特許第5745525号(P5745525)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5745525RFIDタグ監視システム、及び、スペース上でRFIDタグの付けられた単品の存在を監視する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5745525
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】RFIDタグ監視システム、及び、スペース上でRFIDタグの付けられた単品の存在を監視する方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20150618BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20150618BHJP
   G06Q 50/28 20120101ALI20150618BHJP
【FI】
   B65G1/137 A
   G06Q10/08
   G06Q50/28 100
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-530909(P2012-530909)
(86)(22)【出願日】2010年9月1日
(65)【公表番号】特表2013-505182(P2013-505182A)
(43)【公表日】2013年2月14日
(86)【国際出願番号】US2010047478
(87)【国際公開番号】WO2011037736
(87)【国際公開日】20110331
【審査請求日】2013年6月27日
(31)【優先権主張番号】12/756,210
(32)【優先日】2010年4月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/244,951
(32)【優先日】2009年9月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512075246
【氏名又は名称】ウィストロン ニューウェブ コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】512076069
【氏名又は名称】ディージェービー グループ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーンサイド,ウァルター ディー.
(72)【発明者】
【氏名】チェン,カイ−ホン
(72)【発明者】
【氏名】ホー,ユミン,シェイン
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−057182(JP,A)
【文献】 特開2008−037561(JP,A)
【文献】 特表2001−518735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
G06Q 10/08
G06Q 50/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグ監視システムであって、メインコンピュータと、複数のRFIDリーダーユニットと前記リーダーユニットに接続された複数のRFIDアンテナを備え、前記リーダーユニットは、RFIDタグの付けられた単品が存在すると予期される関連付けられた一又は複数のゾーンの近くに設置されてネットワークによってメインコンピュータに接続され、それぞれの前記リーダーは少なくとも一つのアンテナに作動可能な状態で接続されており、
それぞれのアンテナは前記ゾーンのうちの関連付けられた一つのゾーンにあるRFIDタグを照射し検出するように配置されていて、前記リーダーユニットそれぞれは電子的な処理能力とそのための記憶装置を備え、関連付けられたアンテナによって検出されたRFIDタグからのシグナルを用いて前記リーダーユニットに保存された在庫データファイルを更新処理し、前記ネットワークを通して前記在庫データファイルを前記メインコンピュータへ送信するようにプログラムされているRFIDタグ監視システムであって、
前記リーダーユニットそれぞれは十分な処理能力を持ち、前記関連付けられたゾーン内の経時的な変化を決定するために、追加されあるいは除外されたRFIDタグの付けられた単品(item)を識別するようにプログラムされ、
