特許第5745146号(P5745146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5745146ゲームプログラム、ゲーム制御方法、およびコンピュータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5745146
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム制御方法、およびコンピュータ
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20150618BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20150618BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20150618BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20150618BHJP
【FI】
   A63F13/45
   A63F13/52
   A63F13/55
   A63F13/35
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-201919(P2014-201919)
(22)【出願日】2014年9月30日
【審査請求日】2014年9月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(74)【代理人】
【識別番号】100151677
【弁理士】
【氏名又は名称】播磨 里江子
(74)【代理人】
【識別番号】100176533
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 肇
(72)【発明者】
【氏名】金子 大和
【審査官】 柴田 和雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−255090(JP,A)
【文献】 2脳(縦),iTunesプレビュー,2014年12月10日,アップロード日2013年11月26日,URL,https://itunes.apple.com/jp/app/2nao-zong/id528964999
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにゲーム機能を実現させるゲームプログラムであって、当該ゲーム機能は
プレイヤから入力された操作情報を取得する操作情報取得機能と、
前記操作情報にしたがって選択された対象オブジェクトを、第1ゲーム画面に表示させる第1表示情報を出力する第1表示処理機能と、
前記対象オブジェクトの形状に応じて目的オブジェクトの形状を決定する仮想光源を、前記第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力する光源表示機能と、
前記第1ゲーム画面内の前記対象オブジェクトを挟んで、前記光源表示情報によって特定される前記仮想光源と対向するように設定された第2ゲーム画面に、前記目的オブジェクトを表示させる第2表示情報を出力する第2表示処理機能と、
前記第2ゲーム画面において前記目的オブジェクトを複数組み合わせることにより、前記第2ゲーム画面に設定された移動体が、前記第2ゲーム画面内の第1の位置から第2の位置に至るまで移動可能な移動経路を形成する経路形成機能と
プレイヤによる切替スイッチの操作に応じて、前記仮想光源を操作対象とする第1状態と、前記移動体を操作対象とする第2状態とを切り替える切替機能とを含み、
前記第2表示処理機能は、前記仮想光源によって前記第1ゲーム画面から前記第2ゲーム画面に投影されることで現れる前記対象オブジェクトの影の形状が、前記目的オブジェクトの形状となるように、前記目的オブジェクトを第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
前記光源表示機能は、前記仮想光源の照度に応じて前記目的オブジェクトの強度が定まるように、当該仮想光源を前記第1ゲーム画面に表示させる前記光源表示情報を出力し、 前記第2表示処理機能は、前記移動経路の一部として、所定値以上の強度を有する前記目的オブジェクトを前記第2ゲーム画面に表示させる前記第2表示情報を出力することを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記光源表示機能は、時間の経過とともに前記仮想光源の照度が低下するように、当該仮想光源を前記第1ゲーム画面に表示させる前記光源表示情報を出力することを特徴とする請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記光源表示機能は、前記仮想光源が前記操作情報にしたがって操作可能となるように、当該仮想光源を前記第1ゲーム画面に表示させる前記光源表示情報を出力することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記光源表示機能は、前記対象オブジェクトと前記仮想光源との位置関係に応じて、前記目的オブジェクトの形状又は大きさを異ならせるように、当該対象オブジェクトの形状に応じて当該目的オブジェクトの形状を決定する当該仮想光源を、前記第1ゲーム画面に表示させる前記光源表示情報を出力することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記第1表示処理機能は、前記対象オブジェクトが前記第1ゲーム画面において動いて表示されるように、前記第1表示情報を出力し、
前記第2表示処理機能は、前記目的オブジェクトが前記第2ゲーム画面において、前記対象オブジェクトに連動して表示されるように、前記第2表示情報を出力することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第1ゲーム画面に現れる第1ゲームフィールド、および前記第2ゲーム画面に現れる第2ゲームフィールドのうちの少なくとも一方は、互いに直交する複数の座標軸が設定された2次元フィールド又は3次元フィールドであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記移動体が前記移動経路を移動することによって前記第2ゲーム画面内の第1の位置から第2の位置に至るまでの時間に制限を課す時間制限機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記操作情報にしたがって前記移動体を移動させる移動機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記移動体が前記第2ゲーム画面内の第1の位置から第2の位置に至ったか否かを判定する判定機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記第2表示処理機能は、前記対象オブジェクトが前記第1ゲーム画面において有さない機能を前記目的オブジェクトが有するように、当該目的オブジェクトを当該第2ゲーム画面に表示させる前記第2表示情報を出力することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
プレイヤから入力された操作情報を取得する操作情報取得ステップと、
前記操作情報にしたがって選択された対象オブジェクトを、第1ゲーム画面に表示させる第1表示情報を出力する第1表示処理ステップと、
前記対象オブジェクトの形状に応じて目的オブジェクトの形状を決定する仮想光源を、前記第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力する光源表示ステップと、
前記第1ゲーム画面内の前記対象オブジェクトを挟んで、前記光源表示情報によって特定される前記仮想光源と対向するように設定された第2ゲーム画面に、前記目的オブジェクトを表示させる第2表示情報を出力する第2表示処理ステップと、
前記第2ゲーム画面において前記目的オブジェクトを複数組み合わせることにより、前記第2ゲーム画面に設定された移動体が、前記第2ゲーム画面内の第1の位置から第2の位置に至るまで移動可能な移動経路を形成する経路形成ステップと
