(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5745522
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】試験制御盤装置、及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
G05B23/02 E
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-527898(P2012-527898)
(86)(22)【出願日】2010年8月18日
(65)【公表番号】特表2013-504121(P2013-504121A)
(43)【公表日】2013年2月4日
(86)【国際出願番号】US2010045879
(87)【国際公開番号】WO2011028420
(87)【国際公開日】20110310
【審査請求日】2013年8月19日
(31)【優先権主張番号】61/239,593
(32)【優先日】2009年9月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】ジュンク,ケネス,ウィリアム
【審査官】
稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0236679(US,A1)
【文献】
特表2004−533681(JP,A)
【文献】
米国特許第06862547(US,B1)
【文献】
米国特許第06186167(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁を試験するための弁制御器を含む試験システムの試験制御盤装置であって、
前記試験制御盤装置は、
試験入力信号を生成するように構成される試験入力装置と、
前記試験入力信号の継続時間を読み取るためのタイマと、
前記継続時間が試験を開始するために有効な継続時間であることを前記試験制御盤装置にて検証するように構成される検証装置と、
試験開始信号を前記弁制御器に送信することによって、前記試験を開始し、前記弁の制御により前記弁制御器に試験ルーチンを実行させるように構成される伝送器装置と、
前記弁制御器から信号を受信するように構成される受信器装置と、
前記試験制御盤装置が前記弁制御器から弁制御器信号を受信したことを示すように構成される出力指示器装置と
を備える、装置。
【請求項2】
前記弁制御器信号は、位置センサ信号、圧力センサ信号、もしくは電流センサ信号から成る群のうちのいずれか1つ、または、ループ電流信号、行程設定値信号、行程信号、もしくはDVC起動信号から成る群のうちのいずれか1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記出力指示器装置は、可視指示を生成するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記継続時間は、3〜10秒であり、前記試験は、部分的ストローク試験である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記出力指示器装置は、発光ダイオード(LED)をあるパターンで点滅させるように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記出力指示器装置は、前記弁制御器信号が確認応答信号であったことを示すように、発光ダイオードを反復的に点滅させるように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記出力指示器装置は、前記試験制御盤装置によって受信された前記弁制御器信号の種類に応じて、出力を表示させるように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記出力指示器装置は、発光ダイオードを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記出力指示器装置は、緑色LED、黄色LED、または赤色LEDのうちのいずれか1つまたはそれらの組み合わせを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記伝送器装置または受信器装置のうちのいずれか1つまたは両方が、ワイヤレス装置である、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
システムを試験するためのプログラムされた命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラム製品であって、該コンピュータプログラム製品が前記システムによって実行されたとき、前記命令は、
試験制御盤装置にて、試験入力信号を受信することと、
前記試験制御盤装置にて、受信した前記試験入力信号の継続時間を読み取ることと、
前記試験制御盤装置にて、受信した前記試験入力信号の前記継続時間が試験を開始するために有効な継続時間であることを検証することと、
前記試験制御盤装置からの試験開始信号を前記試験開始信号の有効な継続時間に応じて弁制御器に送信することによって前記試験を開始することと、
前記試験制御盤装置にて、前記弁制御器から信号を受信することと、
前記試験制御盤装置にて、前記試験制御盤装置が前記弁制御器から弁制御器検出信号を受信したことを示すことと、を前記システムに実施させ、
前記弁制御器検出信号は、試験確認応答信号である、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
