特許第5745162号(P5745162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5745162固定材サーマルブロックのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5745162
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】固定材サーマルブロックのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   E04D 3/35 20060101AFI20150618BHJP
   E04D 13/00 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   E04D3/35 F
   E04D13/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-503648(P2014-503648)
(86)(22)【出願日】2011年11月15日
(65)【公表番号】特表2014-510215(P2014-510215A)
(43)【公表日】2014年4月24日
(86)【国際出願番号】US2011060814
(87)【国際公開番号】WO2012138385
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2014年10月30日
(31)【優先権主張番号】61/472,397
(32)【優先日】2011年4月6日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509119946
【氏名又は名称】ブルースコープ ビルディングス ノース アメリカ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マッキューレ, リチャード アール.
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04651489(US,A)
【文献】 特開2002−038661(JP,A)
【文献】 実開昭60−017809(JP,U)
【文献】 米国特許第04873808(US,A)
【文献】 米国特許第04446665(US,A)
【文献】 米国特許第03513614(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 3/35
E04D 13/00
E04B 1/76
E04B 1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属屋根のためのサーマルブロックシステムであって、該サーマルブロックシステムは、
第一の端であって、少なくとも1つのスロットがその内部に配置されている第一の端と、
第二の端と、
該第一の端と第二の端との間の第一の脚と、
一続きのサーマルブロックにおける次のサーマルブロックを受けとるための、該第二の端におけるアバットメント表面および踊り場表面であって、該次のサーマルブロックの該第一の端は、該サーマルブロックおよび該次のサーマルブロックが連結されているときに、該アバットメント表面および該踊り場表面のうちの少なくとも1つと係合する、アバットメント表面および踊り場表面と、
該第一の端内に配置された少なくとも1つのスロットの中に挿入される少なくとも1つのクリップ脚を有するクリップであって、該クリップは、該一続きのサーマルブロックにおける該サーマルブロックと該次のサーマルブロックとを一緒に固定する、クリップと
を含む、サーマルブロックシステム。
【請求項2】
第二の脚が、前記踊り場表面の下に配置されている、請求項1に記載のサーマルブロックシステム。
【請求項3】
少なくともつの母屋にわたって置かれた断熱材のブランケットと、
該断熱材のブランケットにわたって各母屋の上方固定された一続きのサーマルブロックであって、該一続きのサーマルブロックにおける各サーマルブロックは、
該サーマルブロックの底部表面から突出している複数の一体の支持脚であって、該支持脚の各々は、該サーマルブロックの下に配置されているそれぞれの母屋に対して該断熱材のブランケットの第一の部分を締め付け、かつ、該支持脚の底部表面それぞれの母屋の上部表面との間で該断熱材のブランケットの該第一の部分を第一の圧縮量だけ圧縮する、複数の一体の支持脚と、
該支持脚間で該サーマルブロックの該底部表面において画定されている少なくとも1つのギャップであって、該断熱材のブランケットの第二の部分は、該サーマルブロックの該底部表面とそれぞれの母屋との間に配置されており、かつ、該サーマルブロックの該底部表面とそれぞれの母屋との間で該第一の圧縮量よりも小さい第二の圧縮量だけ圧縮されている、少なくとも1つのギャップと
含む、一続きのサーマルブロックと
を含む、システム。
【請求項4】
前記断熱材のブランケットは、該断熱材のブランケットよりも厚い断熱材片の上方にあり、該断熱材の片は、母屋の対向する組の間に生成されたポケットに存在する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記断熱材のブランケットは、該断熱材のブランケットよりも薄い断熱材片の下方にあり、該断熱材片は、サーマルブロックの2つの対向する列間に位置している空間を満たしている、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
金属屋根に断熱材を提供する方法であって、該方法は、
少なくともつの母屋にわたって断熱材のブランケットを置くことと、
該断熱材のブランケットにわたって各母屋の上方一続きのサーマルブロックを固定することであって、該一続きのサーマルブロックにおける各サーマルブロックは、該サーマルブロックの底部表面から突出している複数の一体の支持脚と、該支持脚間で該サーマルブロックの該底部表面において画定されている少なくとも1つのギャップとを含み、その結果、
該一続きのサーマルブロックが、該断熱材のブランケットにわたって各母屋の上方固定されているときに、該支持脚の各々は、該サーマルブロックの下に配置されているそれぞれの母屋に対して該断熱材のブランケットの第一の部分を締め付け、かつ、該支持脚の底部表面それぞれの母屋の上部表面との間で該断熱材のブランケットの該第一の部分を第一の圧縮量だけ圧縮し、
該サーマルブロックの該底部表面とそれぞれの母屋との間に配置されている該断熱材のブランケットの第二の部分は、該サーマルブロックの該底部表面とそれぞれの母屋との間で該第一の圧縮量よりも小さい第二の圧縮量だけ圧縮されている、ことと
を含む、方法。
【請求項7】
前記断熱材のブランケットは、該断熱材のブランケットよりも厚い断熱材片の上方にあり、該断熱材の片は、母屋の対向する組の間に生成されたポケットに存在する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記断熱材のブランケットは、該断熱材のブランケットよりも薄い断熱材片の下方にあり、該断熱材片は、サーマルブロックの2つの対向する列間に位置している空間を満たしている、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/472,397号(2011年4月6出願)の利益を主張し、その開示は、参照によって本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、一般に、屋根構造および関連のある方法の分野に関連する。より具体的には、本発明は、断熱金属屋根葺き構造の分野に関連する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
屋根断熱材は、金属建造物の配置において使用されてきた。典型的な屋根断熱材構成は、ブランケット断熱材を使用する。断熱材によって提供される熱抵抗は、断熱材が圧縮されるかまたは詰め込まれる場合に損なわれる。従来の金属屋根断熱材システムにおいて、屋根構造が、屋根の母屋の頂部に適用される場合、ブランケット断熱材の薄い層は、圧縮され、従って、屋根断熱材システムの熱抵抗を減少させる。従来の屋根システムのいくつかの場所において、断熱材の圧縮は、熱的短絡が生成されるほど厳しく、従って、屋根断熱材システムの断熱特性を実質的に低下させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
第一の局面に従って、本開示は、金属屋根のためのサーマルブロックを提供し、そのサーマルブロックは、第一の端と、第二の端と、第一の端と第二の端との間の第一の脚とを含む。第一の端は、第一の屋根クリップのクリップ脚を受けとるためのスロットを含む。第二の端は、一続きのサーマルブロックにおける次のサーマルブロックを受けとるためのアバットメント表面および踊り場表面を含む。
【0005】
別の局面に従って、本開示は、少なくとも1つの母屋の上に置かれた断熱材のブランケットを含むシステムを提供する。一続きのサーマルブロックは、母屋の上方、断熱材のブランケットの上に固定される。一続きのサーマルブロックにおける各サーマルブロックは、断熱材のブランケットを各母屋の頂部へ押しつけている脚を有する。ギャップが、脚間に画定され、そのギャップは、脚間に領域を与え、そこで、断熱材のブランケットは、母屋と各サーマルブロックの下側との間で部分的にのみ圧縮されている。
【0006】
別の局面に従って、本開示は、金属屋根に断熱材を提供する方法を提供し、その方法は、少なくとも1つの母屋の上に断熱材のブランケットを置くことと、母屋の上方、断熱材のブランケット上に一続きのサーマルブロックを固定することであって、一続きのサーマルブロックにおける各サーマルブロックは、断熱材のブランケットを各母屋の頂部へ押しつけている脚を有する、ことと、脚間にギャップを形成することとを含み、そのギャップは、断熱材のブランケットが母屋と各サーマルブロックの下側との間で部分的にのみ圧縮されているように、脚間の領域を与える。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
金属屋根のためのサーマルブロックであって、該サーマルブロックは、
第一の端と、
第二の端と、
該第一の端と第二の端との間の第一の脚と、
第一の屋根クリップのクリップ脚を受けとるための、該第一の端におけるスロットと、
一続きのサーマルブロックにおける次のサーマルブロックを受けとるための、該第二の端におけるアバットメント表面および踊り場表面と
を含む、サーマルブロック。
(項目2)
第二の脚が、上記踊り場表面の下に形成されている、項目1に記載のサーマルブロック。
(項目3)
少なくとも1つの母屋の上に置かれた断熱材のブランケットと、
該母屋の上方、該断熱材のブランケットの上に固定された一続きのサーマルブロックであって、該一続きのサーマルブロックにおける各サーマルブロックは、該断熱材のブランケットを各母屋の頂部へ押しつけている脚を有する、一続きのサーマルブロックと、
該脚間に画定されたギャップと
を含み、該ギャップは、該脚間の領域を与え、該断熱材のブランケットは、該母屋と各サーマルブロックの下側との間で部分的にのみ圧縮されている、
システム。
(項目4)
上記断熱材のブランケットは、断熱材の比較的より厚い片の上方にあり、該比較的より厚い片は、母屋の対向する組の間に生成されたポケットに存在する、項目3に記載のシステム。
(項目5)
上記断熱材のブランケットは、断熱材の比較的より薄い片の下方にあり、該断熱材の比較的より薄い片は、サーマルブロックの2つの対向する列間に位置している空間を満たしている、項目3に記載のシステム。
(項目6)
金属屋根に断熱材を提供する方法であって、該方法は、
少なくとも1つの母屋の上に断熱材のブランケットを置くことと、
該母屋の上方、該断熱材のブランケットの上に一続きのサーマルブロックを固定することであって、該一続きのサーマルブロックにおける各サーマルブロックは、該断熱材のブランケットを各母屋の頂部へ押しつけている脚を有する、ことと、
該脚間にギャップを形成することと
を含み、該ギャップは、該断熱材のブランケットが該母屋と各サーマルブロックの下側との間で部分的にのみ圧縮されているように、該脚間の領域を与える、方法。
(項目7)
上記断熱材のブランケットは、断熱材の比較的より厚い片の上方にあり、該比較的より厚い片は、母屋の対向する組の間に生成されたポケットに存在する、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記断熱材のブランケットは、断熱材の比較的より薄い片の下方にあり、該断熱材の比較的より薄い片は、サーマルブロックの2つの対向する列間に位置している空間を満たしている、項目6に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
(図面の簡単な説明)
上述および他の特徴および利点は、添付の図面に図示されているような、好ましい実施形態のより詳しい説明から明白であり、添付の図面において、同様の参照文字は、異なる図を通じて同様の部分を表す。図面は、必ずしも一定の縮小比ではなく、要素のサイズは、明快さのために誇張され得る。
図1図1は、実施形態に従った、屋根構造に利用されるような全体のシステムの概略的な透視図を含む。
図2図2A〜Eは、開示された実施形態におけるシステムおよび方法において使用される固定材ブロックを図示している概略図を含む。
図3図3は、図1から得られた断面3−3における固定材サーマルブロック、断熱材、および他の屋根構造を示している母屋において得られた概略的な断面図を含む。
図4図4は、実施形態に従った、屋根構造に利用されるような全体のシステムの概略的な透視図を含む。
図5図5は、図4から得られた断面5−5における固定材サーマルブロック、断熱材層、および他の屋根構造を示している母屋において得られた概略的な断面図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
本発明の実施形態は、金属屋根に断熱を提供するシステムおよび方法を提供する。
【0009】
一実施形態は、図1、2A〜E、および3に描写される。初めに図1を参照すると、システムの実施形態を組み込んでいる屋根の取り出された部分が、透視図において図示されている。システム100は、屋根パネル102を支持しかつ断熱するために提供され、屋根パネル102は、アセンブリの頂部に据え付けられる。システムは、複数のZ母屋104の頂部に置かれる。3つのZ母屋のみが、図1に示されているが、平行な関係にあるこれらの母屋のより多くのものが、建造物の種々の屋根構造に含まれることが、理解されるはずである。
【0010】
断面図において、Z母屋は、典型的に、垂直なウェブ部分300(図3を参照)と、水平な頂部フランジ302および底部フランジ306とを有する。水平な頂部フランジ302は、下向きに傾斜した前部リップ304を有する。母屋104の底部フランジ部分306は、上向きに斜めのリップ308を有し、底部306は、頂部フランジ部分302が延びる方向とは反対の方向に延びる。システムが、異なる種類の母屋(例えば、C型および他の種類)を用いて使用され得るが、図1および3に示されている母屋104は、Z型であり、従って、母屋104は、Z母屋と呼ばれる。屋根フレームはまた、複数のアングル金属クロス部材110を含み、その複数のアングル金属クロス部材110は、周知の態様で、母屋104のウェブ300における開口部111の交互に対向した組を通して、互い違い様式のオフセットにおいて据え付けられる。
【0011】
初めに、横に延びているフラップ107aおよび107bを各々が各側面に有するバット断熱材の2つの対向する片108aおよび108bが、対向する母屋間に存在する空間において、クロス部材110の頂部の上に広げられて置かれる。それから、延びた部分107aおよび107bが、図3に見られ得るように、母屋の上部フランジ302の頂部の各々の上に掛けられる。断熱材の対向するバット108aおよび108bは、各々、図に見られるように、母屋104間に、および母屋104の方向に走る。実施形態において、断熱材108は、(しばしばロールで市場取引される)繊維ガラスであり、繊維ガラスは、一般に、床、壁、および天井を断熱するために使用される。この断熱材は、典型的に、ロールの下側にすでに据え付けられた蒸気バリアシートを伴う。横に延びているフラップは、標準からの逸脱であるが、製造業者によって簡単に含められる特徴である。もっとも一般的には繊維ガラスから作られるが、断熱材108は、他の断熱材料からも構成され得る。
【0012】
断熱材のこれらの片108が、母屋間の定位置に広げられる場合、断熱材は、決して圧縮されず、断熱材が完全な熱力学特性を維持することを可能にする。そして、この妨害がないことは、最終的な製品において維持される。
【0013】
断熱片108が、母屋間の定位置に広げられ、フラップ107aおよび107bが、母屋の上部フランジの上に掛けられると、断熱材のブランケット112が、(図1に見られるように)母屋の上の位置へ置かれる。実施形態において、この断熱材は、繊維ガラスから構成されるが、用途に応じて任意の数の材料から作られ得る。このブランケット112は、固定材ブロック114によって抑えつけられる。
【0014】
各一続きの固定材ブロック114は、図1に示されているように、各Z母屋102の上部部分302に沿って長手方向に走るように、据え付けられる。固定材ブロックは、数多くの特徴を有し、それらの特徴の詳細は、1つのブロックが示されている図2A〜Eにおいて見られ得る。
【0015】
図2Aおよび2Bに見られるように、各固定材ブロック114は、中間脚116と、接合部支持脚118とを含む。各ブロックの第一の端200は、2つのクリップ脚受け用の切込みを外につけられた垂直スロット208を含む。これらのスロット208は、第一の端200の端面図(図2D)、および図2Eに示されている断面2E−2Eにおいて最も明瞭に見られ得る。これらのスロット208は、接合部130(図1を参照)の各々において脚314(図3を参照)を受けとることにより、クリップ/ブロックの干渉を避けるように設計される。
【0016】
各固定材ブロックの第二の端202(図2A、2Bおよび2Cを参照)は、一続きにおける次のブロックの対応する第一の端200を受けとるための、踊り場表面204とアバットメント表面206とを含む。しかし、一続きにおける次のブロックの第一の端200が受けとられる前に、Lブラケット122が据え付けられる。Lブラケット122の短い部分212は、アバットメント表面206に適合するようにサイズを合わせられ、Lブラケット122のより長い部分210は、踊り場表面204に合うようにサイズを合わせられる。クリップ120およびLブラケット122に加えて、これらの端の構成は、直列に次々と一続きの連続的なブロックを据え付けることを可能にし、開示された実施形態において、各ブロック114は、同一である。あるいは、これらのブロックは、異なる実施形態のための異なる構成を有し得る。
【0017】
