(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5745103
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】食材その他の物の脱水装置の改良されたブレーキ機構
(51)【国際特許分類】
A47J 43/28 20060101AFI20150618BHJP
F16D 65/18 20060101ALI20150618BHJP
F16D 121/14 20120101ALN20150618BHJP
F16D 125/66 20120101ALN20150618BHJP
F16D 127/10 20120101ALN20150618BHJP
【FI】
A47J43/28
F16D65/18
F16D121:14
F16D125:66
F16D127:10
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-553674(P2013-553674)
(86)(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公表番号】特表2014-509893(P2014-509893A)
(43)【公表日】2014年4月24日
(86)【国際出願番号】US2012027060
(87)【国際公開番号】WO2012134694
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2013年8月13日
(31)【優先権主張番号】13/072,822
(32)【優先日】2011年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410110
【氏名又は名称】ヘレン オブ トロイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230101177
【弁護士】
【氏名又は名称】木下 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100180079
【弁理士】
【氏名又は名称】亀卦川 巧
(72)【発明者】
【氏名】ペリー、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】プロメル、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ブロック、デビッド
【審査官】
大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−532696(JP,A)
【文献】
特開2008−220945(JP,A)
【文献】
特開2009−113721(JP,A)
【文献】
特開2002−020064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/28
F16D 65/18
F16D 121/14
F16D 125/66
F16D 127/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を形成するように端部で途切れる側壁を有するボウルと、該ボウルに取外し可能に取付けられ、前記開口部を実質的に覆うカバーを含む容器と、
複数の打抜き孔を具え、上端で途切れる側壁を有するバスケットと、該バスケットの上端に取外し可能に取付けられた蓋を有し、前記ボウル内に配設され、前記容器の回転軸の周りを回転可能なバスケット組立体と、
前記蓋の上面から前記カバーに向けて延び、前記回転軸と実質的に同軸に設けられた直立全周環状突起部と、
前記カバーとともに回転し、非ブレーキ状態とブレーキ状態との間で可動な、前記回転軸と実質的に平行に延びる複数のつまみ腕部が操作可能に取付けられたブレーキボタンを含むブレーキ組立体とを有してなり、前記ブレーキボタンの前記蓋に対する移動により、前記複数のつまみ腕部が前記ブレーキ状態へ移行したとき互いの方向に撓み、前記複数のつまみ腕部が前記環状突起部に摩擦係合するようにされている、
食材脱水装置。
【請求項2】
前記ブレーキボタンの前記蓋への軸方向移動が、前記ブレーキボタンの前記蓋に対する移動により前記複数のつまみ腕部を前記環状突起部と摩擦係合させ、前記複数のつまみ腕部をブレーキ状態にする、請求項1の食材脱水装置。
【請求項3】
前記カバーが、少なくとも一つのカム面を有するガイドチャンネル部を含み、前記複数のつまみ腕部が前記ガイドチャンネル部を通って延び、前記ガイドチャンネル部のカム面と当接する傾斜面を含み、ブレーキ状態に移行したときに互いの方向に撓む、請求項1の食材脱水装置。
【請求項4】
前記ブレーキボタンを覆うように設けられるアクチュエータボタンをさらに具え、ボタンとなる前記アクチュエータの少なくとも一部が可動で、且つ、前記ブレーキボタンを前記蓋の方向に動かせるように前記ブレーキボタンに当接して設けられている、請求項1の食材脱水装置。
