(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一又は複数のプロセッサは、前記複数のオブジェクトのいずれとも重複しないように前記表示画像における前記オブジェクト情報表示領域の大きさを縮小するように構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を適宜参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムを概略的に示すブロック図である。本発明の一実施形態に係るシステムは、仮想空間の画像を含む表示画像を生成することができる。この仮想空間は、例えば、ビデオゲームやオンラインゲームのための仮想空間である。生成された表示画像は、所定の表示装置に表示される。
【0021】
図示のとおり、本発明の一実施形態に係るシステムは、サーバ10と、クライアント端末30とを備える。
図1に示す実施形態においては、サーバ10は、クライアント端末30とインターネット等のネットワーク20を介して通信可能に接続されており、クライアント端末30に対してオンラインゲームサービス(例えば、オンライン対戦ゲームに関するサービス)を提供する。例えば、サーバ10は、クライアント端末30から受信したゲームメッセージ(例えば、プレイヤオブジェクト(又はプレイヤキャラクタ)の操作に関連するメッセージ、クエストを開始したというメッセージ)を、所定のゲームロジック(又は当該ゲームロジックを実現するためのプログラム)に従って処理し、その処理結果をクライアント端末30に送信する。また、サーバ10は、ゲームの進行に必要な様々なゲームデータをクライアント端末30に提供する。また、後述するように、本発明の一実施形態において、サーバ10は、クライアント端末30でゲームに関連する仮想空間の画像(又は当該画像を生成するために用いられる対戦ログ情報及び視点情報)をクライアント端末30に提供する。対戦ログ情報及び視点情報については後述する。なお、
図1には、1つのクライアント端末30が図示されているが、サーバ10には、複数のクライアント端末30が通信可能に接続され得る。
【0022】
本発明を適用可能なオンラインゲームの一例は、プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタのオブジェクトとコンピュータによって操作されるノンプレイヤキャラクタのオブジェクトとの間で対戦が行われるオンライン対戦ゲームである。後述するように、オンラインゲームの仮想空間の画像に入力領域やオブジェクト情報表示領域を重畳することで表示画像が生成され、生成された表示画像は、所定の表示装置(例えばクライアント端末30のディスレプレイ)に表示される。なお、本発明は、オンラインゲームの仮想空間に限られず、様々な仮想空間に適用可能であることに留意されたい。
【0023】
サーバ10は、図示のとおり、プロセッサ11と、メインメモリ12と、ユーザI/F13と、通信I/F14と、ストレージ15とを備える。これらの各構成要素は、不図示のバスを介して互いに電気的に接続される。プロセッサ11は、ストレージ15からオペレーティングシステムやゲームロジックを実現する様々なプログラムに含まれる命令をメインメモリ12にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ12は、プロセッサ11が実行する命令を格納するために用いられ、例えば、DRAMによって構成される。
【0024】
ユーザI/F13は、例えば、オペレータの入力を受け付けるキーボードやマウス等の情報入力装置と、プロセッサ11の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置とを含む。通信I/F14は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク20を介してクライアント端末30と通信可能に構成される。
【0025】
ストレージ15は、例えば磁気ディスクドライブで構成され、例えばゲームロジックを実現するためのゲーム制御用プログラム等の様々なプログラムが記憶される。また、ストレージ15には、ゲームにおいて用いられる各種データも記憶され得る。ストレージ15に記憶され得る各種データは、サーバ10と通信可能に接続され、サーバ10とは物理的に別体のデータベースサーバに格納されてもよい。
【0026】
一実施形態におけるサーバ10は、階層構造の複数のウェブページから成るウェブサイトを管理するウェブサーバである。クライアント端末30は、このウェブページを表示するためのHTMLデータをサーバ10から取得し、取得したHTMLデータを解析して得られるゲーム画面をクライアント端末30のディスプレイに表示することができる。プレイヤは、このゲーム画面を介してクライアント端末30に対して様々な入力を行うことで、サーバ10が提供するゲームとインタラクトできる(例えば、プレイヤオブジェクトに対する操作指示を行ったりメニューの選択を行うことができる)。ストレージ15は、このウェブページを表示するためのHTMLデータを記憶できる。HTMLデータは、HTML等のマークアップ言語で記述されたHTMLコードから成る。このHTMLコードには、様々な画像が関連付けられる。また、HTMLデータには、ActionScriptやJavaScript(登録商標)等のスクリプト言語等で記述されたプログラムが埋め込まれ得る。このように、サーバ10は、ゲームサービスを提供するウェブサイトを管理しており、当該ウェブサイトを構成するウェブページをクライアント端末30からの要求に応じて配信することによりゲームを進行させることができる。このようなウェブページを介して提供されるゲームは、ブラウザゲームと称されることがある。
