特許第5745783号(P5745783)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5745783
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】建物ユニットの配置方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/348 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
   E04B1/348 E
   E04B1/348 F
   E04B1/348 N
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-130580(P2010-130580)
(22)【出願日】2010年6月8日
(65)【公開番号】特開2011-256563(P2011-256563A)
(43)【公開日】2011年12月22日
【審査請求日】2013年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】泉川 仁史
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 遼
(72)【発明者】
【氏名】橋本 賢
【審査官】 星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3776515(JP,B2)
【文献】 特開2010−084465(JP,A)
【文献】 特開2009−276041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/348
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面矩形状の領域に、柱梁からなる略直方体状の骨組みを備えた平面矩形状の建物ユニットを長辺方向には隙間を生じさせることなく複数配置し短辺方向には間隔をおいて配置する建物ユニットの配置方法であって、
設計上の基準となる平面矩形状の基準建物ユニットその長辺方向においてn(nは2以上の整数)個隣接するとともに隙間を生じさせることなく配置でき、かつ、短辺方向において所定の間隔をもって離し置きできる平面矩形状の領域を設計上の基準領域とし、この基準領域に基準建物ユニットを配置した状態について構造計算して設定しておき、
前記建物ユニットを配置する場合は、配置すべき領域の面積を前記基準領域の面積である基準面積の95〜100%の範囲とするとともに、この範囲内で前記領域の平面形状を長辺が前記基準領域の長辺よりも短い平面矩形状に設定し、
設定した領域に、その対向する二辺に沿って、それぞれ前記基準建物ユニットと短辺方向長さが等しく長辺方向長さが短い平面矩形状の建物ユニットを、その長辺方向においてn個隣接するとともに隙間を生じさせることなく配置し、かつ、短辺方向において適当な間隔をもって離し置きすることを特徴とする建物ユニットの配置方法。
【請求項2】
請求項に記載の建物ユニットの配置方法において、
前記建物ユニットが配置される領域に隣接して、1個の建物ユニットを配置可能な追加領域が配置されており、この追加領域に1個の建物ユニットを配置することを特徴とする建物ユニットの配置方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建物ユニットの配置方法において、
前記領域に前記建物ユニットを配置した後、前記建物ユニットの短辺方向に適当な間隔をもって離し置きされた建物ユニットどうしを連結部材で連結することを特徴とする建物ユニットの配置方法。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一項に記載の建物ユニットの配置方法において、
前記複数の建物ユニットのうち、所定の建物ユニットの天井部にセントラル換気装置本体が設けられていることを特徴とする建物ユニットの配置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面視矩形状の領域に、平面視矩形状の建物ユニットを複数配置する建物ユニットの配置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
柱、梁によって略直方体状の骨組みを備えた建物ユニットを複数並べて施工され、隣り合う少なくとも2つの建物ユニットを離して配置した離し置き部(ジョイントスペース)を備えたユニット式建物がある(例えば、特許文献1参照)。離し置き部には、間隔寸法に応じた長さの連結梁が配置され、この連結梁によって離し置きされた建物ユニットどうしが連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−101121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、建物ユニットは建物を施工すべき敷地中の平面視矩形の領域に配置して設置されるが、この領域の平面形状は必ずしも同じ形状ではなく、敷地の大きさ、形状等によって縦横の長さが変わってくる。
