(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のシュレッダ管理システムにあっては、シュレッダのメンテナンス情報をICタグに読み出し可能に書き込む態様、あるいは、シュレッダの細断屑を再利用するに当たって管理する態様が既に開示されているが、シュレッダの細断機構の保守・修理については、定期点検や顧客からの要請に従って保守・修理要員(サービスパーソン)が現場に出向いて、保守・管理をする方式であったため、現場にてシュレッダの運転状況を確認する作業が必要不可欠になるばかりか、定期点検時にシュレッダの運転状況が正常である状況では定期点検自体が無駄になってしまう可能性があり、更に、顧客からの要請に従ってシュレッダの保守・修理を行うに当たって、保守・修理要員は顧客からの連絡事項を参考にして現場に出向くことから、事前に、シュレッダの運転状況を正確に把握することができず、現場への保守部品の持参不足によりシュレッダの運転状況を確認した後に保守部品を再手配せざるを得ない状況が生ずる懸念があった。
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、細断機構による経時的な細断処理状況を正確に把握して、保守・修理を効率的に実施可能とする通信型シュレッダ及びこれを用いたシュレッダ管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、
複数枚単位のシート状物を
同時に細断
することが可能な細断機構と、この細断機構の経時使用に伴う使用履歴情報を認識する使用履歴認識手段と、この使用履歴認識手段にて認識された使用履歴情報及び管理対象シュレッダの機体を特定する機体特定情報が少なくとも含まれる機体情報を読出し可能に記憶する記憶手段と、予め決められた管理通信先との間で情報通信可能とする通信手段と、この通信手段を用いて前記管理通信先に対し前記記憶手段に記憶された機体情報のうち少なくとも機体特定情報及び使用履歴情報が送信可能になるように制御する通信制御手段と、を備え
、前記使用履歴認識手段は、前記細断機構による細断回数に相当する情報と、前記細断機構の細断負荷に相当する情報を考慮して前記細断機構による累積細断量を算出し、これを前記使用履歴情報としたことを特徴とする通信型シュレッダである。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項
1に係る通信型シュレッダにおいて、前記細断機構を駆動する駆動装置は、駆動源及びこの駆動源から駆動力を前記細断機構に伝達する駆動伝達機構を有し、前記通信制御手段は、前記駆動源の駆動電流を計測するモニタを有し、このモニタ情報を前記機体情報の一部として前記管理通信先に送信するものであることを特徴とする通信型シュレッダである。
請求項
3に係る発明は、請求項1
又は2に係る通信型シュレッダにおいて、前記記憶手段には前記機体情報として前記使用履歴情報及び前記機体特定情報のほかに、その他の管理対象項目として必要な動作情報を含むことを特徴とする通信型シュレッダである。
請求項
4に係る発明は、請求項1ないし
3いずれかに係る通信型シュレッダにおいて、前記通信制御手段は、前記使用履歴情報が予め決められた
一若しくは複数の規定値に到達したことを条件として、前記管理通信先に対して送信すべき機体情報を自動的に送信する自動送信判断部を有していることを特徴とする通信型シュレッダである。
請求項
5に係る発明は、請求項1ないし
4いずれかに係る通信型シュレッダにおいて、前記通信制御手段による機体情報の送信時期が指定可能な指定手段を備え、前記通信制御手段は、前記指定手段にて指定した送信時期に前記管理通信先に対して送信すべき機体情報の送信処理を実行することを特徴とする通信型シュレッダである。
請求項
6に係る発明は、請求項1ないし
5いずれかに係る通信型シュレッダにおいて、前記通信制御手段は、前記管理通信先からの送信要請指示に従って前記管理通信先に対して送信すべき機体情報の送信処理を実行することを特徴とする通信型シュレッダである。
請求項
7に係る発明は、請求項1ないし
6いずれかに係る通信型シュレッダにおいて、前記通信制御手段は、管理対象シュレッダの動作状態に故障につながる異常要因がある条件で警告情報を送信する警告判断部を有していることを特徴とする通信型シュレッダである。
【0008】
請求項
8に係る発明は、請求項1ないし
7いずれかに係る通信型シュレッダと、前記管理通信先に設けられ、前記通信型シュレッダとネットワークを介して通信可能な通信手段を有し、前記通信型シュレッダから送信された機体情報に基づいて当該シュレッダの運転状況を管理する管理装置と、を備えたことを特徴とするシュレッダ管理システムである。
請求項
9に係る発明は、請求項
8に係るシュレッダ管理システムにおいて、前記管理装置は、保守・修理要員が携帯端末を通じてアクセス可能な管理用サーバを有し、この管理用サーバには前記管理対象シュレッダの機体情報が更新可能に格納される顧客データベースを設け、前記保守・修理要員に前記顧客データベースを閲覧可能としたことを特徴とするシュレッダ管理システムである。
請求項