【0027】
本発明の他の実施形態においては、クライアント端末30においてOSやミドルウェア等の実行環境上でゲームアプリケーションプログラムを実行することにより、このゲームアプリケーションプログラムとサーバ10とが協働してゲームを提供することができる。このゲームアプリケーションプログラムは、例えば、ストレージ15やストレージ25に格納されており、クライアント端末30からの要求に応じて、クライアント端末30にダウンロードされる。このゲームアプリケーションプログラムには、クライアント端末30での実行時に、サーバ10から提供されるゲームデータを処理するための命令セットが含まれる。また、クライアント端末30には、当該命令セット実行時に参照される画像データ等の各種データもダウンロードされる。ゲームアプリケーションプログラムは、例えば、Objective−C、Java(登録商標)等のオブジェクト指向プログラミング言語で作成される。ゲームアプリケーションプログラムは、ストレージ15、外部ストレージ25、又はこれら以外の不図示のストレージに格納される。
【0028】
ストレージ15等のストレージに記憶されたゲームアプリケーションプログラムは、クライアント端末30からの配信要求に応じて、当該クライアント端末30に配信される。配信されたゲームアプリケーションプログラムは、クライアント端末30において、プロセッサ31の制御に従って通信I/F34を介して受信される。受信されたゲームアプリケーションプログラムは、例えばストレージ35に記憶される。このアプリケーションソフトウェアは、プレイヤによるクライアント端末30の操作に応じて起動され、クライアント端末30に実装されたOSやミドルウェア等のプラットフォーム上で実行される。
【0029】
クライアント端末30において起動されたゲームアプリケーションプログラムは、ゲームメッセージをサーバ10に送信することができる。サーバ10は、ゲームアプリケーションプログラムからのメッセージを所定のゲームロジックに従って処理し、その処理結果を示す様々な情報をゲームアプリケーションプログラムに返信することにより、ゲームの進行を制御することができる。例えば、サーバ10がオンライン対戦ゲームを提供する場合には、サーバ10は、プレイヤによって操作されるプレイヤオブジェクトとコンピュータによって所定のロジックに従って操作されるノンプレイヤオブジェクトとの間の対戦を所定の対戦ロジックに従って処理することができる。
【0030】
クライアント端末30で実行されるゲームアプリケーションプログラムは、サーバ10から、対戦処理の内容を示す対戦ログ情報を受信することができる。ゲームアプリケーションプログラムは、サーバ10から受信した対戦ログ情報や仮想空間内の視点の位置などを表す視点情報に基づいて仮想空間の画像を生成し、生成した画像に他の表示要素を重畳させて表示画像(ゲーム画面)を生成する。生成された表示画像は、例えば、クライアント端末30のディスプレイに表示される。プレイヤは、クライアント端末30のディスプレイに表示されたゲーム画面を見て、ゲームを進行させることができる。
【0031】
以上のとおり、ゲームアプリケーションプログラム(又は当該プログラムに含まれる命令)をクライアント端末30で実行することにより、このゲームアプリケーションプログラムの機能とサーバ10の機能とを連携させてゲームを進行させることができる。このようなゲームアプリケーションプログラムを利用して提供されるゲームは、アプリゲームと称されることがある。本発明は、ブラウザゲームとアプリゲームのいずれにも適用可能である。
【0032】
サーバ10は、ゲームの開始時のプレイヤの認証処理やゲームの進行に応じて発生する課金処理を行う機能を有することもできる。サーバ10によって提供されるゲームには、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、野球ゲーム等の仮想空間内に複数のオブジェクトが含まれる任意のゲームが含まれる。サーバ10及びクライアント端末30(又はクライアント端末30で実行されるゲームアプリケーションプログラム)によって実現されるゲームの種類は、本明細書において明示されたものに限られない。
【0033】
続いて、クライアント端末30について説明する。本発明の一実施形態に係るクライアント端末30は、サーバ10から取得したゲーム用ウェブサイトのウェブページをウェブブラウザ上で表示する環境及びゲームアプリケーションプログラムを実行するためのアプリケーション実行環境の少なくとも一方を実装した任意の情報処理装置であり、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍リーダー及びゲーム用コンソールを含むがこれらには限られない。
【0034】
本発明の一実施形態に係るクライアント端末30は、図示のとおり、プロセッサ31と、メインメモリ32と、ユーザI/F33と、通信I/F34と、ストレージ35と、を含み、これらの各構成要素がバス36を介して互いに電気的に接続されている。
【0035】
プロセッサ31は、ストレージ35からオペレーティングシステム等の様々なプログラムをメインメモリ32にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ32は、プロセッサ31が実行する命令を格納するために用いられ、例えば、DRAMによって構成される。
【0036】
ユーザI/F33は、プレイヤの入力を受け付ける情報入力装置と、プロセッサ31の演算結果を出力する情報出力装置であり、タッチスクリーンを備える液晶ディスプレイなどの表示装置を含む。通信I/F34は、ハードウェア、ファームウェア、又は、TCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク20を介してサーバ10と通信可能に構成される。
【0037】
ストレージ35は、例えば磁気ディスクドライブやフラッシュメモリ等により構成され、オペレーティングシステム等の様々なプログラムを記憶する。また、ストレージ35は、サーバ10から通信I/F34を介してゲームアプリケーションプログラムを受信した場合には、この受信したゲームアプリケーションプログラムを記憶する。
【0038】
クライアント端末30は、例えば、HTML形式のファイル(HTMLデータ)を解釈して画面表示するためのブラウザソフトウェアを備えており、このブラウザソフトウェアの機能によりサーバ10から取得したHTMLデータを解釈して、受信したHTMLデータに対応するウェブページを表示することができる。また、クライアント端末30は、ブラウザソフトウェアに組み込まれるプラグインソフト(例えば、アドビシステムズ社から提供されているFlash Player)を備えており、HTMLデータに埋め込まれたSWF形式のファイルをサーバ10から取得し、当該SWF形式のファイルをブラウザソフトウェア及びプラグインソフトを用いて実行することができる。
【0039】
また、クライアント端末30においては、プレイヤの操作に応じてゲームアプリケーションプログラムが起動され、クライアント端末30に実装されたプラットフォーム上で実行される。クライアント端末30においてゲームアプリケーションプログラムが実行されると、例えば、プログラムにより指示されたアニメーションや操作用アイコンがクライアント端末30の画面に表示される。プレイヤは、クライアント端末30のユーザI/F33を用いてゲームを進行させるための指示を入力することができる。
【0040】
次に、上記のように構成されたサーバ10及びクライアント端末30の機能について説明する。本発明の一実施形態に係るサーバ10のプロセッサ11及びクライアント端末30のプロセッサ31は、様々なコンピュータ読み取り可能な命令を実行することができ、この命令を実行することにより、本発明に係る様々な機能を実現することができる。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るプロセッサ11は、所定の命令を実行することにより、ゲーム制御部41及び仮想空間画像生成部42として機能するように構成される。また、本発明の一実施形態に係るプロセッサ31は、所定の命令を実行することにより、表示画像生成部61、入力処理部62、及び送信部63として機能するように構成される。
【0041】
本発明の一実施形態に係るサーバ10で実現される機能についてさらに説明する。本発明の一実施形態に係るゲーム制御部41は、クライアント端末30からのゲームメッセージを所定のゲームロジックに基づいて処理し、また、所定のゲームに関する様々なゲームデータをクライアント端末30に提供することで、ゲームの進行を制御することができる。ゲーム制御部41は、例えば、クライアント端末30からプレイヤオブジェクトによるアイテムの使用を指示するアイテム使用メッセージを受信した場合、当該プレイヤオブジェクトに指示されたアイテムを使用させる処理を行い、その結果(例えば、ライフの回復など)を示すアイテム使用情報を当該クライアント端末30に対して提供することができる。ゲーム制御部41が提供するゲームデータには、例えば、プレイヤオブジェクトやノンプレイヤオブジェクトに関するオブジェクトデータ、及びプレイヤによって経験されるクエストに関するクエストデータが含まれ得る。また、ゲーム制御部41は、プレイヤ同士のコミュニケーションを促進するためにチャット機能やメッセージング機能を提供することもできる。
【0042】
本発明の一実施形態に係るサーバ10がオンライン対戦ゲームを提供する場合には、ゲーム制御部41は、所定の対戦ロジックに従って、プレイヤオブジェクトとノンプレイヤオブジェクトとの対戦処理を実行する。この対戦処理は、例えば、プレイヤからの指示に基づいてコントロールされる複数のプレイヤオブジェクトと、プレイヤからの指示とは無関係に所定のロジックに基づいてコントロールされる複数のノンプレイヤオブジェクトとの間の対戦を実行する。一実施形態におけるゲームは、ターン制のゲームであり、プレイヤのターンの間にプレイヤオブジェクトの各々が移動や攻撃などの様々な動作を行い、次に、これと交代で、コンピュータのターンの間にノンプレイヤオブジェクトの各々が同様の様々な動作を行う。
【0043】
本発明の一実施形態に係るゲーム制御部41は、仮想空間でのイベントやオブジェクトの動作などの仮想空間を描写するための仮想空間情報と、視点情報とに基づいて、仮想空間の画像が生成される。例えば、本発明の一実施形態に係るサーバ10がオンライン対戦ゲームを提供する場合には、例えば、ターン毎に、当該ターンにおける対戦処理の内容を示す対戦ログ情報が生成される。本発明の一実施形態における対戦ログ情報には、各ターンにおける様々なイベントを表すデータやそのイベントの結果を表すデータが含まれ、例えば、各オブジェクトの移動後の位置や移動経路を表す移動データ、各オブジェクトによる攻撃イベントを表す攻撃イベントデータ、攻撃イベントによって各オブジェクトが受けたダメージの大きさを示すダメージデータ、プレイヤオブジェクトの各々が獲得した経験値等のポイントを示す獲得ポイントデータが含まれる。本発明における対戦ログ情報は、本明細書で具体的に説明したものに限られず、ゲーム制御部41によって実行される対戦処理の内容を示す様々な情報を含むことができる。
【0044】
