【文献】
Qualcomm Incorporated,DM-RS for R-PDCCH,3GPP TSG-RAN WG1 #60bis R1-102345,3GPP,2010年 4月16日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_60b/Docs/R1-102345.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付の図面を参照して説明される本発明の各実施例によって、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解できるであろう。以下に説明される各実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0019】
本明細書においては、LTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の各実施例を説明するが、これは一例に過ぎず、本発明の実施例は、上記の定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。また、本明細書は、周波数分割2重通信(FDD)方式を基準にして本発明の実施例について説明するが、これは例示的なもので、本発明の実施例は、周波数分割半2重通信(H−FDD)方式又は時分割2重通信(TDD)方式にも容易に変形されて適用されうる。
【0020】
図2は、3GPP無線接続ネットワーク規格に基づく端末とE−UTRANとの間における無線インタフェースプロトコルの制御プレーン及びユーザプレーンの構造を示す図である。制御プレーンは、端末(UE)及びネットワークが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路のことを意味する。ユーザプレーンは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路のことを意味する。
【0021】
第1層である物理層は、物理チャネルを用いて上位層に情報転送サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位にある媒体接続制御(MAC)層とは伝送チャネル(Transport Channel)を通じて接続している。伝送チャネルを通じて媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間は物理チャネルを通じてデータが移動する。物理チャネルは時間及び周波数を無線リソースとして活用する。具体的には、物理チャネルは、ダウンリンクにおいて地直交周波数分割多元接続(OFDMA)方式によって変調され、アップリンクにおいて単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)方式によって変調される。
【0022】
第2層の媒体接続制御層は、論理チャネルを通じて上位層である無線リンク制御(RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、高信頼データ伝送をサポートする。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックとして具現されてもよい。第2層のパケットデータ融合プロトコル(PDCP)層は、帯域幅の狭い無線インタフェースにおいてIPv4又はIPv6のようなIPパケットを効率的に送信するために、不要な制御情報を減らすヘッダ圧縮機能を行う。
【0023】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(RRC)層は、制御プレーンでだけ定義される。RRC層は、無線ベアラ(RB)の設定、再設定及び解放と関連して論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBとは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末及びネットワークのRRC層はRRCメッセージを交換する。端末及びネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末は、RRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にあるようになる。RRC層の上位にある非接続層(NAS)は、セッション管理及び移動性管理などの機能を行う。
【0024】
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.25、2.5、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に下り又は上り送信サービスを提供する。別個のセルは、別個の帯域幅を提供するように設定することができる。
【0025】
ネットワークから端末にデータを送信する下り伝送チャネルは、システム情報を送信する同報チャネル(BCH)、呼出しメッセージを送信する呼出しチャネル(PCH)、ユーザ情報又は制御メッセージを送信する下り共有チャネル(SCH)などがある。下りマルチキャスト又はブロードキャストサービスの情報又は制御メッセージの場合、下りSCHを通じて送信してもよく、又は、別の下りマルチキャストチャネル(MCH)を通じて送信してもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するランダムアクセスチャネル(RACH)、ユーザ情報又は制御メッセージを送信する上りSCHがある。送信チャネルの上位にあり、送信チャネルにマップされる論理チャネルとしては、同報制御チャネル(BCCH)、呼出し制御チャネル(PCCH)、共通制御チャネル(CCCH)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)、マルチキャスト情報チャネル(MTCH)などがある。
【0026】
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらチャネルを用いる一般的な信号送信方法を説明するための図である。
【0027】
端末は、電源が入ったか、又は新しくセルに進入した場合、基地局と同期を合わせる等の初期セル探索作業を行う(S301)。そのために、端末は基地局から1次同期チャネル(P−SCH)及び2次同期チャネル(S−SCH)を受信して基地局と同期を合わせ、セルIDなどの情報を取得することができる。その後、端末は、基地局から物理同報チャネルを受信して、セル内の同報情報を取得することができる。一方、端末は、初期セル探索段階でダウンリンク参照信号(DLRS)を受信してダウンリンクチャネルの状態を確認することができる。
【0028】