前記弁制御器検出信号は、位置センサ信号、圧力センサ信号、もしくは電流センサ信号から成る群のうちのいずれか1つ、または、ループ電流信号、行程設定値信号、行程信号、もしくはDVC起動信号から成る群のうちのいずれか1つである、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
前記試験制御盤装置が弁制御器検出信号を受信したことを示すことは、可視指示を生成することを含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
前記継続時間は、3〜10秒であり、前記試験は、部分的ストローク試験である、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
前記試験制御盤装置が弁制御器検出信号を受信したことを示すことは、発光ダイオード(LED)をあるパターンで点滅させることを含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記試験制御盤装置が弁制御器検出信号を受信したことを示すことは、前記弁制御器検出信号が確認応答信号であったことを示すように、発光ダイオードを反復的に点滅させることを含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記試験制御盤装置が弁制御器検出信号を受信したことを示すことは、受信された前記弁制御器検出信号の種類に応じて、出力を表示させることを含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記試験制御盤装置が弁制御器検出信号を受信したことを示すことは、発光ダイオードを使用することを含む、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロセス制御システムを試験するための
試験制御盤装置、
及びコンピュータプログラム製品に関し、具体的には、プロセスプラントにおける緊急停止システムを試験するため、またはプロセスプラントにおけるそのようなシステムの構成要素を試験するための
試験制御盤装置、
及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセスプラントの安全性を維持するために、プロセスプラントは、統合式または独立的に制御される緊急停止システムを含む場合がある。緊急停止システムは、プロセスプラント内またはその周辺で発生する場合がある危険な状態の拡大防止を補助することを目的とする。例えば、石油精油所または天然ガス処理プラント等のいくつかのプロセスプラントシステムは、プロセスプラント内またはその周辺で火事が発生した場合、迅速な停止を必要とする場合がある。緊急停止システムは、プロセスプラントへの原料のさらなる供給を遮断することによってプロセスプラントの運転を停止する場合がある。プロセスプラントの領域に障害または危険な状態が存在することを検出すると、このシステムがプロセスプラントの運転を引き継ぐ場合があり、プロセスプラントへの投入原料の供給を制御する主ライン弁を停止する場合がある。緊急停止システムは、弁を通過するさらなる投入原料の流れを阻止するためにプロセスプラントの供給弁を閉鎖する弁制御器を採用する場合があり、プロセスプラントの残りの部分への原料のさらなる流れを阻止する場合がある。
【0003】
いくつかの緊急停止システムは、経時的に劣化する場合があり、特に、緊急停止システムが適切に動作することができなくなる状態まで劣化する場合がある。例えば、高圧弁を閉じるために使用される空気圧式アクチュエータにおいて、塵または他の異物がアクチュエータまたは弁に堆積する場合があるため、アクチュエータまたは弁が故障または動かなくなる場合がある。言うまでもなく、アクチュエータまたは弁が故障または動かなくなると(例えば、腐食、異物堆積等に起因して)、アクチュエータまたは弁は、制御信号に応答して適切に作動しない場合がある。
【0004】
緊急停止システムまたは構成要素は、適切に試験され、保守されないと重要な時に故障する可能性があるという観点から、システムおよび緊急停止システムを構成する構成要素(例えば、弁、制御器、アクチュエータ)を試験して、構成要素が緊急時に適切に動作することを確実にすることがしばしば望ましい。停止コマンドに対する装置の動作および/または応答を試験する1つの方法は、停止コマンドを発し、装置がコマンドに応答するかどうかを判定することである。緊急停止弁の場合、これは、弁を完全に閉じるためのコマンドを発することと、弁が予測どおりに閉じるかどうかを判定することとを含んでもよい。しかしながら、弁を完全に閉じることを伴う試験は、コストがかかる可能性があり、プロセスプラントの運転に大混乱を生じる場合がある。
【0005】
完全停止試験の代替は、プロセスプラントを停止することなく「フルストローク」試験によって安全弁を完全に閉鎖することができるように、安全弁として迂回弁を付設することである。しかしながら、迂回弁技法に関連して経済面および運用面の問題が存在する場合がある。したがって、弁の完全閉鎖に対して所定のパーセントまで試験対象の弁を閉じるという、従来の診断技法が開発されてきた。これらの試験は、部分的ストローク(閉鎖)試験と呼ばれる。
【0006】
