮径された後端部を固定部材80の円筒ガイド部80aが嵌入して支持し、半割コッタ78,78と固定部材80のフランジ部80cとがボビン72を前後から挟む構造であり、ボビン72に巻回されて円筒状をなす励磁コイル73の中心軸上に、プランジャ75とストッパ部材82が前後に相対向して位置している。
したがって、ボビン72に巻回された励磁コイル73の周囲を円筒ケーシング71とともに、半割コッタ78,78,プランジャガイド部材74,固定部材80が囲っており、各々ヨークを兼ねている。
【0037】
ボビン72内で前側のプランジャガイド部材74と後側の固定部材80の円筒ガイド部80aとの間に適当な幅の空洞90があり、ボビン72の内径より小さい外径の円筒ガイド部80aの外周面とボビン72の内周面との間に空隙91がある。
【0038】
プランジャガイド部材74を摺動自在に貫通するプランジャ75の空洞90に突出した部分に、円筒壁76aと底壁76bとで有底円筒状をなす可動ヨーク部材76が、前方に向けた底壁76bを貫通されて一体に嵌着支持されている。
可動ヨーク部材76の底壁76bから後方に延びた円筒壁76aが、円筒ガイド部80aの外周面とボビン72の内周面との間に空隙91に挿入されている。
【0039】
このように、可動ヨーク部材76は、円筒壁76aが励磁コイル73の円筒内周に沿ってヨークを兼ねる固定部材80の円筒ガイド部80aを覆うので、励磁コイル73の励磁により発生する磁気を効率良く通す磁気回路が形成され、可動ヨーク部材76とプランジャ75を適当な可動力で一体に移動することができる
【0040】
固定部材80の円筒ガイド部80a内を摺動するストッパ部材82は、剛性の高い金属製で、円筒ガイド部80aの内径に略等しい外径の円柱本体82aの前面から円柱突部82bが突出しており、円柱突部82bは円筒ガイド部80aの位置規制部80bが形成する開孔81に摺動自在に嵌入する。
円筒ガイド部80a内を摺動するストッパ部材82は、円柱本体82aが位置規制部80bに当接して前方への摺動が所定位置で規制され、ストッパ部材82が位置規制部80bにより規制されたとき、円柱突部82bは開孔81に嵌入し、ストッパ部材82の開孔81に臨んだ前端面(円柱突部82bの前端面)は、位置規制部80bの前面と同一面を構成している(図1参照)。
また、ストッパ部材82は、円柱本体82aから後側に円柱ガイド棒82cを長尺に突出形成している。
【0041】
固定部材80の円筒ガイド部80aの後側開口には蓋部材85が取り付けられる。
蓋部材85は、円筒ガイド部80aに刻設された雌ねじ部80sに螺合する雄ねじ部85sを有するボルトであり、円筒ガイド部80aの後側開口の雌ねじ部80sに雄ねじ部85sを螺合してスペーサ86を介して締結される。
【0042】
また、蓋部材85は、雄ねじ部85sにストッパ部材82の円柱ガイド棒82cを摺動自在に嵌入してストッパ部材82を案内するガイド孔85cが中心軸上に形成されており、蓋部材85が円筒ガイド部80aに螺合されるとき、ガイド孔85cに円柱ガイド棒82cが嵌入するようにしてガイド孔85cが円柱ガイド棒82cを支持してストッパ部材82を案内して円滑に摺動するように構成する
【0043】
そして、ストッパ部材82の円柱ガイド棒82cの周囲に周設されたコイルスプリング87が、ストッパ部材82の円柱本体82aの後端面と蓋部材85の雄ねじ部85sの前端面との間に挟まれて介装され、ストッパ部材82を前方に付勢する。
付勢手段であるコイルスプリング87は円柱ガイド棒82cの周囲に周設されるので、コイルスプリング87が安定して支持されるとともに、ストッパ部材82を効果的に付勢することができる。
【0044】
固定部材80の円筒ガイド部80aに後側開口からストッパ部材82とコイルスプリング87を順に挿入して蓋部材85を後側開口に取り付けるので、簡単に組付けることができ組付性が良好である。