本発明の一実施形態に係る仮想空間画像生成部42は、視点(仮想カメラ)から仮想空間内の注視点を見た当該仮想空間の画像を生成することができる。仮想空間においては、所定のフィールド上に、プレイヤの操作対象となるプレイヤオブジェクトやコンピュータによって操作されるノンプレイヤオブジェクトが配置されている。また、仮想空間には、仮想の視点又は仮想カメラが配置される。本発明の一実施形態における仮想の視点には、視点情報が設定される。この視点情報には、例えば、視点の位置を示す視点位置データ、注視点の位置(又は視線の方向)を示す注視点位置データ(視線方向データ)、及び視点の画角(又は視野範囲)を示す画角データ(視野範囲データ)が含まれる。
【0045】
本発明の一実施形態において、仮想空間の画像は、この仮想の視点から、仮想空間内の注視点を見た画像である。例えば、仮想空間内の所定の位置に配置された視点から、設定された注視点を見たときに、仮想空間に配置された複数のオブジェクトのうち当該視線の視野範囲内にあるオブジェクトが、当該オブジェクトよりも視線方向前方に配置された仮想のスクリーン面に仮想的に投影され、このスクリーンに投影された画像が当該視野から見た当該仮想空間の画像となる。仮想空間画像生成部42は、以上のように、仮想カメラを用いて、又は、それ以外の公知の方法を用いて仮想空間の画像を生成することができる。
【0046】
本発明の一実施形態に係る仮想空間画像生成部42は、ゲーム制御部41で生成された仮想空間情報と、視点情報とに基づいて、仮想空間の画像を生成することができる。例えば、サーバ10がオンライン対戦ゲームを提供する場合には、仮想空間画像生成部42は、ゲーム制御部41で実行された対戦処理の内容を示す対戦ログ情報、及び、当該対戦処理における視点情報(例えば、視点の位置、注視点、画角などが含まれる)に基づいて、仮想空間の画像を生成することができる。
【0047】
本発明の一実施形態に係る仮想空間画像生成部42は、生成した仮想空間の画像をクライアント端末30に提供する。または、本発明の他の実施形態に係る仮想空間画像生成部42は、仮想カメラの視点情報を、対戦ログ情報ともに又は対戦ログ情報と関連付けて、クライアント端末30に送信する。
【0048】
次に、本発明の一実施形態に係るクライアント端末30の機能について説明する。クライアント端末30で実現される表示画像生成部61は、サーバ10から提供された仮想空間の画像に、ユーザのジェスチャによる入力を受け付ける入力領域、オブジェクトに関する情報を表示するオブジェクト情報表示領域、及び/又はこれら以外の画像やテキストなどの情報を適宜重畳して表示画像を生成することができる。例えば、この表示画像は、VRAM上に生成され、VRAM上の表示画像が適宜読み出されて、所定の表示装置、例えばクライアント端末30のディスプレイに出力される。これにより、仮想空間の画像を含む表示画像がクライアント端末30のディスプレイに表示される。本発明の他の実施形態において、仮想空間の画像は、サーバ10からの対戦ログ情報及び視点情報に基づいて、表示画像生成部61により生成される。
【0049】
表示画像生成部61で生成される表示画像の例を
図2に示す。
図2は、表示画像生成部61で生成され、ライアント端末30のタッチパネルに表示された表示画像の一例を示している。
図2に示すように、本発明の一実施形態に従って生成された表示画像80は、仮想空間の画像82に、入力領域84aないし84d(本明細書では枝番を区別せずに「入力領域84」ということがある。)とを含む。この表示画像80は、仮想空間の画像82に入力領域84を重畳させて生成されたものである。
【0050】
仮想空間の画像82には、ゲームフィールドを示す画像と、当該ゲームフィールドに配置されたオブジェクトを示す画像とが含まれる。具体的には、
図2の画像82には、同大の菱形形状を有する複数の単位表示領域から成るゲームフィールドと、当該ゲームフィールド上に配置されたプレイヤオブジェクト86Aないし86C並びに敵オブジェクト88A及び88Bとが含まれている。なお、単位表示領域は様々な形状を有することができ、矩形以外にも例えば三角形や六角形であってもよい。
【0051】
表示画像80が表示されたクライアント端末30のタッチパネルは、ユーザの手指やスタイラスによるタップ、ダブルタップ、フリック、スワイプ、及び/又は前記以外の様々なジェスチャを検出することができるように構成される。クライアント端末30のタッチパネルは、入力領域84aないし84dにおいてジェスチャを検出すると、所定の入力検出信号を入力処理部62へ提供することができる。この入力検出信号には、タッチパネルにおいてジェスチャがなされた位置や軌跡を示す情報が含まれる。
【0052】
本発明の一実施形態に係る入力処理部62は、入力領域84や様々なオブジェクト(例えば、プレイヤオブジェクト86Aないし86Cや敵オブジェクト88A及び88B)に対するジェスチャ入力及びそれ以外の入力に応じた処理を行う。プレイヤは、例えば、タッチスクリーン上のプレイヤオブジェクト86Aないし86Cが表示されている領域に対して所定のジェスチャを行うことにより、プレイヤオブジェクト86Aないし86Cに対する指示を行うことができる。プレイヤからプレイヤオブジェクトに対する指示には、例えば、仮想空間内の現在の位置から他の位置へ移動する指示、ノンプレイヤオブジェクト88Aやノンプレイヤオブジェクト88Bを攻撃する指示、アイテムを使用する指示などのプレイヤオブジェクトに対する様々な指示が含まれる。
【0053】
本発明の一実施形態に係る入力処理部62は、タッチパネルによって所定のオブジェクト(例えば、プレイヤオブジェクト86Aないし86Cや敵オブジェクト88A及び88B)が選択された場合に、当該選択されたオブジェクトの属性情報や指示された行動の種類に基づいて、選択されたキャラクタの行動の効果が及ぶ領域を決定することができる。本明細書において、キャラクタの行動(又はその効果)が及ぶ領域又は範囲を「ターゲット領域」と称することがある。このターゲット領域には、例えば、キャラクタが移動可能な領域、キャラクタの攻撃が及ぶ範囲、キャラクタによるアイテム使用の効果が及ぶ領域などのキャラクタの行動やその効果が及ぶ様々な領域が含まれる。このようなターゲット領域は、後述するように、仮想空間の画像に重畳して表示され得る。
