(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヘッドシェーディング補正手段は、前記ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データと共に前記記録範囲に関するデータを、前記記録装置側へ送信することを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
前記記録装置は、前記シフト手段によって選択される記録範囲に対し、前記ヘッドシェーディング補正手段から送信される記録範囲を優先することを特徴とする請求項2に記載の記録システム。
複数の記録要素を有する記録ヘッドにより記録動作を行うとともに前記記録ヘッドにおける前記複数の記録要素の配列方向において該記録要素の使用範囲をシフトさせて複数の記録範囲を選択的に使用可能な記録装置に対して記録すべきデータを送信する、該記録装置とは別体の画像処理装置であって、
前記記録装置から送信される前記記録範囲に関するデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段により取得した前記記録範囲に関するデータに基づいて、画像データに対してヘッドシェーディング補正処理を行うヘッドシェーディング補正手段と、
前記ヘッドシェーディング補正手段によりヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データにより前記記録装置の前記記録範囲の記録要素に記録動作を行わせるために、前記ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データを前記記録装置側に送信する送信手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
前記送信手段は、前記ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データと共に前記記録範囲に関するデータを、前記記録装置側へ送信することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
前記送信手段は、前記ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データと共に、前記記録装置が指定する記録範囲よりも優先して使用する前記記録範囲に関するデータを前記記録装置側へ送信することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
前記受信手段は、前記ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データと共に前記記録範囲に関するデータを、前記画像処理装置側から受信することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
前記記録装置は、前記シフト手段によって選択される記録範囲に対し、前記受信手段が前記画像処理装置側から受信する記録範囲を優先することを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
前記受信手段はさらに、画像データに基づいて記録される記録媒体のページ数を前記画像処理装置から記録開始前に受信することを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
複数の記録要素を有する記録ヘッドにより記録動作を行う記録装置と、前記記録装置へ該記録装置が記録すべきデータを送信する、前記記録装置とは別体の画像処理装置とを備えた記録システムにおける記録制御方法であって、
前記記録装置側で前記記録ヘッドにおける複数の記録要素の配列方向において該記録要素の使用範囲をシフトさせて複数の記録範囲を選択的に使用可能にするとともに、前記選択された記録範囲に関するデータを前記記録装置から前記画像処理装置へ送信するシフト工程と、
前記画像処理装置側で、前記記録装置から送信される前記記録範囲に関するデータに基づいて、画像データに対してヘッドシェーディング補正処理を行って、前記ヘッドシェーディング補正処理がなされた画像データを前記記録装置に送信するヘッドシェーディング補正工程と、
前記記録装置側で、前記ヘッドシェーディング補正処理がなされた画像データに基づいて、前記記録範囲の記録要素に記録動作を行わせる制御工程とを有することを特徴とする記録制御方法。
前記ヘッドシェーディング補正工程は、前記ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データと共に前記記録範囲に関するデータを前記記録装置側へ送信することを特徴とする請求項14に記載の記録制御方法。
