(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属不活性剤、請求項1に記載の洗浄剤以外の洗浄剤、分散剤、粘度調整剤、摩擦調整剤、分散粘度調整剤、極圧剤、耐磨耗剤、抗酸化剤、腐食防止剤、抑泡剤、乳化破壊剤、流動点降下剤、シール膨潤剤、ワックス調整ポリマー、スケール抑制剤、ガスハイドレート抑制剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される成分と組み合わされる、請求項4に記載の洗浄剤。
【背景技術】
【0003】
液体燃料が、機関運転中に劣化し、堆積物を形成し得る成分を含有することは、周知である。この堆積物が、燃料の不完全燃焼を引き起こす結果、排出物が多くなり燃料節約が不十分となり得る。洗浄剤などの燃料添加剤は、堆積物の形成を制御するかまたは最小限にするのに役立つ、周知の液体燃料添加剤である。機関の動力学および機構が継続的に進歩するにつれて、燃料の要求性能も、これらの機関の進歩に追随するために向上させなければならない。例えば、今日の機関は、許容範囲のより小さい、圧縮室または燃焼室への燃料噴霧を高めるためにより高圧で運転する噴射装置を有する。この新しい機関内の堆積を防止し堆積物を削減することが、今日の機関を最適に運転するのに極めて重要となってきた。洗浄剤などの燃料添加剤技術の進歩により、燃料が今日の機関の進歩に追随することが可能となった。したがって、今日の機関の最適な運転を促すために液体燃料中に許容可能な性能を付与し得る洗浄剤が必要である。
【0004】
特許文献1では、ポリヒドロキシカルボン酸2部とジアルキレントリアミン1部とを反応させることにより得られるポリエステルアミン洗浄剤が開示されている。
【0005】
特許文献2では、スクシンイミドの4級アンモニウム塩を含有する車両用燃料組成物が開示されている。この4級アンモニウム塩は、ハロゲン化物、スルホン酸塩またはカルボン酸塩の対イオンを有する。
【0006】
特許文献3および特許文献4では、そのアンモニウムイオンが複素環式芳香族(ピリジニウムイオン)である、スクシンイミドの4級アンモニウム塩を含有する燃料組成物が開示されている。
【0007】
特許文献5では、ピリジニウム塩で処理された、800〜1400のMwを有するC2〜C4ポリオレフィンを含有する燃料組成物または潤滑油組成物が開示されている。
【0008】
特許文献6では、無水コハク酸ポリアルキルとポリアミノヒドロキシアルキル4級アンモニウム塩との反応生成物を含有する燃料組成物が開示されている。
【0009】
特許文献7では、トリエチレンジアミンと結合した、350〜3000のMwを有する炭化水素の4級アンモニウム塩を含有する、潤滑油または燃料が開示されている。この4級アンモニウム塩の対イオンは、ハロゲン化物、リン酸塩、アルキルリン酸塩、ジアルキルリン酸塩、ホウ酸塩、アルキルホウ酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、アルカン酸塩、およびO,O−ジアルキルジチオリン酸塩から選択される。
【0010】
特許文献8では、モノカルボン酸エステルを有する、スクシンイミドの4級アンモニウム塩を含有する、燃料または潤滑油が開示されている。特許文献8では、低硫黄燃料、流動化装置などの存在は、教示も、示唆も、あるいは開示もされていない。実施例1では、アミンとしてDMAPAを有するポリイソブチレンスクシンイミドが教示されている。次いで、このスクシンイミドは、サリチル酸塩と反応する。
【0011】
特許文献9および特許文献10では、エステル−ラクトンの4級アンモニウム塩を含有する燃料組成物が開示されている。
特許文献11では、350〜3000のMwを有する炭化水素の4級アンモニウム塩を含有する、潤滑油または燃料が開示されており、4級窒素に対する残りの基は、C1〜C20アルキル基、C2〜C8ヒドロキシアルキル基、C2〜C20アルケニル基または環状基からなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
様々な好ましい特徴および実施形態は、非限定的例示として以下に説明する。
(発明の分野)
本発明は、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を含む燃料組成物、および該燃料組成物で内燃機関を運転する方法を包含する。本発明の組成物および方法は、機関内の堆積物形成を最小化し、削減し、制御し、これにより、燃料消費が削減され、操作性が向上し、車両整備が削減され、排出物が削減される結果、最適な機関運転が可能となる。
【0017】
(燃料)
本発明の組成物は、室温で液体であり、機関に燃料供給するのに有用である燃料を含むことができる。この燃料は、普通、室温条件、例えば室温(20〜30℃)で液体である。この燃料は、炭化水素燃料、非炭化水素燃料、またはこれらの混合燃料であってもよい。炭化水素燃料は、ASTM規格D4814により定義されるガソリンまたはASTM規格D975により定義されるディーゼル燃料を含む石油蒸留液であってもよい。本発明のある実施形態では、燃料はガソリンであり、他の実施形態では、燃料は加鉛ガソリンであるか、または無鉛ガソリンである。本発明の別の実施形態では、燃料はディーゼル燃料である。炭化水素燃料は、例えば、フィッシャートロプシュ法などのプロセスにより調製される炭化水素を含む、GTL(gastoliquid)プロセスにより調製される炭
