(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744908
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】電界放出照明装置のための共振回路
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-545194(P2012-545194)
(86)(22)【出願日】2010年11月29日
(65)【公表番号】特表2013-515338(P2013-515338A)
(43)【公表日】2013年5月2日
(86)【国際出願番号】EP2010068419
(87)【国際公開番号】WO2011076522
(87)【国際公開日】20110630
【審査請求日】2013年10月17日
(31)【優先権主張番号】09180155.5
(32)【優先日】2009年12月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512162339
【氏名又は名称】ライトラブ スウェーデン アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】キュウ−ホン フー
【審査官】
▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−518387(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/074006(WO,A1)
【文献】
特表2003−526189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードとカソードを備え、固有の所定容量を有する電界放出光源と、
所定インダクタンスを有し、電界放出光源の前記アノードと前記カソードの少なくとも1つに接続しているインダクタと、
前記電界放出光源と前記インダクタに接続し、電界放出光源を動かすための駆動信号を供給するように構成された電源であって、該駆動信号は、前記所定容量と前記所定インダクタンスに基づいて、電界放出照明装置の共振において電力半値幅に対応する、周波数範囲にあるように選択された第1の周波数を有する第1の周波数成分を含む、電源と、
を備える電界放出照明装置。
【請求項2】
前記第1の周波数は、20kHzを超える、請求項1に記載の電界放出照明装置。
【請求項3】
前記駆動信号は、第2の周波数を有する第2の周波数成分を更に含み、
該第2の周波数は、前記第1の周波数より低い、請求項1または2に記載の電界放出照明装置。
【請求項4】
前記第2の周波数成分は、前記第1の周波数成分に対するキャリアである、請求項3に記載の電界放出照明装置。
【請求項5】
前記第2の周波数は、1kHzより低い、請求項3または4に記載の電界放出照明装置。
【請求項6】
前記第1の周波数成分は、正弦波である、請求項3ないし5のいずれか1項に記載の電界放出照明装置。
【請求項7】
前記第2の周波数成分は、正弦波である、請求項3ないし6のいずれか1項に記載の電界放出照明装置。
【請求項8】
第2の周波数成分は、10kVを上回る振幅を有する、請求項3ないし7のいずれか1項に記載の電界放出照明装置。
【請求項9】
前記インダクタは、前記アノードおよび前記カソードと並列に配置される、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電界放出照明装置。
【請求項10】
前記インダクタは、前記アノードと前記カソードの1つと直列に配置される、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電界放出照明装置。
【請求項11】
前記アノードと前記カソードとを備える排気チャンバーと、
該排気チャンバーに接続し、前記インダクタと前記電源を備える、下部構造と、
を更に備える請求項1ないし10のいずれか1項に記載の電界放出照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電界放出照明装置に関するものである。より詳しくは、本願発明は、共振において電界放出照明装置を本質的に駆動する手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、従来の電球を、よりエネルギー効率がよい選択肢により交換する傾向がある。また、従来の電球に似ている形の蛍光源が示されており、しばしばコンパクト型蛍光ランプ(CFL)と呼ばれる。周知のように、すべての蛍光源は少量の水銀を含み、水銀暴露による健康への影響のために問題を起こす。その上、水銀の廃棄に関する厳重な規制のために、蛍光源のリサイクリングは、複雑で高価なものになる。
【0003】
