特許第5744932号(P5744932)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5744932情報処理装置、プログラム及び会議管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744932
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び会議管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20150618BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20150618BHJP
   B43L 1/04 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   G06Q10/00 140
   G06Q10/02
   B43L1/04 F
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-20574(P2013-20574)
(22)【出願日】2013年2月5日
(65)【公開番号】特開2014-153759(P2014-153759A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2013年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 克孝
【審査官】 貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−098795(JP,A)
【文献】 特開2011−118668(JP,A)
【文献】 特開2008−176802(JP,A)
【文献】 特開2008−242798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
B43L 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議の開催時間を設定することで会議室の予約を行う予約手段と、
前記会議を記録した記録データの生成日時を示す日時情報がファイル名に付加された当該記録データを成果物ファイルとして記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記成果物ファイルのファイル名が示す前記日時情報が、前記予約手段が設定した前記会議開催時間内である場合に、前記記憶手段に記憶された前記成果物ファイルを、対応する会議に関連付ける関連付手段と、
外部装置から特定の会議が指定された場合に、当該会議に関連付けられた前記成果物ファイルを前記外部装置に提供する提供手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記提供手段は、前記予約手段が設定した前記会議室の予約状況を前記外部装置に提供するとともに、当該会議室での会議に前記成果物ファイルが関連付けられている場合には、その旨を通知する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記関連付手段は、前記記憶手段に記憶された前記成果物ファイルのファイル名が示す前記日時情報が、前記予約手段が設定した前記会議の開催時間内でない場合に、ユーザが選択した前記成果物ファイルを、対応する会議に関連付ける請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記予約手段は、前記会議室を示す会議室情報に関連付けて、当該会議室で開催する会議の参加者を更に設定し、
前記提供手段は、前記外部装置から指定された前記特定の会議の参加者に、当該外部装置のユーザが含まれる場合に、当該会議に関連付けられた前記成果物ファイルを前記外部装置に提供する請求項1〜3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置を、
会議の開催時間を設定することで会議室の予約を行う予約手段
前記会議を記録した記録データの生成日時を示す日時情報がファイル名に付加された当該記録データを成果物ファイルとして記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記成果物ファイルのファイル名が示す前記日時情報が、前記予約手段が設定した前記会議開催時間内である場合に、前記記憶手段に記憶された前記成果物ファイルを、対応する会議に関連付ける関連付手段と、
外部装置から特定の会議が指定された場合に、当該会議に関連付けられた前記成果物ファイルを前記外部装置に提供する提供手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項6】
電子黒板と情報処理装置とを有する会議管理システムであって、
前記電子黒板は、
会議状況を記録する記録手段と、
前記記録手段により記録された記録データを送信する送信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
会議の開催時間を設定することで会議室の予約を行う予約手段と、
前記会議を記録した記録データの生成日時を示す日時情報がファイル名に付加された当該記録データを成果物ファイルとして記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記成果物ファイルのファイル名が示す前記日時情報が、前記予約手段が設定した前記会議開催時間内である場合に、前記記憶手段に記憶された前記成果物ファイルを、対応する会議に関連付ける関連付手段と、
外部装置から特定の会議が指定された場合に、当該会議に関連付けられた前記成果物ファイルを前記外部装置に提供する提供手段と、
を備える会議管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、プログラム及び会議管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グループウェアなどを利用することで会議室の予約を行うシステムが用いられている。係る会議室予約システムでは、クライアントとなるパーソナルコンピュータから、アプリケーションソフトを使用して、サーバに会議室の予約情報(予約者名、会議室名、会議名、予約日時等)を登録することで会議室の使用を管理することが可能となっている。しかしながら、従来の会議室予約システムでは、会議室を予約することは可能であるが、議事録等の会議状況の記録を管理することはできなかった。そのため、従来は、会議が終了した後に、議事録等の記録データを、会議の出席者に印刷して配布したり、電子メールで配布したりする必要があるため、その作業が煩雑になっていた。また、記録データの管理は、記録データを受け取った者が独自に行っているため、過去の議事録を探すのに時間がかかる、あるいは議事録を紛失してしまうなどの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、会議の成果物を効率的に管理することが可能な情報処理装置、プログラム及び会議管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の情報処理装置は、会議の開催時間を設定することで会議室の予約を行う予約手段と、前記会議を記録した記録データの生成日時を示す日時情報がファイル名に付加された当該記録データを成果物ファイルとして記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記成果物ファイルのファイル名が示す前記日時情報が、前記予約手段が設定した前記会議開催時間内である場合に、前記記憶手段に記憶された前記成果物ファイルを、対応する会議に関連付ける関連付手段と、外部装置から特定の会議が指定された場合に、当該会議に関連付けられた前記成果物ファイルを前記外部装置に提供する提供手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本実施形態の会議管理システムの構成図である。
図2図2は、サーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、電子黒板の斜視図である。
図4図4は、電子黒板のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図5は、電子黒板の操作パネルを示す図である。
図6図6は、会議管理システムの機能構成図である。
図7図7は、会議管理アプリケーションのメイン画面を示す図である。
図8図8は、会議室予約画面を示す図である。
図9図9は、電子黒板が行うデータ保存処理の手順を示すフローチャートである。
図10図10は、サーバ装置が行う会議管理処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、本実施形態の会議管理システムの構成図である。会議管理システムは、クライアント端末装置1と、サーバ装置2と、会議室3毎に設けられた電子黒板4とを有している。ここで、クライアント端末装置1及び電子黒板4は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク5を介してサーバ装置2に接続されている。
【0007】
クライアント端末装置1は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。クライアント端末装置1は、自装置を統括的に制御するCPUと、各種制御プログラムを不揮発的に記憶するROMと、ワーキングエリアとして機能し、各種データを一時的に記憶するRAMと、各種データを記憶する記憶装置と、通信ネットワークを介して通信を行うための通信インターフェースと、各種情報を表示する表示装置としてのディスプレイと、各種操作を行うためのキーボード、マウス等を備えた操作部と、を備えている(何れも図示せず)。
【0008】
図2は、本実施形態のサーバ装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、グループウェアサーバ等の情報処理装置である。
【0009】
サーバ装置2は、自装置を統括的に制御するCPU21と、各種制御プログラムを不揮発的に記憶するROM22と、ワーキングエリアとして機能し、各種データを一時的に記憶するRAM23と、各種データを記憶する記憶装置24と、通信ネットワークを介して通信を行うための通信インターフェース25と、を備えている。また、サーバ装置2は、必要に応じて、各種情報を表示する表示装置としてのディスプレイ26と、各種操作を行うためのキーボード、マウス等を備えた操作部27と、を備えている。また、記憶装置24は、ファイルシステムとして、後述する会議室予約情報ファイル210と、議事録フォルダ220と、を有している。
