特許第5745307号(P5745307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5745307スロットルボディにおける駆動室の換気構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5745307
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】スロットルボディにおける駆動室の換気構造
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/10 20060101AFI20150618BHJP
   F02D 9/02 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   F02D9/10 H
   F02D9/02 351P
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-76250(P2011-76250)
(22)【出願日】2011年3月30日
(65)【公開番号】特開2012-211510(P2012-211510A)
(43)【公開日】2012年11月1日
【審査請求日】2014年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 正博
【審査官】 立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−184941(JP,A)
【文献】 特開平03−050347(JP,A)
【文献】 特開2002−256902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気路(6)を形成する筒状のボディ主部(7a)ならびに該ボディ主部(7a)から側方に突出するハウジング部(7b)を一体に有するボディ(7)と、前記ハウジング部(7b)との間に駆動室(8)を形成するようにして該ハウジング部(7b)に取付けられるカバー(10)と、前記吸気路(6)の開度を変化させることを可能として前記吸気路(6)内に配置されるスロットル弁(11)と、前記吸気路(6)を横切るようにしつつ一端部を前記駆動室(8)に突入させるようにして前記ボディ(7)に回動可能に支承されるとともに前記スロットル弁(11)が固着される弁軸(12)と、該弁軸(12)を回動駆動するようにして前記駆動室(8)に収容される駆動機構(13)とを備えるスロットルボディにおいて、
前記ハウジング部(7b)が、前記弁軸(12)の軸線方向に延びて前記ボディ主部(7a)に連設される筒状の首部分(7ba)と、該首部分(7ba)の外端に配置されて前記首部分(7ba)に一体に連なるとともに、該首部分(7ba)の外端から側方に張り出す箱状部分(7bb)とから成り、
前記駆動室(8)の換気を可能とした換気孔(26)が、前記吸気路(6)の中心軸線および前記弁軸(12)の軸線を含む平面(PL)に向かう方向に延びるとともに前記弁軸(12)の軸線に沿う方向への前記箱状部分(7bb)の投影面線内に配置されるようにして前記首部分(7ba)に設けられることを特徴とするスロットルボディにおける駆動室の換気構造。
【請求項2】
吸気路(6)を形成する筒状のボディ主部(7a)ならびに該ボディ主部(7a)から側方に突出するハウジング部(7b)を一体に有するボディ(7)と、前記ハウジング部(7b)との間に駆動室(8)を形成するようにして該ハウジング部(7b)に取付けられるカバー(10)と、前記吸気路(6)の開度を変化させることを可能として前記吸気路(6)内に配置されるスロットル弁(11)と、前記吸気路(6)を横切るようにしつつ一端部を前記駆動室(8)に突入させるようにして前記ボディ(7)に回動可能に支承されるとともに前記スロットル弁(11)が固着される弁軸(12)と、該弁軸(12)を回動駆動するようにして前記駆動室(8)に収容される駆動機構(13)とを備えるスロットルボディにおいて、
前記ハウジング部(7b)が、前記弁軸(12)の軸線方向に延びて前記ボディ主部(7a)に連設される筒状の首部分(7ba)と、該首部分(7ba)の外端から側方に張り出して前記首部分(7ba)に一体に連なる箱状部分(7bb)とから成り、
前記駆動室(8)の換気を可能とした換気孔(26)が、前記吸気路(6)の中心軸線および前記弁軸(12)の軸線を含む平面(PL)に向かう方向に延びるとともに前記弁軸(12)の軸線に沿う方向への前記箱状部分(7bb)の投影面線内に配置されるようにして前記首部分(7ba)に設けられ、
