(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744810
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】セグメント管の接続構造及び接続方法
(51)【国際特許分類】
E21D 11/04 20060101AFI20150618BHJP
E21D 9/06 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
E21D11/04 A
E21D9/06 301Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-197873(P2012-197873)
(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公開番号】特開2014-51840(P2014-51840A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2014年7月10日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔発行者名〕 株式会社LSプランニング 〔刊行物名〕 月刊推進技術 〔号数及び発行年月日〕 第297号 平成24年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門口 達彦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英典
(72)【発明者】
【氏名】星 智久
(72)【発明者】
【氏名】木下 茂樹
【審査官】
越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−142191(JP,A)
【文献】
特開2005−307547(JP,A)
【文献】
実開昭49−150834(JP,U)
【文献】
特開2002−004785(JP,A)
【文献】
特開2001−159299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 1/00−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機により掘削したトンネルの内周をセグメント管によって覆工するシールド工法におけるセグメント管の接続構造であって、
鋼製セグメントを環状に組み立てた鋼製セグメント管によって覆工される鋼製セグメント区間と、
コンクリート系セグメントを環状に組み立てたコンクリート系セグメント管によって覆工されるコンクリート系セグメント区間と、
一部材からなるリング状の平板から形成され、一方の面が前記鋼製セグメント区間に接続され、他方の面がコンクリート系セグメント区間に接続される定規リングとを備え、
前記鋼製セグメント管、前記コンクリート系セグメント管、前記定規リング及びの外径が略一致することを特徴とするセグメント管の接続構造。
【請求項2】
前記定規リングの内径は、前記鋼製セグメント管の内径よりも小さく、前記コンクリート系セグメント管の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のセグメント管の接続構造。
【請求項3】
掘削機により掘削したトンネルの内周をセグメント管によって覆工するシールド工法におけるセグメント管の接続方法であって、
鋼製セグメントを環状に組み立てた鋼製セグメント管によって覆工する鋼製セグメント区間の先端の鋼製セグメント管に、一部材からなるリング状の平板から形成され、前記鋼製セグメント管と外径が略一致する定規リングの一方の面を接続する工程と、
前記定規リングの他方の面に、外径が前記定規リングの外径と略一致するコンクリート系セグメントを接続する工程とを備えることを特徴とするセグメント管の接続方法。
【請求項4】
前記定規リングと接続される前記鋼製セグメントの接合面に、前記定規リングに形成された貫通孔の位置に合わせて貫通孔を削孔し、