図1を参照すると、ブロック114の第一の一続き126が、すでに据え付けられている一方、固定材ブロック114の第二の一続き128は、据え付けの最中である。図1の一続き126および128におけるブロック114は、接合部130において一緒になる。接合部130は、すでに据え付けられたブロック(例えば、ブロック132)の第二の端202と、据え付けられる一続きにおける次のブロック(例えば、ブロック134)の第一の端202とが合うことによって形成される。ブロック132(図1)は、母屋104にすでに固定され、Lブラケット122およびクリップ120を使用してブロック134の端202において固定されようとしているブロック134が、示されている。
【0018】
Lブラケット122が据え付けられると、接合部130における特定のクリップ120が、2つの締め具316を使用してねじ込まれる場合、Lブラケット122は、端202において踊り場表面204を締め付ける。これらの締め具316のうちの1つは、図3に見られ得る。一組のうちの1つの締め具316のみが、図3に見られ得るが、2つが存在すること、および第二の締め具は、第一の締め具の後ろに単に隠れていることが理解されるはずである。これらの締め具は、示されているようなボルト315/ナット317の組み合わせであり得るか、あるいは、ねじであり得る。ボルト配置が示されているが、ねじが好ましい。既成の(例えば、パンチまたはドリルであけられた)孔(示されていない)は、一実施形態において、クリップ120の底部に存在し得る。締め具316は、これらの孔を通して、それから、Lブラケット122の踊り場部分210を通して作られた事前にドリルまたはパンチであけられた孔(示されていない)を通して、それから、ブロック114の接合部支持脚118を通して作られた事前にドリルまたはパンチであけられた孔(示されていない)を通して、断熱材ブランケット112ならびにフラップ107aおよび107bを通して、それから、母屋の頭302内へ作られた事前にドリルまたはパンチであけられた孔を通して、据え付けられる。図3を参照されたい。いずれの例においても、107aおよび107bならびに断熱材のブランケット112を通して事前にドリルで孔をあけることは、要求されない。なぜなら、両方は、締め具316によって簡単に貫かれるからである。ねじが使用される場合、事前にドリルまたはパンチであけられた孔は、任意選択である。そのうえ、事前にドリルまたはパンチであけられた孔が、母屋の頭302において使用される場合、これらの孔は、ねじの直径よりもわずかに小さいようにサイズを合わせられることにより、頭302への係合を促進する。
【0019】
使用される締め具デバイス(ボルトまたはねじ)に関わらず、締め具は、Lブラケット122に、ブロック134の踊り場領域204を締め付けさせ、ブロック134の第二の端202が抑えつけられるのみならず、それに伴って、同じブロック134の第一の端が、すでに据え付けられたブロック132との接合部内へ置かれる。
【0020】
ブロック134の第二の端202が、そこに据え付けられたクリップおよびLブラケットによって固定された場合、クリップ脚208および継ぎ目フランジ310は、突出し、かつむき出しである。それから、次のブロック136を据え付けるために、ブロック136の第一の端200のスロット208が、直前のブロック134にすでに据え付けられたクリップのクリップ脚314に合わせられ、かつそれを使用する。それから、クリップ120およびLブラケット122が、ブロック136の踊り場領域204の上へねじ込まれる場合、ブロック134と136との間の接合部は、完成する。母屋104の全体の長さが達されない限り、ブロックの次にブロックが、直列にこの方法で据え付けられ得ることが理解される。
【0021】
各一続きにおけるブロックが、固定される場合、フラップ107aおよび107bならびに断熱材ブランケット112の小さな一部分は、各ブロック114の下側と母屋の頭302との間にはさんで締め付けられる。より具体的には、各ブロック上の脚116および118の各々の底部表面212および214は、それぞれ、ブランケット112ならびにフラップ107aおよび107bを直接締め付ける。
【0022】
しかし、各固定材ブロック上の脚116と118との間の下側表面216のそばに形成されたギャップ150(図1における一続き126を参照)は、その領域における断熱材の多少の膨張を可能にする。従って、体積が幾分か制限されるが、ブロック脚間の断熱材ブランケットは、依然として多少の深さを有し、完全には圧縮されない。これは、伝熱抵抗の利点を提供する。ブランケットは、ブロック114の各列に対して横に、ブランケットの通常の密度に戻るように上向きに膨張し、ブランケットは、据え付けられたブロック114の上部表面と同じ平面にあるように、下部断熱材片108の上部表面350の上方の領域を満たす。
【0023】
