(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ビデオチャネル、オーディオチャネル及びデータチャネルを含む通信インターフェースを介して、複数の端末装置にそれぞれ接続されたメディア処理機器の制御方法において、
前記複数の端末装置のうち制御権限を持つ第1端末装置から伝送された制御信号に対応される動作を行うステップと、
前記複数の端末装置のうち少なくとも2つの第2端末装置から接続トライがあれば、前記少なくとも2つの第2端末装置に関する情報を前記第1端末装置に通知するステップと、
前記第1端末装置から前記少なくとも2つの第2端末装置のうちいずれか一方を選択する入力が受信されると、前記選択された第2端末装置に制御権限を委譲するステップと、
を含むメディア処理機器の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、本発明の目的とするところは、メディア処理機器の制御権限を合理的に提供して、ユーザの便宜を高めることのできるメディア処理機器及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係るメディア処理機器は、ビデオチャネル、オーディオチャネル及びデータチャネルを含む通信インターフェースを介して、複数の端末装置にそれぞれ接続されたインターフェース部、前記複数の端末装置のうち制御権限を持つ第1端末装置から受信される制御信号に対応される動作を行うプロセッサ、前記複数の端末装置のうち少なくとも1つの第2端末装置から接続トライがあれば、前記第1端末装置に通知し、前記第1端末装置から制御権限委譲の承諾メッセージが受信されると、前記第2端末装置に制御権限を委譲する制御部を含む。
【0011】
ここで、前記制御部は、前記通知を行ってから、予め設定された時間が経過すると、前記第1端末装置が制御権限委譲を拒否したものと判断してよい。
【0012】
そして、前記制御部は、前記第1端末装置が制御権限委譲を拒否したものと判断されると、前記第2端末装置にエラーメッセージを伝送してよい。
【0013】
なお、前記制御部は、前記第1端末装置から制御権限委譲の拒否メッセージが受信されると、前記第2端末装置にエラーメッセージを伝送してよい。
【0014】
なお、前記制御部は、前記第1端末装置が制御権限を喪失するイベントが発生すると、前記第2端末装置に制御権限を委譲してよい。
【0015】
そして、本装置は、保存部を更に含んでよい。この場合、前記制御部は、前記メディア処理機器に接続をトライした端末装置が複数個である場合、接続をトライした順に優先順位をつけて前記保存部に保存し、現在制御権限を持った端末装置が制御権限を喪失するイベントが発生すると、前記優先順位に従って次の順位の端末装置に順次に制御権限を委譲してよい。
【0016】
一方、前記イベントは、前記制御権限を持つ端末装置がパワーオフされる第1イベント、前記制御権限を持つ端末装置と前記メディア処理機器間の接続が断絶される第2イベント、前記制御権限を持つ端末装置が前記メディア処理機器の使用を終了する第3イベントのうち少なくとも1つであってよい。
【0017】
そして、前記制御部は、マスターモードに設定された第3端末装置から接続トライがあれば、前記第3端末装置に制御権限を委譲してよい。
【0018】
一方、本発明の一実施形態によると、ビデオチャネル、オーディオチャネル及びデータチャネルを含む通信インターフェースを介して、複数の端末装置にそれぞれ接続されたメディア処理機器の制御方法は、前記複数の端末装置のうち制御権限を持つ第1端末装置から伝送された制御信号に対応される動作を行うステップ、前記複数の端末装置のうち少なくとも1つの第2端末装置から接続トライがあれば、前記第1端末装置に通知するステップ、前記第1端末装置から制御権限委譲の承諾メッセージが受信されると、前記第2端末装置に制御権限を委譲するステップを含む。
【0019】
本方法は、前記通知を行ってから、予め設定された時間が経過すると、前記第2端末装置にエラーメッセージを伝送するステップを更に含んでよい。
【0020】
なお、前記第1端末装置から制御権限委譲の拒否メッセージが受信されると、前記第2端末装置にエラーメッセージを伝送するステップを更に含んでもよい。
【0021】
一方、本方法は、前記第1端末装置が制御権限を喪失するイベントが発生すると、前記第2端末装置に制御権限を委譲するステップを更に含んでもよい。
【0022】
そして、前記メディア処理機器に接続をトライした端末装置が複数個である場合、接続をトライした順に優先順位をつけるステップ、現在制御権限を持った端末装置が制御権限を喪失するイベントが発生すると、前記優先順位に従って次の順位の端末装置に順次に制御権限を委譲するステップを更に含んでもよい。
【0023】
前記イベントは、前記制御権限を持つ端末装置がパワーオフされる第1イベント、前記制御権限を持つ端末装置と前記メディア処理機器間の接続が断絶される第2イベント、前記制御権限を持つ端末装置が前記メディア処理機器の使用を終了する第3イベントのうち少なくとも1つであってよい。
【0024】
なお、本方法は、マスターモードに設定された第3端末装置から接続トライがあれば、前記第3端末装置に制御権限を委譲するステップを更に含んでもよい。
【0025】
以上のような本発明の多様な実施形態によると、複数の端末装置間の制御権限が合理的に決定されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明について具体的に説明する。
【0028】
図1によると、本システムはメディア処理機器100及び複数の端末装置200−1、200−2、…、200−nを含む。
【0029】
図1の端末装置200−1、200−2、…、200−nのそれぞれは、TV、PC、モニター、デジタルフォトフレーム、ノートパソコン、オーディオプレイヤー、スピーカーなどのような映像又は音声の出力が可能な多様な類型の装置であってよい。
【0030】
なお、メディア処理機器100とは、各種ソースからメディア信号が出力できる機器のことを意味する。具体的には、多様な類型の保存媒体からデータを読み出してメディア信号を再生するDVDプレイヤーやブルーレイディスクプレイヤー、VCR、オーディオプレイヤー、MP3プレイヤーなどや、放送信号を受信して処理するセットトップボックスなどのような機器がメディア処理機器100として実現できる。
【0031】
なお、メディア信号とは、TV放送信号、DVD再生信号、ブルーレイディスク再生信号、オーディオ信号、VCR再生信号、写真イメージデータなどのようなビデオ及びオーディオデータのうち少なくとも1つを含む信号のことを意味する。
【0032】
複数の端末装置200−1、200−2、…、200−nのそれぞれとメディア処理機器100間の通信インターフェースは、ビデオチャネル、オーディオチャネル、データチャネルを含むインターフェースである。
【0033】
ここで、ビデオチャネル、オーディオチャネルは、それぞれビデオ信号、オーディオ信号を送受信するためのインターフェースであり、データチャネルは制御信号、同期信号、USBデータ、イーサネット(登録商標)信号などのような多様なデータを送受信するためのインターフェースのことを意味する。
【0034】
具体的には、複数の端末装置200−1、200−2、…、200−nのそれぞれとメディア処理機器100間の通信インターフェースは、いわゆるS−linkインターフェースで実現できる。
【0035】
S−linkインターフェースは、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)インターフェースの機能を拡張したインターフェースである。HDMIインターフェースは、DVIとの互換性を維持したまま、ビデオ/オーディオ信号と制御信号を共に伝送することで、AV用途の便利さを高めるために制定された規格である。S−linkインターフェースは、HDMIインターフェースと類似した特性を持っている。
【0036】
第1端末装置200−1及び第2端末装置200−2は、それぞれメディア処理機器100に接続されているため、第1端末装置200−1及び第2端末装置200−2のそれぞれのユーザは、メディア処理機器100の動作を制御し、メディア信号を提供されることができる。この場合、先に使用したユーザ又は優先順位の高いユーザが制御権限を持つことができる。制御権限を持っていないユーザはメディア処理機器100から提供されるメディア信号を単に出力する程度で使用するか、それとも、メディア処理機器100を全く使用できないようになる。
【0037】
図1の構成で一例を挙げると、第1端末装置200−1のユーザは、メディア処理機器100に対する制御信号を入力することができる。メディア処理機器100がDVDプレイヤーであると仮定すると、再生ボタンを選択して再生命令を入力することができる。
【0038】
この場合、第1端末装置200−1及びメディア処理機器100のような環境に位置したユーザは、第1端末装置200−1又はメディア処理機器100のそれぞれの本体に備えられたキーや、リモコンを操作して制御信号を入力することができる。
【0039】
メディア処理機器100に対するリモコン又は本体キーの操作でなく、第1端末装置200−1に対するリモコン又は本体キーの操作がある場合、第1端末装置200−1はメディア処理機器100に接続されたデータチャネルを介して入力された制御信号をメディア処理機器100に伝達する。この場合、制御信号そのものをフォワーディングさせることもでき、メディア処理機器100に対応されるフォーマットの制御コマンドに変換して伝送することもできる。以下では、このような制御コマンドも制御信号に含まれる概念で説明する。
【0040】
メディア処理機器100は受信された制御コマンドに対応される動作を行い、その実行結果、メディア信号が生成されると、生成されたメディア信号をビデオチャネル及びオーディオチャネルのうち少なくとも1つを用いて第1端末装置200−1に伝送する。具体的には、動画信号である場合には、ビデオチャネル及びオーディオチャネルの両方を用いて、オーディオ信号のみで構成された場合には、オーディオチャネルのみを用いることができ、一方でデジタルフォトフレームにディスプレイされる写真のようなビデオ信号のみで構成された場合には、ビデオチャネルのみを用いることもできる。
【0041】
このように、複数の端末装置200−1、200−2、…、200−nのうち、最も先にメディア処理機器100を使用するための制御信号を伝送した端末装置が通常、制御権限を持つことになるが、必ずしもこのように構成されるわけではない。
【0042】
即ち、ユーザが予め複数の端末装置200−1、200−2、…、200−nの間の優先順位を設定しておいた場合、優先順位の高い端末装置から制御権限を持つことができる。次の順位の端末装置は、自分より高い優先順位を持つ端末装置が全てターン−オフ状態か、メディア処理機器との接続が遮断された状態などの場合にのみ、限定的に制御権限を持つことができる。
【0043】
一方、第1端末装置200−1が制御権限を持っている状態で、第2端末装置200−2のように別の端末装置側からユーザの制御信号が入力されると、制御信号が入力された第2端末装置200−2はメディア処理機器100側に制御コマンドを伝送する。
【0044】
メディア処理機器100は先に使用中の第1端末装置200−1の存在を認識し、第1端末装置200−1側に報知メッセージを伝送する。報知メッセージは実施形態に応じてデータチャネルを介して伝送されることもでき、ビデオチャネルやオーディオチャネルを介して伝送されることもできる。
【0045】
即ち、メディア処理機器100が第1端末装置200−1にビデオ信号を伝送している場合、メディア処理機器100は報知メッセージをレンダリングした後、レンダリングされたイメージ、即ち、報知メッセージをビデオ信号にマキシングする。これによって、メディア処理機器100は報知メッセージを含むビデオ信号を第1端末装置200−1に伝送する。第1端末装置200−1はメディア処理機器100から伝送されるビデオ信号をスケーリングして画面上に出力し、報知メッセージを提供することができる。報知メッセージの内容としては、他ユーザがメディア処理機器100を使用しようとするトライがあったというメッセージ、他ユーザにメディア信号視聴を許容するか否かを問い合わせるメッセージ、他ユーザに制御権限を委譲するか否かを問い合わせるメッセージなどが含まれることができる。このようなメッセージは、多様なフォントのテキスト又はイメージでもよい。
【0046】
又は、メディア処理機器100は報知メッセージを音声メッセージの形で生成し、オーディオ信号にマキシングした後、オーディオチャネルを介して第1端末装置200−1に提供することもできる。このような報知メッセージは、スピーカーを通して出力されることもできる。
【0047】
又は、メディア処理機器100は報知メッセージをデータチャネルを介して第1端末装置200−1に提供することもできる。即ち、報知メッセージを表示するためのコマンド又は報知メッセージの内容に対するデータなどを第1端末装置200−1に提供することができる。これにより、第1端末装置200−1は報知メッセージをOSD(On Screen Display)、レンダリングイメージ、オーディオメッセージなどの形に変換して出力することができる。
【0048】
一方、メディア処理機器100は第2端末装置200−2に対する情報を報知メッセージに含めることができる。従って、第1端末装置200−1は、どの機器でメディア処理機器100を使用しようとしたかを共に報知することができる。
【0049】
図2は、第1端末装置200−1で表示される報知メッセージの一例を示す図である。
図2は、第1及び第2端末装置200−1、200−2がそれぞれTVで実現され、メディア処理機器100がブルーレイディスクプレイヤー(BDP)で実現された場合を示す。
図2でのように、第1端末装置200−1には第2端末装置200−2、即ち、TV2がメディア処理機器であるBDPを視聴しようとするとの事実を報知し、第2端末装置200−2に制御権限を委譲するか否かを問い合わせる報知メッセージ10が表示されることができる。
【0050】
第1端末装置200−1のユーザは、リモコンや本体キーボタンなどを操作してYesかNoを選択することができる。Yesを選択する場合、制御権限委譲の承諾メッセージが生成されてメディア処理機器100に伝送される。これにより、メディア処理機器100は制御権限を第2端末装置200−2に付与する。制御権限が委譲されると、その後からは、メディア処理機器100は第2端末装置200−2から伝送される制御信号に従って動作を行う。
【0051】
一方、ユーザが予め設定された時間内に、YesかNoかを選択しなかったり、Noを選択する場合であれば、第1端末装置200−1は制御権限委譲を拒否したものと判断し、制御権限委譲の拒否メッセージをメディア処理機器100に伝送することができる。メディア処理機器100は制御権限委譲の拒否メッセージが直接受信されたり、第1端末装置200−1から報知メッセージを伝送した後、予め設定された時間内に如何なる信号も伝送されなければ、制御権限委譲を拒否したものと認識し、第2端末装置200−2にエラーメッセージを伝送することができる。エラーメッセージには第2端末装置200−2が制御権限がないことを報知するメッセージ、現在制御権限を持っている主体が誰かを報知するメッセージなどが含まれることができる。このようなエラーメッセージは第2端末装置200−2との間で接続されたデータチャネルを介して第2端末装置200−2に伝送されることができる。第2端末装置200−2は、受信されたエラーメッセージをビデオメッセージ又はオーディオメッセージに変換して出力することができる。
【0052】
一方、
図2では、制御権限を委譲するか否かを問い合わせる報知メッセージを示したが、第1端末装置200−1には第2端末装置200−2にメディア信号を提供するか否かを問い合わせる報知メッセージを出力することもできる。これにより、第1端末装置200−1で、メディア信号を提供するようにする選択信号が入力されると、メディア処理機器100は第2端末装置200−2にも第1端末装置200−1と同様のメディア信号を提供することができる。一方、第1端末装置200−1から特に応答がなかったり、拒否の意思が表示されると、第2端末装置200−2には如何なる信号も伝送しなくてもよい。
【0053】
更に別の実施形態では、第1端末装置200−1の許諾なしでも、メディア信号は第2端末装置200−2にも同様に提供されることもできる。しかし、制御権限が第1端末装置200−1にある以上、第2端末装置200−2はメディア処理機器100の動作を制御することはできない。
【0054】
一方、メディア処理機器100は現在制御権限を持った第1端末装置200−1が制御権限を喪失するイベントが発生する場合にも、第2端末装置200−2に制御権限を委譲することができる。
【0055】
このようなイベントは、多様に設定されることができる。例えば、第1端末装置200−1がパワーオフされる第1イベント、第1端末装置200−1とメディア処理機器100間の接続が断絶される第2イベント、第1端末装置200−1がメディア処理機器の使用を終了する第3イベントなどの多様なイベントのうち、少なくとも1つが発生したと判断されると、メディア処理機器100は制御権限を第2端末装置200−2に委譲する。
【0056】
第1イベント及び第2イベントが発生したか否かは、メディア処理機器100が周期的に第1端末装置200−1の状態をモニターリングして判断することができる。即ち、メディア処理機器100はデータチャネルを介して第1端末装置200−1に周期的にクエリーを伝送した後、それに対応されるAckが受信されなければ、第1イベント又は第2イベントが発生したと判断することができる。
【0057】
一方、第3イベントが発生したか否かは、第1端末装置200−1から特定の種類の制御信号が入力されたか否かを確認して判断することができる。即ち、メディア信号の再生停止命令が入力されたり、メディア処理機器100に対するパワーオフ命令が入力される場合、メディア処理機器100に対する使用の意思がそれ以上ないものと判断し、第2端末装置200−2に制御権限を委譲することができる。
【0058】
以上では、第1端末装置200−1及び第2端末装置200−2とメディア処理機器100間における制御権限委譲の過程のみを説明したが、追加的に端末装置が更に存在する場合にも同様の方式で制御権限を委譲することができる。もし、3つ以上の端末装置がメディア処理機器100に制御信号を伝送した場合であれば、メディア処理機器100は制御信号の伝送順番、即ち、接続順番に従って優先順位をつけることができる。従って、現在制御権限を持った第1端末装置200−1が制御権限を喪失するようになると、メディア処理機器100は次の順位の端末装置に制御権限を委譲し、その端末装置も制御権限を喪失するようになると、更にその次の順位の端末装置に制御権限を委譲する。
