(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1〜
図4を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る産業用ロボットの手首装置の概略構成を示す図である。
図1に示す手首装置100は、例えばベースに回転可能に支持されたロボットアームを有する多関節型産業用ロボットに適用される。以下では、ベース側を基端側と呼び、ベースから離れる方向を先端側と呼ぶ。本実施形態の手首装置100は、例えばロボットアームの先端部に設けられ、ワークの把持や加工等を行う。
【0009】
図1に示すように、手首装置100は、ロボットアーム101の先端部の第1関節10に、第1軸線L1回りに回転可能に支持された第1手首要素11と、第1手首要素11の先端部の第2関節20に、第2軸線L2回りに回転可能に支持された第2手首要素21と、第2手首要素21の先端部の第3関節30に、第3軸線L3回りに回転可能に支持された第3手首要素31とを有する。
【0010】
第1軸線L1は、ロボットアーム101の中心を通り、第2軸線L2は第1軸線L1に対して所定角度(90°)で交差し、第3軸線L3は第2軸線L2に対して所定角度(90°)で交差している。なお、
図1では、第1軸線L1と第3軸線L3とが同一直線上に位置するが、同一直線上でなくてもよい。第2軸線L2は、第1軸線L1の延長線上になく、かつ、第1軸線L1と平行でなければ、第1軸線L1と交差していなくてもよい。第3軸線L3は、第2軸線L2の延長線上になく、かつ、第2軸線L2と平行でなければ、第2軸線L2と交差していなくてもよい。
【0011】
ロボットアーム101の基端部には、第1手首要素11駆動用の第1モータ12、第2手首要素21駆動用の第2モータ22、および第3手首要素31駆動用の第3モータ32が取り付けられている。第1関節10、第2関節20および第3関節30には、それぞれ第1減速機1、第2減速機2および第3減速機3が設けられており、このうちとくに第1減速機1と第2減速機2は、偏心揺動型減速機として構成されている。なお、第2減速機2の詳細構造については後述する。第1モータ12、第2モータ22および第3モータ32からの回転は、第1減速機1、第2減速機2および第3減速機3によりそれぞれ減速される。
【0012】
ロボットアーム101の内部には、第1軸線L1に沿って円筒形状のシャフト13が延在し、シャフト13は、ロボットアーム101内の支持部(不図示)に第1軸線L1を中心に回転可能に支持されている。シャフト13の内部には、第1軸線L1に沿って円筒形状のシャフト23が延在し、シャフト23は、シャフト13の内周面に第1軸線L1を中心に回転可能に支持されている。シャフト23の内部には、第1軸線L1に沿って円柱状のシャフト33が延在し、シャフト33は、シャフト23の内周面に第1軸線L1を中心に回転可能に支持されている。
【0013】
第1手首要素11の内部には、第1軸線L1に沿って円筒形状のシャフト24が延在し、シャフト24は、第1手首要素11内の支持部(不図示)に第1軸線L1を中心に回転可能に支持されている。シャフト24の内部には、第1軸線L1に沿って円柱状のシャフト34が延在し、シャフト34は、シャフト24の内周面に第1軸線L1を中心に回転可能に支持されている。さらに第1手首要素11の内部には、第2軸線L2に沿って円筒形状のシャフト25が延在し、シャフト25の内部には、円柱状のシャフト35が延在している。シャフト35は、第2減速機2により第2軸線L2を中心に回転可能に支持されている。シャフト25は、シャフト35の外周面に第2軸線L2を中心に回転可能に支持されている。
【0014】
第2手首要素21の内部には、第2減速機2の側方において、第2軸線L2と平行にシャフト36が延在し、シャフト36は、第2手首要素21内の支持部(不図示)に回転可能に支持されている。さらに第2手首要素21の内部には、第3軸線L3に沿って入力軸37が延在し、入力軸37は、第3減速機3により第3軸線L3を中心に回転可能に支持されている。
【0015】