前記記録装置側では、前記シフト工程において設定される記録範囲に対し、前記ヘッドシェーディング補正工程において送信される記録範囲を優先することを特徴とする請求項15に記載の記録制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ヘッドシェーディング技術を適用してより高精細な補正に行うためには、ホストで画像データを生成する際に、インクが吐出されるノズルの位置を想定して補正処理を施す必要がある。このため、例えば、ジョブが割込みなど、画像シフトの移動量が急に変化する状況が発生すると、ヘッドシェーディング処理では認識できない画像シフトを行われてしまい、その補正が正しく反映されないという問題がある。
【0009】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、記録ヘッドの特定のノズルへの負荷を効率的に低減しつつも、ヘッドシェーディングによる高品位な画像記録を達成する記録システム、記録装置、
画像処理装置、及び記録制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の記録システムは次のような構成からなる。
【0011】
即ち、複数の記録要素を有する記録ヘッドにより記録動作を行う記録装置と、前記記録装置へ該記録装置が記録すべきデータ
を送信する、前記記録装置とは別体の画像処理装置とを備えた記録システムにおいて、前記記録ヘッドにおける前記複数の記録要素の配列方向において前記記録要素の使用範囲をシフトさせて複数の記録範囲を選択的に使用可能にするとともに該選択された記録範囲に関するデータを前記画像処理装置へ送信するシフト手段を前記記録装置側に有し、前記記録装置側から送信される前記記録範囲に関するデータに基づいて、画像データに対してヘッドシェーディング補正処理を行って、該ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データを前記記録装置側に送信するヘッドシェーディング補正手段を前記画像処理装置側に有し、前記画像処理装置から送信される前記ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データに基づいて前記記録範囲の記録要素に記録動作を行わせる制御手段を前記記録装置側に有することを特徴とする。
【0012】
また本発明を別の側面から見れば、複数の記録要素を有する記録ヘッドにより記録動作を行うとともに前記記録ヘッドにおける前記複数の記録要素の配列方向において該記録要素の使用範囲をシフトさせて複数の
記録範囲を選択的に使用可能な記録装置に対して記録すべきデータを送信する、該記録装置とは別体の画像処理装置であって、前記記録装置から送信される前記記録範囲に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得した前記記録範囲に関するデータに基づいて、画像データに対してヘッドシェーディング補正処理を行うヘッドシェーディング補正手段と、前記ヘッドシェーディング補正手段によりヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データにより前記記録装置の前記記録範囲の記録要素に記録動作を行わせるために、前記ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データを前記記録装置側に送信する送信手段とを有することを特徴とする画像処理装置を備える。
【0013】
さらに本発明を別の側面から見れば、画像処理装置から記録すべきデータを受信し、複数の記録要素を有する記録ヘッドにより記録動作を行う、前記画像処理装置とは別体の記録装置であって、前記記録ヘッドにおける前記複数の記録要素の配列方向において該記録要素の使用範囲をシフトさせて複数の
記録範囲を選択的に使用可能にするとともに、該選択された記録範囲に関するデータを前記画像処理装置へ送信するシフト手段と、前記シフト手段により前記画像処理装置へ送信された前記記録範囲に関するデータに基づいて、前記画像処理装置がヘッドシェーディング補正処理を行った画像データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記ヘッドシェーディング補正処理が行われた画像データに基づいて、前記記録範囲の記録要素に記録動作を行わせる制御手段とを有することを特徴とする記録装置を備える。
【0014】
またさらに本発明を別の側面から見れば、複数の記録要素を有する記録ヘッド