さらに、蓋部材85は雄ねじ部85sを有するボルトであるので、円筒ガイド部80aの雌ねじ部80sに螺合して蓋部材85を円筒ガイド部80aの後側開口に固着し、コイルスプリング87がストッパ部材82と雄ねじ部85sとの間に介装されるので、蓋部材85の取り付けが簡単で益々組付性が向上する。
【0045】
本電磁ソレノイド70は、以上のような構造を有し、プランジャ75は後方に後退する方向に外部から負荷を受けるようにして用いられる。
ただし、外部負荷は、コイルスプリング87の付勢力よりは小さく設定される。
【0046】
したがって、本電磁ソレノイド70は、励磁コイル73が消磁されているときは、外部負荷によりプランジャ75は後方に後退して、図1に示すように、コイルスプリング87により付勢され位置規制部80bにより所定位置に規制されたストッパ部材82の円柱突部82bに当接して所定の停止位置に停止している。
【0047】
励磁コイル73が励磁されると、図2を参照して、発生した磁気はヨークを兼ねる円筒ケーシング71、半割コッタ78,78,プランジャガイド部材74,固定部材80に構成された磁気回路を効率良く通り、途中の可動ヨーク部材76とプランジャ75を一体に外部負荷に抗して前方に可動し、プランジャ75を前方に突出させる。
【0048】
励磁コイル73の励磁を停止して消磁すると、外部負荷によりプランジャ75は可動ヨーク部材76とともに後方に後退し、コイルスプリング87により付勢され位置規制部80bにより規制されて停止していたストッパ部材82の円柱突部82bに衝突するので、衝突直後は、図3に示すように、プランジャ75はコイルスプリング87の付勢力に抗して後方に押し込まれて移動するストッパ部材82により受け止められるので、衝撃が吸収されて衝突音も抑えることができる。
【0049】
そして、図3に示す状態から、外部負荷に勝るコイルスプリング87の付勢力によりプランジャ75はストッパ部材82とともに前方に戻され、ストッパ部材82が位置規制部80bに規制されて停止したところで、図1に示すように、プランジャ75が当接して所定の停止位置に停止する。
【0050】
金属製のストッパ部材82は長年の使用でもヘタリを生じることがなく、またコイルスプリング87は外部負荷より付勢力が幾らかでも大きければよくヘタリの心配はないので、同ストッパ部材82に衝接して停止するプランジャ75は、常に精度良く所定位置に位置決めされて停止する。
したがって、本電磁ソレノイド70は、プランジャ75のストローク量のバラツキがなく、被作動部材を正確に動作させることができる。
【0051】
ヨークを兼ねる固定部材80は、ストッパ部材82を摺動自在にコイルスプリング87とともに収納する円筒ガイド部の端部にストッパ部材82の前方への摺動を規制する位置規制部80bが形成される簡易でコンパクトな構成であり、電磁ソレノイド70の小型軽量化を図ることができる。
【0052】
上記の本電磁ソレノイド70を使用した可変動弁装置40について、以下図4ないし図8に基づき説明する。
該可変動弁装置40を備えた内燃機関10は、1気筒4ストローク内燃機関であり、自動二輪車1に搭載される。
以下の説明においては、自動二輪車1の車体を基準に前後左右を決めることとする。
【0053】
本内燃機関10を搭載した自動二輪車1の全体側面図を図4に示す。
本自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ2hから後方へ左右一対のメインフレーム2m,2mが若干下向きに延出した後にさらに下方に屈曲して急傾斜部2ma,2maを形成して下端部に至っている。
またヘッドパイプ2hから斜め急角度に下方へ左右一対のダウンフレーム2d,2dが、側面視でメインフレーム2mの急傾斜部2maに略平行に延出している。
【0054】
メインフレーム2m,2mの急傾斜部2ma,2maの上部からはガセット2g,2gを介してシートレール2s,2sが後方に延出し、同シートレール2s,2sの中央部と急傾斜部2ma,2maの下部とを連結したバックステー2b,2bがシートレール2s,2sを支持している。