【0010】
図3は、本実施形態の電子黒板4の斜視図である。電子黒板4は、脚部41と、フレーム42と、盤面43と、プリンタ44と、操作パネル45と、を備えている。
【0011】
脚部41は、長方形のフレーム42を支持している。フレーム42は、エンドレス状の筆記用の盤面43を収納している。書記は、前面側の外部に露出した盤面43に、マーカーペン等によって文字や図形等を筆記することが可能である。盤面43は、一例としてポリエチレン製のものが採用される。また、脚部41は、ラインセンサによって読み取られた描画対象を用紙に印刷して発行するためのプリンタ44を支持している。また、フレーム42の右側縁部には、電子黒板4を操作するための各種のキーを有する操作パネル45が一体的に設けられている(図5参照)。
【0012】
図4は、本実施形態の電子黒板4のハードウェア構成を示すブロック図である。電子黒板4は、自装置を統括的に制御するCPU46と、各種制御プログラムを不揮発的に記憶するROM47と、ワーキングエリアとして機能し、各種データを一時的に記憶するRAM48と、各種データを記憶する記憶装置49と、通信ネットワークを介して通信を行うための通信インターフェース50と、各種操作を入力する操作パネル45と、盤面43を回転して搬送させるモータ制御部51と、盤面43に描写された内容を読み取るセンサ部52と、センサ部52が読み取った描写内容を印刷するプリンタ44と、を備えている。また、RAM48は、後述する画像ファイルバッファ402として機能する(図6参照)。また、記憶装置49には、後述する出力先フォルダ情報404が予め記憶されている(図6参照)。
【0013】
図5は、電子黒板4の操作パネル45を示す図である。操作パネル45の議事録保存ボタン53が押されると、電子黒板4のCPU46は、センサ部52で読み取られた盤面43上での描写内容から画像ファイルを生成する。
【0014】
図6は、本実施形態の会議管理システムの機能構成図である。クライアント端末装置1は、機能部としてクライアント処理部100を備える。クライアント処理部100は、例えば図示しないクライアント端末装置1のCPUと、記憶装置に記憶されたクライアント用の会議管理アプリケーション(プログラム)との協働により実現される、クライアント処理部100を備える。
【0015】
クライアント処理部100は、サーバ装置2の後述するサーバ処理部200と連携することで、後述するメイン画面(図7参照)や会議室予約画面(図8参照)等をディスプレイに表示する。また、クライアント処理部100は、メイン画面や会議室予約画面に基づき、会議の予約や、予約状況の確認、議事録の閲覧等をサーバ装置2に要求する。
【0016】
より詳細には、クライアント処理部100は、予約対象の会議室3、予約日時、会議の参加メンバー等を指定した予約要求をサーバ装置2に送信することで、その会議室3の予約を要求する。また、クライアント処理部100は、特定の会議室3の議事録221を指定する閲覧要求をサーバ装置2に送信することで、その議事録221の閲覧を要求する。
【0017】
サーバ装置2は、例えばCPU21と記憶装置24に記憶されたサーバ用の会議管理アプリケーション(プログラム)との協働により実現されるサーバ処理部200と、会議室予約情報ファイル210と、議事録フォルダ220に格納された議事録221と、を備える。
【0018】
サーバ処理部200は、クライアント端末装置1のクライアント処理部100と連携することで、当該クライアント処理部100からの要求に応じたサービスを提供する機能部である。
【0019】
より詳細には、サーバ処理部200は、クライアント端末装置1から予約要求を受け付けると、この予約要求で指定された会議室3に関連付けて、予約時間、参加メンバー等を会議室予約情報ファイル210に設定することで、会議室3の予約を行う。ここで、会議室予約情報ファイル210は、各会議室3の予約状況を管理するためのファイルである。そして会議室予約情報ファイル210は、例えば、各会議室3と、当該会議室3の予約時間と、参加メンバー等の付加情報とを関連付けて保持するためのデータ構造を有する。
【0020】
また、サーバ処理部200は、電子黒板4からの格納先の議事録フォルダ220を指定した後述する格納要求に応じて、当該電子黒板4から送信される議事録221を議事録フォルダ220に格納する。
【0021】
ここで、議事録フォルダ220は、会議室3毎に用意されたフォルダである。サーバ処理部200は、電子黒板4から格納要求を受け付けると、この格納要求で指示された議事録フォルダ220に議事録221を格納する。議事録221は、電子黒板4の盤面43に記載された会議内容を、電子黒板4が読み取った画像ファイルなどである。また、議事録221は、会議室3と当該会議室3の予約時間からなる予約情報と関連付けが行われる。
【0022】
