(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のスイッチング素子は、前記第1のスイッチング素子と並列に配され、前記インダクタの他端から前記第1の蓄電セルの他端への方向に電流を流す第1のダイオードを有し、
前記第2のスイッチング素子は、前記第2のスイッチング素子と並列に配され、前記第2の蓄電セルの他端から前記インダクタの他端への方向には電流を流す第2のダイオードを有し、
前記電圧安定化回路は、シャントレギュレータを有し、
前記シャントレギュレータは、
一端が、前記第1の基準電圧入力端子と電気的に接続し、
他端が、前記第2の基準電圧入力端子と電気的に接続し、
前記シャントレギュレータの一端と他端との間の電圧差が予め定められた値よりも大きい場合に、前記シャントレギュレータの一端から前記シャントレギュレータの他端に電流を流す、
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のバランス補正装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面を参照して、実施形態について説明するが、図面の記載において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して重複する説明を省く場合がある。
【0013】
図1は、蓄電システム110を備える装置100の一例を概略的に示す。装置100は、モータ102と、蓄電システム110とを備える。装置100は、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気二輪車、鉄道車両、昇降機などの輸送装置であってよい。装置100は、PC、携帯電話などの電気機器であってよい。
【0014】
蓄電システム110は、端子112と、端子114と、蓄電セル122、蓄電セル124、蓄電セル126および蓄電セル128を含む直列に接続された複数の蓄電セルと、バランス補正回路132、バランス補正回路134およびバランス補正回路136を含む複数のバランス補正回路とを有する。バランス補正回路132、バランス補正回路134およびバランス補正回路136は、バランス補正装置の一例であってよい。
【0015】
「電気的に接続される」とは、ある要素と他の要素とが直接接続される場合に限定されない。ある要素と他の要素との間に、第三の要素が介在してもよい。また、ある要素と他の要素とが物理的に接続されている場合に限定されない。例えば、変圧器の入力巻線と出力巻線とは物理的には接続されていないが、電気的には接続されている。さらに、ある要素と他の要素とが現実に電気的に接続されている場合だけでなく、蓄電セルとバランス補正回路とが電気的に接続されたときに、ある要素と他の要素とが電気的に接続される場合をも含む。また、「直列に接続される」とは、ある要素と他の要素とが直列に電気的に接続されていることを示す。
【0016】
モータ102は、蓄電システム110に電気的に接続され、蓄電システム110の供給する電力を利用する。モータ102は、電力負荷の一例であってよい。モータ102は、回生ブレーキとして使用されてもよい。蓄電システム110は、モータ102に電気的に接続され、モータ102に電力を供給する。蓄電システム110は、図示されない充電装置に電気的に接続され、電気エネルギーを蓄える。
【0017】
端子112および端子114は、モータ102、充電装置などのシステム外部の装置と、蓄電システム110とを電気的に接続する。蓄電セル122、蓄電セル124、蓄電セル126および蓄電セル128は、直列に接続される。蓄電セル122、蓄電セル124、蓄電セル126および蓄電セル128は、二次電池またはキャパシタであってよい。蓄電セル122、蓄電セル124、蓄電セル126および蓄電セル128のそれぞれは、複数の蓄電セルを含んでもよい。
【0018】
例えば、蓄電セル122と蓄電セル124との間で、製造品質、劣化の程度などが異なる場合、蓄電セル122および蓄電セル124の電池特性に差が生じる場合がある。電池特性としては、電池容量、または、放電時間に対する電池電圧の関係を示す放電電圧特性を例示することができる。例えば、蓄電セルの劣化が進行するにつれて、より短い放電時間で電池電圧が低下するようになる。
【0019】
蓄電セル122および蓄電セル124の電池特性が異なる場合、蓄電システム110の充電完了時に蓄電セル122および蓄電セル124の電圧が略同一であったとしても、蓄電システム110の放電が進行するにつれて、蓄電セル122および蓄電セル124の電圧にばらつきが生じる。また、蓄電システム110の充電開始時に蓄電セル122および蓄電セル124の電圧が略同一であったとしても、蓄電システム110の充電が進行するにつれて、蓄電セル122および蓄電セル124の電圧にばらつきが生じる。
【0020】
蓄電セル122および蓄電セル124は、利用可能な充電レベル(State of Charge、SOCという場合がある。)の範囲が予め定められているので、蓄電セル122および蓄電セル124の電圧にばらつきが生じると、蓄電システム110の利用効率が悪化する。そこで、蓄電セル122および蓄電セル124の電圧を均等化させることで、蓄電システム110の利用効率を向上させることができる。
【0021】
バランス補正回路132は、インダクタを有し、蓄電セル122および蓄電セル124の電圧を均等化させる。バランス補正回路132は、蓄電セル122の端子112側の一端(正極側という場合がある。)と、蓄電セル122の端子114側の一端(負極側という場合がある。)と蓄電セル124の正極側との接続点143とに電気的に接続される。これにより、蓄電セル122およびインダクタを含む回路が形成される。バランス補正回路132は、接続点143と、蓄電セル124の負極側と蓄電セル126の正極側との接続点145とに電気的に接続される。これにより、蓄電セル124およびインダクタを含む回路が形成される。
【0022】
バランス補正回路132は、蓄電セル122およびインダクタを含む回路と、蓄電セル124およびインダクタを含む回路とに交互に電流を流す。これにより、蓄電セル122と蓄電セル124との間でインダクタを介して電気エネルギーを授受することができる。その結果、蓄電セル122および蓄電セル124の電圧を均等化させることができる。
【0023】
バランス補正回路134は、蓄電セル124および蓄電セル126の電圧を均等化させる。バランス補正回路134は、接続点143と、接続点145と、蓄電セル126の負極側と蓄電セル128の正極側との接続点147とに、電気的に接続される。バランス補正回路136は、蓄電セル126および蓄電セル128の電圧を均等化させる。バランス補正回路136は、接続点145と、接続点147と、蓄電セル128の負極側とに、電気的に接続される。バランス補正回路134およびバランス補正回路136は、バランス補正回路132と同様の構成を有してよい。
【0024】
図2は、蓄電システム210の一例を概略的に示す。蓄電システム210は、端子212と、端子214と、直列に接続された蓄電セル222および蓄電セル224と、バランス補正回路232とを備える。バランス補正回路232は、バランス補正装置の一例であってよい。蓄電セル222は、第1の蓄電セルの一例であってよい。蓄電セル224は、第2の蓄電セルの一例であってよい。
【0025】
端子212および端子214は、それぞれ、蓄電システム110の端子112および端子114と同様の構成を有してよい。蓄電セル222および蓄電セル224は、蓄電セル122、蓄電セル124、蓄電セル126または蓄電セル128と同様の構成を有してよい。また、蓄電システム110は、蓄電システム210と同様の構成を有してよい。バランス補正回路132、バランス補正回路134およびバランス補正回路136は、バランス補正回路232と同様の構成を有してよい。
【0026】
バランス補正回路232は、蓄電セル222および蓄電セル224の電圧を均等化させる。バランス補正回路232は、インダクタ250と、スイッチング素子252と、スイッチング素子254と、制御信号発生部272と、ダイオード282と、ダイオード284と、ツェナーダイオード292と、ツェナーダイオード294とを備える。スイッチング素子252は、第1のスイッチング素子の一例であってよい。スイッチング素子254は、第2のスイッチング素子の一例であってよい。ツェナーダイオード292およびツェナーダイオード294のそれぞれは、シャントレギュレータおよび電圧安定化回路の一例であってよい。
【0027】
バランス補正回路232は、蓄電セル222の正極側と、蓄電セル222の負極側と蓄電セル224の正極側との接続点243とに電気的に接続される。これにより、蓄電セル222と、スイッチング素子252と、インダクタ250とを含む第1の開閉回路が形成される。バランス補正回路232は、接続点243と、蓄電セル224の負極側とに電気的に接続される。これにより、蓄電セル224と、インダクタ250と、スイッチング素子254とを含む第2の開閉回路が形成される。接続点243は、第1の蓄電セルの一端と第2の蓄電セルの一端との接続点の一例であってよい。
【0028】
インダクタ250は、一端が接続点243に電気的に接続される。インダクタ250の他端は、スイッチング素子252およびスイッチング素子254の接続点263に電気的に接続されてよい。スイッチング素子252およびスイッチング素子254が交互にオン動作およびオフ動作(オン・オフ動作という場合がある。)を繰り返すと、インダクタ250にはインダクタ電流I
Lが生じる。
【0029】
スイッチング素子252は、インダクタ250の他端と蓄電セル222の正極側との間に電気的に接続される。スイッチング素子252は、制御信号発生部272から制御信号φ22を受信して、制御信号φ22に基づきオン動作またはオフ動作を行う。これにより、第1の開閉回路を開閉する。スイッチング素子252は、MOSFETであってよい。スイッチング素子252は、制御信号φ22を受信しない場合にはオフ動作をする素子であってよい。
【0030】
スイッチング素子254は、インダクタ250の他端と蓄電セル224の負極側との間に電気的に接続される。スイッチング素子254は、制御信号発生部272から制御信号φ24を受信して、制御信号φ24に基づきオン動作またはオフ動作を行う。これにより、第2の開閉回路を開閉する。スイッチング素子254は、MOSFETであってよい。スイッチング素子254は、制御信号φ24を受信しない場合にはオフ動作をする素子であってよい。
【0031】
制御信号発生部272は、スイッチング素子252のオン・オフ動作を制御する制御信号φ22と、スイッチング素子254のオン・オフ動作を制御する制御信号φ24とを発生させる。制御信号発生部272は、制御信号φ22をスイッチング素子252に供給する。制御信号発生部272は、制御信号φ24をスイッチング素子254に供給する。
【0032】
制御信号発生部272は、スイッチング素子252およびスイッチング素子254が交互にオン・オフ動作を繰り返すように、制御信号φ22および制御信号φ24を発生させてよい。これにより、スイッチング素子252とスイッチング素子254とを交互にオン・オフ動作させることができる。制御信号φ22および制御信号φ24は、それぞれ、デューティ比が50%の方形波であってよい。デューティ比は、方形波の周期に対するON期間の割合として算出することができる。
【0033】
制御信号発生部272は、予め定められた周期のパルス列を発生するパルス発生器であってよい。制御信号発生部272は、制御信号φ22および制御信号φ24の少なくとも一方のデューティ比を可変制御する可変パルス発生器であってもよい。制御信号発生部272は、スイッチング素子252およびスイッチング素子254と同一の基板に形成されてよい。
【0034】
制御信号発生部272は、蓄電セル222の正極側と電気的に接続する基準電圧入力端子274と、蓄電セル224の負極側と電気的に接続する基準電圧入力端子276とを有する。基準電圧入力端子274は、第1の基準電圧入力端子の一例であってよい。基準電圧入力端子276は、第2の基準電圧入力端子の一例であってよい。
【0035】
ダイオード282は、スイッチング素子252と並列に配される。ダイオード282は、一端がインダクタ250の他端と電気的に接続する。ダイオード282の他端は、蓄電セル222の正極側と電気的に接続する。ダイオード282は、インダクタ250の他端から蓄電セル222の正極側への方向に電流を流す。
【0036】
ダイオード284は、スイッチング素子254と並列に配される。ダイオード284は、一端が蓄電セル224の負極側と電気的に接続する。ダイオード284の他端は、インダクタ250の他端と電気的に接続する。ダイオード284は、蓄電セル224の負極側からインダクタ250の他端への方向に電流を流す。ダイオード282およびダイオード284は、MOSFETのソース・ドレイン間に等価的に形成される寄生ダイオードであってよい。
【0037】
ダイオード282およびダイオード284を設けることで、スイッチング素子252およびスイッチング素子254が共にオフ状態となった期間にインダクタ電流I
Lが残留した場合であっても、当該インダクタ電流I
Lがダイオード282またはダイオード284を通して流れ続けることができる。これにより、インダクタ250に一旦生じたインダクタ電流I
Lを無駄なく利用することができる。また、インダクタ電流I
Lを遮断した場合に生じるサージ電圧の発生を抑制することができる。
【0038】
ツェナーダイオード292は、基準電圧入力端子274と基準電圧入力端子276との間の電圧差を予め定められた範囲に維持する。ツェナーダイオード292は、制御信号発生部272と並列に配されてよい。
【0039】
ツェナーダイオード292は、一端が、インダクタ250の他端と電気的に接続してよい。ツェナーダイオード292の他端は、制御信号発生部272の基準電圧入力端子276と電気的に接続してよい。ツェナーダイオード292は、ツェナーダイオード292の一端と他端との間の電圧差が予め定められた値よりも大きい場合、ツェナーダイオード292の一端からツェナーダイオード292の他端に電流が流れる向きに配されてよい。
【0040】
これにより、基準電圧入力端子274と基準電圧入力端子276との間の電圧差を予め定められた範囲に維持することができる。その結果、制御信号発生部272の破損を防止することができる。
【0041】
ツェナーダイオード294は、基準電圧入力端子274と基準電圧入力端子276との間の電圧差を予め定められた範囲に維持する。ツェナーダイオード294は、制御信号発生部272と並列に配されてよい。
【0042】
ツェナーダイオード294は、一端が、制御信号発生部272の基準電圧入力端子274と電気的に接続してよい。ツェナーダイオード292の他端は、インダクタ250の他端と電気的に接続してよい。ツェナーダイオード294は、ツェナーダイオード294の一端と他端との間の電圧差が予め定められた値よりも大きい場合、ツェナーダイオード294の一端からツェナーダイオード294の他端に電流が流れる向きに配されてよい。
【0043】
これにより、基準電圧入力端子274と基準電圧入力端子276との間の電圧差を予め定められた範囲に維持することができる。その結果、制御信号発生部272の破損を防止することができる。
【0044】
本実施形態において、バランス補正回路232が、ツェナーダイオード292およびツェナーダイオード294を備える場合について説明した。しかし、バランス補正回路232はこれに限定されない。バランス補正回路232は、ツェナーダイオード292およびツェナーダイオード294の少なくとも一方を備えてよい。
【0045】
図3は、蓄電システム210の動作の一例を概略的に示す。
図3は、制御信号φ22および制御信号φ24の波形の一例に対応づけて、グラフ302、グラフ304およびグラフ306を示す。グラフ302、グラフ304およびグラフ306において、横軸は時間の経過を示す。また、縦軸はインダクタ電流I
Lの大きさを示す。
図3において、インダクタ電流I
Lの大きさは、接続点263から接続点243に向かって流れる電流(
図2において実線の矢印で示す。)を正として表す。
【0046】
まず、蓄電システム210の正常時の動作について、
図3を用いて説明する。グラフ302は、蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも大きい場合のインダクタ電流I
Lの経時変化の一例を概略的に示す。グラフ304は、蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも小さい場合のインダクタ電流I
Lの経時変化の一例を概略的に示す。グラフ306は、蓄電セル222の電圧E
2と蓄電セル224の電圧E
4とが略同一である場合のインダクタ電流I
Lの経時変化の一例を概略的に示す。
【0047】
図3において、制御信号φ22および制御信号φ24は、デューティ比が50%の方形波である。
図3に示すように、制御信号φ22および制御信号φ24は、スイッチング素子252およびスイッチング素子254の一方がオン状態の間は他方がオフ状態になるように、互いに相補な論理または位相極性を有する。
【0048】
グラフ302に示すように、蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも大きい場合には、スイッチング素子252がオン状態のときに、蓄電セル222の正極側−スイッチング素子252−接続点263−インダクタ250−接続点243−蓄電セル222の負極側の電流経路で電流が流れる。このとき、インダクタ250には、インダクタ電流I
Lが
図2における実線矢印の方向に充電される。
【0049】
次に、スイッチング素子252がオフ状態になり、スイッチング素子254がオン状態になると、インダクタ250に充電されたインダクタ電流I
Lがインダクタ250の一端−接続点243−蓄電セル224−スイッチング素子254−接続点263−インダクタ250の他端の電流経路で放電される。この放電は、蓄電セル224を充電しながら行われる。
図3に示すように、インダクタ電流I
Lは放電により時間と共に減少し、放電電流が0になると、インダクタ250には、放電電流とは逆方向の充電電流が流れるようになる。
【0050】
グラフ304に示すように、蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも小さい場合には、スイッチング素子254がオン状態のときに、蓄電セル224の正極側−接続点243−インダクタ250−接続点263−スイッチング素子254−蓄電セル224の負極側の電流経路で電流が流れる。このとき、インダクタ250には、インダクタ電流I
Lが
図2における破線矢印の方向に充電される。
【0051】
次に、スイッチング素子254がオフ状態になり、スイッチング素子252がオン状態になると、インダクタ250に充電されたインダクタ電流I
Lがインダクタ250の他端−接続点263−スイッチング素子252−蓄電セル222−接続点243−インダクタ250の一端の電流経路で放電される。この放電は、蓄電セル222を充電しながら行われる。
【0052】
上記のように、バランス補正回路232が第1の開閉回路と、第2の開閉回路とに交互に電流を流すことで、蓄電セル122と蓄電セル124との間でインダクタ250を介して電気エネルギーを授受することができる。その結果、蓄電セル122および蓄電セル124の電圧を均等化させることができる。
【0053】
グラフ306に示すように、蓄電セル222の電圧E
2と蓄電セル224の電圧E
4とが略同一である場合には、スイッチング素子252またはスイッチング素子254がオン状態の期間において、インダクタ電流I
Lの放電と充電とがほぼ等量ずつ実施される。その結果、電圧がほぼバランスした状態を維持することができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、説明を簡単にする目的で、制御信号φ22および制御信号φ24のデューティ比が50%である場合について説明した。しかし、制御信号φ22および制御信号φ24はこれに限定されない。制御信号φ22および制御信号φ24のデューティ比は、蓄電セル222および蓄電セル224の電圧差に応じて変更されてよい。
【0055】
次に、蓄電システム210の稼動中に、蓄電セル222および蓄電セル224と、バランス補正回路232との接続が切断された場合における、ツェナーダイオード292およびツェナーダイオード294の機能について説明する。蓄電セル222および蓄電セル224と、バランス補正回路232との接続が切断されるタイミングによっては、制御信号発生部272の基準電圧入力端子274と基準電圧入力端子276との間に大きな電圧が印加される可能性がある。
【0056】
ツェナーダイオード292は、蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも小さい場合に、スイッチング素子252がオン状態であり、スイッチング素子254がオフ状態であり、インダクタ電流I
Lが
図2における破線矢印の方向に流れている状態において、蓄電セル222とバランス補正装置との接続が切断されたときに、制御信号発生部272を保護する。ツェナーダイオード294は、蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも大きい場合おいて、スイッチング素子252がオフ状態であり、スイッチング素子254がオン状態であり、インダクタ電流I
Lが
図2における実線矢印の方向に流れている状態において、蓄電セル224とバランス補正装置との接続が切断されたときに、制御信号発生部272を保護する。
【0057】
まず、ツェナーダイオード292の機能について説明する。蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも小さい場合であって、スイッチング素子252がオン状態であり、スイッチング素子254がオフ状態であり、インダクタ電流I
Lが
図2における破線矢印の方向に流れている状態を考える。
【0058】
この状態おいて、蓄電セル222とバランス補正装置との接続が切断された場合、ツェナーダイオード292がなければ、インダクタ250の他端−接続点263−スイッチング素子252−基準電圧入力端子274−制御信号発生部272−基準電圧入力端子276−蓄電セル224−接続点243−インダクタ250の一端の電流経路でインダクタ電流I
Lが流れる。インダクタ電流I
Lの大きさによっては、制御信号発生部272が破損する可能性がある。
【0059】
これに対して、ツェナーダイオード292が
図2に関連して説明したように配されている場合には、インダクタ電流I
Lは、インダクタ250の他端−接続点263−ツェナーダイオード292−蓄電セル224−接続点243−インダクタ250の一端の電流経路を流れる。これにより、制御信号発生部272の破損を防止することができる。
【0060】
次に、ツェナーダイオード294の機能について説明する。蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも大きい場合であって、スイッチング素子252がオフ状態であり、スイッチング素子254がオン状態であり、インダクタ電流I
Lが
図2における実線矢印の方向に流れている状態を考える。
【0061】
この状態おいて、蓄電セル224とバランス補正装置との接続が切断された場合、ツェナーダイオード294がなければ、インダクタ250の一端−接続点243−蓄電セル222−基準電圧入力端子274−制御信号発生部272−基準電圧入力端子276−スイッチング素子254−接続点263−インダクタ250の他端の電流経路でインダクタ電流I