【0055】
以上のような車体フレームにおいて、ヘッドパイプ2hにはフロントフォーク3が枢支され、その下端に前輪Fwが軸支され、メインフレーム2m,2mの急傾斜部2ma,2maの下部に前端を軸支されたリヤフォーク4が後方へ延出し、その後端に後輪Rwが軸支され、リヤフォーク4と車体フレーム2の前記ガッセト2gとの間にリヤクッション5が介装されている。
メインフレーム2m,2mの前部には燃料タンク6が架設され、燃料タンク6の後方にシート7がシートレール2s,2sに支持されて設けられている。
【0056】
メインフレーム2m,2mとダウンフレーム2d,2dに懸架される内燃機関10は、SOHC型の空冷式単気筒4サイクル内燃機関であり、車体に対してクランク軸11を車体幅方向に指向させ、シリンダを若干前傾させてシリンダブロック14,シリンダヘッド15,ヘッドカバー20が起立した姿勢で懸架される。
内燃機関10の若干前傾したシリンダの上部のヘッドカバー20の上方を燃料タンク6が覆う位置関係にある。
【0057】
内燃機関10のシリンダヘッド15からは後方に吸気管8が延出しスロットルボディを介してエアクリーナ8aに至っており、シリンダヘッド15から前方に排気管9が延出し、下方に屈曲して内燃機関10の下方を後方に延び、後輪Rwの右側のマフラー9mに至っている。
【0058】
図5を参照して、内燃機関10のクランク軸11を軸支するクランクケース13は、クランク軸11が配置されるクランク室13Cの後方に変速機を収容するミッション室13Mが形成され、後半のミッション室13Mからは変速機の出力軸12が左外方に突出していて、パワーユニットを構成している。
クランク室13Cの下方には底壁が幾らか下方に膨出してオイルを貯留するオイル溜め13Pが一体に形成される。
クランク室13C,ミッション室13M,オイル溜め13Pを形成するクランクケース13は、左右割り構造をしている。
【0059】
クランクケース13の前側のクランク室13Cの上には、1本のシリンダ14aを有するシリンダブロック14と、シリンダブロック14の上にガスケットを介してシリンダヘッド15が重ねられ、ヘッドボルト17によりカムシャフトホルダ16とともにシリンダヘッド15,シリンダブロック14がクランクケース13に一体に締結され、シリンダヘッド15の上方を弾性シール部材18を介してヘッドカバー20が覆っている(図6図7参照)。
クランクケース13の上に重ねられるシリンダブロック14,シリンダヘッド15およびヘッドカバー20は、クランクケース13から若干前傾した姿勢で上方に延出している(図5参照)。
【0060】
シリンダブロック14のシリンダ14a内にピストン31が往復摺動自在に嵌合され(図6参照)、同ピストン31とクランク軸11がコンロッド32により連接されてクランク機構が構成されている。
【0061】
シリンダヘッド15には、シリンダ14aに対応して、シリンダ軸線方向でピストン31に対向して燃焼室15zが形成され、該燃焼室15zから後方に吸気ポート15iが延出し、燃焼室15zから前方に排気ポート15eが延出しており(図6参照)、燃焼室15zの天井壁には点火栓19が先端を燃焼室15zに臨ませて取り付けられる(図7参照)。
【0062】
図6に示すように、シリンダヘッド15に一体に嵌着された弁ガイドにそれぞれ摺動可能に支持される吸気バルブ33および排気バルブ34は、内燃機関10に備えられる可変動弁装置40により駆動されて、吸気ポート15iの吸気開口および排気ポート15eの排気開口をクランク軸11の回転に同期して開閉する。
【0063】