次に、金属屋根パネル102が、ブロック上に、およびブロックを横切るように据え付けられる。より具体的には、クリップ120の頂部の上のフランジ310は、周知の態様で、屋根パネル102の縁124および125内へ継ぎ合わせられる。1つの屋根パネルのみが図1に示されているが、当業者は、複数の屋根パネルが、全体の屋根が覆われるように据え付けられることを認識する。
【0024】
別の実施形態が、図4〜5に描写されている。図4〜5の実施形態は、図2A〜Eに示されている同じ固定材ブロック構成を使用し、従って、開示された屋根システムのこの要素の詳細な説明は、繰り返されない。初めに図4を参照すると、この第二の実施形態を組み込んでいる屋根の取り出された部分が、図示されている。さらに、システム400は、屋根パネル403を支持しかつ断熱するために提供され、その屋根パネル403は、アセンブリの頂部に据え付けられる。さらに、システムは、複数のZ母屋500の頂部に置かれる。3つのZ母屋500のみが、図4に示されているが、平行な関係にあるこれらの母屋500のより多くのものが、全体の屋根構造に含まれることが、理解されるはずである。図5は、断面における第二の実施形態のシステム400を示している。Z母屋500は、垂直なウェブ部分501(図5を参照)と、水平な頂部部分502および底部部分506とを有する。水平な頂部部分502は、下向きに傾斜した前部リップ504を有する。母屋500の底部部分506は、リップ508を有し、底部506は、頂部部分502の方向と反対の方向に延びる。システムの第二の実施形態400が、異なる種類の母屋(例えば、C型および他の種類)を用いて使用され得るが、図4および5に示されている母屋の断面は、Z型である。直前の実施形態の場合と同様に、屋根フレームはまた、複数のアングル金属クロス部材110を含み、その複数のアングル金属クロス部材110は、周知の態様で、母屋500のウェブ501における開口部を通して据え付けられる。
【0025】
初めに、断熱材558のブランケットが、沈下することによりクロス部材110の頂上に置かれるように、断熱材558のブランケットは、母屋500の上に広げられる。これは、対向する母屋104間で長手方向に広げられかつ延ばされた薄いバット108を有する第一の実施形態とは異なる。ここでは代わりに、ブランケットが、全体の上に掛けられる。図4および5の実施形態において、断熱材ブランケット558は、(しばしばロールで市場取引される)繊維ガラス断熱材であり、繊維ガラスは、その底部側に蒸気バリアシート556を含む。もっとも一般的には繊維ガラスから作られるが、ブランケット558は、他の材料から構成され得る。さらに、蒸気バリアシート556およびブランケット558は、別個の構成要素であり得、ブランケットは、シートの頂部に置かれる。
【0026】
ブランケット558が、母屋500の上の位置へ置かれると、固定材ブロック414が、図4に示されているように、各Z母屋500の上部部分302の頂部に直接据え付けられる。
【0027】
図4を参照すると、ブロック414の第一の一続き426が、すでに据え付けられている一方、固定材ブロック414の第二の一続き528は、据え付けの最中である。図4に示されている一続き426および528におけるブロック414は、接合部430において一緒になる。接合部430は、すでに据え付けられたブロック(例えば、ブロック432)の第二の端402と、据え付けられる一続きにおける次のブロック(例えば、ブロック434)の第一の端401とが合うことによって形成される。ブロック432(図4)は、母屋500にすでに固定され、Lブラケット422およびクリップ420を使用してブロック434の端402において固定されようとしているブロック434が、示されている。
【0028】
しかしここで、断熱材のブランケット558が、母屋の頭を横切ってすでに掛けられているので、Lブラケット422が据え付けられる場合、Lブラケット422は、固定材ブロック414の脚の底部を母屋の頭の上の断熱材の小さな断片の頂部に締め付ける。
【0029】
既成の/ドリルであけられた孔(示されていない)は、好ましい第二の実施形態において、クリップ420の底部に存在する。ボルト515ナット517の組み合わせ(図5を参照)またはねじが、固定するために使用され得る。締め具516は、これらの孔を通して、それから、Lブラケット422のより大きな部分(例えば、図2における部分210を参照)を通して、それから、ブロック414の接合部支持脚518を通して、それから、母屋500内へ据え付けられる。図5を参照されたい。
【0030】