前記リーダーユニットそれぞれは十分な処理能力を持ち、前記関連付けられたゾーン内で、時々刻々変化する、追加し、もしくは除外された単品(item)のみの目録データの一覧をメインコンピュータに送信するようにプログラムされていることを特徴とするRFIDタグ監視システム。
【請求項2】
それぞれのリーダーユニットが、前記ゾーンにRFIDタグの付けられた単品が追加されたか、あるいはそこからRFIDタグの付けられた単品が除外されたことを示す前記ゾーンの識別情報をメインコンピュータに対し記録し送信する能力を備え、且つプログラムされていることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項3】
それぞれのリーダーユニットが複数のアンテナとの接続を通して複数のゾーンを監視することを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項4】
それぞれのゾーンが、複数の空間ダイバシティにより配置される複数のアンテナによって照射されることを特徴とする請求項に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項5】
それぞれのゾーンが、複数の方向ダイバシティにより配置される複数のアンテナによって照射されることを特徴とする請求項に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項6】
それぞれのリーダーユニットは複数のポートを備え、それぞれのポートは、各々のカバー範囲が定義されているアンテナを介して唯一のゾーンに関連付けられていることを特徴とする請求項に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項7】
それぞれのリーダーユニットは前記リーダーユニットによって制御される関連付けられたRFスイッチを備え、それぞれのRFスイッチは複数のアンテナのうちの一つを前記リーダーユニットに選択的に連結するよう配置され、それぞれのRFスイッチと関連付けられたアンテナは、単一のRFIDタグの付けられた単品を受領するゾーンに割り当てられることを特徴とする請求項に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項8】
メインコンピュータと、メインコンピュータと共通ネットワークで通信する複数のRFIDタグリーダーユニットから構成され、それぞれのリーダーユニットは独立したスペースのゾーンへ割り当てられたそれぞれのポートを複数持ち、少なくとも一つのアンテナがそれぞれのポートとその関連付けられたゾーンに割り当てられ、それぞれの単品について、前記ポートに関連付けられたゾーンに存在する全てのRFIDタグの付けられた単品の、それが位置するアンテナのゾーンを含む識別情報を保存するように配置されたプロセッサを、それぞれのリーダーユニットが持つことを含むRFIDタグ監視システムであって、
前記リーダーユニットそれぞれは十分な処理能力を持ち、前記関連付けられたゾーンで収集され、追加、もしくは除去された単品の目録データに一致し、メインコンピュータへ報告するための限定された一覧を作成するようプログラムされていることを特徴とするRFIDタグ監視システム。
【請求項9】
メインコンピュータとリーダーユニットはネットワークで結ばれていることを特徴とする請求項に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項10】
リーダーユニットはそれぞれのゾーンのための複数のアンテナを持つことを特徴とする請求項に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項11】
前記のアンテナは複数の空間ダイバシティを提供するよう配置されることを特徴とする請求項10に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項12】
前記のアンテナは複数の方向ダイバシティを提供するよう配置されることを特徴とする請求項10に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項13】
それぞれのリーダーユニットのそれぞれのポートのアンテナは、リーダーユニットによって制御されるRFスイッチを通して操作されることを特徴とする請求項10に記載のRFIDタグ監視システム。
【請求項14】