しかしながら、従来の部分的ストローク試験では問題が存在する場合がある。具体的には、従来の部分的ストローク試験の開始後、弁制御器が、弁の移動止めから弁が物理的に離れて移動するまでにいくらかの時間がかかる場合がある。ユーザが開始した部分的ストローク試験信号を、試験が進行中であるという視覚指示に伝達するには、いくらかの時間が必要な場合がある。従来の緊急停止システムは、ユーザが部分的ストローク試験を開始したという早急な指示をユーザに提供しない場合があるため、ユーザは、試験が開始されていると思わない場合がある。したがって、ユーザは、部分的ストローク試験が実際に開始されているという指示をまだ受信していないうちに、試験を開始する目的で2回目に試験開始ボタンを押すことによって、再度試験を開始しようとする場合がある。従来の試験システムでは、ユーザが試験開始ボタンを繰り返し押すとさらなる問題が発生する場合がある。ユーザは試験システムが試験を開始したという指示を有しない場合があるため、ユーザは、試験開始ボタンを再度押す場合があるが、実際には、ユーザは、自分の意図しない行為を認識せずに、試験を開始したり、終了したりしている場合がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様に従うと、試験制御盤装置は、
弁を試験するための弁制御器を含む試験システムの試験制御盤装置であって、試験入力信号を
生成するように構成される試験入力装置と、試験入力信号の継続時間を読み取るためのタイマと
、継続時間が試験を開始するために有効な継続時間であることを
試験制御盤装置にて検証するように構成される検証装置と、試験開始信号を弁制御
器に送信することによって、試験を開始試験を開始
し、弁の制御により弁制御器に試験ルーチンを実行させるように構成される伝送器装置と、弁制御
器から信号を受信するように構成される受信器装置と、試験制御盤装置が弁制御
器から弁制御
器信号を受信したということを示すように構成される出力指示器装置とを
備える。
【0009】
本発明の態様に従うと、システムを試験するためのプログラムされた命令を含むコンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラム製品であって、命令は、
試験制御盤装置にて、試験入力信号を受信することと、
試験制御盤装置にて、受信した試験入力信号の継続時間を読み出すことと、
試験制御盤装置にて、受信した試験入力信号の継続時間が試験を開始するために有効な継続時間であることを検証することと、
試験制御盤装置からの試験開始信号を
試験開始信号の有効な継続時間に応じて弁制御
器に送信することによって試験を開始することと、
試験制御盤装置にて、弁制御
器から信号を受信することと、
試験制御盤装置にて、試験制御盤装置が弁制御
器から弁制御器
検出信号を受信したことを示すことと、を実施し、弁制御器
検出信号は、試験確認応答信号であるコンピュータプログラム製品である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】緊急停止システムを有するプロセスプラントの概要図であって、本発明の教示に従い組み立てられた試験制御盤システムの実施形態を示し、試験制御盤システムの構成要素のうちのいくつかが、緊急停止システムおよび/またはプロセスプラントシステムと共有されてもよい、プロセスプラントの概要図である。
【
図2】デジタル弁制御器および/または
図1の緊急停止システムまたはプロセスプラントシステムの一部であってもよい他の共有構成要素に加えて、試験制御盤装置を含んでもよい試験制御盤システムの実施形態を示す図である。
【
図3A】デジタル弁制御器と通信してもよい試験制御盤装置の実施形態を示す図である。
【
図3B】デジタル弁制御器と通信してもよい試験制御盤装置の別の実施形態を示す図である。
【
図4】試験制御盤装置またはシステムのロジックの実施形態の流れ図である。
【
図5】試験制御盤装置によって生成されてもよい、いくつかの選択された信号を含む、例示的な信号の組み合わせの表である。
【
図6】試験制御盤装置によって生成されてもよい、いくつかの選択された信号を含む、例示的な信号の組み合わせの別の表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、例えば、化学、石油、または他の種類のプロセスプラントであってもよく、緊急停止システム101および試験制御盤システム200を有してもよい、プロセスプラント100の概要図である。試験制御盤システム200は、緊急停止システム101および/またはプロセスプラント100といくつかの構成要素(例えば、共有構成要素110)を共有してもよい。
図1の例示的なプロセスプラントは、1つ以上のワークステーション17と、1つ以上のI/O装置18と、1つ以上の制御器19内に配置される1つ以上のプロセッサ11と、複数のフィールドデバイス12〜15と、を含み、それらのフィールドデバイスの各々は、例えば、弁、弁保定装置/アクチュエータ、スイッチ、伝送器(例えば、温度、圧力、液面、流量等を検知および伝送するため)等であってもよく、それらのフィールドデバイスの各々は、弁の開または閉、プロセスパラメータの測定等のプロセス機能を実施する。ワークステーション17、I/O装置18、制御器19、およびフィールドデバイス12〜15は、正常運転の間のプロセスを制御するプロセス制御システム102を形成するように協働する。
【0013】
加えて、システム100は、制御システム102に加えてシステムの一部である、緊急停止弁16等の1つ以上のフィールドデバイスを含んでもよい。緊急停止弁16は、例えば、緊急停止システム101および/または試験制御盤システム200の一部であってもよい(すなわち、緊急停止弁16は、共有構成要素110のうちの1つであってもよい)。試験制御盤システム200は、緊急停止弁16に加えて、緊急停止弁16に結合される試験制御盤装置310を含む。アナログバス、デジタルバス、ならびに/またはアナログおよびデジタルを組み合わせたバスを含んでもよい、通信バス20は、フィールドデバイス12〜15および緊急停止弁16をプロセス制御器19に通信可能に結合してもよい。
【0014】
