(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ゲート駆動回路は前記パワーオフ遅延時間内で前記ロジック電源電圧が低下し始める前にゲート信号出力を止めることを特徴とする請求項3記載の有機発光表示装置。
前記タイミングコントローラは前記パワーオフスタート時点から前記パワーオフ遅延時間までの時間より短い時間に設定されたゲートオン時間に到逹する時前記ゲート駆動回路の動作タイミングを制御するためのゲートタイミング制御信号の出力を止めることを特徴とする請求項4記載の有機発光表示装置。
前記ゲート駆動回路は前記パワーオフ遅延時間内で前記ロジック電源電圧が低下し始める前にゲート信号出力を止めることを特徴とする請求項7記載の有機発光表示装置。
前記タイミングコントローラは前記パワーオフスタート時点から前記パワーオフ遅延時間までの時間より短い時間に設定されたゲートオン時間に到逹する時、前記ゲート駆動回路の動作タイミングを制御するためのゲートタイミング制御信号の出力を止めることを特徴とする請求項9記載の有機発光表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
明細書全体に亙って同一参照番号は実質的に同一構成要素子を意味する。以下の説明で、本発明と係わる公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明にすることがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0011】
図1を参照すれば、本発明の実施の形態に係る有機発光表示装置は表示パネル10、表示パネル10にデータを書き込むためのパネル駆動回路、及びパネル駆動回路の駆動に必要な電源を発生する電源部20を含む。
【0012】
パネル駆動回路はデータ駆動回路12、ゲート駆動回路13、タイミングコントローラ11などを含む。パネル駆動回路は電源入力信号(EL_ON)の変化を検知し、パワーオフスタート時点を判断する。そしてパネル駆動回路はパワーオフ遅延時間の間ロジック電源電圧を供給受けて追加駆動され、入力映像と無関係に残像消去のためにあらかじめ設定されたブラックデータを前記画素に書き込むか、前記パワーオフ遅延時間の間前記画素を初期化し前記画素の発光を抑制する。パワーオフ遅延時間はパワーオフスタート時点以後にロジック電源電圧12Vが維持される時間である。
【0013】
表示パネル10では複数のデータライン14と複数のゲートライン15が交差する。画素(P)はデータライン14とゲートライン15の交差によって定義されたマトリックス形態で配置される。ゲートライン15はスキャンライン15aとエミッションライン15b及び初期化ライン15cに分けられる。画素(P)それぞれは
図4のようにOLED、駆動TFT(Thin Film Transistor)、4つのスイッチTFTと2つのキャパシタを含む回路で形成できるがこれに限定されない。例えば、画素(P)はOLED、データ電圧によってOLEDに流れる電流を調節する駆動素子、一つ以上のスイッチ素子と一つ以上のキャパシタなどを含みスキャンパルスに応答しデータ電圧を駆動素子のゲートに供給した後発光制御信号に応答しOLEDを発光させる公知のどのような回路でも具現されることができる。
【0014】
タイミングコントローラ11は外部のホストシステム(host system)から入力されるデジタルビデオデータ(RGB)を表示パネル10の画素配置に対応するように再整列しデータ駆動回路12に供給する。ホストシステムはTVシステム、セットトップボックス、ナビゲーションシステム、DVDプレーヤー、ブルーレイプレーヤー、パソコン(PC)、ホームシアターシステム、フォンシステム(Phone system)中いずれか一つに実現されることができる。ホストシステムは入力映像のデジタルビデオデータと共にそのデータと同期されるタイミング信号(Vsync、Hsync、CLK、DE)をタイミングコントローラ11に伝送する。
【0015】
