特許第5745787号(P5745787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5745787
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】熱源システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/00 20060101AFI20150618BHJP
【FI】
   F24H1/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-143115(P2010-143115)
(22)【出願日】2010年6月23日
(65)【公開番号】特開2012-7789(P2012-7789A)
(43)【公開日】2012年1月12日
【審査請求日】2013年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小粥 文雄
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−076969(JP,A)
【文献】 特開平06−159806(JP,A)
【文献】 特開2003−021391(JP,A)
【文献】 特開2000−324562(JP,A)
【文献】 特開2009−162440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段により湯水を加熱する加熱運転を実行する熱源機と、該熱源機を遠隔操作するリモコンとを備えた熱源システムにおいて、
前記加熱運転の条件を示す運転条件パラメータと、前記熱源機の仕様を示す機種仕様パラメータとに基づいて、前記加熱運転を実行する加熱制御部と、
前記熱源機に設けられたモード切替スイッチと、
前記モード切替スイッチの操作に応じて、前記熱源機の作動開始時の初期モードである、前記運転条件パラメータの設定が可能であって前記機種仕様パラメータの設定が不能な運転条件設定モードから、前記機種仕様パラメータの設定が可能な機種仕様設定モードに切替える設定モード切替部と、
前記リモコンに設けられたディスプレイと、
前記運転条件設定モードであるときは、前記リモコンの第1所定操作に応じて前記運転条件パラメータを設定し、前記機種仕様設定モードであるときには、前記ディスプレイに機種仕様設定画面を表示して、前記リモコンの第2所定操作に応じて前記機種仕様パラメータを設定することにより、前記運転条件パラメータについては、前記リモコンの操作のみにより設定可能な構成とし、前記機種仕様パラメータについては、前記リモコンを操作する前に、前記熱源機に設けられた前記モード切替スイッチを操作することで設定可能な構成とするパラメータ設定部と
を備えたことを特徴とする熱源システム。
【請求項2】
請求項1記載の熱源システムにおいて、
前記設定モード切替部は、
前記機種仕様設定モードにおいて前記リモコンの第3所定操作がなされたときに、前記機種仕様設定モードから前記運転条件設定モードに切替え、
前記機種仕様設定モードにおいて、前記リモコンの前記第2所定操作がなされた時点から第1所定時間内に、前記リモコンの前記第3所定操作がなされなかったときには、前記機種仕様設定モードから前記運転条件設定モードに切替えることを特徴とする熱源システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の熱源システムにおいて、
前記設定モード切替部は、前記運転条件設定モードから前記機種仕様設定モードに切り替えた時点から第2所定時間内に、前記リモコンの操作がなされなかったときには、前記機種仕様設定モードから前記運転条件設定モードに切替えることを特徴とする熱源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコンによる熱源機の各種パラメータの設定が可能な熱源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱源システムとして、例えば、ガス給湯器を遠隔操作するためのリモコンにより、ガス給湯器の加熱運転に用いられる各種パラメータを設定できるようにした給湯システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された給湯システムにおいては、リモコン操作の進捗度に応じて、設定可能なパラメータを変えることにより、燃料ガスの種別や給湯器の号数、排気バリエーションといった、給湯器を一旦設置した後は設定し直す必要がない給湯器の仕様を示す機種仕様パラメータが、保守要員の誤操作によって変更されることの防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3644418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された給湯システムを採用した場合であっても、保守要員がリモコンを操作して給湯温度の補正等のパラメータを設定する際に、誤って機種仕様パラメータを変更することを完全に防止することはできない。そして、保守要員の誤操作によって機種仕様パラメータが誤設定されると、バーナの燃焼不良等が生じるおそれがある。
【0006】
本発明はかかる背景を鑑みてなされたものであり、機種仕様パラメータの誤設定がなされることを、より確実に防止した熱源システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、加熱手段により湯水を加熱する加熱運転を実行する熱源機と、該熱源機を遠隔操作するリモコンとを備えた熱源システムに関する。
【0008】
そして、前記加熱運転の条件を示す運転条件パラメータと、前記熱源機の仕様を示す機種仕様パラメータとに基づいて、前記加熱運転を実行する加熱制御部と、
前記熱源機に設けられたモード切替スイッチと、
前記モード切替スイッチの操作に応じて、前記熱源機の作動開始時の初期モードである、前記運転条件パラメータの設定が可能であって前記機種仕様パラメータの設定が不能な運転条件設定モードから、前記機種仕様パラメータの設定が可能な機種仕様設定モードに切替える設定モード切替部と、
前記リモコンに設けられたディスプレイと、
前記運転条件設定モードであるときは、前記リモコンの第1所定操作に応じて前記運転条件パラメータを設定し、前記機種仕様設定モードであるときには、前記ディスプレイに機種仕様設定画面を表示して、前記リモコンの第2所定操作に応じて前記機種仕様パラメータを設定することにより、前記運転条件パラメータについては、前記リモコンの操作のみにより設定可能な構成とし、前記機種仕様パラメータについては、前記リモコンを操作する前に、前記熱源機に設けられた前記モード切替スイッチを操作することで設定可能な構成とするパラメータ設定部とを備えたことを特徴とする(第1発明)。
【0009】
第1発明によれば、前記機種仕様パラメータを設定するときには、前記運転条件パラメータを設定するときには不要である、前記熱源機の設置箇所に行って前記モード切替スイッチを操作するという作業を行って、前記運転条件設定モードから前記機種仕様設定モードに切替える必要がある。そのため、前記熱源機の保守要員等が、前記リモコンのみの操作により前記運転条件パラメータを設定するときに、誤って前記機種仕様パラメータを設定することを確実に防止することができる。
【0010】
また、前記設定モード切替部は、前記機種仕様設定モードにおいて前記リモコンの第3所定操作がなされたときに、前記機種仕様設定モードから前記運転条件設定モードに切替え、前記機種仕様設定モードにおいて、前記リモコンの前記第2所定操作がなされた時点から第1所定時間内に、前記リモコンの前記第3所定操作がなされなかったときには、前記機種仕様設定モードから前記運転条件設定モードに切替えることを特徴とする(第2発明)。
【0011】
また、前記設定モード切替部は、前記運転条件設定モードから前記機種仕様設定モードに切り替えた時点から第2所定時間内に、前記リモコンの操作がなされなかったときには、前記機種仕様設定モードから前記運転条件設定モードに切替えることを特徴とする(第3発明)。
【0012】
第2発明及び第3発明によれば、前記機種仕様設定モードの継続により、前記リモコンの前記第2所定操作による前記機種仕様パラメータの設定が可能な状態が維持されることを回避して、前記熱源機の保守要員等による前記機種仕様パラメータの誤設定がなされることを防止することができる。
【0013】
また、前記第1所定時間又は前記第2所定時間の経過により、前記機種仕様設定モードから前記運転条件設定モードに切替えられる。そのため、前記熱源機の保守要員等は、前記機種仕様設定モードに切替えて前記機種仕様パラメータを設定したときに、前記機種仕様設定モードから前記運転条件設定モードに戻す操作を行う必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の熱源システムの構成図。
図2】機種仕様設定モードのフローチャート。
図3】メンテナンス設定モードのフローチャート。
図4】機種仕様設定モード及びメンテナンス設定モードにおけるリモコンの表示態様の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、図1図4を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の熱源システム1は、ガス燃焼方式により給湯運転を行なう熱源機2と、通信ケーブル4を介して熱源機2に接続されたリモコン3とを備えている。
【0016】
熱源機2は、給湯管5に接続された熱交換器6と、熱交換器6を加熱するバーナ7と、コントローラ20とを備え、バーナ7を燃焼させて給湯管5を流通する湯水を熱交換器6により加熱することにより、給湯運転を行なう。なお、バーナ7と熱交換器6により、本発明の加熱手段が構成される。
【0017】
