(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記磁場発生装置は、規定の周波数の搬送信号により励起されるように作られ、前記分割リング共振器アセンブリーは、前記搬送信号の規定の周波数より約5〜10%高い共振周波数を持つよう作られていることを特徴とする請求項1に記載の磁場集束アセンブリー。
前記インダクティブ要素は、前記第1のスロットアセンブリーの近傍に配置され、前記第1のスロットアセンブリー内にある第1のRFIDタグアセンブリーの存在を検出し、前記第1のスロットアセンブリーに隣接する第2のスロットアセンブリー内にある第2のRFIDタグアセンブリーの存在は検出しないように作られていることを特徴とする請求項1に記載の磁場集束アセンブリー。
前記少なくとも1つのキャパシティブ要素は、前記搬送信号を受信するポートとアースとに接続するように作られている第1のキャパシティブ要素を有することを特徴とする請求項1に記載の磁場集束アセンブリー。
前記少なくとも1つのキャパシティブ要素は、前記搬送信号を受信するポートと前記インダクティブ要素とに接続するように作られている第2のキャパシティブ要素を有することを特徴とする請求項9に記載の磁場集束アセンブリー。
前記インダクティブ要素は処理システムのアクセスアセンブリーの近傍に位置し、該アクセスアセンブリーをRFIDに基づき活性化するように作られていることを特徴とする請求項11に記載の磁場集束アセンブリー。
前記第1の位相シフト要素と前記第2の位相シフト要素のうちの少なくとも1つはキャパシティブ要素を具備することを特徴とする請求項11に記載の磁場集束アセンブリー。
前記インダクティブ要素は、処理システムのアクセスアセンブリーの近傍に位置し、該アクセスアセンブリーをRFIDに基づき活性化するように作られていることを特徴とする請求項19に記載のRFIDアンテナアセンブリー。
前記第1の位相シフト要素と前記第2の位相シフト要素のうちの少なくとも1つは、キャパシティブ要素を有することを特徴とする請求項19に記載のRFIDアンテナアセンブリー。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここに記載するのは製品分配システムである。このシステムは、「サブシステム」とも呼ばれる、1以上のモジュール要素を具備する。ここでは一般的なシステムについて記載し、さまざまな実施例において、この製品分配システムは1以上のサブシステムを具備するが、この製品分配システムはここに記載した1以上のサブシステムに限定されるものではない。したがって、いくつかの実施例において、付加的なサブシステムを製品分配システムに用いることができる。
【0026】
以下の説明において、種々の電気的要素、機械的要素、電気−機械的要素、及び種々の原料を混合・加工して製品にするソフトウェア処理(すなわち、「サブシステム」)について説明する。このような製品には、乳製品(例えば、ミルクセーキ、フロート、モルト、フラッペ)、コーヒー製品(例えば、コーヒー、カプチーノ、エスプレッソ)、ソーダ製品(例えば、フロート、フルーツジュース入りソーダ)、ティー製品(例えば、アイスティー、甘茶、熱いお茶)、水製品(例えば、湧水、風味付き湧水、ビタミン入り湧水、高電解質飲料、高糖質飲料)、固形製品(例えば、トレイルミックス、グラノーラ製品、ミックスナッツ、シリアル製品、ミックスグレイン製品)、医薬品(例えば、不溶解性薬品、注射薬、服用薬、透析液)、アルコール製品(例えば、混合酒、ワインスプリッツア、ソーダベースのアルコール飲料、水ベースのアルコール飲料、風味付きビール「ショット」)、工業製品(例えば溶剤、ペイント、潤滑剤、染料)、及び、健康/化粧品製品(例えばシャンプー、化粧品、石鹸、ヘアコンディショナー、スキントリートメント、局所軟膏)が含まれるがこれらに限定されるものではない。
【0027】
製品は、1つ以上の「原料」を用いて製造することができる。原料には、1つ以上の流体、粉末、固形物あるいは気体が含まれる。この流体、粉末、固形物、及び/又は気体は、処理と分配の過程で水で戻されたり、薄められたりされる。製品は流体、固形物、粉末あるいは気体である。
【0028】
種々の原料は、「微量原料」、あるいは「大容量微量原料」と呼ばれる。使用する1以上の原料は、ハウジング、つまり製品計量分配機の内部に収容することができる。しかしながら、1以上の原料は、この分配機の外で貯蔵又は製造することができる。例えば、実施例によっては、多量に使用する(種々の品質の)水、あるいは別の成分は、分配機の外側に貯蔵される(例えば、実施例によっては、高果糖コーンシロップは分配機の外側に貯蔵される)一方、他の原料、例えば、粉末形態の原料、濃縮原料、栄養補助食品、調合薬及び/又はガスシリンダは分配機自体の内部に貯蔵される。
【0029】
上述の電気要素、機械要素、電気機械要素、及びソフトウェア処理の種々の組み合わせについて以下に説明する。例えば、種々のサブシステムを使用する飲料および医薬品(例えば透析液)の製造について開示する組合せを以下に説明するが、これは製品を生成/分配するためにサブシステムが相互に働く場合の一般的な実施例の開示であって、この開示に限定するような趣旨ではない。具体的には、電気要素、機構要素、電気‐機械要素、およびソフトウェア処理は(その各々は以下で詳しく説明するが)、上述の製品やこれに類似した別の製品を製造するために用いることができる。
【0030】
図1を参照すると、複数のサブシステム、すなわち、記憶サブシステム12、制御ロジックサブシステム14、大容量原料サブシステム16、微量原料サブシステム18、配管系統/制御サブシステム20、ユーザーインターフェースサブシステム22、及びノズル24を含む処理システム10の一般的な図が示されている。上記のサブシステム12、14、16、18、20、22の各々について、以下に詳述する。
【0031】
処理システム10の使用中に、ユーザー26は、ユーザーインターフェースサブシステム22を使用して、(容器30中へ)分配する特定の製品を選択することができる。ユーザーインターフェースサブシステム22を介して、ユーザー26は、そのような製品に含める1以上のオプションを選択することができる。例えば、オプションとして、1以上の原料をつくかすることが含まれるがこれに限定されるものではない。1つの一般的実施例によれば、このシステムは飲料を分配するシステムである。この実施例において、システムの使用において、飲料へ種々の香料(例えば、レモン香料、ライム香料、チョコレート香料およびバニラエッセンスを含むが、これらに限定されない)を加えること、飲料中に1つ以上の栄養補助食品(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB
6、ビタミンB
12および亜鉛を含むが、これらに限定されない)を追加すること、飲料中に1つ以上の他の飲料(例えば、コーヒー、ミルク、レモネードおよびアイスティーを含むが、これらに限定されない)を追加すること、及び、飲料中に1つ以上の食品(例えばアイスクリーム、ヨーグルト)を追加すること、から選択することができる。
【0032】
ユーザーインターフェースサブシステム22を介して、一旦ユーザー26がしかるべき選択を行うと、ユーザーインターフェースサブシステム22は、しかるべきデータ信号を(データバス32を介して)制御ロジックサブシステム14に送ることができる。制御ロジックサブシステム14は、これらのデータ信号処理し、複数のレシピ36から選ばれた1つ以上のレシピを(データバス34を介して)取り出すことができる。用語「レシピ」は、要求の製品を処理/生成するために命令を意味する。記憶サブシステム12からレシピを取りだすと、制御ロジックサブシステム14は、レシピを処理し、しかるべき制御信号を(データバス32を介して)例えば、大容量原料サブシステム16、微量原料サブシステム18(及び、実施例によっては、処理に関する微量原料に関する記載に含まれる、不図示の、大容量微量原料。このような大容量微量原料を分配するサブシステムに関しては、実施例によっては、微量原料アセンブリーからの代替的アセンブリーをこのような大容量微量原料を分配するために用いることができる)、及び、配管系統/制御サブシステム20に提供し、(容器に分配する)製品28を製造する。
【0033】
図2を参照すると、制御ロジックサブシステム14の線図が示されている。制御ロジックサブシステム14は、マイクロプロセッサー100[例えばカリフォルニア州サンタクララ市の株式会社インテルによって製造されたARM(登録商標)マイクロプロセッサー]、不揮発性メモリ(例えば読み取り専用メモリ102)、揮発性メモリ(例えばランダムアクセスメモリ104)を有している。これらの各々は1つ以上のデータ/システムバス106、108によって相互に接続されている。上述のように、ユーザーインターフェースサブシステム22はデータバス32を介して制御論理サブシステム14につながれている。
【0034】
制御ロジックサブシステム14はまた、例えば、処理システム10に組み込むことのできるスピーカー112にアナログオーディオ信号を提供するためのオーディオサブシステム110を有することができる。オーディオサブシステム110はデータ/システムバス114を介してマイクロプロセッサー100につなぐことができる。
【0035】
制御ロジックサブシステム14は、オペレーティングシステムを実行することができ、オペレーティングシステムの例として、マイクロソフト・ウィンドウCE(登録商標)、レッドハット・リナックス(登録商標)、パームOS(登録商標)、又は装置に特有の(つまり特別注文の)オペレーティング・システムが含まれるが、これらに制限されない。
【0036】
上記オペレーティングシステムの命令セットとサブルーチンは(それらは記憶サブシステム12上に記憶されてもよいが)、1つ以上のプロセッサ(例えばマイクロプロセッサー100)と、制御ロジックサブシステム14に組み入れられた1つ以上のメモリアーキテクチャ(例えば読み取り専用メモリ102及び/又はランダムアクセス記憶装置104)によって実行される。
【0037】
記憶サブシステム12には、例えば、ハードディスクドライブ、光学ドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、CF(つまりコンパクトなフラッシュ)カード、SD(つまり安全なディジタル)カード、SmartMedia(登録商標)カード、メモリステック(登録商標)およびMultiMedia(登録商標)カードが含まれる。
【0038】
上述の通り、記憶サブシステム12はデータバス34を介して制御論理サブシステム14とつながっている。制御ロジックサブシステム14は、また、マイクロプロセッサー100によって供給される信号を、記憶システム12によって使用可能なフォーマットへの変換するための記憶制御部116(想像線で示した)を含む。さらに、記憶制御部116は、記憶サブシステム12によって供給される信号を、マイクロプロセッサー100によって使用可能なフォーマットに変換してもよい。実施例によっては、イーサネット接続も含まれている。
【0039】
上述の通り、大容量原料サブシステム(またここで「微量原料」と呼ばれる)16、微量原料サブシステム18及び/又は配管系統/制御サブシステム20は、データバス38を介して制御ロジックサブシステム14につながっている。制御ロジックサブシステム14には、マイクロプロセッサー100によって供給される、大容量原料サブシステム16で使用可能なフォーマットへの、信号変換用の、バスインターフェース118(想像線で示した)、微量原料サブシステム18及び/又は配管系統/制御サブシステム20を含むことができる。さらに、バスインターフェース118は、大容量原料サブシステム16、微量原料サブシステム18及び/又は配管系統/制御サブシステム20から供給される信号を変換することができる。
【0040】
以下に詳述するように、制御ロジックサブシステム14は、処理システム10の動作を制御することのできる1以上の制御処理120を実行することができる。制御処理120の命令セットおよびサブルーチンは、記憶サブシステム12に記憶しておくことができ、制御ロジックサブシステム14に組み込まれた1以上のプロセッサ(例えばマイクロプロセッサー100)と1以上のメモリアーキテクチャ(例えば読み取り専用メモリ102、及び/又はランダムアクセス記憶装置104)によって実行される。
【0041】
図3を参照すると、大容量原料サブシステム16及び配管系統/制御サブシステム20の線図が示されている。例えば、大容量原料サブシステム16は、二酸化炭素供給部150、給水部152、および高果糖コーンシロップ供給部154を含むことができる。大容量原料は、実施例によって、他のサブシステムのごく近傍に配置することができる。二酸化炭素供給部150の一例では、圧縮した、ガス状二酸化炭素のタンク(図示せず)を有することができるが、これに制限されるものではない。給水部152の一例では、都市用水道水供給(図示せず)、蒸留水供給、濾水供給、逆浸透(「RO」)給水手段あるいは別の望ましい給水手段を有することができるが、これに制限されるものではない。高果糖コーンシロップ供給部154の一例では、高濃縮された高果糖コーンシロップの1以上のタンク(図示せず)、あるいは高果糖コーンシロップの1以上のバッグインボックスパッケージを有することができるが、これに制限されるものではない。
【0042】
大容量原料サブシステム16は(二酸化炭素供給部150によって供給された)炭酸ガスと、(給水部152によって供給された)水から、炭酸水を生成するための炭酸水器156を有する。炭酸水158、水160および高果糖コーンシロップ162は、冷却板アセンブリー163に供給することができる。例えば、製品を冷やすことが望ましいところに製品を分配する実施例の場合である。実施例によっては、冷却板アセンブリーは分配システムの部品に含まないようにすることも、迂回させることもできる。冷却板アセンブリー163は、望ましい提供温度(例えば40°F[4℃])まで炭酸水158、水160、および高果糖コーンシロップ162を冷やすように設計することができる。