タイミングコントローラ11は垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、メインクロック信号(CLK)及びデータイネーブル信号(DE)などのタイミング信号を利用しデータ駆動回路12の動作タイミングを制御するためのソースタイミング制御信号(DDC)と、ゲート駆動回路13の動作タイミングを制御するためのゲートタイミング制御信号(GDC)を発生する。ソースタイミング制御信号はソーススタートパルス(Source Start Pulse、SSP)、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock、SSC)、ソース出力イネーブル信号(Source Output Enable、SOE) などを含む。ゲートタイミング制御信号はゲート信号のスタートタイミングを定義するゲートスタートパルス(Gate Start Pulse、GSP)、ゲート信号のシフトタイミングを定義するシフトクロック(shift clock、GSC)、ゲート信号の出力タイミングを定義するゲート出力イネーブル信号(Gate Output Enable、GOE) などを含む。
【0016】
データ駆動回路12はタイミングコントローラ11から入力されるデジタルビデオデータ(RGB)をガンマ補償電圧に変換しアナログデータ電圧を発生して、そのデータ電圧をデータライン14に供給する。ゲート駆動回路13はタイミングコントローラ11の制御の下にゲート信号を発生しそのゲート信号を画素アレイのローライン単位で順次シフトする。ゲート信号は
図5のようにスキャン信号(SCAN)、発光制御信号(EM)、及び初期化信号(INIT)を含むことができるがこれに限定されない。ゲート駆動回路13はタイミングコントローラ11の制御の下にデータ電圧と同期されるスキャン信号(SCAN)をスキャンライン15aに順次供給し、発光制御信号(EM)をエミッションライン15bに順次供給する。そしてゲート駆動回路13は初期化信号(INIT)をライン順次方式で初期化ライン15cに順次供給する。スキャン信号(SCAN)と発光制御信号(EM)、及び初期化信号(INIT) それぞれはゲートハイ電圧(VGH)とゲートロー電圧(VGL)の間でスイングする。ゲートハイ電圧(VGH)は画素(P)に形成されたスイッチ TFTのしきい電圧以上の高い電圧で設定される一方、ゲートロー電圧(VGL)は画素(P)に形成されたスイッチTFTのしきい電圧より低い電圧に設定される。
【0017】
電源部20は電源入力信号(EL_ON)がハイロジック電圧で入力されればパネル駆動回路を駆動させるロジック電源電圧を発生する。電源部20は電源入力信号(EL_ON)がハイロジックレベルを維持するパワーオン状態で高電位電源電圧(EVDD)、低電位電源電圧(EVSS)、基準電圧(Vref)、初期化電圧(Vinit)を生成することができる。電源部20は電源入力信号(EL_ON)がローロジック 電圧で低くなる時、高電位電源電圧(EVDD)をグラウンド電位あるいは0Vに低下させ、その後パワーオフ遅延時間(
図3のToff) 間パネル駆動回路が正常に動作するようにロジック電源電圧の出力を12Vで維持した後に、そのロジック電源電圧をグラウンド電位あるいは0Vまで低下させる。高電位電源電圧(EVDD)がグラウンド電位まで低下すれば画素(P)のOLEDに電流が流れないので画素(P)は発光できない。
【0018】
電源入力信号(EL_ON)は 3.3VとOV間でスイングする3.3VTTL(Transistor Transistor Logic) 電圧として、有機発光表示装置の電源状態を指示する。電源入力信号(EL_ON)は有機発光表示装置の電源がターン-オンされパワーオン状態になるとパワーオフ状態に転換される前までハイロジックレベル3.3Vで維持される。パワーオフ状態は有機発光表示装置の電源が使用者や他の原因によってターン-オフされる時に発生する。パワーオフ状態で、あらかじめ設定されたパワーオフ・シーケンス(Power off sequence)によって有機発光表示装置の駆動電圧が順次オフされる。電源入力信号(EL_ON)はパワーオフ状態に切り換わるとローロジックレベル0Vに下がる。
【0019】
ロジック電源電圧は12V電源である。電源部20は電源入力信号(EL_ON)がローロジックレベルに変わるパワーオフスタート時点から所定時間が経過されるまでのパワーオフ遅延時間(Toff) 間、ロジック電源電圧12Vをそのまま維持した後、そのロジック電源電圧12Vの出力を遮断する。したがって、パネル駆動回路はパワーオフ・シーケンス過程でパワーオフ遅延時間(Toff)の間は正常に動作し、その後にロジック電源電圧12Vが入力されなくなるとディセーブル(disable)されて動作を止める。パワーオフ遅延時間(Toff)は1フレーム期間以上であり約50msec以上の時間で設定されることができるがこれに限定されない。
【0020】
タイミングコントローラ11はデータ駆動回路12とゲート駆動回路13を制御し、パワーオフ・シーケンス過程で表示パネル10の画素アレイに残っている残像を消去する。