10に係る発明は、請求項
8又は
9に係るシュレッダ管理システムにおいて、前記管理装置は、前記管理対象シュレッダから受信した機体情報に予め想定された範囲を超えた変化が生じたときに、保守・修理要員宛に向けて保守・修理の要否確認作業指示が発せられる作業指示部を有することを特徴とするシュレッダ管理システムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、細断機構による経時的な細断処理状況を正確に把握して、保守・修理を効率的に実施することが可能なシュレッダを提供することができる。
特に、シート状物が複数枚単位で細断機構に供することが可能な態様において、細断機構の使用履歴を正確に認識することができる。
請求項
2に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、細断機構の劣化度合についてより詳細に管理することが可能である。
請求項
3に係る発明によれば、細断機構による細断処理状況に加えて、その他の管理対象項目についての動作状況をも合わせて管理することができる。
請求項
4に係る発明によれば、管理通信先に対し、シュレッダの経時的使用に関し、保守・修理の要否チェックを自動的に要請することができる。
請求項
5に係る発明によれば、シュレッダの保守・修理の要否確認の要請時期をユーザの意思で適宜選定することができる。
請求項
6に係る発明によれば、管理対象シュレッダに対する保守・修理についての管理をより強化することができる。
請求項
7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、シュレッダの故障を未然に防止することができる。
請求項
8に係る発明によれば、管理対象シュレッダに対し、細断機構による経時的な細断処理状況を正確に把握して、保守・修理を効率的に実施することが可能
であって、特に、シート状物が複数枚単位で細断機構に供することが可能な態様において、細断機構の使用履歴を正確に認識することが可能なシュレッダ管理システムを容易に構築することができる。
請求項
9に係る発明によれば、管理対象シュレッダに対し、保守・修理要員が迅速に対応することができる。
請求項
10に係る発明によれば、管理対象シュレッダのうち故障につながる懸念が大きい状況であっても、保守・修理要員を迅速に対応させることができ、管理対象シュレッダの故障を未然に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用されたシュレッダ管理システムの実施の形態の概要を示す。
同図において、シュレッダ管理システムは、一若しくは複数の顧客Uに対して設置される通信可能な通信型シュレッダ11と、管理通信先Mに設けられ、通信型シュレッダ11とネットワークXを介して通信可能な通信手段13を有し、通信型シュレッダ11から送信された機体情報に基づいて当該シュレッダ11の運転状況を管理する管理装置12と、を備えたものである。
このようなシュレッダ管理システムにおいて用いられる通信型シュレッダ11は、
図1に示すように、シート状物1を細断する細断機構2と、この細断機構2の経時使用に伴う使用履歴情報を認識する使用履歴認識手段3と、この使用履歴認識手段3にて認識された使用履歴情報及び管理対象シュレッダの機体を特定する機体特定情報が少なくとも含まれる機体情報を読出し可能に記憶する記憶手段4と、予め決められた管理通信先Mとの間で情報通信可能とする通信手段5と、この通信手段5を用いて前記管理通信先Mに対し前記記憶手段4に記憶された機体情報のうち少なくとも機体特定情報及び使用履歴情報が送信可能になるように制御する通信制御手段6と、を備えたものである。
【0012】
このような技術的手段において、シート状物1とは用紙等の記録材を始め、CD、DVD等のマルチメディアのようなシート状の物品を広く含む。
また、細断機構2としてはシート状物1を細断するカッタ要素を有していればよく、複数のカッタ要素で異なる細断方向を機能分離させるようにしてもよいし、一つのカッタ要素で異なる細断方向を兼用するものなど適宜選定して差し支えない。また、細断機構2により細断される細断片についてはシート状物1の搬送方向に沿った方向とこれに交差する方向との二方向で細断するものが代表的であるが、これに限らず、一方向に長く延びる短冊状に細断するものであってもよい。
更に、使用履歴認識手段3が認識する‘細断機構2の経時使用に伴う使用履歴情報’としては、細断機構2が何枚のシート状物1を細断するために使用されてきたかの履歴を示す情報であれば適宜選定して差し支えない。ここで、細断機構2にシート状物1が1枚ずつ供される態様であれば、シート状物1のサイズ、枚数から使用履歴を割り出すことは可能であり、また、細断機構2にシート状物1が複数枚単位で供される態様にあっては、シート状物1のサイズ、枚数に加えて、‘複数枚単位’のシート状物1に対する細断機構2の細断負荷や厚み情報を加味して使用履歴を割り出すことは可能である。
【0013】