プレイヤによる切替スイッチの操作に応じて、前記仮想光源を操作対象とする第1状態と、前記移動体を操作対象とする第2状態とを切り替える切替ステップとを含み、
前記第2表示処理ステップは、前記仮想光源によって前記第1ゲーム画面から前記第2ゲーム画面に投影されることで現れる前記対象オブジェクトの影の形状が、前記目的オブジェクトの形状となるように、前記目的オブジェクトを第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力することを特徴とする、コンピュータが実行するゲーム制御方法。
【請求項13】
プレイヤから入力された操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記操作情報にしたがって選択された対象オブジェクトを、第1ゲーム画面に表示させる第1表示情報を出力する第1表示処理部と、
前記対象オブジェクトの形状に応じて目的オブジェクトの形状を決定する仮想光源を、
前記第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力する光源表示部と、
前記第1ゲーム画面内の前記対象オブジェクトを挟んで、前記光源表示情報によって特定される前記仮想光源と対向するように設定された第2ゲーム画面に、前記目的オブジェクトを表示させる第2表示情報を出力する第2表示処理部と、
前記第2ゲーム画面において前記目的オブジェクトを複数組み合わせることにより、前記第2ゲーム画面に設定された移動体が、前記第2ゲーム画面内の第1の位置から第2の位置に至るまで移動可能な移動経路を形成する経路形成部と
プレイヤによる切替スイッチの操作に応じて、前記仮想光源を操作対象とする第1状態と、前記移動体を操作対象とする第2状態とを切り替える切替部とを備え、
前記第2表示処理部は、前記仮想光源によって前記第1ゲーム画面から前記第2ゲーム画面に投影されることで現れる前記対象オブジェクトの影の形状が、前記目的オブジェクトの形状となるように、前記目的オブジェクトを第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力することを特徴とするコンピュータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの進行を処理するゲームプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン・タブレット端末などの電子デバイスが普及するにつれて、家庭用ゲーム機用のゲーム以外にも、上記電子デバイス用のゲームが盛んに開発されている。こうした背景にあって、コンテンツの表示を工夫する技術が開発されている。例えば、下記の特許文献1には、従来よりも大きな臨場感を実現することができる3Dコンテンツ表示方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−105200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術は、単にコンテンツを表示するものに過ぎず、例えば、奥深い世界観を表現可能なゲームを実現するものではない。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣性の高いゲームを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、プレイヤから入力された操作情報を取得する操作情報取得機能と、操作情報にしたがって選択された対象オブジェクトを、第1ゲーム画面に表示させる第1表示情報を出力する第1表示処理機能と、対象オブジェクトの形状に応じて目的オブジェクトの形状を決定する仮想光源を、第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力する光源表示機能と、移動体が移動可能な移動経路の一部として、目的オブジェクトを第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力する第2表示処理機能と、第2ゲーム画面において目的オブジェクトを複数組み合わせることにより、移動経路を形成する経路形成機能とを実現させる。
【0007】
本発明の一態様に係るゲームプログラムは、少なくとも次の3つの構成で実施されることができる。すなわち、上記ゲームプログラムは、(a)上記コンピュータがクライアント装置(例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータなど)として機能し、上記ゲームプログラムが当該クライアント装置において実行される構成で実施されてもよいし、(b)上記コンピュータがサーバ装置(例えば、メインフレーム、クラスタコンピュータ、ゲームサービスを外部の機器に提供可能な任意のコンピュータなど)として機能し、上記ゲームプログラムの一部または全部がサーバ装置において実行され、当該実行された処理の結果が上記クライアント装置に返される構成で実施されてもよいし、(c)上記ゲームプログラムに含まれる処理を、上記クライアント装置およびサーバ装置において任意に分担する構成で実施されてもよい。
【0008】
したがって、上記ゲームプログラムによって実現される第1表示処理機能、光源表示機能、および第2表示処理機能は、(a)上記コンピュータと所定のネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信可能に接続された外部の表示装置(例えば、携帯端末が備えた表示部)に情報(例えば、第1表示情報、光源表示情報、第2表示情報)を出力することによって、当該表示装置に上記ゲーム画面を表示させてもよいし、(b)上記コンピュータが備えた表示装置に上記情報を出力することによって、当該表示装置に上記ゲーム画面を表示させてもよい。
【0009】
また、(a)上記コンピュータと所定のネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信可能に接続されたクライアント装置が、所定の入力装置を備え、当該クライアント装置が当該所定の入力装置を介して入力された上記操作情報を当該コンピュータに送信し、上記ゲームプログラムによって上記コンピュータ上において実現される操作情報取得機能が、当該操作情報を取得する構成であってもよいし、(b)上記コンピュータが、上記所定の入力装置を備え、上記操作情報取得機能が、当該所定の入力装置を介して上記操作情報を取得してもよい。
【0010】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、光源表示機能は、例えば、仮想光源が対象オブジェクトを第1ゲーム画面から第2ゲーム画面に投影することによって現れる影の形状として、目的オブジェクトの形状を決定するように、光源表示情報を出力し、第2表示処理機能は、影として現れる目的オブジェクトを、移動経路の一部として表示させる第2表示情報を出力することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、光源表示機能は、例えば、仮想光源の照度に応じて目的オブジェクトの強度が定まるように、当該仮想光源を第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力し、第2表示処理機能は、移動経路の一部として、所定値以上の強度を有する目的オブジェクトを第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力することができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、光源表示機能は、例えば、時間の経過とともに仮想光源の照度が低下するように、当該仮想光源を第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力することができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、光源表示機能は、例えば、仮想光源が操作情報にしたがって操作可能となるように、当該仮想光源を第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力することができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、光源表示機能は、例えば、対象オブジェクトと仮想光源との位置関係に応じて、目的オブジェクトの形状又は大きさを異ならせるように、当該対象オブジェクトの形状に応じて当該目的オブジェクトの形状を決定する当該仮想光源を、第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力することができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、例えば、仮想光源を操作対象とする第1状態と、移動体を操作対象とする第2状態とを切り替える切替機能をさらに実現させることができる。