図2は本発明の実施の形態に係る有機発光表示装置の残像消去方法の制御手順を段階的に示す流れ図である。
【0021】
図2を参照すると、タイミングコントローラ11は電源入力信号(EL_ON)の変化を検知し電源入力信号が所定の基準値以下に低下した時、パワーオフスタートと判断する。(S1及びS2)タイミングコントローラ11はパワーオフスタート時点からパワーオフ遅延時間(Toff)の間、データ駆動回路12とゲート駆動回路13を制御し、画素アレイに残っている残像を消去する。(S3) 残像は下の第1及び第2実施の形態のような残像消去方法で消去されることができる。パワーオフスタート時点以後には高電位電源電圧(EVDD)が画素(P)に印加されないので画素(P)はOLEDに電流が流れないので発光されない。したがって、本発明は画素が発光されない状態で画素(P)を放電させて残像を消去する。使用者はパワーオフ以後に画素が発光されないで黒く見えるのでパワーオフ以後に画素(P)が放電する現象を認識できない。
【0023】
タイミングコントローラ11は第1実施の形態で少なくとも1フレーム期間の間、データ駆動回路12にブラックデータを伝送し、データ駆動回路12とゲート駆動回路13を駆動させ、画素(P)にブラックデータを書き込む。パワーオフ・シーケンス過程で画素に書き込まれるブラックデータは入力映像データと無関係にパワーオフ・シーケンス過程で残像を消去するための目的にタイミングコントローラ11内に記憶されている。タイミングコントローラ11には残像消去のためのブラックデータがブラック階調値のデジタルデータ"000000002“で設定されレジスターに記憶されることができる。ブラックデータはブラック階調付近の暗い階調、例えば“0000XXXX2”に設定されることができる。ここで、Xは0または1である。タイミングコントローラ11はパワーオフスタート時点にそのレジスターからブラックデータを読み出してデータ駆動回路12に伝送する。データ駆動回路12は第1実施の形態でパワーオフ遅延時間(Toff)間、追加駆動されタイミングコントローラ11から入力されるブラックデータをガンマ補償電圧に変換してブラックデータ電圧を発生し、そのブラックデータ電圧をデータライン14に供給する。ゲート駆動回路13は第1実施の形態でパワーオフ遅延時間(Toff)の間追加駆動されタイミングコントローラ11の制御の下にスキャン信号(SCAN)、発光制御信号(EM)、及び初期化信号(INIT)を発生する。画素(P)はパワーオフ遅延時間(Toff)内でブラックデータ電圧が供給される時残留電荷を、データラインを通じて放電する。したがって、画素(P)の残像がパワーオフ遅延時間(Toff)内で消される。
【0024】
タイミングコントローラ11はパワーオフ・シーケンス過程においてパワーオフ遅延時間(Toff)内で許容されるN(Nは正の整数)フレーム期間の間画素(P)にブラックデータを繰り返し的に書き込むこともできる。
【0026】
タイミングコントローラ11は第2実施の形態でゲートタイミング制御信号(GDC)を変調して画素(P)の発光を抑制することができる。ゲートタイミング制御信号(GDC)はスキャン信号(SCAN)、発光制御信号(EM)、及び初期化信号(INIT)それぞれのスタートタイミングを指示するスタートパルス、その信号のシフトタイミングを指示するクロック信号を含む。タイミングコントローラ11は第2実施の形態でゲートタイミング制御信号(GDC)を変調して画素(P)を初期化し、画素(P)の発光を抑制する。
【0027】
タイミングコントローラ11は第2実施の形態でどのようなデータもデータ駆動回路12に供給しない。データ駆動回路12は第2実施の形態によればパワーオフ・シーケンス過程でデータ電圧を出力しない。ゲート駆動回路13は、第2実施の形態ではタイミングコントローラ11の制御の下に画素(P)の初期化に必要な信号のみを順次供給し、画素(P)の発光タイミングを制御する発光制御信号(
図5のEM(P2))を出力しない。画素(P)の初期化に必要な信号、例えば、
図7のEM、INITが画素(P)に印加されれば画素(P)でTFTの中で一部がターン-オンされる。画素(P)はパワーオフ遅延時間(Toff)内でターン-オンされたTFTを通じて残留電荷を放電する。
【0028】
図3はパワーオフ・シーケンス過程でパワーオフ遅延時間(Toff)を示す波形図である。
【0029】