化水素であってもよい。非炭化水素燃料は、アルコール、エーテル、ケトン、カルボン酸のエステル、ニトロアルカン、またはこれらの混合物を含む、含酸素剤とよく称される酸素含有組成物であってもよい。非炭化水素燃料には、例えばメタノール、エタノール、メチル−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、菜種メチルエステルおよび大豆メチルエステルなどの、植物および動物由来のエステル交換油および/または脂肪と、ニトロメタンを挙げることができる。炭化水素と非炭化水素燃料との混合物には、例えばガソリンとメタノールおよび/またはエタノール、ディーゼル燃料とエタノール、ならびにディーゼル燃料と菜種メチルエステルなどのエステル交換植物油を挙げることができる。本発明のある実施形態では、液体燃料は、炭化水素燃料、非炭化水素燃料、またはこれらの混合物中の水のエマルジョンである。本発明の幾つかの実施形態では、燃料は、重量ベースで5000ppm以下、1000ppm以下、300ppm以下、200ppm以下、30ppm以下、または10ppm以下の硫黄含量を有することができる。別の実施形態では、燃料は、重量ベースで1〜100ppmの硫黄含量を有し得る。一実施形態では、燃料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属またはこれらの混合物を、約0ppm〜約1000ppm、約0〜約500ppm、約0〜約100ppm、約0〜約50ppm、約0〜約25ppm、約0〜約10ppm、または約0〜約5ppm含有する。別の実施形態では、燃料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属またはこれらの混合物の重量に対して1〜10ppm含有する。アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属またはこれらの混合物を含有する燃料により、堆積物を形成する傾向が高くなり、したがってコモンレールインジェクターが汚染するかまたは詰まることは、当技術分野で周知である。本発明の燃料は、一般に重量で50%を超える主要量で燃料組成物中に存在し、他の実施形態では、90重量%より多く、95重量%より多く、99.5重量%より多く、または99.8重量%より多く存在する。
【0018】
(4級アンモニウム塩)
本発明の組成物は、(a)ヒドロカルビル置換アシル化剤と、前記アシル化剤と縮合できる酸素原子または窒素原子を有し、3級アミノ基を更に有する化合物との反応物と、(b)3級アミノ基を4級窒素に変換するのに適する4級化剤との反応生成物を含み、該4級化剤が、硫酸ジアルキル、ハロゲン化ベンジル、ヒドロカルビル置換炭酸塩、酸と組み合わせたヒドロカルビルエポキシ化合物、またはこれらの混合物からなる群から選択される4級アンモニウム塩を含む。
【0019】
4級アンモニウム塩および同物質を調製する方法の例は、参照により本明細書に組み込んだ以下の特許、US4253980、US3778371、US4171959、US4326973、US4338206、およびUS5254138に記載されている。
【0020】
(ヒドロカルビル置換アシル化剤)
本発明のヒドロカルビル置換アシル化剤は、長鎖炭化水素、一般に、(i)フマル酸、イタコン酸、マレイン酸などのα,β−一価不飽和C
4〜C
10ジカルボン酸、(ii)無水物などの(i)の誘導体または(i)のC
1〜C
5アルコール誘導モノもしくはジエステル、(iii)アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−一価不飽和C
3〜C
10モノカルボン酸、(iv)(iii)のC
1〜C
5アルコール誘導エステルなどの(iii)の誘導体、などの一価不飽和カルボン酸反応物質で置換されたポリオレフィンと、式中、R
1およびR
2の各々は、独立に、水素または炭化水素ベースの基であり、R
6、R
7およびR
8の各々は、独立に、水素または炭化水素ベースの基であり、少なくとも1つは、少なくとも20個の炭素原子を含有する炭化水素ベースの基であることが好ましい一般式
【0021】
【化1】
により表されるオレフィン結合を含有する任意の化合物との反応生成物である。
【0022】
一価不飽和カルボン酸と反応するオレフィンポリマーには、C
2〜C
20、例えばC
2〜C
5モノオレフィンを主要モル量含むポリマーを挙げることができる。このようなオレフィンには、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、オクテン−1、またはスチレンが挙げられる。このポリマーは、ポリイソブチレンなどのホモポリマー、ならびにエチレンとプロピレン、ブチレンとイソブチレン、プロピレンとイソブチレンのコポリマーなどの、このようなオレフィンの2種以上からなるコポリマーであってもよい。他のコポリマーには、少モル量の、例えば1〜10モル%のコポリマーのモノマーが、C