一方、建物ユニットを前記領域に配置する場合、領域の大きさ、建物ユニットの大きさ、形状、離し置き間隔等を考慮して、予め構造計算等がされて、設計されている。
したがって、領域の平面形状が異なってくると、その都度、領域の大きさ、建物ユニットの大きさ、形状、離し置き間隔等を考慮して、設計し直す必要があり、手間がかかっていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、建物ユニットを配置すべき領域の平面形状が異なっても、構造計算等をやり直すことなく、建物ユニットを離し置きして配置できる建物ユニットの配置方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1および図2に示すように、平面矩形状の領域A1に、柱梁からなる略直方体状の骨組みを備えた平面矩形状の建物ユニット1,2を複数配置する建物ユニットの配置方法であって、
設計上の基準となる平面矩形状の基準建物ユニットBがその長辺方向においてn(nは2以上の整数)個隣接するとともに隙間を生じさせることなく配置でき、かつ、短辺方向において所定の間隔Lをもって離し置きできる平面矩形状の領域を設計上の基準領域Aとし、この基準領域Aに基準建物ユニットBを配置した状態について構造計算して設定しておき、
前記建物ユニット1,2を配置する場合は、配置すべき領域A1の面積S1を前記基準領域Aの面積である基準面積Sの95%〜100%とするとともに、この範囲内で前記領域A1の平面形状を長辺が前記基準領域Aの長辺よりも短い平面矩形状に設定し
この平面形状を異ならせた前記領域A1に、その対向する二辺に沿って、それぞれ前記基準建物ユニットBと短辺方向長さが等しく長辺方向長さが短い平面矩形状の建物ユニット1,2を、その長辺方向においてn個(例えば2個)隣接するとともに隙間を生じさせることなく配置し、かつ、短辺方向において適当な間隔L1をもって離し置きすることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記基準領域Aの長辺に沿って基準建物ユニットBを配置する場合において、建物ユニット1,1を配置すべき領域A1の長辺が、基準領域Aの長辺より短い場合、領域A1の短辺は基準領域Aの短辺より長くなり、これに伴って、建物ユニット1,1間の間隔L1も、前記基準領域Aの場合における間隔Lより長くなる。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、面積S1を基準面積Sの95%〜100%とするとともに、平面形状を基準領域Aの平面形状と異ならせた領域A1に、その対向する二辺に沿って、それぞれ基準建物ユニットBと短辺方向長さが等しく長辺方向長さが短い平面矩形状の建物ユニット1,2を、その長辺方向においてn個隣接するとともに前記領域A1に隙間を生じさせることなく配置し、かつ、短辺方向において適当な間隔L1をもって離し置きするので、領域A1に対する建物ユニット1,2の配置状態は、基準領域Aに対する基準建物ユニットBの配置の配置状態に近似し、かつ、領域A1の面積も基準面積Sの95%〜100%である。そして、配置される建物ユニット1,2は、基準建物ユニットBよりも長辺方向長さが短くされているので、その分だけ梁の支持間隔が短くなり、強度上有利な構造となっている。
したがって、構造計算等をやり直すことなく、建物ユニット1,2を離し置きして配置できる。
【0011】
請求項に記載の発明は、例えば図6に示すように、請求項に記載の建物ユニットの配置方法において、
前記建物ユニット1,2が配置される領域A1に隣接して、1個の建物ユニット1を配置可能な追加領域aが配置されており、この追加領域aに1個の建物ユニット1を配置することを特徴とする。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、領域A1に隣接して配置された追加領域aに、1個の建物ユニット1を配置するので、建物ユニット1を1個自由に付加できる。したがって、この建物ユニット1の上をルーフバルコニーとする場合等に有効である。
【0013】
請求項に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項1または2に記載の建物ユニットの配置方法において、
前記領域A1に前記建物ユニット1,2を配置した後、前記建物ユニット1,2の短辺方向に適当な間隔L1をもって離し置きされた建物ユニット1,1(2,2)どうしを連結部材3で連結することを特徴とする。
【0014】
請求項に記載の発明によれば、建物ユニット1,2の短辺方向に適当な間隔をもって離し置きされた建物ユニット1,1(2,2)どうしを連結部材3によって連結することによって、建物ユニット1,1(2,2)間の距離を確実に保持できる。
【0015】
請求項に記載の発明は、例えば図2および図4に示すように、請求項1〜のいずれか一項に記載の建物ユニットの配置方法において、