正常運転の間、制御システム102が緊急停止弁16を動作させる。しかしながら、緊急事態においては、緊急停止システム101が、緊急停止弁16の閉(または開)を命令するように動作し、それによって、プロセスプラント100内のシステムおよび/または人員を保護する。もちろん、緊急停止システム101は、いくつかの実施形態において、制御システム102に一体化されてもよいため、正常運転中に緊急停止弁16を動作させるのと同じ制御システム102が、緊急事態の間も緊急停止弁16を制御する。
【0015】
概して、緊急停止システム101は、プロセスプラント100で発生する場合がある危険な状態を最低限にするように動作する。例えば、動作中、緊急停止システム101は、危険な状態を検出し、次いで、デジタル弁制御器206の電源を切断するために、フルスケール(例えば、4〜20mAスケールで20mA)またはゼロスケール(例えば、4〜20mAスケールで0mAまたは4mA)の電流等の信号をデジタル弁制御器206に送信する場合がある。デジタル弁制御器206の電源が切断されると、緊急制御弁16は、その安全な状態に移動することができる。
【0016】
当業者によって一般的に知られているように、現実の緊急事態が発生する前に、プロセスプラントの構成要素または緊急停止システムの構成要素が適切に動作するかどうかを試験することによって、所定の利点を達成する場合がある。例えば、緊急制御弁16の試験が有益な場合がある。他の構成要素の試験も有益な場合があり、これらの他の構成要素およびそれらの通信も試験制御盤システム200の実施形態に含むことができる。
【0017】
フィールドデバイス12〜15のうちのいくつか、および/または緊急停止弁16は、周知のフィールドバスプロトコル(例えば、FOUNDATION(商標)フィールドバスプロトコル)に適合するフィールドデバイス等のスマートフィールドデバイスであってもよく、また、制御計算、警告機能、およびプロセス制御器19内に一般的に実装される他の制御機能を実施してもよい。プラント環境内に位置する場合がある、プロセス制御器19は、フィールドデバイス12〜15および緊急停止弁16によって行われるプロセス測定を示す信号を受信してもよく、および/またはフィールドデバイス12〜15および緊急停止弁16に関する他の情報を示す信号を受信してもよい。プロセス制御器19は、例えば、プロセス制御決定を行う異なる制御モジュールを稼動する制御器アプリケーションを(例えば、プロセッサ11上で)実行し、受信された情報に基づいて制御信号を生成し、HARTおよびフィールドバスフィールドデバイス等のフィールドデバイスで実行されている制御モジュールまたはブロックと協調してもよい。プロセス制御器19内の制御モジュールは、バス20を経由して、フィールドデバイス12〜15および/または緊急停止弁16へ制御信号を送信し、それによって、プロセスの運転を制御してもよい。
【0018】
ネットワーク接続21は、フィールドデバイス12〜15、緊急停止システム101、試験制御盤システム200、および制御器19からの情報を、ワークステーション17、他のパーソナルコンピュータ(図示せず)、1つ以上のデータ履歴(図示せず)、1つ以上の報告生成器(図示せず)、1つ以上の中央管理データベース(図示せず)等などの1つ以上のハードウェアおよび/またはソフトウェア装置と共有することを容易にする場合がある。ワークステーション17(およびネットワーク接続21を介して接続される他のハードウェア)は、典型的に、プロセスプラント100のより厳しい環境から離れた制御室または他の場所に所在するが、いずれにせよ、プロセスプラント100の一部と一般的に考えられる。ネットワーク接続21はまた、試験制御盤システム200または試験制御盤システム200内のテスト制御盤装置310等の他のハードウェアおよび/またはソフトウェア装置およびシステムと情報(例えば、フィールドデバイス12〜15、緊急停止弁16、制御器19等からのプロセス制御データ)を共有することを容易する場合がある。
【0019】
これらのハードウェアおよび/またはソフトウェア装置、ならびに特にワークステーション17は、例えば、プロセス制御ルーチンの設定を変更すること、制御器19、フィールドデバイス12〜15、および/または緊急停止弁16内の制御モジュールの動作を変更すること、プロセスの現状を視認すること、(例えば、フィールドデバイス12〜15、緊急停止弁16、制御器19等によって)生成された警告を視認すること、人員の訓練の目的でプロセスの動作をシミュレーションすること、プロセス制御ソフトウェアを試験すること、構成データベースを保持および更新すること等、オペレータがプロセスに関する機能を実施することを可能にする場合があるアプリケーションを実行する。
【0020】
ワークステーション17および/または制御器19上で稼動することができるソフトウェアの1つの例は、Emerson Process Managementによって販売されるDeltaV(商標)制御システムで、プロセスプラント100内の多様な場所に位置付けられる異なる装置内(例えば、制御器19、I/O装置18、ワークステーション17等の内部)に記憶され、それらによって実行される複数のアプリケーションを含む。オペレータワークステーション17のうちの1つ以上に所在する、構成アプリケーションは、ユーザが、プロセス制御モジュールを作成または変更し、これらのプロセス制御モジュールを、ネットワーク接続21を介してプロセス制御器19にダウンロードすることを可能にする。典型的に、これらの制御モジュールは、通信可能に相互接続される機能ブロックから構成され、この機能ブロックは、オブジェクト指向プログラミングプロトコルのオブジェクトであり、フィールドデバイス12〜15(および緊急停止弁16)から制御器19への入力に基づいて、制御スキーム内で機能を実施する。制御モジュールはまた、出力を制御スキーム内の他の機能ブロックに提供することができる。構成アプリケーションまたは試験アプリケーションはまた、視認アプリケーションがデータをオペレータに表示するために使用し、オペレータがプロセス制御ルーチン内の設定値もしくは試験データ等の設定を変更または試験を実行することを可能にする、オペレータインターフェースまたは人間機械インターフェース(HMI)を設計者が作成または変更することを可能にする場合がある。