図3を参照すると、タイミングコントローラ11は電源入力信号(EL_ON)がハイロジックレベルを維持するパワーオン状態で入力映像のデジタルビデオデータをデータ駆動回路12に伝送し、データ駆動回路12とゲート駆動回路13を正常な方法で制御して入力映像のデータを画素(P)に書き込む。画素(P)にはデータが毎フレーム期間ごとにアップデートされる。
図3において“正常フレーム”はパワーオン状態で入力映像のデータが画素(P)に書き込まれる1フレーム期間を示す。
【0030】
タイミングコントローラ11は電源入力信号(EL_ON)がローロジックレベルに変わる時にパワーオフスタート時点と判断して、ロジック電源電圧12Vが維持されるパワーオフ遅延時間(Toff)間データ駆動回路12とゲート駆動回路13を制御し、画素アレイに残っている残像を消去する。
図3で“Offフレーム”はパワーオフ・シーケンス過程で画素(P)にブラックデータが書き込まれるか発光制御信号の遮断によって画素(P)の発光が抑制され残像が消去される1フレーム期間を示す。パワーオフ遅延時間(Toff)内には1つ以上のOffフレーム期間が割り当てられることがある。
【0031】
画素(P)それぞれは
図4のようにデータライン14とスキャンライン15aとエミッションライン15b、及び初期化ライン15cに接続される。画素(P)それぞれは高電位電源電圧(EVDD)、低電位電源電圧(EVSS)、基準電圧(Vref)、初期化電圧(Vinit)などの画素駆動電源の供給を受ける。基準電圧(Vref)と初期化電圧(Vinit)は低電位電源電圧(EVSS)より低く設定されることができる。基準電圧(Vref)は初期化電圧(Vinit)より高く設定される。基準電圧(Vref)と初期化電圧(Vinit)の間の差は駆動TFT(DT)のしきい電圧よりも大きくなるように設定されることができる。高電位電源電圧(EVDD)、低電位電源電圧(EVSS)、基準電圧(Vref)、初期化電圧(Vinit)はホストシステムまたは電源部20で生成されることができる。
【0032】
タイミングコントローラ11は電源入力信号(EL_ON)がローロジックレベルに変わる時点に画素(P)に入力映像のデータがアップデートされていたら
図3のように残りデータを画素(P)に全て書き込む後残像を消去することができる。
【0033】
図4は画素(P)の一例を示す回路図である。
図5はパワーオン状態で正常に入力映像を表示する画素(P)の動作を示す波形図である。
【0034】
図4及び
図5を参照すると、画素(P)は OLED、駆動TFT(DT)、第1ないし第4スイッチTFT(ST1〜ST4)、補償キャパシタ(Cgss)及びストレージ キャパシタ(Cst)を備える。
【0035】
OLEDは駆動TFT(DT)から供給される電流によって発光する。OLEDのアノードとカソードの間には有機化合物層が積層される。OLEDの有機化合物層は正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)、電子輸送層(ETL)及び電子注入層(EIL)などを含むことができるが、これに限定されるのではなく公知のどのようなOLED構造でも適用可能である。
【0036】
駆動TFT(DT)は自分のゲート-ソースの間電圧でOLEDに流れる電流を調節する。駆動TFT(DT)のゲート電極はノードBに、ドレーン電極は高電位セル駆動電圧(EVDD)入力端に、ソース電極はノードCにそれぞれ接続される。
【0037】
第1スイッチTFT(ST1)は発光制御信号(EM)に応答しノードAとノードBの間の電流パスをスイッチングする。第1スイッチTFT(ST1)はターンオンされることでノードAに蓄積(記憶)されたデータ電圧(Vdata)をノードBに伝達する。第1スイッチTFT(ST1)のゲート電極はエミッションライン15bに、ドレーン電極はノードAに、ソース電極はノードBにそれぞれ接続される。
【0038】
第2スイッチTFT(ST2)は初期化信号(INIT)に応答し初期化電圧(Vinit)の入力端とノードCの間の電流パスをスイッチングする。第2スイッチTFT(ST2)はターンオンされることでノードCに初期化電圧(Vinit)を供給する。第2スイッチTFT(ST2)のゲート電極は初期化ライン15cに、ドレーン電極は初期化電圧(Vinit)の入力端に、ソース電極はノードCにそれぞれ接続される。
【0039】
第3スイッチTFT(ST3)は初期化信号(INIT)に応答し基準電圧(Vref)の入力端とノードBの間の電流パスをスイッチングする。第3スイッチTFT(ST3)はターン-オンされることでノードBに基準電圧(Vref)を供給する。第3スイッチTFT(ST3)のゲート電極は初期化ライン15cに、ドレーン電極は基準電圧(Vref)の入力端に、ソース電極はノードBにそれぞれ接続される。
