【実施例1】
【0010】
図6及び図7に示す本実施例の電子レンジ加熱用容器1は、
切取ガイド線G4を図示省略した図1〜
図4に示すように、内面に発熱体11を設けた1枚のブランク2を折り曲げて角筒状に組立てられる容器であって、前記ブランク2は、略矩形のシートからなり、天面形成部3と、一方の立面形成部4と、底面形成部5と、他方の立面形成部6と、天面重合せ片形成部7とを、それぞれ折曲線L1〜L4を介して連接した構成からなっている。
【0011】
本実施例で、容器1は、
図2に示したように断面矩形の角筒状の場合を例示したが、断面形状は上記実施例に限定されず、任意の多角形状、円形・楕円形状、半円形・半楕円形状などであってもよい。
【0012】
[天面形成部]
天面形成部3は略長方形状からなっており、長手方向の端縁側にブランク2の折り曲げ姿勢を拘束するロック機構の一方の掛止片R1が、複数(図示例では2つ)設けられている。
掛止片R1は、天面形成部3に穿設された略コ字状の切抜線L5に囲まれた部分からなっている。
上記切抜線L5は、天面形成部3の中央側に向かって塞がり端部側で両端が開放されており、該開放端は、天面形成部3の端部と平行に延びるガイド線G1と接して折り曲げやすくなっている。
【0013】
[一方の立面形成部]
一方の立面形成部4は幅狭な長方形状で、図示例では天面形成部3に対して長手方向の両端が短く設定されて、第1の折曲線L1を介して前記天面形成部3と連設されている。
ここで第1の折曲線L1は、点線状の切目からなっているが、切目でなくても折り曲げのガイドとなるものであればよい。
図示例で立面形成部4は、組立時の高さ方向の中間位置に前記第1の折曲線L1と平行に厚み調整折り線G2が設けられている。
厚み調整折り線G2は1本設けられているが、複数本を平行に設けて、適宜に折り曲げ用のガイド線を選択し折曲げ高さを調整しうるようにしてもよい。
【0014】
また、ここで第1の折曲線L1、厚み調整折り線G2又は底面形成部5との境となる第2の折曲線L2のいずれかをミシン目等にし、天面形成部3を他の部分から切り離せるようにしてもよい。
そうすることにより、電子レンジによる調理後に、底面15の下に切り離した天面13を敷くことで、底面15の穴10、10’が塞がれ、食器に食品を移し替えることなく、そのまま食卓に出すことができる。
または、調理後、容器1をひっくり返し、天面13に切り身を載せ替えてから、天面13を容器1から切り離し、切り離された天面13を皿としてそのまま使うことができる。
【0015】
[底面形成部]
底面形成部5は、一方の縁部が第2の折曲線L2を介して前記立面形成部4と連設されており、他方の縁部が第3の折曲線L3を介して他方の立面形成部6と連設されている。
底面形成部5は、前記天面形成部3と対峙するように天面形成部3と同じ略矩形状からなっている。
【0016】
[脚部形成片]
そして、前記第2の折曲線L2と接するように脚部形成片8が複数(図示例では4つ)形成され、同様に第3の折曲線L3と接するように脚部形成片8が複数(図示例では4つ)形成されている。
即ち、底面形成部5の左右の縁部側には脚部形成片8を囲むように略円弧状の切抜線9が形成されており、該切抜線9は中央側に向かって塞がり両端が開放されている。
そして、切抜線9の開放された端部間には第2又は第3の折曲線L2、L3は形成されず、その外側に形成される。
前記脚部形成片8は突片であればよくその形状は特に限定されないが、脚部18となった際に電子レンジの室内で起立しうるよう脚部18の先端が同一面上に揃うように形成されていればよい。
また、脚部形成片8は平面形状に限らず、折り曲げてもよい。
【0017】
前記底面形成部5に形成された左右一対の脚部形成片8は、折曲線L2、L3を介さず立面形成部4、6と一連となっている。
これにより、前記折曲線L2、L3に沿って立面形成部4、6と底面形成部5とを折り曲げると、脚部形成片8は底面形成部5と共に折り曲がらずに立面形成部4、6の延長上に延びて容器の底面に対して直角となる一対の脚部18となる(
図2(b)参照)。
【0018】
そして、該脚部形成片8が抜けた個所は底面15に形成される穴10’となる。
前記底面形成部5には、前記穴10’とは別に複数の穴10(10個)が縦横に略等間隔に配置されている(
図2(b)参照)。
本実施例では、穴10は予め穿設されているが、穴の配置に沿って穴の形状に沿った点線状の切抜線を形成しておき、必要な個所の切抜線を切り取って穴10を開口するようにしてよい(図示せず)。
【0019】
[他方の立面形成部]
他方の立面形成部6は一方の立面形成部4と同じ形状で、第3の折曲線L3を介して前記底面形成部5と連設されている。
ここで第3の折曲線L3は、点線状の切目からなっているが、切目でなくても折り曲げのガイドとなるものであればよい。
上記他方の立面形成部6は、前記一方の立面形成部4と同様に、組立時の高さ方向の中間位置に前記第3の折曲線L3と平行に、1又は複数本(図示例では1本)の厚み調整折り線G3が設けられている。
この発明では、厚み調整折り線G2、G3は設けなくてもよいし、設ける場合もいずれか一方だけでもよい。また、厚み調整折り線G2、G3は、スリットでも、押し罫でも、ミシン目でもよい。
【0020】
[天面重合せ片形成部]
天面重合せ片形成部7は、第4の折曲線L4を介して前記他方の立面形成部6と連設されている。