より詳細には、サーバ処理部200は、議事録221を格納した議事録フォルダ220のフォルダ名(会議室3)と、議事録221のファイル名(日時)とに基づき、当該議事録221に対応する会議を、会議室予約情報ファイル210に登録された各会議(会議室3+予約日時)から特定する。そして、サーバ処理部200は、特定した会議室予約情報ファイル210の会議に対し、議事録221の関連付けを行う。
【0023】
電子黒板4は、機能部として盤面読み取り部400と、画像ファイル作成部401と、画像ファイル出力部403と、プリンタ出力部405とを備えている。盤面読み取り部400、画像ファイル作成部401、画像ファイル出力部403及びプリンタ出力部405は、電子黒板4のCPU46と、記憶装置49に記憶されたプログラムとの協働により実現される。
【0024】
盤面読み取り部400は、センサ部52による盤面43の読み取り制御と、センサ部52が読み取ったアナログ値をデジタル値に変換する処理を制御する機能と、が設けられている。そして、画像ファイル作成部401は、盤面読み取り部400が変換したデジタル値を画像ファイルに変換する機能が設けられている。また、画像ファイルバッファ402は、デジタル値から逐次変換される画像ファイル(記録データ)を格納する領域である。
【0025】
画像ファイル出力部403は、出力先フォルダ情報404に基づき、格納先のサーバ装置2の議事録フォルダ220を指定した格納要求とともに、画像ファイル作成部401が作成した画像ファイルを、議事録221(成果物ファイル)として出力する。ここで、出力先フォルダ情報404には、自装置(電子黒板4)が設定された会議室3に対応する議事録フォルダ220のパス等が記載されている。
【0026】
また、画像ファイル出力部403は、議事録221をサーバ装置2に出力する際に、その議事録221のファイル名に、当該議事録221(画像ファイル)が作成された日時を示す日時情報を付加する。なお、日時情報は、例えば、RTC(Real Time Clock)等の計時手段で計時されたものを用いるものとする。
【0027】
プリンタ出力部405は、画像ファイル作成部401が作成した画像ファイルを、プリンタ44に出力して印刷させる機能が設けられている。
【0028】
次に、クライアント処理部100とサーバ処理部200との連携により、クライアント端末装置1の表示装置に表示される画面について説明する。図7は、会議管理アプリケーションのメイン画面を示す図である。メイン画面は、サーバ処理部200から提供される会議室予約情報ファイル210の内容に基づき、クライアント端末装置1が表示するGUIである。
【0029】
メイン画面には、会議室名の欄101と会議室情報の欄102が設けられる。また、会議室予約ボタン103、前週ボタン104、次週ボタン105、前月ボタン106、次月ボタン107、及び、終了ボタン108が設けられる。
【0030】
会議室名の欄101は、選択されている会議室3を強調表示で示す欄である。会議室情報の欄102は、選択している会議室3の1週間分の会議室予約情報を表示する欄である。会議室予約ボタン103は、押されると会議室予約画面を表示するボタンである。前週ボタン104、次週ボタン105、前月ボタン106、及び、次月ボタン107は、いずれかが押された場合に、その期間の会議室情報を表示するボタンである。終了ボタン108は、メイン画面の表示を終了するボタンである。
【0031】
クライアント処理部100は、会議室名の欄101で選択された会議室3について、前週ボタン104、次週ボタン105、前月ボタン106及び次月ボタン107のいずれかの押下を受け付けると、その会議室3及び期間を指定した照会要求をサーバ装置2に送信する。これに伴い、サーバ装置2のサーバ処理部200は、照会要求で指示された会議室3及び期間の予約状況を会議室予約情報ファイル210から抽出し、クライアント端末装置1に送信する。そして、クライアント端末装置1のクライアント処理部100では、サーバ装置2から提供された予約状況に基づき、会議室情報の欄102内の会議室情報を表示する。
【0032】
また、会議室情報の欄102内において、議事録リンク記号109は、その会議での成果物となる議事録221が存在し、会議情報と関連付けされていることを示すものである。クライアント処理部100は、議事録リンク記号109の押下を受け付けると、議事録221の閲覧要求をサーバ装置2に送信する。
【0033】
閲覧要求を受信したサーバ処理部2は、会議室予約情報ファイル210の内容から、ユーザが議事録221の閲覧権限を有しているか否かを判定する。議事録221の閲覧権限を有していると判定した場合に、サーバ装置2は、クライアント端末装置1に議事録221を提供する。そして、クライアント端末装置1は、議事録221を表示する。
【0034】
図8は、会議室予約画面を示す図である。この会議室予約画面は、例えば、上述したメイン画面において、特定の会議室3及び会議室情報の欄102を選択した状態で、予約ボタン103を押下することで表示される。なお、予約済みの会議が選択された場合に、サーバ処理部200は、その会議に対応する予約時間、参加メンバー等の情報を会議室予約情報ファイル210から読み出し、クライアント端末装置1に提供する。これにより、クライアント端末装置1では、後述する各項目について入力済みの会議室予約画面が表示される。
【0035】