【請求項5】
前記ブレーキボタンと複数のつまみ腕部が非ブレーキ状態に付勢されている、請求項1の食材脱水装置。
【請求項6】
前記複数のつまみ腕部が弾性材からなる、請求項5の食材脱水装置。
【請求項7】
開口部を形成するように端部で途切れる側壁を有するボウルと、該ボウルに取外し可能に装着され、前記開口部を実質的に覆うカバーを含む容器内に配設されるバスケット組立体の回転速度を減少させる方法であって、
前記バスケット組立体は前記容器の回転軸の周りを回転可能で、上端で途切れる側壁を有するバスケットと、該バスケットの上端に取外し可能に取付けられた蓋を有し、
前記バスケット組立体を前記容器に対して回転させ、
前記カバー内に配設されたブレーキボタンを軸方向に移動させることにより、前記回転軸と平行に延びる一対のつまみ腕部と前記蓋の上面に設けられている直立環状突起部を摩擦係合させる、
方法。
【請求項8】
前記カバー内に配設されたブレーキボタンを軸方向に移動させるステップが前記ブレーキボタンに下向きの力を与えることである、請求項7の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サラダスピナーのような、濡れた食材を脱水させる回転装置、より具体的には、その回転装置の回転を減速又は停止させるためのブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
サラダや他の食材を脱水させ、又は水分を取除くための様々なタイプのサラダスピナーが知られている。このような装置は、一種のボウル、カバー、蓋を有する場合もあるバスケットを具え、一種の機械的アクチュエータによってボウル内で回転するように構成されている。遠心力は、ボウルに対するバスケットの回転速度により生じ、食材又はサラダの水又は水分を分離し、ボウルの中に集める。サラダスピナーに通常使用される機械的アクチュエータは、例えば、手動用クランク機構、引き糸、ポンプ又はねじ機構を具える。
【0003】
これらの装置は、例えば、バスケットの回転を許容し、食材を脱水させるために回転させた後停止させるために、ベアリングの表面同士の摩擦作用に頼るというのが一般的である。これらの装置は、バスケットの回転を停止させるためのブレーキ構造を有していないのが通常である。そのような場合、通常、使用者は、バスケット内の食材にアクセスするため、容器のカバーや蓋をバスケットから取り除く前に、バスケットの回転が停止するのを待たなければならない。ブレーキ構造は、使用者が、回転しているバスケットを手動で停止させるためにカバーを開けなくてもいいように、又はベアリングの表面の摩擦がバスケットをいつか停止させるのを待たなければならないということをなくすために望まれる。
【0004】
本発明は、他のタイプの類似した回転装置又は機構に同様に適用でき、食材の脱水又はサラダスピナーに限定されるものではないが、
図1,2を参照すると、一般的に用いられており、本開示に係るタイプのサラダスピナーの基本的構造を示す、ミュールハウザーの米国特許第6018883号(引用により一体化される。)の
図20及び3の、それぞれの、食材を脱水させる典型的な装置が示されている。ミュールハウザー他の米国特許第5992309号(引用により一体化される。)に基づく、
図2に示されている他の典型的な装置のような、普通の性質の装置は、ボウル22とボウル22用のカバー24を有する容器、ボウル22内に配設される、複数の打抜き孔(perforation)を具えたバスケット26、バスケット26に取外し可能に装着されている蓋28、及び複数の打抜き孔を具えたバスケット26が容器に対する軸Aを中心に回転するように構成される駆動機構30からなるサラダスピナー20を含む。
図1を個別に参照すると、バスケット26の回転を減速又は停止させるブレーキ組立体300が設けられている以外は、サラダスピナー20と実質的に同一の、別のサラダスピナー20Bを有するボウル22、及びブレーキ組立体300を適用させるために、
図2のカバー24とは少し異なるカバー24Aを有するボウル22が示されている。
【0005】
参考のため、ミュールハウザーの米国特許第6018883号とミュールハウザー他の米国特許5992309号の前記装置において、
図2のボウル22は、全体として円形で、中心垂直軸A及び中心にコーン形突起34が配設される底面32を有する。また、ボウル22は、上端38で途切れる側壁36と、好適には滑り止め素材で作られた、底面32に連結されている足部40を含む。
図2の装置の構成要素は、殆ど、
図3に示す当該装置の一つの実施形態の構成要素と対応する。
【0006】
図2のバスケット26は、様々な長さの複数の経度方向リブに連結されている、緯度方向に同心円形の複数のリブ42を有する。リブ42と44は、水分が通り抜けることができる程度のサイズ及び形状の、複数の、様々なサイズの、通常長方形の開口部46を形作るのに協働する。また、バスケット26は、その中心に、回転軸受であるコーン形突起34の先端に着座するコーン形突起50を有する底面48を具える。リブ42と44は、上端54で途切れる側壁52をともに形成している。