【0043】
単一の冷却板163が炭酸水158、水160、および高果糖コーンシロップ162を冷やすことが示されているが、これは専ら説明の目的のためであり、開示発明を限定することを意図するものではなく、別の機器構成が可能である。例えば、個々の冷却板アセンブリーは各々の炭酸水158、水160、および高果糖コーンシロップ162を冷やすために使用することができる。一旦冷却されると、冷却した炭酸水164、冷却した水166、および冷却した高果糖コーンシロップ168は、配管系統/制御サブシステム20に供給することができる。また、さらに別の実施例では、冷却板は含まないようにすることができる。実施例によっては、少なくとも1つのホットプレートを有することができる。
【0044】
配管系統は、図示された順番を有しているように表されるが、実施例によっては、この順序では使われない。例えば、ここに記述された流量制御モジュールは、異なる順序で構成してもよい、つまり流量計測装置、二方バルブ、そして可変ラインインピーダンスとしてもよい。
【0045】
説明のために、製品としてソフトドリンクを分配するためにシステムを使用することに関して、以下にシステムを記述している。つまり、記述されたマクロ原料/大容量成分には、高果糖コーンシロップ、炭酸水および水が含まれる。しかしながら、分配システムの別の実施例では、マクロ原料の数とマクロ原料自身が変わってもよい。
【0046】
説明の目的のために、配管系統/制御サブシステム20は、(それぞれ)冷却した炭酸水164、冷却した水166、および冷却した高果糖コーンシロップ168の量を測定する、3つの流量計測装置170、172、174を含むことが示される。流量計測装置170、172、174は、フィードバック信号176、178、180を(それぞれ)フィードバック制御装置システム182、184、186に送ることができる。
【0047】
(以下に詳述する)フィードバック制御装置システム182、184、186は、流量フィードバック信号176、178、180を、(それぞれ冷却した炭酸水164、冷却した水166、および冷却した高果糖コーンシロップ168用として定めた)望ましい流量と比較することができる。流量フィードバック信号176、178、180を処理する際に、フィードバック制御装置システム182、184、186は(それぞれ)可変ラインインピーダンス194、196、198に送ることのできる流量制御信号188、190、192を生成する。可変ラインインピーダンス194、196、198の一例は、米国特許第5,755,683(このすべてが参照として本明細書に組み込まれるものとする)、及び米国特許公開第2007/0085049(このすべてが参照として本明細書に組み込まれるものとする)に開示され権利請求されている。可変ラインインピーダンス194、196、198は、ライン206、208、210を通って、ノズル24及び(それに続いて)容器30に供給される、冷却した炭酸水164、冷却した水166、および冷却した高果糖コーンシロップ168の流れを調整することができる。しかし、可変ラインインピーダンスの追加実施例もここに記載する。
【0048】
ライン206、208、210には、流体を流すことが好ましくないとき/流す必要がないとき(例えば輸送途中、保守作業中および休止時間中)ライン206、208、210を通って流体が流れるのを防ぐために、付加的に(それぞれ)電磁バルブ200、202、204を設けることができる。
【0049】
上述の通り、
図3は単に配管系統制御サブシステム20についての説明図を示したものである。従って、配管系統/制御サブシステム20で図示した手法は、この明細書について制限的な意図を有するものではなく、別の機器構成が可能なものである。例えば、フィードバック調節装置システム182、184、186の機能のうち一部又は全部を、制御論理サブシステム14に組み入れることができる。
【0050】
また、
図4を参照すると、微量原料サブシステム18と配管系統/制御サブシステム20の構成的平面図が示されている。微量原料サブシステム18は、1つ以上の製品容器252、254、256、258と解放可能に嵌合するように作ることができる製品モジュールアセンブリー250を含むことができ、製品容器252、254、256、258は製品28を作るときに使用する微量原料を保持するように作ることができる。微量原料は、製品を作るのに使用される基質である。そのような微量原料/基質の具体例として、清涼飲料香料の第1の部分、清涼飲料香料の第2の部分、コーヒー香料、栄養補助食品、調合薬を含むが、これに限定されないし、流体、粉末あるいは固形物とすることができる。しかしながら、説明の目的のために、下記の記述では、流体の微量原料を取り上げる。いくつかの実施例では、微量原料は粉末あるいは固形物である。微量原料粉末である場合は、システムには、粉末の測定、及び/又は粉末を水で戻すための追加のサブシステムを含めることができる。(であるが、以下に説明する例のように、微量原料は粉末である場合には、粉末は、製品を混ぜる方法における手順として水で戻してもよい。)
製品モジュールアセンブリー250は、複数の製品容器252、254、256、258と解放可能に嵌合するように作られた複数のスロットアセンブリー260、262、264、266を含むことができる。特にこの例において、製品モジュールアセンブリー250は4個のスロットアセンブリー(すなわち、スロット260、262、264、266)を含むものとして示され、したがって、4個入り製品モジュールアセンブリーと呼ぶことができる。製品モジュールアセンブリー250内で製品容器252、254、256、258の1個以上の位置を決める場合、製品容器(例えば製品容器254)は矢印268の方向に滑らせてスロットアセンブリー(例えばスロットアセンブリー262)内に入れることができる。ここで、一般的な実施例として、「4個入り製品モジュール」アセンブリーが記載されているが、別の実施例では、4個以上又は4個以下の個数の製品をモジュールアセンブリーの内部に含むことができる。分配システムにより分配される製品に応じて、製品容器の数を変えることができる。従って、モジュールアセンブリーの内部に含まれる製品の数はアプリケーションごとに特定されるものであり、例えば、これらに限定されるものではないが、システムの効率、必要性及び/又は機能について要求される特性を含む、システムが要求する特性を満たすよう選択することができる。
【0051】
説明の目的で、製品モジュールアセンブリー250の各スロットアセンブリーはポンプアセンブリーを含むように示される。例えば、スロットアセンブリー252はポンプアセンブリー270を含むように示され、スロットアセンブリー262はポンプアセンブリー272を含むように示され、スロットアセンブリー264はポンプアセンブリー274を含むように示され、また、スロットアセンブリー266はポンプアセンブリー276を含むように示される。
【0052】
ポンプアセンブリー270、272、274、276の各々には、製品容器内に包含される製品オリフィスと解放可能に嵌合させるための入口ポートを含むことができる。例えば、ポンプアセンブリー272は、製品容器254内に包含される製品オリフィス280と解放可能に嵌合させるように作られた入口ポート278を含むことが示されている。入口ポート278、及び/又は製品オリフィス280は、漏れのないシールを容易に行うために、(例えば1つ以上のOリングや、ルアー継手のような)1つ以上の密封アセンブリー(図示せず)を含むことができる。
【0053】
1つ以上のポンプアセンブリー270、272、274、276の一例として、1つ以上のポンプアセンブリー270、272、274、276に電圧を印加された場合に、そのつどあらかじめ定めた一定の容積を供給するソレノイドピストンポンプアセンブリーを含むことができるが、しかしこれに限定されるものではない。1つの実施例では、そのようなポンプはイタリア国、パヴィア(Pavia)のULKA電機機械構築(Costruzioni Elettromeccaniche)株式会社(S.p.A)から利用可能である。例えば、ポンプアセンブリー(例えばポンプアセンブリー274)がデータバス38経由で制御論理サブシステム14によって電圧を印加されるたびに、ポンプアセンブリーは製品容器256内に含まれるルートビアの香料を正確に調整した量だけ供給することができる。この場合もやはり、説明目的のために、微量原料はこの節の記述において液体としている。
【0054】
ポンプアセンブリー270、272、274、276および種々のポンピング技術の別の具体例は、米国特許番号4,808,161(このすべてが参照として本明細書に組み込まれるものとする);米国特許番号4,826,482(このすべてが参照として本明細書に組み込まれるものとする);米国特許番号4,976,162(このすべてが参照として本明細書に組み込まれるものとする);米国特許番号5,088,515(このすべてが参照として本明細書に組み込まれるものとする);及び米国特許番号5,350,357(このすべてが参照として本明細書に組み込まれるものとする)に記載されている。いくつかの実施例において、ポンプアセンブリーは、任意のポンプアセンブリーでもよく、米国特許番号5,421,823(このすべてが参照として本明細書に組み込まれるものとする)に記載された任意のポンプ技術を使うことができる。
【0055】
上記に引用した参照文献は、ポンプ作動液に用いられる空気式駆動のメンブレンポンプの具体例に限定しないで記述している。空気駆動のメンブレンによるポンプアセンブリーは、例えば、種々の組成の流体をマイクロリットルの量について、多数の負荷サイクル期間中、正確な量を確実に送る性能を有し、及び/又は、例えば、空気式駆動ポンプは二酸化炭素源から空気のパワーを使用してもよいので、少ない電力で済む、という1つ以上の理由を含むが、これに限定されずに、利点を有する。加えて、メンブレンポンプは、表面がシールに対して相対的に動くダイナミックシールを必要としないようにできる。ULKAによって一般に製造されるような振動式ポンプは、メカニカルな弾性体のシールを使用することを必要とし、例えば、メカニカルな弾性体のシールは特定の種類の液体にさらされた後、時間の経過とともに故障し及び/又は磨耗する。実施例によっては、空気式駆動のメンブレンポンプは、他のポンプと比較して、信頼性があり、費用効率が高く、較正が容易である。また、他のポンプと比較して、空気式駆動のメンブレンポンプは、低騒音であり、熱の発生が少なく、消費パワーが少ない。
【0056】
製品モジュールアセンブリー250は、ブラケットアセンブリー282と解放可能に嵌合するよう作ることができる。ブラケットアセンブリー282は、処理システム10の一部とし(そしてしっかりとその中に固定された)ものとすることができる。ここでは、「ブラケットアセンブリー」と称しているが、このアセンブリーは他の実施例では違う名称で示されることもある。ブラケットアセンブリーは、製品モジュールアセンブリー250を好ましい場所に固定するのに役立つ。ブラケットアセンブリー282の一例として、製品モジュールアセンブリー250と解放可能に嵌合するよう作られた処理システム内の棚が含まれるがこれに限定されるものではない。例えば、製品モジュールアセンブリー250は、ブラケットアセンブリー282に組み込まれた相補的な装置と解放可能に嵌合するよう作られた嵌合装置(例えば、不図示の、クリップアセンブリー、スロットアセンブリー、ラッチアセンブリー、ピンアセンブリー)を含むことができる。
【0057】
配管系統/制御サブシステム20は、ブラケットアセンブリー282にしっかりと固定することのできるマニホールドアセンブリー284を含むことができる。マニホールドアセンブリー284は、ポンプアセンブリー270、272、274、276の各々に組み込まれたポンプオリフィス(例えば、ポンプオリフィス294、296、298、300)と解放可能に嵌合するよう作られた複数の入口ポート286、288、290、292wp含むように作ることができる。製品モジュールアセンブリー250をブラケットアセンブリー282に設置したとき、製品モジュールアセンブリー250は、矢印302の方向に動くことができるので、入口ポート286、288、290、292をポンプオリフィス294、296、298、300に解放可能に嵌合させることができる。入口ポート286、288、290、292及び/又はポンプオリフィス294、296、298、300は、容易に漏れのないシールを行うために上述したとおり(不図示)1以上のOリングその他の密封アセンブリーを含むことができる。
【0058】
マニホールドアセンブリー284は、ノズル24に(直接的又は間接的に)配管されている、チューブバンドル304と嵌合するように作ることができる。上述の通り、大容量原料サブシステム16は、また、少なくとも1つの実施例において、冷却した炭酸水164、冷却した水166、及び/又は、冷却した高果糖コーンシロップ168の形の流体を(直接的又は間接的に)ノズル24に送る。したがって、制御ロジックサブシステム14が(この実施例では)種々の高容量原料、例えば、冷却した炭酸水164、冷却した水166、冷却した高果糖コーンシロップ168の量及び種々の微量原料(例えば、第1の基質(すなわち、人工香味料)、第2の基質(すなわち、栄養補助食品)、及び第3の基質(すなわち、調合薬))の量を制御することができるので、制御ロジックサブシステム14は、製品28の構成を正確に制御することができる。
【0059】
図4では、1つのノズル24しか表示していないが、多くの他の実施例では、複数のノズルとすることができる。実施例によっては、1以上の容器30が、例えば、1組以上のチューブバンドルを介して、システムから分配された製品を受け取ることができる。したがって、実施例によっては、分配システムは、1以上のユーザーが同時に1以上の製品の分配要求が可能なようにすることもできる。
【0060】