前記鋼製セグメントの前記貫通孔、前記定規リングの前記貫通孔、及び前記コンクリート系セグメントに予め形成された貫通孔を挿通させたボルトを締付ナットで螺合させることによって、前記鋼製セグメント、前記定規リング及び前記コンクリート系セグメントを一体に接続することを特徴とする請求項3に記載のセグメント管の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメント管の接続構造及び接続方法、詳しくは、異種セグメント管の接続構造及び接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
掘削機により掘削したトンネルの内周を、掘削機内でセグメントを組み立てたセグメント管によって覆工するシールド工法が知られている。一般的に使用されるセグメントは、鋼製セグメントとコンクリート系セグメントとに大別される。
【0003】
鋼製セグメントは、鉄鋼を材料としたセグメントであり、材料の均質性、溶接性、比較的軽量、高靭性などの点で優れる。しかし、鋼製セグメントは、セグメント本体やセグメント同士間の接合部に変形や歪みなどが生じ易いという欠点を有する。
【0004】
コンクリート系セグメントは、鋼材又は鉄筋とコンクリートにより構成されるセグメントであり、施工に依存するが、耐久性、耐圧縮性、水密性、高剛性などの点で優れる。しかし、コンクリート系セグメントは、脆性的で欠けやひび割れなどが生じ易いという欠点を有する。
【0005】
これら両セグメントの有する特性と対象となるトンネルの形状などによって、使用するセグメントが選択される。一般的には、急な曲線や一部に開口を設けるなど特殊な部位を有するトンネルを構築する場合は、鋼製セグメントが選択され、直線的で中、大口径のトンネルを構築する場合は、コンクリート系セグメントが選択される。
【0006】
上述したように、鋼製セグメントはセグメント本体やセグメント同士間の接合部に変形や歪みなどが生じ易く、このような変形が生じると、掘削機の推進反力が全断面に対して均一に作用しないという問題が生じる。一方、コンクリート系セグメントは応力集中や偏荷重によって欠けやひび割れなどが生じ易く、真円に組み立てられ拘束が十分な状態でないと本来の性能を発揮することができないという問題が生じる。
【0007】
従って、1つのトンネルを構築する際に、これら両セグメントを連続的に施工すること、特に鋼製セグメントの前にコンクリート系セグメントを接続することは、鋼製セグメントに生じた変形がコンクリート系セグメントの欠けやひび割れの原因となるため、一般に行われていない。ただし、両セグメントの特性を活かして、両セグメントを連続的に施工したいという要望はある。
【0008】
例えば、特許文献1には、直線施工部にコンクリートセグメントを用い、曲線施工部に鋼製セグメントを用い、コンクリートセグメントと鋼製セグメントとの間に鋼製の異形セグメントを介在させることが記載されている。
【0009】
特許文献2には、鋼管、コンクリート管などからなる埋設管の管本体とセグメントとの間に、鋼材を筒状に組み立ててなる接続リング及び環状端部材などを介在させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭63−142191号公報
【特許文献2】特開2001−200689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1には、異形セグメントは環状に複数個組み立てられたときに円錐台形を形成すること以外は通常一般のスチールセグメントとほぼ同様と記載されている。また、特許文献2には、セグメントと接続リングとの接続構造及び接続方法が記載されていない。
【0012】
従って、特許文献1及び特許文献2に記載された技術では、鋼製セグメントに生じた変形によってコンクリート系セグメントに欠けやひび割れが生じるという課題を解消することができない。
【0013】
本発明は、以上の点に鑑み、鋼製セグメントに変形が生じていても、コンクリート系セグメントに欠けやひび割れが生じることを防止することが可能なセグメント管の接続構造及び接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のセグメント管の接続構造は、掘削機により掘削したトンネルの内周をセグメント管によって覆工するシールド工法におけるセグメント管の接続構造であって、鋼製セグメントを環状に組み立てた鋼製セグメント管によって覆工される鋼製セグメント区間と、コンクリート系セグメントを環状に組み立てたコンクリート系セグメント管によって覆工されるコンクリート系セグメント区間と、一部材からなるリング状の平板から形成され、一方の面が前記鋼製セグメント区間に接続され、他方の面がコンクリート系セグメント区間に接続される定規リングとを備え、前記鋼製セグメント管、前記コンクリート系セグメント管、前記定規リングの外径が略一致することを特徴とする。
