(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
本発明の実施形態は、金属屋根に断熱を提供するシステムおよび方法を提供する。
【0009】
一実施形態は、
図1、2A〜E、および3に描写される。初めに
図1を参照すると、システムの実施形態を組み込んでいる屋根の取り出された部分が、透視図において図示されている。システム100は、屋根パネル102を支持しかつ断熱するために提供され、屋根パネル102は、アセンブリの頂部に据え付けられる。システムは、複数のZ母屋104の頂部に置かれる。3つのZ母屋のみが、
図1に示されているが、平行な関係にあるこれらの母屋のより多くのものが、建造物の種々の屋根構造に含まれることが、理解されるはずである。
【0010】
断面図において、Z母屋は、典型的に、垂直なウェブ部分300(
図3を参照)と、水平な頂部フランジ302および底部フランジ306とを有する。水平な頂部フランジ302は、下向きに傾斜した前部リップ304を有する。母屋104の底部フランジ部分306は、上向きに斜めのリップ308を有し、底部306は、頂部フランジ部分302が延びる方向とは反対の方向に延びる。システムが、異なる種類の母屋(例えば、C型および他の種類)を用いて使用され得るが、
図1および3に示されている母屋104は、Z型であり、従って、母屋104は、Z母屋と呼ばれる。屋根フレームはまた、複数のアングル金属クロス部材110を含み、その複数のアングル金属クロス部材110は、周知の態様で、母屋104のウェブ300における開口部111の交互に対向した組を通して、互い違い様式のオフセットにおいて据え付けられる。
【0011】
初めに、横に延びているフラップ107aおよび107bを各々が各側面に有するバット断熱材の2つの対向する片108aおよび108bが、対向する母屋間に存在する空間において、クロス部材110の頂部の上に広げられて置かれる。それから、延びた部分107aおよび107bが、
図3に見られ得るように、母屋の上部フランジ302の頂部の各々の上に掛けられる。断熱材の対向するバット108aおよび108bは、各々、図に見られるように、母屋104間に、および母屋104の方向に走る。実施形態において、断熱材108は、(しばしばロールで市場取引される)繊維ガラスであり、繊維ガラスは、一般に、床、壁、および天井を断熱するために使用される。この断熱材は、典型的に、ロールの下側にすでに据え付けられた蒸気バリアシートを伴う。横に延びているフラップは、標準からの逸脱であるが、製造業者によって簡単に含められる特徴である。もっとも一般的には繊維ガラスから作られるが、断熱材108は、他の断熱材料からも構成され得る。
【0012】
断熱材のこれらの片108が、母屋間の定位置に広げられる場合、断熱材は、決して圧縮されず、断熱材が完全な熱力学特性を維持することを可能にする。そして、この妨害がないことは、最終的な製品において維持される。
【0013】
断熱片108が、母屋間の定位置に広げられ、フラップ107aおよび107bが、母屋の上部フランジの上に掛けられると、断熱材のブランケット112が、(
図1に見られるように)母屋の上の位置へ置かれる。実施形態において、この断熱材は、繊維ガラスから構成されるが、用途に応じて任意の数の材料から作られ得る。このブランケット112は、固定材ブロック114によって抑えつけられる。
【0014】
各一続きの固定材ブロック114は、
図1に示されているように、各Z母屋102の上部部分302に沿って長手方向に走るように、据え付けられる。固定材ブロックは、数多くの特徴を有し、それらの特徴の詳細は、1つのブロックが示されている
図2A〜Eにおいて見られ得る。
【0015】
図2Aおよび2Bに見られるように、各固定材ブロック114は、中間脚116と、接合部支持脚118とを含む。各ブロックの第一の端200は、2つのクリップ脚受け用の切込みを外につけられた垂直スロット208を含む。これらのスロット208は、第一の端200の端面図(
図2D)、および
図2Eに示されている断面2E−2Eにおいて最も明瞭に見られ得る。これらのスロット208は、接合部130(
図1を参照)の各々において脚314(
図3を参照)を受けとることにより、クリップ/ブロックの干渉を避けるように設計される。
【0016】
各固定材ブロックの第二の端202(
図2A、2Bおよび2Cを参照)は、一続きにおける次のブロックの対応する第一の端200を受けとるための、踊り場表面204とアバットメント表面206とを含む。しかし、一続きにおける次のブロックの第一の端200が受けとられる前に、Lブラケット122が据え付けられる。Lブラケット122の短い部分212は、アバットメント表面206に適合するようにサイズを合わせられ、Lブラケット122のより長い部分210は、踊り場表面204に合うようにサイズを合わせられる。クリップ120およびLブラケット122に加えて、これらの端の構成は、直列に次々と一続きの連続的なブロックを据え付けることを可能にし、開示された実施形態において、各ブロック114は、同一である。あるいは、これらのブロックは、異なる実施形態のための異なる構成を有し得る。