前記複数の建物ユニット1,2のうち、所定の建物ユニット2の天井部にセントラル換気装置本体20が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項に記載の発明によれば、所定の建物ユニット2の天井部にセントラル換気装置本体20が設けられているので、建物ユニット1,2を配置すべき領域A1の平面形状が異なっても、セントラル換気装置本体20を備えたユニット式建物を容易に得ることができる
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基準面積の95%〜100%とするとともに、平面形状を前記基準領域の平面形状と異ならせた領域に、その対向する二辺に沿って、それぞれ前記基準建物ユニットと短辺方向長さが等しく長辺方向長さが短い平面矩形状の建物ユニットを、その長辺方向においてn個隣接するとともに前記領域に隙間を生じさせることなく配置し、かつ、短辺方向において適当な間隔をもって離し置きするので、領域に対する建物ユニットの配置状態は、基準領域に対する基準建物ユニットの配置の配置状態に近似し、かつ、領域の面積も基準面積の95%〜100%である。そして、配置される建物ユニット1,2は、基準建物ユニットBよりも長辺方向長さが短くされているので、その分だけ梁の支持間隔が短くなり、強度上有利な構造となっている。
したがって、構造計算等をやり直すことなく、建物ユニットを離し置きして配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る建物ユニットの配置方法の第1の実施の形態を説明するためのもので、設計上の基準領域と基準建物ユニットを示す平面図である。
図2】同、領域とこの領域に配置された建物ユニットを示す平面図である。
図3】同、建物ユニットの骨組の斜視図である。
図4】同、セントラル換気装置本体の配置状態を示す図である。
図5】本発明に係る建物ユニットの配置方法の第2の実施の形態を説明するためのもので、領域とこの領域に配置された建物ユニットを示す平面図である。
図6】本発明に係る建物ユニットの配置方法の第3の実施の形態を説明するためのもので、領域とこの領域に配置された建物ユニットを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る建物ユニットの配置方法を説明するためのもので、設計上の基準領域Aと基準建物ユニットBを示す平面図である。
図1に示すように、基準領域Aは、平面視矩形状のものであり、縦の長さが5.5M(モジュール)、横の長さが12M(モジュール)に設定されている。したがって、基準領域の基準面積Sは5.5M×12M=66M2となっている。
ここで、モジュールとは、建築のあらゆる部分を一定の大きさの倍数関係に整える際の基準となる寸法をいい、特に限定されるものではないが、例えば900mm、910mm、1000mm等の寸法がある。
【0020】
基準領域Aには、その対向する二辺(対向する長辺)に沿って設計上の基準となる基準建物ユニットBがその長辺方向において2個隣接配置され、かつ、短辺方向において所定の間隔Lをもって離し置きされ、合計4個配置されるようになっている。また、基準建物ユニットBは基準領域Aの長辺方向において基準領域Aに隙間を生じさせることなく、配置されるようになっている。
基準建物ユニットBは、平面視矩形状のものであり、縦の長さが2.5M(モジュール)、横の長さが6M(モジュール)に設定されている。また、間隔Lは0.5M(モジュール)に設定されている。
このようにして、平面矩形状の設計上の基準領域Aと、その面積である基準面積S(=66M2)とを、基準領域Aに、その対向する二辺に沿って、それぞれ設計上の基準となる平面矩形状の基準建物ユニットBがその長辺方向において2個隣接配置でき、かつ、短辺方向において所定の間隔Lをもって離し置きできるように、構造計算して設定しておく。
【0021】
図2は、本発明に係る建物ユニットの配置方法によって配置された建物ユニット1,2を示す平面図である。
建物ユニット1,2を配置すべき領域A1は、平面視矩形状のものであり、縦の長さが7.5M(モジュール)、横の長さが8.5M(モジュール)となっている。したがって、この領域A1の面積S1は7.5M×8.5M=63.75M2となっており、前記基準面積66M2の97%となっている。
このように、建物ユニット1,2を配置すべき領域A1の面積S1を基準面積Sの95〜100%の範囲とするとともに、領域A1の平面形状を基準領域Aの平面形状と異ならせている。
【0022】
そして、領域A1に、その対向する二辺(対向する長辺)に沿って、それぞれ基準建物ユニットBと平面形状とその大きさが異なり、基準建物ユニットBと短辺方向長さが等しく長辺方向長さが短い平面矩形状の建物ユニット1,2を、その長辺方向において2個隣接するとともに領域A1に隙間を生じさせることなく配置し、かつ、短辺方向において適当な間隔L1をもって離し置きする。