4〜C
18ジオレフィンであるコポリマー、例えば、イソブチレンとブタジエンとのコポリマー、またはエチレンと、プロピレンと1,4−ヘキサジエンとのコポリマーが挙げられる。
【0023】
一実施形態では、式(I)の少なくとも1つのRは、ポリブテン、即ち、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブチレンを含めたC4オレフィンのポリマーから誘導される。C4ポリマーにはポリイソブチレンを挙げることができる。別の実施形態では、式(I)の少なくとも1つのRは、エチレン−プロピレン−ジエンポリマーを含めたエチレン−α−オレフィンポリマーから誘導される。エチレン−α−オレフィンコポリマーおよびエチレン−低級オレフィン−ジエンターポリマーは、欧州特許公報EP0279863および以下の米国特許、第3598738号、第4026809号、第4032700号、第4137185号、第4156061号、第4320019号、第4357250号、第4658078号、第4668834号、第4937299号、第5324800号を含めた多くの特許文献に記載されており、これらの各文献は、これらのエチレンベースポリマーの当該開示のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
別の実施形態では、式(I)のオレフィン結合は、以下の式により表される、
【0025】
【化2】
(式中、Rはヒドロカルビル基である)
【0026】
【化3】
(式中、Rはヒドロカルビル基である)
主としてビニリデン基である。
【0027】
一実施形態では、式(I)のビニリデン含量は、ビニリデン基を少なくとも約30モル%、ビニリデン基を少なくとも約50モル%、またはビニリデン基を少なくとも約70モル%含み得る。このような材料およびこれを調製する方法は、米国特許第5071919号、第5137978号、第5137980号、第5286823号、第5408018号、第6562913号、第6683138号、第7037999号と米国特許公報20040176552A1、20050137363、および20060079652A1に記載されており、これらは、参照により本明細書に明確に組み込んであり、このような生成物は、BASFから商品名GLISSOPAL(登録商標)で、ならびにTexasPetroChemicalLPから商品名TPC1105(商標)およびTPC59
5(商標)で市販されている。
【0028】
一価不飽和カルボン酸反応物質と式(I)の化合物との反応からヒドロカルビル置換アシル化剤を作製する方法は、当技術分野で周知であり、以下の特許、熱的「エン」反応を生じさせる、米国特許第3361673号および第3401118号、米国特許第3087436号、第3172892号、第3272746号、第3215707号、第3231587号、第3912764号、第4110349号、第4234435号、第6077909号、第6165235号に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
別の実施形態では、ヒドロカルビル置換アシル化剤は、式中、R
3、R
5およびR
9の各々は、独立に、Hまたはヒドロカルビル基であり、R
4は、二価ヒドロカルビレン基であり、nは、0または1である以下の式
【0031】
【化5】
により表される少なくとも1種のカルボン酸反応物質と式(I)により表されるようなオレフィン結合を含有する任意の化合物との反応から作製できる。各化合物およびこれらの化合物を作製する方法は、米国特許第5739356号、第5777142号、第5786490号、第5856524号、第6020500号および第6114547号に開示されている。
【0032】
更に別の実施形態では、ヒドロカルビル置換アシル化剤は、式(I)により表される任意の化合物と(IV)または(V)との反応から作製でき、少なくとも1種のアルデヒドまたはケトンの存在下で行い得る。好適なアルデヒドには、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタアルデヒド、オクタナール、ベンズアルデヒド、および高級アルデヒドが挙げられる。ジアルデヒドなどの他のアルデヒド、特にグリオキサールは有用であるが、モノアルデヒドが一般に好ましい。一実施形態では、アルデヒドはホルムアルデヒドであり、これは、よくホルマリンと称される水溶液として供給し得るが、ホルムアルデヒドの反応性同等物質または供給物質であるパラホルムアルデヒドとしてポリマー形態でより頻繁に使用される。他の反応性同等物質には、水和物または環状トリマーが挙げられる。好適なケトンには、アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン、および他のケトンが挙げられる。2個のヒドロカルビル基の1個は、メチルであることが好ましい。2個以上のアルデヒドおよび/またはケトンの混合物も有用である。