により記録
動作を行う
記録装置と、前記記録装置
へ該記録装置が記録すべきデータを送信する
、前記記録装置とは別体の画像処理装置とを
備えた記録システムにおける記録制御方法であって、
前記記録装置側で前記記録ヘッドにおける複数の記録要素の配列方向において該記録要素の使用範囲をシフトさせて複数の記録範囲を選択的に使用可能にするとともに、前記選択された記録範囲に関するデータを前記記録装置から前記画像処理装置へ送信するシフト工程と、前記
画像処理装置側で、前記記録装置から送信される前記記録範囲に関するデータに基づいて、画像データに対し
てヘッドシェーディング補正
処理を行
って、前記ヘッドシェーディング補正
処理がなされた画像データを
前記記録装置に送信する
ヘッドシェーディング補正工程と、前記記録装置
側で、前記ヘッドシェーディング補正
処理がなされた画像データに基づいて、前記
記録範囲の
記録要素に記録
動作を行
わせる制御工程とを有することを特徴とする記録制御方法を備える。
【発明の効果】
【0015】
従って本発明によれば、情報処理装置でヘッドシェーディング補正を施した画像データを記録する際は情報処理装置側のシフト指示に従って画像シフトした記録を行うことができる。これにより、例えば、複数の情報処理装置から印刷ジョブが送信され、実際に記録される際の画像シフト量が推測できない場合でも、正しい濃度ムラ補正の結果を反映した高品位な画像を記録することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
【0018】
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。さらに人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0019】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0020】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0021】
またさらに、「記録要素」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
【0022】
<記録システムの全体概要(
図1〜
図4)>
図1は、本発明の代表的な実施例である記録システムの構成概要を示すブロック図である。
図1に示すように、記録システム300は、インクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置301とUSBケーブル340などによって接続されたパーソナルコンピュータ(PC)310とによって構成される。パーソナルコンピュータ(PC)310は以下の説明ではホスト或いは情報処理装置と呼ぶ。
【0023】
ホスト310には種々の情報を表示するディスプレイ320と、ホストに指示を与えるキーボードやポインティングデバイスからなる指示部330が接続される。また、ホスト310は種々のプログラムを実行するためのCPU311やこれらのプログラムやデータを格納するメモリ312が備えられる。メモリ312はROMやRAMなどの半導体メモリやハードディスクなどを含む。
【0024】
インクジェット記録装置301はホスト310により制御される。従って、ホスト310にはインクジェット記録装置301を動作させ、記録制御するためのプリンタドライバ(一種の制御プログラム)や画像データを生成するアプリケーションがインストールされる。このプリンタドライバが記録時にはCPU311により実行されることで、ホストのディスプレイ320には記録動作に関連した種々のメニュー画面が表示される。また当然のことながら、ホストは印刷ジョブを生成し、印刷のための画像データを生成し、インクジェット記録装置301に対して画像データを印刷ジョブとして供給する。この際、ホスト310はプリンタドライバを使用して生成された画像データをインクジェット記録装置301が解釈可能な形式に変換し、これをインクジェット記録装置301に送信する。
【0025】
一方、インクジェット記録装置301は、ホスト310からの画像データや制御信号に基づいて記録媒体に画像を記録する。
【0026】
また、
図1に示す構成ではホストとインクジェット記録装置とをUSBケーブルで接続する構成としたが、接続方法はこれにより限定されるものではない。例えば、LANケーブルや無線インタフェースにより接続することもできる。なお、ここに示す記録システムの全体構成はあくまで一例であり、例えば、情報処理装置310と記録装置301とがそれぞれ複数台ずつ設けられて、記録システムを構成していてもよいし、また、これ以外の装置が記録システムに接続されていても良い。