共通ネットワーク内でメインコンピュータと複数のRFIDリーダーユニットに接続し、それぞれの前記リーダーユニットに独立してその操作を命令し制御するのに十分な処理能力を提供し、それぞれの前記リーダーユニットに、他のリーダーに接続されていない少なくとも一つのアンテナを接続し、監視されているスペースの一部である関連付けられたゾーンを調査するよう配置され、それぞれのリーダーユニットとそのアンテナをアンテナが関連付けられたゾーン内のRFIDタグの存在を検出するために操作し、関連付けられたゾーン内のRFIDタグからのRFIDシグナルを解読して単品データを得、単品の在庫を形成するために検出された単品データを記憶装置に保存し、随時、在庫データをメインコンピュータへ送信することを含みRFIDタグの付けられた単品の存在を監視する方法であって、
前記リーダーユニットそれぞれは十分な処理能力を持ち、前記関連付けられたゾーンで追加、もしくは除外され、時々刻々変化する単品を表す目録データを決定し、前記関連付けられたゾーンで収集された前記目録データの一覧をメインコンピュータへ報告するようプログラムされていることを特徴とするスペース上でRFIDタグの付けられた単品の存在を監視する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線自動識別(RFID、Radio Frequency Identification)に係り、より具体的には、あるサイトの在庫又は商品の存在を監視する、RFIDタグ監視システム、RFIDタグの付けられた単品の存在のためのスペースを監視する方法、及び、サイト上のRFIDタグの存在を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグ、リーダー、アンテナは、小売店、倉庫などのような特定のサイトの商品の在庫の追跡ツールとして現在使用されており、開発途上である。
【0003】
場合によっては、単品(item)レベルベースで商品を識別し追跡するのが望ましい。サイト上の全ての商品の在庫データは、サイト内又は遠隔地においたメインコンピュータ(又はホストコンピュータ)内に保存されることが一層望ましい。
【0004】
リアルタイムで、又はほぼ即座に利用可能な在庫データを有することが望まれている場合に、一定の困難が生じる。商品の在庫が豊富で、商品が単品レベルで追跡されるべき場合には、現在のシステムでは多数のリーダーからメインコンピュータへ送信されるべき大量のデータが必要とされる。メインコンピュータに送信される、タグの付けられた全ての単品を、リーダーが同時に又は連続して識別しようとする場合、メインコンピュータにボトルネックが発生する可能性がある。
【0005】
普通程度のサイズの小売店であっても、例えば、従来のRFID読み込み及びデータ報告技術では、全ての在庫データをメインコンピュータへ送信するのに、実用に適さないほど時間がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明はサイト上の物理的な在庫又は商品の存在をリアルタイムに、即ち、ほぼ即座に、監視するシステムと方法に関するものである。あるサイト上の単品の正確なゾーンアドレスを含む単品レベルのデータは、サイト内の、又はサイトから離れたメインコンピュータ(又はサーバー)で利用可能である。本発明に基づき、サイト内のスペースを複数のゾーンに分割し、ひとつ又は限られた数のゾーンへ個別のRFIDリーダーユニットを割り当てることによって、この結果が達成される。リーダーユニットは、ユニット自身で自らへの命令と制御を行うことができるとともに、ユニットが割り当てられたあるゾーン又は複数のゾーン、及び特定のRFIDタグの付けられた単品が見つかる特定のゾーンにおいて、任意の特定の時間に、潜在的に存在し得る全ての単品の識別情報を個々の記憶装置内に登録することができるだけの、十分な処理能力が備わっていることが好ましい。
【0007】
システムの運営の好ましいモードの一つでは、リーダーユニットはそれらの個別の領域に所在するRFIDタグの付けられた単品の全ての在庫をメインコンピュータへ断続的に報告するだけであるが、ゾーンに追加された又はゾーンから除外された単品のみを報告するデータ圧縮技術によって、在庫データを連続して更新する。望ましくは、単品が置かれあるいは取り除かれる実際のゾーンに加えて、単品の到来又は出発も監視される。開示されたデータ圧縮技術は、多数のリーダーユニットを接続するネットワークを通してメインコンピュータへ送られるデータを大幅に減らす。そのためメインコンピュータでの在庫データ受信におけるボトルネックは取り除かれ、メインコンピュータで利用可能なデータは最新のものとなる。
【0008】
通常はリーダーユニットを自律的に作動させ、かつイーサネット(登録商標)接続のような有線接続又は無線接続によりメインコンピュータと通信させることで、本システムは複雑になることを避けられる。本システムはメインコンピュータにサイト上に存在する全ての在庫の現在レコードと在庫となった単品ごとの正確なゾーン位置を保持させる。さらに、本システムは、監視対象のサイト内全体の単品の動きを実際に追跡するにあたって、十分敏感に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】は、本発明に基づいて構成される、RFIDシステムによって監視される、ゾーンに分割されたサイトの概念図である。
【0010】
図2】は、より詳細な本発明に基づく、図1のRFIDシステムの代表的部分の概念図である。
【0011】
図3】は、代表的なRFIDリーダーユニットの一連の動作を示したものである。
図4】は、代表的なRFIDリーダーユニットの一連の動作を示したものである。
図5】は、代表的なRFIDリーダーユニットの一連の動作を示したものである。
図6】は、代表的なRFIDリーダーユニットの一連の動作を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明に基づいて構成される、RFIDシステムによって監視される、ゾーンに分割されたサイトの概念図である。
商品が受領され又は製造され、そこから商品が配送される場所を表すサイト10は、例えば壁などで囲まれた建物である。本サイトは、図示した配置では、お互いに隣接するゾーン11に分割されている。
図2は、より詳細な本発明に基づく、図1のRFIDシステムの代表的部分の概念図である。
RFIDタグの付けられた商品の存在は、好ましくは単品(item)レベルで且つゾーン別に、複数のRFIDリーダーユニット(以下、単にリーダーユニットともいう)13を備えるRFIDシステム12によって監視される。以下に示すように、リーダーユニット13は、本サイトにいるか、または遠隔地にいるスタッフによって、データの表示又は問い合わせのために、及び他の業務目的のためにアクセスできる在庫データを記録する、共通の、メインコンピュータ(又はサーバー)14へデータを報告する。例えば、サイト10は小売店でもよく、そこでは販売のために受領される商品の単品が各々、固有のRFIDタグを保有する。
【0013】
図示した場合の複数のRFIDリーダーユニット13は同一であり、それぞれはRFIDリーダー(以下、単にリーダーともいう)16、マイクロプロセッサ17、RF(Radio Frequency、無線周波数)スイッチ18のアセンブリである。リーダー16、マイクロプロセッサ17、RFスイッチ18は市販され、業界で一般的に知られているものである。マイクロプロセッサ17及び/又はRFスイッチ18の処理能力は、所望されるのであれば、リーダーの元々の製造時に組み込まれてもよいことは、当業者には理解されるであろう。図示したリーダー16はそれぞれ4つのリーダーポートを持ち、それぞれのポートは別々のRFスイッチ18にサーブされる。図示したように、RFスイッチ18が独立した構成要素である場合、RFスイッチ18は関連するリーダーのPIO(パラレル入出力)ポートなどの任意の通信ポートによって制御される。
【0014】
それぞれのRFスイッチ18は関連付けられたリーダーポートと接続する4つの別々のアンテナチャネルを持ち、それぞれのチャネルは関連付けられた別々のアンテナAT1〜AT4に接続される。そのため、図の実施形態では、それぞれのリーダー16は16個のアンテナを操作する。好ましくは、それぞれのリーダーポート19と共通RFスイッチ18を通してリーダーポート19に関連付けられた4つのアンテナAT1〜AT4は、別々の単一のゾーン11専用とされる。
【0015】
アンテナは通常、ランダムな方向を向いたRFIDタグの少なくとも半分を読み取ることが可能な距離により定義されるカバー範囲を有する。サイト10がゾーン11に分割されるとき、ゾーンの大きさは使用されるアンテナのカバー範囲を超えてはならない。
【0016】