【0021】
プロセス制御器19、ならびにいくつかの場合ではフィールドデバイス12〜15および/または緊急停止弁16の各々は、実際のプロセス制御機能性または試験機能性を実装するためにそれぞれのモジュールを稼動するアプリケーションを記憶かつ実行することができる。1つ以上のワークステーション17は、視認アプリケーションを稼動してもよく、ネットワーク接続21を介して制御器アプリケーションからまたは試験アプリケーションからデータを受信してもよく、受信されたデータを、ユーザインターフェースを使用してプロセス制御システムの設計者、オペレータ、またはユーザに表示してもよく、かつオペレータのビュー、エンジニアのビュー、技術者のビュー等のいくつかの異なるビューのうちのいずれかを提供してもよい。
【0022】
図1に図示されるプロセスプラント100は、緊急停止システム101が火事、高圧の指示等の危険な状態を検出すると、プロセスプラント100の構成要素の制御を引き継ぐために緊急停止システム101を採用する。緊急停止システム101は、例えば、安全な状態を達成するための動作(弁の閉または開等)を実施するように、緊急停止弁16に信号を送信することができる。本明細書に記述される実施形態は、緊急停止弁16の安全な状態が閉位置である状況を想定するが、当然ながら、緊急停止弁16の安全な状態は、特定の用途および/またはプロセスに応じて、開位置、閉位置、または部分的に開/閉位置の場合がある。
【0023】
図2は、試験制御盤システム200の実施形態を示す。試験制御盤システム200は、試験制御盤装置310と、1つ以上の通信リンク211、212と、試験入力信号214と、出力指示216と、緊急停止弁16、デジタル弁制御器206、ソレノイド弁202、および弁アクチュエータ204を含む多様な構成要素210とを含んでもよい。構成要素210の全てのうちのいくつかは、プロセス制御システム102の下でも動作する、共有構成要素110であってもよい。試験制御盤システム200はまた、構成要素210のうちの1つ以上の間の、フィードバック信号213等の多様な信号を含んでもよい。
【0024】
試験制御盤システム200は、装置が緊急事態にその安全機能を実施するように動作可能であることを検証するために、1つ以上の構成要素を試験する場合がある。例えば、試験制御盤システム200は、緊急制御弁16が、適切に動作する(例えば、円滑におよび/または正常速度で、閉、開、移動する等)ことを検証するために、部分的ストローク試験を実行することによって、緊急制御弁16を試験する場合がある。もちろん、他の構成要素は、それぞれ参照することによってその全体を本明細書に組み込まれる、米国特許第6,862,547号および第6,186,167号に記述される構成要素のいずれかを含む、緊急停止システム200の中に含まれ、またはこれによって試験されてもよい。
【0025】
いくつかの従来の試験システムは、それらの使用が問題になる特徴を呈する。具体的には、いくつかの部分的ストローク試験システムにおいて、ユーザが部分的ストローク試験を開始した時点と、弁制御器がその移動止めから離れるように緊急制御弁を物理的に移動する時点との間に、著しい時間の遅れが存在する場合がある。指示器がユーザにシステムが部分的ストローク試験を開始したことを通知するシステムにおいても、指示器はしばしば、移動止め上に位置するスイッチに従って動作する。このため、そのようなシステムにおいて、同じ著しい時間の遅れが存在する場合がある。
【0026】
試験の開始と試験が稼動していることの視覚指示との間の著しい時間の遅れは、ユーザに試験の開始が不成功であったと思わせる場合がある。その結果、ユーザは、試験を開始することを目的として、(例えば、「試験開始」ボタンを再び押すことによって)試験を再び開始しようとする場合がある。いくつかの事例において、開始ボタンを繰り返し押すことによって、ユーザには認識されていないが、ユーザが既に正常に開始した試験を取り消すようにシステムに命令するという問題が生じる。
【0027】
本明細書で記述される試験制御盤システム200は、ユーザが試験(例えば、部分的ストローク試験)を正常に開始したことをユーザに示す試験応答信号を含めることによって、この問題に対する解決策を提供する。例えば、試験制御盤システム200は、特定のプロセスプラント100の要件または試験制御盤システム200の実施形態に基づいて、部分的ストローク試験を自動的に稼動する場合があるが、これは試験の手動開始も可能な場合がある。例えば、試験制御盤システム200の実施形態は、ユーザによって開始されている試験に応答するために、試験応答信号を生成する場合がある。
【0028】
試験制御盤システム200の試験制御盤装置310を用いて稼動することができる代替の試験は、シャフトが破損してるかを確認する試験、アクチュエータの破損、弁が動かなくなっている等を確認する試験、または複数の構成要素がともに適切に動作しているかを確認する試験等、緊急停止システム101の任意の特定の構成要素を試験するために稼動される場合がある試験を含む。
【0029】