【0033】
各化合物およびこれらの化合物を作製する方法は、米国特許第5840920号、第6147036号、および第6207839号に開示されている。
【0034】
別の実施形態では、ヒドロカルビル置換アシル化剤には、メチレンビスフェノールアルカン酸化合物、(i)式中、Rは、独立に、ヒドロカルビル基であり、Arは、5〜約30個の炭素原子およびアミノ、ヒドロキシもしくはアルキル、ポリオキシアルキル、ニトロ、アミノアルキル、カルボキシなどの任意選択の置換基または前記任意選択の置換基の2種以上の組合せを0〜3個含有する芳香族基であり、Zは、独立に、OH、低級アルコキシ、式中、各R
10は、独立に、二価ヒドロカルビル基であり、R
11はHもしくはヒドロカルビルであり、bは1〜約30の範囲にある数である(OR
10)
bOR
11またはOであり、cは、1〜約3の範囲にある数であり、mは、0または1〜約6の整数であるが、但し、mは、置換に利用できる、対応するArの原子価数を超えない式
【0035】
【化6】
の芳香族化合物と(ii)上記の式(IV)および(V)の化合物などの少なくとも1つのカルボン酸反応物質との縮合生成物を挙げることができる。一実施形態では、芳香族部分の少なくとも1つのヒドロカルビル基は、ポリブテンから誘導される。一実施形態では、ヒドロカルビル基の供給源は、三塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素などのルイス酸触媒の存在下でのイソブチレンの重合により得られる上述のポリブテンである。
【0036】
各化合物およびこれらの化合物を作製する方法は、米国特許第3954808号、第5336278号、第5458793号、第5620949号、第5827805号、および第6001781号に開示されている。
【0037】
別の実施形態では、(i)と(ii)との、場合によっては有機スルホン酸、ヘテロポリ酸、鉱酸などの酸触媒の存在下での反応は、少なくとも1種のアルデヒドまたはケトンの存在下で行うことができる。本実施形態で採用するアルデヒドまたはケトン反応物質は、上述のものと同じものである。ヒドロキシ芳香族化合物:カルボン酸反応物質:アルデヒドまたはケトンの比は、2:(0.1〜1.5):(1.9〜0.5)となり得る。一実施形態では、この比は、2:(0.8〜1.1):(1.2〜0.9)である。反応混合物に供給される物質の量は、これらの比に通常近似されようが、所望のモノマー比で反応生成物を得るためには、一成分またはその他の成分の反応度の増減を相殺する補正を行う必要があり得る。このような補正は、当業者なら理解されよう。3種の反応物質が同時に縮合して生成物を形成し得る一方、反応を順次行うことも可能であり、これにより、ヒドロキシ芳香族は、まずカルボン酸反応物質、次いでアルデヒドもしくはケトンと反応するか、またはその逆も同様である。各化合物およびこれらの化合物を作製する方法は、米国特許第5620949号に開示されている。
【0038】
ヒドロカルビル置換アシル化剤を作製する他の方法は、以下の参考文献、米国特許第5912213号、第5851966号、および第5885944号中に見つけることができ、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
(窒素原子または酸素原子を有する化合物)
本発明の組成物は、アシル化剤と縮合できる酸素原子または窒素原子を有し、更に3級アミノ基を有する化合物を含有する。
【0040】
一実施形態では、アシル化剤と縮合できる酸素原子または窒素原子を有し、更に3級アミノ基を有する化合物は、以下の式
【0041】
【化7】
(式中、Xは、約1〜約4個の炭素原子を含有するアルキレン基であり、R2、R3およびR4は、ヒドロカルビル基である)
【0042】
【化8】
(式中、Xは、約1〜約4個の炭素原子を含有するアルキレン基であり、R3およびR4は、ヒドロカルビル基である)
により表すことができる。
【0043】
アシル化剤と縮合でき、更に3級アミノ基を有する、窒素または酸素含有化合物の例には、以下のものに限らないが、ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ブチレンジアミン異性体、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ヘプタンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンテトラミン、およびビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ジアミノベンゼン、ジアミノピリジンまたはこれらの混合物を挙げることができる。