また、記憶手段4としては、対象機体情報(例えば機種名、製造番号)、使用履歴情報(例えば累積細断量や、累積細断量に関連して変化する情報など)が少なくとも記憶されていればよく、これ以外に管理対象シュレッダ11を管理する上で有益な情報(エラー情報、オートリバース回数、細断屑満杯情報など)を記憶するようにしておき、管理通信先Mに対して情報提供するようにしてもよいことは勿論である。
更に、通信手段5としては、予め決められた管理通信先Mからの要請に沿った通信性能を確保するという点からすれば、管理対象シュレッダ11と管理通信先Mとの間で双方向通信が可能であることが好ましい。
更にまた、通信制御手段6としては、予め決められた管理通信先Mに対し、対象機体情報、使用履歴情報を少なくとも送信可能な機能を備えていれば、適宜設計変更して差し支えない。
また、管理装置12としては、通信型シュレッダ11と通信可能な通信手段13を具備し、送信された機体情報に基づいてシュレッダ11の運転状況(適正、保守必要、修理必要、交換必要など)を管理するものであれば適宜選定して差し支えない。
【0014】
次に、本実施の形態に係るシュレッダ管理システムの代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、使用履歴認識手段3の代表的態様としては、使用履歴情報として細断機構2による累積細断量を用いた態様が挙げられる。例えばシート状物1が1枚ずつ細断機構2に供される態様では、シート状物1のシュレッダ11への投入回数や細断機構2の運転回数で把握することは可能であるが、シート状物1を複数枚単位で細断機構2に供する態様では、シート状物1の投入回数等に加えて更に細断負荷を考慮することで累積細断量を割り出すようにすればよい。
ここで、後者の使用履歴認識手段3の代表的態様としては、細断機構2による細断回数に相当する情報と、細断機構2の細断負荷に相当する情報を考慮して細断機構2による累積細断量を算出し、これを使用履歴情報としたものが挙げられる。
本例において、‘細断回数に相当する情報’とは、シュレッダ筐体の投入口に投入されるシート状物1の投入回数や、細断機構2の運転回数、運転時間など適宜選定して差し支えない。また、‘細断負荷に相当する情報’としては、細断機構2が細断処理する際の負荷を意味する。この細断負荷は複数枚単位でシート状物1を細断するときには1枚に比べて増加する。また、経時変化としては、細断機構2を一定期間使用すると、シュレッダ11の細断負荷が増加するが、増加する要因としては、細断によって細断機構2のカッタ要素への紙詰まりや、カッタ要素の摩耗が挙げられる。また、この種の細断負荷の増加はシュレッダ11の累積細断量に依存するものと推測される。よって、細断負荷として経時変化分を補正するようにすれば、より正確な使用履歴情報が得られる。
【0015】
また、細断機構2を駆動する駆動装置7が、駆動源(図示せず)及びこの駆動源から駆動力を細断機構2に伝達する駆動伝達機構(図示せず)を有する態様にあって、通信制御手段6の代表的態様としては、駆動源の駆動電流を計測するモニタを有し、このモニタ情報を機体情報の一部として管理通信先Mに送信するものが挙げられる。
細断機構2を駆動する駆動装置7は、一般的に駆動源(例えば駆動モータ)及び当該駆動源からの駆動力を細断機構2に伝達する駆動伝達機構(プーリ+伝達ベルト+ギアなど)を有している。ここで、細断機構2の細断負荷の大小は駆動源の駆動電流の大小に現れることから、この駆動電流をモニタにて計測することで細断負荷に相当する情報を取得することが可能である。このとき、このモニタ情報にはシート状物1に対する細断負荷に加えて、カッタ要素への紙詰まりやカッタ要素の摩耗の影響も含まれているため、これらの要因を分析することで、細断機構2の劣化度合(紙詰まり、摩耗)なども把握することが可能である。
また、記憶手段4に保存される機体情報の好ましい態様としては、使用履歴情報及び機体特定情報のほかに、その他の管理対象項目として必要な動作情報を含むものが挙げられる。ここで、その他の管理対象項目として必要な動作情報としては、過負荷運転時間(又は回数)、オートリバース回数、放熱回数、屑満杯センサの検知回数、シュレッダ筐体の扉開閉センサの検知回数、投入口センサの検知回数などが挙げられる。
【0016】
更に、通信制御手段6の好ましい態様としては、使用履歴情報が予め決められた
一若しくは複数の規定値に到達したことを条件として、管理通信先Mに対して送信すべき機体情報を自動的に送信する自動送信判断部8を有している態様が挙げられる。この自動送信判断部8は、使用履歴情報として例えば累積細断量が予め決められた規定値(例えば1t、3t)に至るときに、管理通信先Mに対し管理対象シュレッダ11の使用状況(保守・修理の要否)のチェック要請をするために、機体情報を自動送信するものである。
更にまた、通信制御手段6の別の好ましい態様としては、通信制御手段6による機体情報の送信時期が指定可能な指定手段9を備え、この指定手段9にて指定した送信時期に管理通信先Mに対して送信すべき機体情報の送信処理を実行する態様が挙げられる。ユーザは指定手段9による指定にて通信制御手段6による機体情報の送信時期を任意に選定することが可能である。
