(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の携帯端末装置の制御プログラムにおいて、前記物品は、航空機の装備品であることを特徴とする携帯端末装置の制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施の形態では、一態様として、旅客機の客室内でHHTを携行する作業者が歩きながら物品を検索する場合、歩くスピードや、RFIDタグ検出タイミング、歩く方向などを誘導する。RFIDタグ検出及び目視確認が必要な物品については、自動的に電波出力を弱くして、検出範囲を狭くし、操作者を強制的に目視可能な距離まで物品に接近するように誘導する。
【0017】
また、複数の操作者で各々がHHTを利用してRFIDタグを検索する場合、HHT間で連携し、効率的にRFIDタグを検出可能な位置へ人を誘導する。
【0018】
これにより、航空機の備品や部品に貼り付けられたRFIDタグを検索する際、RFIDがあるべき場所に人を誘導することにより効率化する。より具体的には、一例として以下のようにして実現する。
【0019】
1)航空機の備品にRFIDタグを貼り付けておく。
2)航空機の備品に貼り付けられたタグの位置はサーバに格納しておき、RFID検索前にHHTにダウンロードする。
3)複数のHHTで分担してRFIDタグを検出する場合、HHT間で通信し、ダウンロードした情報を元に、各HHTで検索する範囲を決める。分担は、歩く距離及びRFIDタグ検出数等を考慮し、効率的に検索できるように決める。過去実績の学習型にしても良い。
4)各HHTは、HHTの分担となる位置へ人を誘導する。誘導方式例として、航空機内の案内図をHHT画面に表示し、RFIDタグの検索開始位置及び検索方向を案内図中に表示する。
5)操作者はHHTの誘導にしたがって、RFIDタグを検出する。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である物品点検方法および携帯端末装置ならびに携帯端末装置の制御プログラムを実施する物品検索システムの構成の一例を示す概念図である。
【0021】
図2および
図3は、本発明の一実施の形態の物品検索システムで用いられる情報の構成例を示す概念図である。
本実施の形態では、一例として、旅客機の客室内に配備されるライフベストや各座席用酸素発生装置等の物品の検索(検品)作業に、物品検索システムとしての備品検索システム10を適用した場合を説明する。
【0022】
図1に例示されるように、本実施の形態の備品検索システム10は、サーバ20と、複数のRFIDタグ検索装置30で構成されている。以下では、個々のRFIDタグ検索装置30に言及する場合、RFIDタグ検索装置1、RFIDタグ検索装置2のように記載する場合もある。
【0023】
サーバ20は、コンピュータシステムで構成され、中央処理装置としてのCPU21、メモリ22、外部記憶装置23、通信装置24を備えている。
【0024】
メモリ22は主記憶として使用され、CPU21が実行する制御プログラム80やデータが格納される。
【0025】
CPU21は、制御プログラム80を実行することで、後述のフローチャート等に例示される処理を実現する。
【0026】
外部記憶装置23は、個々のRFIDタグ検索装置30に使用させるための後述のような備品管理情報40がデータベースとして格納されている。
【0027】
通信装置24は、個々のRFIDタグ検索装置30との無線情報通信を行うための通信機能を備えている。
【0028】
一方、個々のRFIDタグ検索装置30は、いわゆる検品端末(ハンドヘルドターミナル:HHT)であり、小形のコンピュータシステムで構成される情報端末である。専用のHHTでもよいし、汎用の携帯電話装置をソフトウェアによってHHTとして機能させるようにしてもよい。
【0029】
すなわち、RFIDタグ検索装置30は、CPU31、メモリ32、RFIDリーダ33、通信装置34、ディスプレイ35、入力装置36を備えている。
【0030】