図5を参照すると、配管系統/制御サブシステム20の線図が示されている。以下に説明する配管系統/制御サブシステムは、製品28に加えられる冷却した炭酸水164の量を制御するために用いられる配管系統/制御システムに関するものであり、説明目的のためのもので、本開示内容を限定するものではなく、他の構成も可能である。例えば、以下に記載の配管系統/制御サブシステムは、例えば、製品28に加えられる冷却した水166、及び/又は、冷却した高果糖コーンシロップ168の量を制御するために用いることもできる。
【0061】
上記説明の通り、配管系統/制御サブシステム20は、流量計測装置170から流量フィードバック信号176を受け取るフィードバック制御装置システム182を含むことができる。フィードバック制御装置システム182では、流量フィードバック信号176と(データバス38を介して制御ロジックサブシステム14にて定めたような)要求流量とを比較する。流量フィードバック信号176を処理し、フィードバック制御装置システム182は、可変ラインインピーダンス194に送る制御信号188を生成する。
【0062】
フィードバック制御装置システム182は、軌道整形コントローラー350、流量コントローラー352、フィードフォワードコントローラー354、単位遅延器356、飽和コントローラー358、及びステッパーコントローラー360を含むことができ、それぞれ以下に詳述する。
【0063】
軌道整形コントローラー350は、データバス38経由で制御ロジックサブシステム14から制御信号を受け取るように作られている。この制御信号は、製品28で使用する流体(この場合では、冷えた炭酸水164)を送ることについて、配管系統/制御サブシステム20が想定されているやり方で、軌道を定める。しかしながら、制御ロジックサブシステム14から提供される軌道は、例えば流量コントローラー352によって処理される前に、修正する必要がある。例えば、制御システムは、複数の線分(つまり、階段状変化を含む線分)で構成される扱いにくい時間処理制御曲線を有する傾向がある。例えば、処理制御カーブ370は3つの別個の線形のセグメント(すなわちセグメント372、374、376)から成るので、流量調整器352には扱いにくい処理制御カーブ370となる。したがって、遷移点(例えば遷移点378、380)では、特に流量コントローラー352(そして、一般に配管系統/制御サブシステム20)は、瞬時に第1の流量から第2の流量に変化することが要求される。したがって、軌道整形コントローラー350は、特に流量コントローラー352(そして、一般に配管系統/制御サブシステム20)によって処理が容易な平滑化制御カーブ382を形成するために、制御カーブ30にフィルターをかけることができ、第1の流量から第2の流量までの瞬時の遷移がもはや必要ではなくなる。
【0064】
加えて、軌道整形コントローラー350は、ノズル24の充填前湿潤(pre-fill wetting)と充填後(post-fill)のすすぎを可能にする。実施例及び/又レシピによっては、(ここで「汚れた原料」(dirty ingredients)と呼ばれる)原料がノズル24と直接接触する場合、つまり原料が蓄積されるような場合、1つ以上の原料がノズル24に問題を生じさせることがある。実施例によっては、ノズル24は、これらの「汚れた原料」の直接接触を防ぐために、ノズル24は「充填前」原料(例えば水)で充填前に湿らせる。ノズル24は、「洗浄後原料」(post-wash ingredient)で、例えば水で、充填後にすすがれる。
【0065】
具体的には、ノズル24が、例えば10mLの水(又は任意の「充填前」原料)で充填前湿潤され、及び/又は例えば10mLの水(又は任意の「洗浄後」原料)で充填後すすぎがなされる事象では、一旦、汚れた原料の追加が止まったならば、軌道整形コントローラー350は、充填処理の間に汚れた原料を追加供給することによって、充填前湿潤及び/又は充填後すすぎの間に追加された前洗い成分を相殺する。具体的には、容器30が製品28で満たされているので、充填前洗浄水又は「下洗い」により、当初、汚れた原料による濃度の低い製品28が得られる。そして、軌道整形コントローラー350は、必要とされるより大きな流量で汚れた原料を加えて、「低すぎる濃度」から「適切な濃度」に、さらに「高すぎる濃度」に、または詳細なレシピに書かれたものより高濃度となるように、製品28を推移させることができる。しかしながら、一旦汚れた原料の適正量が加えられたならば、充填後すすぎ過程は追加の水、あるいは別の適切な「洗浄後原料」を加えることができ、その結果、製品28は汚れた原料を有する「適切な濃度の」ものとすることができる。
【0066】
流量コントローラー352は、比例積分(PI)ループコントローラーとして作ることができる。流量コントローラー352は、一般的にフィードバック制御装置システム182によって行われるものとして上述した、比較および処理を行うことができる。例えば、流量コントローラー352は、流量計測装置170からフィードバック信号176を受け取るように作られる。流量コントローラー352は、流量フィードバック信号176と(制御ロジックサブシステム14で定められ、軌道整形コントローラー350で修正された)要求流量とを比較することができる。流量フィードバック信号176を処理することにより、流量コントローラー352は、可変ラインインピーダンス194に送る流量制御信号188を生成することができる。
【0067】
フィードフォワードコントローラー354は、可変ラインインピーダンス194の初期値とすべき値に関して「最も妥当な」推定値を提供することができる。具体的には、規定の一定圧力においては、可変ラインインピーダンスは、0.00mL/秒から12000mL/秒の間の(冷却された炭酸水164の)流量とすることができる。さらに、充填容器30を飲料製品28で満たす場合、40mL/秒の流量が必要であるとみなす。したがって、フィードフォワードコントローラー354は、(可変ラインインピーダンス194が線形に作動すると見なして)可変ラインインピーダンス194が、最大開口に対して、最初に33.33%開くような、フィードフォワード信号を(フィードフォワード線384で)供給する。
【0068】
フィードフォワード信号の値を決定する場合、フィードフォワードコントローラー354は、経験的に開発され、種々の初期流量にたいして提供される信号を定めるルックアップ表(図示せず)を利用する。そのようなルックアップ表の一例は、以下の表を含んでいるが、しかしこれに制限されない:
【表1】
【0069】
ここで、充填容器30を飲料製品28で満たす場合、40mL/秒の流量が要求されると仮定するならば、例えば、フィードフォワードコントローラー354は上記ルックアップ表を利用し、(フィードフォワード線384を使用して)60.0度までステッパーモータにパルスを発する。
【0070】
単位遅延器356は、前回の(可変ラインインピーダンス194に提供された)制御信号が、流量コントローラー352に提供されるような、フィードバック経路を形成する。
【0071】
可変ラインインピーダンス194が(ステッパーコントローラー360により)最大流量に設定されているときは常に、飽和コントローラー358は、(上述したとおり、PIループコントローラーとすることのできる)フィードバック制御装置システム182の積分制御を無力にすることができ、したがって、流量のオーバーシュートやシステムの振動を減少させることによりシステムの安定性が増大する。
【0072】
ステッパーコントローラー360は、飽和コントローラー358から(ライン386上に)贈られる信号を可変ラインインピーダンス194で使えるような信号に変換するよう作られる。可変ラインインピーダンス194は、可変ラインインピーダンス194のオリフィスの寸法を(及び、それにより、流量を)調整するためのステッパーモータを含んでいる。したがって、制御信号188は、可変ラインインピーダンス内に含まれるステッパーモータを制御するように作られる。
【0073】
また
図6を参照すると、ユーザーインターフェースサブシステム22の線図が示されている。ユーザーインターフェースサブシステム22は、ユーザー26が製品28関して種々の選択を可能にするためにタッチスクリーンインターフェース400を含んでいる。例えば、ユーザー26は(「飲料サイズ」欄402経由で)飲料28のサイズを選択することができる。選択可能なサイズの具体例は、「12オンス」(355ml)、「16オンス」(473ml)、「20オンス」(591ml)、「24オンス」(710ml)、「32オンス」(946ml)、「48オンス」(1419ml)を含んでいるが、これらに制限されない。
【0074】
ユーザー26は、(「飲料種類」欄404経由で)製品28の種類を選択する。選択可能な種類の具体例として、「コーラ」、「レモンライム」、「ルートビア」、「アイスティー」、「レモネード」、「フルーツポンチ」が含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
ユーザー26は、また、(「添加物」欄406経由で)飲料28内の包含物として1つ以上の香料/製品を選べる。選択可能な添加物の具体例として、「チェリー風味」、「レモン風味」、「ライム風味」、「チョコレート風味」、「コーヒー風味」、「アイスクリーム」が含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
さらに、ユーザー26は、(「栄養補助食品」欄408経由で)飲料28内の包含物として1つ以上の栄養補助食品を選べる。そのような栄養補助食品の具体例として、「ビタミンA」、「ビタミンB
6」、「ビタミンB
12」、「ビタミンC」、「ビタミンD」、「亜鉛」が含まれるが、これらに限定されない。
【0077】
いくつかの実施例では、タッチスクリーンより下部の位置に追加のスクリーンに、そのスクリーンに「遠隔操作」(図示せず)を含めることができる。遠隔操作は、例えば、上・下・左・右・選択等のボタン表示を含んでいる。しかしながら、別の実施例では、追加のボタンを設けることができる。
【0078】
一旦ユーザー26が適切な選択をしたならば、ユーザー26は「GO」ボタン410を選択する。そして、ユーザーインターフェースサブシステム22は制御論理サブシステム14に(データバス32経由で)適切なデータ信号を送ることができる。いったん受け取ると、制御ロジックサブシステム14は、記憶サブシステム12から適切なデータを検索し、例えば高容量原料サブシステム16、微量原料サブシステム18、配管系統/制御サブシステム20に、(上述の方法で)製品28を調合するために適切な制御信号を送る。あるいは、(例えば、ボタンの選択がない場合には)ユーザー26は「取り消し」ボタン412を選択し、タッチスクリーンインターフェース400はディフォルト状態にリセットすることができる。
【0079】
ユーザーインターフェースサブシステム22は、ユーザー26との双方向通信を可能とするようすることができる。例えば、ユーザーインターフェースサブシステム22には、処理システム10がユーザー26に情報を提供することを可能にするような情報のスクリーン414を設けることができる。ユーザー26に提供される情報の種類の例として、広告、システム機能不全/警告に関係のある情報、および種々の製品の価格に関する情報が含まれているが、これらに限定されない。
【0080】
上述の通り、(微量原料サブシステム18および配管系統/制御サブシステム20の)製品モジュールアセンブリー250は、複数の製品容器252、254、256、258と解放可能に嵌合するように作られた複数のスロットアセンブリー260、262、264、266を含んでいる。残念ながら、処理システム10が製品容器252、254、256、258を補充するとき、製品モジュールアセンブリー250の間違ったスロットアセンブリー内の製品容器を取り付けてしまう可能性がある。このような誤りによって、1つ以上のポンプアセンブリー(例えばポンプアセンブリー270、272、274、276)及び/又は1つ以上のチューブアセンブリー(例えばチューブバンドル304)が1つ以上の微量原料で汚染されてしまうという結果となることがある。例えば、ルートビア香料(つまり製品容器256内に含まれている微量原料)に非常に強い味があるので、一旦特定のポンプアセンブリー/チューブアセンブリーが、例えばルートビア香料を分配させるために使用されれば、それはもはやそれほど強くない味(例えばレモンライム香料、アイスティー香料およびレモネード香料)がある微量原料を分配するためには使用できなくなる。
【0081】
加えて、上述の通り、製品モジュールアセンブリー250は、ブラケットアセンブリー282と解放可能に嵌合するように作ることができる。したがって、処理システム10を動作させたとき、処理システム10が多数の製品モジュールアセンブリーと多数のブラケットアセンブリーを有する場合、製品モジュールアセンブリーを間違ったブラケットアセンブリー上に取り付けてしまう可能性がある。残念ながら、そのような誤りにより、1つ以上のポンプアセンブリー(例えばポンプアセンブリ270、272、274、276)及び/又は1つ以上のチューブアセンブリー(例えばチューブバンドル304)が1つ以上の微量原料に汚染されてしまうことがある。
【0082】
したがって、処理システム10は、処理システム10内の製品容器および製品モジュールの適切な配置を保証するためにRFIDに基づいたシステムを含んでいる。また
図7と
図8Aを参照して、処理システム10は、処理システム10の製品モジュールアセンブリー250に置かれたRFIDアンテナアセンブリー452を含むRFIDシステム450を備えることができる。
【0083】
上述の通り、製品モジュールアセンブリー250は、少なくとも1つの製品容器(例えば製品容器258)と解放可能に嵌合するように作ることができる。RFIDシステム450は、製品容器258に配置した(例えば製品容器258に取り付けた)RFIDタグアセンブリー454を備えることができる。製品モジュールアセンブリー250が製品容器(例えば製品容器258)と解放可能に嵌合しているときは、常に、RFIDタグアセンブリー454は、RFIDアンテナアセンブリー452の、例えば上部検出領域456内に位置する。したがってこの例では、製品容器258が製品モジュールアセンブリー250内にある(つまり解放可能に嵌合している)ときは、常に、RFIDタグアセンブリー454は、RFIDアンテナアセンブリー452によって検出される。
