【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、手技中において、電極カテーテルの先端電極と、対極板との間の抵抗(インピーダンス)を監視することはきわめて重要である。
このため、高周波電源装置の表示部に表示されるインピーダンスの測定値は、誤差のない正確なものでなければならない。
このような観点から、手技(焼灼治療)を行う前に、高周波電源装置の表示部に誤差のない正確なインピーダンスの測定値が表示されること(高周波電源装置における抵抗測定性能および表示性能並びに導通経路に問題がないこと)を確認することが望ましい。
【0008】
このような確認を行うために、抵抗が既知(例えば100Ω)の標準抵抗器を高周波電源装置に接続し、標準抵抗器の抵抗を抵抗測定回路で測定して表示部に表示させ、既知の抵抗(抵抗値)と対比することが考えられる。
しかして、高周波電源装置に標準抵抗器を接続する場合には、高周波電源装置から電極カテーテルおよび対極板をそれぞれ取り外し、電極カテーテルが接続されていたコネクタ(カテーテル接続コネクタ)に標準抵抗器の端子の一方を接続するとともに、対極板が接続されていたコネクタ(対極板接続コネクタ)に標準抵抗器の端子の他方を接続する必要がある。
【0009】
このため、標準抵抗器においては、カテーテル接続コネクタに接続させる一方の端子を、電極カテーテルの端子と同一構造とし、対極板接続コネクタに接続させる他方の端子を、対極板の端子と同一構造としなければならない。
【0010】
然るに、電極カテーテルの端子は特殊な構造(例えば、丸型多芯プラグ)を有しており、また、対極板の端子も特殊な構造をしていたり、サイズの大きなプラグ端子であったりする。このような特殊な形状の端子を標準抵抗器の両端の各々に設けることは、必要性を欠くばかりか、装置の複雑化やコストの上昇を招き好ましくない。また、一端側と他端側とで端子形状が異なることによって、高周波電源装置への標準抵抗器の装着操作も煩雑となる。
【0011】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、正確なインピーダンスの測定値が表示部に表示されるか否かを手技(焼灼治療)を行う前に確認することができる高周波電源装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、装置本体に対して、構造の簡単なプラグ端子により標準抵抗器を接続することができる高周波電源装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、装置本体に対する標準抵抗器の装着が容易な高周波電源装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、標準抵抗器の抵抗を測定するための回路と、電極カテーテルの先端電極と対極板との間の抵抗を測定したり、先端電極と対極板との間に高周波電流を流したりするための回路との並列回路が形成されることを防止することができる高周波電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明の高周波電源装置は、電極カテーテルの先端電極と、人体表面に貼付される対極板との間に高周波電流を流すために使用する高周波電源装置であって、
前記先端電極と前記対極板との間の抵抗(インピーダンス)を測定する抵抗測定回路と、
抵抗測定回路により測定された抵抗(インピーダンス)を表示する表示部と、
抵抗体の両端にプラグ端子を有してなり、装置本体に対して着脱自在に設けられた標準抵抗器と、
前記電極カテーテルを接続するためのカテーテル接続コネクタと、
前記対極板を接続するための対極板接続コネクタと、
前記対極板接続コネクタに対して一方側に位置し、前記標準抵抗器のプラグ端子の一方が挿入される抵抗器接続第1コネクタと、
前記対極板接続コネクタに対して他方側に位置し、前記標準抵抗器のプラグ端子の他方が挿入される抵抗器接続第2コネクタと、
前記抵抗測定回路と前記カテーテル接続コネクタとを接続する第1配線と、
前記抵抗測定回路と前記抵抗器接続第1コネクタとを接続するために前記第1配線から分岐する第1分岐配線と、
前記抵抗測定回路と前記対極板接続コネクタを接続する第2配線と、
前記抵抗測定回路と前記抵抗器接続第2コネクタとを接続するために前記第2配線から分岐する第2分岐配線とを備え、
前記抵抗器接続第1コネクタおよび前記抵抗器接続第2コネクタの各々に前記標準抵抗器のプラグ端子の各々が挿入されているときには、前記対極板接続コネクタに前記対極板を接続できないように構成されていることを特徴とする。
【0013】
上記のような構成の高周波電源装置によれば、抵抗器接続第1コネクタに標準抵抗器のプラグ端子の一方を挿入し、抵抗器接続第2コネクタに標準抵抗器のプラグ端子の他方を挿入することにより「抵抗測定回路→第1配線→第1分岐配線→抵抗器接続第1コネクタ→標準抵抗器のプラグ端子の一方→標準抵抗器→標準抵抗器のプラグ端子の他方→抵抗器接続第2コネクタ→第2分岐配線→第2配線→抵抗測定回路」の回路が形成される。
この結果、抵抗測定回路によって標準抵抗器の抵抗を測定することが可能となり、測定された抵抗は表示部において表示される。ここに、表示された抵抗が、標準抵抗器の既知の抵抗値と実質的に一致していれば、高周波電源装置における抵抗測定性能および表示性能並びに導通経路に問題がなく、手技時において、誤差のない正確な抵抗(インピーダンス)を表示することができる。