【0015】
本発明のセグメント管の接続構造によれば、鋼製セグメント管とコンクリート系セグメント管とは、一部材からなるリング状の平板から形成された定規リングを介して接続されている。そのため、例え鋼製セグメント管に変形が生じていても、定規リングを介在しているので、コンクリート系セグメント管にその変形による影響が生じず、歪みなどの無い正規の真円形状に組み立てられることなる。よって、コンクリート系セグメント管に欠けやひび割れが生じることを防止することが可能となる。
【0016】
なお、本発明において、外径が略一致するとは、外径が完全に一致する他に、機能面を考慮して外径が近似しているとみなせる場合を含む。具体的には、鋼製セグメント管とコンクリート系セグメント管の内径の段差の半分以下、好ましくは3分の1以下の範囲で近似する場合、本発明では略一致しているとみなす。
【0017】
本発明のセグメント管の接続構造において、前記定規リングの内径は、前記鋼製セグメント管の内径よりも小さく、前記コンクリート系セグメント管の内径よりも大きいことが好ましい。
【0018】
この場合、鋼製セグメント管とコンクリート系セグメント管との内径の段差による偏圧を定規リングによって吸収することができる。よって、コンクリート系セグメント管に欠けやひび割れが生じることをさらに防止することが可能となる。
【0019】
本発明のセグメント管の接続方法は、掘削機により掘削したトンネルの内周をセグメント管によって覆工するシールド工法におけるセグメント管の接続方法であって、鋼製セグメントを環状に組み立てた鋼製セグメント管によって覆工する鋼製セグメント区間の先端の鋼製セグメント管に、一部材からなるリング状の平板から形成され、前記鋼製セグメント管と外径が略一致する定規リングの一方の面を接続する工程と、前記定規リングの他方の面に、外径が前記定規リングの外径と略一致するコンクリート系セグメントを接続する工程とを備えることを特徴とする。なお、本説明ではトンネルの掘削機側を前方、発進立坑側を後方とする。
【0020】
本発明のセグメント管の接続方法によれば、鋼製セグメント管に続いて前方に設置されるコンクリート系セグメント管を、一部材からなるリング状の平板から形成された定規リングを介して接続させる。そのため、例え鋼製セグメント管に変形が生じていても、定規リングを介在させるので、続いて前方に設置されるコンクリート系セグメント管にその変形による影響が生じず、歪みなどの無い正規の真円形状に組み立てることが可能となる。よって、コンクリート系セグメント管に欠けやひび割れが生じることを防止することが可能となる。
【0021】
本発明のセグメント管の接続方法において、前記定規リングと接続される前記鋼製セグメントの接合面に、前記定規リングに形成された貫通孔の位置に合わせて貫通孔を削孔し、前記鋼製セグメントの前記貫通孔、前記定規リングの前記貫通孔、及び前記コンクリート系セグメントに予め形成された貫通孔を挿通させたボルトを締付ナットで螺合させることによって、前記鋼製セグメント、前記定規リング及び前記コンクリート系セグメントを一体に接続することが好ましい。
【0022】
この場合、例え鋼製セグメント管に変形が生じていても、定規リングに形成された貫通孔の位置に合わせて貫通孔を鋼製セグメント管の接続面に削孔するので、定規リングに形成された貫通孔の位置に合わせてコンクリート系セグメント管を歪みなどの無い正規の真円形状に組み立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】(a)は本発明の実施形態に係るセグメント管の接続構造を示す説明図であり、(b)は(a)における接続部の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態に係るセグメント管の接続構造について図面を参照して説明する。
【0025】
このセグメント管の接続構造は、例えば、
図1(a)に示すように、定規リング10を介して、鋼製セグメント管20とコンクリート系セグメント管30とを接続する構造、特に、鋼製セグメント管20続いて前方に設置されるコンクリート系セグメント管30を接続する構造である。この接続構造は、シールド工法、又は推進工法とシールド工法を併用したハイブリッド推進工法などで用いられる。