また、通信制御手段6の他の好ましい態様としては、管理通信先Mからの送信要請指示に従って管理通信先Mに対して送信すべき機体情報の送信処理を実行する態様が挙げられる。本態様では、通信制御手段6は、管理通信先Mからの送信要請指示があると、必要な機体情報を送信する。このため、管理通信先Mの要請に応じて管理対象シュレッダ11の機体情報を提供することが可能である。
また更に、通信制御手段6の他の好ましい態様としては、管理対象シュレッダ11の動作状態に故障につながる異常要因がある条件で警告情報を送信する警告判断部10を有している態様が挙げられる。この警告判断部10は、管理対象シュレッダ11の動作状態に故障につながる異常要因があるとき、管理通信先Mに対し警告情報を送信する。このため、管理通信先Mはこの警告情報を受信後、保守・修理の要否に関して直ちに対処することが可能である。
【0017】
また、管理装置12の好ましい態様としては、保守・修理要員Pが携帯端末17を通じてアクセス可能な管理用サーバ14を有し、この管理用サーバ14には管理対象シュレッダ11の機体情報が更新可能に格納される顧客データベース15を設け、保守・修理要員Pに顧客データベース15を閲覧可能とする態様が挙げられる。管理用サーバ14は顧客データベース15に管理対象シュレッダ11の機体情報を更新可能に格納しており、保守・修理要員Pは担当の管理対象シュレッダ11に関していつでも機体情報を確認することが可能である。
更に、管理装置12の別の好ましい態様としては、管理対象シュレッダ11から受信した機体情報に予め想定された範囲を超えた変化が生じたときに、保守・修理要員P宛に向けて保守・修理の要否確認作業指示が発せられる作業指示部16を有する態様が挙げられる。管理対象シュレッダ11から受信した機体情報に予め想定される範囲を超えた変化が生じているときには、当該管理対象シュレッダ11は故障につながる懸念が大きい。このため、本態様では、このような条件に至ると、作業指示部16は、保守・修理要員Pや保守・修理要員Pを抱えるメンテナンス会社に向けて保守・修理の要否確認作業指示書を直ちに送付する。これにより、保守・修理要員Pは迅速に保守・修理の要否確認作業を開始することが可能である。
【0018】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
−シュレッダ管理システムの全体構成−
図2は実施の形態1に係るシュレッダ管理システムの全体構成を示す。
同図において、シュレッダ管理システムは、一若しくは複数の顧客Uに対して設置される通信可能な複数の通信型シュレッダ20(例えば20a〜20c…)と、管理者M側に設けられ、通信型シュレッダ20とネットワークXを介して通信可能に設置され、各通信型シュレッダ20から送信された機体情報に基づいて当該シュレッダ20の運転状況を管理する管理装置100と、を備えている。
また、本例では、保守・修理要員Pは、例えば携帯端末200からネットワークXを介して管理装置100にアクセス可能であり、この管理装置100を経由して担当する管理対象である通信型シュレッダ20(例えば20a)の運転状況を把握可能としたものである。
【0019】
−通信型シュレッダの基本構成−
図3(a)は実施の形態1に係るシュレッダの全体構成を示し、同図(b)はその平面説明図である。
同図において、通信型シュレッダ20は、略直方体形状のシュレッダ筐体21を有し、このシュレッダ筐体21の上面には細断するシート状物としての用紙が投入される投入口22を開設し、この投入口22には一対のガイドシュートで区画された搬入経路23を設け、この搬入経路23の途中に細断機構24を配設し、シュレッダ筐体21内の細断機構24の下方には用紙の細断片が収容される屑容器27を出し入れ可能に配設したものである。
ここで、細断機構24は、用紙の搬入方向に沿う方向に短冊状に細断する第1のカッタ要素25と、第1のカッタ要素25に対して用紙の搬入方向下流側に設けられ且つ短冊状に細断された各細断短冊片91(
図4参照)を所定の細断ピッチ毎にチップ状細断片92として細断する第2のカッタ要素26と、を有している。尚、
図3中、符号50は細断機構24を駆動する駆動装置、60はシュレッダ20を操作するための操作パネルである。
【0020】
−細断機構−
本実施の形態において、第1のカッタ要素25は、
図3〜
図5(a)に示すように、用紙を短冊状に細断する所謂ストレートカッタと称するものであって、一対のロールカッタ31,32からなるものである。これらのロールカッタ31,32は、回転軸31a,32aの軸方向に予め決められたピッチで等間隔に円板状の切断刃31b,32bを取り付けたもので、各切断刃31b,32bを相互に噛合配置するようにしたものである。
また、第2のカッタ要素26は、
図3〜
図5(a)に示すように、回転軸41aの周囲に螺旋状の刃41bを予め決められたピッチの間隔で複数有するスパイラルカッタ41と、このスパイラルカッタ41に対向して固定配置されるフラットカッタ42と、を有するものである。
【0021】
−細断機構の駆動装置−
本実施の形態において、駆動装置50は、
図3〜
図5(a)に示すように、駆動源としての駆動モータ51を有し、この駆動モータ51からの駆動力を駆動伝達機構52を介して第1のカッタ要素25及び第2のカッタ要素26に伝達するものである。