会議室予約画面には、予約者の欄110、予約者の照会ボタン110a、予約日の欄111、予約時間の欄112、会議名の欄113、出席者の欄114、出席者の照会ボタン114a、議事録の欄115、議事録の照会ボタン115a、OKボタン116、キャンセルボタン117が設けられる。
【0036】
予約者の欄110は、会議室3を予約する者を設定する。予約者の照会ボタン110aは、リストから予約する者を選択する場合に使用する。予約日の欄111は、会議の開催年月日を設定する。予約時間の欄112は、会議の開始時刻から終了時刻までを設定する。会議名の欄113は、会議の名称を設定する。出席者の欄114は、会議の出席者を設定する。出席者の照会ボタン114aは、リストから出席する者を選択する場合に使用する。議事録の欄115は、この会議での成果物となる議事録221のファイル名が表示される。議事録の照会ボタン115aは、リストから議事録221を選択する場合に使用する。
【0037】
議事録221のファイル名は、「20121001_1155.pdf」のように議事録221が作成された年月日時分秒を表す文字列が含まれる。サーバ装置2のサーバ処理部200は、ファイル名から議事録221が作成された時間を判定する。そして、会議の予約時間内に作成された議事録221を、その会議の議事録221として関連付けを行う。なお、予約時間を超えて会議を延長する場合には、その会議の終了予定日時を会議室予約情報ファイル210に反映するものとする。
【0038】
なお、議事録221の関連付けは、クライアント端末装置1のユーザが手動で行うことも可能である。より詳細には、ユーザは、議事録の欄115の右側にある議事録の照会ボタン115aを押して、ファイル選択画面を表示させる。そして、ユーザは、会議室3ごとにある議事録フォルダ220から議事録221を選択し、会議との関連付けを行う。
【0039】
例えば、予約時間内に会議が終了しなかった場合に、ユーザは、手動で議事録221の関連付けを行う。この場合に、予約時間を過ぎてしまっているので、サーバ処理部200は、関連付けを行うことができない。よって、ユーザは、議事録221を作成した時間のファイル名が付けられた議事録221を、ファイル選択画面から選び関連付けを行う。なお、議事録221の関連付けをすることが可能なユーザは、その会議の参加メンバーに限定する形態としてもよい。
【0040】
OKボタン116は、欄110から欄114、或いは欄115に設定した内容を会議室予約情報ファイル210に登録する場合に使用する。より詳細には、OKボタン116の押下を受け付けると、クライアント処理部100は、欄110から欄115の情報をサーバ装置2へ送信する。そして、サーバ装置2は、送信内容を会議室予約情報ファイル210に登録する。これにより、サーバ処理部200は、会議室3の予約、或いは議事録221の関連付けを行う。
【0041】
以下、会議管理システムの動作について説明する。まず、図9を参照して、電子黒板4の動作について説明する。図9は、電子黒板4が行うデータ保存処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、会議の議事が電子黒板4の盤面43に書かれているものとする。
【0042】
ユーザは、会議の議事を電子黒板4の盤面43に作成すると、電子黒板4の操作パネル45にある議事録保存ボタン53を押す。議事録保存ボタン53の押下を受け付けると、盤面読み取り部400は、盤面43を読み取りデジタル値を生成する(ステップT1)。
【0043】
次に、画像ファイル作成部401は、生成されたデジタル値から画像ファイル(記録データ)を作成して画像ファイルバッファ402に格納する(ステップT2)。
【0044】
そして、画像ファイルバッファ402に格納されている画像ファイルを、画像ファイル出力部403は、出力先フォルダ情報404が指定するサーバ装置2の議事録フォルダ220へ保存する(ステップT3)。
【0045】
以上の処理により、電子黒板4で生成された議事録221(成果物ファイル)は、当該電子黒板4ごとに設けられたサーバ装置2の議事録フォルダ220へ保存される。
【0046】
次に、図10を参照して、サーバ装置2の動作について説明する。図10は、サーバ装置2が行う会議管理処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、サーバ装置2へのアクセス時に、クライアント端末装置1を操作するユーザのユーザ名(氏名)が、サーバ装置2に送信されるものとする。
【0047】
クライアント端末装置1からの要求に応じて、サーバ処理部200は、会議室予約情報ファイル210の内容を出力する。クライアント端末装置1は、出力された会議室予約情報ファイル210の内容を用いてメイン画面を表示させる(ステップS1)。
【0048】
サーバ処理部200は、クライアント端末装置1からの操作入力の受け付けを待機する(ステップS2)。
【0049】
サーバ処理部200は、クライアント端末装置1からの操作入力を受け付けると、その入力内容を判定する(ステップS3)。そして、サーバ処理部200は、操作入力に対応した状態にステートを遷移させる。
【0050】