第1モータ12の出力軸14の先端部には平歯車141が取り付けられ、平歯車141は、シャフト13の基端部に取り付けられた平歯車131に噛合されている。シャフト13の先端部には平歯車132が取り付けられ、平歯車132は、第1減速機1の入力軸15の端部に取り付けられた平歯車151に噛合されている。
【0016】
この構成により、第1モータ12の回転は、出力軸14、平歯車141、平歯車131、シャフト13、平歯車132、平歯車151および入力軸15からなる第1伝達経路を介して第1減速機1に入力され、第1減速機で減速される。この減速後の回転力により、第1手首要素11が駆動される。なお、第1モータ12の回転を、第1伝達経路でも減速させるように構成することができる。
【0017】
第2モータ22の出力軸26の先端部には平歯車261が取り付けられ、平歯車261は、シャフト23の基端部に取り付けられた平歯車231に噛合されている。シャフト23の先端部にはスプライン232が設けられ、シャフト23は、スプライン232を介してシャフト24に連結されている。シャフト24の先端部には傘歯車241が取り付けられ、傘歯車241は、シャフト25の基端部に取り付けられた傘歯車251に噛合されている。シャフト25の先端部には平歯車252が取り付けられ、平歯車252は、第2減速機2の入力軸27の端部に取り付けられた平歯車271に噛合されている。
【0018】
この構成により、第2モータ22の回転は、出力軸26、平歯車261、平歯車231、シャフト23、スプライン232、シャフト24、傘歯車241、傘歯車251、シャフト25、平歯車252、平歯車271および入力軸27からなる第2伝達経路を介して第2減速機2に入力され、第2減速機2で減速される。この減速後の回転力により、第2手首要素21が駆動される。なお、第2モータ22の回転を、第2伝達経路でも減速させるように構成することができる。
【0019】
第3モータ32の出力軸38の先端部にはスプライン381が設けられ、出力軸38は、スプライン381を介してシャフト33の基端部に連結されている。シャフト33の先端部にはスプライン331が設けられ、シャフト33は、スプライン331を介してシャフト34に連結されている。シャフト34の先端部には傘歯車341が取り付けられ、傘歯車341は、シャフト35の基端部に取り付けられた傘歯車351に噛合されている。シャフト35の先端部には平歯車352が取り付けられ、平歯車352は、シャフト36の基端部に取り付けられた平歯車361に噛合されている。シャフト36の先端部には傘歯車362が取り付けられ、傘歯車362は、入力軸37の端部に取り付けられた傘歯車371に噛合されている。
【0020】
この構成により、第3モータ32の回転は、出力軸38、スプライン381、シャフト33、スプライン331、シャフト34、傘歯車341、傘歯車351、シャフト35、平歯車352、平歯車361、シャフト36、傘歯車362、傘歯車371および入力軸37からなる第3伝達経路を介して第3減速機3に入力され、第3減速機3で減速される。この減速後の回転力により、第3手首要素31が駆動される。なお、第3モータ32の回転を、第3伝達経路でも減速させるように構成することができる。
【0021】
本実施形態は、とくに第2減速機2(偏心揺動型減速機)に特徴的構成を有する。
図2は、第2減速機2の構成を示す断面図であり、
図3は、
図2のIII-III線断面図である。なお、以下では、第2軸線L2に平行な方向を軸方向、第2軸線L2から離れる方向を径方向、第2軸線L2を中心とした円の円周方向を周方向と定義する。
【0022】
図2,3に示すように、第2減速機2は、円筒形状ないしほぼ円筒形状のケーシング4と、ケーシング4の内部に一対の主軸受け40を介して回転可能に支持されたキャリア5とを有する。ケーシング4は、その外周面に、第1手首要素11側のケーシングと嵌合する嵌合部4
1を有する。キャリア5は、第1板部材51と、第1板部材51から軸方向に離間し、かつ第1板部材51に対向して配置された第2板部材52とを有する。第1板部材51の第2板部材52に対向する面には、第2板部材52に向けて周方向3箇所に等間隔に柱状部53が突設され、第2板部材52を貫通したボルト54が柱状部53に
螺合され、第1板部材51と第2部材52とが一体に締結されている。
キャリア5は、第1板部材51の端部に、第2手首要素21側のケーシングと嵌合する嵌合部42を有する。