建物ユニット1は、縦の長さが2.5M(モジュール)、横の長さが4M(モジュール)であり、建物ユニット2は、縦の長さが2.5M(モジュール)、横の長さが4.5M(モジュール)である。したがって、領域A1に配置される全ての建物ユニット1,2の短辺方向の長さが等しくなっている。また、前記間隔Lは2.5M(モジュール)となっている。
前記領域A1の長辺は、基準領域Aの長辺より短く、領域A1の短辺は基準領域Aの短辺より長いので、これに伴って、建物ユニット1,1間の間隔L1も、前記基準領域Aの場合における間隔Lより長くなっている。
【0023】
ここで、建物ユニット1は、例えば図3に示すように、4本の柱10と、これらの柱10の上端間どうしを結合する4本の天井梁11と、柱10の下端間どうしを結合する4本の床梁12とを備えている。
4本の天井梁11は、2本の長辺天井梁11aおよび長辺天井梁11aより短い2本の短辺天井梁11bによって構成されている。4本の床梁12は2本の長辺床梁12aおよび長辺床梁12aより短い2本の短辺床梁12bによって構成されている。なお、柱10は正方形筒状に形成されており、天井梁11と床梁12は、それぞれ断面コ字型に形成されている。
【0024】
2本の長辺天井梁11a,11aには、複数の天井小梁13が架設されており、該天井小梁13は長辺天井梁11aの長手方向に所定間隔で設けられている。これら天井小梁13の下面には天井板14が固定されている。
2本の長辺床梁12a,12aには、複数の根太15が架設されており、該根太15は長辺床梁12aの長手方向に所定間隔で設けられている。これら根太15の上面には床板16が固定されている。
なお、柱10の上端部と天井梁11の端部とは柱頭接合部材17によって接合され、柱10の下端部と床梁12の端部とは柱脚接合部材18によって接合されている。
なお、建物ユニット2も建物ユニット1と同様に構成されている。
【0025】
上記のような建物ユニット1,2を、領域A1に上記のようにして配置した後、図2に示すように、建物ユニット1,2の短辺方向に適当な間隔L1をもって離し置きされた建物ユニット1,1(2,2)どうしを連結部材3で連結する。この連結部材3は縦方向に長尺な鉄骨等で形成されたものであり、平面視において、建物ユニット1,1(2,2)の対向する角部どうし、対向する長辺の中央部どうしを連結している。
また、本実施の形態では、ユニット式建物が2階であるので、1階の建物ユニット1,2上に同じ建物ユニット1,2を設置して連結し、建物ユニット1,2の短辺方向に適当な間隔L1をもって離し置きされた建物ユニット1,1(2,2)どうしを同様にして連結部材3で連結する。
【0026】
なお、連結部材3は、建物ユニット1,1(2,2)の対向する天井梁11,11間および床梁12,12間においてそれぞれ配置されており、これらを連結している。
また、一つの建物ユニット2の天井部にセントラル換気装置本体が設けられている。このセントラル換気装置本体が設けられた建物ユニット2は図2において網掛けをして図示している。また、セントラル換気装置本体が設けられた建物ユニット2には、天井ブレースが設けられておらず、他の建物ユニット1,2は図示しない天井ブレースが互いに交差して設けられている。
【0027】
図4(a)〜図4(c)に示すように、前記セントラル換気装置本体20は、建物ユニット2の隣り合う天井小梁13,13間に配置されており、その略上半分が石膏ボード等で形成された天井板14より上方に位置しており、略下半分が天井板14より下方に位置している。つまり、セントラル換気装置本体20は天井半埋込み型となっている。
天井板14は予め建物ユニット2に取り付けられているが、天井板14のうち、図4(a)において網掛けで示す部分は、未艤装となっている、つまり網掛けで示す部分の天井板14に矩形状の孔が形成されている。
【0028】
そして、図4(c)に示すように、前記孔の周囲の天井野縁21上に、枠体の上面に面材が設けられてなる囲い部材22が乗せられて取り付けられている。なお、囲い部材22の面材には、予めグラスウール等の耐火材23が取り付けられている。
この囲い部材22に下方からセントラル換気装置本体20の上半分が挿入され、下半分は前記孔の周囲に設けられた支持部24に支持されている。セントラル換気装置本体20の下方には、隠し板25が配置され野縁26に固定されている。なお、セントラル換気装置本体20には、外部吸入配管や室内空気を外部に排気するための外部排気配管が接続されている。
なお、2階の一つの建物ユニット2の天井部にも、1階と同様にしてセントラル換気装置本体が設けられているが、セントラル換気装置本体は天井板14より上側に設けられている、セントラル換気装置本体は天井埋込み型となっている。
【0029】