【0007】
図2の蓋28は、それよりも外側に出ている複数のリブ58を有する、シリンダ形状の周囲側壁56を含む。蓋28は、通常、周囲側壁56に連続する凸形環状面部60、円錐台形面部62の下端と一体となっている半径方向内側に延びる底面部64、及び底面部64と実質的に同軸でこれに連続する管状の上方突出部66を有する。上方突起部66は、直径が異なる、その上部に形成される肩面68,70を具える。また、上方突起部66は、肩面70の上方に設けられるスロット71を有する。蓋28の周囲側壁56は、バスケット26の上端54に取外し可能に取付けられるようにされている。一の実施形態では、蓋28は、リブ58に噛合うように上端54に取外し可能に取付けられる。
【0008】
図2をさらに見ると、カバー24は、ボウル22の上端38の内径と実質的に同一の外径を有するシリンダ形側壁76を具え、これにより、例えば、単純な当接又は緩い摩擦係合というような、それらの間の取外し可能な連結状態を形成している。一つの実施形態では、取外し可能な連結状態として、単に、カバー24をボウル22の上に置けるようにされ、そこに配設されている。カバー24は、上面部78、場合によっては、実質的にシリンダ形の中央面部80、環状の底面部82、蓋の上方突起部66と同軸上に配設される、通常、シリンダ形の上方突出部84、を含む。上方突出部84は、その上端に、上方突起部66の肩面68と隣接する、放射状の折返し端部86を有する。上方突出部84は、そこから外側に放射状に突出する、複数の軸方向リブ88を具える。リブ88の上端と端部86の上端部90は、全体で、それらの間に環状溝91を形成する。
【0009】
図2の駆動機構30は、垂直軸Aに沿って可動な直線状の往復ハンドル構造94(又は、プランジャー機構)を具える。直線状の往復ハンドル構造94は、ディスク形又はボタン形の上端96と、そこから垂下する同軸のシリンダ形側壁98を有する。駆動機構30は、ハンドル構造94の往復運動をバスケット26の回転運動に変換する変換機構を具える。変換機構104は、ハンドル構造94と同軸で、一端が好適にはピン107(前記‘883号特許の
図4参照。)によってディスク形の上端96と連結されている、細長螺旋状ねじシャフト106を具える。細長螺旋状ねじシャフト106は、シリンダ形側壁98の下端よりも僅かに下方に延びている。
図2の駆動機構30は、往復ハンドル構造94のディスク形上端部96に対して着座する圧縮コイルばね128を有する。
【0010】
既に記載したとおり、
図1は、前記‘883号特許とは別のサラダスピナー20Aであって、当該特許の
図1に示されているサラダスピナー20と、バスケット26の回転を停止させるように少し改良されたカバー24A内に設けられるブレーキ組立体300以外のあらゆる点で実質的に一致しているものを示している。
【0011】
米国特許第6018883号に開示されている装置は、フードスピナーに使用される最小の一種のブレーキ機構を具える。ブレーキ機構は、ボウルカバーに乗せられ、バスケット組立体の回転を停止させるために、バスケットカバーと係合する。ブレーキパッドは、ブレーキ機構に適用され、バスケットカバーに対して摩擦係合するように構成されている。このタイプのブレーキ機構は、回転しているバスケットのカバーの上面に、中心から外れた下方の力を与える。このような力は、バスケット及び/又は機械的アクチュエータのベアリングの表面の摩擦を明らかに増大させ、また、バスケットの回転を停止するのに効果的ではない。
【発明の概要】
【0012】
本開示は、食材や他の物を脱水させる装置を提供する。本装置は、底面と、上端で途切れている側壁を有するボウル、前記ボウルの上端に取外し可能に装着されるカバー、前記ボウル内に配設され、軸を中心に前記ボウルに対して回転可能なバスケット及び脱着可能な蓋を含むバスケット組立体、並びに前記カバーに載せられ、前記バスケット組立体の回転を停止させるために前記蓋と係合可能なブレーキ組立体を含む。カバーは、ボタンに操作可能に取付けられ、押されたときに、蓋の環状の直立突起部をつまみ、摩擦係合させ、それによりバスケットの回転動作を停止及び/又は減速させるために、2本の指状構造を互いに近づかせることができるように、下方に可動であるというような構造のキャリパーを有するボタンを含む。指部と直立突起部は、回転するバスケットの回転軸と実質的に平行に延び、指部は、ブレーキ組立体のガイドチャンネル部を通じて延び、当該突起部に対して互いに押付けられるようにされている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、添付の図面に図示されるが、例示であって限定的であることは意図されておらず、同様な符号は、同様な、又は対応する要素を示す。
【0014】
【
図1】本発明に一体化することができる、先行技術に係る典型的な食材回転装置の全体図。
【0015】
【
