(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の粘着剤は、
炭素数4〜6の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート及び炭素数7〜12の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートから選ばれるアクリレートを含むアクリレート混合物(モノマー成分(1))、アミド基含有ビニルモノマー(モノマー成分(2))、非第3級芳香族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、または非第3級脂環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(モノマー成分(3))、及び(メタ)アクリル酸(モノマー成分(4))からなるモノマー混合物100質量部を重合することにより得られるポリマーを含む粘着剤に関する。
本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリルまたはメタクリル」を意味する。
モノマー
モノマー成分(1)とは、炭素数4〜6の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート及び炭素数7〜12の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートから選ばれるアクリレートを含むアクリレート混合物をいう。
【0014】
炭素数4〜6の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート及び炭素数7〜12の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートを含むアクリレート混合物とは、炭素数4〜6の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートから選ばれる一以上のアクリレートモノマーと、炭素数7〜12の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートから選ばれる一以上のアクリレートモノマーとの混合物をいう。
【0015】
炭素数4〜6の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートとは、アクリル酸またはメタクリル酸と、炭素数が4〜6の脂肪族アルコールとのエステルをいい、炭素数7〜12の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートとは、アクリル酸またはメタクリル酸と、炭素数が7〜12の脂肪族アルコールとのエステルをいう。
【0016】
炭素数4〜6の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートとしては例えば、n−ブチルアクリレート(BA)、イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレートを挙げることができる。これらの中でも、n−ブチルアクリレート(BA)を好ましいものとしてあげることができる。
【0017】
また、炭素数7〜12の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートとしては例えば、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、イソオクチルアクリレート(IOA)、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニルアクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、またはイソドデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの中でも、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を好ましいものとして挙げることができる。
【0018】
また、炭素数4〜6の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート及び炭素数7〜12の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートを含むアクリレート混合物として、具体的には、n−ブチルアクリレート(BA)と2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)との混合物を挙げることができる。
【0019】
モノマー成分(1)の含有量は、前記モノマー混合物、すなわちモノマー成分(1)、モノマー成分(2)、モノマー成分(3)、及びモノマー成分(4)から構成されるモノマーの混合物(以下単に「前記モノマー混合物」ということがある。)全体を100質量部としたとき、約46〜約60質量部、約46〜約53質量部、または約47〜約60質量部とすることができる。
【0020】
あるいは、モノマー成分(2)として、一般式1で表されるモノマーを用いる場合、モノマー成分(1)の含有量は、約46〜約53質量部、または約47〜約52質量部とすることができる。
また、モノマー成分(2)として、N−ビニル環状アミドモノマーを用いる場合、モノマー成分(1)の含有量は、約47〜約60質量部、約47〜約56質量部、または約50〜約56質量部とすることができる。
【0021】
前記炭素数4〜6の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートと炭素数7〜12の脂肪族アルキル(メタ)アクリレートとの配合比(質量比)は、適宜選択することができる。前記モノマー混合物に、一般式1で表されるモノマーを用いる場合、かかる配合比、すなわち「炭素数4〜6の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート」:「炭素数7〜12の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート」を、3:7〜7:3、または3.5:6.5〜6.5:3.5とすることができ、前記モノマー混合物に、N−ビニル環状アミドモノマーを用いる場合は、2.5:7.5〜10:0、または5:5〜10:0とすることができる。
【0022】
モノマー成分(2)とは、アミド基含有ビニルモノマーをいう。
【0023】
アミド基含有ビニルモノマーとは、ビニルモノマーの側鎖に、−NC(O)−(アミド結合)を含むモノマーをいう。
【0024】
アミド基含有ビニルモノマーとしては、一般式1:CHR=CH−C(O)−N(R
1)R
2(式中、Rは水素またはメチル基、R
1及びR
2は、水素、または炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であって、R
1とR
2は同時に水素となることはない。)で表されるモノマー、またはN−ビニル環状アミドモノマーを挙げることができる。
【0025】
前記一般式1で表されるモノマーとしては、具体的には例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド(nnDMA)、N,N−ジエチルアクリルアミド(nnDEA)、またはN,N−ジメチルメタクリルアミドを挙げることができる。これらの中でも、N,N−ジメチルアクリルアミド(nnDMA)を好ましいものとして挙げることができる。
【0026】
また、N−ビニル環状アミドモノマーとして、具体的には例えば、N−ビニルカプロラクタム(NVC)、またはN−ビニルピロリドン(NVP)等を挙げることができる。これらの中でも、N−ビニルピロリドン(NVP)を好ましいものとして挙げることができる。
【0027】
モノマー成分(2)の含有量は、前記モノマー混合物全体を100質量部としたとき、約22〜約36質量部、または約26〜約34質量部とすることができる。
【0028】
アミド基含有ビニルモノマーとして、前記一般式1で表されるモノマーを用いる場合、モノマー成分(2)の含有量は、前記モノマー混合物全体を100質量部としたとき、約26〜約34質量部とすることができる。
【0029】
モノマー成分(3)とは、非第3級芳香族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、または非第3級脂環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルをいう。
【0030】
非第3級芳香族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルとは、アクリル酸またはメタクリル酸と、非第三級芳香族アルコール、すなわち第一級または第二級芳香族アルコールとのエステルで、かつそのホモポリマーのTgが−25℃以上となるようなモノマーをいう。具体的には、例えば、ベンジルアクリレート(BzA)またはベンジルメタアクリレート等を挙げることができる。中でも、ベンジルアクリレート(BzA)を好ましいものとして挙げることができる。
【0031】
非第3級脂環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルとは、アクリル酸またはメタクリル酸と、非第三級脂環式アルコール、すなわち第一級または第二級脂環式アルコールとのエステルで、かつそのホモポリマーのTgが−25℃以上となるようなモノマーをいう。具体的には、例えば、イソボルニルアクリレート(IBA)、イソボルニルメタアクリレート、シクロヘキシルアクリレート(CHA)、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、またはジシクロペンテニルメタクリレート等を使用することができる。これらの中でも、シクロヘキシルアクリレート(CHA)を好ましいものとして挙げることができる。
【0032】
モノマー成分(3)の含有量は、前記モノマー混合物全体を100質量部としたとき、約10〜約30質量部、または約10〜約20質量部とすることができる。
【0033】
モノマー成分(4)とは、(メタ)アクリル酸をいう。
【0034】
(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を示す。(モノマー成分(4)の含有量は、前記モノマー混合物全体を100質量部としたとき、0〜約3質量部、または0〜約1質量部とすることができる。
重合開始剤
本発明の粘着剤には、通常用いられる重合開始剤を適宜選択して用いることができる。
【0035】
具体的には例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフォスフィンオキサイド、またはビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等の光重合開始剤;あるいは過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートのような有機過酸化物や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビスー4−シアノバレリアン酸、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、またはアゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル(AVN)等のアゾ系重合開始剤等の熱重合開始剤を用いることができる。これらの重合開始剤は1種類または2種類以上を使用することができる。
【0036】
重合開始剤の添加量は、重合開始剤の種類により適宜選択することができる。例えば、光重合開始剤を使用する場合は、前記モノマー混合物を100質量部としたとき、重合開始剤を約0.05質量部〜約1.0質量部、または約0.05質量部〜約0.3質量部とすることができる。熱重合開始剤を使用する場合は、前記モノマー混合物を100質量部としたとき、約0.05質量部〜約5.0質量部とすることができる。添加量をこのような範囲とすることにより、より大きな接着力、特に高温剥離力、熱老化後剥離力を得ることができる。
架橋剤
本発明の粘着剤は、さらに通常用いる架橋剤を含んでも良い。例えば、多官能アクリレート、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、過酸化物系架橋剤などが挙げられる。
架橋剤の添加量は特に限定されないが例えば、前記モノマー混合物を100質量部としたとき約0.01質量部〜約0.5質量部とすることができる。
添加剤
本発明の粘着剤は、さらに可塑剤、フィラー、老化防止剤、接着促進剤(塩素化ポリオレフィンなど)、紫外線吸収剤、顔料等通常用いられる添加剤を使用することができる。
粘着剤の製法
本発明の粘着剤は、前記モノマー混合物、すなわちすなわち前記モノマーの混合物を重合することにより得られるポリマーからなる。
かかるポリマーは、例えば、前記モノマー混合物に、光重合開始剤、また所望により従来公知の添加剤を混合して、窒素ガスでモノマーを十分に置換して酸素を除いた後、紫外線、X線、ガンマ線、または電子線等の放射線を照射して重合することにより得られる。あるいは、まず前記モノマー混合物に、光重合開始剤の一部を加えて、粘度が約1000cps〜約5000cps程度になるように例えば紫外線を照射してプレポリマーを作成し、続いてさらに光重合開始剤を加えて例えば紫外線を照射し重合することにより得られる。
【0037】
あるいは、まず耐圧瓶に前記モノマー混合物及び酢酸エチル等従来公知の溶剤を充填し、続いて、重合開始剤を加えた後窒素ガスでモノマーを十分に置換して酸素除いて加熱、重合することにより得られる。
粘着テープ
本発明の粘着テープは、基材層と本発明の粘着剤からなる粘着剤層を含む。基材の片面のみに、または両面に粘着剤層を積層して粘着テープとすることができる。あるいは、基材の片面にあらかじめ粘着剤の層を有する材料のかかる粘着剤の層と反対側の面に、本発明の粘着剤からなる粘着剤層を積層して粘着テープとすることもできる。また所望により、プライマー層など他の機能を有する層を有していても良い。さらに粘着剤層の表面に通常用いられる剥離ライナーを積層してもよい。
【0038】
基材層としては、通常用いられるフィルム、または発泡材からなるシートを使用することができる。発泡材からなるシートは、それ自体が粘着性を有するものであってもよい。フィルムとしては例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリスチレンフィルム、またはポリアミドフィルム等を使用することができる。また、発泡材からなるシートとしては例えば、アクリル発泡材シート、ポリエチレン発泡材シート、クロロプレン発泡材シート、またはウレタン発泡材シートを使用することができる。具体的には例えば、アクリルフォームテープ(住友スリーエム社製GT7108)等を使用することができる。基材層の厚さは、粘着テープの用途等に合わせて適宜選択することができ限定されないが、例えば、約30μm〜約4mmとすることができる。
【0039】
あるいは、基材層として、通常用いられる不織布を用いることもできる。不織布としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、高密度ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、綿または麻などのセルロース系のパルプ天然繊維、レーヨン、耐熱性の合成繊維、ポリアミド繊維またはガラス繊維等の耐熱性繊維から形成されたものを用いることができる。不織布の厚みは特に限定されないが、例えば、約5μm〜約100μmとすることができる。
【0040】
粘着剤層は、本発明の粘着剤からなる。粘着剤層の厚さは、基材層に使う素材や粘着テープの用途等に合わせて適宜選択することができ限定されないが、例えば、約10μm〜約500μmとすることができる。
【0041】
粘着テープは、従来公知の方法により製造することができる。例えば、本発明の粘着剤を構成する前記モノマー混合物を2枚のフィルムに挟み、硬化させて粘着剤層を得る。得られた粘着剤層の片面のフィルムを剥離してその面を基材層に積層して粘着テープを得る。このとき表面に剥離処理がされたフィルムを用いると、粘着剤層からフィルムを剥離して基材層に積層する際に操作がしやすくなる。また、粘着剤層を基材層に積層する際には、粘着剤層表面または基材層表面にプライマーを塗布してもよい。さらに、基材層の両面に粘着剤層を積層すれば、両面粘着テープを得ることができる。
【0042】
本発明の粘着剤は、単独で粘着剤として、あるいは上述のように基材層に積層して粘着テープとして用いることができる。そして、本発明の粘着剤は、例えばポリメチルメタクリレート等の材料表面に対して室温下、高温下、低温下でも十分な接着力を有するため、かかる粘着剤、及びかかる粘着剤を使用した粘着テープは、自動車外装部品、中でもポリメチルメタクリレート製の、バイザー(サイドバイザー、ドアバイザー)と自動車車体とを接着するために使用することができる。
構造体
本発明の構造体は、基材層、粘着剤層、及びポリメチルメタクリレートからなる自動車外装部品を含む。特に、基材層、粘着剤層、及びポリメチルメタクリレートがこの順に積層されている構造体が好ましい。
【0043】
基材層は、前記粘着テープに用いられる基材層と同様の材料を用いることができる。
【0044】
粘着剤層は、基材層の両面に設けることが好ましい。そして粘着剤層の少なくとも一方は、前記本発明の粘着剤からなる粘着剤層とすることができる。
【0045】
ポリメチルメタクリレートからなる自動車外装部品としては、例えば自動車のドアの上部等に取付けられるバイザー(サイドバイザー、ドアバイザー)等を挙げることができる。
【0046】
構造体は、上述の粘着テープのうち粘着剤層を有する面、粘着テープが両面に粘着剤層を有する場合はそのうちの一の粘着剤層の面を、自動車外装部品の表面に貼付することにより得られる。
【0047】
また、構造体は、低温、室温、高温等の幅広い温度条件下で、PMMA材料表面に対して十分な接着力を有する粘着テープと一体化しているので、PMMA材料と反対側の粘着剤層を自動車の車体本体に貼付することにより、自動車車体に強固に取付け可能な部品として使用することができる。
【実施例】
【0048】
実施例中で用いた略号、及び各成分の入手先は次のとおりである。
BA :n−ブチルアクリレート(三菱化学(株)社製)
2EHA :2エチルヘキシルアクリレート((株)日本触媒社製)
nnDMA:ジメチルアクリルアミド((株)興人社製)
NVP :n−ビニル−2−ピロリドン((株)日本触媒社製)
NVC :n−ビニル−カプロラクタム(BASF社製)
BzA :ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業(株)社製)
CHA :シクロヘキシルアクリレート(大阪有機化学工業(株)社製)
AA :アクリル酸(東亜合成(株)社製)
Irgacure 651:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバスペシャリティー・ケミカルズ社製)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 共栄社
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)社製)
Bis Aziridine:イソフタノイルビス−2−メチルアジリジン
【0049】
紫外線重合による粘着剤及び粘着テープの製造(実施例1〜22、24、比較例1〜11)
表1〜4に示すモノマー成分(1)〜(4)に、光重合開始剤を上段に記載した量加え、窒素ガスで置換して十分に酸素を除いた後、粘度が約1000cps〜約5000cpsになるよう紫外線を照射しプレポリマーを作成した。その後、下段に記載した量の光重合開始剤、架橋剤を加えシロップ溶液を得た。
得られたシロップ溶液を厚さ50μmの剥離処理PETフィルム(三菱化学社製)に置き、上面より同種のPETフィルムをかぶせて2枚のフィルムではさみながらナイフコート法により塗布した。続いて、300〜400nmの波長の0.5〜7.0mW/cm
2の強度の紫外線を6分間照射させることにより硬化させ、粘着剤を作成した。硬化後の厚さは100μmであった。
得られた粘着剤の一方のPETフィルムを剥がし、露出した粘着剤表面にアクリルフォームテープ(住友スリーエム社製GT7108)をラミネートして粘着テープを得た。
【0050】
熱重合による粘着剤及び粘着テープの製造(実施例23)
耐圧瓶に、2エチルヘキシルアクリレート21部、ブチルアクリレート31部、ベンジルアクリレート20部、n−ビニルピロリドン26部、アクリル酸2部、及び酢酸エチル185.7部を充填した。重合開始剤(和光純薬社製V−65)0.1部を加え、窒素ガス置換(10分間)して酸素を除いた後耐圧瓶を密閉し、50℃の水浴中で20時間重合した。得られたポリマー溶液の固有粘度をキャノン・フェンスケを用いて測定したところ、1.36dl/gであった。
得られたポリマー溶液とイソフタノイルビス−2−メチルアジリジン0.2部(架橋剤)を瓶に充填して混合した。得られた溶液を、シリコン処理した厚さ50μmのPETフィルムにナイフコーターを用いて塗布し、100℃のオーブンで10分間乾燥して厚さ65μmの粘着剤を得た。続いて、露出した粘着剤表面にアクリルフォームテープ(住友スリーエム社製GT7108)をラミネートして粘着テープを得た。
【0051】
以下剥離力の測定には、上記実施例及び比較例で得られた粘着テープのアクリルフォームテープ側の面に厚さ50μmのPETフィルム(プライマーK500により処理したもの)をラミネートして用い、保持力の測定には、得られた粘着テープをサンプルとして用いた。
【0052】
測定1:ポリメチルメタクリレートに対する常態(25℃)剥離力の測定
被着体としてポリメチルメタクリレート(PMMA)の板(100mm×25mm×2mm:三菱レイヨン製アクリペット(登録商標)VH000)を用意し、イソプロピルアルコール(IPA)で洗浄した。上記実施例及び比較例で作成した評価用サンプル(テープサイズ:12mm×60mm)を2kgローラー(1往復)にてそれぞれ圧着した後、室温(25℃)にて24時間放置後、引張試験機(テンシロンRTC−1325A型(株)オリエンテック社製)にて180°ピール強度を測定した(25℃、引張速度50mm/分)。結果を表に示した。
【0053】
測定2:ポリメチルメタクリレートに対する高温(80℃)剥離力の測定
測定1で作成したサンプルを、80℃中にて30分〜60分間放置し、引張試験機(テンシロンRTC−1325A型(株)オリエンテック社製)にて180°ピール強度を測定した(80℃、引張速度50mm/分)。結果を表に示した。
【0054】
測定3:ポリメチルメタクリレートに対する低温(5℃)剥離力の測定
測定1で作成したサンプルを、5℃中にて120分間放置し、引張試験機(テンシロンRTC−1325A型(株)オリエンテック社製)にて90°ピール強度を測定した(5℃、引張速度300mm/分)。結果を表に示した。
測定4:ポリメチルメタクリレートに対する高温(80℃)保持力の測定
ポリメチルメタクリレート(PMMA)の板(100mm×25mm×2mm:三菱レイヨン製アクリペット(登録商標)VH000)を用意し、イソプロピルアルコール(IPA)で洗浄した。上記実験例で作成した保持力測定用評価サンプル(テープサイズ:12mm×25mm)の評価側粘着面をPMMA板に、反対側のアクリルフォームテープの面には清浄なSUS−304の板(0.5mm×30mm×60mm)を貼り合わせ、5kgローラー(1往復)を用いて圧着した。得られた試験片を80℃のオーブン中で60分間養生後、500gの錘を2度の角度になるようサンプルの長手方向の一方の端に吊り下げ、錘が落下するまでの保持時間(分)を計測した。繰り返し数は3とし、平均保持時間を表に示した。
【0055】
表中の「mode」は、各試験後の評価用サンプルの状態を目視にて観察して破壊モードで示したものである。各破壊モードの状態は次のとおりである。
【0056】
FB(foam splitbreak):基材層(アクリルフォームテープ)が凝集破壊された状態を示す。すなわち、粘着剤層は被着体に貼り付いたまま基材層(アクリルフォームテープ)破壊されている状態である。
【0057】
Pop:粘着剤層の界面破壊により、評価用サンプルが被着体から剥離した状態を示す。基材層(アクリルフォームテープ)と粘着剤層は密着したままであり、被着体に粘着剤の残留物が視認もしくは触指できない状態である。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】