【0084】
上述の通り、製品モジュールアセンブリー250は、ブラケットアセンブリー282と解放可能に嵌合するように作ることができる。さらに、RFIDシステム450は、ブラケットアセンブリー282に配置した(例えば取り付けた)RFIDタグアセンブリー458を含むことができる。ブラケットアセンブリー282が製品モジュールアセンブリー250と解放可能に嵌合しているときは、常に、FIDタグアセンブリー458は、RFIDアンテナアセンブリー452の、例えば下部検出領域456内に位置する。
【0085】
したがって、RFIDアンテナアセンブリー452及びRFIDタグアセンブリー454,458を使用することにより、RFIDシステム450は、種々の製品容器(例えば製品容器252、254、256、258)が製品モジュールアセンブリー250の内部に適切に配置されているかどうかを判断することができる。さらに、RFIDシステム450は、製品モジュールアセンブリー250が処理システム10内に適切に配置されているかどうかを判断することができる。
【0086】
1つのRFIDアンテナアセンブリーと2つのRFIDタグアセンブリを含むRFIDシステム450を図示したが、これは説明の目的のためだけであり、この明細書の開示内容を限定することを意図するものではなく、別の機器構成が可能である。具体的には、RFIDシステム450の一般的な機器構成として、製品モジュールアセンブリー250の各スロットアセンブリー内に配置した1つのRFIDアンテナアセンブリーを備えることができる。例えば、RFIDシステム450は、製品モジュールアセンブリー250に配置されたRFIDアンテナアセンブリー462、464、466を追加することができる。したがって、RFIDアンテナアセンブリー452は、(製品モジュールアセンブリー250の)スロットアセンブリー266に製品容器が挿入されているかどうかを判断することができ、RFIDアンテナアセンブリー462は、(製品モジュールアセンブリー250の)スロットアセンブリー264に製品容器が挿入されているかどうかを判断することができ、RFIDアンテナアセンブリー464は、(製品モジュールアセンブリー250の)スロットアセンブリー262に製品容器が挿入されているかどうかを判断することができ、そして、RFIDアンテナアセンブリー466は、(製品モジュールアセンブリー250の)スロットアセンブリー260に製品容器が挿入されているかどうかを判断することができる。さらに、処理システム10が多数の製品モジュールアセンブリーを有することができるので、これらの各製品モジュールアセンブリーは、特定の製品モジュールアセンブリーにどの製品容器が挿入されているのかを決めるために1つ以上のRFIDアンテナアセンブリーを有することができる。
【0087】
上述の通り、RFIDアンテナアセンブリー452の下部の検出領域460内でRFIDタグアセンブリーの存在をモニターすることによって、RFIDシステム450は、製品モジュールアセンブリー250が処理システム10内に適切に配置されているかどうかを判断することができる。したがって、どのRFIDアンテナアセンブリー452、462、464、466も、ブラケットアセンブリー282に取り付けられた1つ以上のRFIDタグアセンブリーを読み取るために用いることができる。説明目的のために、ブラケットアセンブリー282は、単一のRFIDタグアセンブリー458のみを有することが示されている。しかし、これは専ら説明目的のためであり、明細書の開示内容を限定することを意図するものではなく、別の機器構成が可能である。例えば、ブラケットアセンブリー282は、複数のRFIDタグアセンブリーを有することができる。すなわち、RFIDアンテナアセンブリー462で読み取られる(想像線で示した)RFIDタグアセンブリー468、RFIDアンテナアセンブリー464で読み取られる(想像線で示した)RFIDタグアセンブリー470、及び、RFIDアンテナアセンブリー460で読み取られる(想像線で示した)RFIDタグアセンブリー472を有することができる。
【0088】
1以上のRFIDタグアセンブリー(例えばRFIDタグアセンブリー454、458、468、470、472)は、受動RFIDタグアセンブリー(例えば電源を必要としないRFIDタグアセンブリー)とすることができる。加えて、1以上のRFIDタグアセンブリー(例えばRFIDタグアセンブリー454、458、468、470、472)は、書き込み可能なRFIDタグアセンブリーとすることができ、RFIDシステム450がRFIDタグアセンブリーにデータを書き込むことができる。RFIDタグアセンブリーに貯蔵可能なデータのタイプの具体例として、製品容器の数量識別子、製品容器の製造日識別子、製品容器用の廃棄日識別子、製品容器用の原料識別子、製品モジュール識別子およびブラケット識別子が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
数量識別子に関して、実施例によっては、RFIDタグをつけた容器からくみ出した原料の各容量について、容器中の最新の量及び/又はくみ出された量を含むようRFIDタグに書き込まれる。その後容器がアセンブリーから取り除かれ、異なるアセンブリーに差し替えられる場合、システムはRFIDタグを読み取ることができ、容器内にある量及び/又は容器からくみ出された量を知ることができる。加えて、くみ出された日付もRFIDタグ上で書き込まれる。
【0090】
したがって、ブラケットアセンブリー(例えばブラケットアセンブリー282)が処理システム10内に設置するとき、RFIDタグアセンブリー(例えばRFIDタグアセンブリー458)を取り付けることができ、取り付けたRFIDタグアセンブリーは、(ブラケットアセンブリーを一意的に特定するために)ブラケット識別子を定めることができる。したがって、処理システム10が10個のブラケットアセンブリーを有するならば、10個のRFIDタグアセンブリー(すなわち、各ブラケットアセンブリーに取り付けられたそれぞれの1つが)10個の(すなわち、各ブラケットアセンブリーに対して1つの)ブラケット識別子を一意的に定めることができる。
【0091】
さらに、製品容器(例えば製品容器252、254、256、258)が製造され微量原料で満たされたとき、RFIDタグアセンブリーには、(製品容器内の微量原料を特定するための)原料識別子、(製品容器内の微量原料の量を特定するための)数量識別子、(微量原料を生産した日を特定するための)製造日識別子、及び(製品容器を廃棄/再利用すべき日を特定するための)廃棄日識別子を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
したがって、製品モジュールアセンブリー250が処理システム10に取り付けられたとき、RFIDアンテナアセンブリー452、462、464、466は、RFIDサブシステム474により励起される。RFIDサブシステム474は、データバス476を介して制御ロジックサブシステム14と接続することができる。一旦励起されると、RFIDアンテナアセンブリー452、462、464、466は、RFIDタグアセンブリーの存在を検出するために、それぞれの上部及び下部検出領域(例えば上部検出領域456及び下部検出領域460)の走査を始めることができる。
【0093】
上述の通り、1つ以上のRFIDタグアセンブリーは、製品モジュールアセンブリー250と解放可能に嵌合しているブラケットアセンブリーに取り付けることができる。したがって、製品モジュールアセンブリー250をブラケットアセンブリー282上に滑り込ませた(すなわち、解放可能に嵌合させた)とき、1つ以上のRFIDタグアセンブリー458、468、470、472は、(それぞれ)RFIDアンテナアセンブリー452、462、464、466の下部検出領域内に配置されることになる。説明目的で、ブラケットアセンブリー282がただ1つのRFIDタグアセンブリー、すなわち、RFIDタグアセンブリー458を有すると仮定する。さらに、説明目的で、製品容器252、254、256、258が(それぞれ)スロットアセンブリー260、262、264、266内に取り付けられていると仮定する。そうすると、RFIDサブシステム474は、(RFIDタグアセンブリー458を検出することにより)ブラケットアセンブリー282を検出し、各製品容器に取り付けられたRFIDタグアセンブリー(例えばRFIDタグアセンブリー454)を検出することにより製品容器252、254、256、258を検出するであろう。
【0094】
種々の製品モジュール、ブラケットアセンブリー、及び製品容器についての位置情報は、例えば制御ロジックサブシステム14に接続されている記憶サブシステム12内に貯蔵される。具体的には、もし何も変化がなければ、RFIDサブシステム474は、RFIDアンテナアセンブリー452に(製品容器258に取り付けられた)RFIDタグアセンブリー454を検出させ、RFIDアンテナアセンブリー452に(ブラケットアセンブリー282に取り付けられた)RFIDタグアセンブリー458を検出させるようにする。加えてもし何も変化がなければ、RFIDアンテナアセンブリー462は、製品容器256に取り付けられたRFIDタグアセンブリー(不図示)を検出し、RFIDアンテナアセンブリー464は製品容器254に取り付けられたRFIDタグアセンブリー(不図示)を検出し、RFIDアンテナアセンブリー466は製品容器252に取り付けられたRFIDタグアセンブリー(不図示)を検出することとなる。
【0095】
通常業務で呼び出されたときにおいて、製品容器258がスロットアセンブリー264内に正確に配置されておらず、製品容器256がスロットアセンブリー266内に正確に配置されていない状態を、説明目的のため仮定する。(RFIDアンテナアセンブリーを用いて)RFIDタグアセンブリーに含まれる情報を取得して、RFIDサブシステム474は、RFIDアンテナアセンブリー262を使用して製品容器258と関連付けられたRFIDタグアセンブリーを検出することができ、そして、RFIDアンテナアセンブリー452を使用して製品容器256と関連付けられたRFIDタグアセンブリーを検出することができる。製品容器256と258の新たな位置と(記憶サブシステム12に貯蔵された)先に記憶されている製品容器256と258の位置とを比較して、RFIDサブシステム474はこれらの製品容器の各々の位置は正しくないと判断することができる。
【0096】
したがって、RFIDサブシステム474は、制御ロジックサブシステム14を介して、例えばユーザーインターフェースサブシステム22の情報スクリーン414に警報メッセージを表示し、例えばサービス技術者に対して製品容器が間違えて再配置されたことを伝える。製品容器内の微量原料に応じて、サービス技術者は、例えばそのまま続けるか続けないかを選択することができる。上述の通り、特定の微量原料(例えばルートビア香料)は強い風味を持つので、いったん特定のポンプアセンブリー及び/又はチューブアセンブリーを通して分配してしまうと、そのポンプアセンブリー及び/又はチューブアセンブリーは、もはや他の微量原料に使えなくなってしまう。加えて先に説明したとおり、製品容器に取り付けた種々のRFIDタグアセンブリーは、製品容器内の微量原料を定める。
【0097】
したがって、レモンライム香料に使用するポンプアセンブリー/チューブアセンブリーを、こんどはルートビア香料に使用するならば、サービス技術者に、これがやりたいことかどうかを確認するよう警告をすることができる。しかしながら、ルートビア香料に使用するポンプアセンブリー/チューブアセンブリーを、こんどはレモンライム香料に使用するならば、サービス技術者に、そのようなことをすることはできず、製品容器を元の状態に戻さなければならないこと、又は、例えば、支障のあるポンプアセンブリー/チューブアセンブリーを取り去り新しいポンプアセンブリー/チューブアセンブリーに置き換えなければならないことの警告が与えられる。ブラケットアセンブリーが処理システム10内に移されたことをRFIDサブシステム474が検知した場合に、同様の警告を与えることができる。
【0098】
RFIDサブシステム474は種々の微量原料の消費量をモニターするように作ることができる。例えば上述の通り、特定の製品容器内の微量原料の量を定めるためにRFIDタグアセンブリーを最初にエンコードしておくことができる。制御ロジックサブシステム14は、種々の製品容器の各々からくみ出された微量原料の量がわかっているので、種々の製品容器に取り付けられた種々のRFIDタグアセンブリーには、(RFIDアンテナアセンブリーを介して)RFIDサブシステム474により、製品容器内に含まれる微量原料の最新の量を決定するための再書き込みを所定の間隔で(例えば1時間ごとに)行うことができる。
【0099】
製品容器が所定の最低量に達したことを検出すると、RFIDサブシステム474は、制御ロジックサブシステム14を介して、ユーザーインターフェースサブシステム22の情報スクリーン414に警報メッセージを表示することができる。加えて、RFIDサブシステム474は、(製品容器に取り付けられたRFIDタグアセンブリーに定めた)有効期限に到達又は期限切れに1つ以上の製品容器がなった場合は、(ユーザーインターフェースサブシステム22の情報スクリーン414に)警報を表示することができる。加えて/代替的に、上述の警報メッセージは、(無線又は有線通信チャンネルで)処理システム10と接続されたリモートサーバーのような、リモートコンピュータ(不図示)に伝達することができる。
【0100】