図2】本発明に一体化することができる、先行技術に係る典型的な食材回転装置の縦断面図。
【0016】
【
図3】本発明の一実施形態を適用した、典型的な食材回転装置の縦断面図。
【0017】
【
図4】本発明の一実施形態を適用した、典型的な食材回転装置のボウルのカバーの平面図。
【0018】
【
図5A-D】本発明の一実施形態を適用した食材回転装置のブレーキ機構の縦断面図。
【0019】
【
図6】本発明の一実施形態のブレーキ状態にあるブレーキ機構を表した縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、多くの異なる態様の実施形態に適用可能であり、本明細書の開示に係る好適な実施形態の図示及び説明による開示は、本開示の原理の適用例と考えられるべきものであり、本開示の広範な態様を、図示された実施形態に限定することが意図されているものではない、との理解のもとになされる。
【0021】
図3を参照すると、本発明は、
図1と
図2における構成要素と似ているいくつかの構成要素を含んでおり、それ故、特に、
図3に示されるこれらの構成要素の内、いくつかは、
図1と
図2中の構成要素と概ね一致するように、対応して番号がつけられている。
図3のサラダスピナー20Bと、
図1及び
図2にそれぞれ示されたサラダスピナー20A,20との主な違いは(これだけではないが)、改良されたボウルカバー24Bの中にあるブレーキアクチュエータ部400と、改良されたバスケット26Aの上にあり、改良されたバスケット26Aの回転運動を停止させる改良されたバスケットの蓋28Bである。
【0022】
より具体的には、
図3の実施形態に関して、サラダスピナー20Bは往復式ハンドル構造94を有する駆動機構30を含む。サラダスピナー20Bは、前述の特許に開示されたタイプのポンプのような機構とともに図示・説明されているが、本発明のサラダスピナー20Bは、ボウル22の中でバスケット26Aの回転運動をもたらすいかなる特定のタイプの機構でも使用できるので、これに限られるものではない。ボウルカバー24Bは、
図4の平面図を見て分かるとおり、駆動機構30とブレーキアクチュエータ機構400を取付けるために改良された。
図2に示されたバスケットの蓋28の凸面の環状表面部分60と比較して、
図3の改良されたバスケットの蓋28Bは
図5A乃至5Dと
図6により詳しく示されるように、バスケット26Aの回転動作を停止及び/又は減速させるためのブレーキアクチュエータ機構400の係合を許容する、傾斜した環状表面部分60Bを有する。
【0023】
図5A乃至5Dを参照すると、
図5Aの、ブレーキボタンアクチュエータ410、ブレーキボタン430、ブレーキボタン指部又は腕部440、ブレーキボタンガイドチャンネル部470、及び全周環状の直立突起部494を具えるバスケットの蓋を含む、本発明のブレーキアクチュエータ機構400の実施形態がより詳細に示されている。
図5Bには、ボウルカバー24B内に、ブレーキアクチュエータ部400を受けるように設けられ、ブレーキボタンアクチュエータ410とブレーキボタンガイドチャンネル部470(
図5D参照。)を適切な位置にするための内面部406と底面部408を有する円筒側壁404を含む、開口部402が示されている。
図5Cには、プラスチックのような可撓性及び/又は弾性のある部材からなり、下側面部414を有する円形上壁412、環状側壁418、及び
図5Dに示されるように、開口部402の円筒側壁404の底面部408と、ブレーキボタンガイドチャンネル部470の下側胴体部480の端壁482と、ブレーキボタンガイドチャンネル部470の下側胴体部480の支持部材488との間でブレーキボタンアクチュエータ410の位置を固定するための、外面424と内面426を有する位置決め用突起422を含む垂直壁420を含む、ブレーキボタンアクチュエータ410が示されている。ブレーキボタンアクチュエータ410の垂直壁420はカバーの開口部402に固定して設置されるが、(それ故、バスケットの蓋のカバー28Bの中で全体的にボタンアクチュエータ410は固定して設置されるが、)ボタンアクチュエータ410の円形上壁412と環状側壁418の両方は、開口部402の開口部分の中に固定して設置される訳ではない。より具体的には、円形上壁412の直径が、垂直壁420とぶつかる環状側壁418の下部の直径よりも短く、円形上壁412から垂直壁420に亘る、環状側壁418の外方向傾斜部と、円形上壁412と環状側壁418との交差部413が、(例えば、使用者の指によって)下向きの力が円形上壁412に加えられると、これらの壁は弾性材で作られているので、ヒンジとして作用する。さらに、下向きの力が解除されると、交差部413のいわゆるヒンジと、円形上壁412の可撓且つ弾性のある部材と、環状側壁418は、
図5Cに示されている、初期の、ブレーキがかかってない位置に両方の壁を付勢する、付勢力を加えるために協働する。
【0024】