【0054】
また、本発明の一実施形態に係る入力処理部62は、タッチパネルによって所定のオブジェクトが選択された場合に、当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示するためのオブジェクト情報表示領域を生成することができる。所定のオブジェクトのオブジェクト情報には、当該オブジェクトの名称、ライフ(又はヒットポイント)、獲得した経験値、攻撃力、及び防御力などの当該オブジェクトのステータスを示すステータス情報、使用可能なアイテム、使用可能な特殊効果(例えば、魔法)、並びに前記以外の当該オブジェクトに関する様々な情報が含まれ得る。このようなオブジェクト情報は、仮想空間の画像に重畳して表示され得る。
【0055】
また、入力処理部62は、受け付けた入力検出信号に基づいてゲームメッセージを生成し、生成したゲームメッセージを、本発明の一実施形態に係る送信部63に制御によって、ネットワーク20を介してサーバ10に送信してもよい。この場合、サーバ10では、上述のように、受信したメッセージに基づいて、所定のゲームロジックに従った様々な処理が行われる。
【0056】
上述したオブジェクト情報表示領域及びターゲット領域の表示例を、
図3を参照して説明する。
図3は、本発明の一実施形態に従って、プレイヤによってプレイヤオブジェクト86cが選択された場合に表示画像生成部61で生成される表示画像90の例を示す。図示のように、プレイヤオブジェクト86Cが選択された場合には、表示画像生成部61は、当該プレイヤオブジェクト86Cが移動可能な領域を示すターゲット領域89A及び当該プレイヤオブジェクト86Cによる攻撃が及ぶ領域を示すターゲット領域89B、並びに、当該プレイヤオブジェクト86Cに関するオブジェクト情報を示すオブジェクト情報表示領域85を仮想空間の画像82に重畳して、表示画像90を生成することができる。本明細書では、ターゲット領域89A及びターゲット領域89Bをターゲット領域89と総称することがある。
【0057】
本発明の一実施形態において、ターゲット領域89Aは、プレイヤオブジェクト86Cが配置されたマス目と当該マス目を取り囲む8個のマス目の合計9つのマス目で構成される。また、ターゲット領域89Bは、プレイヤオブジェクト86Cが配置されたマス目と、当該マス目から画面の左上方向に伸びる3つのマス目とで構成される。ターゲット領域89A及びターゲット領域89Bの形状や大きさは、選択されたプレイヤオブジェクトの属性情報等に基づいて、入力処理部62により決定される。
【0058】
本発明の一実施形態において、オブジェクト情報表示領域85には、所定の形状及び寸法が予め定められている。例えば、
図3のオブジェクト情報表示領域85は、矩形の形状を有しており、その横幅は表示画像90の横幅の約3分の1であり、その縦幅は表示画像90の縦幅の約5分の2と定められている。
【0059】
本発明の一実施形態に係る配置決定部64は、所定のオブジェクトが選択された場合に、その選択時の表示画像におけるオブジェクトの配置を特定し、当該オブジェクトの配置及び当該選択されたオブジェクトのオブジェクト情報表示領域の形状及びサイズに基づいて、当該オブジェクト情報表示領域の当該表示画像における配置を決定することができる。例えば、クライアント端末30に
図2に示す表示画像80が表示されているときにプレイヤオブジェクト86cが選択された場合、表示画像生成部61は、表示画像80におけるオブジェクト(プレイヤオブジェクト86Aないし86Cや敵オブジェクト88A及び88B)の配置と、オブジェクト情報表示領域85の形状及びサイズとに基づいて、オブジェクト情報表示領域85がプレイヤオブジェクト86Aないし86C並びに敵オブジェクト88A及び88Bのいずれとも重複しないように、表示画像80におけるオブジェクト情報表示領域85の配置を決定することができる。表示画像生成部61は、オブジェクト情報表示領域85が決定した配置に基づいて、例えば
図3に示すように、オブジェクト情報表示領域85を仮想空間の画像82に重畳させて表示画像90を生成することができる。
【0060】
上述のように、本発明の一部の実施形態においては、オブジェクト情報表示領域85は、仮想空間内を移動可能なオブジェクト(例えば、プレイヤオブジェクト86Aないし86C並びに敵オブジェクト88A及び88Bが移動オブジェクトの例である。本明細書において「移動オブジェクト」と称することがある。)と重複しないように表示されるが、仮想空間内で静止している静止オブジェクトとは重複しても構わない。例えば、
図2の仮想空間の画像82には、フィールド上に、背景として樹木を表すオブジェクトが配置されているが、ゲームの進行に応じてこの樹木に関する演出効果は表示されないので、オブジェクト情報表示領域85が樹木のような静止オブジェクトと重複しても、表示画像が見えづらくなったりゲームの演出効果を妨げたりすることはない。したがって、仮想空間のオブジェクトに、移動オブジェクトと静止オブジェクトとが含まれる場合には、配置決定部64は、オブジェクト情報表示領域85が移動オブジェクトと重複しないように、その配置を決定する。この場合、オブジェクト情報表示領域85は、静止オブジェクトと重複してもしなくともよい。例えば、
図3におけるオブジェクト情報表示領域85は、仮想空間の画像82に含まれる樹木を表すオブジェクトと重複するように表示される。
【0061】
このように、本発明の一実施形態によれば、オブジェクト情報表示領域85と仮想空間のオブジェクト(特に移動オブジェクト)とが重複して表示画像が見づらくなることを防止できる。
【0062】
本発明の一実施形態に係る配置決定部64は、オブジェクト情報表示領域85がターゲット領域89とも重複しないように、仮想空間の画像82におけるオブジェクト情報表示領域85の配置を決定することができる。例えば、
図3に示した実施例では、オブジェクト情報表示領域85が移動オブジェクトだけでなく、ターゲット領域89とも重複しないように表示されている。これにより、選択されたオブジェクトの行動の効果が及ぶターゲット領域の表示とオブジェクト情報表示領域とが重複して表示画像が見づらくなることを防止できる。
【0063】
本発明の一実施形態に係る配置決定部64は、オブジェクト情報表示領域85が入力領域84とも重複しないように、仮想空間の画像82におけるオブジェクト情報表示領域の配置を決定することができる。例えば、
図3に示した実施例では、オブジェクト情報表示領域85が移動オブジェクトやターゲット領域89だけでなく、入力領域84のいずれとも重複しないように表示されている。これにより、入力領域84とオブジェクト情報表示領域85とが重複して表示画像90が見づらくなることを防止できる。
【0064】
オブジェクト情報表示領域85の配置は、
図3に示したものに限られず、仮想空間の画像82におけるオブジェクト(例えば、移動オブジェクト)の配置、ターゲット領域の配置、入力領域の配置、及び/又はこれら以外の表示画像の見やすさに影響を与える要因に基づいて適宜定められ得る。
図4は、本発明の一実施形態に従って、表示画像生成部61で生成される表示画像の他の例を示す。
図4に示す表示画像100においては、オブジェクト情報表示領域85が、移動オブジェクト、入力領域84、及びターゲット領域89のいずれとも重複しないように、仮想空間の画像82の右上隅に重畳して表示されている。
【0065】
本発明の一実施形態に係る配置決定部64は、選択されたオブジェクト(例えば、移動オブジェクト)の配置、ターゲット領域の配置、及び入力領域の配置の変化に応じて、オブジェクト情報表示領域の配置を変更することができる。例えば、
図5に示すように、オブジェクト86Cに代えてオブジェクト86Aが選択されたときに、当該オブジェクト86Aのオブジェクト情報表示領域85’を表示画像の左上に配置すると、当該オブジェクト86Aのターゲット領域89Cとオブジェクト情報表示領域85’とが重複してしまう場合がある。このように、選択されたオブジェクトの配置、ターゲット領域の配置、及び入力領域の配置を変化させるイベントが発生した場合には、配置決定部64においてオブジェクト情報表示領域85’の配置を変更し、表示画像生成部61において当該変更された配置に基づいて表示画像を生成することができる。例えば、
図5では表示画像110の左上隅に配置されているオブジェクト情報表示領域85’を、
図6に示すようにその右上隅に移動させて、新たな表示画像120を生成することができる。なお、プレイヤによってオブジェクト86Aが選択されたときに、配置決定部64は、表示画像生成部61が表示画像110をVRAMに生成された時点でオブジェクト情報表示領域85’とターゲット領域89Cとが重複していると判断することができる。この場合、オブジェクト86Aを選択した後、クライアント端末30のディスプレイに
図5の表示画像110を表示せずに、
図6の表示画像120を表示することができる。
【0066】
仮想空間の画像に多くのオブジェクトが配置されている場合やターゲット領域が広い場合には、予め定められた形状及びサイズを有するオブジェクト情報表示領域85’を、当該仮想空間のオブジェクト、ターゲット領域、及び/又は入力領域のいずれとも重複せずに表示することができない場合がある。例えば、
図7に例示した表示画像130においては、ターゲット領域89Dが表示画像130内で広い領域を占めているため、オブジェクト情報表示領域85’を、当該仮想空間の移動オブジェクト、ターゲット領域89D、及び入力領域84のいずれとも重複しないように表示することはできない。このような場合、本発明の一実施形態に係る表示画像生成部61は、仮想空間の画像を生成するための仮想カメラの設定を変更することにより仮想空間の画像を変更し、この変更後の仮想空間の画像にオブジェクト情報表示領域85’を重畳して表示することができる。例えば、表示画像生成部61は、オブジェクト情報表示領域85’が仮想空間の移動オブジェクト、ターゲット領域89D、及び入力領域84のいずれとも重複しないように、サーバ10から受信した視点情報の視点位置データ、注視点位置データ、及び画角データの少なくとも1つを変更することができる。
【0067】
例えば、視点の位置が
図7の位置から右下方向へ移動するように視点位置データを変更することにより、
図8に示すように、表示画像140内に、仮想空間のオブジェクト(移動オブジェクト)、ターゲット領域89D、及び入力領域84のいずれとも重複しないように、オブジェクト情報表示領域85’を配置することができる。本発明の他の実施形態においては、注視点位置データを変更することによって、仮想空間のオブジェクト(移動オブジェクト)、ターゲット領域89D、及び入力領域84のいずれとも重複しないように、オブジェクト情報表示領域85’を表示画像内に配置することができる。
【0068】
本発明の他の実施形態においては、画角データを変更して仮想空間をズームアウトすることにより、
図9に示すように、仮想空間のオブジェクト(移動オブジェクト)、ターゲット領域89D、及び入力領域84のいずれとも重複しないように、オブジェクト情報表示領域85’を表示画像150内に配置することができる。
【0069】