本例において、駆動伝達機構52としては、例えば駆動モータ51の駆動軸及び第1のカッタ要素25の一方のロールカッタ31の回転軸31aに夫々プーリ52a,52bを固着すると共に、これらプーリ52a,52b間に伝達ベルト52cを掛け渡し、更に、各ロールカッタ31,32の回転軸31a,32aには伝達ギア52d,52eを互いに噛合させた状態で固着する一方、一方のロールカッタ31の回転軸31aにはプーリ52bと同軸にプーリ52fを固着すると共に第2のカッタ要素26のスパイラルカッタ41の回転軸41aにプーリ52gを固着し、これらのプーリ52f,52g間に伝達ベルト52hを掛け渡したものである。
【0022】
−制御装置−
更に、本実施の形態では、通信型シュレッダ20は制御装置70によって制御されるようになっている。
本例において、制御装置70は、
図4に示すように、CPU71、ROM72、RAM73及び図示外の入出力ポートを含むマイクロコンピュータシステムからなるものであるが、本例では、CPU71は、主として細断機構24か駆動される駆動装置50を制御対象とする細断用CPU71aと、管理者M側の管理装置100と管理対象である通信型シュレッダ20との間で必要な情報を通信するための通信用CPU71bと、を有している。ここで、通信用CPU71bは、図示外の入出力ポート及び通信用モデム75(専用のモデムでもよいし、LAN環境の構成部品であるモデムを利用してもよい)を経由してネットワークX環境に接続可能になっており、ネットワークXを介して管理者Mの管理装置100と通信可能に接続されるものである。尚、通信型シュレッダ20に例えばPLCアダプタ(図示せず)を搭載するようにすれば、電源コンセントから通信環境を得ることも可能である。
そして、制御装置70は、後述する各入力信号を入出力ポートを介して受け取り、CPU・RAMによってROM内に予めインストールされている細断制御プログラムを実行し、細断機構24の駆動装置50に対し所定の制御信号を送出して細断処理を実施したり、あるいは、CPU・RAMによってROM内に予めインストールされている通信制御プログラム(
図8参照)を実行し、管理者M側へ送信すべき機体情報を読み出して通信処理を実施する。
【0023】
<制御装置への入力信号>
ここで、制御装置70に入力される入力信号Inとしては例えば以下のものが挙げられる。
(In-1)操作パネル60からの操作信号
(In-2)搬入経路23の途中に設けられて投入口22に用紙Sが搬入されたか否かを検知する投入口センサ81からの信号
(In-3)屑容器27に収容される細断屑93が満杯に至ったか否かを検知する屑満杯センサ82からの信号
(In-4)シュレッダ筐体21の扉(図示せず)の開閉を検知する扉開閉センサ83からの信号
(In-5)細断機構24の駆動装置50の駆動源である駆動モータ51の駆動電流を計測する電流計85からの計測信号
(In-6)駆動モータ51が連続稼働によって予め決められたレベルを超える高温状態に至ったときに、当該駆動モータ51の稼働を停止させる過熱防止器86からの動作信号
尚、本例では、操作パネル60は、
図3に示すように、シュレッダ20に電源を投入するためのスタートスイッチ61(図中STと表記)と、管理者Mに送信すべき送信条件を顧客U側で指定するときに操作する指定スイッチ62(図中Dと表記)と、シュレッダ20の動作状態を表示する表示器63と、を有している。また、投入口センサ81は用紙Sが通過したことを検知可能な構成であれば、機械的、光学式センサなど適宜選定して差し支えない。
【0024】
<送信すべき機体情報>
本例では、RAM73の送信情報格納領域には管理装置100に送信すべき情報が読出し可能に格納されている。
本例で用いられる送信すべき情報としては、
図7(a)に示すよう機体情報が挙げられる。
(J-1)機種名
管理対象シュレッダ20の製品名である。
(J-2)製造番号
管理対象シュレッダ20の製造に関して付された番号(製造工場、製造時期その他)である。
(J-3)通常運転時間
細断機構24による細断処理が実施されている運転時間を示すもので、例えば駆動モータ51の駆動電流値の無負荷時に対する負荷時の時間を累計することで得られる。
(J-4)通常運転回数
細断機構24による細断処理が実施されている運転回数を示すもので、例えば投入口センサ81の検知回数を累計することで得られる。
(J-5)過負荷運転時間
細断機構24による細断処理が実施されている運転中、投入した用紙量が多すぎることにより、駆動モータ51の駆動電流値の負荷が予め決められた閾値以上である過負荷時の時間を累計したものである。
(J-6)過負荷運転回数
細断機構24による細断処理が実施されている運転中、投入した用紙量が多すぎることにより、駆動モータ51の駆動電流値の負荷が予め決められた閾値以上の過負荷状態に至った回数を累計したものである。
【0025】
(J-7)オートリバース回数
オートリバース処理は、細断機構24に対し細断処理能力以上の高負荷の用紙が投入されたときに、細断機構24での紙詰まりを未然に防止するために、駆動モータ51を逆転させることで投入された用紙を戻して投入口22から排出するものであり、例えば細断機構24の運転中における駆動モータ51の逆転回数を計数することで得られる。