本実施の形態によれば、面積S1を基準面積Sの95%〜100%とするとともに、平面形状を基準領域Aの平面形状と異ならせた領域A1に、その対向する二辺に沿って、それぞれ基準建物ユニットBと平面形状とその大きさが異なり、基準建物ユニットBと短辺方向長さが等しく長辺方向長さが短い平面矩形状の建物ユニット1,2を、その長辺方向において2個隣接するとともに領域A1に隙間を生じさせることなく配置し、かつ、短辺方向において適当な間隔L1をもって離し置きするので、領域A1に対する建物ユニット1,2の配置状態は、基準領域Aに対する基準建物Bの配置の配置状態に近似し、かつ、領域A1の面積S1も基準面積Sの95%〜100%である。
したがって、構造計算等をやり直すことなく、建物ユニット1,2を離し置きして配置できる。
【0030】
また、領域A1に配置される全ての建物ユニット1,2の短辺方向の長さが等しいので、領域A1にその対向する二辺に沿って、それぞれ建物ユニット1,2を、その長辺方向において2個隣接配置した場合に、建物ユニット1,2の短辺方向において所定の間隔L1をもって離し置きした建物ユニット1,1(2,2)間の離間距離は一定となる。したがって、建物ユニット1,2(2,2)どうしを一定長さの連結部材3で容易に連結できる。
さらに、建物ユニット1,1(2,2)の短辺方向に適当な間隔L1をもって離し置きされた建物ユニット1,1(2,2)どうしを連結部材3によって連結することによって、建物ユニット1,1(2,2)間の距離を確実に保持できる。
【0031】
また、所定の建物ユニット2の天井部にセントラル換気装置本体20が設けられているので、建物ユニット1,2を配置すべき領域A1の平面形状が基準領域Aと異なっても、セントラル換気装置本体20を備えたユニット式建物を容易に得ることができきる。
また、セントラル換気装置本体20を設置すべき建物ユニット2には、天井ブレースが設けられていないので、セントラル換気装置本体20を容易に設置することができる。
【0032】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明に係る建物ユニットの配置方法によって配置された建物ユニット1,4を示す平面図である。
建物ユニット1,4を配置すべき領域A2は、平面視矩形状のものであり、縦の長さが7M(モジュール)、横の長さが9M(モジュール)となっている。したがって、この領域A2の面積S2は7M×9M=63M2となっており、前記基準面積Sの66M2の95%である。
このように、建物ユニット1,4を配置すべき領域A2の面積S2を基準面積Sの95〜100%の範囲とするとともに、領域A2の平面形状を基準領域Aの平面形状と異ならせている。
【0033】
そして、領域A2に、その対向する二辺(対向する長辺)に沿って、それぞれ基準ユニットBと平面形状とその大きさが異なる平面矩形状の建物ユニット1,4を、その長辺方向において2個隣接配置し、かつ、短辺方向において適当な間隔L2をもって離し置きする。
建物ユニット1は、図2に示すものと同様に、縦の長さが2.5M(モジュール)、横の長さが4M(モジュール)であり、建物ユニット4は、縦の長さが2.5M(モジュール)、横の長さが5M(モジュール)である。したがって、領域A2に配置される全ての建物ユニット1,4の短辺方向の長さが等しくなっている。また、前記間隔Lは2M(モジュール)である。
【0034】
上記のようにして、領域A2に建物ユニット1,4を配置した後、図5に示すように、建物ユニット1,4の短辺方向に適当な間隔L2をもって離し置きされた建物ユニット1,1(4,4)どうしを連結部材5で連結する。この連結部材5は平面視において、建物ユニット1,1(4,4)の対向する角部どうし、対向する長辺の中央部どうしを連結している。
また、一つの建物ユニット4の天井部に第1の実施の形態と同様にしてセントラル換気装置本体が設けられている。このセントラル換気装置本体が設けられた建物ユニット4は網掛けをして図示している。
本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明に係る建物ユニットの配置方法によって配置された建物ユニット1,4を示す平面図である。
本実施の形態では、図2に示す建物ユニット1,2が配置される領域A1に隣接して、1個の建物ユニット1を配置可能な追加領域aが配置されている。
追加領域aは、平面視矩形状のものであり、縦の長さが2.5M(モジュール)、横の長さが4M(モジュール)となっている。
そして、この追加領域aに、縦の長さが2.5M(モジュール)、横の長さが4M(モジュール)の建物ユニット1を配置して、隣接する建物ユニット1と連結する。
【0036】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果に加えて、領域A1に隣接して配置された追加領域aに、1個の建物ユニット1を配置するので、建物ユニットを1個自由に付加できる。したがって、この建物ユニット1の上をルーフバルコニーとする場合等に有効である。
【符号の説明】
【0037】
A 基準領域
B 基準建物ユニット
A1,A2 領域
a 追加領域
L,L1,L2 間隔
1,2,4 建物ユニット
3,5 連結部材
20 セントラル換気装置本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6