ゾーンでのフェージング問題を減らすため、多重(multiple)アンテナが使われ、好ましくは多重空間ダイバシティに従って設置される。多重空間ダイバシティは、三次元空間の異なる位置にアンテナを配置することによって実現される。空間ダイバシティのため、二つのアンテナ間の間隔は少なくとも1/4波長なければならない。多重空間ダイバシティのため、少なくとも二つのペアを形成するアンテナの間隔は少なくとも1/4波長なければならない。アンテナに長さがある場合、異なった角度の方向に長さを調節することによって方向ダイバシティ(orientation_diversity)もまた実現される。方向ダイバシティのためには、二つのアンテナの間の角度は少なくとも30度なければならない。多重方向ダイバシティのためには、少なくとも二つのペアを形成するアンテナの角度は少なくとも30度なければならない。一対のアンテナの空間ダイバシティ及び一対のアンテナの方向ダイバシティの組み合わせは、同様に、十分な多重ダイバシティを創出して、効果的にフェージングを減らすことができる。
【0017】
それぞれのゾーン内での現在の配置では、4本の伸ばしたアンテナAT1〜AT4が、ゾーンの中央の垂直面に沿って横方向に間隔を置いて垂直に並べられ、アンテナの高さは交互に高、低となる。結果として生じる水平方向と垂直方向の空間ダイバシティにより、ゾーン内の99.9%のRFIDタグが照射(illuminate)、検出されることが十分に保証される。例として、ゾーン11は、一般的な小売店舗においては、10フィート×10フィートのフロアエリアと、10フィートの高さの棚又は天井に囲まれた空間となり得る。
【0018】
リーダー16は、それらに割り当てられたゾーン11の物理的に近くに、つまり通常約15から20フィート以内に置かれる。関連付けられたマイクロプロセッサ17は、リーダーコンソール内に統合されていない場合でも、ハイスピードデータ送信を実現するためにリーダーコンソールの数フィート以内に配置される。それぞれのマイクロプロセッサ17はその関連付けられたリーダー16を連続した命令と制御の下に置き、そのような命令と制御は、好ましくは通常メインコンピュータ14を介さずに行われる。リーダーユニット13のそれぞれのマイクロプロセッサ17は、図2に線26で示したように、好ましくは有線又は無線ネットワークで、他のマイクロプロセッサとともにイーサネット(登録商標)などによって、メインコンピュータ(又は中央コンピュータ)14と通信する。それぞれのリーダー16は4つのRFスイッチ18を制御するPIO配線ポートを有し、その関連付けられたマイクロプロセッサ17からの命令により、リーダー16はチャネル選択が、従って、ある特定のアンテナATの選択が可能となる。
【0019】
それぞれのリーダー16は、そのマイクロプロセッサ17の制御下で、そのポート19それぞれに関連付けられたアンテナAT1〜AT4を以下に記載する順序で続けて作動させる。アンテナATはそれぞれ、その関連付けられたゾーンで、単品ごとに付けられたRFIDタグを検出する。アンテナATによって捉えられた、タグから出たシグナルは、タグの付けられた単品の存在と、その固有の識別情報(identity)を確定するためにリーダー16によって解読される。
タグの付けられた単品を識別するデータは、アクティブポート19の識別情報と共に、リーダー16によって連続して繰り返しマイクロプロセッサ17へ送信される。そのためタグシグナルを捉えているアンテナと関連付けられたゾーンを、マイクロプロセッサが識別するところとなる。
ポートを識別し、故にRFIDタグデータを提供するゾーンを識別するマイクロプロセッサは、単品の識別データと単品が発見されたゾーンをその電子的な記憶領域に記録する。この特定のゾーンのために集められたタグ情報はゾーン在庫データとしてラベリングできる。今日の典型的な標準的リーダーであるリーダー16は、一般的にアンテナ作動の所定のサイクル内で何度も、連続して繰り返しその関連付けられたアンテナを作動し、RFIDタグデータを受け取り、単品を識別するためのデータを解読し、この識別データを送信する。
【0020】
普通程度のサイズの小売施設であっても、多数のリーダーが大量の在庫データを生成することは容易に証明されよう。
【0021】
本発明は、リーダーが所在するネットワークの末端か周辺にあって、サイト全体、即ち、店舗全体、にかかわる在庫データを開発するためにメインコンピュータへ送信する前に、リーダーの生成したデータをどう処理すべきかについての洞察を含む。以下に説明するように、これによってRFID在庫データをメインコンピュータへ送信する前に、異なる技術で圧縮することが可能となる。このデータ圧縮により実際のデータ送信を桁違いに減らすことができる。
【0022】
システム12は、様々なモードと順番で操作できるようプログラムされる。基本モードでは、メインコンピュータ14は、ネットワーク接続を通して、それぞれのマイクロプロセッサ17に、そのリーダー16が自律的に作動して、個別のアンテナを起動し、リーダー16の生成したデータを処理して特定のリーダーに関連付けられたそれぞれのゾーンのための個別のRFIDタグ在庫データを開発するよう、指示を与える。メインコンピュータ14にそのように指示された場合、リーダーユニット13は自律的に、他のリーダーユニットとの同期することなく、ネットワーク接続を通して個別のゾーン在庫データをメインコンピュータへ報告する。