図6および図7を参照して、可変動弁装置40は、シリンダヘッド15の上に固定されたカムシャフトホルダ16に1本の動弁カム軸41が左右方向に指向して軸支されたSOHC型の動弁機構であり、動弁カム軸41の斜め前後上方にロッカアームシャフト43e,43iがカムシャフトホルダ16に支持され、後方のロッカアームシャフト43iに吸気ロッカアーム44iが揺動自在に中央を軸支され、前方のロッカアームシャフト43eに排気ロッカアーム44eが揺動自在に中央を軸支されている。
【0064】
動弁カム軸41には、外周面に吸気カムロブ42iと排気カムロブ42eが並んで形成された円筒状の定常カム部材42が圧入して、動弁カム軸41に定常カム部材42が一体に外嵌されている。
【0065】
そして、吸気ロッカアーム43iは、一端のローラ43irが定常カム部材42の吸気カムロブ42iに接し、他端が吸気バルブ33のバルブステムの上端に接し、他方の排気ロッカアーム44eは一端のローラ44erが定常カム部材42の排気カムロブ42eに接し、他端が排気バルブ34のバルブステムの上端に接しており、動弁カム軸41とともに定常カム部材42(吸気カムロブ42i,排気カムロブ42e)の回転により吸気ロッカアーム44iと排気ロッカアーム44eが所定のタイミングで揺動して吸気バルブ33と排気バルブ34を開閉駆動する。
【0066】
動弁カム軸41は、左軸端部に被動カムチェーンスプロケット36が固着されている(図7参照)。
一方、クランク軸11には駆動カムチェーンスプロケット35が嵌着されており、同駆動カムチェーンスプロケット35とその上方の前記被動カムチェーンスプロケット36との間にカムチェーン37が架渡され(図5参照)、クランク軸11の回転動力がカムチェーン37を介して動弁カム軸41の回転にクランク軸11の1/2の回転数で伝達され、クランク軸11に同期して吸気ロッカアーム44iと排気ロッカアーム44eを揺動して吸気バルブ33と排気バルブ34がそれぞれ所要のタイミングで開閉駆動する。
【0067】
なお、シリンダブロック14,シリンダヘッド15,ヘッドカバー20の左側部にはカムチェーン室14c,15c,20cが1つの空洞として形成されており(図7参照)、同カムチェーン室14c,15c,20c内において、図5に示すように、駆動カムチェーンスプロケット35と上方の被動カムチェーンスプロケット36との間に架渡されたカムチェーン37の前側部分を僅かに湾曲して上下に長尺に延びたチェーンガイド38がガイドし、他方後方の後側部分を弓形に湾曲したテンションスリッパ39が押さえるように接して、カムチェーン37に適度な緊張を維持している(図5参照)。
テンションスリッパ39は背後をテンショナリフタ39tにより押圧されている。
【0068】
カムシャフトホルダ16に左右方向に指向して軸支される動弁カム軸41は、円筒状部材であり、軸方向中央にスプライン形成部41cとインロー外周面部41iが左右に並んで形成され、インロー外周面部41iの右側に定常カム部位の排気カムロブ42eと吸気カムロブ42iが左右に並んで形成されている。
そして、スプライン形成部41cの幅広のスプライン溝条41csからインロー外周面部41iにかけて所定位置に軸方向に直交して長孔41sが貫通して穿孔されている。
この動弁カム軸41は定常カム部材42を含め冷間鍛造により精度良く一体に形成される。
【0069】
動弁カム軸41に摺動自在に嵌合する可変カム部材50は、内周面に動弁カム軸41のインロー外周面部41iとスプライン形成部41cのスプライン溝条に対応するインロー内周面部とスプライン突条が形成され、可変カム部材50の外周面には、右側部に可変カムロブ50eが形成されており、可変カムロブ50eはEGR用のカムロブで大部分が排気カムロブ42eの基礎円と同径または若干小径の基礎円をなし、一部に僅かなリフト量の小さいカム山が突出している。
【0070】
この可変カム部材50を動弁カム軸41に左側から嵌挿し、動弁カム軸41のインロー外周面部41iとスプライン形成部41cにインロー嵌合すると同時にスプライン嵌合し、動弁カム軸41の中心軸孔にはスライドロッド53が摺動自在に嵌挿し、スライドロッド53のピン孔と動弁カム軸41の長孔41sを貫通した連結ピン54の両端が可変カム部材50に係合する。