CPU31は、主記憶としてのメモリ32に格納される制御プログラム81を実行することで、後述のフローチャート等に例示される制御動作を実現する。
【0031】
メモリ32は、制御プログラム81や、サーバ20から受信する各種情報等を格納する記憶装置とて機能する。
【0032】
RFIDリーダ33は、検索対象の備品(この場合、ライフベストや酸素発生装置)に備えられる当該RFIDタグとの間で近距離無線通信にて情報の授受を行うことで、RFIDタグを認識する処理を行う。
【0033】
通信装置34は、サーバ20との間における情報通信を行う。
ディスプレイ35は、RFIDタグ検索装置30を所持する操作者に対して、後述のような各種の情報の可視化表示を行う。
【0034】
入力装置36は、操作者が、検索開始等の指示をRFIDタグ検索装置30に入力するために用いられる。なお、入力装置36はディスプレイ35がタッチパネルの場合、タッチパネルに配置されるアイコンとして実装することもできる。
【0035】
上述のサーバ20に格納される備品管理情報40は、航空機機体番号41、航空機地図情報42、地図内距離情報43、RFID情報44を含む。
航空機機体番号41は、個々の旅客機を識別する番号である。
【0036】
航空機地図情報42は、検索対象の客室のイメージ情報であり、地図内距離情報43は、客室内の座席等の設備の座標情報である。
【0037】
図2は、航空機地図、地図内距離情報の一例を示す概念図である。航空機地図情報42には、複数の座席42aやユーティリティ領域42bの位置、これらの間の通路42cが図情報として含まれている。
【0038】
また、地図内距離情報43は、これらの座席42a、ユーティリティ領域42b、通路42cの位置を座標で示している。
【0039】
図3は、RFID情報の構成例を示す概念図である。
RFID情報44は、個々の備品について、管理番号44a、備品名44b、RFID検索用フィルタ44c、RFID位置44d、電波強度44e、目視確認要否44f、備考44g、で構成されている。
【0040】
RFID位置44dは、X座標44d1、Y座標44d2、配置場所44d3を含んでいる。
【0041】
なお、電波強度44eにおけるdBmの意味は、例えば、0dBm=1mW、20dBm=0.1W、27dBm=0.5W、30dBm=1Wである。備考44gで設定される情報に応じて、例えば、備品が天井に設置されているためにRFIDタグに近づけない場合、当該備品(RFIDタグ )を検出するための電波強度44eは相対的に高めに設定される。
【0042】
本実施の形態では、個々のRFIDタグ検索装置30は、ディスプレイ35に、上述の航空機地図情報42、地図内距離情報43等を表示して操作者を誘導して、各座席等に備えられた備品(RFIDタグ)の検索(検品)を行う。
【0043】
検品作業におけるRFIDタグ検索装置30による操作者の誘導例として、航空機室内のライフベスト及び酸素発生装置を、各々に添付されたRFIDタグを利用して検索する。
【0044】
図4は、本実施の形態におけるRFIDタグ検索装置による操作者の誘導方法を示す概念図である。
RFIDタグ検索装置30のディスプレイ35に航空機地図情報42、地図内距離情報43を表示する。
【0045】
ライフベストは個々の座席42a の下に収納してあるため、個々の座席42aを廻るように操作者を誘導する。
座席42aの列数が多く通路42cから遠い距離にライフベストが設置されている場合、座席42aの間を通り、RFIDタグを検出するよう誘導する。
【0046】
本実施の形態のRFIDタグ検索装置30による操作者の誘導の際の特徴は、以下の通りである。
RFIDタグ検索装置30のディスプレイ35に、どの方向に操作者が行けばよいかの案内として移動経路35d、現在位置35cの情報を表示し、誘導する。
【0047】
検索トリガーのタイミングを自動的に指示する。または自動的に電波を出し、検索する。
【0048】
操作者に歩く速度を指示する。すなわち、検索時間を予測し、複数のRFIDを漏れなく検索可能な速度を指示する。