初期セル探索を終えた端末は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及びPDCCHに乗せられた情報に基づいて物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得することができる(S302)。
【0029】
一方、基地局に最初に接続したか、又は信号送信のための無線リソースがない場合に、端末は、基地局に対してランダムアクセス手順を行うことができる(ステップS303乃至ステップS306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を通じて特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを通じてプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304及びS306)。競合ベースRACHの場合に、衝突解決手順を更に行うことができる。
【0030】
上述のような手順を行った端末は、以降、一般的なアップリンク/ダウンリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)及び物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)/物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)送信(S308)を行うことができる。特に、端末は、PDCCHを通じてダウンリンク制御情報(DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割当情報のような制御情報を含み、その使用目的によってフォーマットが異なる。
【0031】
一方、端末がアップリンクを通じて基地局に送信する、又は端末が基地局から受信する制御情報は、ダウンリンク/アップリンク肯定応答/否定応答(ACK/NACK)信号、チャネル品質指示子(CQI)、プリコーディング行列インデクス(PMI)、ランク指示子(RI)などを含む。3GPP LTEシステムの場合、端末は、上述したCQI/PMI/RIなどの制御情報を、PUSCH及び/又はPUCCHを通じて送信することができる。
【0032】
以下、多入力多出力(MIMO)システムについて説明する。MIMOは、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いる方法であり、この方法によって、データの送受信効率を向上させることができる。すなわち、無線通信システムにおける送信端又は受信端において複数のアンテナを用いることによって容量を増大させ、性能を向上させることができる。以降、本明細書においては、MIMOを「複数アンテナ」と呼ぶことがある。
【0033】
複数アンテナ技術では、一つの全体メッセージを受信するために、単一アンテナ経路に依存しない。その代わりに、複数アンテナ技術では、複数のアンテナから受信した各データ断片を一つに併合することによってデータを完成する。複数アンテナ技術を用いると、特定のサイズのセル領域内でデータ送信速度を向上させ、又は、特定データ送信速度を保証しながらシステムサービス範囲(coverage)を増加させることができる。また、この技術は移動通信端末及び中継器などに幅広く使用することができる。複数アンテナ技術によれば、単一アンテナを用いる従来技術による移動通信における伝送量の限界を克服することができる。
【0034】
本発明で説明する複数アンテナ(MIMO)通信システムの構成図が、
図4に示されている。送信端にはN
T個の送信アンテナが設けられており、受信端にはN
R個の受信アンテナが設けられている。このように、送信端及び受信端の両方とも複数のアンテナを用いる場合には、送信端又は受信端のいずれか一方でだけ複数のアンテナを用いる場合に比べて、理論的なチャネル伝送容量が増加する。チャネル伝送容量の増加はアンテナの数に比例する。したがって、送信速度が向上し、周波数効率が向上する。一つのアンテナを用いる場合の最大送信速度をR
oとすれば、複数アンテナを用いるときの送信速度は、理論的に、下記の式1のように、最大送信速度R
oにレート増加率Riを乗じた分だけ増加することができる。ここで、R
iは、N
T及びN
Rのうちの小さい値である。
【0036】
例えば、4個の送信アンテナ及び4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムにおいては、単一アンテナシステムに比べて理論上4倍の送信速度を得ることができる。このような複数アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、実質的にデータ送信速度を向上させるための様々な技術が今も活発に研究されており、それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信及び次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0037】
現在までの複数アンテナ関連の研究動向を見ると、様々なチャネル環境及び多元接続環境における複数アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論面の研究、複数アンテナシステムの無線チャネル測定及びモデル導出の研究、そして送信信頼度の向上及び送信速度の向上のための時空間信号処理技術研究など、様々な観点で活発な研究が行われている。
【0038】
複数アンテナシステムにおける通信方法をより具体的に説明するためにこれを数学的にモデル化する場合に、次のように示すことができる。
図7に示すように、N
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在すると仮定する。まず、送信信号について説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合に、最大送信可能な情報はN
T個であるので、送信情報を下記の式2のようなベクトルで表すことができる。
【0040】
一方、送信情報S
1,S
2,…,S
NTそれぞれにおいて送信電力を異ならせることができ、このとき、送信電力をそれぞれ、P
1,P
2,…,P
NTとすれば、送信電力の調整された送信情報をベクトルで表すと、下記の式3の通りである。
【0042】
また、hat−Sを送信電力の対角行列Pを用いて表すと、式4の通りである。
【0044】
一方、送信電力の調整された情報ベクトルhat−Sに重み行列Wが適用されて、実際に送信されるN
T個の送信信号x
1,x
2,…,x
NTが構成される場合を考慮してみよう。ここで、重み行列は、送信情報を伝送チャネル状況などに応じて各アンテナに適切に分配する役割をする。このような送信信号x
1,x
2,…,x
NTは、ベクトルXを用いて下記の式5のように表すことができる。ここで、W
ijは、i番目の送信アンテナとj番目の情報との間の重み値を意味する。Wは、重み行列又はプリコーディング行列と呼ばれる。