アシル化剤と縮合でき、更に3級アミノ基を有する、窒素または酸素含有化合物には、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、1−(2−アミノエチル)ピペリジンなどのアミノアルキル置換複素環式化合物、3,3−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、3’3−アミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)を更に挙げることができる。アシル化剤と縮合でき、3級アミノ基を有する、窒素または酸素含有化合物の別の種類には、以下のものに限らないがトリエタノールアミン、トリメタノールアミン、N,N−ジメチルアミノプロパノール、N,N−ジエチルアミノプロパノール、N,N−ジエチルアミノブタノール、N,N,N−トリス(ヒドロキシエチル)アミン、N,N,N−トリス(ヒドロキシメチル)アミンを含めたアルカノールアミンが挙げられる。
【0044】
(4級化剤)
本発明の組成物は、ジアルキル硫酸塩、ハロゲン化ベンジル、ヒドロカルビル置換炭酸塩、酸と組み合わせたヒドロカルビルエポキシ化合物、またはこれらの混合物からなる群から選択される、3級アミノ基を4級窒素に変換するのに適する4級化剤を含有する。
【0045】
一実施形態では、4級化剤には、塩化物、ヨウ化物もしくは臭化物などのハロゲン化物、水酸化物、スルホン酸塩、ジメチル硫酸塩などのアルキル硫酸塩、スルトン、リン酸塩、C1〜12アルキルリン酸塩、C1〜12ジアルキルリン酸塩、ホウ酸塩、C1〜12アルキルホウ酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、アルカン酸塩、O,O−C1〜12ジアルキルジチオリン酸塩、またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0046】
一実施形態では、4級化剤は、ジメチル硫酸塩などのジアルキル硫酸塩、N−酸化物、プロパンスルトンおよびブタンスルトンなどのスルトン、塩化メチルおよび塩化エチル、臭化メチルおよび臭化エチルもしくはヨウ化メチルおよびヨウ化エチルまたは塩化ベンジルなどの、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アシルまたはハロゲン化アラルキルと、ヒドロカルビル(またはアルキル)置換炭酸塩から誘導し得る。ハロゲン化アシルが塩化ベンジルである場合、芳香族環は、アルキル基またはアルケニル基で更に置換されてもよい。
【0047】
ヒドロカルビル置換炭酸塩のヒドロカルビル(またはアルキル)基は、1基当たりの炭素原子を1〜50個、1〜20個、1〜10個または1〜5個含有し得る。一実施形態では、ヒドロカルビル置換炭酸塩は、同じかまたは異なっていてもよい、2個のヒドロカルビル基を含有する。好適なヒドロカルビル置換炭酸塩の例には、炭酸ジメチルまたは炭酸ジエチルが挙げられる。
【0048】
別の実施形態では、4級化剤は、酸と組み合わせて、式中、R1、R2、R3およびR4が、独立に、HまたはC1〜50ヒドロカルビル基となり得る以下の式により表されるようなヒドロカルビルエポキシ化合物となり得る。
【0049】
【化9】
ヒドロカルビルエポキシ化合物の例には、酸化スチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化スチルベンおよびC2〜50エポキシ化合物を挙げることができる。
【0050】
(潤滑粘性油)
本発明の組成物は、潤滑粘性油を含有することができる。潤滑粘性油には、天然もしくは合成の潤滑粘性油、水添分解法、水素添加、水素化精製から誘導される油、未精製、精製および再精製油、またはこれらの混合油が挙げられる。一実施形態では、潤滑粘性油は、分散剤および/または他性能の添加剤用の分散媒である。
【0051】
天然油には、動物油、植物油、鉱油またはこれらの混合物が挙げられる。合成油には、炭化水素油、シリコーン系油、液体のリン含有酸エステルが挙げられる。合成油は、フィッシャートロプシュ反応によって製造でき、通常、水素異性化されたフィッシャートロプシュ炭化水素またはワックスとなり得る。
【0052】
潤滑粘性油は、米国石油協会(API)基油互換性指針(Base Oil Interchangeability Guidelines)に分類されるようにも定義し得る
。一実施形態では、潤滑粘性油は、APIグループI、II、III、IV、Vまたはこれらの混合油を含み、別の実施形態では、APIグループI、II、III、またはこれらの混合油を含む。
【0053】
(その他の材料)
組成物は、1種または複数種の追加の性能の添加剤を場合により含む。他の性能の添加剤には、金属不活性剤、洗浄剤、分散剤、粘度調整剤、摩擦調整剤、分散粘度調整剤、極圧剤、耐磨耗剤、抗酸化剤、腐食防止剤、抑泡剤、乳化破壊剤、流動点降下剤、シール膨潤剤、ワックス調整ポリマー、スケール抑制剤、ガスハイドレート抑制剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0054】
オイルフリーで存在する追加の性能の添加剤化合物の全合計量は、組成物の0wt%〜25wt%または0.01wt%〜20wt%の範囲にある。1種または複数種の他の性能の添加剤が存在してもよいが、他の性能の添加剤が、互いに対して異なる量で存在するのが普通である。
