(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転自在の連結装置(330)には、摺動式クラッチ(330)が備えられ、前記クラッチは、前記クラッチの摺動範囲(630)の少なくとも一部分を通して定トルク連結特性を提供するように作動自在である、請求項1または2に記載のパワートレイン(300、1000)。
前記1個以上のセンサは、前記1個以上のシャフト(340、350、380)の回転速度を測定する回転速度センサとして設置され、前記トルクの大きさは、前記パワートレイン(300、1000)の構成部材の慣性モーメントから、および前記1個以上の測定された回転速度から一時的に演算された角加速度から、前記制御ユニット(490)により演算される、請求項1に記載のパワートレイン(300、1000)。
前記車両は、バス、トラック、建設車両、バン、旅客車両、または作動中に運転の停止−始動の仕方で比較的高い加速度を出すのを要求される任意の車両から成るグループから選択される、請求項7に記載の車両。
前記連結装置(330)には、摺動式クラッチ(330)が備えられ、前記クラッチは、前記クラッチの摺動範囲(630)の少なくとも一部分を通して定トルク連結特性を提供するように作動自在である、請求項9に記載の方法。
前記1個以上のセンサは、前記1個以上のシャフト(340、350、380)の回転速度を測定する回転速度センサとして設置され、前記トルクの大きさは、前記パワートレイン(300、1000)の構成部材の慣性モーメントから、および前記1個以上の測定された回転速度から一時的に演算された角加速度から、前記制御ユニット(490)により演算される、請求項11に記載の方法。
インターネットへ接続されるコンピュータ上で実行するときに、請求項1または6に記載のパワートレインへ、または1個以上の前記パワートレインの構成部材へダウンロードされるように適応される、請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、改良されたハイブリッドパワートレインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、パワートレインに関する独立請求項1および10と、ならびにハイブリッドパワートレインを制御する方法に関する独立請求項15および20との特徴により説明される。他の従属請求項には、ハイブリッドパワートレインの有利な改良点と別の改良点、および本発明に従うハイブリッドパワートレインを制御する方法が含まれる。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、
燃焼機関と、
電気機械装置と、
燃焼機関と電気機械装置の少なくともいずれかから駆動力を受容して、対応する駆動力を負荷へ伝達するように作動自在な歯車装置と、
燃焼機関、電気機械装置および歯車装置の作動を制御するために、それらの装置と連通して連結される制御ユニットと、を含むハイブリッドパワートレインであって、
燃焼機関が非起動状態と起動状態との間で切換自在であるように、作動中に構成自在であり、燃焼機関は、機関の非起動状態から機関の起動状態への切換のためにクランク回転される必要がある、ハイブリッドパワートレインにおいて、
制御ユニットは、パワートレインから生じるフィードバック信号およびパワートレインへのコマンド信号を受信する複数の入力部と、およびパワートレインの作動を制御する出力信号を出力する複数の出力部を含むこと、および
制御ユニットは、パワートレインのトルクシミュレーションを実行するように作動自在な演算ハードウェアをさらに備え、シミュレーションは、複数の入力部において受信された情報を処理して補償を演算するために作動中に適用自在であり、制御ユニットは、機関が機関の起動状態と機関の非起動状態との間で切換えられるときに、パワートレインにおいて作動中に生じるトルクジャークの振幅を減少するために、複数の出力部において補償を適用するように作動自在であることを特徴とする、ハイブリッドパワートレインが提供される。
【0017】
本発明は、パワートレインが、急激なトルク変動、すなわち「ジャーク(がたつき)」の減少に関して、および作動の単純さと容易さに関して改良された性能を提供できることにおいて有利である。
【0018】
任意選択的には、ハイブリッドパワートレインにおいて、燃焼機関へのクランク回転トルクの伝達は、歯車装置における歯車切換とほぼ一時的に一致するように、制御ユニットにより作動中に制御される。
【0019】
有利には、パワートレインにおいて、歯車装置が中立(ニュートラル)の連結状態である間に、電気機械装置を、ほぼ停止状態に減速し、回転自在の連結装置を経て、燃焼機関を電気機械装置へ少なくとも部分的に回転自在に連結し、電気機械装置を励起して回転自在に加速し、それにより燃焼機関を限界回転速度まで加速し、ついで燃料供給物を燃焼機関へ供給して燃焼機関を起動状態にすることにより、燃焼機関は、クランク回転されるように作動自在である。そのような方法は、カップリング装置の磨耗を減少でき、および燃焼機関のクランク回転を開始する前に、エネルギー貯蔵エレメントを充電する回生エネルギーに関して潜在的に非常にエネルギーが有効である。
【0020】
任意選択的には、パワートレインにおいて、歯車装置が中立の連結状態である間に、電気機械装置を回転状態に維持し、回転自在の連結装置を経て、燃焼機関を電気機械装置へ少なくとも部分的に連結し、電気機械装置からトルクを燃焼機関へ伝達し、それにより燃焼機関を限界回転速度まで加速し、ついで燃料供給物を燃焼機関へ供給して燃焼機関を起動状態にすることにより、燃焼機関は、クランク回転されるように作動自在である。そのような方法は、電動機を、ほぼ停止するまで一層急速に減速する可能性があるが、回転自在の連結装置の一層の磨耗を引起す可能性がある。
【0021】
好ましくは、パワートレインにおいて、回転自在の連結装置には、摺動式クラッチが備えられ、そのクラッチは、クラッチの摺動範囲の少なくとも一部分を通して定トルク連結特性を提供するように作動自在である。そのような定トルク特性は、急激なトルク変動、すなわち「ジャーク」をフィルタリングする際に有効である。
【0022】
好ましくは、パワートレインにおいて、電気機械装置は、クラッチと回転自在に追従するトルクカップリングとの直列装置を経て燃焼機関へ連結される。
【0023】
好ましくは、パワートレインにおいて、回転自在の連結装置は、燃焼機関と電気機械装置との間で連結自在なクラッチを含む。そのような構成は、実際に小型、単純かつ強固であることが分かる。
【0024】
好ましくは、パワートレインにおいて、燃焼機関と電気機械装置との1個以上の回転シャフトには、1個以上のセンサが設けられ、そのセンサは、燃焼機関をクランク回転するときに燃焼機関へ伝達されるトルクの大きさを求め、かつ燃焼機関を起動させるために制御ユニットへ連結され、そのようなトルクの大きさは、パワートレインに生じるトルクの急激な変化を少なくとも部分的に補償するように、電気機械装置を制御するために、制御ユニットにより処理される。トルクの大きさの使用により、燃焼機関を起動するときにパワートレインに生じる「ジャーク」を避けるために、制御装置が、パワートレインを一層細密に制御できる。
【0025】
好ましくは、パワートレインにおいて、1個以上のセンサは、1個以上のシャフトの回転速度を測定する回転速度センサとして設置され、トルクの大きさは、パワートレインの構成部材の慣性モーメントから、および1個以上の測定された回転速度から一時的に演算された角加速度から、制御ユニットにより演算される。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、
燃焼機関と、
電気機械装置と、