したがって、スライドロッド53を軸方向に摺動すると、一緒に連結ピン54が動弁カム軸41の長孔41sに案内されて移動し、連結ピン54と一体に可変カム部材50が軸方向に移動して変位する。
動弁カム軸41の中心軸孔の右端内周面は雌ねじが刻設され、同中心軸孔に右方からコイルスプリング56が挿入され、フランジ付きボルト57が雌ねじに螺合すると、コイルスプリング56はスライドロッド53とフランジ付きボルト57との間に挟まれてスライドロッド53を左方に付勢し、連結ピン54が長孔41sの左側長尺端に当接した位置にスライドロッド53は規制され、スライドロッド53の左端は動弁カム軸41より左方に突出している。
【0071】
動弁カム軸41における吸気カムロブ42iの右側に突出した右端のジャーナル部にはベアリング46が嵌合され、可変カム部材50がスプライン嵌合されたスプライン形成部41cの左側の左側円筒部にはベアリング45が嵌挿され、さらにフランジ部材47がキーを介して所定の相対角度で圧入されてベアリング45をスプライン形成部41cとの間で挟みつける。
【0072】
この小組み状態で、動弁カム軸41をカムシャフトホルダ16の左右に相対向して突出する左右軸受壁16L,16Rの軸孔に左側から挿入し、右側のベアリング46が右軸受壁16Rの軸孔に嵌合し、左側のベアリング45が左軸受壁16Lの軸孔に嵌合して、動弁カム軸41はカムシャフトホルダ16にベアリング45,46を介して回転自在に軸支され、定常カム部位の排気カムロブ42eおよび吸気カムロブ42iと一体に、可変カム部材50とともに回転する(図7参照)。
なお、右側のベアリング46は、右軸受壁16Rの段部に当接して位置決めされ、左側のベアリング45は左軸受壁16Lにボルト58により固定される止め板59により左方を位置決めされて抜け落ちが防止されている(図7参照)。
【0073】
スライドロッド53がコイルスプリング56により左方に移動しているときは、図7に実線で示すように、連結ピン54を介して可変カム部材50が左方に摺動変位して排気カムロブ42eから離れ、所定距離以上離れると、排気ロッカアーム44eのローラ44erは可変カムロブ50eには接することなく、排気カムロブ42eのみに接して、排気バルブ34は通常の排気バルブタイミングで開閉する。
【0074】
一方、スライドロッド53がコイルスプリング56の付勢力に抗して右方に押されると、図7に2点鎖線で示すように、連結ピン54を介して可変カム部材50が右方に摺動変位し、連結ピン54が長孔41sの右側長尺端に当接した位置に可変カム部材50は規制され、このとき可変カム部材50は定常カム部材42の左側の排気カムロブ42eに僅かな間隙を存して近接し、排気ロッカアーム44eのローラ44erが排気カムロブ42eと可変カムロブ50eの双方に跨るようにして接するので、排気カムロブ42eによる排気バルブ34の通常の開閉タイミングとは別に、可変カムロブ50eによる排気バルブ34の開閉がある。
この可変カムロブ50eによる排気バルブ34の開閉は、EGR(排気再循環)を実行するものである。
【0075】
動弁カム軸41より左側に突出し、コイルスプリング56により左方に付勢されたスライドロッド53の左端を右方に押圧してスライダ機構52を駆動する可変バルブタイミング駆動機構60が被動カムチェーンスプロケット36の左側に設けられている(図7参照)。
可変バルブタイミング駆動機構60は、アクチュエータとしての前述した電磁ソレノイド70と同電磁ソレノイド70のプランジャ75の駆動をスライドロッド53に伝達する揺動アーム65からなり、電磁ソレノイド70はヘッドカバー20の天井壁20uの上方に固定され、揺動アーム65はヘッドカバー20のカムチェーン室20cに揺動自在に枢支される。
【0076】