【0055】
一実施形態では、組成物は、濃縮液形成量となり得る。本発明が、濃縮液(追加のオイルと組み合わせて、精製された潤滑剤および/または液体燃料を全体的にまたは部分的に形成し得る)の形態となり得る場合、潤滑粘性油および/または液体燃料中の本発明の添加剤および/または他の追加性能の添加剤と希釈油との比は、重量で80:20〜10:90の範囲内にある。
【0056】
抗酸化剤には、ジチオカルバミド酸モリブデン、硫化オレフィン、ヒンダードフェノール、ジフェニルアミンが挙げられ、洗浄剤には、ニュートン粘性または非ニュートン粘性で、中性または過塩基性の、フェノール石炭酸塩、硫化フェノール石炭酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸、リン酸、モノおよび/またはジチオリン酸、サリゲニン、サリチル酸アルキル、サリキサレート(salixarate)の1種または複数種を有する、アルカリ金属、アルカリ土類金属と、遷移金属の塩基性塩が挙げられる。分散剤には、N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドおよびこの後処理型が挙げられ、後処理型分散剤には、尿素、チオ尿素、ジメルカプトチアジアゾール、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換無水コハク酸、ニトリル、エポキシ化合物、ボロン化合物、およびリン化合物との反応による後処理型分散剤が挙げられる。
【0057】
耐磨耗剤には、チオリン酸金属塩、特にジチオリン酸亜鉛ジアルキル、リン酸エステルまたはこれらの塩、亜リン酸塩と、リン含有カルボン酸エステル、リン含有カルボン酸エーテル、およびリン含有カルボン酸アミドなどの化合物が挙げられる。スカッフィング防止剤には、二硫化ベンジル、二硫化ビス(クロロベンジル)、四硫化ジブチル、多硫化ジ−3級ブチル、ジ−tert−硫化ブチル、ディールスアルダー硫化付加物またはジチオカルバミン酸アルキルスルフェニルN’N−ジアルキルなどの有機硫化物および有機多硫化物が挙げられる。極圧(EP)剤には、塩素化ワックス、二硫化ベンジル、二硫化ビス(クロロベンジル)、四硫化ジブチル、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、ディールスアルダー硫化付加物などの有機硫化物および有機多硫化物、リン硫化炭化水素、ジチオカルバミン酸亜鉛ジオクチルおよびヘプチルフェノール二酸バリウムなどのチオカルバミン酸金属が挙げられる。
【0058】
摩擦調整剤には、脂肪アミン、ホウ酸グリセロールエステルなどのエステル、モノオレイン酸グリセロールなどの、グリセロールの部分エステル、脂肪亜リン酸塩、脂肪酸アミド、脂肪エポキシ化合物、ホウ酸脂肪エポキシ化合物、アルコキシル化脂肪アミン、ホウ酸アルコキシル化脂肪アミン、脂肪酸の金属塩、脂肪イミダゾリン、カルボン酸とポリアルキレン−ポリアミンとの縮合生成物、アルキルリン酸のアミン塩が挙げられる。粘度調整剤には、スチレン−ブタジエンの水素化コポリマー、エチレン−プロピレンポリマー、ポリイソブテン、水素化スチレン−イソプレンポリマー、水素化イソプレンポリマー、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアルキルスチレン、アルケニルアリール共役ジエンコポリマー、ポリオレフィン、ポリアルキルメタクリレートおよび無水マレイン酸−スチレンコポリマーのエステルが挙げられる。分散粘度調整剤(DVMとよく称される)には、官能化ポリオレフィン、例えば、無水マレイン酸とアミンとの反応生成物で官能化されているエチレン−プロピレンコポリマー、アミンで官能化されているポリメタクリレート、またはアミンと反応したスチレン−無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。
【0059】
腐食防止剤には、オクタン酸オクチルアミン、ドデシニルコハク酸またはドデシニルコハク酸無水物およびオレイン酸などの脂肪酸とポリアミンとの縮合生成物が挙げられる。金属不活性剤には、ベンゾトリアゾールの誘導体、1,2,4−トリアゾール、ベンズイミダゾール、2−アルキルジチオベンズイミダゾール、または2−アルキルジチオベンゾチアゾールが挙げられる。抑泡剤には、エチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートと場合により酢酸ビニルとのコポリマーが挙げられる。乳化破壊剤には、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、および(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ポリマーが挙げられ、流動点降下剤には、無水マレイン酸−スチレンのエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、またはポリアクリルアミドが挙げられる。シール膨潤剤には、ExxonNecton−37(商標)(FN