【0046】
一般に、チャネル行列のランクの物理的な意味は、与えられたチャネルにおいて送信できる別個の情報の最大数ということができる。したがって、チャネル行列のランク(rank)は、互いに独立している行又は列の個数のうち、最小個数と定義されるため、行列のランクは、行又は列の個数よりも大きいことはない。数式的に例示すると、チャネル行列Hのランク(rank(H))は、式6のように制限される。
【0048】
また、複数アンテナ技術を用いて送る別個の情報のそれぞれを、「送信ストリーム」又は簡単に「ストリーム」と定義するとする。このような「ストリーム」を「階層」と称することもできる。そのため、送信ストリームの個数は、当然ながら、送ることができる別個の情報の最大数であるチャネルのランクより大きくなることはない。したがって、チャネル行列Hは、下記の式7のように表すことができる。
【0050】
ここで、「# of streams」は、ストリームの数を表す。一方、ここで、1ストリームは1以上のアンテナを通じて送信され得るという点に注意されたい。
【0051】
1以上のストリームを複数個のアンテナに対応付ける方法には、種々の方法がある。これらの方法を、複数アンテナ技術の種類によって次のように説明することができる。1個のストリームが複数のアンテナを経て送信される場合は空間ダイバシチ方式と考えられ、複数のストリームが複数のアンテナを経て送信される場合は空間多重化方式と考えられる。もちろん、その中間形態である、空間ダイバシチと空間多重化とを混合(Hybrid)した形態も可能である。
【0052】
図5は、ダウンリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
【0053】
図5を参照すると、サブフレームは、14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって、先頭の1〜3個のOFDMシンボルは制御領域として使用され、残りの13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として使用される。図中、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する基準信号(RS)又はパイロット信号を表す。RSは、制御領域及びデータ領域に関わらず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられ、情報チャネルも、データ領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルとしては、物理制御フォーマット指示子チャネル(PCFICH)、物理HARQ指示子チャネル(PHICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)などがある。
【0054】
PCFICHは、物理制御フォーマット指示子チャネルであり、毎サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、1番目のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは、4個のリソース要素グループ(REG)によって構成され、それぞれのREGは、セルIDに基づいて制御領域内に分散される。一つのREGは、4個のリソース要素(RE)によって構成される。REは、一つの副搬送波×一つのOFDMシンボルによって規定される最小物理リソースのことを指す。PCFICH値は、帯域幅によって1乃至3又は2乃至4の値を指示し、4相位相偏移変調(QPSK)によって変調される。
【0055】
PHICHは、物理HARQ指示子チャネルであり、アップリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを搬送するために用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルを指す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル特定にスクランブルされる。ACK/NACKは、1ビットで指示され、2相位相偏移変調(BPSK)によって変調される。変調されたACK/NACKは、拡散係数(SF)=2又は4によって拡散される。同じリソースにマップされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散符号の個数によって決定される。PHICH(グループ)は、周波数領域及び/又は時間領域でダイバシチ利得を得るために3回反復される。
【0056】
PDCCHは、物理ダウンリンク制御チャネルであり、サブフレームの先頭n個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは、1以上の整数で、PCFICHによって指示される。PDCCHは、一つ以上の制御チャネル要素(CCE)によって構成される。PDCCHは、伝送チャネルであるPCH及びDL−SCHのリソース割当に関する情報、アップリンクスケジュール許可、HARQ情報などを、各端末又は端末グループに知らせる。PCH及びDL−SCHは、PDSCHを通じて送信される。したがって、基地局と端末は、一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータを除いては、PDSCHを通じてデータをそれぞれ送信及び受信する。
【0057】
PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるものであり、これら端末がどのようにPDSCHデータを受信して復号をすべきかに関する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。例えば、特定PDCCHが、“A”という無線ネットワーク一時識別情報(RNTI)によってCRCマスクされており、“B”という無線リソース(例、周波数位置)及び“C”という送信形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、符号化情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が、特定サブフレームを通じて送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身の持っているRNTI情報を用いてPDCCHを監視し、“A”のRNTIを持っている一つ以上の端末があるとすれば、これら端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づいて“B”及び“C”によって指示されるPDSCHを受信する。
【0058】
図6は、LTEシステムにおいてダウンリンク制御チャネルを構成するのに用いられるリソース単位を示す。特に、