ヘッドカバー20は、天井壁20uと矩形筒状の周壁20sとで概ね矩形椀状をなし、天井壁20uのカムチェーン室20cを覆う部分の前後方向中央部が上方に厚肉に突出して中央突出部21を形成しており、その中央突出部21の前後両側に連続して突出ボス部22,22が突出形成されている。
【0077】
中央突出部21には、前後方向中央部に所定幅の中央空隙21cがカムチェーン室20c側から穿設されており、中央突出部21の右側面から左方に穿孔された円孔21hが中央空隙21cまで達している。
突出ボス部22,22には、右側面から雌ねじが刻設されている。
【0078】
電磁ソレノイド70の円筒ケーシング71からは前後に取付フランジ部71f,71fが延設され、プランジャ75を左側にしてヘッドカバー20の中央突出部21に右側から取り付けられる。
すなわち、電磁ソレノイド70の円筒ケーシング71より左側に突出したプランジャガイド部材74が中央突出部21の円孔21hに嵌入され、円筒ケーシング71から前後に延出した取付フランジ部71f,71fが突出ボス部22,22に当接されて、ボルト63,63が取付フランジ部71f,71fを貫通して突出ボス部22,22の雌ねじに螺合して電磁ソレノイド70がヘッドカバー20の天井壁20uの上方に固定される。
【0079】
こうして取り付けられた電磁ソレノイド70は、プランジャ75の移動する軸線方向が、動弁カム軸41およびその中心軸孔内のスライドロッド53の摺動する軸線方向と平行である。
そして、電磁ソレノイド70のプランジャ75は、スライドロッド53をシリンダ14aの中心軸線であるシリンダ軸線方向に平行移動した位置にある。
【0080】
ヘッドカバー20の内面には、複数リブが形成されており、中央突出部21に穿設された中央空隙21cの前後両側に対称的に一対のガイド壁23,23が下方に延出して形成されている。
ガイド壁23,23は、中央空隙21cを挟んで相対面する前後側面21a,21aに沿って端面23a,23aを有して前後方向に延びて途中で斜め左方に屈曲して展開している。
【0081】
中央空隙21cを構成する前後側面21a,21aと前後ガイド壁23,23の端面23a,23aは、同一面をなす。
そして、中央空隙21cを構成する前後側面21a,21aには所定位置に揺動アーム65を枢支する枢軸ボルト64が架設される。
【0082】
揺動アーム65は、断面コ字状をなす直線棒状のアーム部材であり、シリンダ軸線方向と略平行に(略上下方向に)指向させてヘッドカバー20のカムチェーン室20cに配設されるが、その略上下方向に指向した側板部は、中央より上部に片寄った位置に同軸に枢軸ボルト64が貫通する軸支孔を備え、軸支孔の部位より上下方向にそれぞれ先細に形成されている。
【0083】
この揺動アーム65は、シリンダ軸線方向と略平行に指向させ断面コ字状の開口側を左方に向けてカムチェーン室20cに被動カムチェーンスプロケット36の左面に沿って配設されるが、その際、揺動アーム65の略上半部は中央突出部21の中央空隙21cに挿入され、枢軸ボルト64が揺動アーム65の軸支孔を貫通して前後の突出ボス部22に架設されて、揺動アーム65が揺動自在に枢軸ボルト64に枢支される。
【0084】
揺動アーム65は、上半部が中央空隙21cを構成する前後側面21a,21aに挟まれるようにして揺動し、下半部が前後側面21a,21aと同一面の前後ガイド壁23,23の端面23a,23aに挟まれるようにしてガイドされて、ねじれ方向の倒れを生じることなく円滑に揺動する。
図7を参照して、動弁カム軸41の中心軸孔41h内を摺動するスライドロッド53は、ヘッドカバー20とシリンダヘッド15との合せ面S(弾性シール部材18の下面とする)と略同一面上にあり、揺動アーム65の下端はヘッドカバー20とシリンダヘッド15との合せ面Sより下方に若干突出している。
【0085】