燃焼機関と電気機械装置の少なくともいずれかから回転力を受容して、駆動力を負荷へ伝達するように作動自在な歯車装置と、
燃焼機関、電気機械装置および歯車装置の作動を制御するために、それらの装置と連通して連結される制御ユニットと、を含むハイブリッドパワートレインであって、
燃焼機関が非起動状態と起動状態との間で切換自在であるように、作動中に構成自在であり、燃焼機関は、機関の非起動状態から機関の起動状態への切換のためにクランク回転される必要がある、ハイブリッドパワートレインにおいて、
燃焼機関へのクランク回転トルクの伝達は、駆動力をパワートレインの負荷へ伝達するように係合される歯車装置とほぼ一時的に一致するように、作動中に制御されること、および
燃焼機関と電気機械装置との1個以上の回転シャフトには、1個以上のセンサが設けられ、そのセンサは、燃焼機関をクランク回転するときに燃焼機関へ伝達されるトルクの大きさを求め、かつ機関を起動させ、そのようなトルクの大きさは、パワートレインに生じるトルクの急激な変化を少なくとも部分的に補償するように、電気機械装置を制御するために、制御ユニットの演算ハードウェア上で作動中に実行されるパワートレインのトルクシミュレーションを使用して処理されることを特徴とする、ハイブリッドパワートレインが提供される。
【0027】
パワートレイン用のそのような構成は、駆動力が、起動されている車両の燃焼機関と同時に車両を推進するために維持される点で有利である。
【0028】
任意選択的には、パワートレインにおいて、歯車装置が係合された連結状態である間に、電気機械装置を回転状態に維持し、回転自在の連結装置を経て、燃焼機関を電気機械装置へ少なくとも部分的に連結し、電気機械装置からトルクを燃焼機関へ伝達し、それにより燃焼機関を限界回転速度まで加速し、ついで燃料供給物を燃焼機関へ供給して燃焼機関を起動状態にすることにより、燃焼機関は、クランク回転されるように作動自在である。
【0029】
任意選択的には、パワートレインにおいて、1個以上のセンサは、1個以上のシャフトの回転速度を測定する回転速度センサとして設置され、トルクの大きさは、パワートレインの構成部材の慣性モーメントから、および1個以上の測定された回転速度から一時的に演算された角加速度から、演算される。
【0030】
本発明の第3の態様によれば、
燃焼機関と、
電気機械装置と、
燃焼機関と電気機械装置のいずれか、または両方から回転力を受容して、駆動力を負荷へ伝達するように作動自在な歯車装置と、
燃焼機関、電気機械装置および歯車装置の作動を制御するために、それらの装置と連通して連結される制御ユニットと、を含むハイブリッドパワートレインであって、
燃焼機関が非起動状態と起動状態との間で切換自在であるように、作動中に構成自在であり、燃焼機関は、機関の非起動状態から機関の起動状態への切換のためにクランク回転される必要がある、ハイブリッドパワートレインを制御する方法であって、
パワートレインの作動を制御するために、制御ユニットの複数の入力部において、パワートレインから生じるフィードバック信号およびコマンド信号を受信し、およびコントロールユニットの複数の出力部において出力信号を出力するステップと、および
制御ユニットにおいて制御ユニットの演算ハードウェア上で実行自在なパワートレインのトルクシミュレーションを適用するステップであって、シミュレーションは、複数の入力部において受信された情報を処理して補償を演算するために作動中に適用自在であり、制御ユニットは、機関が機関の起動状態と機関の非起動状態との間で切換えられるときに、パワートレインにおいて作動中に生じるトルクジャークの振幅を減少するために、複数の出力部において補償を適用するように作動自在である、ステップとを含むことを特徴とする、方法が提供される。
【0031】
任意選択的には、その方法は、
(a)歯車装置へ伝達されるトルクを減少することにより歯車切換を開始し、ついで歯車装置を中立状態にするステップと、
(b)中立状態にある歯車装置とほぼ一時的に一致するように、燃焼機関へクランク回転トルクの伝達を制御するステップであって、クランク回転トルクおよび燃焼機関への燃料の供給は、燃焼機関を起動状態にさせるように作動自在である、ステップと、および
(c)歯車装置を歯車に係合させ、ついで歯車装置へ伝達されるトルクを増加するステップと、を含む。
【0032】
任意選択的には、その方法は、
(d)歯車装置が中立連結状態にある間に、電気機械装置をほぼ停止状態まで減速することにより燃焼機関をクランク回転するステップと、
(e)回転自在の連結装置を経て、燃焼機関を電気機械装置へ少なくとも部分的に連結するステップと、
(f)電気機械装置を励起して回転自在に加速し、それにより燃焼機関を限界回転速度まで加速するステップと、およびついで
(g)燃料供給物を燃焼機関へ供給して燃焼機関を起動状態にするステップと、をさらに含む。
【0033】
任意選択的には、その方法は、
(h)歯車装置が中立の連結状態である間に、電気機械装置を回転状態に維持することにより燃焼機関をクランク回転するステップと、
(i)回転自在の連結装置を経て、燃焼機関を電気機械装置へ少なくとも部分的に連結し、電気機械装置からトルクを燃焼機関へ伝達し、それにより燃焼機関を限界回転速度まで加速するステップと、およびついで
(j)燃料供給物を燃焼機関へ供給して燃焼機関を起動状態にするステップと、をさらに含む。
【0034】
任意選択的には、その方法において、連結装置には、摺動式クラッチが備えられ、そのクラッチは、クラッチの摺動範囲の少なくとも一部分を通して定トルク連結特性を提供するように作動自在である。
【0035】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1または第2の態様に従うハイブリッドパワートレインを含む車両が提供される。
【0036】
好ましくは、その車両は、バス、トラック、建設車両、バン、旅客車両、ボート、船、固定式機械、または作動中に運転の停止−始動の仕方で比較的高い加速度を出すのを要求される任意の車両から成るグループから選択される。
【0037】
本発明の第5の態様によれば、
燃焼機関と、
電気機械装置と、
燃焼機関と電気機械装置の少なくともいずれかから回転力を受容して、駆動力を負荷へ伝達する歯車装置と、
燃焼機関、電気機械装置および歯車装置の作動を制御するために、それらの装置と連通して連結される制御ユニットと、を含むハイブリッドパワートレインであって、
燃焼機関が非起動状態と起動状態との間で切換自在であるように、作動中に構成自在であり、燃焼機関は、機関の非起動状態から機関の起動状態への切換のためにクランク回転される必要がある、ハイブリッドパワートレインを制御する方法であって、
(a)歯車装置を歯車に係合させ、その装置を通してトルクを伝達して、駆動力を負荷へ供給するステップと、
(b)クランク回転トルクを燃焼機関へ伝達し、かつその機関へ燃料を供給して、燃焼機関を起動するステップであって、燃焼機関のそのような起動は、係合される歯車装置とほぼ一時的に一致する、ステップと、を含む方法において
(c)燃焼機関と電気機械装置との1個以上の回転シャフトには、1個以上のセンサが設けられ、そのセンサは、燃焼機関をクランク回転するときに燃焼機関へ伝達されるトルクの大きさを求め、かつその機関を起動させ、そのようなトルクの大きさは、パワートレインに生じるトルクの急激な変化を少なくとも部分的に補償するように、電気機械装置を制御するために、トルクシミュレーションモデルを使用して制御ユニット内で処理される、方法が提供される。
【0038】
任意選択的には、その方法は、
(d)歯車装置が係合された連結状態である間に、電気機械装置を回転状態に維持することにより燃焼機関をクランク回転するステップと、