したがって、蛍光光源に対する代替選択肢を提供したいという願望がある。そのような選択肢の例がWO2005074006において提供されており、水銀あるいは他のいかなる健康有害物質も含んでいない電界放出光源を開示している。その電界放出光源は、アノードとカソードを含み、そのアノードは、導電層および、導電層とカソードの間の電位差に起因する電子衝撃により励起されるときに、発光する発光層を含む。高い放出光を達成するためには、4ないし12kVの間の駆動信号を適用することが望ましい。
【0004】
WO2005074006に開示された電界放出光源は、例えば、水銀の不使用が必要なより環境にやさしい照明に対する有望なアプローチを提供する。しかしながら、寿命を伸ばすために、および/または、エネルギー消費を減らすために、駆動条件を改良することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2005074006
【発明の概要】
【0006】
本願発明の態様によると、上記は、少なくとも部分的には、アノードとカソードを備え、固有の所定容量を有する電界放出光源と、所定インダクタンスを有し、電界放出光源の前記アノードと前記カソードの少なくとも1つに接続しているインダクタと、前記電界放出光源と前記インダクタに接続し、電界放出光源を動かすための駆動信号を供給するように構成された、電源であって、該駆動信号は、前記所定容量と前記所定インダクタンスに基づいて、電界放出照明装置の共振における電力半値幅に対応する、周波数範囲にあるように選択された第1の周波数を有する第1の周波数成分を含む、電源と、を備える電界放出照明装置により達成される。
【0007】
本願発明は、カソードとアノードの材料の選択がなされると、ランプの構成と物理的な大きさは決定され、ランプの物理的特性を決定することができるという理解に基づいている。電気回路の観点からすると、これらの特性のいくつかは、所定の抵抗、容量とインダクタンスを有するダイオード、キャパシタおよびインダクタのような電子部品の特性で同定することができる。したがって、ランプは、全体として、異なる態様における、これらの部品のように見える。最も重要なものは、例えば、DC駆動、低周波駆動および共振周波数駆動などの異なる駆動状況の下の共振回路である。共振周波数より低いいかなる周波数でも、低周波と定義される。ランプの内部におよび/外部におけるキャパシタンスやインダクタンスを調節することによって、望ましい共振周波数および、入力電圧と電流の位相関係を選ぶことが可能である。
【0008】
本願発明に従って、電界放出照明装置の共振における電力半値幅が達成されるような第1の周波数の選択は、第1の周波数が、電界放出照明装置の共振周波数を中心に集中するように選ばれ、トータルパワーの半分が含まれるような周波数範囲の中にあることを意味すると理解される。別の言い方をすると、第1の周波数は、駆動信号が、その振幅に対する最大値の半分を上回っているパワーを有するような周波数の範囲の中のどこかにあるように選ばれる。
【0009】
電界放出照明装置の共振を準備する駆動信号の選択とともに、インダクタを含むことの利点は、電界放出照明装置の光出力の増加とともに、電界放出照明装置の低電力消費を含む。より正確には、電界放出照明装置は、好適には、アノードに隣接して配置された蛍光体層を備える。オペレーションの間、カソードは電子を放出することができ、蛍光体層に向かって加速される。放出された電子が蛍光体粒子と衝突するときに、蛍光体層は、発光することができる。蛍光体層から提供される光は、アノードを通して伝わり、これは、(例えば、酸化インジウムスズ「ITO」ベースのアノードを用いて)透明に構成される。
【0010】
好適な実施形態において、前記第1の周波数は、ほぼ、アノードとカソードの固有の容量に依存して、20kHzを超える、駆動信号は、また、第2の周波数を有する第2の周波数成分を含み、第2の周波数は、第1の周波数より低く、たとえば1kHzより低い。都合のよいことに、第2の周波数成分は、第1の周波数成分のためのキャリアとして準備される。
【0011】
好適には、第1及び/又は第2の周波数成分は、本質的にサイン波形を持つように選ぶことができる。しかしながら、他の波形も可能であり、それらも本願発明の範囲内である。
【0012】
高い光出力を達成するために、第2の周波数成分は、10kVを上回る振幅を持つように構成される。しかしながら、電界放出照明装置によって放出される光の調光を可能とすることができる。調光モードにおいて、振幅は、4−15kVの範囲の中にあることができる。
【0013】
インダクタは、アノード及びカソードと平行にも、直列にも、配置することができる。第1の周波数の選択は、また、インダクタがどこに配置されるか、に依存する。
【0014】
好適な実施形態において、電界放出照明装置は、さらに、前記アノードと前記カソードとを備える排気チャンバーと、排気チャンバーに接続する下部構造とを備え、また、インダクタと電源を備える。このようなインプリメンテーションを提供することによって、電界放出照明装置を、一般の電球に対する改良デバイスとして提供することができる。したがって、ベースは、適切なソケットをはめ込むために差込式スリーブのネジを備えることができる。