図6の(a)は、基地局の送信アンテナの個数が1又は2個である場合を示し、
図6の(b)は、基地局の送信アンテナの個数が4個である場合を示す。送信アンテナの個数によってRSパターンが互いに異なるだけで、制御チャネルと関連したリソース単位の設定方法は同一である。
【0059】
図6を参照すると、ダウンリンク制御チャネルの基本リソース単位はREGである。REGは、RSを除外した状態で4個の隣接したリソース要素(RE)で構成される。REGは、図面に太い線で示されている。PCFICH及びPHICHはそれぞれ、4個のREG及び3個のREGを含む。PDCCHは、CCE単位で構成され、一つのCCEは9個のREGを含む。
【0060】
端末は、自身にL個のCCEからなったPDCCHが送信されるかを確認するために、M(L)(≧L)個の連続しているか、又は特定の規則によって配置された、CCEを確認するように設定される。端末がPDCCHの受信のために考慮しなければならないL値は複数になり得る。端末がPDCCHの受信のために確認しなければならないCCE集合を探索空間(search space)という。一例として、LTEシステムは、探索空間を表1のように定義している。
【0062】
ここで、CCE集約レベルLは、PDCCHを構成するCCE個数を表し、Sk(L)は、CCE集約レベルLの探索空間を表し、M(L)は、集約レベルLの探索空間で監視しなければならない候補PDCCHの個数である。
【0063】
探索空間は、特定端末に対してだけ接続が許容される端末特定探索空間と、セル内のすべての端末に対して接続が許容される共通探索空間とに区分することができる。端末は、CCE集約レベルが4及び8である共通探索空間を監視し、CCE集約レベルが1、2、4及び8である端末特定探索空間を監視する。共通探索空間及び端末特定探索空間は重複してもよい。
【0064】
また、各CCE集約レベル値に対して任意の端末に付与されるPDCCH探索空間において、1番目の(最も小さいインデクスを有する)CCEの位置は、端末によってサブフレームごとに変化する。これをPDCCH探索空間ハッシュという。
【0065】
図7は、LTEシステムにおいて用いられるアップリンクサブフレームの構造を示す。
【0066】
図7を参照すると、アップリンクサブフレームは、制御情報を搬送するPUCCHが割り当てられる領域と、ユーザデータを搬送するPUSCHが割り当てられる領域とに分けることができる。サブフレームの中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部分がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上に送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、ダウンリンクチャネル状態を表すCQI、MIMOのためのRI、アップリンクリソース割当要求であるスケジュール要求(SR)などがある。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレーム内の各スロットにおいて別個の周波数を占める一つのリソースブロックを使用する。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックは、スロット境界で周波数ホップされる。特に、
図6は、m=0であるPUCCH、m=1であるPUCCH、m=2であるPUCCH、m=3であるPUCCHがサブフレームに割り当てられることを例示する。
【0067】
一方、基地局と端末との間のチャネル状態が良くない場合には、基地局と端末との間にリレーノード(RN)を設けて、より優れたチャネル状態の無線チャネルを端末に提供することができる。また、基地局から、チャネル状態のよくないセル境界地域においてリレーノードを導入して使用することによって、より高速のデータチャネルを提供し、セルサービス領域を拡張させることができる。このように、リレーノードは、無線通信システムにおいて電波陰影地域の解消のために導入された技術として、現在、広く用いられている。
【0068】
過去の方式が単純に信号を増幅して送信するリピータ(Repeater)の機能に限られているのに対して、最近には、より知的な形態に発展している。さらに、リレーノード技術は、次世代移動通信システムにおいて基地局増設費用及びバックホールネットワークのメンテナンス費用を軽減すると同時に、サービス範囲の拡大及びデータ処理速度の向上のために必要不可欠な技術である。リレーノード技術が発展するにつれて、従来の無線通信システムで用いるリレーノードを、新しい無線通信システムでサポートすることが要求される。
【0069】
3GPP高度LTEシステム(LTE−A)においてリレーノードに基地局と端末との間のリンク接続を転送(forward)する機能を導入することによって、それぞれのアップリンク及びダウンリンク搬送波周波数帯域に、属性の異なる2種類のリンクが適用される。基地局とリレーノードとのリンク間に設定される接続リンク部分をバックホールリンク(backhaul link)と定義して表現する。ダウンリンクリソースを用いてFDD又はTDD方式で送信が行われることをバックホールダウンリンクと表現し、アップリンクリソースを用いてFDD又はTDD方式で送信が行われることをバックホールアップリンクと表現することができる。
【0070】
図8は、無線通信システムにおいてリレーバックホールリンク及びリレーアクセスリンクの構成を示す図である。
【0071】
図8を参照すると、基地局と端末間のリンクの接続を転送する役割のためにリレーノードが導入されることで、それぞれのアップリンク及びダウンリンク搬送波周波数帯域に、属性の異なる2種類のリンクが適用される。基地局とリレーノードとの間に設定される接続リンク部分を、リレーバックホールリンクと定義して表現する。バックホールリンクが、ダウンリンク周波数帯域(FDDの場合)又はダウンリンクサブフレーム(TDDの場合)リソースを用いて送信がなされる場合、バックホールダウンリンクと表現し、アップリンク周波数帯域(FDDの場合)又はアップリンクサブフレーム(TDDの場合)リソースを用いて送信がなされる場合、バックホールアップリンクと表現することができる。
【0072】
一方、リレーノードと一連の端末との間に設定される接続リンク部分を、リレーアクセスリンクと定義して表現する。リレーアクセスリンクが、ダウンリンク周波数帯域(FDDの場合)又はダウンリンクサブフレーム(TDDの場合)リソースを用いて送信がなされる場合、アクセスダウンリンクと表現し、アップリンク周波数帯域(FDDの場合)やアップリンクサブフレーム(TDDの場合)リソースを用いて送信がなされる場合、アクセスアップリンクと表現することができる。
【0073】
リレーノード(RN)は、リレーバックホールダウンリンクを通じて基地局から情報を受信し、リレーバックホールアップリンクを通じて基地局に情報を送信することができる。また、リレーノードは、リレーアクセスダウンリンクを通じて端末に情報を送信し、リレーアクセスアップリンクを通じて端末から情報を受信することができる。
【0074】
一方、リレーノードの帯域(又はスペクトル)の使用と関連して、バックホールリンクがアクセスリンクと同じ周波数帯域で動作する場合を「帯域内(in−band)」といい、バックホールリンクとアクセスリンクとが異なる周波数帯域で動作する場合を「帯域外(out−band)」という。帯域内及び帯域外のいずれにおいても、既存のLTEシステム(例えば、リリース−8)によって動作する端末(以下、旧型(legacy)端末という。)がドナーセルに接続できるようにしなければならない。
【0075】
端末でリレーノードを認識するか否かによって、リレーノードは、透過リレーノードと非透過リレーノードとに分類することができる。透過は、端末がリレーノードを通じてネットワークと通信するか否かを認識できない場合を意味し、非透過は、端末がリレーノードを通じてネットワークと通信するか否かを認識する場合を意味する。
【0076】
リレーノードの制御と関連して、リレーノードは、ドナーセルの一部として構成されるリレーノードと、自分でセルを制御するリレーノードとに区別することができる。
【0077】
ドナーセルの一部として構成されるリレーノードは、リレーノード識別子(ID)を有することはできるが、リレーノード自身のセル識別情報を有しない。ドナーセルの属する基地局によって無線リソース管理(RRM)の少なくとも一部が制御されると(RRMの残りの部分はリレーノードに位置しても)、ドナーセルの一部として構成されるリレーノードと定義する。好ましくは、このようなリレーノードは、旧型端末をサポートすることができる。例えば、スマートリピータ、復号及び転送リレーノード(decode−and−forward relays)、第2層(L2)リレーノードの様々な種類及びタイプ2のリレーノードがこのようなリレーノードに該当する。
【0078】
自分でセルを制御するリレーノードは、一つ又は複数のセルを制御し、リレーノードによって制御されるセルのそれぞれに固有の物理層セル識別情報が提供され、同じRRM機構を用いることができる。端末にとっては、リレーノードによって制御されるセルにアクセスすることと、一般の基地局によって制御されるセルにアクセスすることと相違がない。好ましくは、このようなリレーノードによって制御されるセルは、旧型端末をサポートすることができる。例えば、自己バックホール(Self−backhauling)リレーノード、第3層(L3)リレーノード、タイプ1のリレーノード及びタイプ1aのリレーノードがこのようなリレーノードに該当する。
【0079】
タイプ1のリレーノードは、帯域内リレーノードであり、複数個のセルを制御し、これら複数個のセルのそれぞれは、端末にとってはドナーセルと区別される別個のセルと見なされる。また、複数個のセルは固有の物理セルID(LTEリリース−8で定義する)を有し、リレーノードは自身の同期化チャネル、参照信号などを送信することができる。単一セル動作の場合に、端末は、リレーノードから直接スケジュール情報及びHARQフィードバックを受信し、リレーノードに自身の制御チャネル(スケジュール要求(SR)、CQI、ACK/NACKなど)を送信することができる。また、旧型端末(LTEリリース−8システムによって動作する端末)にとって、タイプ1のリレーノードは旧型基地局(LTEリリース−8システムによって動作する基地局)と見なされる。すなわち、後方互換性を有する。一方、LTE−Aシステムによって動作する端末には、タイプ1のリレーノードが旧型基地局と異なる基地局と見なされ、性能向上を提供することができる。
【0080】
タイプ1aのリレーノードは、帯域外で動作する以外は、前述のタイプ1のリレーノードと同一の特徴を有する。タイプ1aのリレーノードの動作は、第1層(L1)動作への影響が最小化するように、又は影響がないように構成することができる。
【0081】
タイプ2のリレーノードは、帯域内リレーノードであり、別途の物理セルIDを持たず、これによって、新しいセルを形成しない。タイプ2のリレーノードは、旧型端末に対して透過であり、旧型端末は、タイプ2のリレーノードの存在を認識できない。タイプ2のリレーノードは、PDSCHを送信することができるが、少なくともCRS及びPDCCHは送信しない。
【0082】
一方、リレーノードを帯域内で動作させるには、時間周波数空間での一部リソースをバックホールリンクのために予備にしなければならず、また、このリソースはアクセスリンクのために使用されないように設定することができる。これをリソース分割(resource partitioning)という。
【0083】
リレーノードにおけるリソース分割の一般的な原理は、次の通りである。バックホールダウンリンク及びアクセスダウンリンクを一つの搬送波周波数上で時分割多重化(TDM)方式で多重化することができる(すなわち、特定時間においてバックホールダウンリンク又はアクセスダウンリンクのいずれか一方だけを活性化する)。同様に、バックホールアップリンク及びアクセスアップリンクを、一つの搬送波周波数上でTDM方式によって多重化することができる(すなわち、特定時間においてバックホールアップリンク又はアクセスアップリンクのいずれか一方だけを活性化する)。
【0084】
FDDにおけるバックホールリンク多重化は、バックホールダウンリンク送信はダウンリンク周波数帯域で行われ、バックホールアップリンク送信はアップリンク周波数帯域で行われるものと説明することができる。TDDにおけるバックホールリンク多重化は、バックホールダウンリンク送信は基地局及びリレーノードのダウンリンクサブフレームで行われ、バックホールアップリンク送信は基地局及びリレーノードのアップリンクサブフレームで行われるものと説明することができる。
【0085】
帯域内リレーノードの場合に、例えば、所定の周波数帯域において基地局からのバックホールダウンリンク受信と端末へのアクセスダウンリンク送信とが同時に行われると、リレーノードの送信端から送信される信号がリレーノードの受信端で受信されることがあり、これによって、リレーノードのRFフロントエンドにおいて信号干渉又はRF妨害(jamming)が発生し得る。同様に、所定の周波数帯域で端末からのアクセスアップリンクの受信と基地局へのバックホールアップリンクの送信とが同時に行われると、リレーノードのRFフロントエンドにおいて信号干渉が発生し得る。したがって、リレーノードにおける一つの周波数帯域での同時送受信を具現するためには、受信信号と送信信号との間に充分な分離(例えば、送信アンテナと受信アンテナとを地理的に充分に離隔して(例えば、地上/地下に)設ける)を提供しなければならない。
【0086】
このような信号干渉の問題を解決する一案は、リレーノードがドナーセルから信号を受信する間、端末が信号を送信しないように動作させることである。すなわち、リレーノードから端末への送信にギャップを置き、このギャップでは端末(旧型端末も含む)がリレーノードからのいかなる送信も期待しないように設定することができる。このようなギャップは、マルチキャスト・ブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)サブフレームを構成することによって設定することができる。
【0087】
図9は、リレーノードリソース分割の例を示す図である。
【0088】
図9では、第1のサブフレームは一般サブフレームであり、リレーノードから端末にダウンリンク(すなわち、アクセスダウンリンク)制御信号及びデータが送信され、第2のサブフレームはMBSFNサブフレームであり、ダウンリンクサブフレームの制御領域ではリレーノードから端末に制御信号が送信されるが、ダウンリンクサブフレームの残り領域ではリレーノードから端末に何らの送信も行われない。ここで、旧型端末の場合は、すべてのダウンリンクサブフレームで物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の送信を期待するようになるため(言い換えると、リレーノードは、自身の領域内の旧型端末が毎サブフレームでPDCCHを受信して測定機能を行うようにサポートする必要があるため)、旧型端末の正しい動作のためにはすべてのダウンリンクサブフレームでPDCCHを送信する必要がある。したがって、基地局からリレーノードへのダウンリンク(すなわち、バックホールダウンリンク)送信のために設定されたサブフレーム(第2のサブフレーム)上でも、サブフレームの先頭N(N=1,2又は3)個のOFDMシンボル区間においてリレーノードはバックホールダウンリンクを受信せずに、アクセスダウンリンク送信をする必要がある。これについて、第2のサブフレームの制御領域においてPDCCHがリレーノードから端末に送信されるため、リレーノードがサービス提供する旧型端末に対する後方互換性を提供することができる。第2のサブフレームの残りの領域では、リレーノードから端末に何らの送信も行われない間に、リレーノードは基地局からの送信を受信することができる。したがって、このようなリソース分割方式によって、帯域内リレーノードにおいてアクセスダウンリンク送信とバックホールダウンリンク受信とが同時に行われないようにすることができる。
【0089】
MBSFNサブフレームを用いる第2のサブフレームについて具体的に説明する。第2のサブフレームの制御領域は、リレーノード非聴取(non−hearing)区間ということができる。リレーノード非聴取区間は、リレーノードがバックホールダウンリンク信号を受信せずにアクセスダウンリンク信号を送信する区間のことを意味する。この区間は、前述したように、1,2又は3のOFDM長さに設定することができる。リレーノード非聴取区間において、リレーノードは、端末へのアクセスダウンリンク送信を行い、残りの領域では基地局からバックホールダウンリンクを受信することができる。このとき、リレーノードは、同じ周波数帯域で同時に送受信を行うことができないため、リレーノードが送信モードから受信モードに切り替わるに時間が掛かる。したがって、バックホールダウンリンク受信領域の先頭の一部区間においてリレーノードが送信/受信モード切替を行うようにガード時間(GT)を設定する必要がある。同様に、リレーノードが基地局からのバックホールダウンリンクを受信し、端末へのアクセスダウンリンクを送信するように動作する場合にも、リレーノードの受信/送信モード切替のためのガード時間(GT)を設定することができる。このようなガード時間の長さは、時間領域の値として与えることができ、例えば、k(k≧1)個の時間サンプル(Ts)値として与えてもよく、一つ以上のOFDMシンボル長に設定してもよい。又は、リレーノードバックホールダウンリンクサブフレームが連続して設定されている場合、又は、所定のサブフレームタイミング整列(timing alignment)関係によって、サブフレームの最後の部分のガード時間は定義又は設定しなくてもよい。このようなガード時間は、後方互換性を維持するために、バックホールダウンリンクサブフレーム送信のために設定されている周波数領域でだけ定義することができる(アクセスダウンリンク区間においてガード時間が設定される場合には、旧型端末をサポートできない)。ガード時間以外のバックホールダウンリンク受信区間においてリレーノードは基地局からPDCCH及びPDSCHを受信することができる。これを、リレーノード専用物理チャネルという意味から、R−PDCCH(Relay−PDCCH)及びR−PDSCH(Relay−PDSCH)と表現することもできる。
【0090】
図10は、時間−周波数領域で構成されたリソースを区分して示す図である。
【0091】
図10を参照すると、Px−yy(x、y=0、1、2、3、…)で表記されたリソース領域の周波数領域の大きさ及び時間領域の大きさは多様に構成することができる。特に、Px−y1は1番目のスロット又はその一部、Px−y2は2番目のスロット又はその一部を意味する。
【0092】
3GPP LTEシステムを例に挙げて説明すると、RB単位に区分されるものと仮定すれば、P0−12が、周波数領域は12個の副搬送波、時間領域は7個のOFDMシンボルから構成される。また、4個のRBで構成されたRBG単位に区分されるものと仮定すれば、P0−12は、周波数領域の大きさが4倍増加した形態、すなわち48個の副搬送波で構成される。
【0093】
また、Px−y1領域はPx−y2領域と同一又は少ない数のシンボルで構成されたリソース領域である。もちろん、循環プレフィクス(CP)長によってシンボルの数は変わり得る。例えば、RB単位に区分されるものと仮定すれば、Px−y1は、周波数領域に12個の副搬送波と、時間領域は4個のOFDMシンボルから構成される。仮に、RBG単位に区分されるものと仮定すれば、同様に周波数領域がRB単位の倍数だけ増加することになる。
【0094】
また、
図10で、Pn(n=0、1、2、3…)は、複数アンテナを通じた多階層送信において使用するアンテナポート又は階層インデクスを指示し、ここで、アンテナポートとは、別個の情報を送信できる区別可能なリソース領域を意味できる。
【0095】
以下では、上述したリソース構成において制御情報及びデータを割り当てる方法について説明し、説明の便宜上前記リソース構成がRB単位に区分されるものと仮定する。
【0096】
基地局とリレーノードとの間の制御情報(R−PDCCH)は事前に決まった特定領域において送信されることが好ましく、特に、LTEシステムのリソース割当情報(RA)タイプ0を使用する場合、RBGのK番目のRB(Kは、RBGグループ内のRBの数より小さな整数)に限定するのを提案する。すなわち、毎RBGのK番目のRBにおいてR−PDCCHを送信する可能性があるという意味である。Kは、RGBグループの1番目のRBであってもよく、最後のRBであってもよい。RAタイプ1,2においてもRBGの概念を共有することができ、同じ論理でRBGの特定RBをR−PDCCH送信のためのリソース領域として使用することができる。