上記天面重合せ片形成部7は、長手方向の長さが前記立面形成部4、6と同じに設定されており、組立時に天面形成部3の先端縁部の内側に重なる。
この天面重合せ片形成部7には、前記掛止片R1を掛止めるための掛止穴R2が設けられている。
【0021】
本実施例では、前記第4の折曲線L4に一端を接して開口する略矩形の掛止穴R2が掛止片R1に対応して左右に2つ設けられている。
これにより天面形成部3の下に天面重合せ片形成部7を重ね合わせると、前記掛止片R1の突出部分が掛止穴R2に入り込み、容器1を箱形姿勢に維持することができる。
【0022】
[発熱体]
発熱体11は、マイクロ波によって発熱する別体の発熱シートを、ブランク2の内面の一部又は全部に貼り付ける構成、またはブランク2の内面の一部又は全部にマイクロ波によって発熱する発熱層を積層形成するものでもよい。
例えばブランク2の上下に対向する面(天面形成部3と底面形成部5と)に発熱体11を設ける構成や、ブランク2の内面全域に形成するなど適宜に形成することができる。立面14、立面15に発熱体11を設けることによって、食品の側面(特に皮面)もカリッと焼くことができる。
【0023】
図5に一例を示す発熱体11は、ブランク2の原紙2a上に積層された構造を示す。
図5(a)では、原紙2aの上にアルミ蒸着層11aが積層され、その上にPET層11bが積層され、マイクロ波を透過させて発熱させる構造からなっている。
図5(b)では、原紙2aの上にセグメント状のアルミ箔層11cを配置し、その上にPET層11bが積層されて、加熱を制御しながら加熱する構造からなっている(特開2006−75617号参照)。
図5(c)では、原紙2aの上にセグメント状のアルミ箔層11cを配置し、その上にアルミ蒸着層11aとPET層11bとを積層して、発熱と均一加熱を同時に実現する構成からなっている。
基層は、原紙に限定されず、樹脂でもよい。
この発明では発熱体11の構造については上記実施例に限定されず、公知の発熱体を用いることができる。
【0024】
[組立方法]
図2に示すように、ブランク2の天面形成部3と底面形成部5とが上下に平行となる天面13と底面15となり、一対の立面形成部4,6が略垂直に立ち上がって立面14、16となるように、折曲線L1〜L4を折り曲げて、角筒形状とする。
この折り曲げに伴って、底面15に形成された脚部形成片8が脚部18となって底面15を中空に保持する。
【0025】
また、天面13の下に天面重合せ片17を配置し、前記掛止片R1を押し下げながらスライドして重ね合わせると、掛止片R1の突出部分が掛止穴R2に入り込み、容器1を箱形姿勢にロックすることができる。
また、食材の厚みに応じて、立面14、16の厚み調整折り線G2、G3を外向きに折り曲げることで、容器1の高さを低く設定することができる。
【0026】
また、一方の立面のガイド線だけを折り曲げれば、天面13が傾斜面となり、厚い部分と薄い部分とからなる食材であってもほぼ均等に加熱することができる(
図8参照)。
【0027】
[切取ガイド線]
図6及び
図7には、底面形成部5に形成された多数の穴10群において、所定の穴10と穴10との間を繋ぎ、開口面積の大きな開口を形成することができる切取ガイド線G4が形成されている。
加熱されやすい部分に接する底面に、より大きな開口を形成することにより、接触面積が減り、さらに周りの発熱体自体も減るため、過加熱を防ぎ、均一な焦げ目をつけることができる。
従って、広い穴が必要な場合には、前記穴10と穴10との間の切取ガイド線G4に沿って底面形成部5を切り取ることができ、所望の広さの開口20を形成することができる。
【実施例2】
【0028】
図9に示す電子レンジ加熱用容器1は、脚部形成片8が底面形成部5の中途位置に設けられる穴形成用の切取ガイド線G5で囲まれた異なる実施例を示す。
ここで切取ガイド線G5は、底面形成部5で対向するように一対に設けられていることが好ましい。
該穴形成用の切取ガイド線G5は、端部に向かって開放され中央に向かって突出する突片形状からなっている。
【0029】
この切取ガイド線G5は、脚部形成片8を折り曲げた脚部18が電子レンジの室内で起立しうる形状であればよいことは前記実施例1と同じである。
図示例で切取ガイド線G5はコ字状に延びる点線状の切目からなっており、該切目に沿って切り離し、底面形成部5に対して直角に折り曲げることで、脚部18を形成し、同時に脚部18が抜けた切取ガイド線G4に囲まれた個所が穴10’となる。
【0030】
本実施例では、脚部18は、1つの穴10’に対して外側に1つ設けたが、1つの穴10’の左右に一対に設けてもよい。
また、脚部18の形状は電子レンジの室内で起立しうる形状であればよく、脚部18の先端が同一面上に揃うようになっていればどのような形状でもよい。
底面が床と水平になるように脚の長さを揃えてもよいし、脚の長さを変えることで、底面を傾斜させ、ドリップを底面に滞留させずに流れ落ちやすくするような形状であっても良い。
その他の構成は前記実施例1と同様であるので説明を省略する。
その他、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、この発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうる。