(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5744970
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】自動車用の充電接続装置
(51)【国際特許分類】
H01R 31/06 20060101AFI20150618BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20150618BHJP
B60L 11/18 20060101ALI20150618BHJP
B60K 1/04 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
H01R31/06 AZHV
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L11/18 C
B60K1/04 Z
H01R31/06 P
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-123966(P2013-123966)
(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2014-3016(P2014-3016A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2013年6月13日
(31)【優先権主張番号】10 2012 105 139.9
(32)【優先日】2012年6月14日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン マイヤー
【審査官】
武山 敦史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−146711(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/097922(WO,A1)
【文献】
特開2009−289548(JP,A)
【文献】
特開2012−133925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/73
B60K 1/04
B60L 11/18
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵手段を充電するための自動車(2)用の充電接続装置であって、前記少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵手段がプラグ部(14)に電気的に接続され、前記プラグ部(14)が、外部から供給することができる充電プラグ(8)に前記プラグ部(14)を接続することができるような方式で、充電ハウジング部(12)によって、統一規格で設計された車両ボディ(4)に配置される充電接続装置において、アダプタ要素(10)が、前記統一規格で設計された車両ボディ(4)への着脱可能/着脱不可能な接続ができるように備えられ、前記充電ハウジング部(12)は各国毎の設計に適合するものが採用される前記プラグ部(14)と共に前記アダプタ要素(10)に取り付けられるもので、
前記アダプタ要素(10)は、各国で異なる前記プラグ部(14)と前記充電ハウジング部(12)とのセットを受ける、複数種類が準備されていると共に、当該複数種のアダプタ要素(10)には前記統一規格で設計された車両ボディ(4)への接続の為にユニット穴(18)が形成してある、ことを特徴とする充電接続装置。
【請求項2】
前記アダプタ要素(10)が、シートメタル形材から製造されることを特徴とする請求項1に記載の充電接続装置。
【請求項3】
前記アダプタ要素(10)が、前記車両ボディ(4)に正確に嵌合した状態で接続するように位置決め手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の充電接続装置。
【請求項4】
前記アダプタ要素(10)と、前記充電ハウジング部(12)と、前記プラグ部(14)とが、予め組み立てることができるユニットを形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項5】
前記アダプタ要素(10)が、様々な充電ハウジング部(12)に接続するための様々な穴パターンを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【請求項6】
前記充電ハウジング部(12)が、封止ハウジング部(24)を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の充電接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵手段を充電するための自動車用の充電接続装置であって、少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵手段がプラグ部に電気的に接続され、プラグ部が、外部から供給することができる充電プラグにプラグ部を接続することができるような方式で、ハウジング部によって車両ボディに配置される充電接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記タイプの充電接続装置は、従来技術においてかねてから知られている。上記タイプの充電接続装置を備える自動車は、一般に、選択されるモータコンセプトに応じて、プラグインハイブリッド車またはプラグイン電気自動車と呼ばれる。ここで、とりわけ、エネルギー貯蔵手段(通常はバッテリ)は、充電スタンドによるか自由に使える電源網によるかに関わらず、外部電源網に充電接続装置を接続可能とすることによって、充電することができる。