【0059】
一方、2つ以上の後続端末装置がメディア処理機器100に接続をトライした場合、メディア処理機器100は各端末装置に対する情報を含む報知メッセージを第1端末装置200−1に伝送することができる。これにより、第1端末装置200−1のユーザは、複数の他端末装置のうち、制御権限を委譲する端末装置を選択することができる。選択された端末装置に対する情報はデータチャネルを介してメディア処理機器100に伝送されることができ、メディア処理機器100は受信される情報に対応される端末装置に制御権限を委譲することができる。
【0060】
一方、複数の端末装置200−1、200−2、…、200−nのうちマスターモードで動作する端末装置があれば、その端末装置のみが制御権限を持つように設定することができる。マスターモードとは、ユーザ又は管理者が暗証番号やIDなどを設定して登録させておくことのできるモードとして、接続順番に関係なく絶対的な制御権限を持つモードのことを意味する。マスターモードで接続した端末装置が存在する場合、他端末装置ではマスターモードの端末装置で制御する通りにのみ、メディア処理機器を利用することができる。
【0061】
即ち、
図1のシステムで第2端末装置200−2がマスターモードで動作する場合であれば、第1端末装置200−1が現在制御権限を持っているとしても、第2端末装置200−2で何かの選択信号が入力されたり、第2端末装置200−2がターン−オンされただけで、第2端末装置200−2に制御権限を委譲する。制御権限を委譲するか否かは、メディア処理機器100が決定する。即ち、メディア処理機器100は第2端末装置200−2でマスターモードに設定するための認証情報が入力されると、その入力された認証情報が予め登録された認証情報と同一であるかを確認する。確認の結果、同一であれば、第2端末装置200−2がマスターモードで動作するものと認識し、第2端末装置200−2で入力される制御信号に従ってのみ動作を行う。この場合、他端末装置にはマスターモードで動作する端末装置が出現したことを報知するメッセージを提供することもできる。認証情報としては、ユーザが予め登録したIDや暗証番号でもよく、その他に、ユーザを認証できる情報なら如何なる認証情報でもよい。
【0062】
マスターモードをサポートするために、メディア処理機器100は認証情報、マスターモード設定のためのUI情報などを保存しておくことができる。メディア処理機器100は各端末装置から制御信号が伝送される度に、その制御信号を伝送した端末装置にマスターモードを設定するか否かを問い合わせるUI情報を提供し、ユーザがマスターモードで接続するか否かを先に問い合わせることもできる。
【0063】
図3は、本発明の多様な実施形態に係るメディア処理機器100の構成を示すブロック図である。
【0064】
図3によると、メディア処理機器100はインターフェース部110、プロセッサ120、制御部130及び保存部140を含む。
図3は本発明の特徴的な部分を説明するための最小限の構成要素のみを示しており、本メディア処理機器100がどんな装置で実現されるかに応じて多様な追加構成が更に含まれることができる。
【0065】
例えば、メディア処理機器100がセットトップボックスのような放送受信装置で実現された場合、メディア処理機器100はチューナー部、復調部、等化部などの構成要素を更に含むことができる。制御部130は、チューナー部を制御して所望の周波数帯域の放送信号を選局することができる。選局された放送信号は復調部及び等化部などを経て復調及び等化処理された後、プロセッサ120によって各端末装置に対応されるフォーマットのメディア信号で処理されることができる。
【0066】
更に別の例を挙げて、メディア処理機器100がDVDプレイヤー、ブルーレイディスクプレイヤー、VCRなどのような保存媒体に保存されたデータを再生するメディア再生装置で実現された場合、メディア処理機器100には保存媒体を装着する装着部、装着された保存媒体に記録されたデータを読み出す読出部などの構成要素を更に含むことができる。読み出されたデータはプロセッサ120を経て、各端末装置に対応されるフォーマットのメディア信号に変換処理されることができる。
【0067】
このような追加構成の動作及び構成については、上述のように、多様に変形されることができ、既に公知されているためこれ以上の説明は省略する。
【0068】
インターフェース部110は、各端末装置200−1、200−2、…、200−nとの間で、ビデオチャネル、オーディオチャネル及びデータチャネルを含む通信インターフェースを介して接続される。
【0069】
プロセッサ120は複数の端末装置のうち、制御権限を持つ端末装置から受信される制御信号に対応される動作を行う。具体的には、プロセッサ120は制御信号を受信した制御部130の制御に従って、各種の信号変換プロセッシングを行うことができる。例えば、メディア再生信号が入力された場合、外部放送局又は接続された保存媒体などからデータを検出して、メディア信号を生成する。
【0070】
制御部130は各端末装置の間における接続トライ順番などに従って制御権限を委譲する。即ち、制御部130は複数の端末装置のうち少なくとも1つの第2端末装置から接続トライがあれば、現在制御権限を持っている第1端末装置に通知する。このような通知は、上述のように、多様な類型の報知メッセージをもって行われることができる。一方、第1端末装置に対する報知メッセージとは別として、第2端末装置に対しても第1端末装置が制御権限を持っていることを報知する更に別の報知メッセージが伝送されることもできる。
【0071】
これにより、第1端末装置から制御権限委譲の承諾メッセージが受信されると、制御部130は第2端末装置に制御権限を委譲する。即ち、第2端末装置から入力される制御信号に対応される動作を行う。
【0072】
一方、第1端末装置から制御権限委譲の拒否メッセージが受信されたり、予め設定された時間内に、如何なるメッセージも受信されなければ、制御部130は第2端末装置への制御権限を委譲しない。この場合、制御部130は第2端末装置にエラーメッセージを伝送することができる。
【0073】
第1端末装置が制御権限を委譲しない場合、制御部130は、以後に第1端末装置が制御権限を喪失するイベントが発生するか否かを周期的にモニターリングすることができる。即ち、第1端末装置が制御権限を委譲していない状態で、パワーがオフにされたり接続が遮断される場合、又は、制御を終了する特定の命令を伝送した場合などが発生すると、制御部130は第2端末装置に制御権限を委譲する。この場合、第2端末装置には制御権限が委譲されたことを報知する報知メッセージを伝送し、ユーザが制御可能な状態であることを認識させることができる。
【0074】
一方、制御部130はマスターモードに設定された第3端末装置から接続トライがあるか、既に接続をトライしたが拒否された第2端末装置でマスターモード設定が行われると、マスターモードに設定された第3端末装置又は第2端末装置に制御権限を直ちに委譲する。この場合、第1端末装置に対しては、それ以上制御できないことを報知する報知メッセージを伝送することができる。
【0075】
保存部140には多様な種類のデータが保存されることができる。具体的には、各種メッセージを視覚的なメッセージで構成するためのレンダリングデータ、マスターモード設定のために予め登録された認証情報、各端末装置に付与された優先順位情報などが保存されることができる。
図3においては、1つの保存部140が設けられたものとして示したが、その個数は多様に変更されることができ、その保存部140の種類及び位置も実施形態によって変更可能である。
【0076】
制御部130は、メディア処理機器100に接続をトライした端末装置が複数個である場合、接続をトライした順に優先順位をつけて保存部140に保存することができる。これによって、現在制御権限を持った第1端末装置が制御権限を喪失するイベントが発生すると、保存部140に保存された優先順位に従って次の順位の端末装置に順次に制御権限を委譲する。
【0077】
図4は、本発明の一実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
図1のシステムに示された各端末装置200−1、200−2、…、200−nは、
図4に示された端末装置200のような構成を持つことができる。
【0078】
図4によると、本端末装置200はインターフェース部210、信号処理部220、出力部230、制御部240、入力部250を含む。
【0079】
インターフェース部210はメディア処理機器100に備えられたインターフェース部110との間でビデオチャネル、オーディオチャネル、データチャネルを含む1つの通信インターフェースで接続されることができる。
【0080】
信号処理部220はインターフェース部210を介して伝送されるメディア信号を適切な出力フォーマットに変換処理し、出力部230は変換されたデータを画面及びスピーカーを通して出力する。これにより、ユーザは多様な類型のメディア信号を視聴又は鑑賞することができる。
【0081】
制御部240は端末装置200内部の各構成の動作を制御し、入力部250はユーザから入力される選択信号を受信して制御部240に伝達する。
【0082】
端末装置200のユーザはリモコン又は端末装置200の本体に備えられたキーを操作して、メディア処理機器100に対する制御信号を入力することができる。
入力部250は入力された制御信号を制御部240に伝達する。制御部240は伝達された制御信号をメディア処理機器100に対応されるフォーマットの制御信号で再構成してインターフェース部210を介して伝送する。
【0083】
これにより、メディア処理機器100で制御権限が最初から付与されたり、委譲されることができる。一方、メディア処理機器100から報知メッセージ又はエラーメッセージが伝送されると、制御部240は信号処理部220及び出力部230を制御して、伝送されたメッセージを出力する。この場合、メディア処理機器100でビデオ信号又はオーディオ信号そのものにメッセージをマキシングして伝送した場合であれば、伝送されたメディア信号を処理する過程でメッセージが共に出力されることができる。これに対して、メディア処理機器100でデータチャネルを介してメッセージデータを伝送した場合であれば、信号処理部220は伝送されたメッセージデータに従ってメッセージをレンダリングしたり、音声メッセージに変換して出力することもできる。
【0084】
図5は、本発明の一実施形態に係るメディア処理機器の制御方法を説明するためのフローチャートである。
図5によると、制御権限を持った第1端末装置が存在する状態で(S510:Y)、第1端末装置から制御信号が受信されると(S520:Y)、その制御信号に従って動作を行う(S530)。ここで、制御権限を持った第1端末装置が存在する状態とは、マスターモードで動作する端末装置があるか、以前に制御信号を伝送した端末装置が存在する場合を意味する。
【0085】
このような状態で、他端末装置から接続トライがある場合(S540)、第1端末装置にこのような事実を通知した後(S550)、第1端末装置が承諾したか否かを確認する(S560)。第1端末装置が承諾したことが確認されると、接続トライした他端末装置に制御権限を委譲し(S570)、その時点から他端末装置の制御信号に対応される動作を行う。
【0086】
一方、制御権限を持つ第1端末装置がない場合には、最初に接続トライをした端末装置に対して制御権限を付与する(S580、S590)。
【0087】
これにより、合理的な制御権限付与が行われることができる。
【0088】
一方、
図5では、具体的には示していないが、マスターモードで動作する第3端末装置が登場する場合があり得る。この場合、第1端末装置が同意するか否かに関係なく、マスターモードで動作する第3端末装置が最優先で制御権限を持つようになる。即ち、メディア処理機器100はマスターモードに予め設定された第3端末装置から制御信号が伝送されたり、接続中であった第2端末装置がマスターモードに設定された場合には、第1端末装置の代りに、第3又は第2端末装置の制御信号に従って、動作を行うようになる。この場合、第1端末装置には、マスターモードに設定された端末装置の出現事実を報知するための報知メッセージを伝送することができる。
【0089】
図6は、本発明の一実施形態に係るメディア処理機器で、制御権限を委譲する別の実施形態を説明するためのフローチャートである。
【0090】
図6によると、接続トライした端末装置がある場合(S610)、現在制御権限を持った端末装置の制御権限の喪失イベントが発生したか否かを判断する(S620)。ここでの制御権限の喪失イベントとは、
図5のように制御権限を持った第1端末装置で制御権限委譲に同意した場合も含まれることができる。この他に、パワーオフ、接続遮断、使用終了などの多様なイベントを制御権限の喪失イベントに含まれるものと見なせる。
【0091】
これにより、制御権限の喪失イベントが発生したと判断されると、新たに接続トライした端末装置に制御権限を委譲する(S630)。この場合、メディア処理機器100に接続された全ての端末装置に対して、制御権限が新たな端末装置、例えば、第2端末装置200−2に委譲されたことを報知するメッセージを伝送することができる。
【0092】
一方、制御権限の喪失イベントが発生しなかった場合であれば、メディア処理機器100は接続トライした端末装置にエラーメッセージを伝送する(S640)。この場合、エラーメッセージには、その後、第1端末装置の使用が終了するまで待機することを要求するなどの多様な内容が含まれることができる。
【0093】
このような本発明の多様な実施形態によると、メディア処理機器に接続された各端末装置に対して、メディア処理機器の制御権限を合理的に決定することができる。
【0094】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。