(J-8)放熱回数
駆動モータ51には過熱防止器86が付設されており、この過熱防止器86の作動回数を計数することで得られる。
(J-9)屑満杯センサ検知回数
屑満杯センサ82は、屑容器27内の細断屑93の容積がある満杯レベルに至ると検知するものであり、例えば図示外の屑均し機構により屑容器27内の細断屑93が均されると、一旦屑満杯センサ82の検知信号はオフになることから、通常屑満杯センサ82の検知信号が複数回検知されたときに屑容器27内の細断屑93が実質的に満杯であることを把握することが可能である。
(J-10)投入口センサ検知回数
投入口22に投入される用紙枚数である。
(J-11)扉開閉センサ検知回数
シュレッダ筐体21の扉の開閉数に相当し、扉の開閉は屑容器27の細断屑処理の回数に略対応する。
:
:
【0026】
(J-SR)使用履歴情報
本例では、細断機構24による細断処理が繰り返し実施されたときの用紙の累積細断量が用いられる。この累積細断量は以下の計算式で算出される細断量を累積することで得られる。
累積細断量=Σ(運転時間×細断負荷)
ここで、‘運転時間’は細断機構24による各細断処理における通常運転時間を指し、‘細断負荷’は細断機構24による細断処理時の負荷、具体的には駆動モータ51の駆動電流比に相当する同時に細断される用紙枚数に相当する。つまり、駆動電流Iは、
図5(b)に示すように、細断機構24による細断処理が同時に複数枚の用紙を細断可能であると仮定すると、同時に細断される用紙枚数(細断枚数)の増加に従って比例的に増加する。このとき、細断枚数が1枚のときの駆動電流I(1)から無負荷時の駆動電流I(0)の差分をΔI(1)とし、また、細断枚数がn(n:2以上の整数)枚のときの駆動電流I(n)から無負荷時の駆動電流I(0)の差分をΔI(n)とすると、ΔI(n)/ΔI(1)≒nという関係を満たすことから、細断機構24による細断処理において、同時に細断する用紙枚数を考慮した細断量が算出されることになり、これを累計すれば、累積細断量が算出される。
【0027】
また、駆動モータ51の駆動電流Iは、シュレッダ20の初期状態(新品)のときに無負荷運転すると、
図5(c)に示すように、Ifを示すが、ある一定期間経過すると、累積細断量の増加(1t〜3t)に伴って、Ia,Ib,Ic(If<Ia<Ib<Ic)と増加する傾向を示す。
これは、細断機構24が経時的に使用されると、カッタ要素25,26に紙粉や細断片などの紙詰まりが生じたり、あるいは、カッタ要素25,26の摩耗が起こり、これに伴って、無負荷運転時においても、細断機構24による細断負荷が増加してしまうものと推測される。
よって、このような駆動モータ51の無負荷運転時の駆動電流を定期的若しくは不定期的にモニタしておけば、このモニタ変化を見て、細断機構24のカッタ要素25,26の劣化度合(紙詰まり、摩耗)を把握することが可能である。
更に、このような細断機構24の劣化に伴って、細断機構24による細断処理時の駆動電流も変化することからすれば、細断機構24の劣化度合を踏まえて計測された駆動電流を補正するようにすれば、各細断処理における細断負荷がより正確に算出されることから、その分、累積細断量がより正確に算出される点で好ましい。
(J-ER)エラー履歴情報
例えば細断機構24による細断処理が用紙が詰まって停止した場合や、各種センサ(投入口センサ81、屑満杯センサ82など)の検知動作が不安定になった場合に、これらの誤動作に対して、エラーの種類として予め決められたエラーコード及びその発生時期を示すものである。
【0028】
−管理装置−
本実施の形態において、管理装置100は、通信用モデム110を介してネットワークXに通信可能に接続され、保守・修理要員Pが携帯端末200を通じてアクセス可能な管理用サーバ120(本例では所謂ウェブサーバを使用)を有し、この管理用サーバ120には管理対象シュレッダ20の機体情報が更新可能に格納される顧客データベース130を設け、保守・修理要員Pに顧客データベース130を閲覧可能としたものである。
特に、本例では、管理装置100は、管理対象シュレッダ20から受信した機体情報に予め想定された範囲を超えた変化が生じたか否かを診断し、前記変化が生じたときに、保守・修理要員P宛に向けて保守・修理の要否確認作業指示としての保守・修理レポート141が発せられる作業診断部140を有している。
そして、本例では、管理装置100は、例えば
図9に示すようなシュレッダ管理処理を実行するようになっている。
そして、保守・修理要員Pは、管理装置100から出された保守・修理レポート141を参考にして、必要な保守部品150等を持参して顧客Uのところに出向き、管理対象シュレッダ20の保守・修理作業を実施するようになっている。
【0029】
<顧客データベース>
本例で用いられる顧客データベース130としては
図7(b)に示すものが挙げられる。
同図において、顧客データベース130は、ユーザ情報131、機体特定情報132、各種機体情報133、使用履歴/エラー履歴その他の情報134を含んでおり、管理対象シュレッダ20から機体情報を受信する毎に更新処理がなされるようになっている。