図2に図示されるように、試験制御盤システム200は、試験制御盤装置310と、デジタル弁制御器206と、を含む。試験制御盤装置310およびデジタル弁制御器206は、有線もしくはワイヤレスリンクであってもよく、または1つのリンクもしくは複数のリンクであってもよい、通信リンク211、212を介して相互に通信する場合がある。加えて、試験制御盤装置310およびデジタル弁制御器206は、試験制御盤システム200によって稼動される特定の試験で使用される任意の構成要素(例えば、ソレノイド弁202、アクチュエータ204等)と通信する場合がある。図示されるように、試験制御盤装置310は、試験制御盤装置310によって開始された試験に関する診断試験情報を送信かつ受信するために、デジタル弁制御器206と通信する場合がある。
【0030】
ユーザが、ボタン等のスイッチを機械的に移動することによって、部分的ストローク試験(または他の試験)を開始してもよく、または制御システム102もしくは緊急停止システム101が、周期的時間間隔で、または何らかの他の条件に基づいて、部分的ストローク試験(または他の試験)を自動的に開始するようにプログラムされてもよい。
図2は、試験制御盤装置310上の「開始」ボタン215が、デジタル弁制御器206に入力信号を送信するように動作する実施形態を示し、試験入力信号は、デジタル弁制御
器206が部分的ストローク試験を実施すべきであることを示す。試験制御盤装置310はまた、試験制御盤装置310が試験入力信号をデジタル弁制御器206に出力していることを示すための試験入力信号214も含む場合がある。
【0031】
部分的ストローク試験の間、デジタル弁制御器206は、試験信号を装置に送信することによって、試験に関連する構成要素210(例えば、緊急停止弁16、ソレノイド弁202、およびアクチュエータ)のうちのいずれかの機能性を制御する。デジタル弁制御器206が入力を受信し、試験信号(例えば、試験制御盤装置310からの信号)が制御器に部分的ストローク試験を実施するように指示していると判定した後、デジタル弁制御器206は、構成スクリプトまたはルーチンを呼び出すことによって、部分的ストローク試験に進む場合がある。部分的ストローク試験の動作中、デジタル弁制御器206は、本当の緊急事態を示し、任意の現在の試験を無効にするために使用される中断信号等の他の入力を引き続き監視する場合がある。しかしながら、中断信号が不在の場合、デジタル弁制御器206は、ソレノイド弁202に信号を送信する場合があり、ソレノイド弁202は、弁アクチュエータ204または排気弁(図示せず)に圧力を向けることによって、アクチュエータ204の空気圧を調整する場合がある。これに応じて、アクチュエータ204は、緊急停止弁16を移動させる。
【0032】
例えば、
図2の実施形態は、ソレノイド弁202に空気圧信号を送信するように構成されるデジタル弁制御器206を示す。ソレノイド弁202は、発電所または緊急停止システム101の他の構成要素から、直流(DC)電力および電気制御信号を受信する場合がある、ソレノイド制御を含む場合がある。ソレノイド弁202の制御器は、ソレノイド弁の圧力出力を制御するために信号を送信するように構成される。ソレノイド弁202は、空気圧信号をアクチュエータ204に送信する場合があり、これによって、部分的ストローク試験の一部として緊急制御弁16のプラグを移動するために電気信号をアクチュエータ204に送信させる。例えば、アクチュエータは、弁16を正常の100パーセント開位置から、部分的に閉じた位置まで徐々に変化させ、次いで再びその正常状態に戻す場合がある。
【0033】
フィードバック信号213は、部分的ストローク試験に関与する構成要素210のうちのいずれかで発生する場合がある。例えば、ソレノイド弁202、アクチュエータ204、または緊急停止弁16(または構成要素21
0の中に配置またはこれらに関連する他のセンサ)のうちのいずれかは、デジタル弁制御器206にフィードバック信号213を提供する場合があり、デジタル弁制御器206は、試験制御盤装置310にフィードバック信号を(例えば、通信リンク212を介して)送信する場合がある。代替として、デジタル弁制御器206は、試験信号を受信し、部分的ストローク試験を開始すると、例えば、通信リンク212を介して、試験制御盤装置310にフィードバック信号を直接伝送する場合がある。試験制御盤装置310は、指示器216を点灯することによって、ユーザが部分的ストローク試験を正常に開始したことをユーザに示す場合がある。
【0034】
フィードバック信号は、緊急制御弁16の部分的ストローク試験を開始する信号伝達の完了に向けて任意の時点で取得される場合がある。フィードバック信号213は、部分的ストローク試験に関与する構成要素のうちのいずれかから取得される場合がある。例えば、電子フィードバック信号213は、アクチュエータ204から取得される移動フィードバック信号の場合がある。フィードバック信号が取得される場合がある場所の他の例は、ソレノイド弁202、または弁16等を含む。
【0035】
例えば、試験制御盤装置310A、310Bは、全体出力指示器装置32の実施形態のように、3つの光出力指示器216A〜216Cを含む。例えば、1つの高速点滅緑光出力指示器216Aは、試験制御盤装置310aが、試験制御盤装置310aから送信された部分的ストローク試験開始信号に応答して、デジタル弁制御器206から確認応答を受信したことを示す場合がある。
【0036】
図3Aおよび
図3Bは、試験制御盤装置310の2つの実施形態310A、310B、および実施形態310A、310Bが存在するそれぞれのシステム200A、200Bをさらに詳しく示す。