【0027】
図2は
図1に示す記録システムに含まれるインクジェット記録装置(以下、記録装置という)の構成の概要を示す内部側面図である。
【0028】
記録装置301はイエロ(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、及びブラック(K)インクを夫々吐出する4つのフルライン記録ヘッド(以下、記録ヘッド)305を備える。記録ヘッド305は、記録用紙の搬送方向に交差する方向に配列された、インクを吐出するための複数のノズルを有している。さらに、記録装置301はホスト310より送られてきた各色毎の画像データを一時的に格納するプリントバッファメモリ(以下、VRAM)を備え、VRAMに画像データのビットマップ展開が終了した時点で次のような記録動作を行う。即ち、ロールホルダ302と搬送部303を動作させ、ロール状の連続紙である記録用紙304を走行させ、VRAMの内容に従って、YMCKの各インクを吐出して記録を行なう。
【0029】
なお、記録装置のVRAMは、記録用紙の搬送方向に対して、所定の長さの画像を記録するために十分な画像データを格納する容量を備えている。その容量とは、例えば、記録ヘッド305の記録幅が210mmであるとした場合に、搬送方向に297mm分の(即ち、A4サイズ)画像データをビットマップ展開するのに必要な容量である。従って、VRAMはいわば、ページメモリ或いはフレームメモリであるとも言える。
【0030】
また、記録装置301は、ホスト310より用紙の種類、インクの種類、画像データサイズなど各種設定データを受信する。
【0031】
図3は
図2に示す記録装置の記録用紙フィード動作を模式的に示した斜視図である。
【0032】
図3によれば、ロールホルダ302から搬送部303へ記録用紙304を挿入し、搬送部303の搬送力によって画像を記録する方向(
図3の矢印方向)に記録用紙304を搬送する。この動作をフィード動作という。
【0033】
VRAMへの画像データの展開が終了すると、フィード動作と同期させて記録ヘッド305を駆動することでVRAMに展開された画像データに基づいて記録用紙304に記録を行なう。
【0034】
なお、
図1〜
図3では記録媒体がロール状の記録用紙であるとしたが、記録媒体としてカット紙を用いても良い。ロール状の記録用紙を用いる場合は、搬送方向に所定の長さの記録を1ページとするが、カット紙であれば文字通りの用紙長を1ページとしてカウントできる。
【0035】
図4は、記録システムを構成する記録装置と情報処理装置それぞれの制御構成を示すブロック図である。なお、
図4には記録装置と情報処理装置の全ての構成要素が図示されている訳ではなく、本発明と関連のある構成要素のみが図示されている。
【0036】
情報処理装置310は、オペレーティングシステム(OS)の制御下でCPU311が各種プログラムを実行する。
図4に示すように、CPU311のシステムバスはローカルバスとしてのPCIバス、及びISAバスと夫々、ホスト/PCIブリッジ221とPCI/ISAブリッジ228を経由した階層的なバスを有して各構成要素と接続される。
【0037】
なお、CPU311のシステムバスにはL2キャッシュと呼ぶ高速メモリ(不図示)を備え、CPU311が常時アクセスするコード、データなどを記憶する。
【0038】
メインメモリ(RAM)312aはオペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーション)、プリンタドライバ等の一時的記憶領域で且つ、各プログラム実行のための作業領域としても用いられる。また、アプリケーションにより生成されたRGB画像データ、RGB画像データから記録装置301の各記録ヘッドに対応した各色成分の多値の濃度画像データ等も記憶する。この実施例では、シアン画像データ、マゼンタ画像データ、イエロ画像データ、ブラック画像データで構成される。
【0039】
更に取得したヘッドシェーディング補正データに基づき補正された画像データ、そして誤差拡散法などによって2値化された画像データ等は全てRAM312aに展開され、通信インタフェース(I/F)223を介し、記録装置301へ転送される。
【0040】
通信インタフェース(I/F)223はPCIバスに接続されており、使われるインタフェースは、例えば、USB、LANネットワーク等である。
ビデオコントローラ(DPC)224は、CPU311によってVRAM312dに書込れた表示用ビットマップデータを継続的に読み取りLCD、PDP等のディスプレイ320に継続的に転送する。
【0041】