【0040】
第4スイッチTFT(ST4)はスキャン信号(SCAN)に応答しデータライン14とノードAの間の電流パスをスイッチングする。第4スイッチTFT(ST4)はターンオンされることでノードAにデータ電圧(Vdata)を供給する。第4スイッチTFT(ST4)のゲート電極はスキャンライン15aに、ドレーン電極はデータライン14に、ソース電極はノードAにそれぞれ接続される。
【0041】
補償キャパシタ(Cgss)はノードBとノードCの間に接続される。補償キャパシタ(Cgss)は駆動TFT(DT)のしきい電圧の検出の時ソースフォロワ方式ができるようにし、しきい電圧に対する補償能力向上に寄与する。
【0042】
ストレージ キャパシタ(Cst)はノードAとノードCの間に接続される。ストレージキャパシタ(Cst)はノードAに入力されたデータ電圧(Vdata)を蓄積(記憶)し、ノードCに伝達する。
【0043】
画素(P)の動作はノードA、B、Cを特定電圧で初期化する初期化期間(Ti)、駆動TFT(DT)のしきい電圧を検出及び記憶するセンシング期間(Ts)、データ書き込みのためにデータ電圧(Vdata)を画素(P)に印加するプログラミング期間(Tp)、及び駆動TFT(DT)のしきい電圧に影響を受けないデータ電圧(Vdata)によって駆動される駆動TFT(DT)を通じてOLEDの電流を供給する発光期間(Te)に分けられる。発光期間(Te)は第1及び第2発光期間(Te1、Te2)に分けられる。
【0044】
初期化期間(Ti)で、第2及び第3スイッチTFT(ST2、ST3)はハイロジックレベルの初期化信号(INIT)に応答し同時にターン-オンされる。第1スイッチTFT(ST1)は初期化期間(Ti)に発光制御信号(EM)の第1パルス(P1)に応答してターン-オンされる。発光制御信号(EM)の第1パルス(P1)は初期化信号(INIT)と重畳される。初期化信号(INIT)のパルスは初期化を安定化するために発光制御信号(EM)の第1パルス(P1)よりさらに広く設定されることが望ましい。その結果、初期化期間(Ti)間初期化電圧(Vinit)はノードCに供給され、基準電圧(Vref)はノードBに供給される。また、基準電圧(Vref)は第1及び第3スイッチTFT(ST1、ST3)を経由しノードAに供給される。第4スイッチTFT(ST4)は初期化期間(Ti)でオフ状態を維持する。駆動TFT(DT)のゲート電圧をソース電圧より高くして駆動TFT(DT)のドレーン-ソースの間電流パスを導通させるために、基準電圧(Vref)は初期化電圧(Vinit)よりも高く設定される。
【0045】
初期化電圧(Vinit)は発光期間(Te)を除外した残り期間(Ti、Ts、Tp)でOLEDが発光されないように適切に低い値に設定される。例えば、高電位セル駆動電圧(EVDD)が20V、低電位セル駆動電圧(EVSS)が0Vに設定される場合、基準電圧(Vref)及び初期化電圧(Vinit)はそれぞれ−1V及び−5Vで設定されることができる。
【0046】
図5のようなスキャン信号(SCAN)、発光制御信号(EM)、及び初期化信号(INIT)は一組を成し画素アレイの 1ラインを選択するためのスキャンライン15a、エミッションライン15b、及び初期化ライン15cを含む1組のゲートラインに供給される。このような信号(SCAN、EM、INIT)は画素アレイのローライン(Row line)単位でシフトしながらゲートライン15に供給される。
【0047】
センシング期間(Ts)で、発光制御信号(EM)と初期化信号(INIT)はローロジックレベルに反転される。スキャン信号(SCAN)もセンシング期間(Ts)にローロジックレベルで維持される。その結果、第1ないし第4スイッチTFT(ST1、ST2、ST3、ST4)はセンシング期間(Ts)間オフ状態を維持し、駆動TFT(DT)を介して流れる電流(Idt)は徐々に減少される。駆動TFT(DT)のゲート-ソース間電圧が駆動TFT(DT)のしきい電圧(Vth)まで到逹すれば駆動TFT(DT)がターンオフされ、この時駆動TFT(DT)のしきい電圧(Vth)がソースフォロワ方式に検出されノードCに充電される。
【0048】
プログラミング期間(Tp)で、第4スイッチTFT(ST4)は入力映像のデータ電圧(Vdata)に同期されるハイロジックレベルのスキャン信号(SCAN)によってターン-オンされる。この時データ電圧(Vdata)はノードAに供給される。第1ないし第3スイッチTFT(ST1、ST2、ST3)はプログラミング期間(Tp)間オフ状態を維持する。プログラミング期間(Tp)で、ノードB及びCはTFTまたはキャパシタ によってノードAと分離しているのでセンシング期間(Ts)での電位をほぼそのまま維持する。
