(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744551
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】電磁発電機
(51)【国際特許分類】
H02K 35/02 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
H02K35/02
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-23121(P2011-23121)
(22)【出願日】2011年2月4日
(65)【公開番号】特開2012-165538(P2012-165538A)
(43)【公開日】2012年8月30日
【審査請求日】2013年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154863
【弁理士】
【氏名又は名称】久原 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100123685
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 信行
(72)【発明者】
【氏名】木下 伸治
【審査官】
河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−033917(JP,A)
【文献】
特開2002−374661(JP,A)
【文献】
特開2008−135590(JP,A)
【文献】
特開2009−118582(JP,A)
【文献】
特開2003−163981(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/081295(WO,A2)
【文献】
国際公開第2007/086426(WO,A1)
【文献】
特開2010−246365(JP,A)
【文献】
特開2001−347227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 35/02
B06B 1/04
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の永久磁石が、積層方向に磁化されて互いに同極面同士を向かい合わせて積層された磁石組立体と、
前記磁石組立体の側面側の周囲に位置する第1のソレノイドコイルと、を備え、
前記磁石組立体は、前記第1のソレノイドコイルと相対的な位置が変更可能に構成されており、
前記磁石組立体の同極面同士を向かい合わせた平面位置が、静止位置で前記第1のソレノイドコイルの巻装軸方向の中心と一致するように、前記磁石組立体を保持する保持部と、
前記磁石組立体の軸方向の上下の端面の少なくとも一方に対向する第2のソレノイドコイルとを備え、
前記保持部は、前記磁石組立体に対向し前記磁石組立体と反発する磁極の保持部用永久磁石を備え、
前記第1のソレノイドコイルと第2のソレノイドコイルとは、コイル接続線を介して直列に接続され、
前記保持部用永久磁石は、内周に空孔が形成されてなることを特徴とする電磁発電機。
【請求項2】
前記第2のソレノイドコイルは、前記保持部用永久磁石の軸と同芯軸上に巻装されることを特徴とする請求項1に記載の電磁発電機。
【請求項3】
前記保持部は、前記磁石組立体を狭持するように、前記磁石組立体の軸方向の上下に前記保持部用永久磁石を備え、少なくとも一方の前記保持部用永久磁石の前記磁石組立体に対向する面に前記第2のソレノイドコイルを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁発電機。
【請求項4】
前記保持部と前記磁石組立体の一方の前記永久磁石との間に第1の気室を備え、前記保持部と前記磁石組立体の他方の前記永久磁石との間に第2の気室を備え、
前記第1の気室と前記第2の気室とは、大気に連通することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電磁発電機。
【請求項5】
前記保持部は、前記第1の気室と前記第2の気室とが大気に連通するための連通孔を備えることを特徴とする請求項4記載の電磁発電機。
【請求項6】
前記保持部は、前記保持部用永久磁石と前記磁石組立体との距離を変更する距離調整機構を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電磁発電機。
【請求項7】
前記距離調整機構は、ねじ機構であることを特徴とする請求項6に記載の電磁発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石とソレノイドコイルがコイル巻装軸方向に相対移動することにより発電を行う電磁発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石とソレノイドコイルがコイル巻装軸方向に相対的に移動して発電する電磁発電機は、永久磁石とソレノイドコイルが間隔を隔てて対向して配置されて、永久磁石とソレノイドコイルの相対的な移動による運動エネルギーをコイルに誘起される電気エネルギーに変換するようになっている。
【0003】
ここで、外部の運動により永久磁石が往復移動する構成にした電磁発電機は、永久磁石が往復移動する移動方向切り替え位置に永久磁石と反発する反発用磁石を配置した電磁発電機が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−200479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、反発用磁石と永久磁石とがバネとして機能するだけの構成である。このため、反発用磁石の磁束密度変化を電力として利用されておらず、必要な電力を得るためには装置が大型化してしまうという課題がある。
【0006】
また、永久磁石がコイルに対する相対的移動範囲が大きい構成のため、外部の運動が小さい場合はコイルと永久磁石が最適位置で対向配置されず、コイルに鎖交する磁束が少なくて発生する電力が小さいという課題がある。
【0007】
そこで、この発明は、外部の小さい振動であっても発生電力の大きい、小型で、効率のよい電磁発電機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、複数の永久磁石が、積層方向に磁化されて互いに同極面同士を向かい合わせて積層された磁石組立体と、磁石組立体の側面側の周囲に位置する第1のソレノイドコイルと、を備え、磁石組立体は、第1のソレノイドコイルと相対的な位置が変更可能に構成されており、磁石組立体の同極面同士を向かい合わせた平面位置が、静止位置で第1のソレノイドコイルの巻装軸方向の中心と一致するように、磁石組立体を保持する保持部と、磁石組立体の磁石組立体の軸方向の上下の端面の少なくとも一方に対向する第2のソレノイドコイルとを備え、保持部は、磁石組立体に対向し磁石組立体と反発する磁極の保持部用永久磁石を備えることを要旨とする。
【0009】
かかる特徴によれば、静止位置で、積層方向に磁化された複数の永久磁石の同極面同士を向かい合わせた平面位置は、磁石の周方向に向かって磁束密度が最も大きくなっており、その平面位置に第1のソレノイドコイルの巻装軸方向の中心を一致させることで、第1のソレノイドコイルに鎖交する磁束を最大にすることができる。このため、永久磁石の移動距離と速度が小さくても第1のソレノイドコイルは大きな電力が得られる。また、磁石組立体の磁石組立体の軸方向の上下の端面に対向する第2のソレノイドコイルを備えるため、反発による保持部用永久磁石の磁束密度変化により第2のソレノイドコイルに電圧が誘起されて、第1のソレノイドコイルに加えた電力を供給できる。このため、限られた体格で大きな電力を発生させることができて、発電機を小型にすることができる。
【0010】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に記載の電磁発電機において、保持部用永久磁石の軸と同芯軸上に巻装されることを要旨とする。
かかる特徴によれば、保持部用永久磁石の磁束密度変化を大きくすることができる。このことから大きな電力が得られる。
【0011】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または第2のいずれかの特徴に記載の電磁発電機において、保持部は、磁石組立体を狭持するように、磁石組立体の軸方向の上下に保持部用永久磁石を備え、少なくとも一方の保持部永久磁石の磁石組立体に対向する面に第2のソレノイドコイルを備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、磁石組立体を、精度良くソレノイドコイルの巻装軸方向の中心を一致させることができる。
【0012】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1から第3のいずれかの特徴に記載の電磁発電機において、保持部と磁石組立体の一方の永久磁石との間に第1の気室を備え、保持部と磁石組立体の他方の永久磁石との間に第2の気室を備え、第1の気室と第2の気室とは、大気に連通することを要旨とする。
かかる特徴によれば、磁石組立体の移動による第1と第2の気室の体積変化に伴う気室内空気の流動は、磁石組立体外周の狭い通路を通る空気の流動に依存しない。そのため、磁石組立体の振動は、狭い通路を流動する空気による減衰が小さく、共振時の応答倍率が大きくなって、磁石組立体はソレノイドコイルと大きく高速で相対移動できる。このことから大きな電力が得られる。
【0013】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1から第4のいずれかの特徴に記載の電磁発電機において、保持部は、第1の気室と第2の気室とが大気に連通するための連通孔を備えることを要旨とする。
【0014】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1から第5のいずれかの特徴に記載の電磁発電機において、保持部は、保持部用永久磁石と磁石組立体との距離を変更する距離調整機構を備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、磁石組立体と永久磁石との反発力は、離間する距離と指数関数的に変化するバネ特性を持つため、小さな距離の変更で傾きの大きく異なるバネ定数に変更できる。このため、保持部を僅かに移動しても固有振動数を大きく変化させることができて、発電機を小型にすることができる。
【0015】
本発明の第7の特徴は、本発明の第6に記載の電磁発電機において、距離調整機構は、ねじ機構であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、磁石組立体の移動方向固有振動数を精度良く調整して、外部の振動周波数と一致させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外部の小さい振動からでも発生電力の大きい電磁発電機を形成することができて、小型で効率のよい電磁発電機となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4】磁石組立体と保持磁石のバネ特性を示す図である。