1380)およびExxon Mineral Seal Oilが挙げられる。
【0060】
(産業上の用途)
一実施形態では、本発明は、内燃機関用液体燃料として有用である。内燃機関には、スパーク点火および圧縮点火機関と、2−ストロークまたは4−ストロークサイクルと、直接噴射を介して供給される液体燃料、間接噴射、ポート噴射および気化器と、コモンレールおよびユニットインジェクターシステム、軽量(例:乗用車)および運搬用(例:商用トラック)機関と、炭化水素および非炭化水素燃料で燃料供給される機関ならびにこれらの複合機関が挙げられる。これらの機関は、EGRシステム、三元触媒、酸化触媒、NOxアブソーバーおよびNOx触媒、燃料添加触媒を場合により採用する触媒および非触媒微粒子トラップを含む後処理、可変の弁開閉時期と、噴射時期および噴射率制御のような要素を組み入れた総合排出システムの一部であってもよい。
【0061】
本発明で使用する場合、「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」という用語は、当業者に周知である、この通常の意味で使用される。具体的には、これは、分子の残位に直接結合した炭素原子を有し、炭化水素の特性を主として有する基を指す。ヒドロカルビル基の例には、炭化水素置換基、即ち、脂肪族(例:アルキルまたはアルケニル)、脂環式(例:シクロアルキル、シクロアルケニル)置換基と、芳香族置換、脂肪族置換および脂環式置換芳香族置換基、ならびに環が分子の別の部分を通って完全となる環式置換基(例:2個の置換基が一緒になって環を形成する);置換炭化水素置換基、即ち、本発明に関しては、置換基の炭化水素の性質を主として変えない非炭化水素基(例:ハロ(特にクロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソとスルホキシ)を含有する置換基;ヘテロ置換基、即ち、炭化水素の特性を主として有するが、本発明に関しては、それ以外は炭素原子からなる環または鎖中に炭素以外の原子を含有する置換基が挙げられる。ヘテロ原子には、硫黄、酸素、窒素が挙げられ、ピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルのような置換基が包含される。ヒドロカルビル基中には、各10個の炭素原子に対して、一般に2個を超えない、好ましくは1個を超えない非炭化水素置換基が存在し、通常、ヒドロカルビル基中には、非炭化水素置換基は存在しないであろう。
【0062】
上述の物質の中には、最終配合物中で相互作用し得るものもあり、したがって最終配合物の成分は、初期に添加されるものと異なる可能性があることが知られている。例えば、金属イオン(例:洗浄剤の)は、他の分子の他の酸位またはアニオン位に移動できる。本発明の組成物をその意図する使用に採用する際に形成される生成物を含めて、これにより形成される生成物は、簡単には説明できない。それでもやはり、このような修正および反応生成物の全ては、本発明の範囲内に含まれ、本発明は、上述の成分を混合することにより調製される組成物を包含する。
【実施例】
【0063】
本発明を、特に有利な実施形態を説明する、以下の実施例により更に例示する。この実施例は、本発明を例示するために提示するが、本発明を限定しようとするものではない。
【0064】
洗浄剤は、CEC F−23−01に記載の機関ノズル汚れ試験で評価する。機関ノズ
ル汚れ試験の結果を、表1および表2に明示する。
【0065】
本試験に使用される洗浄剤には、市販の、ジメチルアミノプロピルアミンの1000Mnポリイソブチレンスクシンイミド(比較例1)、市販の、テトラエチレンペンタミンの1000Mnポリイソブチレンスクシンイミド(比較例2)、および以下に記載する、本発明の4実験の洗浄剤(実施例1〜4)が挙げられる。
【0066】
(調製実施例A)
調製実施例Aは、窒素雰囲気下で110℃に攪拌加熱される、1000Mnポリイソブチレン(21425グラム)から調製される無水コハク酸と希釈油−試験品900(3781グラム)との混合物から調製する。ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA、2314グラム)を、115℃未満の浴温を維持しながら45分かけてゆっくり添加する。反応温度を150℃に上げ、更に3時間維持する。こうして生じる化合物は、DMAPAスクシンイミドである。
【0067】
(実施例1)
調製実施例Aの反応生成物、酸化スチレン(12.5グラム)、酢酸(6.25グラム)およびメタノール(43.4グラム)を、窒素雰囲気下で5時間攪拌しながら加熱して還流する(約80℃)。この反応物を蒸留精製し(30℃、−1bar)、無色透明の留出液が得られた。こうして生じた化合物は、酸化スチレン4級アンモニウム塩である。
【0068】
(実施例2)