【0016】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、第1表示処理機能は、例えば、対象オブジェクトが第1ゲーム画面において動いて表示されるように、第1表示情報を出力し、第2表示処理機能は、目的オブジェクトが第2ゲーム画面において、対象オブジェクトに連動して表示されるように、第2表示情報を出力することができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、第1ゲーム画面に現れる第1ゲームフィールド、および第2ゲーム画面に現れる第2ゲームフィールドのうちの少なくとも一方は、互いに直交する複数の座標軸が設定された2次元フィールド又は3次元フィールドであってよい。
【0018】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、例えば、移動体が移動経路を移動することによって第2ゲーム画面内の第1の位置から第2の位置に至るまでの時間に制限を課す時間制限機能をさらに実現させることができる。
【0019】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、例えば、操作情報にしたがって移動体を移動させる移動機能をさらに実現させることができる。
【0020】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、例えば、移動体が第2ゲーム画面内の第1の位置から第2の位置に至ったか否かを判定する判定機能をさらに実現させることができる。
【0021】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、第2表示処理機能は、例えば、対象オブジェクトが第1ゲーム画面において有さない機能を目的オブジェクトが有するように、当該目的オブジェクトを当該第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力することができる。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲーム制御方法は、プレイヤから入力された操作情報を取得する操作情報取得ステップと、操作情報にしたがって選択された対象オブジェクトを、第1ゲーム画面に表示させる第1表示情報を出力する第1表示処理ステップと、対象オブジェクトの形状に応じて目的オブジェクトの形状を決定する仮想光源を、第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力する光源表示ステップと、移動体が移動可能な移動経路の一部として、目的オブジェクトを第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力する第2表示処理ステップと、第2ゲーム画面において目的オブジェクトを複数組み合わせることにより、移動経路を形成する経路形成ステップとを含み、コンピュータによって実行される。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンピュータは、プレイヤから入力された操作情報を取得する操作情報取得部と、操作情報にしたがって選択された対象オブジェクトを、第1ゲーム画面に表示させる第1表示情報を出力する第1表示処理部と、対象オブジェクトの形状に応じて目的オブジェクトの形状を決定する仮想光源を、第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力する光源表示部と、移動体が移動可能な移動経路の一部として、目的オブジェクトを第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力する第2表示処理部と、第2ゲーム画面において目的オブジェクトを複数組み合わせることにより、移動経路を形成する経路形成部とを備えている。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様に係るゲームプログラム、ゲーム制御方法、およびコンピュータは、プレイヤから入力された操作情報を取得し、操作情報にしたがって選択された対象オブジェクトを、第1ゲーム画面に表示させる第1表示情報を出力し、対象オブジェクトの形状に応じて目的オブジェクトの形状を決定する仮想光源を、第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力し、移動体が移動可能な移動経路の一部として、目的オブジェクトを第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力し、第2ゲーム画面において目的オブジェクトを複数組み合わせることにより、移動経路を形成する。したがって、上記ゲームプログラム等は、興趣性の高いゲームを実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末の要部構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係るゲームプログラムによって実現されるゲームのゲーム画面例を示す模式図である。
図3】シロの世界の一例を示す模式図である。
図4】クロの世界の一例を示す模式図である。
図5】上記携帯端末が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6】上記携帯端末と、本発明の第2の実施の形態に係るサーバ装置とを含むゲームシステムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
最初に、本発明の一態様に係るコンピュータが携帯端末(クライアント装置)として機能し、本発明の一態様に係るゲームプログラムが、いわゆるネイティブアプリケーション(ネイティブゲーム)として、当該携帯端末において実行される構成を、図1図5を参照しながら、第1の実施の形態(実施形態1)において説明する。
【0027】
次に、本発明の一態様に係るコンピュータがサーバ装置として機能し、本発明の一態様に係るゲームプログラムが、いわゆるウェブアプリケーション(ウェブゲーム)として、当該ゲームプログラムの一部または全部がサーバ装置において実行され、当該実行された処理の結果が上記携帯端末に返される構成を、図6を参照しながら、第2の実施の形態(実施形態2)において説明する。
【0028】
〔実施形態1〕
図1図5に基づいて、本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0029】
(ゲームの概要)
図2は、上記ゲームプログラムによって実現されるゲームのゲーム画面例を示す模式図である。図2に例示されるように、上記ゲームプログラムは、携帯端末100が備えた表示部50に表示させる1つのゲーム画面を少なくとも2つに分割し、第1ゲーム画面に「シロの世界」(第1ゲームフィールド)Wを表示させ、第2ゲーム画面に「クロの世界」(第2ゲームフィールド)Bを表示させる。第1ゲーム画面および第2ゲーム画面は、同一の画面上に同時に表示されてもよいし、あるいは2つのゲーム画面として切り替え可能に表示されてもよい。
【0030】