前記換気孔(26)よりも大径の膜材挿入孔(27)が、前記弁軸(12)の軸線に沿う方向への前記箱状部分(7bb)の投影面線内に配置されるようにして前記換気孔(26)の外端に連設されるとともに、防水通気性を有する膜材(31)が、前記換気孔(26)および前記膜材挿入孔(27)間に形成される段部(29)に当接して固定されることで前記換気孔(26)を覆うようにしつつ前記膜材挿入孔(27)に挿入され、
前記膜材挿入孔(27)よりも大径のプラグ嵌入孔(28)が、前記弁軸(12)の軸線に沿う方向への前記箱状部分(7bb)の投影面線内に配置されるようにして前記膜材挿入孔(27)の外端に連設されるとともに、前記プラグ嵌入孔(28)を塞ぐプラグ(32)が前記プラグ嵌入孔(28)に嵌入、固定され、
前記プラグ(32)および前記膜材(31)間の前記膜材挿入孔(27)を外部に通じさせる開口部(33)が前記膜材挿入孔(27)および前記プラグ挿入孔(28)の側壁に設けられ、
前記換気孔(26)、前記膜材挿入孔(27)および前記プラグ挿入孔(28)が、前記首部分(7ba)に突設される筒状の突部(30)に設けられ、前記開口部(33)の一部が、前記突部(30)の外周にその長手方向に沿って設けられる溝(34)の一部で形成されることを特徴とするスロットルボディにおける駆動室の換気構造。
【請求項3】
記溝(34)が、前記吸気路(6)の上流端を通じさせるようにして前記ボディ主部(7a)に接続されるエアクリーナ(17)側に臨んで前記突部(30)の外周に設けられ、前記エアクリーナ(17)が該エアクリーナ(17)側から見て前記溝(34)を隠すように形成されることを特徴とする請求項記載のスロットルボディにおける駆動室の換気構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気路を形成する筒状のボディ主部ならびに該ボディ主部から側方に突出するハウジング部を一体に有するボディと、前記ハウジング部との間に駆動室を形成するようにして該ハウジング部に取付けられるカバーと、前記吸気路の開度を変化させることを可能として前記吸気路内に配置されるスロットル弁と、前記吸気路を横切るようにしつつ一端部を前記駆動室に突入させるようにして前記ボディに回動可能に支承されるとともに前記スロットル弁が固着される弁軸と、該弁軸を回動駆動するように前記駆動室に収容される駆動機構とを備えるスロットルボディに関し、特に、駆動室の換気構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットルボディが備えるハウジング部と、該ハウジング部に締結されるカバーとで、駆動機構を収容する駆動室を形成し、その駆動室の換気を行うために、防水通気性を有する膜材で外端開口部が覆われるようにした換気孔が前記カバーに設けられるようにしたものが、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−184941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、換気部が外部に露出しており、泥等の異物で換気部に付着してしまう可能性がある。そこで可能な限り泥等の異物が付着し難く、呼吸のためのスペースが確保できボディ側の凹部に換気孔を設けたいが、その際、ボディのサイズが大きくなったり、ボディを型成形する際の金型構造が複雑となることは避けたい。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ボディ側に換気孔を設けるにあたって、ボディのサイズが大きくなったり、金型構造が複雑になったりすることは避けるようにしたスロットルボディにおける駆動室の換気構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、吸気路を形成する筒状のボディ主部ならびに該ボディ主部から側方に突出するハウジング部を一体に有するボディと、前記ハウジング部との間に駆動室を形成するようにして該ハウジング部に取付けられるカバーと、前記吸気路の開度を変化させることを可能として前記吸気路内に配置されるスロットル弁と、前記吸気路を横切るようにしつつ一端部を前記駆動室に突入させるようにして前記ボディに回動可能に支承されるとともに前記スロットル弁が固着される弁軸と、該弁軸を