調製実施例Aの反応生成物(373.4グラム)を、攪拌しながら90℃に加熱する。硫酸ジメチル(25.35g)を、反応容器に装填し、窒素ブランケット下で再度続けて攪拌(約300rpm)し、発熱により浴温は約100℃に上昇する。この反応物を100℃で3時間維持してから再冷却して静かに注ぐ。こうして生じた化合物は、硫酸ジメチル4級アンモニウム塩である。
【0069】
(実施例3)
調製実施例Aの反応生成物(1735.2グラム)を、窒素雰囲気下で攪拌しながら90℃に加熱する。塩化ベンジル(115.4グラム)を、反応温度を90℃に維持しながら滴下して添加する。この反応を90℃で5時間維持する。こうして生じた化合物は、塩化ベンジル4級アンモニウム塩である。
【0070】
(実施例4)
調製実施例Aの反応生成物(152.6グラム)、炭酸ジメチル(31グラム)およびメタノール(26.9グラム)を、圧力容器に装填する。次いで、この容器の漏れを耐圧試験し、これを2回窒素パージする。この容器を、約19psiに加圧力し、このバッチを攪拌(約210rpm)しながら90℃に加熱する。このバッチを、1時間温度維持してから、140℃に加熱し24時間温度維持する。室温に再冷却してすぐ、残圧を放出してから生成物を静かに注ぐ。この反応物を蒸留(100℃、−0.5bar)精製して、遊離炭酸ジメチルおよびメタノールを除去した。こうして生じた化合物は、炭酸ジメチル4級アンモニウム塩である。
【0071】
注:比較例1および2の場合、活性薬品は、重量で、活性薬品と希釈油との比が85:15で、不活性の希釈油を伴う。
【0072】
注:実施例1〜4の場合、活性薬品は、重量で、活性薬品と希釈油との比が50:50で、不活性の希釈油を伴う。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
この試験結果によれば、本発明(実施例1、2、3、および4)の4級アンモニウム塩洗浄剤を使用する配合は、無添加燃料および/または市販の洗浄剤(比較例1および2)を使用する配合と比較して、流れ性能は同等かまたは優れ、インジェクターの阻害は平均して少ないことが示される。
【0075】
洗浄剤を、高速直噴試験で更に評価する。高速直噴試験を、以下に記述する。亜鉛と各々の洗浄剤とを合計1ppm含有するディーゼル燃料を、2.0L高速直噴(HSDI)Ford製Puma機関内に注入する。この機関は、毎分2000回転で5分間始動する(機関暖機時間)。始動暖機時間後、この機関を、表3に記載した条件下で、6出力曲線の反復で運転する。6出力曲線反復の終了後、この機関は、表4に記載した条件下で整定時間に入る。整定時間終了後、この機関を、表3に記載した条件下で、もう1つの6出力曲線反復で運転する。機関の出力を、出力曲線反復の第9段階中に測定する。最終の出力曲線反復(第12出力曲線反復)中のこの第9段階時の出力を、最初の出力曲線反復の第9段階時の出力と比較し、最終の出力損失率(%)を計算する。出力損失を減少させるかまたは最小限にする場合、機関の出力損失が少なければ少ない程、洗浄剤はより効果的である。この試験結果を表5に要約する。
【0076】
本試験に使用される洗浄剤には、市販の、ジメチルアミノプロピルアミンの1000Mnのポリイソブチレンスクシンイミド(比較例1)、市販の、テトラエチレンペンタミンの1000Mnのポリイソブチレンスクシンイミド(比較例2)、および上記の、本発明の3実験(実施例1、2および4)の洗浄剤が挙げられる。
【0077】
【表3】
5 注:各段階間のランプタイムは、第11段階から第1段階に戻るまでの、30秒であるランプを除いて27秒である。これらのランプタイムは、各段階の時間(即ち、工程の全継続時間は、(11
*5分の段階)+(10
*27秒のランプ)+(1
*30秒のランプ)であり、60分の全サイクル時間となる)内には含まれない。
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
この試験結果によれば、本発明の4級アンモニウム塩洗浄剤を使用する配合(実施例1、2、および4)では、無添加燃料および/または市販の洗浄剤(比較例1および2)を使用する配合と比較して、同等かまたは減少した出力損失が生じる。
【0080】
上記で参照される各文献は、参照により本明細書に組み込まれる。実施例の場合を除いて、または特に明示されない限り、材料の量、反応条件、分子量、炭素原子数などを特定する本明細書中の全ての数量は、「約」という語により修正されるものとして理解されるべきである。特に示されない限り、本明細書で示される各化学物質または組成物は、異性体、副産物、誘導体、および商用グレード中に存在すると普通理解される、他のこのような物質を含有し得る、商用グレードの材料であると解釈されるべきである。しかしながら、各化学成分の量は、特に示されない限り、通例、商用材料中に存在し得る、任意の溶媒または希釈油を除いて提示される。本明細書に記載した量、範囲および比率の上下限が、独立に組み合わせてもよいことは理解されるべきである。同様に、本発明の各要素に対する範囲および量は、任意の他の要素に対する範囲または量と共に使用してもよい。本明細書で使用される場合、「から主になる」という表現は、検討中の組成物の基本特性および新規特性に物質的に影響を及ぼさない物質が含まれてもよい。