【0014】
しかも、装置本体に対する標準抵抗器の接続は、抵抗器接続第1コネクタおよび抵抗器接続第2コネクタの各々に標準抵抗器の端子の各々を挿入することによってなされ、標準抵抗器の端子をカテーテル接続コネクタや対極板接続コネクタに接続する必要はないので、標準抵抗器の端子を構造の簡単なプラグ端子とすることができる。
【0015】
また、抵抗器接続第1コネクタおよび抵抗器接続第2コネクタを、それぞれ、対極板接続コネクタの一方側および他方側に配置し、抵抗器接続第1コネクタおよび抵抗器接続第2コネクタの各々に標準抵抗器のプラグ端子の各々を挿入しているときには、対極板接続コネクタに対極板を接続できないように構成されていることにより、装置本体に標準抵抗器が装着されているときには、高周波電源装置に対して対極板を接続することができず、対極板接続コネクタに対極板を接続するためには、標準抵抗器のプラグ端子の少なくとも一方を取り外さなければならないので、標準抵抗器の抵抗を測定するための上述した回路と、電極カテーテルの先端電極と対極板との間の抵抗を測定したり、先端電極と対極板との間に高周波電流を流したりするための回路との並列回路が形成されることを防止することができ、これにより、並列回路が形成されたときに生じる問題(例えば、手技時に、先端電極と対極板との間に流すべき高周波電流の一部が標準抵抗器に流れることによって、十分な焼灼がなされないという問題)を回避することができる。
【0016】
一方、抵抗器接続第1コネクタおよび抵抗器接続第2コネクタの各々に標準抵抗器のプラグ端子の各々を挿入している(装置本体に標準抵抗器を装着している)ときであっても、カテーテル接続コネクタに電極カテーテルを接続することができる。
このように、装置本体に対して、標準抵抗器および電極カテーテルを同時に接続させることができるので、例えば、電極カテーテルの先端電極の内部に温度測定手段(熱電対)を設けることにより、標準抵抗器の抵抗測定(抵抗測定性能および表示性能並びに導通経路の確認)と、先端電極近傍の温度測定とを同時に行うことができる。
【0017】
(2)本発明の高周波電源装置において、前記標準抵抗器のプラグ端子(導電部)と抵抗体との間に設けられ、前記抵抗器接続第1コネクタおよび前記抵抗器接続第2コネクタの各々に前記標準抵抗器のプラグ端子の各々を挿入したときに、前記対極板接続コネクタの少なくとも一部を覆うコネクタカバーを備えていることが好ましい。
【0018】
このような構成の高周波電源装置によれば、抵抗器接続第1コネクタおよび抵抗器接続第2コネクタの各々に標準抵抗器のプラグ端子の各々を挿入したときには、このコネクタカバーにより対極板接続コネクタの少なくとも一部が覆われるので、対極板接続コネクタに対極板を接続することができなくなる。
これにより、標準抵抗器の抵抗を測定するための回路と、電極カテーテルの先端電極と対極板との間の抵抗を測定したり、先端電極と対極板との間に高周波電流を流したりするための回路との並列回路が形成されることを確実に防止することができる。
【0019】
(3)本発明の高周波電源装置において、前記標準抵抗器のプラグ端子がフォーンプラグからなることが好ましい。
【0020】
標準抵抗器のプラグ端子の各々は、カテーテル接続コネクタおよび対極板接続コネクタの何れにも挿入されないので、フォーンプラグのような単純な構造のものとすることができ、これによりコストダウンを図ることができる。
ここに、標準抵抗器のプラグ端子がフォーンプラグ(オス端子)からなる場合において、抵抗器接続第1コネクタおよび抵抗器接続第2コネクタはフォーンジャック(メス端子)からなる。
【0021】
(4)上記(3)の高周波電源装置において、前記標準抵抗器のプラグ端子を構成するフォーンプラグが互いに同一サイズであることが好ましい。
【0022】
両方のプラグ端子が同一サイズのフォーンプラグであることにより、標準抵抗器の一方のプラグ端子を、抵抗器接続第1コネクタおよび抵抗器接続第2コネクタの何れに挿入してもよい(方向性を考慮しなくてもよい)ので、装置本体への標準抵抗器の装着操作が容易となる。
【0023】
(5)上記(3)または(4)の高周波電源装置において、前記標準抵抗器のプラグ端子を構成するフォーンプラグがミニプラグまたはマイクロプラグであることが好ましい。
【0024】
(6)本発明の高周波電源装置において、心電計を接続するための心電計接続コネクタと、前記心電計接続コネクタと前記カテーテル接続コネクタとを接続する第3配線とを備えていることが好ましい。
【0025】
このような構成の高周波電源装置によれば、電極カテーテルの電極によって測定された心内電位(情報)を、カテーテル接続コネクタから第3配線を通して心電計接続コネクタに送り、心電計接続コネクタから心電計に出力させることができる。
【0026】
(7)本発明の電極カテーテルシステムは、上記(6)の高周波電源装置と、
前記高周波電源装置のカテーテル接続コネクタに接続された電極カテーテルと、
前記高周波電源装置の対極板接続コネクタに接続された対極板と、
前記高周波電源装置の心電計接続コネクタに接続された心電計とを備えてなることを特徴とする。