図5Cは、更に、上面部434と下面部436を有し、ボタン指部又はボタン腕部440へと続く上部弓形部材432の端に対して実質的に90°の方向にあるトランジションレッジ438を具える上部弓形部材432を含む、プラスチックのような可撓性及び/又は弾性のある部材からなるブレーキボタン430を示している。下向きの力が円形上部412から解放されると、ブレーキボタン指部又は腕部440が、全体として、ボタンアクチュエータ410の円形上壁412と環状側壁418とともに垂直且つ軸方向に動き、ブレーキボタン指部又は腕部440、円形上壁412、及び環状側壁418を元に戻し、これにより、
図5Cに示されるような、本発明のブレーキ組立体が、ブレーキがかかっていない状態へと付勢されるように、上部弓形部材432は、その上面部434の最高点において、円形上壁412の下側面部414の軸の中心と接している。ボタン指部又は腕部440は、更に、上方傾斜カム部442、下方キャリパー状指部448、及び、
図5Dに示されるように、位置決めポスト456がバスケット26Aの回転軸Aの軸心に対して実質的に平行に延び、バスケットの蓋の環状直立突起部494とともに実質的に垂直に並んだ状態になるように、上部弓形部材432の頂上の中心に位置し、その上面458が上部弓形部材432の下面部436と接している位置決めポスト456を含む。
図5に示される直立突起部494のように、ボタン指部448も回転軸Aの軸心に対して実質的に平行に延びる。
図5Cに示されている、ボタン指部又は腕部440の上方傾斜カム部442は、外側表面部444と内側表面部446を含み、下方ボタン指部448は、外側表面450と内側表面452を含み、また、位置決めポスト456は、下側面460と側面462を有する。
【0025】
図5Dは、ブレーキボタン指部又は腕部440の位置決めポスト456を摺動自在に支える中心軸ガイド部493と、ブレーキボタン指部又は腕部440の上方傾斜カム部442と下方ボタン指部448を摺動自在に支える外側軸ガイド部486を含む、ブレーキボタンガイドチャンネル部470を示す。
図6に示すように、ボタン指部448が、直立突起部494と摩擦係合、或いはそれを挟み又はつまみ、バスケット26Aの回転を停止及び/又は減速させるための停止位置までガイドチャンネル部470を通じて下方に移動し、ボタン指部448の内側表面452が、直立突起部494の外側面496と498に対しそれぞれ押し付けることができるように、ガイドチャンネル部470は、上側面部483を有する下側胴体部482と、外側軸ガイド部486を通って延びるカムアクチュエータ490を有する支持部材488を更に具える。
【0026】
図6は、より具体的に、上方傾斜カム部442の外側表面部444に与えられた内向きの力によって停止位置にされたボタン指部448であって、例えば、使用者の指でブレーキボタン430が押されることによって、カム部442が、ガイドチャンネル部470の外側軸ガイド部486に突き出たカムアクチュエータ490に載り上げている状態を示している。高速回転する環状直立突起部494に効果的且つ比較的均等なつまむ力がボタン指部448によって確実に加えられるために(両者ともに回転軸Aの中心軸に実質的に沿って延びている)、位置決めポスト456は、直立突起部494及びガイドチャンネル部470の中心軸ガイド部493と、軸方向に並んでいる。さらに、ブレーキボタン指部又は腕部440の「非制動」、すなわち、環状の直立突起物494に対するボタン指部448の「非つまみ」は、例えば、指の力が、一旦、ボタンアクチュエータ410から解除されたとき、ブレーキ指部又は腕部440を元の位置に戻すための十分な「ばね力」又は付勢力を、ボタンアクチュエータ410の弾力性、環状側壁418の傾斜、及び円形上壁412との交差部413が協働して与えることにより結果として生じる。
【0027】
容器の中に配設されたバスケット組立体の回転速度を減速させる方法も開示される。容器は、開口部を定めるように端部で途切れる側壁を有するボウルと、ボウルと取外し可能に連結されていて、開口部を実質的に覆うカバーを含み、バスケット組立体は、容器の回転軸の周りを回転可能である。バスケット組立体は、上端で途切れる側壁を有するバスケットと、バスケットの上端と取外し可能に取付けられている蓋を具える。実施形態では、その方法は、容器に対してバスケット組立体を回転させ、カバーの中に取付けられたブレーキボタンを軸方向に移動させ、それにより、一組のつまみ腕部と、カバーに向かって蓋の上面に、回転軸と同軸上に設けられた環状突起部との摩擦係合が起こるように構成されている。実施形態では、カバー内に配設されたブレーキボタンの軸方向移動のステップは、ブレーキボタンに下向きの力が加えられることを含む。
【0028】
本開示は、好適な実施形態に関して説明・図示しているが、様々なバリエーションや改良は、当業者には明らかであり、本開示の概念と範囲から逸脱することなく行われる。本開示は、それ故、このようなバリエーションや改良が、本開示の範囲内に含まれることを意図しており、上述した手順や説明そのものに限定されるものではない。