【0026】
鋼製セグメント管20は、複数個の鋼製セグメント21を環状に組み立てたものであり、複数の鋼製セグメント管20をその軸方向に連続して接続させて覆工したトンネル区間が、鋼製セグメント区間Aである。
【0027】
コンクリート系セグメント管30は、複数個のコンクリート系セグメント31を環状に組み立てたものであり、複数のコンクリート系セグメント管30をその軸方向に連続して接続させて覆工したトンネル区間がコンクリート系セグメント区間Bである。
【0028】
鋼製セグメント管20及びコンクリート系セグメント管30は、掘削機40内部で組み立てられるため、その外径は略一致する。そして、同等の強度を確保するために、コンクリート系セグメント管30の肉厚は鋼製セグメント管20の肉厚よりも厚くなっている。よって、コンクリート系セグメント管30の内径は鋼製セグメント管20の内径よりも短く、これらの内周面には段差が生じる。
【0029】
定規リング10は、鋼構造のリング状(中空円盤状)の平板部材であり、その外径は鋼製セグメント管20及びコンクリート系セグメント管30の外径と略一致する。そして、定規リング10の内径は、鋼製セグメント管20の内径よりも小さく、コンクリート系セグメント管30の内径よりも大きい。定規リング10には、防錆のためのメッキが施されている。
【0030】
定規リング10は、その後側面が鋼製セグメント管20の前側面に当接し、且つその前側面がコンクリート系セグメント管30の後側面に当接して、鋼製セグメント管20とコンクリート系セグメント管30の間に介在されて、これらとボルト11及び締付ナット12を用いて固定されている(
図1(b)参照)。
【0031】
定規リング10は、平板であるため、予め掘削機40の内部に搬入しておけば分割する必要は無い。なお、定規リング10を分割して搬入した場合でも、掘削機40内で溶接することによって一部材にすることができる。
【0032】
次に、掘削機40について
図2を参照して説明する。この掘削機40は、泥水式のシールド掘削機であり、スキンプレート(シールド筒)43と、スキンプレート43に組付けた掘削ユニット44とを備えている。スキンプレート43は、前スキンプレート(前筒)43aと後スキンプレート(後筒)43bとから構成されている。後スキンプレート43bの前端には、前スキンプレート43aの後端部に内嵌する球面ジョイント部45が設けられており、前スキンプレート43aは後スキンプレート43bに対し任意の方向に屈曲自在になる。そして、前スキンプレート43aと後スキンプレート43bとを連結する中折れジャッキ46を周方向の間隔を存して複数設け、これら中折れジャッキ46により前スキンプレート43aの方向、即ち、掘削機40の掘進方向を調節することができる。
【0033】
後スキンプレート43bには、掘削済みのトンネル内壁面にセグメント21,31をリング状に組付けるエレクタ47が内装されると共に、設置済みのセグメント31を反力受けにしてスキンプレート43を前進させる複数のシールドジャッキ41が周方向の間隔を存して取付けられている。また、後スキンプレート43bの後端には、セグメント21,31との間の隙間をシールするテールシール42が取付けられている。
【0034】
掘削ユニット44は、隔壁48と、スキンプレート43の前端より前方で切羽を掘削する、隔壁48に支持されるカッタヘッド49とを有している。
【0035】
隔壁48の背面には、カッタヘッド49を回転駆動させる駆動ユニット51が設けられている。駆動ユニット51は駆動モータ、減速機、ギヤ等から構成され、駆動ユニット51の駆動力によって、駆動軸52を介してカッタヘッド49を高トルクで回転駆動することができる。
【0036】
カッタヘッド49は、カッタビット49aを取付けた放射状の複数のカッタスポーク49bと、各カッタスポーク49bに内蔵した図示しない伸縮ジャッキにより各カッタスポーク49bの外端部から径方向外方に出没するオーバーカッタ49cとを備えている。
【0037】
カッタヘッド49と隔壁48との間の空間が隔室53となっている。隔室53は、掘削土砂を泥水と共に充填して切羽面からの土圧に対抗させるためのものである。隔壁48の後側には、隔室53と連通する土砂搬出装置54が設けられている。この土砂搬出装置54は、送泥管54a、排泥管54b、及びこれら送泥管54a、排泥管54bと接続され、後方の発進立坑にまで到る送排出泥管54cなどから構成されている。