ROM312bはキーボード/ポインティングデバイス232やUSBメモリ231などの入出力機器を制御するBIOSプログラム、パワーON時の初期化、自己診断プログラム等を格納する。EEPROM312cは恒久的に利用する各種のパラメータ、例えば、記録ヘッドの記録特性データなどを記憶する。
【0042】
オペレーティングシステム(OS)、各種アプリケーションプログラム、そして、記録装置用のプリンタドライバはハードディスク(HDD)227からRAM312aに読出され実行される。
【0043】
記録装置301は、ROM203に記憶された後述する制御プログラムをCPU201が実行することにより制御される。また、記録装置301は、画像データを記憶するRAM202、情報処理装置310と通信するための通信インタフェース(I/F)204、記録ヘッド305を駆動制御するヘッドコントローラ205を備える。さらに、記録装置301は、記録媒体の搬送を行うアクチュエータ等を駆動制御する装置駆動部206を備える。
【0044】
またさらに、記録装置301は、シアンインク、マゼンタインク、イエロインク、ブラックインクを夫々吐出する4つの記録ヘッド305C、305M、305Y、305Kからなる記録ヘッド305を備える。記録ヘッド305C、305M、305Y、305Kには夫々、EEPROM(不揮発性メモリ)307C、307M、307Y、307Kを備え、ヘッドシェーディング補正データが格納されている。これらのヘッドシェーディング(HS)データはメモリ制御(R/W)回路207により、読出し/書込みが行われる。これらのEEPROMには、予め記録ヘッドIDとHS補正データが書き込まれる。記録ヘッドIDは他の色のインクを吐出する記録ヘッドとも重複しないIDとなっている。
【0045】
なお、以上の説明では、RAMをメインメモリとして、HDDを大容量記憶デバイスとして用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、FeRAM、MRAMなどの他のデバイスを用いても良いし、HDDの代わりに、SDD(半導体磁気記憶媒体)や光ディスク(MOやPD等の光磁気ディスク、CD−RW、DVR−RAM、DVD−RW、DVD+RW)などを用いても良い。
【0046】
また、通信インタフェースとしてもUSBやLANインタフェースに限らず、例えば、IEEE1394等のシリアルインタフェースやIEEE1284などのパラレルインタフェースなどを用いても良い。
【0047】
<画像シフトとヘッドシェーディング処理の説明(
図5〜
図6)>
図5は標準的に実行される画像シフトを説明する図である。
【0048】
図5に示すように、ページ毎の用紙位置401は記録装置301における記録用紙の搬送が正常に実行される限り変化しないが、各ページにおける画像の印刷開始位置(記録位置)402、403はページ毎に変化する。これが画像シフトである。
【0049】
画像をシフトして記録する際は、
図5に示すように、記録用紙内で画像が左右(記録ヘッドのノズル配列方向)にシフトして記録される。
【0050】
図6は標準的に実行されるヘッドシェーディング(HS)処理を説明する図である。
【0051】
図6に示すように、記録ヘッドの全ノズルから吐出されるインクにより記録される画像の濃度501は各ノズルの特性の違いによりノズル配列方向に変動する。画像の濃度501は濃度ムラ情報とも言われる。このような濃度変動に対して、逆方向の値をもつ濃度変動の補正パラメータ502を生成し、これを濃度むらのある画像503に適用すると、濃度むらのない画像504が得られる。
【0052】
このような記録ヘッドのノズル列の各ノズルに対応した補正を施す処理をヘッドシェーディング処理、或いは、ヘッドシェーディング(HS)補正という。HS処理では、
図6で示すように補正パラメータ502を元の画像データに対して加算することで、濃度ムラを相殺するための処理を行なう。記録装置にでは、記録ヘッドの特性が計時的に変化するので、定期的に記録画像の濃度を測定し、その測定から補正パラメータ502を生成し、これをノズルの濃度ムラ情報として記録装置内部に格納する。ノズルの濃度ムラ情報は、記録ヘッドの記録特性を反映した情報であると言える。
【0053】
次に、以上のような構成の記録システムにおいて実行されるヘッドシェーディング補正と画像シフトとを伴う記録動作の実施例について説明する。
【実施例1】
【0054】
図7は実施例1に従う記録動作を実行するために、情報処理装置と記録装置それぞれのRAMに格納されたデータを示す図である。
【0055】
図7に示すように、情報処理装置のRAM312aは、記録に用いる画像データ121、記録装置のノズル濃度ムラ情報122、ヘッドシェーディング(HS)処理を行うか否かの判断フラグ123、記録装置から取得する画像のシフト量124などを格納する。一方、記録装置のRAM202は、ノズルの濃度ムラ情報131、印刷したページのカウント値132、画像シフトを行う際の閾値133、画像シフトを行う量を複数定義した画像シフト値テーブル134などを格納する。なお、RAM202にはこれらの他に、記録に用いる画像データが格納されることは言うまでもない。
【0056】
ここで、画像シフト閾値とは、記録ヘッドが新たな画像のシフト量で画像シフトを行わねばならなくなる印刷ページ数であり、例えば、1000枚などの値が設定される。これは、新たな画像のシフト量を設定しないと、例えば、罫線の連続記録などで同じ記録要素(ノズル)からのインク吐出が集中し、ノズルの劣化などが生じ記録不良が発生するのを防止するための閾値として定義されている。
【0057】
なお、ヘッドシェーディング処理そのものは記録システムにおいて標準的に実行されているものであるので、その処理の詳細についての説明は省略する。
【0058】
一方、情報処理装置は、記録装置に格納されたノズルの濃度ムラ情報を取得し、これをRAM312aに格納しておく。そして、記録装置から得られたノズルの濃度ムラ情報に基づいてヘッドシェーディング補正を実行した方が良いと情報処理装置が判断する場合には、ヘッドシェーディング(HS)処理を行うか否かの判断フラグ123がオンになる。情報処理装置ではノズルの濃度ムラ情報に基づいて記録画像に濃度ムラが発生すると判断したなら、判断フラグ123をオンにセットする。これに対して、濃度ムラが発生しないと判断したなら、判断フラグ123をオフにセットする。いずれにしても、このフラグ設定は画像データを生成し記録装置に送信するのに先立ちなされているものである。このようにして、記録装置のノズルの濃度ムラ情報を情報処理装置で実行するヘッドシェーディング処理に反映させる。
【0059】
次に、この実施例に従う画像処理及び記録動作についてフローチャートを参照して説明する。まず、情報処理装置側の処理を説明し、次に、記録装置側の処理を説明する。
【0060】
図8は情報処理装置側で実行する画像処理を示すフローチャートである。
【0061】
まず、アプリケーションを実行し画像データを生成し、そのデータに基づいてプリンタドライバにおいて画像処理を行う際、ステップS201ではヘッドシェーディング(HS)処理を行うか否かの判断フラグ123を取得する。そして、ステップS202では、判断フラグ123の値に従って、HS処理を行うか否かを判断する。
【0062】
ここで、そのフラグの値からHS処理を行うと判断した場合、処理はステップS203に進み、記録装置301から画像のシフト量124を取得し、これをRAM312aに格納する。ステップS204では、シフト量124に従ってHS処理を施す処理開始位置を設定し、その開始位置により参照するノズルの濃度ムラ情報131の格納アドレス位置を決定する。つまり、記録装置301が画像シフトした際の記録位置に対応したノズルの使用範囲と、画像データとを対応させる。ノズルの使用範囲とは、記録ヘッド305に配列されたノズルにおいて、画像シフト時に使用するノズルの範囲であって、シフト量の違いによってノズルの配列方向における位置が変化する。なお、そのノズルの濃度ムラ情報は予め記録装置301より取得し、RAM312aに格納しておく。そして、ステップS205では、対象画像データのムラを補正する。つまり、ノズルの使用範囲に対応した画像データに対してHS処理を施す。
【0063】
ステップS206では、HS処理の対象となる画像データがあるかどうかを調べ、対象となる画像データがなくなるまでステップS205の処理を続行する。そして、処理対象全ての画像データの補正を行った後、処理はステップS207において画像データと共に、今回の補正で使用した画像シフトの情報(シフト量)をシフト量指定情報として記録装置301に送信する。
【0064】
一方、ステップS202において、HS処理を行わないと判断された場合、処理はステップS208に進み、アプリケーションにより生成された画像データをそのまま記録装置301に送信する。
【0065】
図9は記録装置側で実行する記録動作を示すフローチャートである。
【0066】
まず、ステップS301では情報処理装置側から送信された画像データを受信し、ステップS302ではその受信画像データにシフト量指定情報が含まれているかどうかを調べる。
【0067】
ここで、シフト量指定情報が含まれていると判断された場合、処理はステップS303に進み、記録時に使用する画像シフト量を受信画像データで指定された画像シフト量の値に書き換える。このようにして、情報処理装置からの指定された画像シフト量による記録が記録装置で設定した画像シフト量による記録に優先される。
【0068】
これに対して、シフト量指定情報が含まれておらず、画像シフト指定がされていないと判断された場合、処理はステップS304に進み、現在のページカウンタのカウント値と画像シフト閾値を比較し、カウント値が画像シフト閾値を超えたか否かを判断する。なお、画像シフト閾値(STH)はROM203から読み出され、予めRAM202に格納されているものである。
【0069】
上記比較の結果、現在のページカウンタの値(PCNT)が画像シフト閾値を超えていた場合(PCNT>STH)、処理はステップS305に進み、記録時に使用する画像シフト量を画像シフト値テーブルに設定されている次の値に変更する。さらに、ステップS306ではページカウンタの値をリセットする。これに対して、現在のページカウンタの値(PCNT)が閾値を超えていなかった場合(PCNT≦STH)、処理はステップS307に進み、画像シフト量の更新は行わない。
【0070】
そして、ステップS308では、新しく設定された画像シフト量、或いは、以前の画像シフト量に従って、画像記録の位置をシフトさせながら記録を行い、ステップS309では記録したページ数分だけ、ページカウンタの値を更新する(カウントアップ)。
【0071】
従って以上説明した実施例に従えば、情報処理装置から画像データとともに送信される画像シフト量に従って、記録装置では画像シフトを行って画像を記録することができる。
【実施例2】
【0072】
図10は実施例2に従う記録動作を実行するために、情報処理装置と記録装置それぞれのRAMに格納されたデータを示す図である。なお、
図10において、既に
図7で説明したのと同じデータについては同じ参照番号を付し、その説明は省略し、ここでは、実施例2に特有のデータについてのみ説明する。
【0073】
図10と
図7とを比較すると分かるように、情報処理装置のRAM312aに格納されるデータは実施例1のそれと同じである。一方、記録装置のRAM202には、印刷ページ数の値132aを格納する。
【0074】
なお、実施例2における情報処理装置側の処理は実施例1の
図8で説明したのと同じであるので、その説明は省略し、ここでは記録装置側の記録動作に関わる処理だけをフローチャートを参照して説明する。ただ、この実施例では、情報処理装置は画像データの送信とともに、それが何ページ分の記録になるのか記録ページ数の情報を合わせて送信する。
【0075】
図11は記録装置側で実行する記録動作を示すフローチャートである。なお、
図11において、既に実施例1の
図9を参照して説明したのと同じ処理ステップには同じステップ参照番号を付し、その説明は省略する。ここでは、この実施例に特有の処理についてのみ説明する。
【0076】
情報処理装置から送信された画像データをステップS301で受信すると、ステップS302’では受信画像データが何ページ分の画像の記録になるのかページ数を確認する。そして、ステップS303’において、そのページ数を印刷ページ数の値132aとしてRAM202に格納する。
【0077】
ステップS304〜S306は実施例1と同様の処理を実行する。
【0078】
そして、ステップS304において現在のページカウンタの値(PCNT)が画像シフト閾値を超えていた場合(PCNT>STH)、或いは、ステップS306においてページカウンタの値がリセットされた後、処理はステップS306’に進む。そして、ステップS306’では実施例1のステップS302と同様に、その受信画像データにシフト量指定情報が含まれているかどうかを調べる。
【0079】
ここで、シフト量指定情報が含まれていると判断された場合、処理はステップS307’に進み、記録時に使用する画像シフト量を受信画像データで指定された画像シフト量の値に書き換える。これに対して、シフト量指定情報が含まれておらず、画像シフト指定がされていないと判断された場合、処理はステップS308に進む。
【0080】
そして、ステップS308では、新しく設定された画像シフト量、或いは、以前の画像シフト量に従って、画像記録の位置をシフトさせながら記録を行う。
【0081】
従って以上説明した実施例によれば、印刷ページ数を先読みしてページカウンタを更新するため、実施例1と比べ、情報処理装置へ通知される画像シフト情報がより最新の値にする事ができる。
【0082】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或は装置に供給し、そのシステム或は装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。