回動駆動するように前記駆動室に収容される駆動機構とを備えるスロットルボディにおいて、前記ハウジング部が、前記弁軸の軸線方向に延びて前記ボディ主部に連設される筒状の首部分と、該首部分の外端に配置されて前記首部分に一体に連なるとともに、該首部分の外端から側方に張り出す箱状部分とから成り、前記駆動室の換気を可能とした換気孔が、前記吸気路の中心軸線および前記弁軸の軸線を含む平面に向かう方向に延びるとともに前記弁軸の軸線に沿う方向への前記箱状部分の投影面線内に配置されるようにして前記首部分に設けられることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、吸気路を形成する筒状のボディ主部ならびに該ボディ主部から側方に突出するハウジング部を一体に有するボディと、前記ハウジング部との間に駆動室を形成するようにして該ハウジング部に取付けられるカバーと、前記吸気路の開度を変化させることを可能として前記吸気路内に配置されるスロットル弁と、前記吸気路を横切るようにしつつ一端部を前記駆動室に突入させるようにして前記ボディに回動可能に支承されるとともに前記スロットル弁が固着される弁軸と、該弁軸を回動駆動するように前記駆動室に収容される駆動機構とを備えるスロットルボディにおいて、前記ハウジング部が、前記弁軸の軸線方向に延びて前記ボディ主部に連設される筒状の首部分と、該首部分の外端から側方に張り出して前記首部分に一体に連なる箱状部分とから成り、前記駆動室の換気を可能とした換気孔が、前記吸気路の中心軸線および前記弁軸の軸線を含む平面に向かう方向に延びるとともに前記弁軸の軸線に沿う方向への前記箱状部分の投影面線内に配置されるようにして前記首部分に設けられ、前記換気孔よりも大径の膜材挿入孔が、前記弁軸の軸線に沿う方向への前記箱状部分の投影面線内に配置されるようにして前記換気孔の外端に連設されるとともに、防水通気性を有する膜材が、前記換気孔および前記膜材挿入孔間に形成される段部に当接して固定されることで前記換気孔を覆うようにしつつ前記膜材挿入孔に挿入され、前記膜材挿入孔よりも大径のプラグ嵌入孔が、前記弁軸の軸線に沿う方向への前記箱状部分の投影面線内に配置されるようにして前記膜材挿入孔の外端に連設されるとともに、前記プラグ嵌入孔を塞ぐプラグが前記プラグ嵌入孔に嵌入、固定され、前記プラグおよび前記膜材間の前記膜材挿入孔を外部に通じさせる開口部が前記膜材挿入孔および前記プラグ嵌入孔の側壁に設けられ、前記換気孔、前記膜材挿入孔および前記プラグ挿入孔が、前記首部分に突設される筒状の突部に設けられ、前記開口部の一部が、前記突部の外周にその長手方向に沿って設けられる溝の一部で形成されることを第の特徴とする。
【0008】
さらに本発明は、第の特徴の構成に加えて、前記溝が、前記吸気路の上流端を通じさせるようにして前記ボディ主部に接続されるエアクリーナ側に臨んで前記突部の外周に設けられ、前記エアクリーナが該エアクリーナ側から見て前記溝を隠すように形成されることを第の特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の特徴によれば、吸気路を形成する筒状のボディ主部から側方に突出するハウジング部が、筒状の首部分と、該首部分の外端に配置されて前記首部分に一体に連なるとともに、該首部分の外端から側方に張り出す箱状部分とから成り、換気孔が、吸気路の中心軸線および弁軸の軸線を含む平面に向かう方向に延びるようにして首部分に設けられるので、前記平面に向かう方向を型割り方向としたボディの型成形時の金型構造を簡単にすることができる。また前記換気孔は、弁軸の軸線に沿う方向への箱状部分の投影面線内に配置されるので、呼吸するためのスペースを確保しつつボディの大型化を回避し、換気孔側に泥等の異物が付着することを防止することができる。
【0010】
また本発明の第2の特徴によれば、前記第1の特徴の効果に加えて、防水通気性を有する膜材で換気孔が覆われるので、換気孔から駆動室への水の浸入を防止しつつ換気を行うことが可能となり、膜材を挿入するための膜材挿入孔が換気孔の外端に連設され、弁軸の軸線に沿う方向への箱状部分の投影面線内に膜材挿入孔が配置されるので、膜材への異物の付着を防止することを可能としつつ、ボディが大型化することも回避することができる。
【0011】
