特許第5744664号(P5744664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744664
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】遊技場管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
   A63F7/02 350Z
   A63F7/02 332B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-168361(P2011-168361)
(22)【出願日】2011年8月1日
(65)【公開番号】特開2013-31514(P2013-31514A)
(43)【公開日】2013年2月14日
【審査請求日】2014年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 俊介
【審査官】 藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−222909(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/062008(WO,A1)
【文献】 特開2001−058080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置された遊技場を管理する遊技場管理システムであって、
遊技を開始した遊技者を特定可能な遊技者特定手段と、
遊技者が遊技に使用した遊技価値の大きさを特定する使用遊技価値特定手段と、
遊技が進行する上で遊技機が遊技者に付与した遊技価値の大きさを特定する付与遊技価値特定手段と、
遊技者が遊技において減少又は増加させた遊技価値の大きさに対応した収支データを特定する収支特定手段と、
遊技者が遊技を行った過程における前記収支データの最小値と、当該最小値となった後の前記収支データの最大値との差である最大所持遊技価値の大きさを特定する最大所持遊技価値特定手段と、
前記収支データと前記最大所持遊技価値の大きさとに基づいて、遊技者の遊技の結果を複数の満足度合に区分して管理する遊技結果管理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項2】
前記遊技結果管理手段は、遊技において遊技価値の大きさを減少させた負越遊技者の遊技の結果について、前記収支データが等しいとしても前記最大所持遊技価値が大きい方が前記満足度合を高くすることを特徴とする請求項1に記載の遊技場管理システム。
【請求項3】
前記遊技機は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能であり、
前記遊技結果管理手段は、前記収支データに関わらず、前記特別遊技状態が発生した後に遊技を終了した方が、前記特別遊技状態が発生することなく遊技を終了した場合よりも前記満足度合を高くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技機が設置された遊技場を管理する遊技場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場において、遊技者がどの程度勝っている、又はどの程度負けているかの収支データを管理する技術が知られている(例えば、特許文献1)。これにより、遊技場における利益を管理することや、収支データを遊技者に提供するサービスの実行が可能となる。
ここで、遊技場の稼動率や遊技場に設置してある一の遊技機の稼動率は、遊技者が満足して遊技を終了したか否かによって変化する。つまり、遊技に満足した遊技者は再度その遊技場に来場することを見込むことができる一方、遊技に不満を抱きつつ遊技を終了した遊技者はそのとき遊技を行っていた遊技機にて遊技を行わなくなることやその遊技場に来場することを控えることが考えられる。このため、不満を抱きつつ遊技を終了した遊技者が多くなると、遊技機や遊技場全体の稼動率が低下してしまうことから、満足して遊技を終了した遊技者を特定可能なデータを集計することは重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−263313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、収支データを管理したとしても、遊技者が満足して遊技を終了したかを特定することはできない。具体的には、遊技者個人の収支データが同じであったとしても、その遊技の内容によっては遊技者の満足度合は異なり、例えば、遊技者個人の収支データが同じであったとしても、一時的にでも遊技者が多くの玉を獲得していれば遊技者の満足度合は高くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技者の満足度合を特定可能なデータを集計することができる遊技場管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の遊技機が設置された遊技場を管理する遊技場管理システムであって、