RFIDシステム450は、製品モジュールに取り付けられたRFIDアンテナアセンブリーと、ブラケットアセンブリー及び製品容器に取り付けられたRFIDタグアセンブリーを有するものとして上述したが、これは説明目的のためだけのものであり、この明細書の開示内容を限定することを意図するものではない。具体的には、RFIDアンテナアセンブリーは、任意の製品容器ブラケットアセンブリー、あるいは、製品モジュールに設置することができる。したがって、RFIDタグアセンブリーが製品モジュールアセンブリーに取り付けられる場合は、RFIDタグアセンブリーは、例えば製品モジュールのシリアル番号を定める製品モジュール識別子を定める。
【0101】
また、
図8Bを参照すると、RFIDシステム450に含まれるRFIDサブシステム474の実施の形態が示されている。RFIDサブシステム474は、(RFIDサブシステム474に含まれている)1つのRFIDリーダー478に複数のRFIDアンテナアセンブリー(例えばRFIDアンテナアセンブリー452、462、464、466)を順番に励起するよう作ることもできる。
【0102】
走査している間に、RFIDシステム450は、スイッチ4のポート1(すなわちスイッチ1に接続されたポート)を選択し、順番にスイッチ1にポート1、次にポート2、続いてポート3、次にポート4を選択させる。このようにして、順番に、RFIDアンテナアセンブリー466、464、462、452を励起し、励起されたRFIDアンテナアセンブリーの近傍に位置するRFIDタグアセンブリーを読み取る。
【0103】
次の走査を行っている間に、RFIDシステム450は、スイッチ4のポート2(すなわちスイッチ2に接続されたポート)を選択し、順番にスイッチ2にポート1、次にポート2、続いてポート3、次にポート4を選択させる。このようにして、順番に、(スイッチ2に接続された)RFIDアンテナアセンブリーを励起し、励起されたRFIDアンテナアセンブリーの近傍に位置するRFIDタグアセンブリーを読み取る。
【0104】
次の走査を行っている間に、RFIDシステム450は、スイッチ4のポート3(すなわちスイッチ3に接続されたポート)を選択し、順番にスイッチ3にポート1、次にポート2、続いてポート3、次にポート4を選択させる。このようにして、順番に、(スイッチ3に接続された)RFIDアンテナアセンブリーを励起し、励起されたRFIDアンテナアセンブリーの近傍に位置するRFIDタグアセンブリーを読み取る。
【0105】
スイッチ4の1つ以上のポート(例えばポート4)は、補助装置480が補助コネクター480に着脱可能に接続できるような補助コネクター480(例えば着脱可能な同軸コネクター)と接続することができる。補助装置480の例としてRFIDリーダー及び可搬型アンテナが含まれるがこれらに限定されない。RFIDシステム450がスイッチ4のポート3(すなわち補助コネクター480に接続されたポート)を選択する、走査を行う期間中、補助コネクター480と着脱可能に接続された装置が励起される。スイッチ1、スイッチ2、スイッチ3、及びスイッチ4の例として、単極4投スイッチが含まれるがこれに限定されない。
【0106】
製品モジュールアセンブリー250に含まれるスロットアセンブリー(例えば、スロットアセンブリー260、262、264、266)のごく近傍にあるため、例えば隣接するスロットアセンブリーにある製品容器を読み取ることを防ぐような方法で、RFIDアンテナアセンブリー452を作ることが望ましいであろう。例えば、RFIDアンテナアセンブリー452は、RFIDアンテナアセンブリー452がRFIDタグアセンブリー454、458のみを読み取ることができるように作るべきであり、RFIDアンテナアセンブリー462は、RFIDアンテナアセンブリー462がRFIDタグアセンブリー468及び製品容器256に取り付けられたRFIDタグアセンブリー(不図示)のみを読み取ることができるように作るべきであり、RFIDアンテナアセンブリー464は、RFIDアンテナアセンブリー464がRFIDタグアセンブリー470及び製品容器254に取り付けられたRFIDタグアセンブリー(不図示)のみを読み取ることができるように作るべきであり、そして、RFIDアンテナアセンブリー466は、RFIDアンテナアセンブリー466がRFIDタグアセンブリー472及び製品容器252に取り付けられたRFIDタグアセンブリー(不図示)のみを読み取ることができるように作るべきである。
【0107】
したがって、
図9をも参照すると、1つ以上のRFIDアンテナアセンブリー452、462、464、466をループアンテナとして作ることができる。RFIDアンテナアセンブリー452についての以下の説明は、RFIDアンテナアセンブリー452、462、464、466に等しく適用することができ、説明目的のためであり、この明細書の開示内容を限定することを意図するものではない。
【0108】
RFIDアンテナアセンブリー452は、RFIDアンテナアセンブリー452を活性化する、グランド502とポート504との間に接続された第1のキャパシターアセンブリー500(例えば2.90pFのキャパシター)を有する。第2のキャパシターアセンブリー506(例えば2.55pFのキャパシター)は、ポート504と誘導ループアセンブリー508との間に配置することができる。抵抗アセンブリー510(例えば2.00オームの抵抗)により、誘導ループアセンブリー508とグランド502とをつなぎ、Qファクターを減少させ(「Q値低減」とも称する)、帯域幅を増加させ動作範囲を広くすることができる。
【0109】
本技術分野では知られているが、RFIDアンテナアセンブリー452の特性は、誘導ループアセンブリー508の物理的特性を変更することにより調整することができる。例えば、誘導ループアセンブリー508の直径「d」を大きくするにつれて、RFIDアンテナアセンブリー452の遠距離電磁場性能は良くなる。さらに、誘導ループアセンブリー508の直径「d」を小さくするにつれて、RFIDアンテナアセンブリー452の遠距離電磁場性能は悪くなる。
【0110】
具体的には、RFIDアンテナアセンブリー452の遠距離電磁場性能はRFIDアンテナアセンブリー452の放射エネルギーに対する能力に応じて変化する。本技術分野で知られている通り、RFIDアンテナアセンブリー452の性能は(ポート504を介してRFIDアンテナアセンブリー452を活性化するために用いられる搬送信号512の波長に対する)誘導ループアセンブリー508の全周長に依存する。
【0111】
また、
図10と好ましい実施例とを参照して、搬送信号512は、12.89インチ(327mm)の915MHzの搬送信号とすることができる。ループアンテナの設計に関して、一旦誘導ループアセンブリー508の全周長が搬送信号512の波長の50%に近づくか又は50%を超えると、誘導ループアセンブリー508は、誘導ループアセンブリー508の軸562から(例えば矢印550、552、554、556、558、560で示したように)半径方向にエネルギーを放出し、遠距離電磁場性能を強化する。逆にいえば、誘導ループアセンブリー508の全周長を搬送信号512の波長の25%以下に保持することにより、誘導ループアセンブリー508から外に放出されるエネルギー量は減少し遠距離電磁場性能が損なわれることになる。さらに、電磁結合が(矢印564、566で示されるように)誘導ループアセンブリー508平面に対して垂直方向に生じ、近距離電磁場性能を強化することができる。
【0112】
上述の通り、製品モジュールアセンブリー250内のスロットアセンブリー(例えばスロットアセンブリー260、262、264、266)のごく近傍にあるので、RFIDアンテナアセンブリー452を、例えばスロットアセンブリーに隣接して設置した製品容器を読み取ってしまわないように作ることが望ましいであろう。したがって、誘導ループアセンブリー508の全周長が搬送信号512の波長の25%(例えば915MHzの搬送波信号用には3.22インチ(82mm))以下になるよう誘導ループアセンブリー508を作ることにより、遠距離電磁場性能が低下し近距離電磁場性能を強化することができる。さらに、読み取られるRFIDタグアセンブリーがRFIDアンテナアセンブリー452の上部又は下部になるよう誘導ループアセンブリー508を配置することにより、RFIDタグアセンブリーはRFIDアンテナアセンブリー452に電磁結合することができる。誘導ループアセンブリー508の全周長が搬送信号512の波長の10%(例えば915MHzの搬送波信号用には1.29インチ(33mm))になるようにすると、誘導ループアセンブリー508の直径は0.40(10mm)になり、比較的高い近距離電磁場性能と比較的低い遠距離電磁場性能が結果として得られる。
【0113】
図11Aを参照して、例えば隣接するスロットアセンブリーに位置する製品容器を読み取ってしまう可能性をさらに減少させるために、分割リング共振器アセンブリー568を誘導ループアセンブリー508の近傍に配置することができる。例えば、分割リング共振器アセンブリー568は、誘導ループアセンブリー508から約0.125インチ(3.2mm)離して配置することができる。
【0114】
分割リング共振器アセンブリー568は、一般に平面的にすることができ、少なくとも1つのリング、及び、実施例によって、対向位置に「割れ目」(例えば隙間)574、576を有する(分割リング共振器アセンブリー568に関する)一対の同心円状のリング570、572を有することができる。分割リング共振器アセンブリー568が誘導ループアセンブリー508と磁気的に結合することができ、(矢印566で示すように)誘導ループアセンブリー508により生じた磁場の少なくとも一部を集束させ、例えば隣接するスロットアセンブリーに位置する製品容器を読み取る可能性をさらに減少させることができるように、(誘導ループアセンブリー508に対する)分割リング共振器アセンブリー568の配置を定めることができる。
【0115】
分割リング共振器アセンブリー568が誘導ループアセンブリー508と磁気的に結合すると、(この説明例で矢印566で示したように)磁場の磁束がリング570、572を貫通し、(それぞれ矢印578、580で示したように)回転電流が生じる。リング570、572内の回転電流578、580は(それぞれ)、(方向に依存して)誘導ループアセンブリー508の磁場を強くすることのできる自分自身の磁束を作ることができる。
【0116】
例えば、回転電流578は、リング570の内側に、(矢印584で示すような)一般に垂直に流れる磁束線を作ること、(したがって、磁場566を強くすること)ができる。さらに、回転電流580は、リング572の内側に、(矢印588で示すような)一般に垂直に流れる磁束線を作ること、(したがって、磁場566を強くすること)ができる。
【0117】
したがって、分割リング共振器アセンブリー568の使用により、誘導ループアセンブリー508により生じた磁場566は、(強化された領域590として示されるような)分割リング共振器アセンブリー568により区画された領域内で強化される。
【0118】
分割リング共振器アセンブリー568を構成するとき、リング570、572は非鉄材料で組み立てることができる。このような非鉄材料の例として銅がある。当該技術領域で知られているように、材料は、その材料の特性が(材料の成分ではなくて)材料の構造により定まるような材料である。
【0119】
左手系材料は、入力電磁波により励起されたとき、その構造の物理的特性に起因すると思われる興味深い磁気共鳴のふるまいを示す。同心円状のスプリットリングのような形状において、左手系材料の誘電率及び有効透磁率が共振状態で負になり、左手系座標システムを形成することがある。さらに、屈折率がゼロ以下になり、位相速度御及び群速度が逆の方向に向くことがあり、伝達方向がエネルギーの流れ方向に対して反対になることがある。
【0120】
したがって、分割リング共振器アセンブリー568は、分割リング共振器アセンブリー568の共振周波数が搬送信号512(すなわち、誘導ループアセンブリー508を活性化させる搬送信号)より少しだけ上回るように作られる。搬送信号512が915MHzの周波数である上述の例では、分割リング共振器アセンブリー568は、共振周波数が約950MHz〜1.00GHzとなるように作ることができ、実施例によりこれは、これだけに限定されるものではないが、共振時に生じるRFIDシステム478の動作帯域内での群遅延による歪みを最小化することを含む多くの理由で望ましいこととなろう。
【0121】
図11B1〜11B6も参照すると、例えば搬送信号512の種々の位相角における、例えば分割リング共振器アセンブリー568があるときとないときでの、例えば誘導ループアセンブリー508により生成される磁束線を概略的に示した種々の磁束のプロットが示されている。左手系材料は、入力電磁波により励起されたとき、その構造の物理的特性に起因すると思われる興味深い磁気共鳴のふるまいを示す。
図11B1〜11B6において、ループアンテナ(例えば誘導ループアセンブリー508)は、分割リング共振器(例えば分割リング共振器アセンブリー568)を励起する。所定の位相角に対する磁気(H)場のパターンを示す。例えば搬送信号512の位相角が変化すると、磁束線の方向と密度が、例えば分割リング共振器アセンブリー568の幾何学的範囲内に集束しそこから出て行くのをみることができる。
【0122】
具体的には、
図11B1〜11B2は、例えば搬送信号512の位相角が0度で例えば分割リング共振器アセンブリー568が有るときと無いときの、例えば誘導ループアセンブリー508により生成される磁束線を(それぞれ)描いたものである。
図11B3〜11B4は、例えば搬送信号512の位相角が45度で例えば分割リング共振器アセンブリー568が有るときと無いときの、例えば誘導ループアセンブリー508により生成される磁束線を(それぞれ)描いたものである。
図11B5〜11B6は、例えば搬送信号512の位相角が90度で例えば分割リング共振器アセンブリー568が有るときと無いときの、例えば誘導ループアセンブリー508により生成される磁束線を(それぞれ)描いたものである。
図11B7〜11B8は、例えば搬送信号512の位相角が135度で例えば分割リング共振器アセンブリー568が有るときと無いときの、例えば誘導ループアセンブリー508により生成される磁束線を(それぞれ)描いたものである。