また、プラグで塞がれるプラグ嵌入孔が膜材挿入孔の外端に連なるので、膜材側への泥等の異物の侵入をより確実に防止することができ、プラグ嵌入孔が、弁軸の軸線に沿う方向への箱状部分の投影面線内に配置されるので、プラグの設置によってボディが大型化することはない。しかもプラグおよび膜材間の膜材挿入孔を外部に通じさせる開口部がプラグ嵌入孔の側壁に設けられるので、膜材を介しての駆動室の換気は可能であり、開口部の形成が容易である。
【0012】
その上、換気孔、膜材挿入孔およびプラグ挿入孔が首部分に突設される筒状の突部に設けられ、前記開口部の一部が、前記突部の外周にその長手方向に沿って設けられる溝で形成されるので、開口部および溝の形成が容易であり、しかも溝を比較的長く形成することができるので、泥等の異物が溜まり難く、開口部が塞がれることがない。
【0013】
さらに本発明の第の特徴によれば、エアクリーナ側に臨んで突部の外周に設けられる溝が、エアクリーナ側から見て該エアクリーナで隠されるので、溝および開口部への泥等の異物の侵入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】スロットルボディの一部切欠き側面図である。
図2図1の2矢視図である。
図3図2の3−3線断面図である。
図4図3の4−4線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図1図4を参照しながら説明すると、先ず図1および図2において、このスロットルボディ5は、たとえば自動二輪車用エンジンにおける吸気系の一部を構成するものであり、吸気路6を形成する筒状のボディ主部7aならびに該ボディ主部7aから側方に突出するハウジング部7bを一体に有するボディ7と、前記ハウジング部7bとの間に駆動室8を形成するようにして該ハウジング部7bに複数のねじ部材9,9…で取付けられるカバー10と、前記吸気路6の開度を変化させることを可能として前記吸気路6内に配置されるスロットル弁11と、前記吸気路6を横切るようにしつつ一端部を前記駆動室8に突入させるようにして前記ボディ7に回動可能に支承されるとともに前記スロットル弁11が固着される弁軸12と、該弁軸12を回動駆動するように前記駆動室8に収容される駆動機構13とを備える。
【0016】
また前記吸気路6内で前記スロットル弁11よりも下流側に燃料を噴射する燃料噴射弁14が前記ボディ7のボディ主部7aに取付けられており、この燃料噴射弁14に接続される燃料配管15がねじ部材16で前記ボディ主部7aに取付けられる。また前記吸気路6の上流端を通じさせるエアクリーナ17が前記ボディ主部7aに接続される。
【0017】
前記ハウジング部7bは、前記弁軸12の軸線方向に延びて前記ボディ主部7aに連設される筒状の首部分7baと、該首部分7baの外端に配置されて前記首部分7baに一体に連なるとともに、該首部分7baの外端から側方に張り出す箱状部分7bbとから成り、箱状部分7bbに該箱状部分7bbの開口端を塞ぐ前記カバー10が締結される。
【0018】
前記駆動機構13は、前記弁軸12の軸線と平行な回転軸線を有して前記駆動室8内収容、固定される電動モータ20と、該電動モータ20のモータ軸21に固設される駆動ギヤ22と、該駆動ギヤ22に噛合される第1中間ギヤ23と、第1中間ギヤ23とともに回転する第2中間ギヤ24と、前記弁軸12の一端部に固定されて第2中間ギヤ24に噛合する被動セクタギヤ25とから成り、電動モータ20の回転動力が減速されて前記弁軸12に伝達される。
【0019】
図3および図4において、前記駆動室8の換気を可能とした換気孔26が、前記吸気路6の中心軸線および前記弁軸12の軸線を含む平面PLに向かう方向(この実施の形態では直交する方向)に延びるようにして設けられており、この換気孔26は、弁軸12の軸線に沿う方向への前記箱状部分7bbの投影面線内に配置される。
【0020】
前記換気孔26は、前記首部分7baに一体に突設された筒状の突部30の一部で形成されており、前記燃料噴射弁14に接続される燃料配管15は前記突部30を外方から覆う位置に配置される。
【0021】
また前記換気孔26よりも大径の膜材挿入孔27が、弁軸12の軸線に沿う方向への前記箱状部分7bbの投影面線内に配置されるようにして前記換気孔26の外端に連設されるものであり、この実施の形態では、前記換気孔26の外端に同軸に連なるようにして前記膜材挿入孔27が前記突部30に形成される。而して防水通気性を有する膜材31が、前記換気孔26および前記膜材挿入孔27間に形成される段部29に当接して接着されることで前記換気孔26を覆うようにしつつ前記膜材挿入孔27に挿入される。
【0022】