最初に、上記ゲームプログラムは、プレイヤによって操作可能となるシロ(仮想光源)1aと当該プレイヤによって選択されたギミック(対象オブジェクト)2aとを、上記シロの世界W(第1ゲーム画面)に表示させる。次に、上記ゲームプログラムは、シロ1aによってギミック2aがシロの世界Wからクロの世界Bに投影されることによって現れる当該ギミック2aの影(目的オブジェクト)2bを、クロ1bが移動可能な移動経路3の一部として上記クロの世界B(第2ゲーム画面)に表示させる。上記ゲームプログラムは、上記影2bを組み合わせることによって、クロ1bの移動経路3を形成することができる。
【0031】
すなわち、プレイヤは、シロ1aという「光源」を用いて、シロの世界Wからクロの世界Bにギミック2aの影2bを投影し、当該影2bを組み合わせて、クロ1bがスタート位置(第1の位置)からゴール位置(第2の位置)に移動可能な移動経路3を形成させる。これにより、上記ゲームプログラムは、独特の世界観を有する、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0032】
(携帯端末100の構成)
図1は、携帯端末100の要部構成の一例を示すブロック図である。携帯端末(コンピュータ)100は、以下で説明する処理を含むゲームプログラムを実行可能な情報処理装置である。当該処理を実行可能な機器でありさえすれば、具体的な機器は携帯端末に限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット端末、家庭用ゲーム機、携帯電話、パーソナルコンピュータ、その他の電子機器であってもよい。なお、上記ゲームプログラムは、ディスプレイ(表示部)と、タッチ入力を検知可能な入力面と、メモリと、当該メモリに格納された1つ又は複数のプログラムを実行可能な、1つ又は複数のプロセッサとを備えた、マルチファンクションデバイス(例えば、スマートフォンなど)において、特に好適に実行され得る。
【0033】
図1に例示されるように、携帯端末100は、制御部10(操作情報取得部11、切替部12、対象オブジェクト提示部13、第1表示処理部14、光源表示部15、第2表示処理部16、経路形成部17、移動部18、判定部19、第3表示処理部20、時間制限部21)、記憶部30、入力部40(入力面41、入力制御部42)、および表示部50を備えている。
【0034】
制御部10は、携帯端末100が有する各種の機能を統括的に制御する。制御部10は、操作情報取得部11、切替部12、対象オブジェクト提示部13、第1表示処理部14、光源表示部15、第2表示処理部16、経路形成部17、移動部18、判定部19、第3表示処理部20、および時間制限部21を含む。
【0035】
操作情報取得部(操作情報取得機能)11は、プレイヤから入力された操作情報5cを取得する。具体的には、操作情報取得部11は、入力制御部42から座標情報5bを取得し、当該座標情報5bと操作用インターフェースとの関係に基づいて、操作情報5cを生成する。操作情報取得部11は、生成した上記操作情報5cを切替部12に出力する。
【0036】
切替部(切替機能)12は、操作情報取得部11から入力された操作情報5cが、上記ゲーム画面に表示された切り替えスイッチ4(図2参照)をプレイヤが操作したことを示す場合、シロ1aを操作対象とする第1状態と、クロ1bを操作対象とする第2状態とを切り替える。また、切替部12は、上記第1状態においては、上記操作情報5cを対象オブジェクト提示部13および光源表示部15に出力し、上記第2状態においては、上記操作情報5cを移動部18に出力する。
【0037】
対象オブジェクト提示部13は、複数のギミック2aから少なくとも1つのギミックが選択可能となるように、当該複数のギミック2aをプレイヤにそれぞれ提示する。対象オブジェクト提示部13は、プレイヤによって選択されたギミック2aに関する情報(ギミック情報5d)を第1表示処理部14に出力する。ここで、ギミック2aは、シロの世界Wに表示された物体として視認可能なオブジェクトでありさえすれば何でもよく、例えば、脚立、ブランコ、ばね、歯車、シーソー、階段など(図3参照)、現実の世界に存在する任意の物体を模したオブジェクトであってよい。ただし、ギミック2aはこの例に限定されず、例えば、現実の世界に存在しない架空の物体を模したオブジェクトであってもよい。
【0038】
第1表示処理部(第1表示処理機能)14は、操作情報5cにしたがって選択された(上記ギミック情報5dによって示される)ギミック2aを、シロの世界Wに表示させる第1表示情報6aを、表示部50および第2表示処理部16に出力する。
【0039】
光源表示部(光源表示機能)15は、ギミック2aの形状に応じて影2bの形状を決定するシロ1aを、シロの世界Wに表示させる光源表示情報6bを、表示部50および第2表示処理部16に出力する。すなわち、光源表示部15は、シロ1aがギミック2aをシロの世界Wからクロの世界Bに投影することによって現れる当該ギミック2aの影2bの形状を決定するように、上記光源表示情報6bを出力する。このとき、光源表示部15は、例えば、(a)シロ1aの照度に応じて影2bの強度が定まるように、(b)シロ1aが操作情報5cにしたがって操作可能となるように、および/または(c)ギミック2aとシロ1aとの位置関係に応じて影2bの形状を異ならせるように、当該シロ1aをシロの世界Wに表示させることができる。
【0040】
第2表示処理部(第2表示処理機能)16は、クロ1bが移動可能な移動経路3の一部として、影2bをクロの世界Bに表示させる第2表示情報6cを、表示部50および経路形成部17に出力する。また、第2表示処理部16は、例えば、移動経路3の一部として、所定値以上の強度を有する影2bをクロの世界Bに表示させる上記第2表示情報6cを出力することができる。
【0041】
経路形成部(経路形成機能)17は、クロの世界Bにおいて影1bを複数組み合わせることによって移動経路3を形成する。経路形成部17は、当該移動経路3に関する情報(経路情報5e)を移動部18に出力する。
【0042】
移動部(移動機能)18は、上記経路情報5eによって示される移動経路3の上で、クロ1bを操作情報5cにしたがって移動させる。また、移動部18は、当該操作情報5cにしたがってクロ1bに所定のアクション(例えば、ジャンプする、アイテムを拾うなど)を実行させることができる。移動部18は、上記移動経路3におけるクロ1bの位置情報5fを、判定部19および第3表示処理部20に出力する。
【0043】
判定部(判定機能)19は、クロ1bが、クロの世界Bに設けられたスタート位置からゴール位置に至ったか否かを判定する。判定部19は、当該判定した結果に関する情報(判定情報5g、例えば、至ったか否かを示すフラグであってよい)を第3表示処理部20に出力する。
【0044】
第3表示処理部20は、上記位置情報5fに基づいてクロの世界Bにクロ1bを表示させる第3表示情報6dを表示部50に出力する。また、第3表示処理部20は、上記判定情報5gに基づいて、例えば、ゲームをクリアしたことを示す画面を表示させる第3表示情報6dを、表示部50に出力する。
【0045】
時間制限部(時間制限機能)21は、クロ1bが移動経路3を移動することによって、クロの世界Bに設定されたスタート位置からゴール位置に至るまでの時間に制限を課す。時間制限部21は、制限を課された時間(制限時間)に関する情報を含む制限時間情報5hを移動部18に出力する。
【0046】
入力部40は、プレイヤによる操作を受け付ける。本実施の形態において、入力部40は、タッチパネルであってよい。入力部40は、入力面41と入力制御部42とを含む。なお、携帯端末100に対して入力を与える方法は、上記タッチパネルを用いた操作に限定されない(例えば、所定の入力キーを押下することによって入力を与えることもできる)。
【0047】
入力面41は、プレイヤによる上記操作によって指定された位置を検知可能なデバイス(例えば、上記タッチパネルに含まれるタッチ面)である。入力面41は、上記指定された位置に対応する情報を含む操作信号5aを入力制御部42に出力する。
【0048】
入力制御部42は、入力面41から入力された操作信号5aに基づいて、プレイヤによって指定された位置を特定可能な、当該入力面41における位置に関する情報を含む座標情報5bを生成する。
【0049】