揺動アーム65は、中央より上部に片寄った位置を枢軸ボルト64により軸支されるので、枢軸ボルト64より上側部分に比べて下側部分が長尺であり、図7に示すように、揺動アーム65の支点Pとなる枢軸ボルト64は、動弁カム軸41に固着された被動カムチェーンスプロケット36よりも上方に位置に位置し、枢軸ボルト64より上側端部の連結板部65aにヘッドカバー20の天井壁20uの上方に固定された電磁ソレノイド70のプランジャガイド部材74より左方に突出したプランジャ75が当接し、揺動アーム65の下端部に動弁カム軸41より左方に突出しコイルスプリング56により付勢されたスライドロッド53が当接する。
【0086】
図7を参照して、直線棒状の揺動アーム65は、揺動アーム65の枢軸ボルト64による揺動中心を支点Pとすると、電磁ソレノイド70のプランジャ75が当接する上端の点が力点Qであり、スライドロッド53に当接する下端の点が作用点Rであり、揺動アーム65は電磁ソレノイド70の励磁駆動で左方に突出したプランジャ75を上端の力点Qで受け、揺動して下端の作用点Rでスライドロッド53に作用してコイルスプリング56の付勢力に抗してスライドロッド53を右方に摺動する。
電磁ソレノイド70が消磁すると、コイルスプリング56の付勢力によりスライドロッド53が左方に摺動し、揺動アーム65を揺動してプランジャ75が右方に押し込まれる。
【0087】
すなわち、電磁ソレノイド70が消磁しているときは、コイルスプリング56の付勢力によりスライドロッド53は左方に摺動し、図7に実線で示すように、連結ピン54を介して可変カム部材50が左方に摺動変位して定常カム部材42から離れ、排気バルブ34は通常の排気バルブタイミングで開閉する。
【0088】
そして、電磁ソレノイド70を励磁すると、プランジャ75が左方に突出して揺動アーム65を連結ピン54が長孔41sの右側長尺端に当接するまで揺動し、スライドロッド53をコイルスプリング56の付勢力に抗して右方に摺動し、図7に2点鎖線で示すように、連結ピン54を介して可変カム部材50が右方に摺動変位して定常カム部の排気カムロブ42eに近接し、排気カムロブ42eによる排気バルブ34の通常の開閉タイミングとは別に、可変カムロブ50eによる排気バルブ34の開閉がある。
【0089】
この通常の排気タイミングとは異なる排気バルブ34の開閉タイミングは、吸気バルブ33の開弁タイミングに重なる所定のタイミングで実行され、この排気バルブ34の開弁で排気通路に残留した排気ガスを燃焼室15zに戻し燃焼に供する所謂EGR(排気再循環)を実現することができる。
【0090】
揺動アーム65は、支点Pから力点Qまでの距離PQより支点Pから作用点Rまでの距離PRが長尺であり、レバーとして距離PQに対する距離PRの比であるレバー比r(=PR/PQ)は大きい。
揺動アーム65は長尺方向がシリンダ軸線方向と略平行に(略上下方向に)指向して配設され、同揺動アーム65の支点Pが動弁カム軸41に固着された被動カムチェーンスプロケット36よりも上方に位置するので、レバー比rを大きく構成しながら揺動アーム65を動弁装置にコンパクトに組み込むことができる。
【0091】
本可変動弁装置40の可変バルブタイミング駆動機構60に使用された電磁ソレノイド70は、前記したように、励磁コイル73の励磁を停止して消磁したときに、外部負荷(コイルスプリング56の付勢力)によりプランジャ75は後退してコイルスプリング87に付勢されたストッパ部材82に当接して常に所定の停止位置に精度良く位置決めされて停止するので、電磁ソレノイド70のプランジャ75の駆動は、ストローク量にバラツキがなく、よって揺動アーム65を介してスライドロッド53を摺動して可変カム部材50の作動を正確に行って、バルブタイミングの変更を精度良く実行することができる。
【0092】
揺動アーム65は、支点Pから力点Qまでの距離PQより支点Pから作用点Rまでの距離PRが長尺で、レバー比r(=PR/PQ)が大きいので、スライドロッド53の摺動速度すなわち可変カム部材50の移動速度が速く、よって反応が早くバルブタイミングの変更をより一層精度良く実行することができる。