【
図5】本発明に係る電磁発電機の変更例1の断面図である。
【
図6】本発明に係る電磁発電機の変更例2の断面図である。
【
図7】本発明に係る電磁発電機の変更例3の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施例1)
以下、本発明の一実施形態に係る電磁発電機の実施形態を
図1から
図4を参照して説明する。
【0019】
図1に示すように、電磁発電機1は、磁石組立体2と、磁石組立体2を移動方向に保持する保持部3、4と、保持部3、4を収容するケース8と、磁石組立体2との電磁誘導作用により電力を発生する第1のソレノイドコイル7とを備える。
【0020】
保持部3、4は、保持具23、24と保持磁石21、22、およびボビン27,28と第2のソレノイドコイル29、30からなる。保持具23、24は外周におねじが形成され、保持磁石21、22を収容する窪みと、マイナスドライバー等の工具先端が嵌る溝25、26を備え、マイナスドライバー等の工具による回転で、保持具23、24のおねじとケース内周面のめねじによりねじ軸方向に移動可能である。保持磁石21、22は、磁石組立体2の向かい合う極と同極となる面を磁石組立体2に向けて、保持具23、24に接着により固定される。ボビン27,28は、保持磁石21、22の内周空孔に填め込まれて保持具23、24に固定されており、磁石組立体2に延伸して端部に径拡大部を有する非磁性体で形成されている。ボビン27、28の胴部には第2のソレノイドコイル29、30が周方向に巻き回されている。
【0021】
単位磁石11、12は保持磁石21、22に対向する面が「S」極に着磁され、他方の面が「N」極にされたものである。磁石組立体2は保持磁石21、22と向かい合う極が同極のため、これにより、磁石組立体2が保持磁石21または22に近づいた場合に磁石組立体2が、保持磁石21または22により反発して保持磁石21または22より離れる方向に移動する。
【0022】
ケース8は、非磁性体で形成され、好ましくは、樹脂(PPS等)の非導電性材料で形成されている。ケース8の胴部の中央には第1のソレノイドコイル7が収容される溝が備えられている。第1のソレノイドコイル7が収容される溝のケース8の軸方向の中心C1は、磁石組立体2が保持磁石21、22の磁力によって保持磁石21、22から離れて、外部の振動がない静止状態の時、同極面同士を向かい合わせた平面位置C2とほぼ一致している。
【0023】
第1のソレノイドコイル7は、ケース8の胴部の中央の溝に周方向に巻き回された構成である。ケース8の溝の筒軸方向中心C1が、静止時の磁石組立体の同極面同士を向かい合わせた平面C2とほぼ一致しているため、第1のソレノイドコイル7の巻装軸方向中心もC1と一致し、静止時の磁石組立体の同極面同士を向かい合わせた平面位置C2とほぼ一致している。
【0024】
以上のように構成された電磁発電機1は、ケース8が取り付け部35により電動機等に固定され、電動機等を回転させると回転体のアンバランス等により電動機等の本体が振動し、発電機1が振動する。そして、電動機等の振動周波数と磁石組立体2が共振するように、保持具23、24を回転させて保持磁石21、22と磁石組立体2との距離を調節することで、磁石組立体2が共振して振動する。磁石組立体2は、振動によりケース8の軸方向に直線往復移動を行い、外周側の第1のソレノイドコイル7に誘導起電力が発生する。
【0025】
このように構成したことによって、磁石組立体2は、
図3に示すように単位磁石を向かい合わせた平面位置の磁束密度が最も高くなっており、この磁束密度の最も高い、向かい合わせた平面位置と第1のソレノイドコイル7の巻装軸方向中心が静止時に一致しており、第1のソレノイドコイル7は磁束密度の最も高い位置を中心にして磁石組立体2と相対移動して誘導起電力を発生する。このことから、小さい移動距離であっても大きな誘導起電力を発生することができる。
図3は、積層方向に磁場配向した異方性の磁石(サマリウムとコバルトを含む)を積層方向に着磁した、外径φ4.2mm、内径1.6mm、厚みが1mmの単位磁石を同極面同士を向かい合わせて積層した磁石組立体の、軸と直交する方向にホール素子を向けて積層方向に移動させて磁束密度を測定した磁束密度分布の図である。
【0026】
保持磁石21、22は内周空孔を通じてN極とS極が閉じた磁気回路を形成しており、磁石組立体2が近づいたり離れたりすることにより保持磁石21、22の内周空孔を通る磁束密度が変化し、ボビン27、28に巻き回された第2のソレノイドコイル29、30に誘導起電力が発生する。
【0027】
第2のソレノイドコイル29、30の図示しないコイル端末線は直列に接続されており、直列接続されない一方のコイル端末線はケース8の外部に導出されて整流器等の外部機器に接続されている。また、直列接続されない他方のコイル端末線は第1のソレノイドコイル7の図示しないコイル端末線の一方に接続され、第1のソレノイドコイル7の他方のコイル端末線は、ケース8の外部に導出されて整流器等の外部機器に接続されている。これにより第1のソレノイドコイル7と第2のソレノイドコイル29、30は直列に接続されて、それぞれの発生電圧の合計された電圧が整流器等の外部機器に出力される構成になっている。なお、第2のソレノイドコイルはどちらか一方のみが備えられていても良い。
【0028】
また、保持磁石21、22と磁石組立体2との距離は、距離と荷重の関係が
