(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記プローブブロックの前記伸長端の近傍部分で前記支持台に向き合う面に取り付けられた可撓性の配線シート支持体であって前記プローブブロックの前記伸長端を越えて前記所定の傾斜角で伸長し、前記配線シートの前記延在部を支持する延長部を備える配線シート支持体を含む、請求項1に記載のプローブ装置。
前記配線シート支持体は、前記所定の傾斜角に沿うように一方の面で前記プローブブロックに取り付けられた可撓性を有する板状部材と、該板状部材の他方の面に一方の面が取り付けられた第1の弾性部材とを備え、
前記第1のシート状部材は、前記第1の弾性部材の他方の面に取り付けられている、請求項2に記載のプローブ装置。
さらに、前記プローブブロックの後方で前記配線シートに対応して配置された接続シートであって、前記第1のシート状部材に対応して前記プローブブロックの伸長方向に沿って延びる第2のシート状部材と、前記第1の配線に対応して前記第2のシート状部材に形成された複数の第2の配線であって前記第2のシート状部材に沿って該シート状部材の伸長方向に延びる複数の第2の配線とを備える接続シートを含み、
前記配線シートは、前記延在部が設けられた側と反対側の後部において前記第1の配線が設けられた面が後方に向く状態に折り曲げられた第1の接続境域を有し、
前記接続シートは、前記配線シートの前記後部に隣接する前部において前記第2の配線が設けられた面が前方に向く状態に折り曲げられた第2の接続領域であって、前記第1及び第2の配線が接触するように前記第1の接続領域に対向された第2の接続領域を有し、
前記第1及び第2の接続領域は、それらの対向する面で前記第1及び第2の配線が接触するように挟持手段により前後方向から挟持されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のプローブ装置。
さらに、前記第1及び第2の狭持ブロックの少なくともいずれか一方に設けられた第2の弾性部材であって、前記第1又は第2の接続領域と前記第1又は第2の挟持ブロックとの間に介在する第2の弾性体を含む、請求項6又は7に記載のプローブ装置。
さらに、前記プローブブロックに取り付けられ、前記プローブブロックと前記支持台との相対運動によって前記配線シートの前記接触電極が前記被検査体の対応する前記電極に押し付けられたとき前記配線シートの前記延在部の過大な変形を抑制すべく、前記プローブブロックから前記配線シートの前記延在部における前記第1のシート状部材の前記一方の面に間隔をおいて該一方の面に当接可能に伸長するストッパとを含む、請求項1に記載のプローブ装置。
前記ストッパは、弾性を有する第1の弾性部材と、該第1の弾性部材を覆い前記配線シートの前記第1のシート状部材に対する摩擦を低減するための表面層とを備える、請求項9に記載のプローブ装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明においては、
図4において、上下方向を上下方向又はZ方向といい、左右方向をプローブ装置の被検査体側を前方とし、プローブ装置のプローブベース側を後方とする前後方向又はY方向といい、紙背方向を左右方向又はX方向という。しかし、それらの方向は、ワークテーブルのようなパネル受けに受けられた被検査体の姿勢に応じて異なる。
【0027】
したがって、プローブ装置及びプローブブロックは、本発明でいう上下方向(Z方向)が、実際に、上下方向となる状態、上下逆となる状態、斜めの方向となる状態等、いずれかの方向となる状態に試験装置に取り付けられて使用される。
【0029】
図1を参照するに、試験装置10は、液晶表示パネルのような平板状の被検査体12の点灯検査に用いられる。試験装置10は、被検査体12を試験するための信号を送信するテスタ(図示しない)を備える。被検査体12には、検査のために必要な、例えば、液晶表示パネルを黒表示させるための試験信号又は駆動信号がテスタから試験装置10を介して被検査体12に供給される。
【0030】
被検査体12は矩形の形状を有しており、
その表面には、矩形の少なくとも1つの辺に対応する縁部に、複数の電極14が所定の間隔で形成されている。各電極14は、これが形成された縁部の長手方向と直交するX方向又はY方向へ延びる帯状の形状を有している。図示の例では、被検査体12の隣り合う2つの辺に、複数の電極14が設けられている。
【0031】
試験装置10は、被検査体12を保持するための
、該被検査体の裏面を受ける支持台として作用するチャックトップ16と、チャックトップ16の上方に配置された複数のプローブユニット18とを含む。プローブユニット18は、チャックトップ16に保持された被検査体12の電極14が形成された縁部の上方に配置されている。プローブユニット18とチャックトップ16とは相寄り相離れるようにZ方向に相対的に移動可能である。
【0032】
姿勢を調整された被検査体12は、大気圧よりも低いチャックトップ16の吸引圧力によってチャックトップ16上に保持される。チャックトップ16は、従来よく知られているように、xyzθ台上に設けられている。これにより、チャックトップ16上の被検査体12は、チャックトップ16と一体に、X軸方向、Y軸方向及びX−Y面に直角なZ軸方向へ移動可能であり、またZ軸の周り(すなわち、θ方向)に回転可能である。
【0033】
各プローブユニット18は、チャックトップ16と平行な面上にチャックトップ16から間隔をおいて配置されたプローブベース24と、プローブベース24に支持された複数のプローブ装置30とを備える。プローブベース24は、チャックトップ16に受けられた被検査体12の対応する縁部に沿って延び、また上下方向を厚さ方向とする板状
のフレーム部材である。プローブ装置30は、プローブベース24の長手方向に間隔をおいてプローブベース24に配置されている。
【0034】
本実施例において、試験装置10は、X方向及びY方向に、それぞれ、5つのプローブ装置30及び3つのプローブ装置30を備えているが、被検査体12の電極14の位置に対応して、各方向にそれ以上のプローブ装置30を備えていてもよい。
【0035】
また、本実施例において、被検査体12は、隣り合う2つの辺に対応した縁部に電極14を備えているが、他の辺に対応した縁部に電極14を備えることがある。そのような場合に、試験装置10は、前記した他の辺の縁部に対応して該他の縁部の上方に配置されたプローブユニット18を備えていてもよい。
【0037】
図2〜4を参照するに、X方向に間隔をおいて配置された複数のプローブ装置30のそれぞれは、プローブベース24に載置されかつ連結された連結ブロック32と、連結ブロック32に支持された結合ブロック34と、結合ブロック34に結合された支持ブロック36と、支持ブロック36に支持されたプローブブロック38と、プローブブロック38に支持された配線シート40と、配線シート40に電気的に接続された接続回路42とを含む。
【0038】
連結ブロック32は、
図4において断面で示されており、プローブベース24から立ち上がるようにプローブベース24に連結された本体部32aと、本体部32aの上部から前方に延びる補助部32bとにより、L字状の断面形状を有する。連結ブロック32は、本体部32aを上方から下方に貫通してプローブベース24に螺合された複数のボルト41によりプローブベース24に取り外し可能に結合されている。
【0039】
結合ブロック34は、
図4において断面で示されており、直方体の形状の本体部34aと、本体部34aの下部から前方に延びる補助部34bとにより逆L字状の断面形状を有する。結合ブロック34は、一組のガイド44及びガイドレール46により上下方向に移動可能に、連結ブロック32の本体部32aの前面に本体部34aの後面において連結されていると共に、ボルト48により上下方向の位置を調整可能に連結ブロック32の補助部32bの下側に支持されている。
【0040】
ボルト48は、連結ブロック32の補助部32bを上方から下方へ貫通しており、また結合ブロック34に形成されたねじ穴50に螺合されている。結合ブロック34は、左右方向に間隔をおいて連結ブロック32の補助部32bと結合ブロック34との間に配置された一対の圧縮コイルバネ52(
図2を参照)により下方に付勢されている。これにより、結合ブロック34へのボルト48のねじ込み量を調整することにより、結合ブロック34、ひいては結合ブロック34に結合された支持ブロック36を介してプローブブロック38の高さ位置を調整することができる。
【0041】
支持ブロック36は、上下方向を厚さ方向とし、左右方向に長い板状部材であり、その中央領域において結合ブロック34の下側に結合されている。支持ブロック36と結合ブロック34とは、結合ブロック34の補助部34bを上方から下方に貫通して支持ブロック36に螺合されたボルト54により結合されている。
【0042】
プローブブロック38は、左右方向に間隔をおいて支持ブロック36を上方から下方に貫通してプローブブロック38に螺合された一対のボルト56により、支持ブロック36に結合されている。
これにより、プローブブロック38は、前記支持台16から間隔をおきかつ該支持台に沿って支持台16上の被検査体12の縁部の外方から電極14へ向けて伸長する。
【0043】
プローブブロック38は、前後方向に長い矩形の形状を有する本体部38aと、本体部38aの前部から前方ほど下方となる斜めの方向に延びる補助部38bとを備える。補助部38bの下面
すなわち支持台16に向き合う面は、前方ほど下方となる斜めの方向に
、所定の傾斜角度で延びる傾斜面38cとされている。傾斜面38cの傾斜角は、プローブ装置30の設計に応じて様々な角度にすることができる。例えば、傾斜面38cの傾斜角は、水平面(XY面)に対して5°〜40°の間の角度とされていてもよい。
【0044】
プローブブロック38の本体部38aの下面には、接続回路42が配置されている。接続回路42は、液晶表示用パネルを駆動する駆動信号を発生させる集積回路60が実装された配線基板62と、配線基板62に電気的に接続され、またプローブブロック38から後方に延びる接続配線シート64とを備える。配線基板62と接続配線シート64とはコネクタ66により接続されている。
【0045】
接続配線シート64は、プローブベース24に配置された中継基板(図示しない)を介してテスタに電気的に接続される。配線シート40は、配線基板62に接続されることにより、前記中継基板、接続配線シート64及び配線基板62を介してテスタに電気的に接続されている。集積回路60は、テスタからの試験信号を受けて、液晶表示用パネルを駆動する駆動信号を発生させ、該駆動信号が配線シート40を介して被検査体12に供給される。
【0046】
配線シート40は、
一方の面すなわち上面でプローブブロック38の傾斜面38cに、例えば、熱硬化性の接着材により接着されることにより取り付けられて、プローブブロック38に支持されている。配線シート40は、傾斜面38cに接着された主体部40aと、配線基板62に電気的に接続された後部40bと、主体部40aに連続し、かつプローブブロック38の前下端部38dから延びる延在部40cを備える。また、配線シート40は、チャックトップ16に受けられた被検査体12に対して左右方向において平行となるようにプローブブロック38に取り付けられている。
【0047】
配線シート40の主体部40aは、プローブブロック38の傾斜面38cに貼り付けられているから、傾斜面38cの傾斜方向と同一の方向、すなわち前方ほど下方となる斜めの方向に延び、主体部40aに連続する延在部40cは、傾斜面38cの傾斜方向と同一の方向に延びる。しかし、プローブ装置30は、前方ほど下方となる斜めの方向に延びる延在部を有する配線シート40を含んでいればよく、配線シート40の主体部40aは斜めに延びていなくてもよい。すなわちプローブブロック38の主体部40aが貼り付けられる下面
すなわち支持台16に向き合う面は傾斜面でなくてもよい。
【0048】
図5を参照するに、配線シート40は、
ブローブブロック38の補助部38bの下面に一方の面が貼り付けられた可撓性の第1のシート状部材68と、
該シート状部材の下面に設けられた複数の第1の配線70と、各第1の配線70の一端部の下面に設けられた接触電極72とを有する。図示の例では、配線シート40は、第1のシート状部材68に複数の第1の配線70を形成した、いわゆるフレキシブル印刷配線回路(FPC:Flexible Printed Circuits)又はTAB(TAB:Tape Automated Bonding)テープのような可撓性を有するシート状の印刷配線回路とすることができる。図示しないが、配線シート40は、複数の第1の配線70を覆うカバーレイフィルムのような絶縁性及び可撓性のシート状部材を有していてもよい。
【0049】
第1のシート状部材68は、ポリイミドのような電気絶縁性を有する材料で製作されている。複数の第1の配線70は、第1のシート状部材68の
他方の面に設けられており、また
プローブブロック38の伸長方向と直角な左右方向に間隔をおいて
プローブブロック38の伸長方向に沿って前後方向に延びている。そのような第1のシート状部材68と第1の配線70と備える配線シート40としてFPC又はTABテープを用いることにより、第1の配線70の配置及び形状、すなわち配線パターンは、FPC又はTABテープの従来の設計及び製造方法で種々変更することができる。
【0050】
各接触電極72は、第1の配線70の
伸長端である前端部に形成されており、左右方向から見て概扇型形状とされている。また、接触電極72は、第1のシート状部材68に対して垂直な方向に第1の配線70から直線状に立ち下がる前端面72aと、第1のシート状部材68に対して水平な方向に弧状状に延びる下面72bと、前端面72a及び下面72bにより形成される角部72cとを有する。
第1の配線70の伸長端側で第1の配線70から各電極14へ向けて突出するそれぞれの接触電極72の前端面72aは、
該前端面に連続する下面72bよりも第1の配線70の伸長端側に位置し、前方からみて矩形の形状の断面を有し、同一のXZ面上に位置している。
図5に示す例では、前端面72aは、対応する第1の配線70の幅方向へ該配線と交差する直角な平坦面で構成されている。
【0051】
左右方向に間隔をおいて並ぶ複数の接触電極72の角部
、すなわち各前端面72aと各下面72bとで形成される角72cは、第1のシート状部材68に対して同一の高さ位置とされている。したがって、第1のシート状部材68を有する配線シート40と被検査体12とが相寄るように上下方向に平行移動し、接触電極72が電極14に接触するとき、複数の接触電極72の角部72cのそれぞれが、対応する電極14に同時に接触する。これにより、被検査体12の複数の電極14が、対応する接触電極72から受ける力を均一にすることができる。
【0052】
[接触電極と被検査体の電極との電気的接続について]
【0053】
次に、
図6示す本発明に係るプローブ装置30の接触電極72と、被検査体12の電極14との電気的な接続について説明する。以下の説明において、被検査体12がプローブ装置30に対して移動するように説明するが、実際は、プローブ装置30が被検査体12に対して移動してもよい。
【0054】
先ず、被検査体12の電極14が配線シート40の接触電極72に接触するように、被検査体12がプローブ装置30に相寄る方向、すなわち上方に移動する。配線シート40の延在部40cが、被検査体12に対して前方ほど下方となる斜めの方向に傾斜した状態にプローブブロック38に取り付けられ、かつ接触電極72が下方に向けられているから、配線シート40の延在部40cの先端に設けられた接触電極72の角部72cが配線シート40の最下端となっている。これにより、
図6(A)に示すように、被検査体12が第1の接触位置におかれたとき、接触電極72の角部72cが被検査体12の電極14に接触する。
【0055】
次いで、被検査体12は、さらなる上方への移動により
図6(B)において、二点
鎖線で示す第1の位置から実線で示す第2の位置まで移動される。このとき、配線シート40は、接触電極72を介して被検査体12から上方に押される。これにより、配線シート40は、延在部40cがプローブブロック38の前下端部38dを左右方向に延びる軸線とした周りに回転するように屈曲される。この配線シート40の屈曲により、配線シート40の角部72cは、
図6(B)に二点
鎖線で示す位置から、実線で示す位置まで被検査体12の電極14上を前方に向かって距離Lだけ移動する。
【0056】
被検査体12の電極14上を接触電極72の角部72cが移動することにより、角部72cが電極14上の酸化膜を除去する。また、電極14上に異物があった場合に、接触電極72の角部72c又は前端面72aが異物を前方に押し退ける。
【0057】
このとき、接触電極72が酸化膜を削る力及び異物を押し退ける力は、配線シート40の第1のシート状部材68及び第1の配線70の可撓性に依存する。すなわち、配線シート40の可撓性を変更することにより、酸化膜を削る力及び異物を押し退ける力を調整することができる。
【0058】
配線シート40の可撓性は、第1のシート状部材68又は第1の配線70の厚さ及び材料を変えることにより、変更することができる。例えば、第1のシート状部材68は、ポリイミド、液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystal Polymer)等を材料とすることができる。また、ポリイミド、LCPのシート等には、様々な厚さ寸法を有するものがある。
【0059】
次いで、
図6(C)に示すように、接触電極72は、その下面72bを被検査体12の電極14に接触させている。下面72bが接触している電極14の部分は、角部72cにより酸化膜が削られ、かつ異物が除去されている。したがって、接触電極72は電極14に確実に電気的に接続される。
【0060】
また、角部72cが酸化膜を削り取ることにより、角部72cと電極14との間に削り取られた酸化膜の残滓があっても、接触電極72は、角部72cと異なる下面72bで被検査体12の電極14に接触するから、接触電極72と電極14とが確実に電気的に接続される。
【0062】
配線シート40の製造において、先ず、絶縁シートに金属シートが張り合わされたような銅張積層板を出発材料とし、第1のシート状部材68として作用する前記絶縁シートの上に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術により前記金属シートがエッチングされて複数の第1の配線70として形成される。
【0063】
次いで、複数の第1の配線70の上にメッキ技術のような堆積技術により接触電極72として作用する複数のバンプ80が形成される。堆積技術により、複数のバンプ80が形成されるから、複数のバンプ80は相互に同一形状とすることができる。また、バンプ80は、第1のシート状部材68及び第1の配線70とは別個に製作され、導電性接着材により第1の配線70に取り付けられてもよい。
【0064】
次いで、
図7を参照するに、第1の配線70及びバンプ80が形成された第1のシート状部材68が切断用治具82に固定された状態に取り外し可能に配置される。図示の例では、バンプ80及び第1のシート状部材68のそれぞれは、それらと同じ寸法の凹所84及び86に嵌め込まれるように切断用治具82に配置されている。しかし、第1のシート状部材68は、切断用治具82に固定されていればよく、凹所84及び86は、それぞれ、バンプ80及び第1のシート状部材68よりも大きな寸法を有していてもよい。
【0065】
次いで、第1のシート状部材68、第1の配線70及びバンプ80は、
図7に示す一点鎖線に沿って、切断装置88により切断される。図示の例では、切断装置88は、カッターのような切断手段90を備えるが、これに換えてレーザのような他の切断手段を備えていても良い。切断手段90により切断されたバンプ80が接触電極72として作用し、バンプ80の切断面が接触電極72の前端面72aとして作用する。
【0066】
図示の例では、1つの第1の配線70及び1つのバンプ80が切断されるように示されているが、実際には、左右方向に間隔をおいて複数の第1の配線70及び複数のバンプ80が第1のシート状部材68に設けられている。したがって、切断手段90により、複数の第1の配線70及び複数のバンプ80が同時に切断される。
【0067】
これにより、バンプ80の切断面は、同一面(切断面)上に形成された接触電極72の前端面72aとして作用する。また、複数のバンプ80が同一形状を有するから、複数の前端面72aの下端は、それぞれが第1のシート状部材68から同一の高さに位置する角部72cとして作用する。
【0069】
図8〜10を参照するに、本発明の第2の実施例に係るプローブ装置130は、プローブベース24に載置されかつ連結された連結ブロック132と、連結ブロック132に支持された結合ブロック134と、結合ブロック134に結合された支持ブロック136と、支持ブロック136に支持されたプローブブロック138と、プローブブロック138に取り付けられた配線シート支持体180と、プローブブロック138及び配線シート支持体180に支持された配線シート140と、配線シート140に電気的に接続された接続回路142とを含む。
【0070】
連結ブロック132、結合ブロック134、支持ブロック136、配線シート140及び接続回路142のそれぞれの形状、取り付け関係等は、第1の実施例における連結ブロック32、結合ブロック34、支持ブロック36、配線シート40及び接続回路42と同様である。
【0071】
配線シート140は、第1の実施例における配線シート40と同様に、可撓性の第1のシート状部材168と、第1のシート状部材168に設けられた複数の第1の配線170と、各第1の配線170の一端部の下面に設けられた接触電極172とを有する。複数の第1の配線170は、第1のシート状部材168の
下面に設けられており、左右方向に間隔をおいて
プローブブロック138の伸長方向に沿う第1のシート状部材168に沿って前後方向に延びている。
【0072】
各接触電極172は、第1の配線170の
伸長端である前端部に形成されており、左右方向から見て概扇型形状とされている(
図10を参照)。また、接触電極172は、第1のシート状部材168に垂直な方向に第1の配線170から立ち下がる前端面172aと、第1のシート状部材168に水平な方向に弧状に延びる下面172bと、前端面172a及び下面172bにより形成される角部172cとを有する。
第1の配線170の伸長端側で第1の配線170から各電極14へ向けて突出するそれぞれの接触電極172の前端面172aは、
該前端面に連続する下面172bよりも第1の配線170の伸長端側に位置し、前方からみて矩形の形状の断面を有し、同一のXZ面上に位置している。
前端面172aは、図5に示す例と同様に、対応する第1の配線170の幅方向へ該配線と交差する直角な平坦面で構成されている。
【0073】
配線シート140の一部を支持するプローブブロック138は、前後方向に長い矩形の断面形状を有する本体部138aと、本体部138aの前部から前方ほど下方となる斜めの方向に延びる補助部138bとを含む。補助部138bは、その下側に段部138cを備える(
図10を参照)。
【0074】
プローブブロック138に支持された配線シート支持体180は、板状に形成されており、その一部が段部138cに受け入れられた状態にプローブブロック138に取り付けられている。配線シート支持体180の厚さ寸法が、段部138cの高さ寸法に対応して同一寸法とされており、プローブブロック138の傾斜した下面と配線シート支持体180の下面とは共同して平坦面を形成している。
【0075】
配線シート支持体180は、段部138cに受けられた本体部180aと、本体部180aに連続してプローブブロック138から前方ほど下方となる
所定の傾斜角で斜めの方向に延びる延長部180bを備える。
【0076】
配線シート支持体180は、プローブブロック138に取り付けられ、かつ可撓性を有する板状部材182と、板状部材182の下面に取り付けられた板状の弾性部材184とを備える。可撓を有する板状部材182は、アクリルシート、ガラス入りエポキシシート、LCPシート、PETシート等から成り、その厚さ方向に力を受けると、その可撓性により屈曲又は湾曲する。
【0077】
弾性部材184は、LCPフィルム、PETフィルム等の材料から成り、その厚さ方向に力を受けると厚さ方向に圧縮される。板状部材182及び弾性部材184の材料が、LCP、PET等の半透明又は透明の材料とされることにより、プローブ装置130の上方から配線シート支持体180を介して第1の配線170の位置を確認することができる。
【0078】
配線シート140は、プローブブロック138の下面と配線シート支持体180の下面とから形成された前記平坦面にその一部を取り付けられている。配線シート支持体180に貼り付けられた配線シート140の一部は、プローブブロック138の前下端部138dから延びる延在部140cとして作用する。
【0079】
図10を参照するに、第2の実施例におけるプローブ装置130は、被検査体12の電極14に接触するとき、配線シート140が屈曲されることに加えて、板状部材182が、その可撓性によりプローブブロック138の前下端138dを左右方向に延びる軸線とした周りに回転するように屈曲される
、すなわち前下端138dの縁に沿って屈曲される。さらに、この板状部材182の屈曲に加えて弾性部材184が圧縮される。
【0080】
したがって、板状部材182の可撓性及び弾性部材184の弾性による反発力により、接触電極172が被検査体12の電極14に対して押圧される。これにより、接触電極172の角部172cは、適切な力により電極14に押圧された状態で電極14上を前方に移動して、電極14上の酸化膜を削り、又は異物を除去する。
【0081】
第1の実施例に係るプローブ装置30の配線シート40の製造工程において、切断手段90により配線シート40を切断した。第2の実施例に係るプローブ装置130の配線シート140の製造においては、配線シート140に配線シート支持体180を取り付けた状態で、配線シート140に加えて配線シート支持体180を共に切断してもよい。
【0083】
図11〜13を参照するに、本発明の第3の実施例に係るプローブ装置230は、プローブベース24に載置されかつ連結された連結ブロック232と、連結ブロック232に支持された結合ブロック234と、結合ブロック234に結合された支持ブロック236と、支持ブロック236に支持されたプローブブロック238と、プローブブロック238に取り付けられたストッパ280と、プローブブロック238に支持された配線シート240と、配線シート240に電気的に接続された接続回路242とを含む。
【0084】
連結ブロック232、結合ブロック234、支持ブロック236、配線シート240及び接続回路242のそれぞれの形状、取り付け関係等は、第1の実施例における連結ブロック32、結合ブロック34、支持ブロック36、配線シート40及び接続回路42の関係と同様である。
【0085】
配線シート240は、第1の実施例における配線シート40と同様に、可撓性の第1のシート状部材268と、その
下面に設けられた複数の第1の配線270と、各第1の配線270の一端部の下面に設けられた接触電極272とを備える。複数の第1の配線270は、第1のシート状部材268の
下面に設けられており、左右方向に間隔をおいて
プローブブロック238の伸長方向に沿った第1のシート状部材268に沿って前後方向に延びている。
【0086】
各接触電極272は、第1の配線270の前部に形成されており、左右方向から見て概扇型形状とされている(
図13を参照)。これにより、接触電極272は、第1のシート状部材268に垂直な方向に第1の配線270から立ち下がる前端面272aと、第1のシート状部材268に水平な方向に弧状に延びる下面272bと、前端面272a及び下面272bにより形成される角部272cとを有する。
第1の配線270の伸長端側で第1の配線270から各電極14へ向けて突出するそれぞれの接触電極272の前端面272aは、
該前端面に連続する下面272bよりも第1の配線270の伸長端側に位置し、前方からみて矩形の形状の断面を有し、同一のXZ面上に位置している。
前端面272aは、前記した例と同様に、対応する第1の配線270の幅方向へ該配線と交差する直角な平坦面で構成されている。
【0087】
配線シート240は、プローブブロック238の下面に、例えば、熱硬化性の接着材により接着されることにより取り付けられて、プローブブロック238に支持されている。配線シート240は、プローブブロック238の下面に接着された本体部240aと、本体部240aに連続し、かつプローブブロック38の下面から上下方向に間隔をおいて前方ほど下方となる斜めの方向に延びる延在部240cを備える。
【0088】
これにより、配線シート240は、プローブブロック238に貼り付けられた本体部240aとプローブブロック238から間隔をおいた延在部240cとの境界240dを左右方向に延びる軸線とした周りに回転するように屈曲可能であり、延在部240cの前端は自由端とされている。
【0089】
配線シート240を支持するプローブブロック238は、前後方向に長い矩形の断面形状を有する本体部238aと、本体部238aの前部から前方ほど下方となる斜めの方向に延びる補助部238bとを含む。補助部238bの前部は、下方ほど前方となる斜めの方向に開放する凹所238cを有し、凹所238cがストッパ280を受け入れるように、ストッパ280がプローブブロック238に取り付けられている。
【0090】
ストッパ280は、楔型の側面形状を有しており、該楔の先端を下側とした状態でプローブブロック238に取り付けられている。ストッパ280は、楔型の先端部が配線シート240の延在部240cの上方に間隔をおいて位置するように、プローブブロック238の補助部238bの前面に取り付けられている。
【0091】
ストッパ280の先端は、接触電極272に対応された位置に配置されている。これにより、配線シート240の接触電極272が被検査体12の電極14により上方に押されたとき、ストッパ280は、第1のシート状部材268の接触電極272が設けられた側と反対側の部位に当接される。したがって、接触電極272が電極14に接触するとき、接触電極272は、第1のシート状部材268を介してストッパ280により下方に押されて、電極14に確実に電気的に接続される。
【0092】
また、ストッパ280は、弾性を有する弾性部材282と、弾性部材282の表面の一部を覆う表面層284とを備える。表面層284は、少なくとも弾性部材282の配線シート240に当接する部分を覆っている。表面層284は、配線シート240と弾性部材282との間に潤滑性を提供するように、フッ素コーティングされたテープのような低摩擦の材料を弾性部材282に貼り付けること又は塗布することにより形成される。
【0093】
被検査体12の試験に先駆けて、被検査体12とプローブ装置230とが相寄るように相対的に移動される。これにより、配線シート240の接触電極272が被検査体12の電極14に接触する。そのような相対的移動がさらに進むと、被検査体12の電極14が配線シート240を下方から押す。これにより、配線シート240が上方に屈曲されて配線シート240の延在部240cがストッパ280に当接する。
【0094】
被検査体12とプローブ装置230とが相寄る方向へさらに移動されると、配線シート240の延在部240cがストッパ280の先端に押される。このとき、弾性部材282が弾性を有するから、配線シート240の接触電極272は、被検査体12の電極14に適切な力で押されて確実に電気的に接続される。また、弾性部材282と配線シート240との間に潤滑性を有する表面層284が介在するから、配線シート240は、ストッパ280に擦れることによる損傷を防止される。
【0096】
図14及び
図15を参照するに、本発明の第4の実施例に係るプローブ装置330は、プローブベース324に結合された支持ブロック336と、支持ブロック336に支持されたプローブブロック338と、プローブブロック338に取り付けられた配線シート支持体180と、プローブブロック338の後方に配置されて支持ブロック336に支持された挟持
手段312と、プローブブロック338及び配線シート支持体180の下面に取り付けられた配線シート340と、配線シート340と共に挟持
手段312に挟持された接続シート342とを含む。
【0097】
支持ブロック336は、プローブベース324に結合された結合部336aと、結合部336aの上部から前方に延びる延長部336bと、延長部336bの前部から下方に延びる支持部336cとにより、下方及び左右方向に開放する凹所336dを有するように左右方向からみて断面コ字状に形成されている。
【0098】
支持ブロック336は、結合部336aを上下方向に貫通してプローブベース324に螺合されたボルト303によりプローブベース324に取り外し可能に結合されている。支持ブロック336は、前後方向に離間された一対の位置決めピン302によりプローブベース324に対して左右方向及び前後方向に位置決められて結合されている。
【0099】
プローブブロック338は、支持ブロック336の支持部336cを上下方向に貫通してプローブブロック338に螺合するボルト305により支持部336cの下側に取り外し可能に結合されている。プローブブロック338は、前後方向に離間された一対の位置決めピン304により支持ブロック336に対して左右方向及び前後方向に位置決められて結合されている。
【0100】
プローブブロック338は、その下面が前方ほど下方となる斜めに傾斜した状態に形成されており、配線シート340を該下面に取り付けられている。また、プローブブロック338は、その前下部に配線シート支持体180が取り付けられる段部338aを備える。
【0101】
プローブブロック338に支持された配線シート支持体180は、本発明の第2の実施例に係るプローブ装置130の配線シート支持体180であり、その一部がプローブブロック338の段部338aに受け入れられた状態
でプローブブロック338に取り付けられている。プローブブロック338の傾斜した前記下面と配線シート支持体180の下面とは、共同して平坦面を形成している。
【0102】
配線シート340は、プローブブロック338及び配線シート支持体180により形成された前記平坦面に取り付けられている。配線シート340は、プローブブロック338の下面に取り付けられた主体部340aと、配線シート支持体180の下面に取り付けられた延在部340bと、主体部340aの後部から後方に延びる延在部340cと、延在部340cの後部で上方に折り返された第1の接続領域340dとを有する。
【0103】
配線シート340は、第1の実施例における配線シート40と同様に、可撓性の第1のシート状部材368
(図16(A)参照)と、第1のシート状部材368に設けられた複数の配線370
(図16(A)参照)と、各配線370の一端部の下面に設けられた接触電極372とを有する。複数の配線370は、第1のシート状部材368の一方の面に設けられており、左右方向に間隔をおいて第1のシート状部材368に沿って前後方向に延びている。
【0104】
接続シート342は、プローブベース324及び支持ブロック336の延長部336bの下方に配置されている。プローブベース324の下面には、取り付け板310がねじ部材311により設けられており、接続シート342は、取り付け板310にその一部を取り付けられている。
【0105】
接続シート342は、前後方向に延びる第2のシート状部材306と、左右方向に間隔をおいて前後方向に延びる状態に第2のシート状部材306の下面に設けられた第2の配線308とを備え(
図16(A)を参照)、前後方向に長いFPCとされている。また、接続シート342は、液晶表示用パネルを駆動する駆動信号を発生させる集積回路60が実装されている。
【0106】
図16(A)を参照するに、接続シート342は、その前部において、接続シー342の下面に形成された第2の配線308が前方を向く状態に上側に折り返された第2の接続領域342aを備える。第2の接続領域342aにおいて、第2の配線308は、配線シート340の第1の配線370に対応されて、第1の配線370と同数かつ同一配線間隔で第2のシート状部材306に設けられている。
【0107】
配線シート340と接続シート342とは、第1の接続領域340dの後面と第2の接続領域342aの前面とが対向した状態で、第1及び第2の配線370及び308が接触するように挟持
手段312により挟持されている。
【0108】
第1の接続領域340dの第1の配線370及び第2の接続領域342aの第2の配線308は相互に同一間隔で設けられていから、配線シート340及び接続シート342が挟持されるとき、第1及び第2の接続領域340d及び342aが左右方向に位置合わせされれば、第1の配線370とこれに対応する第2の配線308とが正確に接続される。
【0109】
本実施例において、配線シート340及び接続シート342は、第1及び第2の接続領域340d及び342aが対向する状態、すなわち90°程度の角度で折り返されている。これにより、配線シート340又は接続シート342を180°折り返す場合に比較して、第1又は第2の配線370又は308が屈曲されることによる断線を防止することができる。
【0110】
特に、プローブ装置330に配線シート340及び接続シート342を取り外し可能として両シート340及び342の取り付け及び取り外しを複数回行う場合に、両シート340及び342の折り返し角度を小さくすることは、両シート340及び342の断線不良を防止するために有効である。
【0111】
挟持
手段312は、第1及び第2の挟持ブロック314及び316を含み、第1及び第2の挟持ブロック314及び316は、それぞれ、後面及び前面を対向させた状態で、第1の挟持ブロック314を前後方向に貫通して第2の挟持ブロック316に螺合するボルト309により結合されている。ボルト309は、第2の挟持ブロック316を前後方向に貫通して第1の挟持ブロック314に螺合されてもよい。
【0112】
挟持部材
314は、支持ブロック336の延長部336bを上下方向に貫通して第2の挟持ブロック316に螺合するボルト307により結合されている。ボルト307は、延長部336bを上下方向に貫通して第1の挟持ブロック314に螺合されてもよい。
【0113】
配線シート340の第1の接続領域340d及び接続シート342の第2の接続領域342aは、第1及び第2の挟持ブロック314及び316の間に配置されて挟持されている。また、プローブ装置330は、第1の挟持ブロック314と第1の接続領域340dとの間に配置された弾性部材318を含む。弾性部材318は、第2の挟持ブロック316と第2の接続領域342aとの間に配置されてもよい。
【0114】
配線シート340と接続シート342とは、金属フィラーを有する導電性接着材のような接着材により接続されてもよ
い。しかしながら、この場合、接着材による接続は、接着材の硬化が充分でないために生じる接続不良の問題を有する。
本実施例において、配線シート340及び接続シート342は、第1及び第2の挟持ブロック314及び316並びにボルト309により挟持されて接続されている。
したがって、接着材の硬化不良による接続不良の問題を生じることはない。
【0115】
そのため、配線シート340と接続シート342とは、金属フィラーを有する導電性接着材のような接着材により接続される場合に比較して、確実に接続される。また、弾性部材318を配置することにより、配線シート340と接続シート342とは、適切な力で挟持されて接続される。
【0116】
また、第1の配線370と第2の配線308とを導電性接着材により仮結合させてから、第1及び第2の挟持ブロックにより第1及び第2の接続領域を挟持させてもよい。この場合は、配線シート340と接続シート342とが導電性接着材のみで結合されて接続される場合に比較して、導電性接着材が完全に硬化する前に挟持
手段312により配線シート340と接続シート342とを挟持させればよいから両シートの接続作業時間が短縮され接続作業が容易になる。
【0117】
また、接続シート342は、その後部で接続回路350に電気的に接続されている。
図16(B)を参照するに、接続回路350は、前後方向に延びる第3のシート状部材352と、左右方向に間隔をおいて前後方向に延びる状態に第3のシート状部材352の上面に設けられた第3の配線354とを備え、前後方向に長いFPCとされている。第3の配線354は、接続シート342の第2の配線308に対応されて、第2の配線308と同数かつ同一の配線間隔で第3のシート状部材352に設けられている。
【0118】
接続シート342及び接続回路350は、接続シート342の後部の下面と、接続回路350の前部の上面とが対向し、第2の配線308と第3の配線354とが接触するように接続されている。第2及び第3の配線308及び354の接触する部分において、プローブベース324の取り付け板310には、左右方向に延びる断面半球状の弾性部材320が埋め込まれている。