コントローラ20は、熱源機2の筐体内に収容された電子基板であり、図示しないCPU(Central Processing Unit)、メモリ、モーメンタリ型のモード切替スイッチ21等が実装されている。熱源システム1の保守要員等は、熱源機2の筐体を構成するパネル部材を外すことで、電子基板に実装されたモード切替スイッチ21を操作することができる。
【0018】
コントローラ20のCPUに、熱源システム1の制御用プログラムを実行させることによって、CPUは、モード切替スイッチ21の操作に応じて、以下の表1に示した機種仕様パラメータの設定が可能な機種仕様設定モードと、機種仕様パラメータの設定が不能であってメンテナンスパラメータの設定が可能なメンテナンス設定モードとを切替える設定モード切替部22、機種仕様パラメータとメンテナンスパラメータを設定するパラメータ設定部23、及び熱源機2の給湯運転を実行する加熱制御部24として機能する。
【0019】
【表1】

【0020】
加熱制御部24は、上記表1に示した機種仕様パラメータ及びメンテナンスパラメータ(本発明の運転条件パラメータに相当する)を含む各種の運転パラメータに基づいて、給湯運転を実行する。
【0021】
上記表1に示した機種使用パラメータは、燃料ガスの種類(天然ガス、LPG(液化石油ガス)等)、排気バリエーション(壁掛型、PS(Pipe Space)設置型、アルコープ設置型等)といった、熱源システムの製造時や設置時に一旦設定された後は、再設定する必要がない重要度の高いパラメータである。
【0022】
それに対して、メンテナンスパラメータは、給湯温度補正、湯張り運転時の湯張り水位の補正といった、実際の温度や水位と熱源機による検出値とのずれが生じた場合等に、熱源システムの使用者の要望に応じて、熱源システムの保守要員等が設定する比較的重要度の低いパラメータである。
【0023】
そこで、熱源システム1においては、メンテナンスパラメータについては、リモコン3の操作のみにより設定可能な構成とし、機種仕様パラメータについては、リモコン3を操作する前に、熱源機2のモード切替スイッチ21を操作することで設定可能になる構成とすることにより、メンテナンスパラメータの設定時に、機種仕様パラメータが誤設定されることを防止している。以下、図2及び図3に示したフローチャートに従って、これらの構成について説明する。
【0024】
図2のSTEP1は設定モード切替部22による処理である。設定モード切替部22は、STEP1で、熱源機2に設けられたモード切替スイッチ21の操作の有無を判断し、モード切替スイッチ21が操作されたときにSTEP2に進む。この場合は、STEP2以降の処理により、リモコン3のスイッチ操作に応じて機種仕様パラメータの設定が可能な「機種仕様設定モード」となる。
【0025】
STEP2で、設定モード切替部22は、第1タイマ(第1タイマのタイマ時間は本発明の第1所定時間に相当する)をスタートさせる。この第1タイマは、STEP1でモード切替スイッチ21の操作により機種仕様設定モードとなってから、リモコン3の操作がなされずに第1所定時間(例えば10分)が経過したときに、メンテナンス設定モードに復帰させるためのものである。
【0026】
一方、STEP1で、モード切替スイッチ21が操作されていないときには、図3のSTEP50に進む。この場合には、図3のSTEP50以降の処理により、リモコン3のスイッチ操作に応じてメンテナンスパラメータの設定が可能な「メンテナンス設定モード」となる。
【0027】
なお、リモコン3には、図4(a),図4(b)に示したように、熱源機1の設定状況等が表示されるディスプレイ30、熱源機の運転状態と待機状態を切替える運転スイッチ31、浴槽(図示しない)に所定量の湯を供給する湯張り運転の実行を指示する自動スイッチ32、浴槽内の湯水を加熱する追焚き運転の実行を指示するおいだきスイッチ33、各種の操作メニューを選択するためのメニュースイッチ34、DOWNスイッチ35、UPスイッチ36、決定スイッチ37、及び、戻るスイッチ38が備えられている。
【0028】
[機種仕様設定モード]
機種仕様設定モードにおいて、パラメータ設定部23は、熱源システム1の保守要員等によるリモコン3のスイッチ操作に応じて、機種仕様パラメータを設定する。
【0029】
図2のSTEP3とSTEP20からなるループにおいて、STEP3で、パラメータ設定部23がDOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31の同時操作(スイッチの特殊操作)の有無を判断し、STEP20で、設定モード切替部22が第1タイマのタイムアップの有無を判断する。
【0030】
STEP20で第1タイマがタイムアップしたとき、すなわち、STEP1でモード切替スイッチ21が操作された時から、リモコン3の操作がなされずに第1所定時間が経過したときには、STEP10に進む。そして、設定モード切替部22は、機種仕様設定モードからメンテナンス設定モードに切替えてSTEP1に戻る。
【0031】
STEP3で、DOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31が同時に操作されたとき(スイッチの特殊操作あり)に、STEP4に進む。STEP4は設定モード切替部22による処理であり、設定モード切替部22は、第2タイマ(第2タイマのタイマ時間は本発明の第2所定時間に相当する)をスタートさせる。
【0032】
この第2タイマは、リモコン3の操作がなされた時から、次のリモコン3の操作がなされずに第2所定時間(例えば1分)が経過したときに、メンテナンス設定モードに切替えるためのものである。次のSTEP5で、パラメータ設定部23は、図4(a)に示したように、リモコン3のディスプレイ30に機種仕様設定画面40を表示する。
【0033】
そして、パラメータ設定部23は、STEP6〜STEP9のループを繰り返し実行しながら、STEP6でUPスイッチ36又はDOWNスイッチ35の操作の有無を判断し、STEP7で決定スイッチ37の操作の有無を判断し、STEP9でDOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31の同時操作(スイッチの特殊操作)の有無を判断する。また、設定モード切替部22は、STEP8で第2タイマがタイムアップしたか否かを判断する。
【0034】
STEP6でUPスイッチ36又はDOWNスイッチ35が操作されたときは、STEP30に分岐し、設定モード切替部22が第2タイマを再スタート(第2タイマの計時時間をリセットして、計時を再開)させる。また、STEP31で、パラメータ設定部23が設定対象とする機種仕様パラメータを変更して、STEP6に戻る。図4(a)では、機種仕様パラメータとしてガス種が設定対象とされた状態が例示されている。
【0035】
図4(a)では、設定番号「A1」が表示され、設定内容「A」が表示されている。設定番号「A1」はガス種を示し、設定内容「A]は例えば天然ガスを示す。そして、UPスイッチ36が操作されると、設定番号が「A1」(ガス種)から「A2」(排気バリエーション)に変更され、後述するSTEP7の決定スイッチ37の操作により、設定内容が、例えば現在値の「A」(壁掛型)から「B」(PS設置型)に変更される。
【0036】
STEP7で決定スイッチが37が操作されたときはSTEP40に分岐し、パラメータ設定部23は、表示されている内容に、機種仕様パラメータを変更する。図4(a)の表示状態で決定スイッチ37が操作されたときには、例えば、設定内容が「A」(天然ガス)から「B」(LPG)に変更される。なお、STEP3〜STEP7におけるリモコン3のスイッチ操作が、本発明のリモコンの第2所定操作に相当する。
【0037】
STEP9でDOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31の同時操作がなされたとき(スイッチの特殊操作あり)は、ループを抜けてSTEP10に進み、設定モード切替部22が、機種仕様設定モードからメンテナンス設定モードに切替えてSTEP1に戻る。なお、STEP9におけるDOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31の同時操作は、本発明のリモコンの第3所定操作に相当する。
【0038】
また、STEP8で第2タイマがタイムアップしたときにはSTEP10に分岐し、設定モード切替部22が、機種仕様設定モードからメンテナンス設定モードに切替えてSTEP1に戻る。
【0039】
[メンテナンス設定モード]
メンテナンス設定モードにおいて、パラメータ設定部23は、熱源システム1の保守要員等によるリモコン3のスイッチ操作に応じて、メンテナンスパラメータを設定する。
【0040】
図3のSTEP50で、DOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31が同時に操作されたとき(スイッチの特殊操作あり)に、STEP51に進む。STEP51は設定モード切替部22による処理であり、設定モード切替部は、第3タイマをスタートさせる。
【0041】
この第3タイマは、リモコン3の操作がなされた時から、次のリモコン3の操作がなされずに第3所定時間(例えば1分)が経過したときに、図2のSTEP1に戻して、STEP1でのモード切替スイッチ21の操作、及びSTEP50でのDOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31との同時操作の待ち状態に復帰させるためのものである。次のSTEP52で、パラメータ設定部23は、図4(b)に示したように、リモコン3のディスプレイ30にメンテナンス設定画面50を表示する。
【0042】
そして、パラメータ設定部23は、STEP53〜STEP56のループを繰り返し実行しながら、STEP53でUPスイッチ36又はDOWNスイッチ35の操作の有無を判断し、STEP54で決定スイッチ37の操作の有無を判断し、STEP56でDOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31の同時操作(スイッチの特殊操作)の有無を判断する。また、設定モード切替部22は、STEP55で第3タイマがタイムアップしたか否かを判断する。