電磁ソレノイド70のプランジャ75のストローク量は小さくてすみ、電磁ソレノイド70の小型化を図ることができる。
【0093】
別の実施形態に係る電磁ソレノイド100の構造について図9に基づいて説明する。
本電磁ソレノイド100は、前述した先の実施形態の電磁ソレノイド70と同様の部材を使用して構成されており、したがって同じ部材は同じ符号を用いて示すこととする。
本固定部材80の円筒ガイド部80aは、プランジャ75側の前方を開口し後方開口を塞ぐ底壁80dが形成されており、底壁80dはフランジ部を有する。
円筒ガイド部80aの前側開口部には、その内周面に別体の円環状部材である位置規制部材80bが嵌合されて、かしめで固定される。
【0094】
円筒ガイド部80aの内側には、有底円筒状をしたストッパ部材82が円柱突部82bをプランジャ75側に向けて摺動自在に嵌合され、ストッパ部材82の円柱本体82aの内側凹部にはコイルスプリング87が円柱突部82bと固定部材80の底壁80dとの間に介装される。
ストッパ部材82の円柱突部82bは、前端部が縮径して円環状の位置規制部材80bの開孔81に嵌入する。
すなわち、コイルスプリング87により付勢されたストッパ部材82部材は、円柱突部82bが位置規制部材80bに当接して前方への摺動が所定位置で規制される。
【0095】
したがって、電磁ソレノイド70が消磁してプランジャ75が後退して該ストッパ部材82に衝突すると、コイルスプリング87に抗してストッパ部材82がプランジャ75とともに後退することで衝撃が吸収されて衝突音が低減され、かつ一度後退したストッパ部材82はコイルスプリング87によりプランジャ75とともに前進して位置規制部材80bで規制されるため、プランジャ75は所定位置に戻り精度良く位置決めされて停止することができ、よって常にプランジャ75のストローク量を一定に維持することができる。
【0096】
固定部材80は、円筒ガイド部80aと底壁80dとからなる簡単な構造で、加工形成が容易であるとともに、前記実施形態のように蓋部材85のような部材を別体で必要とせず、部品点数が少なくてすみ、電磁ソレノイド70の組付性を良好とすることができ、また蓋部材85のような突出部がなく電磁ソレノイド70の小型軽量化を図ることができる。
固定部材80にストッパ部材82を組付けるときは、固定部材80の円筒ガイド部80aに開口側からコイルスプリング87を介装してストッパ部材82を嵌挿し、円筒ガイド部80aの開口部の内周面に位置規制部材80bを嵌入し、かしめて固定するので、組付作業が簡単で組付性をより一層向上させることができる。
【符号の説明】
【0097】
40…可変動弁装置、41…動弁カム軸、41s…長孔、41h…中心軸孔、41cs…スプライン溝条、42…定常カム部材、42i…吸気カムロブ、42e…排気カムロブ、44i…吸気ロッカアーム、44e…排気ロッカアーム、43ir,44er…ローラ、50…可変カム部材、50cs…スプライン突条、52…スライダ機構、53…スライドロッド、54…連結ピン、56…コイルスプリング、
60…可変バルブタイミング駆動機構、63…ボルト、64…枢軸ボルト、65…揺動アーム、
70…電磁ソレノイド、71…円筒ケーシング、72…ボビン、73…励磁コイル、74…プランジャガイド部材、75…プランジャ、76…可動ヨーク部材、76a…円筒壁、76b…底壁、77…滑動部材、78…半割コッタ、
80…固定部材、80a…円筒ガイド部、80b…位置規制部、80c…フランジ部、80s…雌ねじ部、81…開孔、82…ストッパ部材、82a…円柱本体、82b…円柱突部、82c…円柱ガイド棒、85…蓋部材、85s…雄ねじ部、85c…ガイド孔、86…スペーサ、87…コイルスプリング、
100…電磁ソレノイド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9