【0049】
目視確認が不要な場合は自動的にRFIDリーダ33から放射される電波を強くし、RFID検索範囲を広くする。
【0050】
反対に、目視が必要なものはRFIDリーダ33から放射される電波を、目視確認が不要な場合よりも、相対的に弱くして、検出範囲を狭くし、操作者が目視可能な距離まで備品に接近するように誘導する。
【0051】
すなわち、本実施の形態のRFIDタグ検索装置30では、備品における目視確認の要否等の検品属性に応じて、RFIDリーダ33の電波の強弱を制御し、検品属性に応じた検品が行われるように、RFIDタグ検索装置30を所持した操作者を誘導する。
【0052】
以下、フローチャート等を参照して、本実施の形態の作用の一例を説明する。
まず、サーバ20で、個々のRFIDタグ検索装置30の客室内における検索経路を決定する例を示す。
【0053】
図5は、サーバによる検索経路の決定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、サーバ20は、RFIDタグ検索装置30(HHT)と通信し、HHTからHHT入力情報50を取得する(ステップ201)。
【0054】
このHHT入力情報50は、RFID検索に使用するHHT台数51、検索開始位置52、航空機機体番号53、検索対象備品54の情報を含む。
【0055】
次に、サーバ20は、HHTから入手したHHT入力情報50及びサーバ20に格納されている上述の備品管理情報40から、個々のHHTのRFID検索経路61(移動経路35d)を決定する(ステップ202)。
【0056】
次に、サーバ20は、HHTにRFID検索経路61を含むRFID検索情報60を通知する(ステップ203)。
【0057】
この場合、RFID検索情報60は、航空機地図情報42、地図内距離情報43、RFID位置44d、RFID応答距離(電波強度44e)、目視確認要否44f、およびRFID検索経路61を含んでいる。
【0058】
上述のステップ202におけるサーバ20によるRFID検索経路61の決定は、例えば、航空機地図情報42の上に、あらかじめHHT台数ごとの検索順を決定しておくことで、地図から経路を決定することができる。
【0059】
この場合、
図6および
図7のように、航空機地図情報42の上に、あらかじめHHT台数ごとの検索順を決定しておく。
【0060】
図6は、1台のRFIDタグ検索装置30(HHT)で検索する例を示している。この場合、航空機地図情報42の中には、一つのRFID検索経路61と検索開始位置52が設定されている。
【0061】
図7は、2台のRFIDタグ検索装置30(HHT)で検索する例を示している。この場合、2台のRFIDタグ検索装置30に対応して、二つのRFID検索経路61と検索開始位置52が設定されている。
【0062】
上述の
図6および
図7の例以外の方式として、航空機地図情報42の座席42a等の配置から自動的にRFID検索経路61を計算しても良い。経路を計算する方式は周知の技術であり、例として、特開2002−310702号公報の技術がある。
【0063】
上述の説明では、サーバ20でRFID検索経路61を決定してRFIDタグ検索装置30に配信する方法を例示したが、RFID検索経路61の決定はRFIDタグ検索装置30(HHT)の側で行っても良い。
【0064】
HHTでRFID検索経路61を決定する際は、経路決定に必要な情報をHHTに持たせるか、サーバ20からダウンロードしても良い。
【0065】
複数のRFIDタグ検索装置30(HHT)を使用する場合、サーバ20が分担を決定するか、または、複数のHHT間で通信を行い、RFID検索経路61の各HHTで決定する。
【0066】
次に、上述のようにして決定されたRFID検索経路61を用いて個々のRFIDタグ検索装置30がRFIDタグ検索作業における操作者の誘導を実行する例を示す。
図8および
図9は、本実施の形態のRFIDタグ検索装置の作用の一例を示すフローチャートである。なお、
図8および
図9は、丸で囲まれたAおよびBで接続され、一つのフローチャートとして参照される。
