特許第5745145号(P5745145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5745145
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】自転車
(51)【国際特許分類】
   B62K 15/00 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
   B62K15/00
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-171032(P2014-171032)
(22)【出願日】2014年8月25日
【審査請求日】2014年8月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】304045701
【氏名又は名称】井手 遊生
(72)【発明者】
【氏名】井手 遊生
【審査官】 田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−049591(JP,U)
【文献】 国際公開第2011/151612(WO,A1)
【文献】 米国特許第03623749(US,A)
【文献】 特開2010−023648(JP,A)
【文献】 特開2009−214861(JP,A)
【文献】 特開2007−091211(JP,A)
【文献】 特開昭57−151485(JP,A)
【文献】 実開平06−018186(JP,U)
【文献】 実開昭54−008266(JP,U)
【文献】 特開2010−254265(JP,A)
【文献】 米国特許第6336649(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折りたたみ状態において、
前後双方の車輪を接地させて転がして持ち運ぶことができ、旋回したい方向に車輪を傾ければ前後輪共接地したまま同じように傾き、その傾きに応じた回転半径で小さくも大きくも旋回させることができる自転車であり、
前後輪を車軸が略同軸上となるように並べ、前輪側のヨークと後輪側のフレームを車輪どうしが左右に離れないように前後輪の車軸に近い先端付近においてリンクでつなぎ、そのリンクと前輪側ヨーク及び後輪側フレームとの結合は前後輪双方の車軸どうしが接地したまま略平行な状態を保ちながら左右に傾こうとする動きを拘束しない揺動自在な結合とした自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯自転車の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折りたたみ自転車の、折りたたみ状態における前後輪の係合方法に関する文献の一例を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−49591
【特許文献2】特開2008−132955
【特許文献2】特公平7−17222
【特許文献2】実用新案登録第3075708号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、折りたたみ状態において、前後輪の車軸が同一軸となるように並べ前輪側と後輪側のフレームどうしを固定するものである。
特許文献2は、折りたたみ状態において、間隔維持補助フレームで前輪側と後輪側のフレームをつなぎ、前後輪が相互に拘束されるように固定するものである。
特許文献3および特許文献4は、折りたたみ状態において、前後輪の車軸端を突き合わせ、離れないように係合するものである。
これら従来例はいずれも、折りたたみ状態で転がして持ち運ぶ際、前後輪双方を接地させ車輪を旋回する方向に傾けて車輪が自然とその傾けた方向に転舵するような旋回をさせることはできない。仮に無理やりに車輪を傾けようとすると、一方の車輪は地面から浮きあがることとなり、その為にはそれなりの腕力を要し、また前後輪の連結部には負荷が生じ破損の要因ともなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、折りたたみ状態において、前後輪を車軸が同軸上となるなるように並べ、前輪側と後輪側のフレームを車輪どうしが左右に離れないようにリンクでつなぎ、そのリンクの結合は前後輪双方の車軸の傾きを拘束しない揺動自在な結合とした。
構造とした。
【発明の効果】
【0006】
本願発明によれば、折りたたんだ自転車を転がして持ち運ぶ際、旋回したい方向に車輪傾ければ前後輪双方共接地したまま同じように傾き、その傾きの角度に応じた回転半径で小さくも大きくも楽に旋回させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】自転車の組み立て状態の全体図である。
図2図1を折りたたんで転がして運ぼうとする状態の図である。
図3図2をA方向から見た図である。
図4図3をB方向から見た図である。
図5】リンクの詳細図である。
図6図4の車輪を傾けた状態の図である。
図7図4の車輪の段差状態の図である。
図8】リンクをダブルで平行に設定した場合の図である。
図9】車輪傾斜による旋回性の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図を参照して説明する。
図1は自転車の組み立て状態の全体図である。図2図1を折りたたんで転がして運ぼうとする状態の図である。前輪側(100)と後輪側(200)は連結部(1)で分離され、分離した前輪側(100)と後輪側(200)は車軸(3)が同軸上となるように並べられ、ゴムバンド(2)で束ねられている。
【0009】
図3図2をA方向から見た図である。図4図3をB方向から見た図である。図5はリンク(4)の詳細図である。
前輪側(100)のヨーク(5)と後輪側(200)のフレーム(6)を車輪どうしが離れないようにリンク(4)でつなぎ、その結合は前後輪双方の車軸(3)の傾きを拘束しないように揺動自在になっている。
また結合部には弾性体(7)を介しており、リンク(4)揺動の回転軸とヨーク(5)およびフレーム(6)の中心線の相互の向きが一致していない場合に生じるこじれ成分を吸収するようにしている。
【0010】
図6は車輪を傾けた状態の図である。図7は段差路面の場合の図である。旋回しようとする際、車輪をその方向に傾ければ前後両輪はリンク(4)により同じ様に傾斜し、また段差路面においてはリンク(4)が揺動することによってその段差に追従する。尚、ゴムバンド(2)の束ね位置と束ね方は、前後輪が相互に閉じたり開いたりしなようにしている。
【0011】
図8はリンク(4)をダブルで平行に設定した場合の図である。
平行なダブルのリンクとすることで、前後両輪の平行保持性は確実となる。この場合のゴムバンド(2)の束ねは、単純に前輪側(100)と後輪側(200)がばらけないようなものであれ良い。
さらに性能を良くする方法として、リンク(4)とヨーク(5)およびフレーム(6)の結合方法を、すりこぎ状に揺動可能なボールジョイント式とすれば、こじれ成分を吸収する為の弾性体(7)は不要であり、また前後輪は上下方向はもちろん前後方向にも相互変位がスムースとなり、転がして持ち運ぶ操作性はさらに良くなる。
【0012】
図9は車輪傾斜による旋回性の説明図である。
車軸(3)を傾けた状態で車輪を転がすと、円錐体を転がすように、車軸の延長線と路面との交点を中心とした半径Rで車輪は旋回する。つまり、車軸(3)の傾斜角θが大きい程回転半径Rは小さくなり小回りとなる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、携帯自転車を折りたたんだ状態で転がして運ぶ場合に、小回り旋回や荒れた段差のある路面等での操作性を向上するものである。
【符号の説明】
【0014】
1 連結部
2 ゴムバンド
3 車軸
4 リンク
5 ヨーク
6 フレーム
7 弾性体
100 前輪側
200 後輪側
【要約】
【課題】 折りたたんだ自転車を転がして持ち運ぶ際、旋回したい方向に車輪傾ければ前後輪共接地したまま同じように傾き、その傾きの角度に応じた回転半径で小さくも大きくも楽に旋回させることができる自転車とする。
【解決手段】 折りたたみ状態において、前後輪を車軸が略同軸上となるなるように並べ、前輪側のヨークと後輪側のフレームを車輪どうしが左右に離れないようにリンクでつなぎ、そのリンクの結合は前後輪双方の車軸の傾きを拘束しない揺動自在な結合とした。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9