【0049】
第1発光期間(Te1)において、第1スイッチTFT(ST1)は発光制御信号(EM)の第2パルス(P2)によってターン-オンされる。この時、ノードAに充電されたデータ電圧(Vdata)がノードBに伝達する。第2ないし第4スイッチTFT(ST2、ST3、ST4)は第1発光期間(Te1)の間オフ状態を維持する。駆動TFT(DT)は第1発光期間(Te1)にノードBに伝達するデータ電圧(Vdata)に比例する電流をOLEDに供給する。第1発光期間(Te1)の間、駆動TFT(DT)を介して流れる電流にしたがってノードCの電位が上昇し、その電位がOLEDのしきい電圧以上に上昇するとOLEDを導通させることができる“Voled"まで増加し、その結果OLEDがターン-オンされて発光する。
【0050】
第2発光期間(Te2)で、第1ないし第4スイッチTFT(ST1、ST2、ST3、ST4)はオフ状態を維持する。第2発光期間(Te2)は発光制御信号(EM)が印加される第1スイッチTFT(ST1)の劣化防止のために設定される。このために、発光制御信号(EM)は第1スイッチTFT(ST1)のゲートバイアスストレス(gate bias stress)を補償するために第2発光期間(Te2)間ローロジックレベルに反転される。
【0051】
画素(P)は
図4のような回路によって実現される場合にソースフォロワ方式に従って駆動TFT(DT)のしきい電圧を検出する。ソースフォロワ方式は駆動TFT(DT)のゲート-ソースの間に補償キャパシタを接続させ、しきい電圧検出の時に駆動TFTのソース電圧をゲート電圧に追従させる。さらに、駆動TFT(DT)のドレーンにはゲートと分離して高電位セル駆動電圧(EVDD)が供給されているので、ソースフォロワ方式は正の値を有する駆動TFT(DT)のしきい電圧だけでなく負の値を有するしきい電圧まで検出することができる。画素(P)は駆動TFT(DT)のしきい電圧センシングの時駆動TFT(DT)のゲートをフローティングさせ、駆動TFT(DT)のゲート-ソースの間に接続された補償キャパシタ(Cgss)と駆動TFT(DT)の寄生キャパシタを利用してしきい電圧補償能力を向上することができる。発光制御信号(EM)のオンデューティー(on-duty)を減らせば、発光制御信号(EM)によってスイッチングされるスイッチTFT(ST1)の劣化を最小化することができる。
【0052】
図6は本発明の第1実施の形態に係る有機発光表示装置の残像消去方法で画素に残像を消去するためのブラックデータを書き込む動作を説明する波形図である。
図6で、ゲート信号の中で発光制御信号(EM)と初期化信号(INIT)は省略されている。
【0053】
図6を参照すれば、ゲート駆動回路13はタイミングコントローラ11の制御の下にパワーオン状態で入力映像のデータ電圧に同期されるスキャン信号(SCAN1〜SCANn)を順次にスキャンライン15aに供給する。したがって、パワーオン状態で画素(P)には入力映像のデータが書き込まれる。
【0054】
タイミングコントローラ11は電源入力信号(EL_ON)がローロジックレベルに変わった以後にパワーオフ遅延時間(Toff)内で入力映像データと無関係に残像消去を目的に設定されたデジタルブラックデータをデータ駆動回路12に伝送する。デジタルブラックデータは入力映像データと無関係に残像消去を目的に設定されタイミングコントローラ11で生成される。デジタルブラックデータはパワーオフスタート以後パワーオフ遅延時間(Toff)以内で画素(P)の放電を誘導する。
【0055】
データ駆動回路12はデジタルブラックデータをガンマ補償電圧に変換してブラックデータ電圧を生成しそのブラックデータ電圧をデータライン14に供給する。ゲート駆動回路13はパワーオフ遅延時間(Toff)内でタイミングコントローラ11の制御の下にブラックデータ電圧と同期されるスキャン信号(SCAN1〜SCANn)を順次にスキャンライン15aに供給する。したがって、パワーオフ・シーケンス過程で画素(P)には入力映像と無関係なブラックデータが書き込まれる。画素(P)にブラックデータが書き込まれるので残像が消去される。
【0056】