【0067】
この
図8および
図9のフローチャートの処理は、RFIDタグ検索装置30に実装された制御プログラム81をCPU31が実行することによって実現される。
【0068】
RFIDタグ検索装置30のCPU31は、上述のステップ203でサーバ20から受信したRFID検索情報60および操作者から指定されたRFID検索用フィルタ44cの情報をメモリ32から読み込む(ステップ301)。
【0069】
HHTのディスプレイ35の画面に以下の、航空機地図情報42、検索開始位置52、RFID検索経路61の情報を表示する(ステップ302)。
【0070】
図10は、検品開始前のディスプレイ35の初期画面を示す概念図であり、
図11は、検品中のディスプレイ35の画面を示す概念図である。
【0071】
図10に例示されるように、初期画面では、ディスプレイ35には、航空機地図情報42、地図内距離情報43の他に、現在位置近傍備品リスト35a、歩行速さ表示35b、現在位置35c、移動経路35d、未検出領域35e、検出済領域35f、優先検出領域 35g、が表示される。
【0072】
ここで、優先検出領域35gは、RFID検索途中で検出できずに通りすぎた場合、先に進むより、後戻りして検出したほうが効率的に検索可能な領域を示している。作業者は、この優先検出領域35gの表示に従って後戻りして再検出を行うことで、漏れなく効率よく検品作業を遂行することができる。
【0073】
現在位置近傍備品リスト35aには、備品名44b、RFID位置44d、結果73が記録されている。
【0074】
図11の検索中の画面の場合、ディスプレイ35には、航空機地図情報42、地図内距離情報43が表示され、航空機地図情報42の中には、現在位置35c、矢印の移動経路35d(RFID検索経路61)、未検出領域35e、検出済領域35f、優先検出領域35g、の最新の状態が表示される。
【0075】
なお、検索中の画面では、現在位置近傍備品リスト35aには、検出済の備品は表示しない。
検出すべきRFIDタグの情報を取得する(ステップ303)。
【0076】
検索対象の備品を選択的に指定するためのフィルタを設定する(例:ライフベスト)(ステップ304)。例えば、フィルタとして「ライフベスト」を指定した場合、現場にライフベストと酸素発生装置が混在していても、ライフベストのみが検索対象となる。
【0077】
検出すべきRFIDタグは目視確認が必要か否かを判別する(ステップ305)。
そして、目視不要の場合は、RFID情報44の電波強度44eから電波強の値を取得して、RFIDリーダ33の電波強度として設定し、RFIDタグの検索を行い、結果を記録する(ステップ306)。
【0078】
一方、目視必要の場合は、RFID情報44の電波強度44eから電波弱の値を取得して、RFIDリーダ33の電波強度として設定し、RFID検索を行い、結果を記録する(ステップ307)。
【0079】
すなわち、ステップ307の目視必要の場合は、RFIDリーダ33の電波強度が相対的に弱く設定されるので、RFIDタグ検索装置30でRFIDタグを検知するためには、RFIDタグ検索装置30を所持した操作者は、よりRFIDタグ(備品)に接近する必要があり、結果として、操作者は備品を目視可能な位置に接近するように誘導される。
【0080】
次に、検索は完了したか否かを判別し(ステップ308)、完了した場合は、検索結果をサーバ20に送信して(ステップ309)、終了する。
【0081】
一方、未完了の場合は、他のHHTまたはサーバ20からの通信を受付る(ステップ310)。
【0082】
そして、他のHHTまたはサーバ20からの通信があったか否かを判別し(ステップ311)、通信ありの場合には、分担変更の有無を判別する(ステップ312)。
【0083】
そして、分担変更ありの場合は、残り件数(検品が未完のRFIDタグ(備品))を他のHHTまたはサーバ20に送信し(ステップ313)、さらに、再割り当て分を他のHHTまたはサーバ20から受信する(ステップ314)。
【0084】