(e)回転自在の連結装置を経て、燃焼機関を電気機械装置へ少なくとも部分的に連結し、電気機械装置からトルクを燃焼機関へ伝達し、それにより燃焼機関を限界回転速度まで加速するステップと、およびついで
(f)燃料供給物を燃焼機関へ供給して燃焼機関を起動状態にするステップと、をさらに含む。
【0039】
任意選択的には、その方法において、1個以上のセンサは、1個以上のシャフトの回転速度を測定する回転速度センサとして設置され、トルクの大きさは、パワートレインの構成部材の慣性モーメントから、および1個以上の測定された回転速度から一時的に演算された角加速度から、制御ユニットにより演算される。
【0040】
本発明の第6の態様によれば、データキャリア上にコンピュータプログラムが提供され、そのコンピュータプログラムは、本発明の第4または5の態様に記載の方法を実施する演算ハードウェア上で実行自在である。
【0041】
本発明の第7の態様によれば、コンピュータプログラムがプログラム可能なマイクロコンピュータで実行されるときに、本発明の第4および5の態様に記載の方法を実施するように適応されるか、またはその方法に使用されるコンピュータプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムが提供される。
【0042】
好ましくは、コンピュータプログラムは、インターネットへ接続されるコンピュータ上で実行されるときに、本発明の第1または第2の態様に記載のパワートレインへ、または1個以上のパワートレインの構成部材へダウンロードされるように適応される。
【0043】
好ましくは、コンピュータプログラムプロダクトは、前述のコンピュータプログラムコード手段を有する、コンピュータ読取り可能な媒体に格納される。
【0044】
本発明の第8の態様によれば、燃焼機関および電気機械装置の少なくともいずれから駆動力を受容して、対応する駆動力を負荷へ伝達するように、作動可能な燃焼機関、電気機械装置および歯車装置を有するハイブリッドパワートレインを制御する方法であって、負荷が電気機械装置の手段により駆動されるパワートレイン作動状態から開始される以下のステップ、
歯車装置への電気機械装置の出力回転トルクを減少するステップと、
歯車装置を制御するステップと、および
電気機械装置の手段により燃焼機関をクランク回転するステップと、を含む。
【0045】
その方法により、負荷が燃焼機関の手段により少なくとも駆動されるパワートレイン作動状態が生じる。
【0046】
その方法は、単一クラッチを備えるパワートレインの加速手順に好適であり、そのパワートレインにおいて、電気機械装置が、燃焼機関と歯車装置との間に作動自在に配置され、および単一クラッチが、燃焼機関と電気機械装置との間に配置される。かくして、その方法により、多くの従来技術の解決策に備えられる第2のクラッチを不要にする条件が生じる。
【0047】
さらに、電気機械装置の出力回転トルクは、歯車装置が制御される前に、好ましくはゼロに減少される。その減少手順は、段階的に、すなわちほぼ瞬時に減少にできるが、出力回転トルクは、好ましくは漸減、すなわち徐々に連続的な仕方で漸減される。
【0048】
さらに、その方法のステップは、時間順にかならずしも実施される必要はない。
【0049】
好ましくは、その方法は、
電気機械装置の出力回転トルクの減少後に歯車装置を中立状態へ入替えるステップと、
歯車装置を中立状態へ入替え後に歯車装置内の歯車を係合するステップと、
歯車装置内の歯車を係合後に歯車装置への出力回転トルクを漸増するステップと、
燃焼機関の少なくとも出力回転トルクを漸増する(これは、機関へ燃料を噴射して実施される)ことにより、歯車装置への出力回転トルクを漸増するステップと、および
機関の所定の速度で機関への燃料噴射を開始するステップと、を含む。
【0050】
その漸増段階は、電気機械装置からの動力の寄与と共に実施できる。
【0051】
好ましくは、その方法は、燃焼機関の出力回転トルクが漸増される前に、燃焼機関の出力速度を同期化するステップをさらに含む。
【0052】
好ましくは、その方法は、電気機械装置の手段により燃焼機関をクランク回転するために、燃焼機関と電気機械装置との間に配置されるカップリング装置を起動するステップを含む。これは、複数の方法で実施できる。すなわち第1の実施例によれば、その方法は、カップリング装置を同時に部分的に閉じながら、電気機械装置の特定の回転速度を維持するステップを含む。第2の実施例によれば、その方法は、電気機械装置の手段により燃焼機関をクランク回転する前に、電気機械装置の回転速度を停止まで減速し、カップリング装置を全閉するステップを含む。
【0053】
好ましくは、その方法は、電気機械装置の出力速度と燃焼機関の出力速度を検出し、電気機械装置の検出された出力速度と燃焼機関の検出された出力速度が、所定の速度範囲内にあるとき、カップリング装置を全閉する同期化ステップを含む。
【0054】
好ましくは、その方法は、燃焼機関をクランク回転するのに必要なトルクを補償するために、電気機械装置へ付加トルクを付加するステップを含む。好ましくは、その方法は、トルクを示す複数のパワートレイン作動パラメータを検出し、検出されたパワートレイン作動パラメータに基づいて付加トルクの大きさを演算するステップを含む。
【0055】
好ましくは、その方法は、歯車装置が中立状態にある間に、電気機械装置の手段により燃焼機関をクランク回転するステップを含む。
【0056】
好ましくは、その方法は、歯車装置が係合状態にある間に、電気機械装置の手段により燃焼機関をクランク回転するステップのステップを含む。このようにして、燃焼機関を始動し、かつ機関から歯車装置へトルクを出力する手順に必要な合計時間を短縮できる。かくして、歯車装置の入力シャフトが負荷へ係合されている間に、燃焼機関は、電気機械装置の手段により好ましくはクランク回転される。これに関連して、好ましくは、その方法は、電気機械装置の歯車装置への出力回転トルクの減少の間に、または代わりに歯車装置への出力回転トルクの漸増の間に、電気機械装置の手段により燃焼機関をクランク回転するステップを含む。
【0057】
漸減の最後の段階において、電気機械において利用できるトルクがあり(すなわち、電気機械は、その最大出力回転トルクにおいて、またはそのトルク近くでは作動していない)、および、この利用できるトルクの少なくとも一部分を、この段階において付加できる。同様に、漸増の初期の段階において、電気機械において利用できるトルクがあり(すなわち、電気機械は、その最大出力回転トルクにおいて、またはそのトルク近くでは作動していない)、および、この利用できるトルクの少なくとも一部分を、この段階において付加できる。かくして両方の場合に、機関をクランク回転するのに使用できる、利用できる余分のトルクが電気機械にある。かくして、漸増または漸減の段階の限定された部分のいずれかの間に、電気機械装置の出力トルクは、機関をクランク回転するために短時間にかなり増加(好ましくは最大トルクまで)される。
【0058】
好ましくは、その方法は、燃焼機関の出力回転トルクの同期化後に、電気機械装置の手段により燃焼機関をクランク回転するステップを含む。
【0059】
好ましくは、その方法は、電気機械が最大出力回転トルクで作動される作動状態とかなり異なる作動状態に、電気機械装置があるときに、電気機械装置の手段により燃焼機関をクランク回転するステップを含む。
【0060】
好ましくは、その方法は、電気機械装置の手段による負荷の駆動から燃焼機関の手段による負荷の駆動への切換えの間に、歯車装置(500)内の歯車を切換えるステップを含む。
【0061】
本発明の特徴は、添付請求項により規定される本発明の範囲から逸脱することなく、任意の組合せで組合せできることが分かる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
本発明の実施態様を、添付図面を参照して単に一例をあげて、ここで説明する。
【0063】
以下において、本発明に従うハイブリッドパワートレインの実施態様を説明する。その後に、ハイブリッドパワートレインの作動を明らかにする。ついで、ハイブリッドパワートレインの代替実施態様を説明する。
【0064】
以下において、本発明が、車両用のハイブリッドパワートレインの実施態様において例示されるが、これは、本発明の適用分野に関して決して限定するものではない。反対に、本発明は、列車、ボート、船、および固定式適用装置用のハイブリッドパワートレインにおける例に関して多くの他の適用分野においても有用である。
【0065】
ここで
図2を参照すると、300により一般に示されるハイブリッドパワートレインが図示される。パワートレイン300は、強化された信頼性と簡潔性を確保するために、比較的少ない構成部材を含むように設計される。さらに、それらの部材の多くは、世界中を通して車両に使用される十分に実績のある適合部材である。しかしながら、ハイブリッドパワートレイン300は、後でさらに説明される幾つかの重要な面で既知のパワートレインと異なる。
【0066】
パワートレイン300は、付随する排気マニホールド320を有する燃焼機関310を含む。燃焼機関310は、通常の吸引式またはターボ過給式のいずれかにできる。任意選択的には、燃焼機関310は、ディーゼル機関、バイオガス機関またはガソリン機関である。燃焼機関310の、出力クランクシャフト340と省略される、機関トルク出力クランクシャフト340は、クラッチ330の第1のプレートへ回転自在に連結される。クラッチ330の第2のプレートは、別のシャフト350を経て電気機械装置360へ回転自在に連結される。クラッチ330は、好ましくは、
図4を参照して後で説明されるトルク連結特性を提供する摺動式クラッチであり、またクラッチ330は、全離脱から全係合へ、および全離脱と全係合との間のトルク連結の程度を、連続的に調節自在である。
【0067】
電気機械装置360には、少なくとも1個の電気機械370が備えられ、その機械は、電気エネルギーにより励起されるとき、回転機械力およびかくして駆動力を発生するように作動自在であるばかりではなく、再生制動およびかくして制動トルクを生成するように構成されるときに発電機として機能するようにも作動自在であり、かくして電気機械370は、電動機として、および発電機として両方を機能できる。電気機械370は、任意選択的には、誘導機器として、もしくはスイッチ磁気抵抗機器または永久磁石技術に基づく機器として設置される。電気機械装置360には、出力シャフト380と省略される、電動機トルク出力シャフト380がさらに備えられ、そのシャフトは、電気機械370へ回転自在に連結され、かつ図示されるように、クラッチ330を経て燃焼機関310の出力回転シャフト340へも連結される。加えて、電気機械装置360は、電気機械制御ユニット390と、および駆動電動機として、または発電機としての電気機械370の機能に応答して電気機械370との間で高電流を切換えるパワーエレクトロニクスユニット400とを含む。
【0068】
パワートレイン300は、エネルギー貯蔵エレメント460の放電と充電を管理するエネルギー貯蔵コントローラ470へ電気的に連結されるエネルギー貯蔵エレメント460を備えるエネルギー貯蔵アッセンブリ450も含む。エネルギー貯蔵エレメント460は、任意選択的に、たとえば、ニッケル水素(NIMH)電池技術、最新の充電式鉛蓄電池技術、充電式リチウムイオンセル技術、または充電式リチウムポリマーセル技術を使用する充電式電池として設置される。エネルギー貯蔵エレメント460としてのスーパーコンデンサの使用も可能である。しかもより任意選択的には、エネルギー貯蔵エレメント460は、たとえば、ハイドロリックエネルギー貯蔵技術、回転フライホイールモーメンタム貯蔵技術、または適切なエネルギー変換装置(図示されない)と組合せた他の任意型式の機械的エネルギー貯蔵技術を使用して設置でき、その変換装置は、
(i)電気機械370(発電機として機能する)により生成される電気エネルギーを、前述のエネルギー貯蔵エレメント460内の貯蔵に適切なエネルギー形態に変換するか、または
(ii)前述のエネルギー貯蔵エレメント460内に貯蔵されたエネルギーを、電気機械70(電動機として機能する)内での使用のために電気エネルギーに変換する。
しかもより任意選択的には、エネルギー貯蔵エレメント460は、これらの技術の個別の充電と放電を最も良く利用するために、幾つかのそのようなエネルギー貯蔵技術の組合せ装置として設置できる。
【0069】
パワートレイン300とその車両は、それに付随する電気補助機器480、たとえば、1個以上の電気ヒータ、ファン、安全システムおよび車両環境制御機構を有する。これらの電気補助機器480は、
図2に示されるように、エネルギー貯蔵エレメント460へ電気的に連結される。
【0070】
前述の電動機トルク出力シャフト380は、歯車装置500へ回転自在に連結される。歯車装置500は、幾つかの個別の歯数比、および電動機トルク出力シャフト380から最終出力シャフト510までの中立カップリングを提供するように作動自在である。最終出力シャフト510は、差動歯車520を経てシステムの負荷530へ回転自在に連結され、そのシステムは、中にパワートレイ300が取付けられる車両(システム)の従動車軸の車輪(負荷)として
図2に例示される。
【0071】
図2に示される種々の出力シャフト340、350、380、510は、「回転自在のシャフト」または「回転自在の出力シャフト」とも呼ばれる。
【0072】
そのシステムは、任意選択的には、旅客車両、ボート、船、またはバス、トラック、建設車両、配達用バンのような重量車両、または作動中に運転の停止−始動の仕方で比較的高い加速度を出すのを要求される任意の型式の車両である。しかしながら、本発明は、そのような車両に限定されない。負荷530には、車輪、推進装置またはシステムの特性に左右される同様な装置を含むことができる。
【0073】
パワートレイン300には、クラッチ330に付随するアクチュエータアッセンブリ(図示されない)へ、電気機械制御ユニット390へ、エネルギー貯蔵コントローラ470へ、および歯車装置500に付随するアクチュエータユニット(図示されない)へ電気的に連結される中央制御ユニット490が設けられる。中央制御ユニット490は、車両のドライバへの複数の入力インターフェイスを提供し、たとえば、中央制御ユニット490は、ドライバからの加速、制動および歯車切換のコマンド信号を受信するように連結される。さらに、
図2には例示されないが、パワートレイン300は、
図5に示されるように、トルクを測定するために、または引続くトルクの演算または予測を可能にするパラメータ信号を測定するために、パワートレイン300内の種々の重要な位置にセンサを備え、それらのセンサは、有利には、回転速度センサとして設置され、たとえば、信号を発生するように作動自在である光学的または誘導型エンコーダとして設置される回転計であり、その信号から、トルクの大きさが、数式1を使用して角加速度
dω/
dtから演算できる。
【0074】
【数1】
【0075】
ここに、
T=トルク、および
I=慣性モーメント
【0076】
中央制御ユニット490は、燃焼機関310、クラッチ330、電気機械装置360および歯車装置500の相互作用に関して後で説明される種々の機能を実施するように作動自在である。さらに、中央制御ユニット490は、有利には、1台以上のコンピュータから成る演算ハードウェアを使用して設置される。
【0077】