遊技を開始した遊技者を特定可能な遊技者特定手段と、遊技者が遊技に使用した遊技価値の大きさを特定する使用遊技価値特定手段と、遊技が進行する上で遊技機が遊技者に付与した遊技価値の大きさを特定する付与遊技価値特定手段と、遊技者が遊技において減少又は増加させた遊技価値の大きさに対応した収支データを特定する収支特定手段と、遊技者が遊技を行った過程における前記収支データの最小値と、当該最小値となった後の前記収支データの最大値との差である最大所持遊技価値の大きさを特定する最大所持遊技価値特定手段と、前記収支データと前記最大所持遊技価値の大きさとに基づいて、遊技者の遊技の結果を複数の満足度合に区分して管理する遊技結果管理手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0006】
請求項1に記載の遊技場管理システムにおいて、
前記遊技結果管理手段は、遊技において遊技価値の大きさを減少させた負越遊技者の遊技の結果について、前記収支データが等しいとしても前記最大所持遊技価値が大きい方が前記満足度合を高くするようにしてもよい(請求項2)。
【0007】
請求項1又は2に記載の遊技場管理システムにおいて、
前記遊技機は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能であり、前記遊技結果管理手段は、前記収支データに関わらず、前記特別遊技状態が発生した後に遊技を終了した方が、前記特別遊技状態が発生することなく遊技を終了した場合よりも前記満足度合を高くするようにしてもよい(請求項3)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、収支データと最大所持遊技価値の大きさに基づいて満足度合を割り振ることで、収支データが同じであったとしても、遊技者の満足度合が異なるものとして管理することができる。
ここで、最大所持遊技価値について説明を補足すると、最大所持遊技価値の大きさは、単位期間でみて付与した遊技価値の方が使用した遊技価値よりも大きくなった場合にどれだけ付与した遊技価値が大きくなったかを示す。つまり、最大所持遊技価値が大きいということは一時的であれ遊技者が所持していた遊技価値が大きかったこととなる。このため、最大所持遊技価値が大きいほど、遊技価値が付与されたというイメージを遊技者が強く抱く。従って、最大所持遊技価値の大きさは遊技者の満足度合に大きく影響を与える。
この点、本発明によれば、最大所持遊技価値の大きさを加味して遊技者の満足度合を管理することで、満足して遊技者が遊技を行っていたかをより正確に特定することができる。そして、満足度合を特定しつつ、遊技機の調整や、交換対象とする遊技機の種類の決定を行うことで、遊技機や遊技場の稼動率を高めることができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、最大所持遊技価値が大きければ、一時的だけでも所持していた遊技価値が大きかったことを示しており、最大所持遊技価値が大きいほど遊技価値が大量に付与されたものと遊技者が感じ、満足度合が高くなる。本発明を採用することで、遊技者が負け越した場合の満足度合を最大所持遊技価値の大きさに応じて適切に特定可能となり、より正確な遊技者の満足度合を管理することができる。
請求項3の発明によれば、大当たり当選となることなく遊技を終了した場合、遊技者の満足度合はかなり低いことが考えられることから、このような場合、収支データに関わらず満足度合を低くすることで、より正確に遊技者の満足度合を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
図2】BOが高い場合の遊技者の満足度合を分類した例を示す図
図3】BOが低い場合の遊技者の満足度合を分類した例を示す図
図4】機種毎に集計した満足度合の集計結果の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場には遊技機1に対応して貸出装置2が設置され、管理室には管理装置3(遊技者特定手段、使用遊技価値特定手段、付与遊技価値特定手段、収支特定手段、最大所持遊技価値特定手段、遊技結果管理手段に相当)が設置されている。中継装置4は、2台の遊技機1、2台の貸出装置2及び管理装置3とLAN5を介して接続されている。管理装置3は、遊技機側(遊技機1、貸出装置2等)から送信される遊技信号を中継装置4を介して受信することにより遊技機1毎の遊技データを管理する。
【0012】
管理対象となる遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル6に対する操作により盤面7に発射した玉(遊技媒体)が始動口8に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部9において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たり状態(特別遊技状態に相当)となる。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口10を開放する。入賞により遊技機1から払出された玉は上部受皿11にて受けられ、この上部受皿11が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿12で受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0013】
遊技機側からは、次の遊技信号が出力される。
・アウト信号=使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト、使用遊技媒体)を特定可能な信号。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