図3Aに示されるように、試験制御盤装置310Aは、入力装置31、1つ以上の指示器216を有する出力指示器装置32、タイマまたはカウンタ33、検証装置34、伝送器/受信器装置35、メモリ36、プロセッサ37、試験入力信号214、ボタン216、アナログ/デジタル変換器38、およびデジタル/アナログ変換器39を含む。もちろん、試験制御盤装置310のいずれかの機能の機能性および装置は、ハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェア、または3つの任意の組み合わせで実装される場合がある。加えて、試験制御盤装置310の構成要素のうちのいずれかは、デジタル弁制御器206等、試験制御盤システム200の別の構成要素に分散される場合がある。
【0037】
試験制御盤装置310の一実施形態の動作を、
図3Aを参照して記述する。部分的ストローク試験を開始するために、ユーザは、(例えば、入力装置31上のボタン215を押下することによって)試験指示信号を生成させる。タイマ33は、試験指示信号を受信し、(時間を測定またはカウントすることによって)試験開始信号の継続時間を判定する場合がある。タイマ33は、信号が有効な継続時間であることを検証するために、判定された継続時間を検証装置34に通信する場合がある。代替として、タイマ33は、判定された継続時間をプロセッサ37および/またはメモリ36に直接通信する場合があり、プロセッサ37が、信号継続時間が有効な継続時間であることを検証する場合がある。いずれの場合も、入力信号が有効な継続時間を有することが判定された後、TX/RX装置35は、通信リンク211A、212Aを介して、デジタル弁制御器206へ試験開始信号を通信する場合がある。
【0038】
図3Bは、通信リンク211B、212Bを介してデジタル弁制御器206に結合される試験制御盤装置310Bを含む、試験制御盤システム200Bの代替実施形態を示す。試験制御盤装置310Bは、入力装置31および出力装置32等の入力および出力構成要素を含む場合がある。試験入力信号214は、入力装置31上の押しボタン215によってスイッチが入るDC信号によって点灯される指示器である場合がある。出力指示器216は、緑色のLED216A、黄色のLED216B、赤色のLED216C等の1つ以上の発光ダイオード(LED)である場合がある。LED216のうちの1つ以上は、(例えば、点灯すること、あるパターンで点滅すること等によって)試験制御盤装置310
Bが試験開始信号を伝送したこと、および/またはデジタル弁制御器206が試験開始信号を受信したことを示してもよい。指示216A〜Cおよびそれらの信号を実装するさらなる例示的な指示を、
図5および
図6を参照して記述する。
図3Aに試験制御盤装置310Aに含まれるとして示される、試験制御盤装置の残りの構成要素(例えば、D/A変換器39、プロセッサ37、検証装置34、タイマ/カウンタ33、A/D変換器38、メモリ36、TX/PRESCRIPTION装置35等)は、
図3Bに示される実施形態において、デジタル弁制御器206の中に含まれる。もちろん、試験制御盤システム200A、200Bの実施形態は、デジタル弁制御器206を介する通信を必要とすることなく、任意の試験された構成要素に信号を提供するアナログおよび/またはデジタルモジュールを含む場合がある。
【0039】
試験制御盤装置310Bの動作を、
図3Bを参照して以下に説明する。試験制御盤装置310Bは、入力装置31上のボタン215から試験入力信号214を受信する場合がある。これによって、試験制御盤装置310Bが、通信リンク211Bを介して、部分的ストローク試験開始信号等の試験開始信号をデジタル弁制御器206へ送信するようになる。デジタル弁制御器206が、入力を監視し、部分的ストローク試験入力信号を受信し、いくつかの実施形態において、信号の長さを判定し、検証した後、デジタル弁制御器206は、圧力信号をソレノイド弁202へ送信する。ソレノイド弁202から圧力信号を受信した後、アクチュエータ204は、信号を送信して、緊急停止弁16をその正常状態から試験位置へ徐々に変化させ、次いで、再びその正常状態に戻すことによって、緊急停止弁16を移動する。
【0040】
デジタル弁制御器206は、通信リンク212Bを介して、試験制御盤装置310Bへ試験応答信号を返信する場合がある。デジタル弁制御器206のモジュール(図示せず)は、受信された試験応答信号を解釈し、解釈されたデータを出力指示器216を介してどのようにユーザに示すかを決定する場合がある。解釈されたデータを指示器216を介してユーザに示す多様な方法は、
図5および
図6を参照して記述する。
【0041】
図4は、試験制御盤システム200を使用して試験を開始し、開始された試験の結果を示す方法400の実施形態を示す。例示的方法400は、システム200もしくは試験制御盤装置310の実施形態またはその任意の均等物を使用して実装される場合がある。方法400は、ユーザ(またはプロセス制御システム102)が、例えば、(例えば、入力装置31上のボタン215を押下することによって)試験開始信号を送信することによって、部分的ストローク試験を開始する(ブロック41)と、開始する。試験制御盤システム200は、(例えば、入力装置31で)試験開始信号を受信し(ブロック42)、(例えば、タイマ33によって)信号の継続時間を評価する(ブロック43)。続いて、検証装置は、判定された継続時間が、3〜10秒の間、または任意の他の指定された継続時間等、有効な範囲内であることを検証する(ブロック44)場合がある。継続時間が有効である場合、デジタル試験制御盤システム200は、試験を促進する信号を送信する(ブロック45)場合がある。試験を促進するために信号を伝送した後、試験制御盤システム200は、(例えば、デジタル弁制御器206から)試験応答信号を受信する(ブロック46)場合がある。受信された試験応答信号に基づいて、試験制御盤システム200は、例えば、
図5および