【0023】
第1板部材51と第2板部材52の中心部にはそれぞれ貫通孔511,521が開口され、第2減速機2の内部には第2軸線L2に沿って中空部55が形成されている。貫通孔511,521の周面にはそれぞれ軸受け56が設けられ、第3手首駆動用のシャフト35は、中空部55を貫通して一対の軸受け56により、キャリア5に対し回転可能に支持されている。すなわち、シャフト35は貫通シャフトである。
【0024】
貫通シャフト35の外周面には、一対の軸受け56よりも軸方向外側(第2板部材52よりも外側)に一対の軸受け57が取り付けられ、軸受け57により、第2減速機駆動用のシャフト25がシャフト35に対し回転可能に支持されている。シャフト25には、第2板部材52側(先端側)に平歯車252が取り付けられ、第2板部材52の反対側(基端側)に、平歯車252よりも大径の傘歯車251が取り付けられている。すなわち、シャフト25は、傘歯車251を介して入力された駆動力を平歯車252を介して入力軸27に伝達する円筒シャフトである。なお、一対の軸受け57の間には円筒形状のスペーサ253が介装され、スペーサ253の周囲に円筒シャフト25が配置されている。
【0025】
第1板部材51と第2板部材52との間には、第1板部材51と第2板部材52とに平行に一対の平板状のピニオン6,7が軸方向に並列に配置されている。各ピニオン6,7の外周面にはそれぞれ外歯車61,71が形成されている。この外歯車61,71に対向してケーシング4の内周面には、外歯車61,71の歯数よりも1本だけ多い内歯ピン43が周方向等間隔に複数個設けられている。各内歯ピン43は一対の主軸受け40の間をそれぞれ軸方向に延在している。なお、図示は省略するが、各ピニオン6,7は、互いに180°位相がずれた状態で内歯ピン43に噛合している。
【0026】
各ピニオン6,7の中心部には貫通穴60,70が開口され、貫通穴60,70をシャフト35が貫通している。貫通シャフト35の一端部(基端部)には、傘歯車251よりも軸方向外側(第2板部材52の反対側)に傘歯車351が取り付けられ、他端部(先端部)には、平歯車352が取り付けられている。傘歯車251と傘歯車351は互いに平行に配置されている。
【0027】
第1板部材51の柱状部53に対応して周方向3箇所に貫通孔63,73が開口され、各貫通孔63,73には柱状部53が隙間を空けて挿入、すなわち遊嵌されている。さらに各ピニオン6,7には、周方向に隣り合う貫通穴63,73の間に、それぞれ周方向3箇所に等間隔に貫通穴62,72が開口され、各貫通穴62,72にはそれぞれ入力軸27が挿入されている。入力軸27はクランクシャフトであり、クランクシャフト27に対応して、第1板部材51および第2板部材52にはそれぞれ周方向3箇所に貫通穴512,522が開口されている。
【0028】
クランクシャフト27の第1手首要素側の一端部は、第2板部材52の貫通穴522を貫通している。第2板部材52から突出した3本のクランクシャフト27の端部には、それぞれ平歯車271が取り付けられ、これら3枚の平歯車271は中央の平歯車252にそれぞれ噛合している。クランクシャフト27の第2手首要素側の他端部は、第1板部材51の貫通穴512に挿入されている。貫通穴512,522にはそれぞれ軸受け59が設けられ、クランクシャフト27は軸受け59を介してキャリア5(第1板部材51、第2板部材52)に回転可能に支持されている。なお、貫通穴512には外側からカバー513が取り付けられ、貫通穴512はカバー513により閉塞されている。
【0029】
クランクシャフト27は、その軸方向中央部に、クランクシャフト27の中心軸から等角度だけ偏心した2個の偏心部272,273を有し、偏心部272,273は周方向に180°だけ位相がずれている。偏心部272,273は、ピニオン6,7の貫通穴62,72内にそれぞれころ軸受け274を介して回転可能に支持されている。
【0030】
以上のように構成された偏心揺動型減速機2において、円筒シャフト25の傘歯車251に第2モータ22(
図1)からの駆動力が入力されると、その駆動力は平歯車252,271を介して3本のクランクシャフト27に伝達され、これらクランクシャフト27が各々の中心軸周りに回転(自転)する。これにより偏心部272,273が貫通穴62,72内において偏心回転し、ピニオン6,7が180°だけ位相をずらした状態で偏心回転(公転)する。ここで、内歯ピン43の本数は、ピニオンの外歯車61,71の歯数よりも1本多いので、ピニオンの偏心回転によりキャリア5が回転し、第2手首要素21が駆動される。
【0031】
一方、貫通シャフト35の傘歯車351に第3モータ32(
図1)からの駆動力が入力されると、その駆動力は貫通シャフト35を介して平歯車352に伝達され、平歯車352が回転する。これにより第3モータ322からの駆動力を、偏心揺動型減速機2の中空部55を介してスペース効率よく第2手首要素21側に伝達することができ、この駆動力により第3手首要素31を駆動することが可能となる。
【0032】
以上の第2減速機2は、予め
図2の状態に組み立てられた後、第1手首要素11のケーシングに取り付けられる。このとき、第2減速機2は、ケーシング4の嵌合部41で第1手首要素11に対して位置決めされる。このため、第2減速機2の基端側から突出した傘歯車251,351を第1手首要素11の先端部の傘歯車241,341に精度よく噛合することができる。その後、第2減速機2に第2手首要素21が取り付けられるが、この場合も、第2減速機2は、
キャリア5の嵌合部42で第2手首要素21に対して位置決めされる。このため、第2減速機2の先端側から突出した平歯車
361を第2手首要素21の基端部の平歯車352に精度よく噛合することができる。これにより手首装置100の組立および分解が容易となり、手首装置100の保守、点検作業等を容易に行うことができる。
【0033】
本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)偏心揺動型減速機2の軸線L2に沿って貫通穴511,521,60,70により中空部55を形成し、この中空部55を貫通して減速機2内に貫通シャフト35を回転可能に支持して、第3モータ32からの回転力を第1手首要素11側から第2手首要素21側に伝達するようにした。さらに、偏心揺動型減速機2に、軸線L2から径方向にオフセットした貫通シャフト35の周囲に、一端部に平歯車271を有する複数のクランクシャフト27を設けるとともに、軸線L2を中心に回転可能な円筒シャフト25を設け、円筒シャフト25の一端部に、第2モータ22からの駆動力が入力される傘歯車251を、他端部に複数のクランクシャフト27の平歯車271にそれぞれ噛合する平歯車252を設けるようにした。
【0034】
これにより複数のクランクシャフト27に第2モータ22からの駆動力を入力することができるとともに、偏心揺動型減速機2を経由して第2手首要素21内の平歯車352に第3モータ32からの駆動力を伝達することが可能となる。さらに、第1手首要素11に対して位置決めする必要がある第2減速機2、傘歯車251、傘歯車351の回転中心軸線を全て同一直線上に配置できるため、第2減速機2の基端側を第1手首要素に位置決めする際、減速機の位相を合わせる必要がない。すなわち、本実施形態によれば、第3手首要素駆動用の貫通シャフト35を有する偏心揺動型減速機2について、大型化を防ぎ、かつ、組立及び分解の容易な構造とすることができる。
【0035】
(2)偏心揺動型減速機2の中空部55の軸方向外側における貫通シャフト35の外周面に、円筒シャフト25を回転可能に支持する軸受け57を装着するようにした。これにより中空部55内に配置される部品がシャフト35と軸受け56のみとなり、偏心揺動型減速機2を小型化することができる。これに対し、本実施形態の比較例である
図4に示すように、貫通シャフト35の外側に円筒シャフト25と一体に円筒形状のシャフト254を設け、このシャフト254と貫通シャフト35との間に一対の軸受け57を設けて円筒シャフト25を回転可能に支持する場合、中空部55内にシャフト35、軸受け57、シャフト254、軸受け56を配置するため中空部55が拡大し、偏心揺動型減速機2が大型化する。
【0036】
(3)貫通シャフト35の一端部に径方向に延在する傘歯車351を取り付け、この傘歯車351とクランクシャフト27の端部の平歯車271との間に、これら歯車351,271に対して平行に径方向に延在する円筒シャフト25の傘歯車251を配置するようにしたので、偏心揺動型減速機2の軸方向長さを必要最小限に抑えることができ、偏心揺動型減速機2をコンパクトに構成することができる。
【0037】
(変形例)
上記実施形態では、第1モータ12(第1手首駆動モータ)、第2モータ22(第2手首駆動モータ)および第3モータ32(第3手首駆動モータ)をそれぞれロボットアーム101に設けるようにしたが、第2モータ22および第3モータ23の少なくとも一方を、第1手首要素11に設けるようにしてもよい。
図5は、第3モータ32を第1手首要素11に設けた例である。
図5において、第3モータ32の出力軸38は第2軸線L2上に延在し、出力軸38は、スプライン等を介して第2減速機2(偏心揺動型減速機)を貫通するシャフト35に連結されている。このように第3モータ32を第1手首要素11に取り付けることで、ロボットアーム101内に第3伝達経路を形成する必要がなく、ロボットアーム101の構成を簡素化できる。
【0038】
図6は、第2モータ22と第3モータ32を、第1手首要素11内に配置した例である。
図6において、第2モータ22の出力軸26は、第2軸線L2と平行に延在している。第2減速機2の円筒シャフト25の基端部には、傘歯車251ではなく平歯車255が取り付けられている。出力軸26の端部の平歯車261と円筒シャフト25の端部の平歯車255との間には平歯車256が配置され、平歯車256を介して第2モータ22からの駆動力が第2減速機2に伝達される。
【0039】
第1手首要素11内において、第3モータ32の出力軸38は、第2軸線L2と平行に延在している。貫通シャフト35の基端部には、傘歯車351ではなく平歯車353が取り付けられている。出力軸38の端部の平歯車382と貫通シャフト35の端部の平歯車353との間には平歯車383が配置され、平歯車383を介して第3モータ32からの駆動力が貫通シャフト35に伝達される。第2手首要素21内において、貫通シャフト35の端部には、平歯車352ではなく傘歯車354が取り付けられている。第2手首要素21内では、第3軸線L3に平行にシャフト39が延在している。シャフト39の基端部には傘歯車391が取り付けられ、先端部には平歯車392が取り付けられている。入力軸37には、傘歯車371でなく平歯車372が取り付けられている。貫通シャフト35の回転は、傘歯車354,391、シャフト39、平歯車392,372を介して入力軸37に入力される。
【0040】
上記実施形態(
図1)では、第1減速機1と第2減速機2を偏心揺動型減速機として構成したが、
図6に示すように第2減速機2のみを偏心揺動型減速機として構成してもよい。第1板部材51と第2板部材52の貫通孔511,521により、第2減速機2内に回転中心軸線L2に沿って中空部55を形成したが、中空形成部の構成はこれに限らない。中空部55に回転可能に支持されるとともに、第3モータ32からの回転力を第1手首要素11側から第2手首要素21側に伝達するのであれば、貫通シャフト35の構成はいかなるものでもよい。
【0041】
貫通シャフト35の周囲に3本のクランクシャフト27を配置したが、クランクシャフト27の本数はこれに限らない。第1手首要素11側の端部に回転力を入力する歯車271(入力ギヤ)を有するのであれば、クランクシャフト27の構成はいかなるものでもよい。貫通シャフト35の外周面に軸受け57を介して回転可能に円筒シャフト25を設けたが、第2モータ22からの回転力が入力される歯車251(第1ギヤ)と、複数のクランクシャフト27の歯車271がそれぞれ噛合する歯車252(第2ギヤ)とを有し、第2軸線L2を中心に回転可能に設けられるのであれば、ギヤ部材としてのシャフト25の構成はいかなるものでよく、シャフト25の配置も上述したものに限らない。
【0042】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態および変形例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。すなわち、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能である。