図4に示すように距離に対して荷重が指数関数的に変化する関係にあるため、僅かな距離の調整で大幅に傾きの異なるバネ定数に設定することができる。このことから、磁石組立体2の移動方向固有振動数は、僅かな距離の変更で幅広い周波数に変更することができるため発電機の厚みを薄型にすることができる。さらに、ねじの回転による微少な距離調整ができるため、外部振動周波数に合わせた磁石組立体2の移動方向固有振動数の調整を高精度に行うことができて、共振により磁石組立体2はソレノイドコイル7と大きく高速で相対移動できる。そのため、大きな誘導起電力を発生することができる。
図4は、積層方向に磁場配向した異方性のネオジ磁石を積層方向に着磁した、外径φ15mm、内径3.2mm、厚みが3mmの磁石を同極面同士を向かい合わせて積層した磁石組立体と、同一の単位磁石とを、同極面同士を向かい合わせて、保持磁石21、22と磁石組立体2との距離と荷重を測定したバネ特性の図である。
【0029】
以上のように構成された電磁発電機1において、好ましくは、磁石組立体2と保持部3、4とケース8との間に形成される気室5、6が大気と連通する連通孔31、32をケース8に備える。
【0030】
このように構成したことによって、磁石組立体2が一方の保持磁石側に移動した場合において、体積が減少する一方側の気室と体積が増加する他方側の気室は、それぞれの気室が連通孔から空気の流入流出を行うことができる。そのため、磁石組立体2の外周面とケース8との間に形成される狭い通路を通る空気の流通を少なくすることができて、磁石組立体2の振動を減衰させる減衰係数を小さくすることができる。外部振動の入力に対する磁石組立体2の共振応答倍率Qは、一般にQ=1/2ζで与えられる。すなわち共振時の最大応答は減衰比率の2倍の逆数であるため、狭い通路を流動する空気による減衰を小さくすることができて共振応答倍率Qが大きくなり、磁石組立体はソレノイドコイルと大きく高速で相対移動できる。そのため、大きな誘導起電力を発生することができる。ただし、連通孔31、32はケース8になくても保持具23、24に形成しても良い。
【0031】
図2には、
図1の電磁発電機の斜視図である。ただし、
図2のようにケース8は円筒形でなくても良く、多角柱形でもよい。それに伴い、
図1の保持具23,24、単位磁石11、12は、ケース8の形状に合わせて、円板でなくても良く、多角板でも良い。単位磁石11、12が多角板であり、電磁発電機1が単位磁石11、12と同様の多角柱形である場合、電磁発電機1を複数設置する場合に、電磁発電機同士の間に無駄なスペースを作ることなく、設置することができる。よって、電磁発電機設置範囲あたりの発電効率が上昇する。
【0032】
(実施例1の変更例1)
図5は、実施例1の変更例を示す。
図1に示した実施例1と共通する構成には、同じ符号を示し、説明は省略する。
【0033】
実施例1と実施例1の変更例1では、単位磁石11、12が十字穴付皿小ねじ14とナット13により締め付けられ、磁石組立体2が形成されている点で異なる。
【0034】
保持磁石21、22は、磁石組立体2の向かい合う極と同極となる面を磁石組立体2に向けて、保持具23、24に接着により固定される。
【0035】
単位磁石11、12は、中心孔と孔の一方に円錐の面取を備える皿孔付の磁石である。単位磁石11、12の中心孔に十字穴付皿小ねじ14とナット13が嵌め込まれて、十字穴付皿小ねじ14とナット13を締め付けて磁石組立体2が形成される。単位磁石11、12はそれぞれ保持部に対向する面が「S」極に着磁され、他方の面が「N」極にされたものである。反発する単位磁石11、12の面同士を容易に一体化し、磁石組立体2を形成することが可能である。
【0036】
(実施例1の変更例2)
図6は、実施例1の変更例2を示す。
図1に示した実施例1と共通する構成には、同じ符号を示し、説明は省略する。
【0037】
実施例1と実施例1の変更例2では、保持部3、4の保持部3,4と磁石組立体2の距離を調節する距離調整機構が異なる。
【0038】
保持部3、4は、保持具23、24と保持磁石21、22からなる。さらに保持具3,4は、距離調整機構23、24はケース8の軸方向に垂直な方向から、貫通ねじ41により締め付けられている。貫通ねじ41の締め付けを緩めることで、保持具23、24の筒軸方向に移動可能となる。
【0039】
(実施例1の変更例3)
図7は、実施例2の変更例3を示す。
図1、2に示した実施例1と共通する構成には、同じ符号を示し、説明は省略する。
【0040】
実施例1と実施例1の変更例3では、ケース8が、磁石組立体2の位置を確認することができる、位置確認部36を有する点で異なる。位置確認部36はケース8の内部を目視できる構造であり、磁石組立体2の位置を目視で確認しながら、距離調整機構23、24をケース8の軸方向に移動させることができる。また、位置確認部36に目盛等を付している場合、より正確に磁石組立体2の位置を確認でき、距離調整機構23、24のより、高精度に保持部3,4と磁石組立体2の距離を調節することが可能となる。
【0041】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 電磁発電機
2 磁石組立体
3、4 保持部
5、6 気室
7 第1のソレノイドコイル
8 ケース
11、12 単位磁石
13 ナット
14 十字穴付皿小ねじ
21、22 保持磁石
23、24 保持具
25、26 溝
27、28 ボビン
29、30 第2のソレノイドコイル
31、32 連通孔
35 取り付け部
36 位置確認部
41 貫通ねじ