上述のステップ311で通信なし場合、または、上述のステップ312で分担なしの場合は、ステップ313、ステップ314は実行されない。
【0085】
その後、検索すべきRFIDタグの残りは少ないか判別し(ステップ315)、少ないと判定された場合には、残り件数(検品が未完のRFIDタグ(備品))を他のHHTまたはサーバ20に送信し(ステップ316)、さらに、再割り当て分を他のHHTまたはサーバ20から受信する(ステップ317)。
【0086】
図12は、検索(検品)途中の検出結果70を含むディスプレイ35の画面例を示す概念図である。検出結果70には、備品名71(備品名44b)、RFID位置72(RFID位置44d)、結果73が記録される。この結果73には、検出/未検出、他HHT分担の種別が表示されている。
【0087】
その後、ディスプレイ35に残り分または再割り当て分のRFID検索経路61等の情報を表示して操作者を誘導し、この誘導にしたがいRFIDの検索を続行させる(ステップ318)。
【0088】
そして、RFIDタグを検出できたか否かを判別し(複数タグの同時検出が可能)(ステップ319)、検出できる場合には、検出されたRFIDタグの情報をメモリ22に保存する(ステップ320)。
【0089】
次に、ステップ320で検出された検出されたRFIDタグの情報から、航空機地図情報42における当該RFIDタグ検索装置30(HHT)の位置を推定する(ステップ321)。
【0090】
なお、この検出したRFIDタグの位置からRFIDタグ検索装置30(HHT)の位置を推定するのは周知の技術であり、例えば、特開2004−21978号公報の技術が知られている。
【0091】
次に、推定したRFIDタグ検索装置30(HHT)の位置と、記録されている検品結果の情報から、RFIDタグを検出できずに通りすぎたか否かを判別する(ステップ322)。
【0092】
そして、通りすぎたと判断された場合には、ディスプレイ35への表示や図示しないスピーカからの音等で未検査のRFIDタグを通りすぎたことを警告し(ステップ324)、さらに、歩く早さ表示「ゆっくり」をディスプレイ35の歩行速さ表示35bに出力する(ステップ325)。
【0093】
一方、ステップ322で通りすぎていないと判定され場合には、歩く早さ表示「今のはやさ」をディスプレイ35に出力する(ステップ323)。
その後、上述のステップ303以降を反復する。
【0094】
図13および
図14を参照して、サーバ20の介入による、上述のステップ311〜ステップ318における分担変更処理の一例を説明する。
図13は、本実施の形態の備品検索システムにおけるサーバの介入による検索の分担変更処理の一例を説明するフローチャートである。
【0095】
図14は、本実施の形態の備品検索システムにおける検索の分担変更処理におけるRFIDタグ検索装置の画面の一例を説明する概念図である。
【0096】
なお、
図13のフローチャートでは、RFIDタグ検索装置1およびRFIDタグ検索装置2における、上述の
図8および
図9のフローチャートの分担変更に関係する部分を抜粋して記載している。
【0097】
以下では、一例として、サーバ20が、二つのRFIDタグ検索装置30(RFIDタグ検索装置1およびRFIDタグ検索装置2)の間で、備品の検索範囲の分担変更を実行する場合を説明するが、複数のRFIDタグ検索装置30の間で直接に分担変更を実行してもよい。
【0098】
また、その場合、分担変更を行うステップS2〜ステップS12の動作は、分担変更をサーバ20が行う場合には、サーバ20における制御プログラム80をCPU21が実行することによって実現される。
【0099】
また、分担変更をRFIDタグ検索装置30同士で行う場合には、変更要求を受けた側のRFIDタグ検索装置30におけるCPU31が制御プログラム81を実行することで実現される。
【0100】
以下では、サーバ20等との通信を行う部分について、ステップS1〜ステップS13の符号を新たに付して、分担変更に関係する部分を説明する。