【0043】
STEP52でUPスイッチ36又はDOWNスイッチ35が操作されたときは、STEP60に分岐し、設定モード切替部22が第3タイマを再スタート(第3タイマの計時時間をリセットして、計時を再開)させる。また、STEP61で、パラメータ設定部23は設定対象とするメンテナンスパラメータを変更して、STEP53に戻る。図4(b)では、メンテナンスパラメータとして給湯温度補正が設定対象とされた状態が例示されている。
【0044】
図4(b)では、設定番号「06」が表示され、設定内容「A」が表示されている。設定番号「06」は給湯温度補正を示し、設定内容「A」は例えば+1℃を示す。そして、UPスイッチ36が操作されると、設定番号が「06」(給湯温度補正)から「07」(湯張り水位補正)に変更され、後述するSTEP54の決定スイッチ37の操作により、設定内容が、例えば現在値の「A」(±0)から「B」(−20mm)に変更される。
【0045】
STEP54で決定スイッチ37が操作されたときは、STEP70に分岐し、パラメータ設定部23はメンテナンスパラメータを変更する。図4(b)の表示状態で決定スイッチ37が操作されたときには、例えば設定内容が「A」(+1℃)から「B」(+2℃)に変更される。なお、STEP50〜STEP54におけるリモコン3のスイッチ操作が、本発明のリモコンの第1所定操作に相当する。
【0046】
STEP56でDOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31の同時操作がなされたとき(スイッチの特殊操作あり)は、ループを抜けて図2のSTEP1に戻る。また、STEP55で第3タイマがタイムアップしたときには図2のSTEP1に戻る。
【0047】
以上説明したように、初期設定である「メンテナンス設定モード」においては、保守要員等は、リモコン3のスイッチ操作のみで各メンテナンスパラメータを設定することができる。それに対して、「機種仕様設定モード」に切替えるためには、保守要員等は、熱源機2の設置場所に行ってその筐体のパネル部を外し、コントローラ20に実装されたモード切替スイッチ21を操作する必要がある。
【0048】
そのため、熱源システム1の設置後に、保守要員等が「メンテナンス設定モード」においてメンテナンスパラメータを設定するときに、誤って、機種仕様パラメータを設定してしまうことを、より確実に防止することができる。
【0049】
また、設定モード切替部22は、図2のSTEP1でモード切替スイッチ21が操作されて、「メンテナンス設定モード」から「機種仕様設定モード」に切替えた時から、リモコン3のスイッチが操作されることなく第1所定時間(例えば10分)が経過したときには、「機種仕様設定モード」から「メンテナンスモード」に戻す。そして、これにより、「機種仕様設定モード」の状態が放置されて、誤って機種仕様パラメータが変更されることを防止している。
【0050】
さらに、設定モード切替部22は、図2のSTEP3,STEP6,STEP7で、リモコン3のスイッチ操作がなされた時から、次のリモコン3のスイッチ操作がなされることなく第2所定時間(例えば1分)が経過したときにも、「機種仕様設定モード」から「メンテナンス設定モード」に戻す。そして、これにより、「機種仕様設定モード」の状態が放置されて、誤って機種仕様パラメータが変更されることを防止している。
【0051】
なお、このように、図2のSTEP7で決定スイッチ37が操作されて、いずれかの機種仕様パラメータが設定された時から、リモコン3のスイッチが操作されることなく第2所定時間(例えば1分間)が経過すると、「機種仕様設定モード」から「メンテナンス設定モード」に切替わる。そのため、保守担当者等は、図2のSTEP9の操作(DOWNスイッチ35とUPスイッチ36と運転スイッチ31の同時操作)を省略することができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、本発明の熱源システムとして、ガス燃焼方式により給湯運転を行なう熱源機2を備えた熱源システム1を示したが、石油燃焼方式の熱源機や電気温水器等の他の種類の熱源機を備えた熱源システムに対しても、本発明の適用が可能である。
【0053】
また、本実施の形態において、設定モード切替部22は、「機種仕様設定モード」でリモコン3のスイッチ操作がなされない状態が第1所定時間又は第2所定時間継続したときに、「メンテナンス設定モード」に切替える処理を行ったが、この処理を行わない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0054】
1…熱源システム、2…熱源機、3…リモコン、20…コントローラ、21…モード切替スイッチ、22…設定モード切替部、23…パラメータ設定部。
図1
図2
図3
図4