表示部50は、ゲーム画面を表示するデバイスである。本実施の形態において、表示部50は、液晶ディスプレイであってよい。なお、図1においては、入力部40および表示部50がそれぞれ有する機能を明示するために、両者を分離して示している。しかし、例えば、入力部40がタッチパネルであり、表示部50が液晶ディスプレイである場合、両者は一体として構成されることが好ましい。
【0050】
記憶部30は、例えば、ハードディスク、SSD(silicon state drive)、半導体メモリ、DVDなど、任意の記録媒体によって構成される記憶機器であり、携帯端末100を制御可能なゲームプログラムおよびデータを記憶する。
【0051】
(シロの世界Wの詳細)
図3は、シロの世界Wの一例を示す模式図である。図3に例示されるように、対象オブジェクト提示部13は、ギミック選択用インターフェースSを表示させることによって、複数のギミック2aから少なくとも1つのギミックが選択可能となるように、当該複数のギミック2aをプレイヤにそれぞれ提示する。
【0052】
プレイヤが所望のギミック2aを指定し(当該指定を示す操作情報5cを携帯端末100に与え)、例えば、当該ギミック2aをシロの世界Wにおける所望の位置にドラッグした場合、第1表示処理部14は、当該位置に当該ギミック2aを配置するように、当該ギミック2aをシロの世界Wに表示させる第1表示情報6aを出力する。なお、図3は、プレイヤがシーソーを模したギミック2aをシロの世界Wに配置した例を示す。
【0053】
そして、プレイヤがギミック2aの影2bをクロの世界Bに投影可能な位置(例えば、ギミック2aの下部)にシロ1aを移動させた場合、第2表示処理部16は、当該影2bをクロの世界Bに表示させる第2表示情報6bを出力する。例えば、第2表示処理部16は、プレイヤが入力部40に操作を与える(例えば、入力面41をタッチする)時間が長いほど、クロの世界Bにギミック2aの影2bが大きく投影されるように、当該影2bを表示させる第2表示情報6bを出力することができる。なお、図3は、シーソーを模したギミック2aの下に、プレイヤがシロ1aを移動させた例を示す。
【0054】
第2表示処理部16は、シロ1aとギミック2aとの位置関係(例えば、シロ1aからギミック2aまでの距離、ギミック2aに対するシロ1aの角度など)に応じて、クロの世界Bに投影される影2bの大きさ/形状が異なるように、上記第2表示情報6bを出力することができる。例えば、第2表示処理部16は、シロの世界Wにおいてシロ1aがギミック2aに近づくほど、クロの世界Bにおいて当該ギミック2aの影2bが大きく投影されるように、上記第2表示情報6bを出力することができる。あるいは、第2表示処理部16は、シロの世界Wにおいてシロ1aがギミック2aから遠ざかるほど、クロの世界Bにおいて当該ギミック2aの影2bが小さく投影されるように、上記第2表示情報6bを出力することができる。
【0055】
これにより、プレイヤは、例えば、与えられたギミック2aが小さい場合であっても、クロ1bが足場(移動経路3の一部)とするのに十分な大きさの影2bを投影することができる。すなわち、上記ゲームプログラムは、クロ1bがスタート位置からゴール位置に移動可能な移動経路3を形成するために、ギミック2aの配置をプレイヤに考えさせるだけでなく、シロ1aを用いた投影方法(例えば、距離、角度など、両者の位置関係)も考えさせることができる。したがって、上記ゲームプログラムは、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0056】
一方で、第2表示処理部16は、影2bを大きく投影するほど、当該影2bが薄くなる(すなわち、上記足場としての強度が弱くなる)ように、上記第2表示情報6bを出力することができる。クロ1bを支持不可能なほど影2bが薄くなった場合(すなわち、影2bの強度が所定値未満となった場合)、当該影2bは足場としての機能を失ってもよい。移動部18は、例えば、影2bが崩れることによってクロ1bが地面に落下するように、当該クロ1bを移動させることができる。すなわち、上記ゲームプログラムは、ギミック2aの配置をプレイヤに考えさせるだけでなく、影2bの濃淡(強度)も考えさせることができる。したがって、上記ゲームプログラムは、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0057】
クロの世界Bに投影される影2bの形状は、元のギミック2aの形状と異なっていてもよい。例えば、椅子のギミック2aは、ジャンプ台の形状を有する影2bとしてクロの世界Bに投影されることがある。この場合、異なる形状を有するように投影された影2bは、元のギミック2aが有する機能と異なる機能を、クロの世界Bにおいて有してよい。例えば、椅子のギミック2aは、シロの世界Wにおいては「ジャンプ台」としての機能を有さないが、クロの世界Bにおいて「ジャンプ台」の形状を有する影2bとして投影されることによって、当該クロの世界Bにおいては「ジャンプ台」の機能を有してよい。
【0058】
すなわち、第2表示処理部16は、例えば、上記ギミック2aの形状と上記影2bの形状とが異なるように、当該影2bを上記クロの世界Bに表示させることによって、当該ギミック2aが上記シロの世界Wにおいて有さない機能を当該影2bが有するように、当該影2bを当該クロの世界Bに表示させる第2表示情報6cを出力する。これにより、上記ゲームプログラムは、独特の世界観をさらに詳細に表現することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0059】
また、プレイヤは、複数のギミック2aの影2bを組み合わせることによって、元のギミック2aが有する機能と異なる機能を有する影2bを投影させることができる。例えば、プレイヤは、シーソーのギミック2aとばねのギミック2aとを組み合わせることによって、ジャンプ台の影2bをクロの世界Bに投影させることができる。これにより、上記ゲームプログラムは、パズルゲームとしてさらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0060】
2つの世界(シロの世界W、クロの世界B)には、相互作用が生じてよい。例えば、シーソーを模したギミック2aの一方端にシロ1aが乗ることによって、シロの世界Wにおいて当該シーソーの傾きが変化した場合、当該シーソーを模したギミック2aが投影された影2bの傾きも、クロの世界Bにおいて変化してよい。逆に、当該シーソーを模したギミック2aが投影された影2bの一方端にクロ1bが乗ることによって、クロの世界Bにおいて当該シーソーの傾きが変化した場合、当該シーソーの影2bの元であるギミック2aの傾きも、シロの世界Wにおいて変化してよい。
【0061】
すなわち、第1表示処理部14および第2表示処理部16は、シロの世界Wに表示されるギミック2aと、クロの世界Bに表示される当該ギミック2aの影2bとが互いに影響を及ぼすように、第1表示情報5aおよび第2表示情報5cをそれぞれ出力することができる。これにより、上記ゲームプログラムは、独特の世界観をさらに詳細に表現することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0062】
第2表示処理部16は、シロ1aによって影2bが投影されるように当該影2bをクロの世界Bに表示させた後、(a)シロ1aがシロの世界Wを移動しても(すなわち、光源の位置が変化しても)当該影2bが変化しないように、上記第2表示情報6cを出力することができるし、(b)シロ1aに連動して当該影2bの形状が変化するように、上記第2表示情報6cを出力することもできる。これにより、上記ゲームプログラムは、ゲームのバリエーションを増すことができる。
【0063】
(クロの世界Bの詳細)
図4は、クロの世界Bの一例を示す模式図である。図4に例示されるように、移動部18は、プレイヤから入力された操作情報5cにしたがって、クロ1bに所定のアクション(例えば、上下左右に動く、ジャンプする、アイテムを拾うなど)を実行させる。クロの世界Bに設けられたスタート位置からゴール位置に至る移動経路3が形成されている場合、プレイヤはクロ1bを操作して当該ゴール位置まで移動させることによって、本ゲーム(あるいは、当該ゲームの各ステージ)をクリアすることができる。
【0064】