【0017】
図1を参照すると、ブロック114の第一の一続き126が、すでに据え付けられている一方、固定材ブロック114の第二の一続き128は、据え付けの最中である。
図1の一続き126および128におけるブロック114は、接合部130において一緒になる。接合部130は、すでに据え付けられたブロック(例えば、ブロック132)の第二の端202と、据え付けられる一続きにおける次のブロック(例えば、ブロック134)の第一の端202とが合うことによって形成される。ブロック132(
図1)は、母屋104にすでに固定され、Lブラケット122およびクリップ120を使用してブロック134の端202において固定されようとしているブロック134が、示されている。
【0018】
Lブラケット122が据え付けられると、接合部130における特定のクリップ120が、2つの締め具316を使用してねじ込まれる場合、Lブラケット122は、端202において踊り場表面204を締め付ける。これらの締め具316のうちの1つは、
図3に見られ得る。一組のうちの1つの締め具316のみが、
図3に見られ得るが、2つが存在すること、および第二の締め具は、第一の締め具の後ろに単に隠れていることが理解されるはずである。これらの締め具は、示されているようなボルト315/ナット317の組み合わせであり得るか、あるいは、ねじであり得る。ボルト配置が示されているが、ねじが好ましい。既成の(例えば、パンチまたはドリルであけられた)孔(示されていない)は、一実施形態において、クリップ120の底部に存在し得る。締め具316は、これらの孔を通して、それから、Lブラケット122の踊り場部分210を通して作られた事前にドリルまたはパンチであけられた孔(示されていない)を通して、それから、ブロック114の接合部支持脚118を通して作られた事前にドリルまたはパンチであけられた孔(示されていない)を通して、断熱材ブランケット112ならびにフラップ107aおよび107bを通して、それから、母屋の頭302内へ作られた事前にドリルまたはパンチであけられた孔を通して、据え付けられる。
図3を参照されたい。いずれの例においても、107aおよび107bならびに断熱材のブランケット112を通して事前にドリルで孔をあけることは、要求されない。なぜなら、両方は、締め具316によって簡単に貫かれるからである。ねじが使用される場合、事前にドリルまたはパンチであけられた孔は、任意選択である。そのうえ、事前にドリルまたはパンチであけられた孔が、母屋の頭302において使用される場合、これらの孔は、ねじの直径よりもわずかに小さいようにサイズを合わせられることにより、頭302への係合を促進する。
【0019】
使用される締め具デバイス(ボルトまたはねじ)に関わらず、締め具は、Lブラケット122に、ブロック134の踊り場領域204を締め付けさせ、ブロック134の第二の端202が抑えつけられるのみならず、それに伴って、同じブロック134の第一の端が、すでに据え付けられたブロック132との接合部内へ置かれる。
【0020】
ブロック134の第二の端202が、そこに据え付けられたクリップおよびLブラケットによって固定された場合、クリップ脚208および継ぎ目フランジ310は、突出し、かつむき出しである。それから、次のブロック136を据え付けるために、ブロック136の第一の端200のスロット208が、直前のブロック134にすでに据え付けられたクリップのクリップ脚314に合わせられ、かつそれを使用する。それから、クリップ120およびLブラケット122が、ブロック136の踊り場領域204の上へねじ込まれる場合、ブロック134と136との間の接合部は、完成する。母屋104の全体の長さが達されない限り、ブロックの次にブロックが、直列にこの方法で据え付けられ得ることが理解される。
【0021】
各一続きにおけるブロックが、固定される場合、フラップ107aおよび107bならびに断熱材ブランケット112の小さな一部分は、各ブロック114の下側と母屋の頭302との間にはさんで締め付けられる。より具体的には、各ブロック上の脚116および118の各々の底部表面212および214は、それぞれ、ブランケット112ならびにフラップ107aおよび107bを直接締め付ける。
【0022】
しかし、各固定材ブロック上の脚116と118との間の下側表面216のそばに形成されたギャップ150(
図1における一続き126を参照)は、その領域における断熱材の多少の膨張を可能にする。従って、体積が幾分か制限されるが、ブロック脚間の断熱材ブランケットは、依然として多少の深さを有し、完全には圧縮されない。これは、伝熱抵抗の利点を提供する。ブランケットは、ブロック114の各列に対して横に、ブランケットの通常の密度に戻るように上向きに膨張し、ブランケットは、据え付けられたブロック114の上部表面と同じ平面にあるように、下部断熱材片108の上部表面350の上方の領域を満たす。
【0023】
次に、金属屋根パネル102が、ブロック上に、およびブロックを横切るように据え付けられる。より具体的には、クリップ120の頂部の上のフランジ310は、周知の態様で、屋根パネル102の縁124および125内へ継ぎ合わせられる。1つの屋根パネルのみが
図1に示されているが、当業者は、複数の屋根パネルが、全体の屋根が覆われるように据え付けられることを認識する。
【0024】
別の実施形態が、
図4〜5に描写されている。
図4〜5の実施形態は、
図2A〜Eに示されている同じ固定材ブロック構成を使用し、従って、開示された屋根システムのこの要素の詳細な説明は、繰り返されない。初めに
図4を参照すると、この第二の実施形態を組み込んでいる屋根の取り出された部分が、図示されている。さらに、システム400は、屋根パネル403を支持しかつ断熱するために提供され、その屋根パネル403は、アセンブリの頂部に据え付けられる。さらに、システムは、複数のZ母屋500の頂部に置かれる。3つのZ母屋500のみが、
図4に示されているが、平行な関係にあるこれらの母屋500のより多くのものが、全体の屋根構造に含まれることが、理解されるはずである。
図5は、断面における第二の実施形態のシステム400を示している。Z母屋500は、垂直なウェブ部分501(
図5を参照)と、水平な頂部部分502および底部部分506とを有する。水平な頂部部分502は、下向きに傾斜した前部リップ504を有する。母屋500の底部部分506は、リップ508を有し、底部506は、頂部部分502の方向と反対の方向に延びる。システムの第二の実施形態400が、異なる種類の母屋(例えば、C型および他の種類)を用いて使用され得るが、
図4および5に示されている母屋の断面は、Z型である。直前の実施形態の場合と同様に、屋根フレームはまた、複数のアングル金属クロス部材110を含み、その複数のアングル金属クロス部材110は、周知の態様で、母屋500のウェブ501における開口部を通して据え付けられる。
【0025】
初めに、断熱材558のブランケットが、沈下することによりクロス部材110の頂上に置かれるように、断熱材558のブランケットは、母屋500の上に広げられる。これは、対向する母屋104間で長手方向に広げられかつ延ばされた薄いバット108を有する第一の実施形態とは異なる。ここでは代わりに、ブランケットが、全体の上に掛けられる。
図4および5の実施形態において、断熱材ブランケット558は、(しばしばロールで市場取引される)繊維ガラス断熱材であり、繊維ガラスは、その底部側に蒸気バリアシート556を含む。もっとも一般的には繊維ガラスから作られるが、ブランケット558は、他の材料から構成され得る。さらに、蒸気バリアシート556およびブランケット558は、別個の構成要素であり得、ブランケットは、シートの頂部に置かれる。
【0026】
ブランケット558が、母屋500の上の位置へ置かれると、固定材ブロック414が、
図4に示されているように、各Z母屋500の上部部分302の頂部に直接据え付けられる。
【0027】
図4を参照すると、ブロック414の第一の一続き426が、すでに据え付けられている一方、固定材ブロック414の第二の一続き528は、据え付けの最中である。
図4に示されている一続き426および528におけるブロック414は、接合部430において一緒になる。接合部430は、すでに据え付けられたブロック(例えば、ブロック432)の第二の端402と、据え付けられる一続きにおける次のブロック(例えば、ブロック434)の第一の端401とが合うことによって形成される。ブロック432(
図4)は、母屋500にすでに固定され、Lブラケット422およびクリップ420を使用してブロック434の端402において固定されようとしているブロック434が、示されている。
【0028】
しかしここで、断熱材のブランケット558が、母屋の頭を横切ってすでに掛けられているので、Lブラケット422が据え付けられる場合、Lブラケット422は、固定材ブロック414の脚の底部を母屋の頭の上の断熱材の小さな断片の頂部に締め付ける。
【0029】
既成の/ドリルであけられた孔(示されていない)は、好ましい第二の実施形態において、クリップ420の底部に存在する。ボルト515ナット517の組み合わせ(
図5を参照)またはねじが、固定するために使用され得る。締め具516は、これらの孔を通して、それから、Lブラケット422のより大きな部分(例えば、
図2における部分210を参照)を通して、それから、ブロック414の接合部支持脚518を通して、それから、母屋500内へ据え付けられる。
図5を参照されたい。
【0030】
2つの孔(示されていない)は、Lブラケット422の踊り場部分(例えば、