【0015】
本願発明による更なる特徴、利点が、添付の特許請求の範囲および以下の説明を検討されれば、明らかになる。当業者は、本願発明の要旨を逸脱しない範囲で、以下に記載される実施形態以外の実施形態をつくるために、本願発明の異なる特徴を、組み合わせることができることを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
特定の特徴および効果を含む、本願発明の種々の態様が、以下の詳しい説明と添付の図面から容易に理解される。
【0017】
【
図1a】本願発明の現在の好適な実施形態による、3つの異なる電界放出照明装置を、概念的に、図示するものである。
【
図1b】本願発明の現在の好適な実施形態による、3つの異なる電界放出照明装置を、概念的に、図示するものである。
【
図1c】本願発明の現在の好適な実施形態による、3つの異なる電界放出照明装置を、概念的に、図示するものである。
【
図2】電界放出照明装置の共振における電力半値幅の概念を示す図である。
【
図3】本願発明の別の好適な実施形態による、独立型電界放出照明装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願発明が、次に、添付の図面を参照して、以下により完全に記載され、本願発明の現在の好適な実施形態が示される。しかしながら、この発明は、多くの異なる形で実施することができ、ここに述べられる実施形態に限られていると解釈されてはならない。むしろ、これらの実施形態は、完全かつ徹底して提供されるものであり、当業者に対して、発明の範囲を十分に伝えるものである。明細書全体にわたり、同じ参照記号は、同じ要素を指すものとする。
【0019】
次に、図面、特に、
図1aを参照すると、本願発明の第1の現在の好適な実施形態による、電界放出照明装置100が描かれている。電界放出照明装置100は、電界放出光源102を備える。次に、電界放出光源102は、アノードとカソード(
図1aには示されていない)を備え、固有容量104を有する。この電界放出光源は、さらに、ダイオード106として機能し、したがって、
図1の電気回路図は、光源102がそのようなコンポーネントを備えるように図示する。電界放出光源の物理構成は、例えば、出願人のWO2005074006に開示されており、参照により、本願明細書のその全体が組みこまれる。
【0020】
電界放出光源102を駆動するために、電界放出照明装置100は、更に、電界放出光源102を制御するための駆動信号を提供するように構成された制御ユニット108を含む。制御ユニット108は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブル・デジタル信号プロセッサ、あるいは、その他のプログラマブルデバイスを含むことができる。制御ユニット108は、さらに、あるいは、代わりに、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ゲートアレイまたはプログラマブル・アレイ・ロジック、プログラマブル・ロジック・デバイスまたはデジタル信号プロセッサを含むことができる。制御ユニット108は、マイクロプロセッサのようなプログラマブルデバイス、上記のようなマイクロコントローラまたはプログラマブル・デジタル信号プロセッサを含むが、プロセッサーは、更に、プログラマブルデバイスのオペレーションをコントロールするコンピュータ実行可能コードを含むことができる。
【0021】
制御ユニット108は、好適には、本質的にサイン波の特徴を有する(20kHzを超える)高周波と(4−10kVの間の)高電圧の駆動信号を提供するように適合している。他の波形は、もちろん可能であり、本願発明の範囲内である。その上、その信号の周波数は、好適には、電界放出光源102は、共振回路を形成するために、電界放出光源102と直列に配置されたインダクタ110に接続しており、電界放出光源102の共振周波数に対応するように適合している。したがって、電界放出光源102とインダクタ110とによって形成された電気回路は、電界放出照明装置100の共振を準備するように、インダクタ110の値/サイズと共に選択された制御ユニット108からの駆動信号を使って駆動される。上で論じたように、これは、たとえば、電界放出光源102の光源効率(lm/W)に関する改善を含む、電界放出照明装置100の照明条件を改善する。
【0022】
また、前述したように、制御信号の周波数(Hz)と振幅(V)との選択は、インダクタ(H)110のサイズと同様に、電界放出光源102の構成と物理的大きさに基づいている。つまり、インダクタンスを調節することによって、望ましい共振周波数と、制御ユニット108により提供される入力電圧と電流との位相関係と、を選ぶことが可能である。
【0023】
電界放出照明装置100の電気スキームは、例えば、
図1bに図示されるように、異なる形をとることができる。
図1bに示す電界放出照明装置100’は、
図1aに示されたような電界放出照明装置100に比較して、少し修正されている。より正確には、
図1bに図示される実施形態において、インダクタ110は、電界放出光源102と平行に配置される代わりに、別のインダクタ112に置き換えられている。この実施形態は、異なる電気回路図が可能であり、本願発明の範囲内であることを強調している。
【0024】
電界放出照明装置100を異なるように構成する可能性が、さらに、
図1cに、電界放出照明装置100’’として図示されている。この実施形態において、インダクタ110/112が、また、置き換えられており、その代わりに、電界放出光源102と制御ユニット108の間に、トランス114が提供されている。このトランス114は、制御ユニット108によって提供される駆動信号の電圧振幅を増大させるように、また更に、上で示したように電界放出光源102とインダクタを備える共振回路の形成するためのインダクティブ成分を提供するように機能する。つまり、本願発明によれば、インダクティブ要素を電界放出照明装置102’’に提供するために、トランス114の固有のインダクティブ容量を使用することもできる。
【0025】
次に、電界放出照明装置の共振の電力半値幅の概念を図示する
図2を参照する。すなわち、共振を達成するためには、どの範囲で、駆動信号の周波数を選択することができるのか、ということである。すなわち、駆動信号の周波数範囲または選択可能なバンド幅は、2つの電力半値周波数における周波数応答の幅を基準として決定される。その結果、バンド幅のこの基準は、電力半値全幅または共振の電力半値幅と呼ばれることがある。より詳しくは、電力は、回路電圧(または電流)の二乗に比例し、したがって、周波数応答は、電力半値周波数において、1/√2に落ちる。
図2において、電界放出光源102/102’/102’’の周波数応答は、インダクティブ成分110/112/114と共に、それぞれ、共振202においてピーク値を有するグラフ200によって定義される。周波数範囲の低位レベルは、ライン204によって示され、より高位レベルは、ライン206によって示される。その上、低位レベル・ライン204と高位レベル・ライン206とが、周波数応答200のグラフに交差するレベルは、周波数応答が共振ピーク202の1/√2にあるところである。
【0026】
図3において、本願発明のさらに別の好適な実施形態による独立型電界放出照明装置300の概念図を示す。照明装置300は、
図1a−1cいずれかに関して論じたような電気特性を有し、
図2に関係して議論されたように、また、上で示したような波形と振幅を有する周波数範囲の中において選択された駆動信号を使用して制御される。電界放出照明装置300は、たとえば、WO2005074006に開示された多孔性カーボン材でできているカソード304が内部に配置された真空円筒形ガラス・チューブ302を備える。ガラス・チューブ302は、また、導電層306とカソード304に対向する導電層306の内表面を蛍光体コートした層308とから成るアノードも備える。アノードの構造は、たとえば、出願人のWO05074006に開示されたアノード構造に対応するものであることができ、参照により、本願明細書のその全体が組みこめられる。
【0027】
電界放出照明装置300は、更に、ベース310とソケット312を含み、電界放出照明装置300を、従来の電球を改良するために使用されることを可能にしている。ベース310は、好適には、手近の特定の実装に基づく制御ユニット108とインダクティブ成分110/112/114を備える。
【0028】
たとえ本願発明が、その実施形態を特定して例示して記載されたとしても、多くの異なる変更、修正などは、当業者にとって明らかであろう。本願明細書、図面等を研究して、本願発明を実施する場合に、当業者は、開示された実施形態のバリエーションを可能であることを理解し、達成することができる。例えば、たとえ、上述した説明が、単一周波数を有する駆動信号に関して与えられたとしても、駆動信号において更なる周波数を考慮に入れることが、可能であり、本願発明の範囲内にあるものである。例としてあげると、上で示したように周波数(すなわち、第1の周波数)は、例えば。異なるインプリメンテーション課題のソリューションに依存する搬送周波数(すなわち第2の周波数)の「上で」提供することができる。そのキャリアは、第1の周波数ほど高い周波数を持つ必要はないが、電界放出照明装置300が使用される場所における、主周波数に本質的に対応することができる。
【0029】
なお、特許請求の範囲において、「備える」という用語は、他の要素あるいはステップを排除するものではない。また、「1つの」は、「複数の」を排除するものではない。