【0023】
図3ないし6に示される、データの収集とデータの処理のタイミングについて以下に述べる。
【0024】
1)RFスイッチ18はリーダー16のPIO(パラレル入出力ポート、図示せず)によって制御され、PIOは特定のリーダー16の全てのRFスイッチ18に並列接続されているので、RFスイッチは全て同時に、同じスイッチ出力に、即ち、同じアンテナチャネルに切り替えられる。
【0025】
2)特定のリーダーの全てのRFスイッチが第1アンテナAT1へ切り替えるよう指令されるとすると、以下に述べられるリーダーの命令及び制御は関連付けられたマイクロプロセッサ17によってなされる。(図3
【0026】
3)リーダーは、設定された時間の間(以下、本実施例では10秒とする)、ポート#1を通してタグの付けられた在庫を読み込むよう指示され、ポート#1はRFスイッチを通してその第1アンテナAT1へ接続される。このデータはDMA(direct memory access、ダイレクトメモリアクセス)転送により、マイクロプロセッサ記憶領域へ集められる。
【0027】
4)次いでリーダー16は、そのマイクロプロセッサによって、設定された時間の間、ポート#2を通して、タグの付けられた単品又は在庫を読み込むよう指示される。ポート#2データが集められると同時に、マイクロプロセッサはポート#1データを取り込み、ポート#1在庫又はゾーン#1在庫として定義される在庫データセットを作成するよう処理する。
【0028】
5)次いでリーダー16は、設定された時間の間、ポート#3を通して、タグの付けられた在庫を読み込むよう指示される。ポート#3データが集められると同時に、マイクロプロセッサはポート#2データを取り込み、ポート#2在庫又はゾーン#2在庫として定義される在庫データセットを作成するよう処理する。
【0029】
6)次いでリーダーは、設定された時間の間、ポート#4を通して、タグの付けられた在庫を読み込むよう指示される。ポート#4データが集められると同時に、マイクロプロセッサはポート#3データを取り込み、ポート#3在庫又はゾーン#3在庫として定義される在庫データセットを作成するよう処理する。
【0030】
7)次いでマイクロプロセッサは出力#1を通して、第2アンテナAT2へ接続するようRFスイッチへ命令する。(図4
【0031】
8)それからリーダーは、設定された時間の間、ポート#1を通して、タグの付けられた在庫を読み込むよう指示される。ポート#1データが集められると同時に、マイクロプロセッサはポート#4データを取り込み、ポート#4在庫又はゾーン#4在庫として定義される在庫データセットを作成するよう処理する。
【0032】
9)次いでリーダーは、設定された時間の間、ポート#2を通して、タグの付けられた在庫を読み込むよう指示される。ポート#2データが集められると同時に、マイクロプロセッサはポート#1データを取り込み、ポート#1在庫又はゾーン#1在庫として定義される在庫データセットを作成するよう処理する。ここで留意すべきはポート#1から来たこの新しい在庫データはゾーン#1から来た第2アンテナデータを表すことである。つまり、この第2アンテナデータは、ゾーン#1内の第1アンテナで先に得られた、以前のゾーン#1データに加えられる。それ故、このゾーン#1データは現在、第1アンテナAT1と第2アンテナAT2で得られる在庫を示している。
【0033】
10)次いでリーダーは、設定された時間の間、ポート#3を通して、タグの付けられた在庫を読み込むよう指示される。ポート#3データが集められると同時に、マイクロプロセッサはポート#2データを取り込み、ポート#2在庫又はゾーン#2在庫として定義される在庫データセットを作成するよう処理する。ここで留意すべきはポート#2から来たこの新しい在庫データはゾーン#2からの第2アンテナデータを表すことである。つまり、この第2アンテナデータは、ゾーン#2内の第1アンテナで先に得られた、以前のゾーン#2データに加えられる。それ故、このゾーン#2データは現在、第1アンテナと第2アンテナで得られる在庫を示している。
【0034】