Lが流れる。インダクタ電流I
Lの大きさによっては、制御信号発生部272が破損する可能性がある。
【0062】
これに対して、ツェナーダイオード294が
図2に関連して説明したように配されている場合には、インダクタ電流I
Lは、インダクタ250の一端−接続点243−蓄電セル222−ツェナーダイオード294−接続点263−インダクタ250の他端の電流経路を流れる。これにより、制御信号発生部272の破損を防止することができる。
【0063】
図4は、蓄電システム410の一例を概略的に示す。蓄電システム410は、端子212と、端子214と、直列に接続された蓄電セル222および蓄電セル224と、バランス補正回路432とを備える。バランス補正回路432は、バランス補正装置の一例であってよい。
【0064】
バランス補正回路432は、蓄電セル222および蓄電セル224の電圧を均等化させる。バランス補正回路432は、インダクタ250と、スイッチング素子252と、スイッチング素子254と、制御信号発生部272と、ダイオード282と、ダイオード284と、ツェナーダイオード490とを備える。
【0065】
バランス補正回路432は、ツェナーダイオード292およびツェナーダイオード294の代わりに、ツェナーダイオード490を備える点でバランス補正回路232と相違する。その他の点については、バランス補正回路232と同様の構成を有してよい。バランス補正回路232の各部と同一または類似の部分には同一の参照番号を付して重複する説明を除く。また、蓄電システム110は、蓄電システム410と同様の構成を有してよい。バランス補正回路132、バランス補正回路134およびバランス補正回路136は、バランス補正回路432と同様の構成を有してよい。
【0066】
ツェナーダイオード490は、基準電圧入力端子274と基準電圧入力端子276との間の電圧差を予め定められた範囲に維持する。ツェナーダイオード490は、一端が、基準電圧入力端子274と電気的に接続する。ツェナーダイオード490の他端は、基準電圧入力端子276と電気的に接続する。ツェナーダイオード490は、制御信号発生部272と並列に配されてよい。
【0067】
ツェナーダイオード490は、一端が、蓄電セル222の正極側とスイッチング素子252との間に電気的に接続してよい。ツェナーダイオード490の他端は、蓄電セル224の負極側とスイッチング素子254との間に電気的に接続してよい。ツェナーダイオード490は、ツェナーダイオード490の一端と他端との間の電圧差が予め定められた値よりも大きい場合、ツェナーダイオード490の一端からツェナーダイオード294の他端に電流が流れる向きに配されてよい。
【0068】
次に、ツェナーダイオード490の機能について説明する。蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも大きい場合であって、スイッチング素子252がオフ状態であり、スイッチング素子254がオン状態であり、インダクタ電流I
Lが
図4における実線矢印の方向に流れている状態を考える。この状態おいて、蓄電セル224とバランス補正装置との接続が切断されたとしても、ツェナーダイオード490が上記のように配されている場合には、インダクタ電流I
Lは、インダクタ250の一端−接続点243−蓄電セル222−ツェナーダイオード490−スイッチング素子254−接続点263−インダクタ250の他端の電流経路を流れる。これにより、制御信号発生部272の破損を防止することができる。
【0069】
また、蓄電セル222の電圧E
2が蓄電セル224の電圧E
4よりも小さい場合であって、スイッチング素子252がオン状態であり、スイッチング素子254がオフ状態であり、インダクタ電流I
Lが
図4における破線矢印の方向に流れている状態を考える。この状態おいて、蓄電セル222とバランス補正装置との接続が切断されたとしても、ツェナーダイオード490が上記のように配されている場合には、インダクタ電流I
Lは、インダクタ250の他端−接続点263−
スイッチング素子252−ツェナーダイオード490−蓄電セル224−接続点243−インダクタ250の一端の電流経路を流れる。これにより、制御信号発生部272の破損を防止することができる。
【0070】
以上のとおり、ツェナーダイオード490は、基準電圧入力端子274と基準電圧入力端子276との間の電圧差を予め定められた範囲に維持することができる。その結果、制御信号発生部272の破損を防止することができる。
【0071】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0072】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。