【0038】
以下、本発明の第1の実施形態に係るセグメント管の接続方法について
図1(a)を参照して説明する。この方法は、シールド工法でトンネルを構築する方法である。
【0039】
まず、鋼製セグメント21を用いた通常のシールド工法によって、鋼製セグメント区間Aにおいて、複数個の鋼製セグメント21を環状に組み立ててなる鋼製セグメント管20を、その軸方向に複数連続して接続させて、覆工する。なお、鋼製セグメント区間Aの最先端の鋼製セグメント管20を構成する各鋼製セグメント21の前側面には、他の鋼製セグメント21と異なり貫通孔が形成されていない。
【0040】
次に、最先端の鋼製セグメント管20を構成する各鋼製セグメント21の後側面に、定規リング10を接続する。
【0041】
具体的には、まず、定規リング10の前側面と鋼製セグメント区間A最先端の鋼製セグメント管20を構成する各鋼製セグメント21の後側面を当接させる。そして、この当接した状態で定規リング10に予め形成された貫通孔10aの位置に合わせて、これら各鋼製セグメント21の前側面(接続面)に、貫通孔21aを削孔する(
図1(b)参照)。
【0042】
次に、定規リング10の前側面に、複数個のコンクリート系セグメント31の後側面を当接させて、これらコンクリート系セグメント31でコンクリート系セグメント管30を形成する。
【0043】
そして、鋼製セグメント21に削孔した貫通孔21a、定規リング10に形成されている貫通孔10a及びコンクリート系セグメント31に予め形成されている貫通孔31aをボルト11を挿通させ、このボルト11に締付ナット12を螺合させて固定する(
図1(b)参照)。これにより、鋼製セグメント21、定規リング10及びコンクリート系セグメント31、ひいては、鋼製セグメント管20、定規リング10及びコンクリート系セグメント管30が一体的に接続される。
【0044】
その後に、定規リング10に一体に接続されたコンクリート系セグメント管30の前方に連続させて、コンクリート系セグメント区間Bにおいて、複数個のコンクリート系セグメント31を環状に組み立ててなるコンクリート系セグメント管30を、その軸方向に複数連続して接続させて、覆工する。
【0045】
第1の実施形態に係るセグメント管の接続方法によれば、例え鋼製セグメント管20に変形が生じていても、定規リング10を介在させているので、続いて前方に設置されるコンクリート系セグメント管30にその変形による影響が生じず、歪みなどの無い正規の真円形状に組み立てることが可能となる。よって、コンクリート系セグメント管30に欠けやひび割れが生じることを防止することが可能となる。
【0046】
また、例え鋼製セグメント管20に変形が生じていても、定規リング10に予め形成された貫通孔10aの位置に合わせて、定規リング10を接続させる各鋼製セグメント21に貫通孔21aを削孔するので、定規リング10に予め形成された貫通孔10aの位置に合わせてコンクリート系セグメント管30を歪みなどの無い正規の真円形状に組み立てることが可能となる。特に、RC(鉄筋コンクリート)セグメント管は、真円に組み上げられた状態で本来の構造性能を発揮するので、真円形状に組み立てることができ、好ましい。
【0047】
以下、本発明の第2の実施形態に係るセグメント管の接続方法について
図3を参照して説明する。この方法は、推進工法とシールド工法を併用したハイブリッド推進工法でトンネルを構築する方法である。
【0048】
発進立坑Cから所定の距離までの推進工法区間Eでは、推進工法で、推進管50を接続することによって覆工する。
【0049】
まず、
図3(a)に示すように、地盤を掘削して発進立坑Cを形成し、発進立坑Cに反力受部61、元押しジャッキ62などを設置する。掘削機40内部には、定規リング10と鋼製セグメント管20を、掘削機40内部のシールドジャッキ41と元押しジャッキ62との間に設置する。これにより、定規リング10は、鋼製セグメント管20と掘削機40内部のシールドジャッキ41とをつなぐ(
図2参照)。そして、反力受部61に作用する元押しジャッキ62の反力によって、掘削機40を前進させる。
【0050】
その後、