ここで、ユーザ情報131としては、例えば社名、住所、担当者、連絡先、納入日などが挙げられ、また、機体特定情報132としては機種名、製造番号等が挙げられ、更に、各種機体情報133としては通常運転時間、通常運転回数……各種センサ検知回数等が挙げられ、使用履歴/エラー履歴その他の情報134としては、累積細断量(例えば予め決められた規定値1t,3t)や各種エラーコード及びその発生時期の表示、更に、管理者M側から管理対象シュレッダ20に対し定期的に送信要請するような場合の送信要請条件などが挙げられる。
尚、本例では、各種機体情報133の一つとして、細断機構24のカッタ要素25,26の劣化度合を診断するため、駆動モータ51の無負荷運転時の駆動電流値を、初期運転時から定期的又は不定期的に計測して格納しており、これも顧客データベース130に格納されるようになっている。
【0030】
次に、本実施の形態に係るシュレッダ管理システムの動作過程について説明する。
−管理対象シュレッダ側での処理−
管理対象シュレッダ20の制御装置70は、例えば
図8に示すシュレッダ通信制御プログラムを実行する。
同図に示すように、制御装置70は、先ず、細断機構24による細断処理を実施したか否かを判断し、細断処理を実施した場合には、細断実施条件を確認する。例えば通常運転時間、通常運転回数、駆動モータ51の駆動電流等を確認すると共に、細断処理に付随する各種機体情報(過負荷運転時間、過負荷運転回数、オートリバース回数、放熱回数、各種センサ検知回数など)を収集する。
そして、前述した細断実施条件に基づいて細断機構24による細断量を算出し、今までの細断量に累積して累積細断量を算出する。
この後、制御装置70は、算出した累積細断量が予め決められた規定値(例えば1t又は3t)に到達したか否かをチェックし、規定値に到達した条件にて管理者Mに対し機体情報の送信時期に達したと判断し、管理者Mに必要な機体情報を送信する。
尚、情報の送信処理に当たっては、通信先との間でセキュリティ確保のための前処理(パスワード確認など)を実施することが好ましい。
更に、制御装置70が累積細断量に基づいて送信時期に到達していないと判断した場合には、警告通知があるか否か、あるいは、管理者Mからの送信要請があるか否かをチェックした後、いずれの要請もなければ機体情報の送信処理を実行せず、いずれかの要請があれば、その要請に従って必要な機体情報について管理者Mに対し送信処理を実施する。
ここで、‘警告通知’とは、管理対象シュレッダ20が通常運転を継続する上で支障をきたす事態に至る蓋然性が高いという警告を通知するものであり、例えば屑満杯センサ検知回数が予め決められた閾値k回に到達したときに、細断屑が満杯で細断機構24による細断処理を継続することが困難になるような場合に警告として通知するものである。
【0031】
−管理装置側での処理−
管理装置100は、例えば
図9に示すシュレッダ管理プログラムを実行するようになっている。
同図において、管理装置100は、管理対象シュレッダ20に送信要請するか否かを判断する。このとき、例えば顧客データベース130の使用履歴/エラー履歴その他の情報134に付記された送信時期情報に合致するか否か、あるいは、保守・修理要員Pが携帯端末200からの送信要請の有無をチェックする。
そして、管理者M側からの送信要請がある場合には、管理対象シュレッダ20に対し送信要請する。
一方、前述した管理者M側からの送信要請がない場合には、管理対象シュレッダ20からの受信か否かを常時監視し、管理対象シュレッダ20からの受信である場合には当該受信を許可する。
この後、管理装置100は、
図6に示すように、管理対象シュレッダ20から送信されてきた機体情報を読込み、管理用サーバ120の顧客データベース130を更新する。
そして、作業診断部140によって送信されてきた機体情報から管理対象シュレッダ20を診断し、保守・修理要員Pに送付すべき保守・修理レポート141を作成する。
【0032】
<処理例1>
今、
図10に示すように、例えば累積細断量をT、規定値をT1(例えば1t)、T2(例えば3t)と仮定すると、T=T1(1t)に到達すると、管理対象シュレッダ20から必要な機体情報が管理者M側に送信される。
そして、管理装置100は、送信されてきた機体情報から顧客データベース130を更新すると共に、作業診断部140にて機体情報から管理対象シュレッダ20の運転状況を診断する。
このとき、管理対象シュレッダ20の運転状況として、例えば累積細断量T2(3t)が細断機構24の保証寿命と仮定した場合、累積細断量T1(1t)の場合には未だ保証寿命には至らない時期であり、例えば
図5(c)に示すように、管理対象シュレッダ20の無負荷運転時における駆動モータ51の駆動電流Iの値をチェックすることで、細断機構24のカッタ要素25,26の劣化度合(紙詰まり、摩耗)を推測することが可能であることから、このデータチェックに基づいて、保守・修理レポート141として保守作業指示レポート141aが発行される。尚、前述した駆動モータ51の駆動電流Iの値が予測される範囲を超えて増加しているような場合には、細断機構24の劣化度合がより進行していると診断し、その旨の追記事項が付されるようになっている。