11)次いでリーダーは、設定された時間の間、ポート#4を通して、タグの付けられた在庫を読み込むよう指示される。ポート#4データが集められると同時に、マイクロプロセッサはポート#3データを取り込み、ポート#3在庫又はゾーン#3在庫として定義される在庫データセットを作成するよう処理する。ここで留意すべきはポート#3から来たこの新しい在庫データはゾーン#3からの第2アンテナデータを表すことである。つまり、この第2アンテナデータは、ゾーン#3内の第1アンテナで先に得られた、以前のゾーン#3データに加えられている。それ故、このゾーン#3データは現在、第1アンテナと第2アンテナで得られる在庫を示している。
【0035】
12)それからRFスイッチは出力#3へ切り替えるよう命令される。(図5
【0036】
13)次いでリーダーは、設定された時間の間、ポート#1を通して、タグの付けられた在庫を読み込むよう指示される。ポート#1データが集められると同時に、マイクロプロセッサはポート#4データを取り込み、ポート#4在庫又はゾーン#4在庫として定義される在庫データセットを作成するよう処理する。ここで留意すべきはポート#4から来たこの新しい在庫データは、ゾーン#4からの第2アンテナデータを表すことである。つまり、この第2アンテナデータは、ゾーン#4内の第1アンテナで先に得られた、以前のゾーン#4データに加えられる。それ故、このゾーン#4データは現在、第1アンテナと第2アンテナ、即ち、AT1とAT2で得られる在庫を示している。
【0037】
14)次いでリーダーは、設定された時間の間、ポート#2を通して、タグの付けられた在庫を読み込むよう指示される。ポート#2データが集められると同時に、マイクロプロセッサはポート#1データを取り込み、ポート#1在庫又はゾーン#1在庫として定義される在庫データセットを作成するよう処理する。ここで留意すべきはポート#1から来たこの新しい在庫データはゾーン#1からの第3アンテナデータを表すことである。つまり、この第3アンテナデータは、ゾーン#1内の第1アンテナと第2アンテナで先に得られた、以前のゾーン#1データに加えられる。それ故、このゾーン#1データは現在、ゾーン#1で第1アンテナ、第2アンテナ及び第3アンテナで得られる在庫を示している。
【0038】
15)この処理はそれぞれのポート又はゾーンの全てのアンテナの在庫が集められるまで続けられる。(図5図6
それ故、マイクロプロセッサは、全てのゾーン内の4つのアンテナをそれぞれ使用して、それぞれのポート又はゾーンの在庫を完全に保有する。結果として、マイクロプロセッサは、標準コンピュータ相互ネットワークプロトコルを使用して、このゾーンデータをメインコンピュータ又は店舗在庫コンピュータへ送信する。一方、マイクロプロセッサは前記のステップを循環して、単にデータ収集を続ける。
【0039】
16)このアプローチを使用して、マイクロプロセッサは全てのプロセスを制御している。言い換えれば、マイクロプロセッサが、RFスイッチをマイクロプロセッサが決定する順序に対応する位置にいるようにするまで、在庫データは収集されない。
【0040】
今記述したプロセスの代わりに、リーダーユニット13は、特に高速且つ適正な能力を有する場合、利用可能なデータを全て集めた後、一括処理できる。データ収集及び処理の順序又は戦略に関わらず、リーダーユニット13によって実行される処理は自律的に行われて、そのためメインコンピュータ14によってリーダーユニット13が通常直接に管理されないのが好ましい。同時に、他のリーダーユニット13全てが、それぞれのゾーン内で在庫を監視するという同じプロセスを行なっている。
多数のゾーン11をカバーするサイト10でのリーダーユニット13の作動は、同時に行われたとしても、同期されないことが好ましい。マイクロプロセッサ17がその在庫データが正確であると決定するとき、マイクロプロセッサ17はメインコンピュータ14へその結果を報告できる。
【0041】
マイクロプロセッサ17は潜在的なアンテナの問題や故障を識別できる。これは前記のソフトウェアを使用することにより比較的簡単に達成できる。もしアンテナが故障し始めたり、故障したら、収集されるタグの付けられた単品データ収集セットは前回のデータ収集セットよりはるかに少なくなる。データ収集セットの減少が起きたならば、アンテナが断続的に故障しているか完全に故障してしまったかもしれないと想定できるにちがいない。従って、エラーコードは通常の処理ループの一部として作られ、このエラーデータはメインコンピュータへ送られるデータファイルと共に送られる。メインコンピュータソフトウェアは次いでエラーコードを解読し、潜在的な問題を有する特定のマイクロプロセッサユニットを識別できる。
【0042】