図6に示される例示的な実施形態のうちのいずれかに示されるように、(例えば、出力指示器装置216によって)受信された試験応答信号を示す(ブロック47)場合がある。
【0042】
図5および
図6は、部分的ストローク試験等、試験の状態を示すために、デジタル弁制御器206によって等、試験中に使用される構成要素によって送信される場合がある使用可能な試験応答信号の例示的実施形態を示す。例えば、番号列は、応答信号および出力指示の組み合わせの例示的な実施形態の数を特定する。これらの指示が現場でどのように使用される場合があるかの実施形態が、選択された組み合わせによって示される。例えば、試験応答信号は、位置センサ信号、圧力センサ信号、もしくは電流センサ信号から成る群のうちのいずれか1つ以上、またはループ電流信号、行程設定値信号、行程信号、もしくはDVC起動信号から成る群のうちのいずれか1つ以上であってもよい。これらの信号のうちのいずれか、またはこれらの信号の組み合わせが、試験状態を示すために使用される場合がある。
【0043】
試験状態は、出力指示器216によって示される場合がある。例えば、出力指示器216は、緑点灯、緑高速点滅、緑低速点滅、赤点灯、赤高速点滅、赤低速点滅、黄点灯、黄高速点滅、または黄低速点滅から成る群のうちの任意の1つ以上の場合がある。1つの事例において、
図5の番号4にリストされた出力指示器216は、黄点灯および緑高速点滅の組み合わせによって示されるような、トリップ行程設定値信号を示す。点滅またはフラッシュは、緊急停止システム101またはプロセスプラント100の任意の試験された構成要素の任意の状態を示すために受信された信号間を区別するように、異なる速度またはパターンを含む場合がある。
【0044】
出力指示216は、受信された試験応答信号を解釈することによって決定される多様な状態情報をユーザに示す場合がある。例えば、情報は、部分的ストローク試験開始信号が、試験制御盤装置310から正常に送信されたかどうかを示す情報であってもよい。情報は、デジタル弁制御器206が、アクチュエータ204から適切な応答信号を受信したことを示す情報であってもよい。情報は、アクチュエータが弁16の移動を開始したことを示すものであってもよい。
【0045】
別の実施形態において、出力指示216は、ソレノイド弁202(
図2)、アクチュエータ204(
図2)、または緊急制御弁16等、単体でまたは組み合わせで、緊急制御弁16への通信を促進する際に、
これらの他の装置が、ユーザの試験開始入力に関連してそれぞれの通信を正常に受信したかどうかを示すために使用されてもよい。
【0046】
本明細書に記述される試験制御盤装置310および/または試験制御盤システム200の実施形態は、緊急停止弁を含む緊急停止システムを(例えば、部分的ストローク試験を用いて)試験するため、および緊急停止弁に行われた試験の状態または結果の指示を提供するために使用される場合がある。上記のように、本明細書に記述される試験制御盤装置310および/または試験制御盤システム200の実施形態は、緊急停止システム101またはプロセスプラントの任意の構成要素を試験するために使用される場合がある。
【0047】
本開示の実施形態は、共有される構成要素に限定されず、別法により、停止目的の追加の構成要素を含む冗長緊急停止システム101を構成する構成要素を含む場合がある。本開示の実施形態はまた、独立した緊急停止システム101の制御下にあるのではなく、統合され、したがってプロセスプラント100と共有される構成要素を含む場合がある。
【0048】
試験制御盤システム200、および特に試験制御盤装置310は、緊急停止システム101の構成要素を含む、プロセスプラント100の構成要素のうちのいずれかを試験する場合がある。試験制御盤システム200の実施形態は、利点がある場合は異なる場所に分散される場合がある、試験制御盤装置310の構成要素を含む場合がある。緊急停止システム101の構成要素等、試験される場合がある構成要素の例として、独立した緊急停止制御器、インピーダンスブースタ、デジタル通信器、デジタル弁制御器、ソレノイド弁、弁アクチュエータ、フィードバック信号、または緊急制御弁自体16が挙げられる。
【0049】
開示される実施形態のいくつかは、部分的ストローク試験の一部の役割を受け持っている緊急停止弁16等、構成要素に対して行われている試験の状態のより迅速、より正確、および/またはよりわかりやすいフィードバック指示を含むことによって、従来の緊急停止システムのフィードバックに優る向上を提供する。試験の稼動時に向上したフィードバックをユーザに提供する利点によって、プロセスプラントの保全業務の効率を向上する。例えば、緊急システムの試験に関する向上したフィードバックは、試験オペレータによる誤った試験解釈の可能性を削減する。さらに、より良いフィードバックは、誤って解釈された試験からもたらされるダウンタイムおよび問題を削減する。これらの問題は、例えば、部分的ストローク試験結果が、実際には不合格であった時に合格を示していると誤って解釈されると、危険な場合がある。
【0050】
試験制御盤装置310またはシステム200の代替の実施形態は、防爆または本質的安全実装、または緊急停止コマンドがプロセスプラント100または緊急停止システム101によって開始された場合に試験を無効にするために使用される試験無効モジュールを含む場合がある。例えば、防爆端子カバーは、試験制御盤装置310、試験制御盤システム200の任意の構成要素とともに使用される場合がある。
【0051】
いくつかの実施形態を、従来の技術に伴う上記の問題を鑑みて行った。本発明の実施形態のいくつかに従い、部分的ストローク試験等の試験が開始された後、緊急停止システムまたはプロセスプラントの弁または他の構成要素で発生していることに関する改善した指示および状態を有することが可能である。