基準電圧(Vref)及び初期化電圧(Vinit)はパワーオフスタート時点にグラウンド電圧あるいは0Vに変わる。これはパワーオフスタート以後に基準電圧(Vref)及び初期化電圧(Vinit)が負極性電圧または正極性電圧で維持されれば画素(P)に不必要な電荷が積もることができるからである。したがって、パワーオフスタート以後に画素(P)のノードA、B及びCはグラウンド電位まで放電する。
【0057】
図7及び
図8は本発明の第2実施の形態に係る有機発光表示装置の残像消去方法で画素(P)を初期化し、発光を抑制して残像を消去する動作を説明する波形図である。
【0058】
図7及び
図8を参照すれば、タイミングコントローラ11は電源入力信号(EL_ON)がローロジックレベルに変わったパワーオフスタート時点に発光制御信号(EM)の第2パルス(P2)とスキャン信号(SCAN)が発生されないようにゲートタイミング制御信号(GDC)を変調する。
【0059】
データ駆動回路12はパワーオフ遅延時間(Toff)間、タイミングコントローラ11からどのようなデータも入力されないのでデータ電圧を出力しない。ゲート駆動回路13はタイミングコントローラ11の制御の下にパワーオフ遅延時間(Toff)間画素(P)を初期化するための発光制御信号(EM)の第1パルス(P1)と初期化信号(INIT)を発生し、その信号を
図8のように順次シフトさせる。ゲート駆動回路13はタイミングコントローラ11の制御の下にパワーオフ遅延時間(Toff)間発光制御信号(EM)の第2パルス(P2)を出力しないでデータ電圧と同期されるスキャン信号(SCAN)のパルスを発生しない。
【0060】
画素(P)はパワーオフ遅延時間(Toff)間、
図7及び
図8のような信号(EM(P1)、INIT)に応答して放電する。この時、画素(P)それぞれで、ノードA、B及びCはグラウンド電圧源に接続され放電する。画素(P)のOLEDはパワーオフ遅延時間(Toff)間オフ状態を維持して発光しない。
【0061】
図9は本発明の第1実施の形態に係る有機発光表示装置の残像消去方法を実現するためのタイミングコントローラの構成を示すブロック図である。
【0062】
図9を参照すると、タイミングコントローラ11は電源検知部111、データ整列部112、レジスター113、タイミング制御信号発生部114を含む。
【0063】
電源検知部111は電源入力信号(EL_ON)の電圧変化を検知してパワーオン状態またはパワーオフ状態を指示するパワーオン/オフ信号を出力する。
【0064】
データ整列部112は入力映像のデジタルビデオデータと、残像消去のためのデジタルブラックデータを受信する。データ整列部112は表示パネル10の画素配置に対応するようにデータを整列する。データ整列部112は電源検知部111から入力されるパワーオン/オフ信号の第1ロジックレベルに応答してパワーオン状態で入力映像のデジタルビデオデータを選択してデータ駆動回路12に伝送する。一方、電源検知部111から入力されるパワーオン/オフ信号の第2ロジックレベルに応答しパワーオフ遅延時間(Toff)に残像消去のためのデジタルブラックデータを選択してデータ駆動回路12に伝送する。デジタルブラックデータは入力映像と無関係に設定されタイミングコントローラ11の内蔵レジスター113に記憶される。
【0065】
タイミング制御信号発生部114は垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、メインクロック信号(CLK)及びデータイネーブル信号(DE)などのタイミング信号の受信を受けてそのタイミング信号をカウントしてデータタイミング制御信号(DDC)とゲートタイミング制御信号(GDC)を発生する。本発明の第1実施の形態に係る有機発光表示装置の残像消去方法では、パワーオフ・シーケンス過程でデータタイミング制御信号(DDC)とゲートタイミング制御信号(GDC)は変調されない。したがって、本発明の第1実施の形態に係る有機発光表示装置の残像消去方法で、データ駆動回路12とゲート駆動回路13はパワーオフ遅延時間(Toff)間、パワーオン状態のような方法で正常動作し、ブラックデータを画素(P)に書き込んで残像を消去する。
【0066】
図10は本発明の第2実施の形態に係る有機発光表示装置の残像消去方法を実現するためのタイミングコントローラの構成を示すブロック図である。
【0067】
図10を参照すると、タイミングコントローラ11は電源検知部117、データ整列部115、及びタイミング制御信号発生部116を含む。
【0068】
電源検知部117は電源入力信号(EL_ON)の電圧変化を検知してパワーオン状態またはパワーオフ状態を指示するパワーオン/オフ信号を出力する。
【0069】
データ整列部115は入力映像のデジタルビデオデータを受信し、表示パネル10の画素配置に対応するようにデータを整列した後、データ駆動回路12に伝送する。
【0070】
タイミング制御信号発生部116は垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、メインクロック信号(CLK)及びデータイネーブル信号(DE)などのタイミング信号の受信を受け、そのタイミング信号をカウントしてパワーオン/オフ信号の第1ロジックレベルを維持するパワーオン状態で
図5のような波形が生成されるようにデータタイミング制御信号(DDC)とゲートタイミング制御信号(GDC)を発生する。タイミング制御信号発生部116は電源検知部117から入力されるパワーオン/オフ信号の第2ロジックレベルに応答しパワーオフスタート時点に
図7及び
図8のような信号が発生されるようにゲートタイミング制御信号(GDC)を変調する。その変調方法の一例として、スキャン信号(SCAN)のスタートパルスを発生せず、発光制御信号(EM)のスタートパルスから第1パルスだけ発生し第2パルスを発生しない方法である。発光制御信号(EM)のスタートパルスはパワーオン状態で発光制御信号(EM)のような第1及び第2パルス(P1、P2)を含む。発光制御信号(EM)の変調されたスタートパルスに第1パルスだけ含まれれば、
図7及び
図8のように発光制御信号(EM)は画素(P)の初期化のための第1パルス(P1)だけ含まれる。
【0071】
ゲート駆動回路13がゲート信号を
図11のようにロジック電源電圧が下がるまで出力すると、ロジック電源電圧の変動によってゲート駆動回路13の出力が非正常的に変動し、表示パネル10のいずれかのラインでそのゲート信号の波形歪が発生し、そのゲート信号電圧によって画素(P)に電荷が蓄積されてしまうことがある。その結果、画素(P)に不要な電荷が蓄積し、このような電荷は画素(P)でTFTのストレスを増加させ、しきい電圧変動と劣化をもたらすことがある。このようにロジック電源電圧が低下する過程やロジック電源電圧が0Vまで下がった後にもゲート駆動回路13の出力が発生されると(
図11の傾斜線パターン参照)、有機発光ダイオード表示装置では、電源が再度投入されて表示パネル10に映像が表示された場合に、表示パネルのいずれかのラインに縞模様ノイズが観察されてしまう。
【0072】
本発明は電源入力信号が低下する時、ゲートパワーオフ遅延時間(Toff)内でロジック電源電圧が12Vを維持する間にだけゲート駆動回路13からゲート信号が正常に出力されるようにし、ロジック電源電圧が低下し始める前にゲート駆動回路13の出力を遮断させる。具体的には、タイミングコントローラ11はパワーオフスタート時点からパワーオフ遅延時間(Toff)までの時間より短い時間で設定されたゲートオン時間(Tgon)をカウントし、その時間(Tgon)に到達される時ゲートタイミング制御信号(GDC)の出力を止める。これにより、ゲート駆動回路13はゲートタイミング制御信号(GDC)、すなわち、ゲートスタートパルス(GSP)、ゲートシフトクロック(GSC)、ゲート出力イネーブル信号(GOE)が入力されないため、
図12のように出力を発生しない。
【0073】
前述の本発明の残像消去方法は、パワーオン状態でブラックデータ挿入(Black Data Insertion) 駆動のためにブラック階調データを画素に書き込む方法にも適用されることができる。ブラックデータ挿入駆動は画素に入力映像のデータを書き込んだ後の所定時間後にブラックデータを書き込む。
【0074】
本発明の残像消去方法は、シャッタメガネ(shutter glass)方式の立体映像表示装置のパワーオン状態で3Dクロストーク(crosstalk)を減らすためにブラックデータを画素に書き込む方法にも適用されることができる。3Dクロストークは視聴者の片目(左目または右目)で左目映像と右目映像が共に見え、左目映像と右目映像が重なったように見える現象を意味する。シャッタメガネ方式の立体映像表示装置は表示パネルに表示される左目映像と右目映像を時分割し表示パネルに表示される映像データと同期してシャッタメガネの左目シャッタと右目シャッタをオン/オフする。シャッタメガネ方式の立体映像表示装置は3Dクロストークを減らすために左目映像データが書き込まれるフレーム期間と右目映像データが書き込まれるフレーム期間の間に挿入されるリセットフレーム期間の間画素データにブラック階調データを書き込む。本発明の残像消去方法はシャッタメガネ方式の立体映像表示装置でリセットフレーム期間に適用し画素にブラック階調を表示することができる。