・セーフ信号=遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、付与遊技媒体)を特定可能な信号。遊技機1での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
・スタート信号=遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号。始動口8への入賞により変動(作動)する表示部9における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、始動口8への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。
・大当たり信号=遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号なので、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
・売上信号=貸出装置2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、売上玉数×貸単価を売上額として特定する。
・再プレイ信号=貸出装置2から出力される再プレイ玉(再遊技媒体)数を特定可能な信号。遊技者に対する貯玉を対価とした再プレイ玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「再プレイ信号数×25」を再プレイ玉数として特定する。
【0014】
貸出装置2は、貨幣投入口13から貨幣が投入されるとノズル14から対価分の玉を払出す。また、CCDカメラ15を内蔵しており、対応する遊技者の顔を中心とした上半身を斜め前方から撮影して顔データを管理装置3に出力する。
管理装置3は、遊技機側からの各種遊技信号に基づいて遊技データを作成する。この遊技データは、CCDカメラ15から出力された顔データに基づいて一人の遊技者が遊技を開始してから継続して遊技したと判断できる範囲における台データ、及び売上データを累積したものである。
【0015】
管理装置3は、上述のように管理する遊技データに基づいて遊技者毎の「BO」(通常アウト)、「最大MY」(最大所持遊技価値に相当)、「収支」(収支データに相当)を求めると共に、それらのデータと予め設定された閾値とを比較することにより遊技者を後述するように分類する。尚、本実施形態では、収支を、付与した遊技価値の大きから使用した遊技価値の大きさを差し引いた収支データ、つまり、アウト(「使用した遊技価値の大きさ」に相当)とセーフ(「付与した遊技価値の大きさ」に相当)の差から算出するようにしているが、遊技者が所持している遊技価値の大きさから遊技者が遊技に投資した遊技価値の大きさを差し引いた収支データ、つまり、遊技者が獲得している持玉(遊技者が所持している遊技価値の大きさ)と投資金額に相当する玉や引き出した貯玉数(遊技者が遊技に投資した遊技価値の大きさ)との差から算出するようにしてもよい。
【0016】
ここで、BOの高低に応じて分類する意義について説明する。BOが高い場合は、遊技者の遊技時間が長いということであるから、収支がマイナスとなることにより遊技者(負越遊技者に相当)が負けたと強く感じるのに対して、BOが低い場合は、遊技者の遊技時間が短いということであるから、収支がマイナスとなるにしても遊技者が負けたと強く感じない。つまり、収支がマイナスになるにしてもBOの高低によって遊技者が負けたとの感じ方が大きく異なるから、BOの高低に応じて分類しているである。但し、収支がプラスの場合は、BOの高低に関わらず遊技者が勝ったと感じることから、BOの高低による差はない。
【0017】
次に最大MYに応じて分類する意義について説明する。MYは売上玉+セーフ−アウトであり、遊技者が所持している玉数を示している。最大MYは、遊技者が所持していた玉数の最大値を示しており、遊技者毎の出玉(セーフ−アウト)の最大値と最小値との差である(遊技者毎の収支(セーフ−アウト)が最小値と、当該最小値となった後の収支の最大値との差である。より詳細には、遊技者個人のスランプグラフでみた場合のマイナスの頂点と当該マイナスの頂点の後のプラスの頂点との差の最大値である。つまり、最大MYは、遊技者の遊技期間でみて払出玉数の方が使用玉数よりも大きくなった場合にどれだけ払出玉数が大きくなったかを示し、最大MYが大きいということは一時的であれ遊技者が所持していた遊技価値が大きかったことを意味する。このため、最大MYが大きいほど、遊技価値が付与されたという満足感を遊技者が強く抱くので、収支がマイナスであっても最大MYの大きさは遊技者の満足度合に大きく影響を与える。
【0018】
以上のような事情を考慮して「BO」、「最大MY」、「収支」に基づいて遊技者を満足度合に応じて分類するものであり、分類される満足度合としては、快勝(満足度合は極高)、辛勝(満足度合は高)、惜敗(満足度合は低)、完敗(満足度合は極低)を任意に設定可能となっている。この場合、収支がプラスのときは遊技者が満足しているものとして扱い、快勝又は辛勝を設定する。これに対して、収支がマイナスのときは遊技者が満足していないとして扱い、惜敗又は完敗を設定する。収支がプラスの遊技者は勿論のこと、収支がマイナスであっても惜敗の遊技者を満足して遊技を終了したものとして後述するように集計する。
【0019】