第3表示処理部20は、光球7が所定の方向(例えば、クロの世界Bにおける左側から右側)に向かって移動するように、当該光球7を表示させる第3表示情報6dを出力することができる。光球7が影2bに接近すると、当該影2bが光の中に飲み込まれることによってクロ1bの足場(移動経路3の一部)としての機能を失う。同様に、光球7がクロ1bに接近すると、クロ1bが光の中に飲み込まれることによってゲームオーバとなる。
【0065】
すなわち、時間制限部21は、光球7(移動体および目的オブジェクトをキャンセルするゲーム媒体)がクロの世界Bを移動する速度を決定することによって、クロ1bがゴール位置に至るまでの時間に制限を課すことができる。これにより、上記ゲームプログラムは、ゲームをプレイする緊張感をプレイヤに与えることができる。なお、プレイヤがギミック2aを使い果たしても、スタート位置からゴール位置に至る移動経路3を形成できない場合、路頭に迷ったクロ1bは最終的に光球7に飲み込まれるため、やはりゲームオーバとなる。
【0066】
判定部19は、クロ1bが影2bによって作られた足場から落下したか否かを判定し、落下したと判定される場合、ゲームオーバとすることができる。これにより、上記ゲームプログラムは、本ゲームにアクションゲームとしての要素を取り入れることができるため、より興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0067】
(2つの世界の切り替え)
切替部12は、(a)プレイヤが切り替えスイッチ4(図2参照)を操作した場合、(b)プレイヤがすべてのギミック2aをシロの世界Wに配置し終えた場合、および/または(c)ゲームをプレイ開始してから所定の時間が経過した場合、シロ1aを操作対象とする第1状態と、クロ1bを操作対象とする第2状態とを切り替えてよい。
【0068】
切替部12は、上記第1状態でプレイされている間に流す音楽と、上記第2状態でプレイされている間に流す音楽とをさらに切り替えることができる。例えば、切替部12は、上記第1状態でプレイされている間は、無音(音楽なし、この場合、シロ1aがシロの世界Wを歩き回る足音だけが響くように演出してよい)とし、上記第2状態でプレイされている間は、オルゴール風の音楽を流すこととしてよい。これにより、上記ゲームプログラムは、独特の世界観をさらに詳細に表現することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0069】
上記ゲームプログラムは、上記第1状態と上記第2状態とで、シロの世界Wとクロの世界Bとの表示比率(両世界がゲーム画面に占める表示の割合)を変化させてよい。例えば、上記ゲームプログラムは、上記第1状態でプレイされている間は、シロの世界Wおよびクロの世界Bの表示比率をそれぞれ75%および25%(すなわち、ゲーム画面において、シロの世界Wはクロの世界Bよりも3倍の面積を占めるようにそれぞれ表示される)とし、上記第2状態でプレイされている間は、シロの世界Wおよびクロの世界Bの表示比率をそれぞれ25%および75%(すなわち、ゲーム画面において、クロの世界Bはシロの世界Wよりも3倍の面積を占めるようにそれぞれ表示される)とすることができる。これにより、上記ゲームプログラムは、限られた表示領域を効率よく使用することを可能にし、本ゲームをプレイし易くすることができる。
【0070】
(追加の光源)
ここまで説明したように、本ゲームにおいては、シロ1a自身がギミック2aの影2bを投影する光源(仮想光源)として機能する。一方で、プレイヤは、他の仮想光源(例えば、ランプなど)をシロの世界Wに追加することができる。例えば、(1)プレイヤが所定の操作(例えば、「ランプに火をともす」操作)を与えたことを示す操作情報5cが取得された場合、光源表示部15は、火の付いたランプをシロの世界Wに表示させる光源表示情報6bをさらに出力し、(2)第2表示処理部16は、クロ1bが移動可能な移動経路3の一部として、当該ランプによって投影されるギミック2aの影2bをクロの世界Bに表示させる第2表示情報6cをさらに出力する。これにより、上記ゲームプログラムは、バリエーションに富んだゲームを実現することができる。
【0071】
上記ランプは、シロ1aによって持ち運ばれてよい(すなわち、光源表示部15は、上記仮想光源に連動するように上記他の仮想光源を表示させることができる)。この場合、プレイヤは、例えば、(1)シロ1aに上記ランプを把持させる操作情報5cを携帯端末100に与え、(2)シロ1aをシロの世界Wにおいて移動させ、(3)シロ1aに当該ランプを置かせる操作情報5cを当該携帯端末100に与えることによって、当該ランプを所望の位置に配置させることができる。なお、プレイヤは、単に当該位置を指定するだけで、当該位置に上記ランプを配置することもできる。
【0072】
上記ランプが光源としての役割を果たすことができるのは、当該ランプに与えられた燃料が持続する間だけであってよい。すなわち、上記ランプに火がともされると、当該ランプに与えられた燃料が、ゲームの進行(例えば、実世界における時間の経過、ゲーム内における時間の経過、シロ1aが影2bを投影したギミック2aの数の増加など)に伴って減少する。
【0073】
このとき、光源表示部15は、上記ランプに与えられた燃料が少なくなるにつれて(時間の経過とともに、すなわち、ゲームの進行に伴って)当該ランプの照度が落ちるように、当該ランプを表示させる光源表示情報6bを出力することができる。また、第2表示処理部は、上記ランプの照度が落ちるにつれて当該ランプによって投影されるギミック2aの影2bが薄くなるように、当該影2bを表示させる上記第2表示情報6cを出力することができる。さらに、光源表示部15は、上記ランプの燃料がいよいよ少なくなると当該ランプが点滅し、当該燃料が尽きた時点で当該ランプが消えるように、上記光源表示情報6bを出力することができる。これにより、上記ゲームプログラムは、独特の世界観をさらに詳細に表現することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0074】
シロの世界Wに複数の光源(シロ1a自身を含む)が配置されている場合、第2表示処理部16は、当該複数の光源によって投影されるギミック2aの影2b(すなわち、目的オブジェクトの形状)が互いに干渉するように、当該影2bを表示させる第2表示情報6cを出力することができる。これにより、上記ゲームプログラムは、独特の世界観をさらに詳細に表現することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0075】
(プレイヤを助けるアイテムの効果、お助けキャラクタの働き)
第3表示処理部20は、例えば、(a)魔法を使ってクロの世界Bに影の橋を架けるキャラクタ、(b)シロの世界Wに置かれたランプに燃料を足してくれるキャラクタ、(c)自身の影によりクロ1bの足場となる影を作り出すキャラクタなどを、シロの世界Wまたはクロの世界Bに表示させる第3表示情報6dを出力することができる。これにより、上記ゲームプログラムは、プレイヤがゲームに取り組む敷居を下げ、プレイを継続するモチベーションを保たせることができる。
【0076】
また、第3表示処理部20は、プレイヤが所定のアイテムを使用する操作を行った場合、当該所定のアイテムに対応付けられた効果を発現させることができる。例えば、プレイヤは、(a)ゲーム内における時間の経過が遅くなったり(光球7が移動する速度が遅くなる)、(b)クロ1bに設定されたパラメータ(例えば、クロ1bの大きさ、ジャンプ力など)がアップしたりするアイテムを使用することができる。これにより、上記ゲームプログラムは、プレイヤがゲームに取り組む敷居を下げ、プレイを継続するモチベーションを保たせることができる。
【0077】
逆に、第3表示処理部20は、プレイヤを邪魔する敵キャラクタおよび/またはオブジェクトを表示させる第3表示情報6dを出力することもできる。例えば、第3表示処理部20は、(a)ギミック2aの配置を変更する敵キャラクタ、(b)ギミック2aの投影を妨害するライト・消えかかった蛍光灯などを表示させることができる。これにより、上記ゲームプログラムは、ゲームの難易度を上げ、当該ゲームに取り組むプレイヤの熱意を喚起することができる。
【0078】
(光源の色と背景色との関係)