また前記膜材挿入孔27よりも大径のプラグ嵌入孔28が、弁軸12の軸線に沿う方向への前記箱状部分7bbの投影面線内に配置されるようにして前記膜材挿入孔27の外端に連設されるものであり、この実施の形態では、前記膜材挿入孔27の外端に同軸に連なるようにしてプラグ嵌入孔28が前記突部30の突出端部に形成される。しかも前記プラグ嵌入孔28を塞ぐプラグ32が前記プラグ嵌入孔28に嵌入、固定される。
【0023】
しかも前記プラグ32および前記膜材30間の前記膜材挿入孔27を外部に通じさせる開口部33が前記プラグ挿入孔28の側壁に設けられるものであり、この開口部33の一部を構成する溝34が、前記突部30の外周にその長手方向に沿って設けられる。
【0024】
また前記溝34は、前記エアクリーナ17側に臨んで前記突部30の外周に設けられるものであり、エアクリーナ17から見て該エアクリーナ17で隠される位置に配置される。
【0025】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、吸気路6を形成する筒状のボディ主部7aから側方に突出するハウジング部7bが、筒状の首部分7baと、該首部分の外端に配置されて前記首部分7baに一体に連なるとともに、該首部分7baの外端から側方に張り出す箱状部分7bbとから成り、換気孔26が、吸気路6の中心軸線および弁軸12の軸線を含む平面PLに向かう方向(この実施の形態では直交する方向)に延びるようにして首部分7baに設けられるので、前記平面PLに向かう方向(この実施の形態では直交する方向)を型割り方向としたボディ7の型成形時の金型構造を簡単にすることができる。また前記換気孔26は、弁軸12の軸線に沿う方向への箱状部分7bbの投影面線内に配置されるので、呼吸するためのスペースを確保しつつボディ7の大型化を回避し、換気孔26側に泥等の異物が付着することを防止することができる。しかもこの実施の形態では、燃料噴射弁14に接続される燃料配管15で外方から覆われる位置に前記換気孔26を形成する突部30が配置されるので、換気孔26側への泥等の異物の付着をより効果的に防止することができる。
【0026】
また防水通気性を有する膜材31で換気孔26が覆われるので、換気孔26から駆動室8への水の浸入を防止しつつ換気を行うことが可能となり、膜材31を挿入するための膜材挿入孔27が換気孔26の外端に連なるとともに弁軸12の軸線に沿う方向への箱状部分7bbの投影面線内に配置されるので、膜材31への異物の付着を防止することを可能としつつ、ボディ7が大型化することも回避することができる。
【0027】
またプラグ32で塞がれるプラグ嵌入孔28が膜材挿入孔27の外端に連なるので、膜材31側への泥等の異物の侵入をより確実に防止することができ、プラグ嵌入孔28が、弁軸12の軸線に沿う方向への箱状部分7bbの投影面線内に配置されるので、プラグ32の設置によってボディ7が大型化することはない。しかもプラグ32および膜材31間の膜材挿入孔27を外部に通じさせる開口部33が膜材挿入孔27およびプラグ嵌入孔28の側壁に設けられるので、膜材31を介しての駆動室8の換気は可能であり、開口部33の形成が容易である。。
【0028】
また換気孔26、膜材挿入孔27およびプラグ挿入孔28が首部分7baに突設される筒状の突部30に同軸に設けられ、前記開口部33の一部が、前記突部30の外周にその長手方向に沿って設けられる溝34で形成されるので、開口部33および溝34の形成が容易であり、しかも溝34を比較的長く形成することができるので、泥等の異物が溜まり難く、開口部33が塞がれることがない。
【0029】
さらにエアクリーナ17側に臨んで突部30の外周に設けられる溝34が、エアクリーナ17側から見て該エアクリーナ17で隠されるので、溝34および開口部33への泥等の異物の侵入を抑制することができる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0031】
5・・・スロットルボディ
6・・・吸気路
7・・・ボディ
7a・・・ボディ主部
7b・・・ハウジング部
7ba・・・首部分
7bb・・・箱状部分
8・・・駆動室
10・・・カバー
11・・・スロットル弁
12・・・弁軸
13・・・駆動機構
17・・・エアクリーナ
26・・・換気孔
27・・・膜材挿入孔
28・・・プラグ嵌入孔
29・・・段部
30・・・突部
31・・・膜材
32・・・プラグ
33・・・開口部
34・・・溝
PL・・・平面
図1
図2
図3
図4