一般に、最新技術で知られるハイブリッドパワートレインは、作動中に、トルクの急激な変化、すなわちトルク「ジャーク」を生じやすい。そのような好ましくないジャークの影響を減少するために考えられる解決策は、前述の特許文献1に開示される2個の切離しクラッチを採用することである。しかしながら、そのような考えられる解決策は、特にバスおよびトラックのような大型車両の場合に望ましくない。前述の特許文献1は、自家用車、小型車両および同様な車両のような個人車両に関する。大型のハイブリッド車両用の代表的なパワートレインの場合、燃焼機関は、数百キロワットもの機械的動力を発生でき、同様に電動機は、100kw程度、潜在的には200kw以上の機械的動力を送出するように定格付けされる。かくして、特許文献1に記載される解決策に従うと、コストが増加し、重量が増加し、パワートレインのサイズが増加し、および潜在的に使用できない多くの品目に対応する多くの構成部材の理由でパワートレインの信頼性が減少する。かくして要約すると、
図2に例示される本発明に従うパワートレイン300は、特許文献1に開示されるものと異なる構成を示す。
【0078】
パワートレイン300の作動を、ここで
図2を参照して説明する。中央制御ユニット490は、燃焼機関310がパワートレイン300用の向上された燃費を提供できるために熱作動状態の最も有効な部分において作動するように、燃焼機関310を周期的に起動するようプログラムされる。有利には、燃焼機関310は、最良に調整された構造のものである。したがって、燃焼機関310が、燃料の供給を受けることなく起動解除状態にある期間がある。燃焼機関310が起動解除状態にあるとき、クラッチ330は、有利には、中央制御ユニット490により起動解除状態にあるように起動される。先に述べたように、クラッチ330は、燃焼機関310が燃料の供給を受けて起動状態にあるとき、燃焼機関310からのトルクを伝達するように少なくとも部分的に係合される。中央制御ユニット490は、燃焼機関310の起動解除と起動が、感知できるトルクジャークをほぼ生じることなく、パワートレイン300内で実施されるように、電気機械370、クラッチ330、および燃焼機関310の起動を制御するようにプログラムされる。そのような特性は、パワートレイン300が、作動中に、立っている乗客を移送するバスに採用されるときに特に重要であり、そのようなバスは、不当に交通の流れを妨害しないために、しかも経済的制約と燃料放出制約に合致するために、できるだけ燃料効率のよいように、市内環境において円滑かつ迅速に加速する必要がある。
【0079】
ここで
図4を参照すると、クラッチ330は、そのクラッチプレート用に選択された一定の摺動ができるように摺動状態にあるときに、そのクラッチを通して定トルク伝達をほぼ提供するように作動自在である。
図4において、横座標600は、クラッチ330を通して増加するカップリングKを示し、カップリングKが左から右へ増加する。さらに
図4において、前述のシャフト340と350との間のクラッチ330を通して伝達されるトルクを示す縦座標610も含まれ、トルクTは、縦座標610に沿って下端から上端へ増加する。カップリングKの関数としてクラッチ330を通して伝達されるトルクTは、カーブ620により示され、かつ中間領域630内に含まれる。カップリングKが0%のとき、2個のシャフト340、350は、相互に切離される。さらに、カップリングKが100%のとき、2個のシャフト340、350は、互いに連結され、かつ相互に角同期化される。カップリングKの中間領域630において、クラッチ330が摺動モードで作動自在であり、そのモードにおいてクラッチ330は、図示されるように、カップリングKの一定の対応する値に対してトルクTの一定の値を伝達するように作動自在である。そのような特性は、燃焼機関310により発生されるトルクジャークが、領域630内で作動されているクラッチ330と一致して機関が始動されるとき、トルクの急激な変動に対するフィルタとして機能するクラッチ330に生じる点で非常に有利である。この特性は、燃焼機関310が、その起動状態まで始動されている間に、パワートレイン300が動力を車輪530へ円滑に送出できるように、本発明において好都合に使用される。たとえば、抗力を形成する非起動状態から駆動トルク源を形成する起動状態まで変化する燃焼機関310に応答して、クラッチ330を通して伝達されるトルクの急激な変化が生じるとき、トルクの段階変化は、トルクジャークとしてパワートレイン300を通して伝播しやすい。そのような段階変化により、クラッチ330が、摺動状態から同期化された状態へ急激に変化するとき、クラッチ330は、トルク変動フィルタリング特性をもはや提供しないので、トルクの段階変化、すなわち潜在的にジャークを生じて、パワートレイン300を通して伝播するが、本発明は、そのようなジャークの伝播を減少するように作動自在である。
【0080】
中央制御ユニット490は、ジャークの(好ましくない)影響をかなり減少させながら、またはパワートレイン300の出力シャフト510において利用できる駆動トルクを中断させながら、燃焼機関310を始動するために2つの異なる手順を選択的に採用するように作動自在である。第1の手順は、
図3を参照して説明され、その図において、横座標700は左から右へ経過時間を示し、および縦座標710は、歯車装置500を通して車輪530へ送出されるトルクを示す。カーブ720は、移行段階P1ないしP7の間に歯車装置500を経て提供される駆動トルクTを示す。
【0081】
第1の手順において、以下のステップが続いて実施される。
(a)段階P1において、燃焼機関310は起動解除状態にあり、電気機械370は、歯車装置500を通して負荷530へ駆動トルクを伝達するためにエネルギー貯蔵エレメント460から充電され、
(b)段階P2中に、エネルギー貯蔵エレメント460から電気機械370へ供給される電力は、歯車装置500内に備えられる歯車により生じるトルクを減少するように、漸減の仕方で徐々に減少され、
(c)段階P3において、中央制御ユニット490は、歯車装置500に付随するアクチュエータに、歯車装置500を中立に入替えるように指令して、シャフト380、510を切離すようにし、
(d)段階P4において、クラッチ330は、少なくとも部分的に係合され、ついで電力が、電気機械370へ加えられて、50ミリ秒ないし2秒の標準的な範囲、より任意選択的には、0.25秒ないし1秒の範囲の時間に燃焼機関310をクランク回転し、この時間中に燃焼機関310への燃料供給が開始されて、燃焼機関310を起動状態にし、燃焼機関310が安定した仕方で作動しているとき、クラッチ330は、任意選択的には、全係合し、すなわちカップリングK=100%となり、
(e)段階P5中に、中央制御ユニット490は、シャフト380、510の相互の回転速度を同期化するように、燃焼機関310への燃料供給量および電気機械370へ供給される電力の少なくともいずれかを調整するように作動自在であり、ついで歯車装置500が歯車に係合され、
(f)段階P6中に、中央制御ユニット490は、電気機械370および燃焼機関310の少なくともいずれかからのトルク出力を増加するように作動自在であり、および
(g)段階P7中に、歯車装置500へ送出されるトルクは、中央制御ユニット490においてドライバから受信されるデマンドに応答して変えられる。
【0082】
ステップ(d)において、クラッチ330の部分係合は、燃焼機関310と電動機370との間のトルクジャーク伝達を少なくとも部分的にフィルタリングするために、任意選択的に使用できる。
【0083】
第1の手順は、幾つかの異なる方法で実施できる。段階4に対応するステップ(d)において、
(i)電気機械370は、中央制御ユニット490からのコマンドを受信する電気機械制御ユニット390を使用して特定の回転速度で駆動されることができる。ついでクラッチ330は、燃焼機関310の出力シャフト340を加速するように適切なトルクを伝達するために、カップリングKが100%未満であるように、部分的に係合される。燃焼機関310の出力シャフト340が、十分に高い速度を達成したとき、燃焼機関310への燃料供給が開始されて、燃焼機関310は作動状態になる。任意選択的には、ついでクラッチ330は、クラッチを通しての全トルクカップリング、すなわちカップリングK=100%になるように調整されるか、または代わりに、
(ii)電気機械370は、たとえば、その回転エネルギーが、エネルギー貯蔵エレメント460を充電するのに伝達されるように、回生制動により停止される。つぎにクラッチ330は、カップリングK=100%になるように全係合される。ついで電気機械370は、燃焼機関310の出力シャフト340をクランク回転するためにトルクを生成するようにされ、それにより、燃焼機関310の出力シャフト340が加速される。出力シャフト340が、十分に高い回転速度で回転すると、燃料が燃焼機関310へ供給されて、燃焼機関310を起動する。
【0084】
任意選択項目(i)は、潜在的には、燃焼機関310を作動する時間を少なくさせる。任意選択項目(ii)は、潜在的には、エネルギー効率を良くする。
【0085】
重要なことには、手順P1ないしP7は、段階P3に対応するステップ(c)が、歯車装置500を中立にするのを要求するときに、有利には、歯車装置500内の歯車切換と連係して実施される。歯車切換と連係しての第1の手順の実施により、燃焼機関310が作動されない対応する単純な歯車切換と比べて、歯車切換の時間が僅かに長くなることがある。しかしながら、実際に、その時間延長は、特にトラック、バス、ボート、船および同様なもののような大型システムにおいては、問題であることは見出されない。
【0086】
パワートレイン300の作動が必要とされる幾つかの状態において、負荷530、たとえば、車輪への動力伝達は、燃焼機関310の作動中に中断されないことは有利である。たとえば、バスが、厳しい排気放出物規制を受ける市内環境で使用されるとき、およびバス内の乗客に、安全上の問題を生じるジャークを経験させることなく、市内交通と一体化するために、バスが、円滑な仕方で加速する必要があるとき、そのような状態が生じる。
【0087】
発明者は、2つの重要な問題を認識した。すなわち
(a)摺動範囲630にあるクラッチ330は、トルクジャークのフィルタリングを実施でき、および
(b)電動機370は、燃料供給を制御することによる燃焼機関310よりも非常に正確に制御されることができるので、そのトルクと回転モーメンタムを急速に変えることができる。
【0088】
そのような認識は、燃焼機関310を起動する、本発明に従う第2の手順を説明するときに重要であり、非起動状態の燃焼機関310からの移行により、抗力トルクが起動状態になり、かつ駆動トルクが生成すると、クラッチ330を通して伝達されるトルクの急激な変化を生じ、たとえば、クラッチ330に、クラッチを通しての同期化を迅速に達成させる。
【0089】
先ず第2の手順を説明するために、パワートレイン300内のトルク均衡を先ず説明する。
図5を参照すると、トルクT
desは、歯車装置500が歯車に係合されるときに歯車装置500へ送出されるのが望ましいトルクであると定義される。トルクT
b,EMは、
図2および5に示されるように、歯車装置500へ直接連結される電気機械370により送出されるトルクと定義され、「EM」は、「電気機械」の省略である。しかしながら、燃焼機関310が起動解除状態にあり、かつクラッチ330が少なくとも部分的に係合されて、たとえば、
図4の領域630において抗力トルクT
CLを生じるとき、数式2は、歯車装置500の入力部において利用できるトルクT
desを記述する。
【数2】
【0090】
かくして、クラッチ330が、カップリングK=0%になるように、全離脱されるとき、数式3は、パワートレイン300における純粋な電気駆動の状態を記述する。
【数3】
【0091】
歯車装置500が歯車に係合されるときに燃焼機関310の円滑なクランク回転を達成するために、中央制御ユニット490は、数式4により定義されるトルク設定点T
set,EMを達成するように、電気機械370への励起を正確に制御するよう作動自在である。
【数4】
【0092】
発明者は、クラッチ330を通して伝達される、「CL」は「クラッチ」の省略であるトルクT
CLを、本発明を実施するトルクセンサを使用して測定できるが、高精度のトルクセンサは高価になる傾向があることを認識した。さらに発明者は、トルクT
CLを、クラッチ330のプレート間の摺動の程度を定義する前述のカップリングKからも推定できるが、そのような推定は、正確に求めることが難しく、かつクラッチ330が磨耗するにつれて狂いやすいことを認識した。クラッチ330を通して伝達されるトルクT
CLを測定する最適の方法を提供するために、発明者は、数式1における関係を、慣性モーメントが既知である条件で、すなわち角加速度
dω/
dtを測定することにより採用できることを認識した。かくして、数式2ないし数式4から、数式5を得ることができる。
【0093】
【数5】
【0094】
ここに
T
fric,ICE=燃焼機関310の内部摩擦、および
T
ind,ICE=燃焼機関310により発生される図示トルク、
ここに「ICE」は、「内燃機関」の省略である。
【0095】
かくして、燃焼機関310の内部摩擦、燃焼機関310内の摩擦抗力、および燃焼機関310により送出される機械力を知ることにより、トルクT
CLを演算して、中央制御ユニット490は、燃焼機関310を起動するときに生じるトルクジャーク、たとえば、駆動トルクを送出するために機関310が起動されて作動するときにクラッチ330の急激な同期化により生じるトルクジャークを補償するために、数式4に従って電気機械370へ励起を選択的に加えることができる。
【0096】
任意選択的には、第2の手順も、歯車切換中に、燃焼機関310を起動するときにパワートレイン300から非常に円滑な特性を達成するために適用されることができる。
【0097】
燃焼機関310を起動する第1と第2の手順を前述してきたが、燃焼機関310を起動解除するときも、その機関のシャフトの機関回転数が、燃焼機関310の種々の機械的共振モードを通過するときに振動を生じることがある。任意選択的には、歯車装置500を中立にして、電気機械370を、強力な回生制動力を適用するのに使用して、燃焼機関310への燃料供給が中断された後に、燃焼機関310の出力シャフト340を、ほぼ迅速に固定状態にし、それにより、起動状態から前述の振動モードを励起できる起動解除状態への移行時間を減少できる。
【0098】
出力シャフト340の回転のそのような急速な減速は、エネルギー貯蔵エレメント460を充電するために電気機械370により回収されるエネルギーを使用して対応できる。
【0099】
先に説明したように、中央制御ユニット490は、数式5に従うトルク均衡のシミュレーションを使用して、パワートレイン300に生じるトルクジャークの大きさを演算し、かつそのようなトルクジャークを生じさせるトルク不均衡の値を使用して、そのようなトルクジャークを無くして避けるために、電気機械370へ送出される瞬間動力を決める適切な制御信号を得るように作動自在である。任意選択的には、制御ユニット490は、前述のパワートレイン300の変更態様が、1000により一般に示される
図6に概略図示されるトルク減衰を提供するようにも作動自在である。変更態様のパワートレイン1000は、出力シャフト380上に回転速度ω
EMを検知し、かつ最終出力シャフト510上に駆動出力回転速度ω
SHを検知するシャフト回転速度センサを含む。燃焼機関310が1回以上クランク回転され、始動され、かつ起動解除されると、最終出力シャフト510において供給されるトルクT
s,OPは、歯車装置500が連結されているかどうかに関係なく、かつ完全に円滑な動力伝達特性を提供するクラッチ330の連結状態に関係なく、理想的には急激なトルク変化を受けないはずである。
【0100】
任意選択的には、角度的に追従するトルクバネ1010が、クラッチ330と直列に備えられる。トルクバネ1010は、トルクT
b,ICEとT
b,EMとの間の瞬間差に比例するシャフト340と350との間の角度差Δθを示す。電気機械370へ加えられる動力に応答して急速に変化自在である電気機械370により発生されるトルクT
b,EMの理由のために、回転速度ω
EMは、たとえば、光学式回転計または誘導式回転センサを使用して検知され、および制御ユニット490内でフィードバック機能部F1を経て否定的にフィードバックされて、燃焼機関310からクラッチ330を経て供給されるトルクT
b,ICEの急速な変化に応答して、電気機械370に、比較的円滑に変化する回転速度ω
EMを維持させることができる。任意選択的には、機能部F1は、他のフィードバック機能部を代わりに採用できるが、比例積分微分(PID)フィードバック機能部である。PIDフィードバック機能部が、比例、積分および微分の係数C
P、C
I、C
Dを有する機能部F1用に採用されるとき、これらの係数は、中央制御ユニット490において個別に制御されることができ、かつ任意選択的には、パワートレイン1000の作動条件に応答して動的に変化自在である。電気機械370のロータと同一のシャフトに関して取付けられる、回転速度ω
EMを測定するのに使用されるセンサの理由のために、瞬間のバックラッシおよび回転伝播遅延は、ほぼ生じない。任意選択的には、パワートレイン1000に応答して円滑さをさらに向上するために、別の回転速度センサが、フィードバック機能部F2を経て否定的にフィードバックされる回転速度ω
SHを監視するために備えられて、燃焼機関310からクラッチ330を経て供給されるトルクT
b,ICEの急速な変化に応答して、電気機械370に、比較的円滑に変化する回転速度ω
EMを維持させる。
【0101】
歯車装置500内に潜在的に生じるバックラッシュの理由のために、フィードバック機能部F2は、有利には、フィードバック機能部F1よりも長い時定数を示すように配置される。任意選択的には、機能部F2も、他のフィードバック機能部を代わりに採用できるが、比例積分微分(PID)フィードバック機能部である。PIDフィードバック機能部が、比例、積分および微分の係数C
P、C
I、C
Dを有する機能部F2用に採用されるとき、これらの係数は、中央制御ユニット490において個別に制御されることができ、かつ任意選択的には、パワートレイン1000の作動条件に応答して動的に変化自在である。
【0102】
任意選択的には、1個以上のフィードバック機能部F1,F2は、中央制御ユニット490の演算ハードウェア上で実行可能なソフトウェアを使用して実施できる。より任意選択的には、1個以上のフィードバック機能部F1,F2を実施するために採用されるフィードバック係数、すなわちゲイン係数は、燃焼機関310の始動と停止に応答して、および/または歯車装置500内の歯車切換に応答して、動的に変化自在である。かくして、
図6に示されるフィードバック装置を採用することにより、燃焼機関310の始動と停止から生じるトルクジャークは、シャフト回転速度において動的振動を励起する傾向を避けながら、電気機械370により少なくとも部分的に補償されることができる。
【0103】
数式5を参照して前述したように、中央制御ユニット490は、燃焼機関310の始動と停止から生じるトルクジャークを少なくとも部分的に補償するために、任意選択的には、クラッチ330に生じる摺動により支援される、電気機械370から提供される最も適切な瞬間トルクを決めるトルク平衡演算M
expを採用するように作動自在である。数式5において説明されるトルク平衡に基づく演算を使用する、そのような補償は、
図6に示され、かつ最高の性能を得るために前述されたように、急速なトルク変化を補償するフィードバックにより補足されることができる。
【0104】
図7を参照すると、中央制御ユニット490は、ほぼ図示されるように、フィードバック制御機能を実施するように配置され、その制御機能の代わりの代表例が
図8に一例として示される。制御ユニット490への入力パラメータPiは、以下の1つ以上を含むことができる。
(a)パワートレイン300、1000の演算子により規定される動力デマンド、たとえば、パワートレイン300、1000が、車両を推進するために取付けられるとき、車両のドライバが車両のアクセルペダルを押す程度に対応する動力デマンド、
(b)演算子により選択される歯数比、たとえば、好ましい歯車、および/または歯車装置500の歯車を上方または下方へ入替える指令、
(c)パワートレイン300、1000により駆動される負荷、たとえば、パワートレイン300、1000が、車両を推進するために取付けられるとき、車両により移送される負荷であって、たとえば、バスで移送される人員数(すなわち、バスの乗客が満員であるか、そうでないかに関係なく)は、制御ユニット490が使用する有用な作動パラメータである負荷、
(d)パワートレイン300、1000が車両を推進するために上に構成される、地面であって、任意選択的には、車両には、地球表面の車両のGPS位置を求めるために作動自在である全地球位置把握センサ(GPS)が設けられ、制御ユニット490には、GPS位置から、車両が上を走行する勾配輪郭を、および/または車両が、実施を短く要求される舵取り動作の指示を、求めるための地図データベースへのアクセスが設けられ、制御ユニット490は、有利には、燃焼機関310の始動と停止から生じるトルクジャークをほぼ欠いている、車輪への最適に円滑な駆動トルク特性を車両へ提供するために、歯車切換を予測するように、および/または燃焼機関310を自動的に停止または始動するようにプログラムされ、任意選択的には、制御ユニット490は、たとえば、データベースを参照して、GPS位置が、清浄空気ゾーンのような特殊の条件または制約に対応するかどうかを判断するために定期的間隔でGPS位置を監視するように作動自在であり、そのゾーン内では、パワートレイン300、1000が、燃焼機関310を清浄空気ゾーン内で非起動状態にして、電気機械370のみを使用して機能するように制約される、地面、
(e)パワートレイン300、1000が、車両を推進するために取付けられるときの車両舵取り角、
(f)パワートレイン300、1000が、車両を推進するために取付けられるときの制動デマンドであって、車両の速度を減少するのに使用され、任意選択的には、そのような制動は、エネルギー貯蔵エレメント460に貯蔵されるエネルギーとして車両の動的エネルギーを貯蔵する回生エネルギーとして実施され、制御ユニット490は、電気機械370からエネルギー貯蔵エレメント460へのエネルギーの流れを制御するように作動自在である、制動デマンド。
【0105】
制御ユニット490には、多パラメータ差演算機能部1020が備えられ、その機能部は、入力パラメータP
iを受信し、および時間間隔で、第1のマトリックス変換K1を入力パラメータP
iへ適用して、数式7に記述されるように対応する第1の中間パラメータP
mi,tを生成する。
【数7】
【0106】
さらに、制御ユニット490は、演算機能部1020において、R
kにより示されるフィードバックパラメータ用の入力部を含む。フィードバックパラメータR
kは、以下の1つ以上を含む。
(g)シャフト340、350、380、510の1個以上の回転速度、
(h)燃焼機関310が作動中で燃料を消費しているかどうか、
(i)クラッチ330を通す連結と、かつクラッチ内に生じる摺動とに関してのクラッチの調整、