光源表示部15は、シロ1aによって照射される光に色を付けることができる。例えば、光源表示部15が、赤色の光を照射することによってギミック2aの影2bを投影するシロ1aを表示させる場合、第2表示処理部16は、クロの世界Bに赤色の影2bを表示させることができる。これにより、上記ゲームプログラムは、ゲームのバリエーションを増すことができる。
【0079】
第2表示処理部16は、影2bの色とクロの世界Bの背景色との組み合わせに応じて、当該影2bの性質(例えば、形状、濃淡を含む)が異なるように、当該影2bを表示させる第2表示情報6cを出力することができる。例えば、影2bの色とクロの世界Bの背景色とが同じである場合、第2表示処理部16は、当該影2bが薄くなる(すなわち、足場としての強度が弱くなる)ように表示させることができる。または、影2bの色とクロの世界Bの背景色との組み合わせが所定の条件を満たす場合(例えば、影2bの色が青色であり、上記背景色が黄色である場合など)、第2表示処理部16は、当該影2bを通常よりも大きく表示させることができる。すなわち、上記ゲームプログラムは、ギミック2aの配置をプレイヤに考えさせるだけでなく、上記色の組み合わせも考えさせることができる。したがって、上記ゲームプログラムは、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0080】
シロの世界Wおよびクロの世界Bの背景には、様々なバリエーションが考えられる。例えば、上記背景は、(a)部屋を模した背景(例えば、ベッド、ソファなどの家具が背景に表示されている)、(b)林を模した背景(例えば、樹木、動物などが背景に表示されている)などであってよい。また、上記背景は、見えやすい/見えにくい背景であってもよいし、影を投影しやすい/しにくい背景であってもよい。これにより、上記ゲームプログラムは、ゲームのバリエーションを増すことができる。
【0081】
(ゲームプレイの形態)
本ゲームは、複数のプレイヤがプレイ可能なマルチプレイゲームであってよい。例えば、本ゲームは、シロ1aを第1プレイヤが操作し、クロ1bを第2プレイヤが操作する協力ゲームであってよい。これにより、上記ゲームプログラムは、マルチプレイ可能な興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0082】
また、本ゲームは、拡張現実(AR)世界においてプレイ可能であってよい。例えば、上記ゲームプログラムは、シロの世界Wを携帯端末100が備えた表示部50に表示させ、クロの世界Bを現実世界(例えば、部屋の壁面など)に投影することによって表示させることができる。これにより、上記ゲームプログラムは、よりリアルかつ興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0083】
さらに、上記表示部50が3次元ディスプレイとしての機能を有する場合、上記ゲームプログラムは、3次元で視認可能なゲーム画面を当該表示部50に表示させることができる。これにより、上記ゲームプログラムは、よりリアルかつ興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0084】
(その他の構成)
シロの世界Wおよびクロの世界Bのうちの少なくとも一方は、互いに直交する3つの座標軸(縦、横、奥行き)が設定された3次元フィールドであってよい。この場合、シロ1a(仮想光源)とギミック2aとの位置関係が、奥行き方向を含めた広がりをもつため、上記ゲームプログラムは、より興趣性の高いゲームを実現することができる。なお、シロの世界Wおよびクロの世界Bのうちの少なくとも一方は、互いに直交する2つの座標軸(縦、横)が設定された2次元フィールドであってもよいことは、前述のとおりである。
【0085】
上記ゲームプログラムは、現実世界における時間および/またはプレイヤの現在位置に応じて、ゲームの難易度を調整することができる。例えば、本ゲームが夜にプレイされた場合、第2表示処理部16は、昼にプレイされた場合よりも濃い影2b(すなわち、足場としての強度が高い影)が投影されるように、当該影2bを表示させる第2表示情報6cを出力することができる。あるいは、プレイヤの現在位置における天気が「曇り」である場合、第2表示処理部16は、「晴れ」の場合よりも薄い影2b(すなわち、足場としての強度が低い影)が投影されるように、当該影2bを表示させる第2表示情報6cを出力することができる。これにより、上記ゲームプログラムは、ゲームのバリエーションを増すことができる。
【0086】
また、上記ゲームプログラムは、シロの世界Wとクロの世界Bとが互いに鏡像の関係となるように、ゲーム画面を表示させることができる。さらに、上記ゲームプログラムは、プレイヤがゲームの開始時に一度影2bを作らなければ、クロ1bが活動できないようにしてもよい(最初は真っ暗な状態で、クロ1bがどこにいるか分からない)。これにより、上記ゲームプログラムは、独特の世界観をさらに詳細に表現することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0087】
(携帯端末100が実行する処理)
図5は、携帯端末100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、カッコ書きの「〜ステップ」は、コンピュータが実行するゲーム制御方法に含まれる各ステップを表す。
【0088】
まず、操作情報取得部11は、プレイヤから入力された操作情報5cを取得する(ステップ1、以下「ステップ」を「S」と略記する、操作情報取得ステップ)。次に、切替部12は、シロ1aを操作対象とする第1状態であるか否かを判定し(S2)、第1状態であると判定された場合(S2においてYES)、対象オブジェクト表示部13は、ギミック2aを選択可能に提示する(S3)。そして、第1表示処理部14は、操作情報5cにしたがって選択されたギミック2aを、シロの世界Wに表示させる第1表示情報6aを出力し(S4、第1表示処理ステップ)、光源表示部15は、ギミック2aの形状に応じて影2bの形状を決定するシロ1aを、当該シロの世界Wに表示させる光源表示情報6bを出力する(S5、光源表示ステップ)。
【0089】
次に、第2表示処理部16は、クロ1bが移動可能な移動経路3の一部として、上記影2bをクロの世界Bに表示させる第2表示情報6cを出力する(S6、第2表示処理ステップ)。そして、経路形成部17は、クロの世界Bにおいて影2bを複数組み合わせることにより、移動経路3を形成する(S7、経路形成ステップ)。時間制限部21は、プレイヤによるプレイ時間が所定の制限時間を超過したか否かを判定し(S8)、超過している場合(S8においてYES)、ゲームを終了させる。
【0090】
一方、S2において、第2状態である(第1状態でない)と判定された場合(S2においてNO)、移動部18は、操作情報5cにしたがってクロの世界Bにおいてクロ1bを移動させる(S9)。判定部19は、クロ1bがクロの世界Bにおいて設定されたスタート位置からゴール位置に至ったか否かを判定し(S10)、至ったと判定される場合(S10においてYES)、ゲームを終了させる。
【0091】
なお、上記制御方法は、図5を参照して前述した上記処理だけでなく、制御部10に含まれる各部において実行される処理を任意に含んでよい。
【0092】
〔実施形態2〕
図6に基づいて、本発明の第2の実施の形態(実施形態2)を説明する。なお、実施形態2では、前述した実施形態1に追加される構成や、実施形態1の構成とは異なる構成のみについて説明する。すなわち、実施形態1において記載された構成は、実施形態2にもすべて含まれ得る(逆も同様である)。また、実施形態1において記載された用語の定義は、実施形態2においても同じである。
【0093】
図6は、携帯端末100とサーバ装置200とを含むゲームシステム300の構成を示す模式図である。図6に例示されるように、本発明の一態様に係るコンピュータが、携帯端末100(プレイヤA1が操作する端末を携帯端末100a、プレイヤA2が操作する端末を携帯端末100bとする)と所定のネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信可能に接続されたサーバ装置200として機能し、本発明の一態様に係るゲームプログラムが当該サーバ装置200において実行される場合を説明する。