図11B9〜11B10は、例えば搬送信号512の位相角が180度で例えば分割リング共振器アセンブリー568が有るときと無いときの、例えば誘導ループアセンブリー508により生成される磁束線を(それぞれ)描いたものである。
図11B11〜11B12は、例えば搬送信号512の位相角が225度で例えば分割リング共振器アセンブリー568が有るときと無いときの、例えば誘導ループアセンブリー508により生成される磁束線を(それぞれ)描いたものである。
図11B13〜11B14は、例えば搬送信号512の位相角が270度で例えば分割リング共振器アセンブリー568が有るときと無いときの、例えば誘導ループアセンブリー508により生成される磁束線を(それぞれ)描いたものである。
図11B15〜11B16は、例えば搬送信号512の位相角が315度で例えば分割リング共振器アセンブリー568が有るときと無いときの、例えば誘導ループアセンブリー508により生成される磁束線を(それぞれ)描いたものである。
【0123】
図11Cを参照すると、RFIDアンテナアセンブリーを有する分割リング共振器の使用についての一般的な実施の形態が示されている。具体的には、製品モジュールアセンブリー250が4つの製品容器(例えば製品容器252、254、256、258)のためのスロットを有することが示されている。4つのRFIDアンテナアセンブリー(例えばRFIDアンテナアセンブリー452、462、464、466)が、製品モジュールアセンブリー250に取り付けられている。RFIDアンテナアセンブリー452により生じた磁場の「上部」に焦点を合わせて例えば強化領域590を定めるため、1つの分割リング共振器アセンブリー(例えば分割リング共振器アセンブリー568)をRFIDアンテナアセンブリー452の上部に置くことができる。この例では、RFIDアンテナアセンブリー452により生じた磁場の「下部」に焦点を合わせるために、分割リング共振器アセンブリー(例えば分割リング共振器アセンブリー592)をRFIDアンテナアセンブリー452をRFIDアンテナアセンブリー452の下部に置くことができる。また、さらなる3つの分割リング共振器アセンブリー(例えば分割リング共振器アセンブリー594、596、598)は、それぞれRFIDアンテナアセンブリー462、464、466により生じた磁場の「上部」に焦点を合わせて、各RFIDアンテナアセンブリーに関連付けられたそれぞれの強化領域を定めるため、RFIDアンテナアセンブリー462、464、466上部に置くことができる。実施例によっては、分割リング共振器は
図11Cに示したように2つ用いるのではなく、1つとすることができる。1つの分割リング共振器を用いる実施例では、分割リング共振器は、RFIDアンテナアセンブリーの上部に設置することも下部に設置することもできる。
【0124】
図12Aを参照すると、分割リング共振器アセンブリー568を作るとき、分割リング共振器アセンブリー568は、L−Cタンク回路としてモデル化することができる。例えば、キャパシターアセンブリー602、604は、リング570、572間の空間「x」(
図11A)のキャパシタンスを表す。キャパシターアセンブリー606、608は、(それぞれ)隙間574、576のキャパシタンスを表す。インダクターアセンブリー610、612は、(それぞれ)リング570、572のインダクタンスを表す。さらに、相互インダクタンス結合614は、リング570、572間の相互インダクタンス結合を表す。したがって、キャパシターアセンブリー602、604、606、608、インダクターアセンブリー610、612、及び相互インダクタンス結合614の値は、分割リング共振器アセンブリー568が望ましい共振周波数を持つよう選定することができる。
【0125】
好ましい実施例では、空間「x」は0.20インチ(5.0mm)、隙間574の幅は0.20インチ(5.0mm)、隙間576の幅は0.20インチ(5.0mm)、リング570の幅「y」(
図11A)は0.20インチ(5.0mm)、そしてリング572の幅「z」(
図11A)は0.20インチ(5.0mm)である。さらに、好ましい実施例では、キャパシターアセンブリー602は、約1.00ピコファラッドの値とすることができ、キャパシターアセンブリー604は、約1.00ピコファラッドの値とすることができ、キャパシターアセンブリー606は、約1.00ピコファラッドの値とすることができ、キャパシターアセンブリー608は、約1.00ピコファラッドの値とすることができ、インダクターアセンブリー610は、約1.00ミリヘンリーの値とすることができ、インダクターアセンブリー612は、約1.00ミリヘンリーの値とすることができ、そして相互インダクタンス結合614は0.001の値とすることができる。実施例によっては、インダクターアセンブリー610は、約5ナノヘンリーの値とすることができるが、種々の実施例において、インダクターアセンブリー610はここに記載した値と異なる値とすることができる。
【0126】
上述の通り、分割リング共振器アセンブリー568の共振周波数を搬送信号512(すなわち、誘導ループアセンブリー508を励起する搬送信号)の周波数より少し高くする(例えば5〜10%高くする)ことが望ましい。
図12Bを参照すると、例えば、分割リング共振器アセンブリー568の、共振周波数の調整/位相シフトの変更/応答特性の調節/Qファクターの変更を行うためのバラクタ同調回路650が示されている。例えば、バラクタ同調回路650は、(それぞれ)リング570、572の隙間574、576内に設置することができ、1つ又は2つのキャパシター(例えばキャパシター656、658)と直列に、アノードとアノードに結合した1つ以上のバラクタダイオード652、654(例えばMDT MV20004)を有することができる。一般的な実施例では、キャパシター656、658は、約10ピコファラッドの値とすることができる。1対の抵抗アセンブリー(例えば660、662)は(それぞれ)バラクタダイオード652、654のカソードとグランド664とをつなぎ、インダクターアセンブリー666は、(電源668で生成された)負電圧をバラクタダイオード652、654のアノードに供給することができる。一般的な実施例では、抵抗アセンブリー660、662は、約100キロオームの値とすることができ、インダクターアセンブリー666は、約20〜300ナノヘンリー(一般的には100〜200ナノヘンリー)の値とすることができ、電源668は約−2.5ボルトの値とすることができる。バラクタ同調回路650がバラクタダイオード(例えばバラクタダイオード652)を有するように作るならば、バラクタ同調回路650とキャパシター658とをバラクタダイオード652とインダクターアセンブリー666とを直接接続することができるので、バラクタダイオード654、及び抵抗アセンブリー662は取り除くことができる。
【0127】
分割リング共振器アセンブリー568は1対の一般的な円形リング(すなわちリング570、572)を有するように記載されているが、これは説明目的のためだけのものであり、本明細書の開示内容を限定することを意図するものではない。具体的には、分割リング共振器アセンブリー568の一般的形状は、磁場566を集束する方法又は望ましい領域での左手系動作を起こすための形状に依存して変化する。加えて、実施例によっては、分割リング共振器アセンブリー568は1つのリングを有することができる。加えて、例えば、概ね円形の強化領域が望ましい場合、概ね円形のリングを有する分割リング共振器アセンブリー568を用いることができる。あるいは、概ね長方形の強化領域が望ましい場合、(
図13Aに示す通り)概ね長方形のリングを有する分割リング共振器アセンブリー568を用いることができる。またあるいは、概ね正方形の強化領域が望ましい場合、概ね正方形のリングを有する分割リング共振器アセンブリー568を用いることができる。加えて、概ね楕円形の強化領域が望ましい場合、概ね楕円形のリングを有する分割リング共振器アセンブリー568を用いることができる。
【0128】
さらに、分割リング共振器アセンブリー568で用いるリングは(
図11Aに示したような)滑らかなリングである必要はなく、アプリケーションに応じて、滑らかでない(例えば波形の)表面であってもよい。そのような波形のリング表面の例を
図13Bに示す。
【0129】
図14及び15を参照して、処理システム10は、ハウジングアセンブリー700に組み込むことができる。ハウジングアセンブリー700は、1つ以上の点検窓/パネル702、704を有しており、例えば、処理システム10のサービスを可能にし、空の製品容器(例えば製品容器258)の交換を可能にする。(例えばセキュリティ、安全性などの)種々の理由で、処理システム10の内部部品には専ら関係者によってアクセスできるように、点検窓/パネル702、704の保安を確保しておくことが望ましい。したがって、先に説明したRFIDサブシステム(例えばRFIDサブシステム474)は、しかるべきRFIDタグアセンブリーをRFIDアンテナアセンブリー750に近づけた場合にのみ、点検窓/パネル702、704が開くように作ることができる。そのような、しかるべきRFIDタグアセンブリーの例として、製品容器(例えば製品容器258に取り付けたRFIDタグアセンブリー454)に取り付けられたRFIDタグアセンブリーが含まれる。
【0130】
RFIDアンテナアセンブリー750は、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752を含んでいる。第1のマッチング要素754(例えば5.00pFのキャパシター)は、グランド756とRFIDアンテナアセンブリー750を励起することのできるポート758との間に接続される。第2のマッチング要素760(例えば16.56ナノヘンリーのインダクター)は、ポート758とマルチセグメントの誘導ループアセンブリー752との間に設置される。マッチング要素754、760は、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752のインピーダンスを調整して必要なインピーダンス(例えば50.00オーム)にする。一般に、マッチング要素754、760は、RFIDアンテナアセンブリー750の効率を向上させることができる。
【0131】
任意に、RFIDアンテナアセンブリー750は、RFIDアンテナアセンブリー750が広い周波数範囲で用いることができるように作られた要素762(例えば50.00オームの抵抗)のQファクターを減少させたものを含むことができる。これは、また、RFIDアンテナアセンブリー750を全帯域で用いることができるようにすることであり、マッチングネットワーク内の許容範囲にすることができることでもある。例えば、RFIDアンテナアセンブリー750が関与する帯域が50MHzで、Qファクター要素(ここでは、「Q値低減要素」とも称する)がアンテナを100MHzの幅にするよう作られているとすると、RFIDアンテナアセンブリー750の性能に影響を与えることなくRFIDアンテナアセンブリー750の中心周波数が25MHzだけ移動することができる。Q値低減要素762は、マルチセグメントの誘導ループアセンブリ752内に設置することも、RFIDアンテナアセンブリー750のどこか別の場所に設置することもできる。
【0132】
上述の通り、比較的小さな誘導ループアセンブリー(例えば
図9及び10の誘導ループアセンブリー508)を用いることにより、アンテナアセンブリーの遠距離電磁場性能を低下させ近距離電磁場性能を向上させることができる。残念ながら、このような小さな誘導ループアセンブリーを用いるばあい、RFIDアンテナアセンブリーの検出範囲の深度も比較的小さくなる(例えば、通常、ループの直径に比例する)。したがって、検出範囲の深度を大きくするためには、直径の大きなループを使用することができる。残念ながら、上述の通り、直径の大きなループを使用すると、遠距離電磁場性能を向上させ近距離電磁場性能を低下させる結果となる。
【0133】
したがって、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752は、位相シフト要素(例えば、キャパシターアセンブリー780、782、784、786、788、790、792)をもつ複数の離散的アンテナセグメント(例えば、アンテナセグメント764、766、768、770、772、774、776)を有することができる。キャパシターアセンブリー780、782、784、786、788、790、792の例として、1.0pFのキャパシター又はバラクタ(例えば可変電圧キャパシター)例えば、0.1〜250pFのバラクタを含めることができる。マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752の位相シフトを適応制御するために、または、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752の特性を調整して種々の誘導結合特性及び/又は磁気特性を実現させることを目的として、上述の位相シフト要素を作ることができる。上述の位相シフト要素の代替的実施例は結合線路(不図示)である。
【0134】
上述の通り、RFIDアンテナアセンブリー750を励起する搬送信号の波長の25%未満にアンテナセグメントの長さを保持することにより、アンテナセグメントから放射されるエネルギー量が減少し、遠距離電磁場性能は損なわれるが、近距離電磁場性能は向上する。したがって、アンテナセグメント764、766、768、770、772、774、776の各々は、RFIDアンテナアセンブリー750を励起する搬送信号の波長の25%以下になるよう寸法を定める。さらに、キャパシターアセンブリー780、782、784、786、788、790、792の各々を適切な寸法にすることにより、搬送信号がマルチセグメントの誘導ループアセンブリー752の周りに伝わってくるときに生じる位相シフトがマルチセグメントの誘導ループアセンブリー752に組み込まれた種々のキャパシターアセンブリーにより相殺される。したがって、説明目的で、アンテナセグメント764、766、768、770、772、774、776の各々は、90°の位相シフトが起こると仮定する。したがって、適切な寸法のキャパシターアセンブリー780、782、784、786、788、790、792を用いることにより、各セグメントで生じる90°の位相シフトは低減/削除される。例えば、915MHzの搬送信号で、搬送信号の波長の25%未満(一般には10%)のアンテナセグメント長さを持つものに対して、好ましい、位相シフト及び同調セグメントの共振の相殺を行うために、1.2pFのキャパシターアセンブリーを用いることができる。