まず、RFIDタグ検索装置1では、検索すべきRFIDタグの残りは少ない場合に、サーバ20に残り件数を送信する(ステップ316)(ステップS1)。
【0101】
サーバ20は、RFIDタグ検索装置1からの通信を受付(ステップS2)、RFIDタグ検索装置1の検出結果を保存する(ステップS3)。
【0102】
RFIDタグ検索装置1の未検索の備品の残りが少ない場合、他のRFIDタグ検索装置2に「分担変更あり」で残りを送信して依頼する(ステップS4)。
【0103】
これに呼応してRFIDタグ検索装置2は、サーバ20からの通信を受付け(ステップS5)(ステップ310)、当該RFIDタグ検索装置2の残り件数をサーバ20に応答送信する(ステップS6)(ステップ313)。
【0104】
サーバ20は、このRFIDタグ検索装置2からの通信を受付(ステップS7)、RFIDタグ検索装置2での備品の検出結果を保存する(ステップS8)。
そして、サーバ20は、備品検索の分担の再割り当てを実行する(ステップS9)。
【0105】
サーバ20における再割り当て計算例は、以下の通り。
RFIDタグ検索装置30(この場合、RFIDタグ検索装置1およびRFIDタグ検索装置2)の全体での残り件数の平均値を計算する。
【0106】
そして、RFIDタグ検索装置30毎の残りが平均値となるよう、個々のRFIDタグ検索装置1およびRFIDタグ検索装置2に再割り当てを行う。
【0107】
平均値が整数にならない場合、再割り当て前の残り件数が少なかったRFIDタグ検索装置30に対する割り当て分を切り上げる。すなわち、残り件数が少ないRFIDタグ検索装置30は検索が早いと想定する。
【0108】
サーバ20は、上述のようにして得られた再割り当て結果をRFIDタグ検索装置1に送信し(ステップS10)、RFIDタグ検索装置1は、サーバ20から再割り当て分を受信する(ステップS11)(ステップ317)。
【0109】
同様に、サーバ20は、再割り当て結果を、他のRFIDタグ検索装置2にも送信する(ステップS12)。
【0110】
RFIDタグ検索装置2は、この再割り当て分を受信する(ステップS13)(ステップ314)。
【0111】
図14は、上述の再割り当て実行後のRFIDタグ検索装置1におけるディスプレイ35の表示状態を示している。
RFIDタグ検索装置1の検出結果70(結果73)において、再割り当ての結果、RFIDタグ検索装置2の当初の担当分の中から、例えば5件が、当該RFIDタグ検索装置1に未検出として割り当て変更されている。
【0112】
また、RFIDタグ検索装置1のディスプレイ35に表示された航空機地図情報42では、追加分35hが、ハッチング等で識別可能に表示される。
【0113】
このように、本実施の形態の備品検索システム10によれば、多様な点検属性を有する物品の点検管理作業を、RFIDタグを用いて効率よく行うことが可能となる。
【0114】
例えば、航空機等に備えられる備品を、当該備品に貼り付けられたRFIDタグを読み取ることで効率的に検索できる。
【0115】
さらに、目視格納の要否等の多様な点検属性を有する物品の点検管理作業において、目視確認の必要な場合には、目視可能な位置まで操作者が備品に接近するように誘導でき、RFIDタグ検索装置30を所持した操作者を的確に誘導して効率よく検品作業を行わせることができる。
【0116】
また、複数のRFIDタグ検索装置30で、協同して備品の検索を行う場合、個々のRFIDタグ検索装置30における検索作業の進捗状況に応じて、作業の途中にダイナミックに分担変更を行うことができ、全体の作業所要時間を短縮でき、一層、備品を効率的に検索できる。
【0117】
さらに、RFIDタグで備品を管理することにより、例として以下の利点がある。
1)備品や部品の保守情報をRFIDタグに格納しておくことにより、部品の状態管理が容易になる。例えば、飛行前に点検や修理した結果を、飛行後の空港/整備場でも参照可能となる。
2)客室内の物品(例:ライフベスト/酸素発生装置等)の存在確認に利用することにより、飛行前点検の効率化、所要時間の削減を期待できる。