(i)電気機械370へ送出されるか、または電気機械により発生される動力の程度、および
(j)たとえば、シャフト510へ取付けられるトルクセンサを使用して検知される、シャフト510において送出されるトルク。
【0107】
多パラメータ差演算機能部1020は、時間間隔で、第2のマトリックス変換K2をフィードバックパラメータR
kへ適用して、数式8に記述されるように対応する第2の中間パラメータR
mi,tを生成するように作動自在である。
【数8】
【0108】
ついで第1と第2の中間パラメータは、パワートレイン300、1000内のトルクの平衡を記述する、数式5のモデル表示、すなわちトルクシミュレーションへ提供される。エラーパラメータQ
iが、前述のトルク平衡(数式5)を使用して、数式9により示される多パラメータ減算機能部1050により生成される。
【数9】
【0109】
エラーパラメータQ
iは、歯車装置500、電気機械370、クラッチ330、燃焼機関310、および任意選択的には、
図6に示される時間tの関数としてフィードバック用の減衰パラメータを駆動するのに採用される。
【0110】
中央制御ユニット490における、そのような高度なフィードバック制御を使用することにより、パワートレイン300、1000の性能を、燃焼機関310が周期的に起動され引続いて起動解除されるときに生じるトルクジャークを一層正確に打消すことに特に関して、かなり向上できる。
【0111】
パワートレイン300、1000のいずれかを含む車両の作動を、ここで一例として説明する。
【0112】
第1の実施例において、車両が、路面がほぼ水平である道路に沿って走行しており、その車両は、エネルギー貯蔵エレメント460から動力を供給される電気機械370によってのみ推進される。車両のドライバが、車両のアクセルペダルをさらに押すと、制御ユニット490は、電気機械370へ一層多くの動力を加える。電気機械370が、その最大許容回転速度に近づくと、制御ユニット490は、歯車装置500を電気機械370から切離し、ついで電気機械を使用し燃焼機関310をクランク回転して、燃焼機関310を、その起動状態にさせる。その後に、制御ユニット490は、歯車装置500に、歯車を上方へ入替するように指令し、ついで起動状態にある燃焼機関310へクラッチ330を経て連結されている電気機械370を係合させる。歯車装置500が離脱される間に電気機能370を使用して燃焼機関310を始動する理由のために、トルクジャークを、車両のドライバは、ほぼ感じない。
【0113】
車両に関する第2の実施例において、車両は、電気機械370によってのみ推進される間に、上り坂の道路に沿って走行している。車両のドライバは、アクセルペダルをさらに押す。車両のGPS位置から、制御ユニット490は、地図データベースを参照してGPS位置から、車両が、後に長い下り坂の傾斜が続く丘の頂部に接近していることを判断する。制御ユニット490は、電気機械370のみを使用して車両の推進を続けること、および、さらに押されるアクセルペダルに応答して歯車装置500を、1個の歯車を上方に入替えることが有利であると演算する。車両は、間もなく丘の頂部に接近し、その後に下り坂において加速され、その結果、エネルギー貯蔵エレメント460を充電する回生ブレーキとして電気機械370が制御ユニット490により使用され、それにより、重力の結果として車両が過大な速度に達するのが防止される。車両が、丘の下り坂の低い領域に接近するとき、制御ユニット490は、燃焼機関310が起動状態に達すると生じる瞬間トルクジャークを補償するように作動自在な電気機械370で、下り坂を走行する車両により得られるモーメンタムを使用して燃焼機関310を始動することを最終的に選ぶ。それにより制御ユニット490は、丘の頂部に接近し、続いて下り坂を走行するときに、燃焼機関310を作動する必要を回避している。
【0114】
それにより本発明は、燃焼機関310の磨耗を減少できるばかりではなく、車両の全燃料消費量を減少することができる。歯車装置500が電気機械370から離脱されている間に燃焼機関310を起動することによりトルクジャークは最も有効に避けられるが、制御ユニット490は、駆動装置が歯車装置500を経て連結されて車両を推進するのと同時に、燃焼機関310がクラッチ330を経て始動されるときに生じる感知される大きさのトルクジャークも減少でき、その大きさは、前述の数式5にほぼ従って実施されるトルク演算に基づくトルク補償により達成されることである。車両の重量は、上り坂を運ぶに必要な負荷を決定し、および回生制動を適用して得ることができるエネルギーの量を決定する重要な因子であり、このために、入力を制御ユニット490へ送る有用なパラメータである。車両の重量は、有利には、車両の懸架装置に付随する歪センサにより求めることができる。
【0115】
本発明を、パワートレイン300、1000に関して前述してきたが、本発明は、そのような構成に限定されることなく、他の構成のパワートレインに使用するように適応できることが分かる。かくして、前述の本発明の実施態様の変更は、添付請求項に規定される本発明の範囲から逸脱することなく可能である。
【0116】
中央制御ユニット490は、前述の説明に付随する
図2ないし8に例示されるように、パワートレイン300、1000内で連結される1台以上のコンピュータの構成として設置される。任意選択的には、制御ユニット490は、パワートレイン300、1000の周りに空間的に配設されるデータプロセッサの配列に対応し、プロセッサの配列は、通信ネットワーク、たとえば、CANバスなどを経て相互に接続される。さらに、中央制御ユニット490は、本発明を実施する1個以上のソフトウェアプロダクトを実行するように作動自在である。さらに制御ユニット390は、有利には、パワートレイン300、1000の外部源から、そのような1個以上のソフトウェアプロダクトを受入れるインターフェイスを備え、それにより、中央制御ユニット490を、1個以上のソフトウェアプロダクトの新しいバージョンで、遠隔的にアップグレードさせる。そのインターフェイスは、固体読出し専用記憶素子(ROM),光ディスク、1個以上のソフトウェアプロダクト用のデータキャリアとして機能する磁気ディスクを受容する電気コネクタとして設置できる。代わりに、または加えて、インターフェイスは、データ搬送無線信号を経て、たとえば、所有権を主張できるBlue Tooth(登録商標)または携帯電話(セルホン)通信ネットワークを経て、1個以上のソフトウェアプロダクトを中央制御ユニット490へダウンロードできる無線通信リンクを含む。任意選択的には、1個以上のソフトウェアプロダクトは、データ通信ネットワークを経て、たとえば、インターネットを経て中央制御ユニット490へダウンロードできる。
【0117】
パワートレイン300、1000の使用を、車両、たとえば、バスおよびトラックに関して前述してきたが、それらのパワートレインを、他の型式のシステム、たとえば、旅客車両、路面電車、列車、ボート、船および固定式動力伝達システムにも採用できることが分かる。
【0118】
本発明を説明および請求するために使用される「including(含む)」、「comprising(備える)」、「incorporating(組込む)」、「consisting of(から構成される)」「have(有する)」、「is(である)」のような語句は、非独占的または非網羅的な仕方で、すなわち、明示的に記載されない品目、構成部材またはエレメントを存在するものと解釈されるようとするものである。単数への言及は、複数へ関するものと解釈されるものとする。
【0119】
添付請求項の括弧内の数字は、請求項の理解を助けようとするものであり、これらの請求項により請求される内容を、どのような仕方でも限定すると解釈すべきではない。