図2及び図3は遊技者の満足度合を分類した例を示しており、図2はBOが高い場合、図3はBOが低い場合を示している。そして、遊技者毎のデータである「BO」、「最大MY」、「収支」に閾値を設け、遊技した遊技者を以下のように分類する。各閾値は、機種別、タイプ別に任意に設定可能である。
(1)収支が大きくプラスの場合
BOの高低に関わらず遊技者の快勝とする。
(2)収支が若干のプラスの場合
BOの高低に関わらず遊技途中の最大MYが高ければ、投資額が多めだった、又は、多
くの玉を得た後に玉を減らしたものとして遊技者の辛勝とする。一方、最大MYが低い場合は投資額が少なかったことから、危なげなしだったものとして遊技者の快勝とする。
(3)収支が大きくマイナスの場合
遊技者の完敗であるが、BOが高い場合は、収支が大きくマイナスであっても最大MYが高ければ、出玉感があったものとして惜敗とする。一方、BOが低い場合は、収支が大きくマイナスとはならない、つまり、Bサ(通常差玉)も低くなるため、収支が大きくマイナスとはならないことから、このような条件を想定していない(図3中に斜線で示す)。
(4)収支が若干のマイナスの場合
BOが高い場合は、遊技者の投資金額が大きいものの、遊技途中の最大MYが高ければ
、あと少しで収支がプラスであったものとして惜敗とする。これに対して、収支が若干のマイナスであったとしても、最大MYが低ければ、じわじわ負けていったものとして完敗とする。一方、BOが低い場合は、最大MYが高ければ収支はプラスになることから、こ
のような条件を想定していない(図3中に斜線で示す)、最大MYが低い場合のみ惜敗が設定されている。但し、BOの高低に関わらず惜敗であっても大当たり0回の場合は完敗とする。このように大当たり0回の場合に惜敗を完敗と判定するのは、大当たり当選となることなく遊技を終了した場合、遊技者の満足度合はかなり低いことが考えられる。大当たり当選となることなく遊技を終了した場合、収支データに関わらず満足度合を低くすることで、より正確に遊技者の満足度合を管理することができるからである。
【0020】
以上のように遊技者の満足度合は、BO、収支、最大MYによって区分されて振分けられるものであり、その振分はパチンコ遊技機のタイプに応じて店舗にて任意に設定する。つまり、本実施形態では、完敗をBOが高い場合は最大MYが小さいとき、或いはBOの高低に関わらず大当たり当選することなく遊技を終了した場合に設定したが、どのような遊技者を完敗とするかは適宜店舗や機種に応じて設定すればよい。
図2及び図3に示している表は、大当たり確率が1/300程度のもの(所謂ミドルタイプ対応)の遊技機に対応している。この場合、収支を−2500発、0発、2500発で4区分に設定すると共に最大MYを4000発で区分した。
【0021】
管理装置3は、上述のようにして求めた遊技者毎の満足度合を機種毎に集計する。
図4は、機種毎に集計した満足度合の集計結果の一例である。遊技場の管理者は、管理装置3から出力された満足度合の集計表に基づいて遊技者が感じる各機種の満足度合を判断する。図4に示す例の場合、全ての機種の稼動率が同じ場合として考察すると、機種Bは、機種Aと満足割合は同じだが負けている客が多いため、機種Aよりも利益が大きい可能性が高いと推測される。機種Cは、機種Aよりも満足割合が極端に低く、今後稼動率が下がる可能性が高いと推測される。このため、機種交換や調整を検討する必要がある。機種Dは、満足割合が機種Cと同様極端に低いが、満足割合が非常に高い快勝客の割合も高くなっている。このため、稼動率が下がる可能性は機種Cほど高くはないと推測することができる。
【0022】
このような実施形態によれば、遊技者毎のデータである「BO」、「最大MY」、「収支」に閾値を設け、遊技者の遊技結果を快勝、辛勝、惜敗、完敗に分類し、惜敗までを満足して遊技を終了した遊技者として集計するようにしたので、客動向を分析する新たな指標として有効利用することができる。
最大MYが高い方が満足度合を高く特定するようにしたので、より正確な遊技者の満足度合を管理することができる。
惜敗の遊技者が1回も大当たりとなることなく遊技を終了した場合は完敗を特定するようにしたので、さらにより正確な遊技者の満足度合を管理することができる。
【0023】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、顔認証により遊技者を特定したが、遊技機1に対応して設置された貸出機2により会員カードを読み取ることで遊技者を特定するようにしてもよい。
管理対象とする遊技機として、例えば、スロットマシン、或いは封入式のものや完全クレジット式のものを対象としてもよい。
閾値としては任意に設定可能であり、さらに完敗、惜敗等の割振(段階分の数)も任意に設定してもよい。
複数段階のうち、任意の段階までを遊技者が遊技に満足していたとみなしてデータを集計してもよい。
収支を遊技者の使用金額や使用した貯玉の数から算出するようにしてもよいし、遊技者の持玉から算出してもよい。例えば、遊技者が所持している玉数から遊技者が遊技にして使用した金額に応じた玉数を減算して収支データを算出するようにしてもよい。
遊技機の機種毎ではなく、遊技機単位で満足度合を管理するようにしてもよい。この場合、遊技者の満足度合を加味することで遊技機の調整が行いやすくなる。
【符号の説明】
【0024】
図面中、1は遊技機、3は管理装置(遊技者特定手段、使用遊技価値特定手段、付与遊技価値特定手段、収支特定手段、最大所持遊技価値特定手段、遊技結果管理手段)である。
図1
図2
図3
図4