図2における210を参照)、固定材ブロック414の脚518を通して作られた事前にドリルまたはパンチであけられたボアを通して下に、それから、脚518の下方で圧縮されているブランケット断熱材の薄い層を通して、それから、母屋の頭502上の事前にドリルまたはパンチであけられた孔を下って、事前にドリルまたはパンチであけられ得る。ボルト型の場合、ボルトは、ボルトの先端に、脚518を通して、断熱材を通して、それから母屋の頭502の下(
図5を参照)に下らせる長さを有し、母屋の頭の下において、ナット517がねじ込まれ得る。締め具メカニズム516が、自己孔あけ式のねじである場合、締め具メカニズム516は、下に通過させられて、Z母屋500の上部表面502における孔を下に通して固定され、ねじが使用される場合、その上部表面502は、ねじが噛み合い得るように、選択されたねじよりもわずかに小さい直径を有する。これは、Lブラケット422に、ブロック414の踊り場領域(例えば、
図2Bにおける領域204を参照)を締め付けさせる。
【0031】
ブロック434の第二の端402が、そこに据え付けられたクリップ420およびLブラケット422によって固定された場合、クリップ脚511および継ぎ目フランジ510は、突出し、かつむき出しである。それから、次のブロック436を据え付けるために、ブロック436の第一の端401のスロット508が、直前のブロック434にすでに据え付けられたクリップのクリップ脚511に合わせられ、かつそれを使用する。それから、クリップ402およびLブラケット422が、ブロック436の踊り場領域の上へねじ込まれる場合、ブロック434と436との間の接合部は、完成する。母屋500の全体の長さが達されない限り、ブロックの次にブロックが、直列にこの方法で据え付けられ得ることが理解される。
【0032】
各一続きにおけるブロックが、固定される場合、下部バット断熱材シート558および蒸気バリア556は、各ブロック414の下側と母屋の上部フランジ502との間にはさんで締め付けられる。より具体的には、各ブロック上の脚514および518の各々の底部表面(例えば、
図2における底部表面212および214)は、それぞれ、断熱材ブランケット558を各母屋の頭502の上部表面に対して直接はさんで締め付ける。しかし、各ブロック上の脚514と518との間に形成されたギャップ450(
図4における一続き426を参照)において、断熱材は、体積が幾分か制限されるが、部分的に膨らむ。これは、伝熱抵抗の利点を提供する。断熱材550の上部表面(
図5を参照)は、脚514および518の下にはさんで締め付けられる場合を除いて、ブロック414の下の表面に等しい平面において実質的に維持される。
【0033】
ブロック414のすべてが固定されると、バット断熱材412の比較的薄い片が、対向する一続きのブロック間(例えば、
図4に示されているように、断熱材が、長手方向に延びている一続き426と528との間)に形成された長方形の空洞内へ広げられる。板断熱材が、実施形態においてバット断熱材の代わりに使用され得る。上部断熱材層412は、板断熱材から作られる場合、空洞に適合するように事前に切られる。バット断熱材のロールが使用される場合、ロールは、通常、標準の母屋間隔の間に適合するように幅が合わせられている。そこで、上部断熱材層412は、下部ブランケットの上部表面550の頂部に位置し、上部断熱材層412は、
図4に示されているように、下部ブランケット558の上方のブロックの列間の覆いのない領域を満たす。
【0034】
バット断熱材412の比較的薄い片が、定位置に置かれると、金属屋根パネル403は、ブロック414上に、およびブロック414を横切るように据え付けられる。より具体的には、クリップ420の頂部の上のフランジ510は、周知の態様で、屋根パネル403の縁424および425内へ継ぎ合わせられる。1つの屋根パネルのみが
図4に示されているが、当業者は、複数の屋根パネルが、全体の屋根が覆われるように据え付けられることを認識する。
【0035】
描写された種々の構成要素および示されていない構成要素の多くの異なる配置が、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに可能である。本発明の実施形態は、制限的であることではなく、例証的であることを意図して、説明されてきた。本発明の範囲から逸脱しない代替実施形態は、当業者にとって明白になる。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、前述の改良点を実装する代替の手段を開発し得る。
【0036】
特定の特徴および下位組み合わせ(subcombination)は、有用であり、特定の特徴および下位組み合わせは、他の特徴および下位組み合わせを考慮に入れずに用いられ得、特定の特徴および下位組み合わせは、特許請求の範囲の範囲内にあると想定されることが、理解される。種々の図に記載されたすべてのステップが、説明された特定の順番で実施される必要があるわけではない。