仮想カメラの設定の変更方法は、上述したものに限られない。例えば、視点位置データ、注視点位置データ、及び画角データの2つ以上を変更することにより、オブジェクト情報表示領域85’を配置するスペースを作り出してもよい。また、仮想カメラの設定の変更は、クライアント端末30で行ってもサーバ10で行ってもよい。仮想カメラの設定の変更をクライアント端末30で行う場合には、サーバ10から受信した視点情報に含まれる視点位置データ、注視点位置データ、及び画角データを適宜変更すればよい。
【0070】
一方、仮想カメラの設定の変更をサーバ10で行う場合には、オブジェクト情報表示領域85’を配置可能な領域が存在しない場合(例えば
図7に示す場合)に、そのときの表示画像における各表示要素の配置、形状、及び大きさに関する情報をサーバ10に提供することにより、サーバ10において、オブジェクト情報表示領域85’を配置するスペースを確保するように、視点情報を変更することができる。この変更後の視点情報は、サーバ10からクライアント端末30に送信される。
【0071】
本発明の他の実施形態においては、オブジェクトを表示するためのオブジェクト情報表示領域の大きさを縮小することにより、当該縮小されたオブジェクト情報表示領域を、仮想空間のオブジェクト、ターゲット領域、及び入力領域のいずれとも重複しないように配置することができる。例えば、本発明の一実施形態に係る配置決定部64は、VRAM上に生成された画像において仮想空間のオブジェクト(移動オブジェクト)、ターゲット領域、及び/又は入力領域がいずれも存在しない領域を特定し、当該領域に配置可能なように、オブジェクト情報表示領域を縮小することができる。縮小されたオブジェクト情報表示領域165の例を
図10に示す。
図10に示す例では、元の(デフォルト設定の)オブジェクト情報表示領域85’の縦横をそれぞれ約2分の1に縮小してオブジェクト情報表示領域165を生成し、この縮小したオブジェクト情報表示領域165を仮想空間の画像82に重畳して表示している。
【0072】
縮小されたオブジェクト情報表示領域は、
図11に示すように、縮小前のオブジェクト情報表示領域が表示する情報の一部のみを表示するものであってもよい。例えば、
図11のオブジェクト情報表示領域175は、元の大きさのオブジェクト情報表示領域の縦方向のみを約3分の1に縮小した大きさを有し、元のオブジェクト情報表示領域85’に含まれていた情報の一部のみを含んでいる。オブジェクト情報表示領域175に表示される情報は、例えば、オブジェクト名のみであってもよい。これにより、オブジェクト情報表示領域を縮小した場合であっても、当該領域に表示される文字や図形を縮小せずに表示することが可能となるので、文字や図形が小さくなりすぎて判読不能となることを防止できる。
【0073】
次に、
図12を参照し、本発明の一実施形態に従って、仮想空間の画像を含む表示画像を生成する処理の流れを説明する。まず、ステップS102において、仮想空間の画像が生成される。この仮想空間の画像は、例えば、対戦ゲームにおけるゲーム空間を示す画像である。この仮想空間の画像の生成は、例えば、上述した仮想空間画像生成部42によって実行される。なお、仮想空間の画像の生成は、サーバ10から提供された対戦ログ情報及び視点情報に基づいて表示画像生成部61で実行されてもよい。
【0074】
次に、ステップS104に進み、ステップ102で生成された仮想空間の画像に、入力領域を重畳させることにより表示画像が生成され、生成された表示画像が所定の表示装置により表示される。この表示画像の生成及び表示制御は、例えば、上述した表示画像生成部61で実行される。表示装置は、例えば、クライアント端末30のタッチパネルである。クライアント端末30のタッチパネルに表示される表示画像の例は、例えば、
図2に示した表示画像80である。
【0075】
次に、表示画像に含まれるオブジェクトに対する入力操作(例えば、タップ等のジェスチャ入力)が行われると、ステップS106に進み、当該オブジェクトが選択される。オブジェクトが選択されると、当該オブジェクトによって実行可能な行動の効果が及ぶターゲット領域が決定され、その決定されたターゲット領域が表示画像に重畳されて表示される。このようなターゲット領域の決定は、例えば、上述した入力処理部62によって実行され、決定されたターゲット領域の表示は、例えば、上述した表示画像生成部61で実行される。このようにして表示されるターゲット領域の例は、例えば、
図2に示したターゲット領域89a及びターゲット領域89bである。
【0076】
次にステップS108に進み、ステップS106でターゲット領域が重畳された表示画像に、オブジェクト情報表示領域を配置するスペースが存在するか否かが判断される。例えば、所定の形状及びサイズを有するオブジェクト情報表示領域が、ステップS106でターゲット領域が重畳された表示画像に、当該表示画像内のオブジェクト(特に移動オブジェクト)、入力領域、及びターゲット領域とも重複しないように配置できるか否かが判断される。この判断は、例えば、上述した配置決定部64によって実行される。例えば、
図2に示した表示画像80においては、その左上隅又は右上隅に、仮想空間内のオブジェクト(プレイヤオブジェクト86Aないし86Cや敵オブジェクト88A及び88B)、入力領域84、及びターゲット領域89のいずれとも重複しないようにオブジェクト情報表示領域85’を配置することができる。このように、表示画像中にオブジェクト情報表示領域の配置スペースが存在する場合には、処理はステップS112に進む。一方、表示画像内にオブジェクト情報表示領域の配置スペースが存在しない場合(例えば、
図7に示す表示画像が表示されている場合)には、処理はステップS110に進む。
【0077】