【0097】
図11は、本発明の第1実施例に係る複数ユーザMIMOシステムにおけるR−PDCCH及びR−PDSCH多重化を例示する図である。特に、
図11は、4個のアンテナポートを通じた複数アンテナ送信を仮定する。
【0098】
図11のように、リレーノード1及びリレーノード2のそれぞれに対して、2個のアンテナポートを通じてダウンリンク信号を送信するとき、アンテナポート0及び1をリレーノード1に割り当て、アンテナポート2及び3はリレーノード2に割り当てることができる。アンテナポート1及びアンテナポート3の空き領域はリレーノード1のためのダウンリンク許可とリレーノード2のためのダウンリンク許可との性能を保証するために、データ又は制御情報のうちいかなる情報も送信しない。
【0099】
R−PDCCHの場合、制御情報の特性上、信頼性を高めるために可能な限り少ないアンテナポートを用いて送信することが好ましい。したがって、各リレーノードに送信されるDL許可は、1個のアンテナポートだけで送信されるように設定することが好ましい。すなわち、R−PDCCH自体としては2個のアンテナポートだけを使用するものである。
【0100】
各リレーノードに使用されるアンテナポートを区別するための手段としてスクランブル符号を適用できる。すなわち、システム上可用のアンテナポートが2個である場合、2個のスクランブル符号を用いて、合計4個の論理的アンテナポートを形成してもよい。
【0101】
図12は、本発明の第2実施例に係る複数ユーザMIMOシステムでのR−PDCCH及びR−PDSCH多重化を例示する図である。
【0102】
図12と
図11との相違点は、
図12では、制御情報の信頼性をより向上させるために、ダウンリンク許可が送信されるすべてのポートの対応領域は、データ又は制御情報のうちいかなる情報も送信しないという点である。周波数の観点でだけ説明すると、リレーノード1のためのダウンリンク許可とリレーノード2のためのダウンリンク許可とは、周波数分割多重化が行われたものであり、互いにアンテナポートを異にすることが特徴といえる。
【0103】
一方、
図12を参照すると、本発明では、アップリンク許可がスケジュールされるか、又はR−PDSCHがスケジュールされるかを指示する、マップ及び多重化情報(MAMI)をR−PDCCHに挿入して送信することを提案する。これをより具体的に説明する。
【0104】
図13は、本発明で提案するR−PDCCHに挿入されるマップ及び多重化情報を説明するための図である。また、
図14は、3個のRBで構成されたRBGにおいてスケジュール可能なアップリンク許可又はR−PDSCHの組合せを示す。特に、
図14でP0−12領域に表示された“?”は、アップリンク許可又はR−PDSCHのうち一つを表す。
【0105】
図13を参照すると、ダウンリンク許可は、3個のRBで構成されたRBGにおいてP0−11に位置するものと仮定し、前記ダウンリンク許可を含むサブフレームの2番目のスロットにはアップリンク許可又はR−PDSCHをスケジュールできる。ここで、前記P0−11に位置するダウンリンク許可にマップ及び多重化情報を含むとき、前記3個のRBで構成されたRBGにおいて
図14に示している可能なスケジュールの組合せをすべて表現できる。特に、3個のRBで構成されたRBGであれば、3ビット情報ですべての場合を表現することができる。
【0106】
図15は、本発明で提案するR−PDCCHに挿入されるマップ及び多重化情報を説明するための他の図である。また、
図16は、4個のRBで構成されたRBGにおいてスケジュール可能なアップリンク許可又はR−PDSCHの組合せを示す。特に、
図16でP0−12領域に表示された“?”は、アップリンク許可又はR−PDSCHのうち一つを示す。
【0107】
図17は、本発明の第2実施例に係る複数ユーザMIMOシステムにおけるR−PDCCH及びR−PDSCH多重化を例示する他である。
【0108】
図17では、ダウンリンク許可が存在するRBの2番目のスロットに位置するデータは、該当のリレーノードに割り当てられたアンテナポートに対してだけ空間多重化を行い、ダウンリンク許可が存在しないRBでのデータ送信はすべてのアンテナポートに対して空間多重化を行うことを提案する。例えば、アンテナポート2のP2−22領域がリレーノード2のためのダウンリンク許可が存在するRBの2番目のスロットに位置するデータ送信に使用されるため、アンテナポート0でP0−22領域も使用しない。
【0109】
図18は、本発明の第3実施例に係る複数ユーザMIMOシステムにおけるR−PDCCH及びR−PDSCH多重化を例示する図である。
図17との相違点は、制御情報を同じアンテナポートに位置させるという点である。
【0110】
図18では、アンテナポート0のP0−22とアンテナポート1のP1−22は、リレーノード2のために使用できるという点と、アンテナポート2のP2−22とアンテナポート3のP3−22は、リレーノード2のために使用できるという点が特徴である。
【0111】
図19は、本発明の第3実施例に係る複数ユーザMIMOシステムにおけるR−PDCCH及びR−PDSCH多重化を例示した他の図である。
【0112】
図19は、アンテナポート0に位置したリレーノード2のダウンリンク許可が送信される次のスロットに、リレーノード2のR−PDSCHを位置させることが特徴である。このようなマップ方法は、制御情報を同じアンテナポートを使用して復号し、該当のRBで同じアンテナポートを通じてデータも復調できるという点が長所である。特に、P0−22領域にリレーノード2のR−PDSCHが存在するため、P1−22領域にリレーノード2のR−PDSCHが位置するように空間多重化を行うことが好ましい。このようにすることで、同じアンテナポート及び/又はスクランブル符号を用いてリレーノード2のR−PDSCHを多重化することができる。
【0113】
特に、
図19においてリレーノード1は、P1−11に存在するダウンリンク許可のブラインド復号が成功したとき、次のスロットに自身のデータが存在するか、又は、自身のアップリンク許可が存在するかを把握(
図19ではデータ)して復調及び復号を行う。このとき、P0−12及びP1−12は、同じスクランブル符号を用いてデスクランブルされ、各アンテナポート別に2重階層逆多重化を行ってR−PDSCHを復調する。
【0114】
また、
図19で、同じRBGにあるRBのうちリレーノード1のダウンリンク許可が存在するRBの2番目のスロット(P0−12)、及びリレーノード1又はリレーノード2のダウンリンク許可が存在しないRB(P0−31、P0−32)に対してR−PDSCH復号を行う。もちろん空間多重化が適用されているという点を考慮すると、P1−12、P1−31、P1−32に対してR−PDSCH復号を行う。
【0115】