図3(b)に示すように、定規リング10と鋼製セグメント管20を介して元押しジャッキ62の推進力をシールドジャッキ41に伝達し、掘削機40を定規リング10及び鋼製セグメント管20と一体的に推進させる。そして、発進立坑C内において定規リング10の後側面に鋼製セグメント管の前側面を、鋼製セグメント管20の後側面に推進管50の前側面を図示しないボルト及び締付ナットを用いて接続させる。なお、推進管50は、周方向に分割可能に構成してもよい。また、推進管50はヒューム管であってもよい。
【0051】
この後、推進管50、鋼製セグメント管20、定規リング10及び掘削機40を全体として一体的に推進させる。この推進により発進立坑C内に生じたスペースに新たな推進管50を位置させて、既設の後端の推進管50と接続させる。そして、推進管50による推進工法区間Eの長さが所定の距離になるまで、このような工程を繰り返す。
【0052】
推進工法時、鋼製セグメント管20は、一部材から形成される定規リング10によって前端を固定され、その形状が真円に保持される。
【0053】
また、定規リング10は、推進工法時、推進管50から鋼製セグメント管20を経由して掘削機40に推進力を伝える推進力伝達機構として機能を有する。ハイブリッド推進工法において使用される推進力伝達機構は、鋼製セグメント管20とコンクリート系セグメント管30との内径段差を解消して、推進工法における推進力を掘削機40に伝達している。これにより、偏圧によって、コンクリート系セグメント管30に欠けやひび割れが生じることを防止することが可能となる。
【0054】
推進工法における推進力は、推進管50とその周囲地盤との摩擦状態によって変化する。そして、推進力を微細に調整することは困難であり、設計値と比較して大きな推進力がかかることがある。大きな推進力がかかっても、推進管50とシールドジャッキ41との間には鋼製セグメント管20が配置され、前方は定規リングによって固定されているため、鋼製セグメント管20に有害な変形等が発生しにくい。
【0055】
図3(c)に示すように、推進工法で管路を構築した後、シールド工法に移行する。シールド工法に移行後のコンクリート系セグメント区間Bは、通常のシールド工法と同様に施工する。
【0056】
そして、
図3(d)に示すように、シールドジャッキ41を伸長して掘削機40を前進させた後、シールドジャッキ41を縮退させてコンクリート系セグメント管30を設置するためのスペースを確保する。そして、このスペースにコンクリート系セグメント31を配置し、各コンクリート系セグメント31を定規リング10に接続することによってコンクリート系セグメント管30を組み立てる。
【0057】
このとき、定規リング10はコンクリート系セグメント31の位置決め部材として機能する。詳細は図示しないが、定規リング10に予め形成された貫通孔に各コンクリート系セグメント31に予め形成された貫通孔を合わせて、ボルトと締付ナットを用いて各コンクリート系セグメント31を定規リング10に固定する。
【0058】
第2の実施形態に係るセグメント管の接続方法によっても、例え鋼製セグメント管20に変形が生じていても、定規リング10を介在させているので、続いて前方に設置されるコンクリート系セグメント管30にその変形による影響が生じず、歪みなどの無い正規の真円形状に組み立てることが可能となる。よって、コンクリート系セグメント管30に欠けやひび割れが生じることを防止することが可能となる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、定規リング10、鋼製セグメント管20及びコンクリート系セグメント管30の前後側面の外形が円形状である場合について説明した。しかし、これら前後側面の外形は、楕円形状であってもよい。また、コンクリート系セグメント31の平面形状は、長方形や六角形などの多角形状であってもよい。また、コンクリート系セグメント管30は、鋳鉄(ダクタイル)セグメント管、合成セグメント管で代用してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…定規リング、 10a…貫通孔、 11…ボルト、 12…締付ナット、 20…鋼製セグメント管、推進管、 21…鋼製セグメント、 21a…貫通孔、 30…コンクリート系セグメント管、 31…コンクリート系セグメント、 31a…貫通孔、 40…掘削機、 41…シールドジャッキ、 50…推進管、 A…鋼製セグメント区間 B…コンクリート系セグメント区間 E…推進工法区間。