【0119】
接続回路350の下側には板状部材322が配置され、板状部材322は、板状部材322を貫通してプローブベース324に螺合するねじ部材313により、接続シート342及び接続回路350が介在した状態でプローブベースに結合されている。ねじ部材313のねじ込み量を調整することにより、板状部材322は、弾性部材320と共同して接続シート342と接続回路350とを適切な力で挟持できる。
【0120】
接続回路350は、プローブベース324に配置された中継基板(図示しない)を介して試験装置10のテスタに電気的に接続されている。これにより、該テスタからの電気信号が接続回路350、接続シート342及び配線シート340を介して被検査体12に供給される。
【0121】
本発明に係るプローブ装置において、支持ブロック336の支持部336cを前後方向に貫通する貫通穴をボルト309に対応させて設けても良い。そのようにすれば、プローブ装置を組み立てた後において、前記貫通穴を介してドライバーのような工具によりボルト309の回転させることができる。そのようにすれば、配線シート340及び接続シート342をプローブ装置330に組み込んだ後においても、ボルト309の回転させることにより、両シートの接続作業を行うことができる。
[配線シートの他の実施例]
【0122】
配線シート40は、例えば、
図17(A)〜(D)に示すような、種々の形状の接触電極を有することができる。
【0123】
図17(A)を参照するに、配線シート40Aは、第1のシート状部材68と、配線シート68に設けられた第1の配線70と、矩形及び扇形を組み合わせたような側面形状を有する接触電極472とを備える。接触電極472は、第1の配線70の前端部から第1のシート状部材68に対して垂直方向に直線状に立ち下がる前端面472aと、第1のシート状部材68に対して水平方向に直線状に延びる下面472bと、前端面472a及び下面472bにより形成される角部472cとを有する。
第1の配線70の前端部である伸長端で各電極14へ向けて突出するそれぞれの接触電極472の前端面472aは、
該前端面に連続する下面472bよりも第1の配線70の伸長端側に位置し、前端面472aは、前記した例と同様に、対応する第1の配線70の幅方向へ該配線と交差する直角な平坦面で構成されている。
【0124】
図17(B)を参照するに、配線シート40Bは、第1のシート状部材68と、配線シート68に設けられた第1の配線70と、矩形の側面形状を有する接触電極572とを備える。接触電極572は、第1の配線70の前端部から第1のシート状部材68に対して垂直方向に直線状に立ち下がる前端面572aと、第1のシート状部材68に対して水平方向に直線状に延びる下面572bと、前端面572a及び下面572bにより形成される角部572cとを有する。
第1の配線70の前端部である伸長端で各電極14へ向けて突出するそれぞれの接触電極572の前端面572aは、
該前端面に連続する下面572bよりも第1の配線70の伸長端側に位置し、前端面572aは、前記したと同様に、対応する第1の配線70の幅方向へ該配線と交差する直角な平坦面で構成されている。
【0125】
接触電極472及び572を有する配線シート40A及び40Bによれば、下面472b及び572bが第1のシート状部材68に対して直線状に延びているから、電極14に接触する面積は、接触電極72の弧状に延びる下面72bよりも大きい。したがって、接触電極72と電極14との接触抵抗を低減できる。
【0126】
図17(C)を参照するに、配線シート40Cは、第1のシート状部材68と、配線シート68に設けられた第1の配線70と、概扇型の断面を有する接触電極672とを有する。接触電極672は、第1の配線70の前端部から第1のシート状部材68に対して下方ほど後方となる斜めの方向に直線状
に鋭角的に立ち下がる前端面672aと、配線シートに対して水平方向に弧状に延びる下面672bと、前端面672a及び下面672bにより形成される角部672cとを有する。すなわち、前端面672aの立ち下がる角度を変更することにより、角部672cの角度を調整することができる。
第1の配線70の伸長端側で各電極14へ向けて突出するそれぞれの接触電極472の前端面672aは、
該前端面に連続する下面672bよりも第1の配線70の伸長端側に位置し、前端面672aは、対応する第1の配線70の幅方向へ該配線と鋭角的に交差する傾斜平坦面で構成されている。
【0127】
図17(D)を参照するに、配線シート40Dは、第1のシート状部材68と、配線シート68に設けられた第1の配線70と、概扇型の断面を有する接触電極772とを有する。接触電極772は、第1の配線70から第1のシート状部材68に対して垂直方向に直線状に立ち下がる前端面772aと、第1のシート状部材68に対して水平方向に弧状に延びる下面772bと、前端面772a及び下面772bにより形成される角部772cとを有する。
第1の配線70の伸長端から間隔をおいて配置されかつ各電極14へ向けて突出するそれぞれの接触電極772の前端面772aは、
該前端面に連続する下面472bよりも第1の配線70の伸長端側に位置し、前端面772aは、前記したと同様に、対応する第1の配線70の幅方向へ該配線と交差する直角な平坦面で構成されている。
【0128】
第1のシート状部材68及び第1の配線70のそれぞれは、接触電極772の前端面772aから前方まで延びる延長部68a及び延長部70aを有し、延長部68a及び70aは、前端面772aの高さ寸法と概同一の長さ寸法を有する。このような配線シート40Dをプローブ装置30に用いることにより、接触電極772を被検査体12の電極14に接触させるとき、第1の配線70の延長部70aの先端をも被検査体12に接触させることができるから、第1のシート状部材68、第1の配線70及び接触電極772は、配線シート40Dの被検査体12から押される力を分散して受けることができる。