この結果、保守・修理要員Pは、前述した保守作業指示レポート141aを参照することで管理対象シュレッダ20の運転状況を把握し、必要に応じて保守部品150等を事前に用意し、現場に出向いて管理対象シュレッダ20の保守作業(メンテナンス)を実施する。
【0033】
また、
図10に示すように、T=T2(3t)に到達すると、管理対象シュレッダ20から必要な機体情報が管理者M側に送信される。
そして、管理装置100は、送信されてきた機体情報から顧客データベース130を更新すると共に、作業診断部140にて機体情報から管理対象シュレッダ20の運転状況を診断する。
このとき、管理対象シュレッダ20の運転状況としては、累積細断量T2(3t)は細断機構24の保証寿命に到達した時期であり、例えば
図5(c)に示すように、管理対象シュレッダ20の無負荷運転時における駆動モータ51の駆動電流Iの値をチェックすることで、細断機構24のカッタ要素25,26の劣化度合(紙詰まり、摩耗)が寿命に到達していることの判断が可能である。このようなデータチェックに基づいて、細断機構24が寿命時期に到達したことが確認された場合には、保守・修理レポート141として修理作業指示レポート141bが発行される。尚、前述した駆動電流Iの値のチェックにより、細断機構24が寿命にまだ達していない状況と診断した場合には、修理作業指示レポート141bにその旨を追記する。
この結果、保守・修理要員Pは、前述した修理作業指示レポート141bを参照することで管理対象シュレッダ20の運転状況を把握し、細断機構24が寿命であると判断されるときには細断機構24の交換部品を用意し、現場に出向いて管理対象シュレッダ20のオーバーホールを実施する。尚、細断機構24が寿命に至っていない状況では、現場に出向いた後、現段階でのオーバーホールの要否を見極め、もう少し使用可能と判断した場合には、例えば操作パネル60の指定スイッチ62を操作することで、情報送信時期として、累積細断量T3(例えば3.5t)を新たに指定しておき、オーバーホールの時期を先に延ばすようにすればよい。
【0034】
<処理例2>
管理対象シュレッダ20からの警告通知の一条件として、例えばエラー履歴情報として同じエラーコードが複数回続けて発生した場合を設定しておけば、同じエラーコードが短期間に続けて発生した場合に、管理対象シュレッダ20の制御装置70は、警告通知をする必要があると判断し、このエラー履歴情報を管理者M側に送信する。
この状態において、管理装置100は、
図6及び
図11(a)に示すように、顧客データベース130を更新すると共にエラー履歴情報の発生場所から保守部品150を推測し、作業診断部140にて保守・修理レポート141として保守作業指示レポート141aを発行する。
保守・修理要員Pは、この保守作業指示レポート141aを参照し、必要な保守部品150(例えば屑均しモータ、センサ)を事前に用意して現場に出向き、管理対象シュレッダ20に対しメンテナンスを実施する。
【0035】
<処理例3>
例えば累積細断量T=T1(例えば1t)のとき、管理対象シュレッダ20から必要な機体情報が管理者M側に送信されたと仮定し、管理装置100の作業診断部140の一例として、
図11(b)に示すように、例えばエラー履歴情報とセンサ情報とに着目することで、管理対象シュレッダ20の過負荷運転の割合を判断することが可能である。
例えば過負荷運転時間・回数、オートリバース動作回数、扉開閉回数、放熱回数をチェックすれば、これらの数値が異常に高いということは投入口22に投入される用紙量が多すぎ、細断機構24による細断処理が過負荷になり易いという傾向を裏付けている。
このようなデータを参照するようにすれば、作業診断部140は、過負荷運転の割合から故障モードを推測することが可能であり、保守・修理レポート141として保守作業指示レポート141aを発行するに当たり、保守部品150(例えばカッタ要素、駆動伝達機構部品、支持フレーム)を推測して追記することも可能である。
【0036】
<処理例4>
管理対象シュレッダ20からの警告通知の一条件として、例えば屑満杯センサ82の検知回数が短期間に複数回続けて発生した場合(屑容器27内の細断屑93が満杯の状態に達したことに相当)を設定しておけば、このような屑満杯情報が発生した場合に、管理対象シュレッダ20の制御装置70は、警告通知をする必要があると判断し、この屑満杯情報を管理者M側に送信する。
この状態において、管理装置100の作業診断部140は、
図3及び
図11(c)に示すように、屑容器27内の細断屑93が満杯の状態にあり、屑廃棄時期の合図であると判断することが可能である。
本例では、作業診断部140は、保守・修理レポート141として屑廃棄作業指示に関する保守作業指示レポート141aを発行するに当たり、保守・修理要員Pとしての屑廃棄管理者又は清掃要員に対し、例えば電子メールにて保守作業指示レポート141aを配信するようにしている。
この結果、屑廃棄管理者又は清掃要員は直ちに管理対象シュレッダ20に対し屑廃棄作業を実施することが可能である。