【0135】
上述の通り、RFIDアンテナアセンブリー750を励起する搬送信号の波長の25%より長くない、比較的短いアンテナセグメント(例えばアンテナセグメント764、766、768、770、772、774、776)を用いることにより、アンテナアセンブリー750の遠距離電磁場性能を低下させ、近距離電磁場性能を向上させることができる。
【0136】
RFIDアンテナアセンブリー750から高いレベルの遠距離電磁場性能が望ましい場合は、RFIDアンテナアセンブリー750は、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752の一部に接続された遠距離アンテナアセンブリー794(例えばダイポールアンテナアセンブリー)を有することができる。遠距離アンテナアセンブリー794は、第1のアンテナ部796(すなわち、ダイポールの第1の部分を形成する)と第2のアンテナ部798(すなわち、ダイポールの第2の部分を形成する)を含むことができる。上述の通り、アンテナセグメント764、766、768、770、772、774、776の長さを搬送信号の波長の25%未満に保持することによりアンテナアセンブリー750の遠距離電磁場性能を低下させ、近距離電磁場性能を向上させることができる。したがって、第1のアンテナ部796と第2のアンテナ部798の合計長さは、搬送信号の波長の25%以上とすることができ、遠距離電磁場性能のレベルが向上する。
【0137】
マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752は、留め継ぎで結合した複数の直線アンテナセグメントで作られているが、これはもっぱら説明目的のためであり、本明細書の開示内容を限定することを意図するものではない。例えば、複数の曲がったアンテナセグメントを、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752を構成するために用いることもできる。加えて、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752は、どのようなループ型の形状で作ることもできる。例えば、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752は、(
図15Aに示すような)楕円形、円形、正方形、長方形、又は八角形にすることができる。
【0138】
上述の通り、分割リング共振器アセンブリー568(
図11A)又は複数の分割リング共振器アセンブリーは、分割リング共振器アセンブリー568(
図11A)が誘導ループアセンブリー508(
図11A)と磁気的に結合し、少なくとも誘導ループアセンブリー508(
図11A)により生じた(
図11Aの矢印566で示したような)磁場の一部が、例えば隣接するスロットアセンブリーに設置された製品容器を読み込む可能性をさらに減少させるために、集束するような(
図11Aの誘導ループアセンブリー508に対する相対位置に)設置される。このような分割リング共振器アセンブリーは、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752により作られる磁場を集束させるために上述のマルチセグメントの誘導ループアセンブリー752とともに用いることができる。マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752とともに用いられる分割リング共振器アセンブリー800の一例を
図15Bに示す。分割リング共振器800を望ましい共振周波数を持つよう調整するために、分割リング共振器800にある隙間の数は変わる。
【0139】
分割リング共振器アセンブリー568の説明と同様に、分割リング共振器800の形は、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー752により生じた磁場を集束させる方法に応じて変更することができる。例えば、一般的に円形の強化領域が望ましい場合、一般的に円形のリングを有する分割リング共振器アセンブリー800を用いることができる。あるいは、一般的に長方形の強化領域が望ましい場合、一般的に長方形のリングを有する分割リング共振器アセンブリー800を用いることができる。またあるいは、一般的に正方形の強化領域が望ましい場合、一般的に正方形のリングを有する分割リング共振器アセンブリー800を用いることができる。加えて、一般的に楕円形の強化領域が望ましい場合、(
図15Bに示すような)一般的に楕円形のリングを有する分割リング共振器アセンブリー800を用いることができる。
【0140】
(渦電流トラップ)
図18A及び18Bを参照して、ボード1100が、2つのループアンテナ1102、1104とその間にある渦電流トラップ1106と共に示されている。
図18Bは、渦電流トラップ1106の実施例の電気的回路図を示す。渦電流トラップ1106は、グランド面1110、Q値低減抵抗1112、容量性隙間1114、及び誘導性トレース1108とを有する。
【0141】
アンテナの種々の実施例において、いくつかの実施例では、2つのループアンテナ1102、1104の間に渦電流トラップ1106を取り付け/設置することができる。したがって、いくつかの実施例では、渦電流トラップ1106は、ループアンテナ1102、1104から所定の距離だけ隔てて取り付け/設置することができる。渦電流トラップ1106は、ループアンテナ1102、1104からの電磁場のパターンを吸収する共振タンク回路である。いくつかの実施例では、渦電流トラップ1106は、集中定数素子又は分布定数素子、あるいは、これら2つの組み合わせとすることができる。渦電流トラップ1106は、ループアンテナ1102、1104同士の分離特性を改善するために用いることができる。いくつかの実施例では、
図19に示すように、少なくとも1つの分割リング共振器1116、1118は、
図18に示すボードの対辺にプリントすることができる。しかし、実施例によっては、少なくとも1つの分割リング共振器1116、1118は、別のボードにプリントすることができる。
【0142】
図19に示すように、実施例によっては、分割リング共振器1116、1118は、単一のリングである。しかし、他の実施例において、分割リング共振器1116、1118は、ここに記載した分割リング共振器のいずれの実施例とすることもできる。実施例によっては、1つ以上のQ値低減要素1112を広帯域応答性を改善するために用いることができる。
【0143】
図20A〜20Eを参照すると、種々の結果が示されている。
図20Aには、基準キャリブレーションが示されている。これは、1つの実施例における、2つのループアンテナの分離特性を示すキャリブレーションである。
図20Bは、渦電流トラップを取り付けて、2つのループアンテナの間の分離特性を計測したものである。
図20Bは、2つのループアンテナの間の分離特性が改善されたことを示している。
図20C〜20Eには、種々のQ値低減抵抗を取り付け(例えばそれぞれ
図20Cでは2オーム、
図20Dでは5オーム、
図20Eでは10オーム)たとき、改善された広帯域応答特性が示されている。
図20Fでは、電磁的シミュレーションの結果が示されている。2D平面への3Dプロットが示されている。ここで、磁場電流は、メーターあたりのアンペアで示されている。このプロットから、渦電流トラップにトラップされるエネルギー量がわかる。この結果では、渦電流トラップがある場合とない場合との比較が示されている。最後に、
図20F〜20Gは、電磁的シミュレーションを行った結果得られた分離特性を示し、
図20Gは渦電流トラップにトラップされるエネルギー量を示し、
図20Fは、渦電流トラップがない場合の結果を示す。
【0144】
図21を参照すると、ループアンテナの他の1つの実施例が示されている。ループアンテナのこの実施例は、ここに記載した種々のシステムのいずれにも使用することができる。
図21に示すループアンテナは、ループアンテナの1つの実施例であり、種々の実施例において変化する。
【0145】
図16Aを参照すると、アクセスドア/パネル702、704(
図14)を解放できるようにするRFIDアンテナアセンブリー950の好ましい実施例が示されている。
【0146】
RFIDアンテナアセンブリー950はマルチセグメントの誘導ループアセンブリー952を有することができる。第1のマッチング要素954(例えば5.00pFのキャパシター)は、グランド956と、RFIDアンテナアセンブリー950を励起するポート958との間に接続することができる。第2のマッチング要素960(例えば5.00pFのキャパシター)は、ポート958とマルチセグメントの誘導ループアセンブリー952との間に配置することができる。マッチング要素954、960は、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952のインピーダンスを調整して望ましいインピーダンス(例えば50.00オーム)にすることができる。一般に、マッチング要素954、960により、RFIDアンテナアセンブリー950の効率を改善することができる。
【0147】
RFIDアンテナアセンブリー950は、RFIDアンテナアセンブリー750を調整するための抵抗要素962(例えば50.00オームの抵抗)を有することができる。抵抗要素962は、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952に置くことも、または、RFIDアンテナアセンブリー950内の他の場所に置くこともできる。
【0148】
マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952は、位相シフト要素(例えばキャパシターアセンブリー980、982、984、986、988、990、992)と共に、複数の別々のアンテナセグメント(例えばアンテナセグメント964、966、968、970、972、974、976)を含むことができる。キャパシターアセンブリー980、982、984、986、988、990、992の例として1.0pFのキャパシター又はバラクタ(例えば、可変電圧キャパシター)例えば、0.1〜250pFのバラクタがある。マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952の位相シフトを最適に制御し、状況の変化を補償するようにするか、又はマルチセグメントの誘導ループアセンブリー952の特性を調整し、種々の誘導結合特性及び/又は磁気特性を実現させることを目的として、上述の位相シフト要素を作ることができる。ある実施例において、上述の位相シフト要素の代替的実施例は結合線路(不図示)である。
【0149】
上述の通り、RFIDアンテナアセンブリー750を励起する搬送信号の波長の25%未満にアンテナセグメントの長さを保持することにより、アンテナセグメントから放射されるエネルギー量が減少し、遠距離電磁場性能は損なわれるが、近距離電磁場性能は向上する。したがって、アンテナセグメント964、966、968、970、972、974、976の各々は、RFIDアンテナアセンブリー950を励起する搬送信号の波長の25%以下になるよう寸法を定める。さらに、キャパシターアセンブリー980、982、984、986、988、990、992の各々を適切な寸法にすることにより、搬送信号がマルチセグメントの誘導ループアセンブリー952の周りに伝わってくるときに生じる位相シフトがマルチセグメントの誘導ループアセンブリー952に組み込まれた種々のキャパシターアセンブリーにより相殺される。したがって、説明目的で、アンテナセグメント964、966、968、970、972、974、976の各々は、90°の位相シフトが起こると仮定する。したがって、適切な寸法のキャパシターアセンブリー980、982、984、986、988、990、992を用いることにより、各セグメントで生じる90°の位相シフトは低減/削除される。例えば、915MHzの搬送信号で、搬送信号の波長の25%未満(一般には10%)のアンテナセグメント長さを持つものに対して、好ましい、位相シフト及び同調セグメントの共振の相殺を行うために、1.2pFのキャパシターアセンブリーを用いることができる。
【0150】
上述の通り、RFIDアンテナアセンブリー950を励起する搬送信号の波長の25%より長くない、比較的短いアンテナセグメント(例えばアンテナセグメント964、966、968、970、972、974、976)を用いることにより、アンテナアセンブリー950の遠距離電磁場性能を低下させ、近距離電磁場性能を向上させることができる。
【0151】
RFIDアンテナアセンブリー950から高いレベルの遠距離電磁場性能が望ましい場合は、RFIDアンテナアセンブリー950は、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952の一部に接続された遠距離アンテナアセンブリー994(例えばダイポールアンテナアセンブリー)を有することができる。遠距離アンテナアセンブリー994は、第1のアンテナ部996(すなわち、ダイポールの第1の部分を形成する)と第2のアンテナ部998(すなわち、ダイポールの第2の部分を形成する)を含むことができる。上述の通り、アンテナセグメント964、966、968、970、972、974、976の長さを搬送信号の波長の25%未満に保持することによりアンテナアセンブリー950の遠距離電磁場性能を低下させ、近距離電磁場性能を向上させることができる。したがって、第1のアンテナ部996と第2のアンテナ部998の合計長さは、搬送信号の波長の25%以上とすることができ、遠距離電磁場性能のレベルが向上する。