前週ボタン104、次週ボタン105、前月ボタン106、次月ボタン107のいずれかが選択された場合に、クライアント端末装置1は、照会要求をサーバ処理部200に送信する。サーバ処理部200は、選択した時期の会議室予約情報ファイル210の内容をクライアント端末装置1に出力する(ステップS4)。また、提供された会議室予約情報ファイル210の内容を用いて、クライアント端末装置1は、選択された時期の内容に表示を切り替える。その後、サーバ処理部200は、状態をステップS2へ遷移させる。
【0051】
会議室予約ボタン103を押された場合に、クライアント端末装置1は、照会要求をサーバ処理部200に送信する。サーバ処理部200は、会議室予約情報ファイル210の内容をクライアント端末装置1に出力する(ステップS5)。そして、提供された会議室予約情報ファイル210の内容を用いて、クライアント端末装置1は、会議室予約画面を表示する。
【0052】
ユーザは、表示された会議室予約画面のそれぞれの欄に「予約者」「予約日」「予約時間」「会議名」を入力する(ステップS6)。また、照会ボタンが押された場合に、サーバ処理部200は、対応した情報をクライアント端末装置1に提供する。
【0053】
会議室予約画面にあるOKボタン116が押されると、サーバ処理部200は、入力された予約情報を会議室予約情報ファイル210に登録する(ステップS7)。その後、サーバ処理部200は、状態をステップS2へ遷移させる。
【0054】
議事録リンク記号109が選択された場合に、クライアント端末装置1は、サーバ処理部200に議事録221の閲覧要求を行う。サーバ処理部200は、クライアント端末装置1のユーザが議事録221の閲覧権限を有しているか否かを判定する(ステップS8)。サーバ処理部200は、ユーザが出席者の欄114に登録されていれば、閲覧権限を有していると判定し、登録されていなければ閲覧権限が無いと判定する。
【0055】
そして、サーバ処理部200は、判定結果をクライアント端末装置1に出力する。また、ユーザが議事録221の閲覧権限を有している場合に、サーバ処理部200は、状態をステップS9へ遷移させる(ステップS8の閲覧可)。ユーザが議事録の閲覧権限を有していない場合に、サーバ処理部200は、状態をステップS2へ遷移させる(ステップS8の閲覧不可)。
【0056】
ユーザが議事録の閲覧権限を有している場合に、サーバ処理部200は、議事録221をクライアント端末装置1に出力する。そして、クライアント端末装置1は、提供された議事録221を表示する(ステップS9)。
【0057】
議事録画面が閉じられると、クライアント端末装置1は、議事録画面を消去する(ステップS10)。また、サーバ処理部200は、議事録画面が閉じられたことを、クライアント端末装置1から受信する。その後、サーバ処理部200は、状態をステップS2へ遷移させる。
【0058】
終了ボタン108が押されると、クライアント端末装置1は、メイン画面を消去して処理を終了する(ステップS11)。また、サーバ処理部200は、メイン画面が閉じられたことを、クライアント端末装置1から受信する。
【0059】
以上説明したように、本発明によれば、電子黒板4で作成した議事録221の画像ファイルは、自動的にサーバ装置2に取り込まれる。また、会議管理アプリケーションは、会議室予約機能と議事録管理機能を備えていることから、容易に会議の議事録221である画像ファイルを閲覧できるため、議事録221の管理効率が向上する。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加、組み合わせ等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
また、上記実施形態は、議事録221が一つしか作成されていなかったが、これに限らず、議事録221は、複数作成される構成としてもよい。
【0062】
また、上記実施形態は、サーバ装置2に会議室3ごとに議事録フォルダ220を設けたが、これに限らず、議事録フォルダ220は、一つだけの構成としてもよい。この場合は、議事録221のファイル名に、会議室3を示すIDなどの情報を付加することで、会議が行われた会議室3を判別できるようにすればよい。
【0063】
また、上記実施形態では、電子黒板4が議事録221を作成した時の日時情報を、議事録221のファイル名に付加しているが、これに限らず、サーバ装置2側で付加してもよい。例えば、サーバ装置2が議事録221を受信した時の日時情報を、議事録221のファイル名に付加する構成としてもよい。
【0064】
また、上記実施形態は、電子黒板4の盤面43を読み取った画像ファイルを議事録221としたが、これに限らず、電子黒板4に録音装置を取り付けて録音した音声データを議事録221としてもよい。
【0065】
また、上記実施形態は、議事録221の作成時間をファイル名に付加する形態としたが、これに限らず、例えば、会議の開始日時を付加する形態としてもよい。この形態を採用する場合、例えば、電子黒板4等に会議の開始を宣言するためのボタンを設け、利用者により該当ボタンが押下された日時を議事録221に付加する。
【符号の説明】
【0066】
1 クライアント端末装置
2 サーバ装置
3 会議室
4 電子黒板
45 操作パネル
221 議事録
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開2007−158601号公報
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