ステップS110においては、オブジェクト情報表示領域85’の表示スペースを確保するように、仮想空間の画像を変更することができる。この仮想空間の画像の変更は、例えば、仮想カメラの設定を変更することにより実行される。この仮想カメラの設定の変更は、例えば、上述した表示画像生成部61で実行される。仮想カメラの設定の変更は、例えば、視点位置、注視点位置、及び/又は画角を変更することにより行われる。視点位置を変更した後の仮想空間の画像の例は、例えば、
図8に示した画像142であり、画角を変更(ズームアウト)した後の仮想空間の画像の例は、例えば、
図9に示した画像152である。ステップS110において仮想空間の画像が変更されると、処理はステップS112に進む。
【0078】
ステップS112では、入力領域及びターゲット領域が重畳された仮想空間の画像に、選択されたオブジェクトのオブジェクト情報表示領域を重畳することにより、当該オブジェクト情報表示領域を含む表示画像が生成される。このオブジェクト情報表示領域が重畳された表示画像の生成は、例えば、上述した表示画像生成部61により実行される。このオブジェクト情報表示領域が重畳された表示画像の例は、例えば、
図3の表示画像90、
図4の表示画像100、
図6の表示画像120、
図8の表示画像140、及び
図9の表示画像150である。
【0079】
以上のようにして、仮想空間内のオブジェクトのオブジェクト情報を示すオブジェクト情報表示領域が、当該仮想空間内の移動オブジェクト、入力領域、及びターゲット領域のいずれとも重複しないように表示される。
図12は、オブジェクト情報のオブジェクト情報表示領域が、移動オブジェクト、入力領域、及びターゲット領域のいずれとも重複しないように表示される場合の処理を示しているが、本発明におけるオブジェクト情報の表示の配置方法はこれに限られない。例えば、上述のとおり、一部の実施形態においては、移動オブジェクトと重複しなければ、入力領域やターゲット領域と重複してもよい。
【0080】
次に、
図13を参照し、本発明の他の実施形態に従って、仮想空間の画像を含む表示画像を生成する処理の流れを説明する。
図13に示した処理は、ステップS108において表示スペースが存在しないと判断された場合の処理以外は、
図12に示した処理と同様であるので、
図12と同様の処理については説明を省略する。
図13に示した実施形態において、ステップS108において表示スペースが存在しないと判断された場合には、処理はステップS202に進む。
【0081】
ステップS202においては、予め定められた形状及び大きさを有するオブジェクト情報表示領域が縮小される。このオブジェクト情報表示領域の縮小は、例えば、上述した表示画像生成部61で実行される。例えば、
図10に示したオブジェクト情報表示領域165や
図11に示したオブジェクト情報表示領域175が、縮小されたオブジェクト情報表示領域の例である。次に、処理は、ステップS112に進み、ステップS202で縮小されたオブジェクト情報表示領域が表示画像内に重畳表示される。
【0082】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書中で説明されるデータ、テーブル、又はデータベースが単一のメモリに格納される旨説明されたとしても、そのようなデータ、テーブル、又はデータベースは、単一の装置に備えられた複数のメモリまたは複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納され得る。さらに、本明細書において説明されるソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0083】
図1の実施形態において、プロセッサ11での機能の一部又は全部は、クライアント端末30のプロセッサ31やそれ以外の装置のプロセッサによって実現されてもよく、プロセッサ31の機能の一部又は全部は、サーバ10のプロセッサ11やそれ以外の装置のプロセッサにより実行されてもよい。例えば、サーバ10との通信を必要とせずに、クライアント端末30でアプリケーションプログラムを実行することによって提供されるスタンドアローン型のゲームの場合には、
図1においてサーバ10のプロセッサ11で実現される機能をクライアント端末30のプロセッサで実行するようにしてもよい。オブジェクト情報表示領域の表示画像における配置を決定する処理は、クライアント端末30のプロセッサ31ではなく、サーバ10のプロセッサ11やそれ以外のプロセッサにおいて実行されてもよい。
【0084】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図を用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること,及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれる。
【0085】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【解決手段】 本発明の一実施形態は、一又は複数のプロセッサを備えたシステムに関する。本発明の一実施形態において、当該一又は複数のプロセッサは、所定のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、複数のオブジェクトを含む仮想空間の画像を生成し、前記複数のオブジェクトのうちの一又は複数の特定オブジェクトに関する情報を表示するためのオブジェクト情報表示領域を前記仮想空間の画像に重畳させて表示画像を生成するように構成される。前記オブジェクト情報表示領域の前記表示画像における配置は、前記表示画像における前記複数のオブジェクトの配置に基づいて定められる。