【0003】
車両ボディで充電ハウジング部にプラグ部を設けた構成が、例えば(特許文献1)から知られている。家庭用電源網の場合と同様に、プラグイン車に電力を供給するための充電プラグにも、多数の異なる設計が存在する。したがって、対象とする車両には、対象とする国での充電プラグに適合する接続装置を備えなければならない。これにより、特に、組立てに相当な労力が必要となり、したがってコストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】仏国特許第2954261号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、費用対効果の高い方法で、上述の欠点を回避する充電接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、車両ボディへの着脱可能/着脱不可能な接続ができるようにアダプタ要素を備え、ハウジング部をプラグ部と共に前記アダプタ要素に取り付けることができるようにすることによって実現される。このようにすることで、車両が販売される国ごとにプラグイン技術に関する要件が異なっていても、統一規格で車両ボディを設計することができるようになる。したがって、最終組立て段階で、対応するハウジング部および対応するプラグ部を備えた、対応するアダプタ要素を選択するだけでよい。アダプタ要素は、既知の方法で、着脱可能な方式および着脱不可能な方式のいずれによっても車両ボディに接続することができる。また、アダプタ要素におけるハウジング部とプラグ部の組立てにも、既知の着脱可能および着脱不可能な接続法が利用可能である。
【0007】
有利には、アダプタ要素には、シートメタル形材から製造される。この場合、前記アダプタ要素は、車両ボディに正確に嵌合した状態で接続できるように位置決め手段、例えば小さな穴やピンなどを備えることができる。
【0008】
組立てを特に単純かつ費用対効果の高いものにするために、アダプタ要素と、充電ハウジング部と、プラグ部とにより、予め組み立てることができるユニットを形成する。また、有利には、アダプタ要素には様々な充電ハウジング部に接続できるように様々な穴パターンを備えることもできる。これにより、充電ハウジング部ごとに適切な外寸が異なると仮定した場合、異なるアダプタ要素の数が減少する。
【0009】
車両ボディと充電ハウジング部とを確実に最適に封止するために、充電ハウジング部が封止ハウジング部を備えると有利である。この封止ハウジング部は、異なる材料、例えば可撓性プラスチックから構成することもできる。そのようにすることで、構成の剛性が高くなりすぎて割れる危険性が回避される。
【0010】
本発明を、図面を参照しながら以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】アダプタ要素と、充電ハウジング部と、プラグ部とを備える予め組み立てられたユニットの斜視図である。
【
図3】車両ボディに設けられた充電接続装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、自動車2の部分斜視図である。充電接続装置6が、前記自動車の車両ボディ4に設けられている。エネルギー貯蔵手段(詳細には説明せず)を充電するために、外部充電スタンド10の充電プラグ8が前記充電接続装置6に差し込まれる。このタイプの自動車2は、一般には、プラグイン自動車とも呼ばれる。
【0013】
図2は、本発明による充電接続装置6の一実施形態を示す。ここで、充電接続装置6は、予め組み立てられたユニットとして設計され、実質的に、アダプタ要素10と、充電ハウジング部12と、プラグ部14とを備える。前記プラグ部は、その接続プラグのみが部分的に図示されている。充電ハウジング部12は、リベット接続部16によってアダプタ要素10に接続される。アダプタ要素10には、車両ボディへ着脱可能および着脱不可能に接続できるようにユニット穴18が設けられる。接続法としては、ここでは溶接またははんだ接続が挙げられるが、リベット接続またはねじ接続も考えられる。さらに、アダプタ要素10は、車両ボディ4に正確に嵌合した状態で接続できるように位置決め手段を備え得る。アダプタ要素10は、様々な充電ハウジング部12に接続するための様々な穴パターンを有することも可能である。
【0014】
次に、
図3は、車両ボディ4に設けられた充電接続装置6のさらなる実施形態の断面図を示す。車両ボディ4は、この場合、外側車両ボディ部20と、内側車両ボディ部22とを備える。プラグ部14を取り付けた充電ハウジング部12が、アダプタ要素10内に配置される。本発明の例示的実施形態では、アダプタ要素10は、車両ボディの内側部22に溶接される。さらに、
充電ハウジング部12は、封止ハウジング部24も有する。封止ハウジング部24は、車両ボディ4の外側部20に着脱不可能に接続される。これにより、充電接続装置6が車両ボディ4から確実に封止される。
【符号の説明】
【0015】
2 自動車
4 車両ボディ
6 充電接続装置
8 充電プラグ
10 アダプタ要素
12 充電ハウジング部
14 プラグ部
16 リベット接続部
18 ユニット穴
20 外側車両ボディ部
22 内側車両ボディ部
24 封止ハウジング部