リレーノード2の場合、P0−21に存在するダウンリンク許可を復号して制御情報を取得し、リレーノード2もダウンリンク許可が検出された次のスロットにR−PDSCHが存在するという仮定を認識しているため、これを復調することができる。ただし、リレーノード2のR−PDSCHの場合、どのアンテナポートに位置しているかによって、適用しなければならないスクランブル符号が異なることがある。例えば、P0−22、P1−22、P2−31、P2−32、P3−31、P3−32は同じリレーノードにスケジュールされるが、互いに異なるスクランブル符号を使用する。これとは異なり、リレーノード1の場合、P0−12、P0−31、P0−32、P1−12、P1−31、P1−32はすべて同じスクランブル符号を使用するという点で差がある。
【0116】
図20は、本発明の第3実施例に係る複数ユーザMIMOシステムにおけるR−PDCCH及びR−PDSCH多重化を例示する更に他の図である。
図20のように、リレーノード1との対称性のために、リレーノード2のデータであるP1−22のR−PDSCHをP3−22に位置させることも可能である。
【0117】
一方、本発明では、制御領域が送信されるRBサイズを指示する方法も考慮することができる。このようなRBサイズ情報は、R−PDCCHを通じて、又は、上位層、すなわちRRC信号通知を通じて指示することも可能である。
【0118】
図12を例に挙げると、ダウンリンク許可が占める領域は2 RBであり、このような2 RBという情報自体がダウンリンク許可及びR−PDSCHを復調及び復号する場合に助けになることができる。すなわち、R−PDCCHのブラインド復号領域を限定することができ、これによって、R−PDSCHが存在する領域を明示的に知らせることができるという長所がある。
【0119】
例えば、ダウンリンク許可の占める領域が2 RBという情報がR−PDCCHを通じて信号通知された場合、R−PDCCHにおいては、アンテナポート0でDL許可領域が含まれたRBGの1番目のRBからブラインド復号を行い、アンテナポート1でDL許可領域が含まれたRBGの2番目のRBから逆順にブラインド復号を行う。
【0120】
仮に、すべてのリレーノードの集約レベルが1である場合、ダウンリンク許可が占める領域サイズに関する信号通知は、空間多重化されたリレーノードの個数を信号通知したものと同一である。すなわち、各リレーノードのR−PDCCHは、各リレーノードに割り当てられたアンテナポート対のうち1番目のアンテナポート、すなわちアンテナポート0又はアンテナポート2に存在するという仮定があれば、リレーノードは、アンテナポート0又はアンテナポート2に存在する参照信号に基づいてダウンリンク許可をブラインド復号する。
【0121】
図21は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック構成図を例示する。
【0122】
図21を参照すると、通信装置2100は、プロセッサ2110、メモリ2120、RFモジュール2130、表示モジュール2140及びユーザインタフェースモジュール2150を含む。
【0123】
通信装置2100は、説明の便宜のために図示されたもので、一部のモジュールは省略されている。なお、通信装置2100は、必要なモジュールを更に含むことができる。また、通信装置2100において一部のモジュールはより細分化したモジュールに分割することができる。プロセッサ2110は、図面を参照して例示した本発明の実施例に係る動作を行うように構成される。具体的に、プロセッサ2110の詳細な動作は、
図1乃至
図20に記載された内容を参照されたい。
【0124】
メモリ2120は、プロセッサ2110に接続し、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを記憶する。RFモジュール2130は、プロセッサ2110に接続し、基底帯域信号を無線信号に変換し、又は無線信号を基底帯域信号に変換する機能を行う。そのために、RFモジュール2130は、アナログ変換、増幅、フィルタ及び周波数アップ変換、又はこれらの逆過程を行う。表示モジュール2140は、プロセッサ2110に接続し、様々な情報を表示する。表示モジュール2140は、これに制限されるものではないが、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)のような周知の要素を使用することができる。ユーザインタフェースモジュール2150は、プロセッサ2110に接続し、キーパッド、タッチスクリーンなどのような周知のユーザインタフェースの組合せによって構成することができる。
【0125】
以上説明した実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態として結合したものである。各構成要素又は特徴は、別途の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態として実施することもできる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含めることもでき、又は、他の実施例の対応する構成又は特徴に置き換えることもできる。特許請求の範囲において明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めたりすることもできることは自明である。
【0126】
本明細書において、本発明の実施例は、主にリレーノードと基地局との間のデータ送受信関係を中心に説明された。本明細書において、基地局によって行われると説明された特定動作は、場合によっては、その上位ノードによって行うことができる。すなわち、基地局を含む多数のネットワークノードからなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われることは明らかである。基地局は、固定局、ノードB、進化ノードB(eNB)、アクセスポイントなどの用語に代替可能である。
【0127】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上の特定用途集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0128】
ファームウェア又はソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は各動作を行うモジュール、手順又は関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶されてプロセッサによって駆動されることができる。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
【0129】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化できるのは当業者には自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定しなければならず、本発明の均等範囲内でのすべての変更は本発明の範囲に含まれる。