2つの孔(示されていない)は、Lブラケット422の踊り場部分(例えば、図2における210を参照)、固定材ブロック414の脚518を通して作られた事前にドリルまたはパンチであけられたボアを通して下に、それから、脚518の下方で圧縮されているブランケット断熱材の薄い層を通して、それから、母屋の頭502上の事前にドリルまたはパンチであけられた孔を下って、事前にドリルまたはパンチであけられ得る。ボルト型の場合、ボルトは、ボルトの先端に、脚518を通して、断熱材を通して、それから母屋の頭502の下(図5を参照)に下らせる長さを有し、母屋の頭の下において、ナット517がねじ込まれ得る。締め具メカニズム516が、自己孔あけ式のねじである場合、締め具メカニズム516は、下に通過させられて、Z母屋500の上部表面502における孔を下に通して固定され、ねじが使用される場合、その上部表面502は、ねじが噛み合い得るように、選択されたねじよりもわずかに小さい直径を有する。これは、Lブラケット422に、ブロック414の踊り場領域(例えば、図2Bにおける領域204を参照)を締め付けさせる。
【0031】
ブロック434の第二の端402が、そこに据え付けられたクリップ420およびLブラケット422によって固定された場合、クリップ脚511および継ぎ目フランジ510は、突出し、かつむき出しである。それから、次のブロック436を据え付けるために、ブロック436の第一の端401のスロット508が、直前のブロック434にすでに据え付けられたクリップのクリップ脚511に合わせられ、かつそれを使用する。それから、クリップ402およびLブラケット422が、ブロック436の踊り場領域の上へねじ込まれる場合、ブロック434と436との間の接合部は、完成する。母屋500の全体の長さが達されない限り、ブロックの次にブロックが、直列にこの方法で据え付けられ得ることが理解される。
【0032】
各一続きにおけるブロックが、固定される場合、下部バット断熱材シート558および蒸気バリア556は、各ブロック414の下側と母屋の上部フランジ502との間にはさんで締め付けられる。より具体的には、各ブロック上の脚514および518の各々の底部表面(例えば、図2における底部表面212および214)は、それぞれ、断熱材ブランケット558を各母屋の頭502の上部表面に対して直接はさんで締め付ける。しかし、各ブロック上の脚514と518との間に形成されたギャップ450(図4における一続き426を参照)において、断熱材は、体積が幾分か制限されるが、部分的に膨らむ。これは、伝熱抵抗の利点を提供する。断熱材550の上部表面(図5を参照)は、脚514および518の下にはさんで締め付けられる場合を除いて、ブロック414の下の表面に等しい平面において実質的に維持される。
【0033】
ブロック414のすべてが固定されると、バット断熱材412の比較的薄い片が、対向する一続きのブロック間(例えば、図4に示されているように、断熱材が、長手方向に延びている一続き426と528との間)に形成された長方形の空洞内へ広げられる。板断熱材が、実施形態においてバット断熱材の代わりに使用され得る。上部断熱材層412は、板断熱材から作られる場合、空洞に適合するように事前に切られる。バット断熱材のロールが使用される場合、ロールは、通常、標準の母屋間隔の間に適合するように幅が合わせられている。そこで、上部断熱材層412は、下部ブランケットの上部表面550の頂部に位置し、上部断熱材層412は、図4に示されているように、下部ブランケット558の上方のブロックの列間の覆いのない領域を満たす。
【0034】
バット断熱材412の比較的薄い片が、定位置に置かれると、金属屋根パネル403は、ブロック414上に、およびブロック414を横切るように据え付けられる。より具体的には、クリップ420の頂部の上のフランジ510は、周知の態様で、屋根パネル403の縁424および425内へ継ぎ合わせられる。1つの屋根パネルのみが図4に示されているが、当業者は、複数の屋根パネルが、全体の屋根が覆われるように据え付けられることを認識する。
【0035】
描写された種々の構成要素および示されていない構成要素の多くの異なる配置が、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに可能である。本発明の実施形態は、制限的であることではなく、例証的であることを意図して、説明されてきた。本発明の範囲から逸脱しない代替実施形態は、当業者にとって明白になる。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、前述の改良点を実装する代替の手段を開発し得る。
【0036】
特定の特徴および下位組み合わせ(subcombination)は、有用であり、特定の特徴および下位組み合わせは、他の特徴および下位組み合わせを考慮に入れずに用いられ得、特定の特徴および下位組み合わせは、特許請求の範囲の範囲内にあると想定されることが、理解される。種々の図に記載されたすべてのステップが、説明された特定の順番で実施される必要があるわけではない。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5