【0094】
サーバ装置(コンピュータ)200は、実施形態1において説明した処理の一部または全部を含むゲームプログラムを実行可能な情報処理装置である。まず、操作情報取得部11は、上記所定のネットワークを介して携帯端末100から操作情報5cを受信することによって、当該操作情報5cを取得する。そして、第1表示処理部14は、当該操作情報5cにしたがって選択されたギミック2aを、シロの世界Wに表示させる第1表示情報6aを携帯端末100に出力(送信)する。次に、光源表示部15は、当該ギミック2aの形状に応じて影2bの形状を決定するシロ1aを、シロの世界Wに表示させる光源表示情報6bを携帯端末100に出力(送信)する。
【0095】
次に、第2表示処理部16は、クロ1bが移動可能な移動経路3の一部として、影2bをクロの世界Bに表示させる第2表示情報6cを携帯端末100に出力(送信)する。そして、経路形成部17は、クロの世界Bにおいて影2bを複数組み合わせることにより移動経路3を形成する。
【0096】
すなわち、携帯端末100がプレイヤから入力された操作情報5cをサーバ装置200に送信し、当該サーバ装置200が上記処理を順次実行し、当該携帯端末100が当該サーバ装置200から受信した情報(例えば、第1表示情報6a、光源表示情報6b、第2表示情報6c、第3表示情報6d)に基づいて、当該ゲームをプレイした結果を表示部50に表示させる。なお、ウェブブラウザを介して当該プレイした結果を表示させる場合、携帯端末100は、例えば、当該ウェブブラウザに搭載された所定の記憶領域(ウェブストレージ)に上記サーバ装置200から受信した情報を蓄積することができる。
【0097】
このように、携帯端末100が備えるとして、実施形態1において説明した各部(特に、制御部10)の一部または全部をサーバ装置200が備え、当該サーバ装置200は、携帯端末100に与えられた入力に基づいて、上記ゲームの出力結果(例えば、第1表示情報6a、光源表示情報6b、第2表示情報6c、第3表示情報6d)を当該携帯端末100に送信する構成とすることができる。これにより、サーバ装置200は、上記携帯端末100が各機能を提供する場合に当該携帯端末100が奏する効果と、同じ効果を奏する。
【0098】
なお、当該ゲームの進行画面を、上記サーバ装置200が生成した情報に基づいて上記携帯端末100に表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面などを、当該携帯端末100にインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とするなど、当該ゲームは、上記サーバ装置200および携帯端末100のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0099】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムが、携帯端末100において実行されるネイティブアプリケーションとして実現される場合であっても、当該携帯端末100は、必要に応じてサーバ装置200にアクセスし、当該ゲームの進行に関係する情報(例えば、プレイヤに関する情報、当該プレイヤとフレンド関係にある他のプレイヤに関する情報、当該プレイヤに付与された累積ポイント・アイテム・キャラクタに関する情報、当該プレイヤのランキング情報など)をダウンロードして利用することができる。さらに、携帯端末100と他の携帯端末100とが通信可能に接続され(いわゆるピア・ツー・ピア通信)、互いに同期を取り合って、当該ゲームをマルチプレイすることもできる。
【0100】
〔ソフトウェアによる実現例〕
携帯端末100およびサーバ装置200の制御ブロック(特に、制御部10)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、携帯端末100およびサーバ装置200は、各機能を実現するソフトウェアであるゲームプログラムの命令を実行するCPU、上記ゲームプログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記ゲームプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記ゲームプログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記ゲームプログラムは、当該ゲームプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記ゲームプログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0101】
具体的には、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムは、コンピュータ(携帯端末100、サーバ装置200)に、操作情報取得機能、第1表示処理機能、光源表示機能、第2表示処理機能、経路形成機能、切替機能、時間制限機能、移動機能、および判定機能をそれぞれ実現させる。上記操作情報取得機能、第1表示処理機能、光源表示機能、第2表示処理機能、経路形成機能、切替機能、時間制限機能、移動機能、および判定機能は、上述した操作情報取得部11、第1表示処理部14、光源表示部15、第2表示処理部16、経路形成部17、切替部12、時間制限部21、移動部18、および判定部19によってそれぞれ実現され得る。詳細については上述した通りである。
【0102】
なお、上記ゲームプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。また、前記ゲームプログラムによって実現される各機能を実現する各部を備えたユーザ端末(例えば、携帯端末100)と、前記各機能とは異なる残りの機能を実現する各部を備えた装置(例えば、サーバ装置200)とを含むゲームシステムも、本発明の範疇に入る。
【0103】
〔付記事項〕
本発明は上述したそれぞれの実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成できる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、サーバ装置、ワークステーション、メインフレームなど、任意のコンピュータに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
1a:シロ(仮想光源)、1b:クロ(移動体)、2a:ギミック(対象オブジェクト)、2b:影(目的オブジェクト)、3:移動経路、5c:操作情報、6a:第1表示情報、6b:光源表示情報、6c:第2表示情報、11:操作情報取得部(操作情報取得機能)、12:切替部(切替機能)、14:第1表示処理部(第1表示処理機能)、15:光源表示部(光源表示機能)、16:第2表示処理部(第2表示処理機能)、17:経路形成部(経路形成機能)、18:移動部(移動機能)、19:判定部(判定機能)、21:時間制限部(時間制限機能)、100:携帯端末(コンピュータ)、200:サーバ装置(コンピュータ)、300:ゲームシステム、W:シロの世界(第1ゲーム画面、第1ゲームフィールド)、B:クロの世界(第2ゲーム画面、第2ゲームフィールド)
【要約】
【課題】興趣性の高いゲームを実現する。
【解決手段】本発明は、コンピュータに、プレイヤから入力された操作情報を取得する操作情報取得機能と、操作情報にしたがって選択された対象オブジェクトを、第1ゲーム画面に表示させる第1表示情報を出力する第1表示処理機能と、対象オブジェクトの形状に応じて目的オブジェクトの形状を決定する仮想光源を、第1ゲーム画面に表示させる光源表示情報を出力する光源表示機能と、移動体が移動可能な移動経路の一部として、目的オブジェクトを第2ゲーム画面に表示させる第2表示情報を出力する第2表示処理機能と、第2ゲーム画面において目的オブジェクトを複数組み合わせることにより、移動経路を形成する経路形成機能とを実現させる。
【選択図】図1
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図6