モード制御に関して、これはメインコンピュータ、即ち、店舗ホストコンピュータを通して行うことができる。メインコンピュータ(店舗ホストコンピュータ)は、単に適切な命令・制御ファイルをマイクロプロセッサへ送るだけである。マイクロプロセッサは全てのアンテナを通したそれぞれの最近の処理サイクルを完了すると、最初に新しい命令・制御ファイルを受領したかどうかチェックする。もし受領しているならば、このファイルを受領したことをメインコンピュータ又は店舗ホストコンピュータに知らせ、ただちにモードを変更する。このようにして、次の処理ループは新しいモード下で実行される。モードの例として挙げられるのは、全在庫データセットもしくは、前回の全在庫データセットの報告以降、特定のリーダーユニットによって監視されるゾーンに追加されたか又はゾーンから取り外された単品のデータセットである。
【0043】
周知の方法で、リーダー16は連続的に作動し、RFIDタグの付けられた単品の識別を繰り返し行い、最後に識別された単品を中央コンピュータへ送信する。タグ又は単品情報又はデータは、例えば、タグ番号、タグが読み込まれた時間、タグから受信された信号の相対的電力を含む。
本発明で企図しているように、リーダー16それぞれに別々のマイクロプロセッサ17を持たせるか、又は、リーダー自身にそのような処理能力を統合することにより、適切な処理能力をリーダーに局在させると、リーダーから生じるデータの流れは、、好都合にもリーダーの所在地でその場で処理され(即ち、リーダーから数フィート内のところで、もしくはリーダーに統合されたところで処理され)、かつ実際のゾーン在庫データ、即ち、重複のない固有タグ番号のリストとその固有タグ番号が存在することを示すゾーン番号、に圧縮される。このように、商品の存在に非常に近いところで、マイクロプロセッサによって本情報が局所的に開発されることは、本発明によってもたらされる大きな利点である。
【0044】
ある時期に、中央コンピュータが、全てのゾーン分を揃えるとサイト在庫の全てを表す、個々のゾーンの完全な在庫データセットを受領したとすれば、あるゾーンで、単品に追加があったり単品の除外があって、そのゾーンに何らかの変更が生じた場合において、中央コンピュータへ通知する必要があるだけである。追加されたりあるいは除外された限られた数の単品の限られた数の変更を反映するデータは、ゾーンもしくは複数のゾーンの全在庫を識別するデータと比較すると通常、非常に少ない。例えば、あるゾーンでの変更を反映した圧縮データを、通常の営業時間中にメインコンピュータへ通信する必要があるだけである。
【0045】
要約すると、いったん本RFIDシステム12が稼動して全てのゾーンのRFIDタグの付けられた単品の全てがサイト在庫に入力されると、前述のデータ圧縮技術を使用でき、そのため限られた量のデータのみがネットワークを介して、全てのリーダーユニット13からメインコンピュータへ送られる。例えばイーサネット(登録商標)プロトコルによるネットワークは、マイクロプロセッサ17からメインコンピュータ14へ送られるデータの不一致や衝突を解決し、データは圧縮されているので、そうでない場合に引き起こされる、現在有用なデータの供給を停滞させるボトルネックを避けられる。本システムは、ゾーンからゾーンへの単品の動きを追跡する場合にも、十分に敏感に反応する。さらに、メインコンピュータへの問い合わせにより、サイト在庫内の任意の単品のゾーン位置が明らかにされる。メインコンピュータは、例えば深夜のようにサイトの活動が少ない時間帯に、在庫精度を高めるために、完全に更新されたゾーン在庫データセットを送るようリーダーユニットへ指示できる。
【0046】
本開示は、例示を目的としており、本開示に含まれる教示の公正な範囲から逸脱せずに詳細事項を追加し変更し又は除外することによって、様々な変更が行われ得ることは明らかである。本発明はそれ故、次に述べる特許請求の範囲が必要があって限定している範囲を除き、本開示による特定の詳細事項に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
10 サイト
11 ゾーン
12 RFIDシステム
13 RFIDタグリーダーユニット、RFIDリーダーユニット、リーダーユニット
14 メインコンピュータ(ホストコンピュータ、サーバー)
16 RFIDリーダー(リーダー)
17 マイクロプロセッサ
18 RFスイッチ
19 リーダーポート、アクティブポート
26 メインコンピュータシステムへのイーサネット(登録商標)又は無線による接続
図1
図2
図3
図4
図5
図6