【0152】
マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952は、留め継ぎで結合した複数の直線アンテナセグメントで構成されているが、これはもっぱら説明目的のためであり、本明細書の開示内容を限定することを意図するものではない。例えば、複数の曲がったアンテナセグメントを、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952を構成するために用いることもできる。加えて、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952は、どのようなループ型の形状で作ることもできる。例えば、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952は、(
図16Aに示すような)楕円形、円形、正方形、長方形、又は八角形にすることができる。
【0153】
上述の通り、分割リング共振器アセンブリー568(
図11A)又は複数の分割リング共振器アセンブリーは、分割リング共振器アセンブリー568(
図11A)が誘導ループアセンブリー508(
図11A)と磁気的に結合し、少なくとも誘導ループアセンブリー508(
図11A)により生じた(
図11Aの矢印566で示したような)磁場の一部が、例えば隣接するスロットアセンブリーに設置された製品容器を読み込む可能性をさらに減少させるために、集束するような(
図11Aの誘導ループアセンブリー508に対する相対位置に)、設置される。このような分割リング共振器アセンブリーは、マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952により作られる磁場を集束させるために上述のマルチセグメントの誘導ループアセンブリー952とともに用いることができる。マルチセグメントの誘導ループアセンブリー952とともに用いられる分割リング共振器アセンブリー1000の一例を
図16Bに示す。分割リング共振器1000を望ましい共振周波数を持つよう調整するために、分割リング共振器1000にある隙間の数は変わる。上述の通り、分割リング共振器アセンブリー1000の共振周波数を搬送信号512(すなわち、誘導ループアセンブリー952を励起する搬送信号)の周波数より少し高くする(例えば5〜10%高くする)ことが望ましい。
図12Bを参照すると、例えば、分割リング共振器アセンブリー1000の、共振周波数の調整/位相シフトの変更/応答特性の調節/Qファクターの変更を行うためのバラクタ同調回路650が示されている。例えば、バラクタ同調回路650は、共振器1000のリングの隙間574、576内に設置することができ、1つ又は2つのキャパシター(例えばキャパシター656、658)と直列に、アノードとアノードに結合した1つ以上のバラクタダイオード652、654(例えばMDT MV20004)を有することができる。一般的な実施例では、キャパシター656、658は、約10ピコファラッドの値とすることができる。1対の抵抗アセンブリー(例えば660、662)は(それぞれ)バラクタダイオード652、654のカソードとグランド664とをつなぎ、インダクターアセンブリー666は、(電源668で生成された)負電圧をバラクタダイオード652、654のアノードに供給することができる。一般的な実施例では、抵抗アセンブリー660、662は、約100キロオームの値とすることができ、インダクターアセンブリー666は、約20〜300ナノヘンリー(一般的には100〜200ナノヘンリー)の値とすることができ、電源668は約−2.5ボルトの値とすることができる。バラクタ同調回路650がバラクタダイオード(例えばバラクタダイオード652)を有するように作るならば、バラクタ同調回路650とキャパシター658とをバラクタダイオード652とインダクターアセンブリー666とを直接接続することができるので、バラクタダイオード654、及び抵抗アセンブリー662は取り除くことができる。
【0154】
システムは、RFIDアンテナアセンブリー(例えばRFIDアンテナアセンブリー452)の上に置いた製品容器(例えば製品容器258)に取り付けられたRFIDタグアセンブリー(例えばRFIDタグアセンブリー454)を有し、RFIDアンテナアセンブリーはブラケットアセンブリー282に取り付けられたRFIDタグ(例えばRFIDタグアセンブリー458)の上に置くものとして上述したが、これはもっぱら説明目的のためであり、本明細書の開示内容を限定することを意図するものではなく、他の構成も可能である。例えば、製品容器(例えば製品容器258)に取り付けられたRFIDタグアセンブリー(例えばRFIDタグアセンブリー454)は、RFIDアンテナアセンブリー(例えばRFIDアンテナアセンブリー452)の下に置くことができ、RFIDアンテナアセンブリーは、ブラケットアセンブリー282に取り付けられたRFIDタグ(例えばRFIDタグアセンブリー458)の下に置くことができる。
【0155】
種々の電気的要素、機械的要素、電気機械部要素およびソフトウェア処理が、飲料を分配する処理システムで利用される旨上述したが、これはもっぱら説明目的のためであり、本明細書の開示内容を限定することを意図するものではなく、他の構成も可能である。例えば、上述の処理システムは、別の消費可能な製品(例えばアイスクリームとアルコール飲料)の処理/分配のために利用することができる。加えて、上述のシステムは食品産業以外の領域でも利用することができる。例えば、上述のシステムは、ビタミン、調合薬、医療品、清掃製品、潤滑剤、塗装又は染色製品、または別の非消耗液体/半液体/粉状固形物及び/又は粉状流体の処理/調剤のために利用することができる。
【0156】
上述の通り、処理システム10の、種々の電気的要素、機械的要素、電気機械部要素およびソフトウェア処理は、1つ以上の基質(また「原料」とも呼ばれる)から製品の要求時に生成することが望まれるあらゆる機械の中で使用することができる。
【0157】
種々の実施例において、製品はプロセッサにプログラムされているレシピに従って生成される。上述のように、レシピは許可があれば更新され、取り込まれ、変更される。レシピはユーザーの要求により、あるいは、あらかじめプログラムし、スケジュールに従いで準備することができる。レシピは、任意の数の基質または原料を有することができ、また、生成された製品には、任意の数の基質又は原料が任意の望ましい濃度で含まれる。
【0158】
使用する基質は、任意の濃度での任意の流体、あるいは、機械が製品を生成している間又は機械が製品を生成する前に、水で戻される任意の粉末あるいは別の固形物である(つまり、粉末又は固形物を水で戻す「バッチ」処理は、追加製品を製造するための計量、又は製品として「バッチ」溶液を分配するための、特定の準備期間中に行われる)。種々の失し例において、1以上の基質を1つのマニホールド中で混ぜ合わせ、計量して、他の追加基質を混ぜるために他のマニホールドに送られる。
【0159】
したがって、種々の実施例において、要求があったとき、または実際の要求がある前ではあるが必要な時に、マニホールドでの計量により、レシピ、第1の基質及び、少なくとも1つの追加基質により、第1のマニホールド中の溶液が作られる。実施例によっては、基質の1つを水で戻すことができ、すなわち、その基質は粉末/固体とすることができ、特定の量を混合マニホールドに加えることができる。液体の基質も、同じ混合マニホールドに加えることができ、そして、粉末の基質を、その液体の中で必要な濃度にもどすことができる。このマニホールドの内容物は、例えば、他のマニホールドに送られるか、または、分配される。
【0160】
実施例によっては、ここに記載の方法は、要求に応じて混ぜ合わせる血液透析液とともに用いることができ、レシピ/処方箋に従い腹膜透析または血液透析に使用することができる。当業者に知られているように、透析液の組成として、重炭酸塩、ナトリウム、カルシウム、カリウム、塩化物、ブドウ糖、乳酸塩、酢酸、酢酸塩、マグネシウム、グルコースおよび塩酸のうちの1つ以上が含まれるが、これに限定されない。
【0161】
透析液は、浸透を通して、血液からの不用の分子(例えば尿素、クレアチニン、カリウム、リン酸塩、その他のようなイオン)および水を透析液中に抜きとるために使用される。透析溶液は当該技術分野における通常の知識を有する者にはよく知られている。
【0162】
例えば、透析液は、一般的には健康な血液での生来の濃度と同じような、カリウムおよびカルシウムのような様々なイオンを含んでいる。ある場合には、透析液が炭酸水素ナトリウムを含んでおり、それは、通常、正常な血液で見つかるよりも幾分高い濃度である。一般的には、透析液は、1つ以上の成分を水源(例えば逆浸透又は「RO」水)と混ぜた水によって準備される。例えば「酸」(それは酢酸、ブドウ糖、NaCl、CaCl、KCl、MgCl、その他のような様々な種類を有する)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)及び/又は塩化ナトリウム(NaCl)である。塩類、浸透性、pHおよび同種のものの適切な濃度を使用することを含む透析液の準備は、当該技術における通常の知識を有する者にはよく知られている。以下に詳述するように、要求に応じて、実時間で透析液を準備する必要はない。例えば、透析液は、同時にあるいは透析に先立って製造することができ、透析液貯蔵タンクその他同種のものの内部に格納される。
【0163】
実施例によっては、1以上の基質、例えば、重炭酸塩が粉末形態で貯蔵される。説明用の例示目的のためだけであるが、粉末基質はこの例において「重炭酸塩」と呼ばれるが、他の実施例では、重炭酸塩に加えて、又はその代わりに、任意の基質/原料が粉末形態で、あるいは別の固形物として機械に貯蔵され、そして、基質を水で戻すために、ここに記述された処理が使用される。重炭酸塩は、例えば、マニホールドに注ぐ「使い捨て型」容器に貯蔵される。実施例によっては、多くの重炭酸塩が容器に貯蔵され、そして、容器から特定量の重炭酸塩がこの容器からマニホールドへ計量される。実施例によっては、重炭酸塩の全量が完全にマニホールドの中に全部移されて、つまり、大容量の透析液が混ぜられる。
【0164】
第1のマニホールド中の溶液は、第2のマニホールドで1つ以上の追加の基質/原料と混ぜられる。さらに、実施例によっては、第1のマニホールド中で混ぜられた溶液をテストして所望の濃度に到達したことを保証するために、1つ以上のセンサー(例えば1つ以上の導電率センサー)が設けられる。実施例によっては、この1つ以上のセンサーからのデータは、フィードバック制御ループで溶液中の誤りを修正するために用いることができる。例えば、重炭酸塩溶液が望ましい濃度より濃い濃度あるいは薄い濃度を有することを検出器データが示す場合、追加の重炭酸塩あるいはRO(逆浸透水)がマニホールドに加えられる。
【0165】
実施例によっては、レシピでは、原料が水で戻された粉末/固形あるいは液体であっても、マニホールド中で1つ以上の当該原料と混ぜられる前に、1つ以上の原料が、別のマニホールド中に水で戻される。
【0166】
したがって、ここに記載したシステムと方法は、透析液、医療に使用される他の溶液を含むその他の溶液の、正確な、要求に応じての生産や合成の方法を提供することができる。実施例によっては、このシステムは、例えば2008年2月27日に申請され、2007年2月27日の優先日を有する米国特許出願シリアル番号12/072,908に記述されたような、透析機械に組み入れることができる。この米国特許出願の内容は、参照によってその全体がここに組み入れられる。他の実施例では、製品を、要求に応じての混合が必要とされるあらゆる機械に組み入れることができる。
【0167】
水は、透析液で最も大きな体積を占めており、それが透析液のバッグを輸送する際の高コスト、広空間および長時間につながる。上述の処理システム10では、透析機械、又は独立形の分配機械(例えば、患者宅の現地)内に透析液を準備することができ、これにより、多数の透析液のバッグの輸送及び貯蔵が必要でなくなる。上述のこのような処理システム10は、ユーザー又はプロバイダーに必要な処方薬を用意する能力を提供し、上述の処理システムは、ここに記載したシステム及び方法を用いて、要求に応じて現場で(例えば医療センター、薬局、あるいは患者の家を含むが、これらに限定されない)必要な処方薬を提供する。したがって、ここに記載のシステム及び方法により、基質/原料が輸送/配送を必要とするただ一つの原料であるとき輸送コストを低減することができる。
【0168】
上述の通り、処理システム10で製造することができる製品の他の例として、乳製品(例えば、ミルクセーキ、フロート、モルト、フラッペ)、コーヒー製品(例えば、コーヒー、カプチーノ、エスプレッソ)、ソーダ製品(例えば、フロート、フルーツジュース入りソーダ)、ティー製品(例えば、アイスティー、甘茶、熱いお茶)、水製品(例えば、湧水、風味付き湧水、ビタミン入り湧水、高電解質飲料、高糖質飲料)、固形製品(例えば、トレイルミックス、グラノーラ製品、ミックスナッツ、シリアル製品、ミックスグレイン製品)、医薬品(例えば不溶解性の薬剤、注射可能な薬剤、摂取可能な薬剤)、アルコールベースの製品(例えばカクテル、ワインスプリッツ、ソーダベースのアルコール飲料、水ベースのアルコール飲料)、工業製品(例えば溶剤、ペイント、潤滑剤、染料)、並びに健康/美容目的の製品(例えばシャンプー、化粧品、石鹸、ヘアコンディショナー、皮膚処理、局所軟膏)が含まれるがこれらに限定されない。
【0169】
多くの実施の形態をここに記載した。しかしながら、様々な変更が可能であることは理解されよう。従って、別の実施例も以下の請求項の範囲内である。